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ニデック(日本電産)の株価が下がり続ける悲しい理由。投資するなら永守会長と心中する覚悟が必要か=栫井駿介

今回はニデック(旧:日本電産)のお話です。日本電産は永守重信さんが率いる企業で、彼は「御大」とも呼ばれるほどの強烈な方です。ニデックは直近で業績を下方修正しています。後継者問題や永守さんのパワハラに関することも雑誌等で取り上げられています。今回の下方修正に至るまでの経緯や、企業の成長と衰退について考えてみたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

中国電気自動車市場は「レッドオーシャン」

ニデックが今期の営業益を下方修正し、車載不振が続くとの報道です。
第3四半期までの実績は過去最高でしたが、第4四半期に損失を計上するため、通期の業績予想が下方修正されると発表されました。
株価も2021年頃に上がった後、下がり続けています。

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出典:Google

元々下落傾向だったため、今回の下方修正によって大きく下がったということはありませんでした。

下落の原因は、中国の電気自動車市場での低調で、競争が激しくなっていることが挙げられます。
中国の電気自動車市場は急成長しており、電気自動車は参入障壁が少ないため、多くの企業が参入しています。
これにより価格競争が激しくなり、多くの企業が赤字で市場を奪い合っている状況です。

ニデックは日本電産時代からモーターを製造する会社として成長してきました。
今後、モーターの需要が伸びる分野として電気自動車市場を選び、中国に大きくベットしました。
しかし、中国の電気自動車市場は競争が激化し、市場は「レッドオーシャン」となっています。
永守さん自身も、参入している全ての企業が赤字であると言っています。

外部招聘社長に責任転嫁?

ここ最近、ニデックでは社長の交代が相次いでいます。

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電気自動車に重点を置くために特に日産自動車関係から引っ張ってきて社長に据えましたが、業績が上がらないことで次々に解任してきました。
特に直近の関さんの解任の時には、従業員の労働環境を良くしようとした関さんに対して、自分の意にそぐわないということで、業績不振の原因をなすりつけるような形で解任しました。
その際に、「構造改革費用」として減損処理を行ったにもかかわらず、今回また構造改革費用として損失を計上し、業績予想の下方修正となりました。

これを振り返ると、永守さんは業績不振を歴代の社長のせいにしてきましたが、そもそも中国の電気自動車市場を選んだことが間違いだったのではないかと感じざるを得ません。

しかし、永守さんにその考えは無いようで、「永守軍団のハードワークで勝つ」と述べています。

Next: 「M&A→コスト削減」の手法は限界?買うなら永守会長と心中する気で

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