特集(2015年7月)
2012年から建設を進めてきたUACJ (Thailand) Co., Ltd.(以下、UATH)ラヨン製造所は2015年、鋳造工程から熱間圧延工程までの第2期工事が完了し、一貫生産が本格稼働します。
この製造所は、日本、米国と並ぶグローバル生産体制の基軸として、アルミニウム需要が増大するアジア市場への供給はもちろん、世界各地のニーズに応えていきます。
飲料缶需要が
アジアで堅調に推移するなかで
収益性の高いエンド材に注力
アジア市場では、経済成長や人口増を背景に、飲料缶の需要が拡大しています。こうしたなか、UACJグループでは、2015年に本格稼働するUATHラヨン製造所で旺盛な需要に応えていく計画です。この製造所は、アジア最高レベルの生産拠点となることを目指したアルミニウム缶材の生産拠点であり、エンド材を供給。この部材は、高度な生産技術を要することから供給者が限定されるため、高い収益性が期待できます。さらに今後は、ボディ材も供給する計画で、飲料メーカーのニーズに幅広く対応していきます。そして、2017年までに生産規模を拡大し、高いシェアを獲得することで、安定した事業の柱としていく考えです。
収益性を踏まえ、部材ごとの方針を展開
- エンド材
- 内圧に耐え得る強度を実現するため、優れた生産技術力が求められるエンド材。なかでも付加価値の高い塗装エンド材を中心に生産力を強化し、2017年までに市場での高いシェアを獲得します。
- ボディ材
- 競争が厳しい市場ではあるものの、エンド材で獲得したシェアを強みに2017年から拡販を強化。エンド・ボディ両材を供給できることを活かし、北米やオセアニアの需要も取り込んでいきます。
自動車需要が
世界的に増大するなかで
エリアを越えた拡販を展開
世界中で自動車需要が増大するなか、UACJグループが品質・技術面で優位性をもつ自動車用熱交換器材への需要も高まっています。こうした市場の変化を、高品質と低コストの両立を実現するUATHラヨン製造所は、自動車用熱交換器材を拡販するチャンスと捉えています。数多くの自動車部品メーカーを擁するアジアエリアの需要に対応するのはもちろん、グローバル生産体制の基軸として、他のエリアへの供給も計画。これまでの欧州に加えて、新たにタイからもエリアを越えた拡販を展開していきます。
市場ニーズへの対応に加え、雇用創出など、タイ国の発展に寄与するUATHラヨン製造所
UATHラヨン製造所では、アジア最高レベルの生産拠点となることを目指し、設備増強への投資とともに、現地従業員の採用・教育を進めています。こうした取り組みは、現地の経済発展や雇用創出、技術人材の育成に大きく貢献するものと、タイ国工業省やタイ投資委員会、タイ工業団地公社などから高く評価されています。