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2024-07-17

イベントに呼びたいアーティストとは

最近推し活という言葉流行っている。特にアイドルなんかの生身の人間オタクをやることが、まるでブームのように毎日SNSでバズりメディアで取り上げられている。

仕事柄、と言ってもも引退したので前職になるが、推し活をしている人から質問されることがある。その中でも多いのが、イベントフェスにどのアーティストを呼ぶかってどう決めてるの?という類の質問だ。恐らくその後ろには、私の推しもっとたくさんイベントに出るにはどうすればいいの?という興味があるのだろう。

これは人や会社による上に私はもう現役でないから、直接聞かれてもそれっぽいことを言ってのらりくらりと躱してしまう。ただ、最近まりにも聞かれるからきっと推し活をしている人なら興味津々の話題なのかもしれないと思った。なので、匿名ネットの隅に書いておくことで答えとしたい。

ただ、飽くまで私の場合、なのであまり本気で捉えずに話のネタ程度に読み流してほしい。辞めた身なので自分勝手なことも書いているし、今イベントに関わっている人たちの総意では決してないことは理解してほしい。私の前職が何なのかも適当想像してほしい。

前置きが長くなったが、イベントに呼びたいアーティスト一言で言えば「イベント成功させてくれるアーティスト」だ。

有名で人気のあるアーティストを呼んでたくさんチケットが売れれば成功なんじゃないの?と思う人もいるだろうが、実はそうでもない。それだけ人気があってファンもたくさんやってくるアーティストは、呼ぶ側も結構大変なのだ。会場の広さ、スタッフの数、運営経験値などを鑑みると、人を捌ききれずにイベント自体パンクする可能性もある。スケジュールやギャラの調整も考えると、言い方は悪いがコスパが良いと言えないケースも割と多かったりする。

とにかく有名な人を呼ぶより、イベントの規模や目的合致した人を呼ぶ方が重要なのだ

私が重視していたのは、以下のポイントだった。

自己実現よりイベント成功を重視してくれる

アーティストにとってイベントに出ることは、キャリアアップにもなるし自分名前を知ってもらう機会にもなると思う。もちろんそうした機会を提供できるようなイベントでありたいとは常に思っている。

だが、「自分を見てほしい」「自分を知ってほしい」「自分が楽しみたい」という具合にイベント100%自分のためのステージに使われると正直困る、というのも本音だ。

当たり前だがイベントには主催者がいて、スポンサーがいて、他にもたくさん関わっている企業個人がいる。地域活性化や周年記念など、イベントを開催することで達成したい目標もある。イベント成功とはライブが盛り上がるだけではなく、スポンサーが十分なリターンを得られたか主催者が掲げた目標を達成できたか、も含まれる。

からこそ、自分が楽しくライブをできれば良し、という姿勢だけでは正直困るのだ。逆に、自分は何のために呼ばれたのかを考えてくれるアーティストは本当にありがたい。イベント自分のために用意されたのではなく、自分イベントのために用意されたという考え方とでも言うべきだろうか。

・盛り上げ上手、巻き込み上手

上の内容にも重なるが、イベントワンマンライブとは異なり自分ファン以外の観客も会場にたくさんいるケースが多い。そんな状況で、会場をひとつにして盛り上げてくれる力量や技術のあるアーティストはかなり重宝される。

また技術が発展途上でも、盛り上げようという視点を持っているかどうかは重要だ。この場には自分ファン以外の人がいて、自分はそういう人たちも楽しませたい、と考えてくれるアーティストは、例え多少稚拙でも伝わるものはある。

少し愚痴にもなるが、いくら有名で人気のあるアーティストでも自分たちのファンしか視線が向いていないなと感じる人は正直いた。残念なのはこうした視野の狭さゆえに、決して傲慢で嫌味な人たちではないのに観客に「このアーティストは私のことを見ていないな、私向けではないんだな」と思わせてしまうシーンが割とあることだ。イベント全体を盛り上げるという意味ではキャスティングミスだったか、と感じるときもあった。

誰もが知ってる有名曲がある、聞き入るような歌声演奏、見入るようなパフォーマンスMC面白い、観客を巻き込むコールレスポンス楽しい…と盛り上げる方法はたくさんある。裏を返せば、観客を巻き込む能力は有名ヒット曲匹敵するとさえ個人的には思っている。

ファンが品行方

これはかなり重視した。一人マナーの悪いファンがいたら即ブラックリスト、という訳ではないが、例えるなら一番後ろの席から俯瞰で見たときに「このアーティストファンはこういう感じなのか」と分析するようなものだ。実際後ろの方から、上の階から客席を見てみると、特にマナー違反はよく目につく。

もちろんお客さんはお金を払ってイベントに来てくれている訳なので、こういう風に楽しめだとかあれはするなこれはしろだとかを指摘するつもりはない。それでも、楽しいイベントにするためにはマナーを守って楽しんでくれる人に来てほしいと思うのが人情だ。

個人的な感想だが、ファンアーティストの鏡という言葉も聞くが、上記2つを自然にできるアーティストファンほど「イベント全体を楽しもう」という傾向が強いと思う。いいアーティストはいファンがつく、というのは案外本当なのだろう。

なお今だから言えるが、観客に紛れてトイレロビーにいると実に様々なトークが耳に入ってくる。良いことも悪いことも、割と中の人は見聞きしていると思った方がいいかもしれない。

他にも細かく見ればいろいろあるが、特に大きいのはこの3つだ。

共通して重視するのは、イベントに対する考え方や姿勢だった。イベント趣旨ミスマッチを起こすとお互いのためにならないし、こちらのわがままを言うと「自分のためにやりたいことをやるならワンマンライブでやってほしい、ここは外部のビジネスの場だ」という思いも少なからずあった。そんなこちら側の気持ちを分かってくれて、同じゴールを見てくれるアーティストビジネスパートナーとして大変ありがたい。

なおこの質問をする人が推しているアーティストは年齢が若めのことが多いが、これらのポイント経験を重ねるほどうまく出来るようになる傾向がとても強い。だから若い人は出来なくても良い、と言いたいのではなく、若くしてこれができたらかなり強みになるのではないかと思う。少なくとも私はそういう人たちとたくさん仕事がしたい。

  • おまえローゼス再結成ライブの発煙筒見たら卒倒しそうだな

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