自民党の細田博之衆院議長(78)は25日、女性記者への〝セクハラ疑惑〟が「週刊文春」で報じられた問題に対して「まったくの事実無根だ」との立場を繰り返した。

 この日、同誌電子版は細田氏が複数の女性記者に「添い寝したら(重要情報を)教えてあげるよ」「膝枕してよ」と迫り、永田町の自民党本部で女性職員の体を日常的に触ることもあったと報じた。

 細田氏は衆議院本会議の終了後、報道陣の取材に「言えることは、すでに月曜日に抗議文を出しているが、その通りで立場は変わっていない」と同誌の報道内容を改めて否定した。

 岸田文雄首相は本会議で、立憲民主党議員から「(細田氏は)議長の資格があると考えているのか」との質問に「行政府の長として見解を述べる立場にない」と答え、細田氏の進退問題に触れなかった。

 自民党内では今夏の参院選を目前に控え、細田氏の〝セクハラ疑惑〟が収束しない緊急事態に危機感を募らせている。

「三権の長として失格です。疑惑説明をしないままで参院選に入れない。岸田首相は細田議長が自ら進退についてケジメをつけることを願っているはずですよ」(自民党議員)

 党内では早くも細田氏の後任議長の名前が取りざたされ始めている。

「細田議長は安倍派。同じ派閥の衞藤征士郎氏、麻生派の甘利明氏、平成研究会トップを務めた額賀福志郎氏です。岸田総裁はこの中から選ぶ可能性があります」(自民党関係者)

 一方、野党側は細田氏の〝セクハラ疑惑〟を今後も追求の構えだ。日本維新の会の藤田文武幹事長は「事実なら非難されるべきだし、進退も含めて考えるべきだ」。

 これまで与党のスキャンダル追求を控えていた立民の馬淵澄夫国対委員長は「ことがことだけに看過できません。議長というより、議会人の資質としていかがなものか」と語った。