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海外の所得税事情〜アメリカ・ヨーロッパ・アジア各国の税金はどうなる?

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海外で働くグローバル人材必見!アメリカ・ヨーロッパ・アジア各国の所得税事情まとめ

監修: 蝦名 和広 税理士

グローバル人材が必要だと言われだして久しくなります。国境の壁は少なくなり、ビジネスの舞台は日本から世界へと広がりつつあります。そこでこのページでは、各国の所得税事情について紹介します。国毎に税制は異なるので、日本との違いについて正しく把握をしておきましょう。

目次

海外赴任と所得税の基本

海外赴任をする場合、日本の所得税はどのように扱われるのでしょうか。世界の所得税を見る前にまずは確認をしておきましょう。

所得税の課税基準は「居住者」かどうか

海外赴任をするに当たって所得税の課税対象者になるかを判断する基準が設けられています。それは「居住者」かどうかです。

居住者とは日本に居住地・住所を持っている人のことをいいます。この居住地・住所を所持しているかの判断基準は、滞在期間が1年未満か以上かで区別します。

もし海外在住が「1年未満の場合は居住者」として扱われ、「1年以上の場合は非居住者」です。そして居住者であれば課税対象者として扱われることになっています。

アメリカの所得税制度について

それでは、各国の所得税制度について見ていきましょう。まずはアメリカの所得税制度についてご紹介します。

7段階の累進課税制度を採用

アメリカの所得税制度は「10%~39.6%」までの7段階に累進課税制度が設けられています。なお、これはあくまで連邦所得税(国税)です。この他に州税や市税等の地方所得税も課税されます。

アメリカでは年に1回、確定申告をする

アメリカでは年に1回確定申告手続きを取らねばなりません。これは給与所得・事業所得を問わず、所得者は全員手続きを行います。

申告期限は翌年の4月15日までと決められているため、この期限までに税務当局まで確定申告書を提出する必要があります。

所得税の計算方法について

アメリカの所得税の計算方法は下記の通りです。

  • 課税対象額=総所得-調整項目-基礎控除額等
  • 所得税額=課税対象額×所得税率-税額控除

アメリカには基礎控除のほかに医療費控除や寄付金控除などもあります。これらを当てはめながら所得税額を算出する決まりになっています。

ヨーロッパの所得税制度について

次にヨーロッパの主要国の所得税制度についてご紹介します。

イギリスの所得税制度

イギリスの所得税制度は「20%~45%」の3段階に累進課税制度になっています。イギリスの課税期間は4月6日~翌年4月5日までです。この期間に183日以上(半年)滞在した場合に、課税対象者として扱われます。

なお、イギリスの所得税制度にも基礎控除が設けられており、10,600ポンドまで適用を受けられます。

ドイツの所得税制度

ドイツの所得税制度は「0%~45%」の比例累進課税制度です。これは所得が増えるのに合わせて税金も比例して増える方式です。

イギリスと同様で183日以上の人が課税対象者になります。なお、183日未満の人でも所得を得ていたら、その分が課税対象になります。基礎控除額は現在、単身者で8,472ユーロ、夫婦で16,944ユーロとっています。

フランスの所得税制度

フランスの所得税制度は「0%~45%」の5段階の累進課税制度です。非課税枠も設けられており9,690ユーロ以下の場合は無税です。

なお、年収25万ユーロを超える高額所得者に対しては特別課税が設けられています。25万~50万ユーロの部分に3%、50ユーロ超の部分に4%が課税されます。フランスは高所得者に対して所得税を重くしていると言えるでしょう。

イタリアの所得税制度

イタリアの所得税は「23%~43%」の5段階の累進課税制度です。この他に地方税や市税といった所得税も徴収されます。そのため所得税負担は重たい国と言えます。

ただしイタリアの場合は家族手当などの給付金も支払われます。これで所得税分を相殺することになっています。

アジアの所得税制度について

近年ではアジアへ進出する企業も多いです。これらの国の所得税制度についても解説をしておきます。

韓国の所得税制度

韓国の所得税は「6%~38%」の5段階の超過累進課税制度となっています。段階ごとの超過分に対して所得税が上乗せして課されます。

例えば1,500万ウォンの場合、「1,200万ウォン×6%+300万ウォン×15%」といった具合です。そのため、超過分を上乗せして行く方式が採用されています。

中国の所得税制度

中国の所得税制度は「3%~45%」の9段階の累進課税制度です。控除額も設けられており、「課税所得額×所得税率-控除額」で所得税額を算出することができます。

なお、外国人控除も用意されており、年間で4,000元までは基礎控除を受けることもできます。

台湾の所得税制度

台湾の所得税は「5%~45%」の6段階の超過累進課税制度が取られています。段階ごとに課税率が定められており、合計金額が所得税となっています。これを各年度に所得税額を計算し、税務当局に支払います。

なお、非課税者の所得は源泉徴収されて、90日未満であれば確定申告は必要ありません。

おわりに

各国の所得税制度についてご紹介しましたがいかがでしたか。国毎に財政事情は異なるため、同じ地域でも税率・税制は違います。もし今後海外に赴任することがあれば、このページを参考にして頂けると幸いです。

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