米ドル円は上昇トレンドの下落局面。上昇局面への転換価格は、終値で107円75銭を越えることである――正五角形の黄金比率で相場を読み解く「ペンタゴンチャート」の第一人者・川口一晃氏による最新の各通貨ペア分析をお届けします。(☆ペンタゴンチャート分析<為替編>)
※本記事は『☆ペンタゴンチャート分析<為替編>』(2020年7月12日号)の一部抜粋です。興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本稿で割愛したビットコインの展望もすぐ読めます。
ペンタゴンチャートの見方
(1)ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
(2)各点が変化日になる
(3)各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
(4)中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
(5)時間の逆行は起きてはいけないこととされている
米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンド 各通貨ペアチャート分析
米ドル/円 上値が重たくなる
<先週の動き>
堅調な展開が続くのであれば、右肩上がりのACラインを維持していくことが期待された。しかし、p点やq点といった上値の節目が効いていることに加え、B点が位置する時間帯にかけて下落し、ACラインを割り込み、売りポジションに転換した。
次の注目日は7月21日前後である。
A点水準:約113円25銭
C点水準:約108円75銭
<今週のポイント>
B点が位置する時間帯にかけて下落していることから、B点が位置する時間帯が変化日となっており、週明けも上値の重たい展開が続いていくのか否かがポイントになる。
上値の重たい展開が鮮明になるのであれば、下値支持線であるADラインを試すことが考えられる。つまり、ADラインを割り込むと100円前半を試す動きになっていくことが考えられる。
<現在の相場状況>(基本のポジションとロスカットを含めた転換価格を提示)
上昇トレンドの下落局面である。
上昇局面への転換価格(買いシグナル及びロスカット)は、終値で107円75銭を越えることである。
<今週のメインシナリオ>
上値の重たい展開になっている。p点やq点が上値の節目となり、B点が位置する時間帯にかけて下落している。また、下値支持線として期待されたACラインを割り込んでしまったからだ。この場合、106円を試す動きになっていこう。
<サブシナリオ>
堅調な展開に移行する可能性も残っている。下値支持線ADラインの上方を推移している。そして、先週末のローソク足は下ヒゲの長い足になっているからだ。この場合、108円台に乗せていくことになろう。
ユーロ/米ドル 流れが変わるのか
<先週の動き>
底堅い動きが続いている。すなわち、下値支持線であるABラインを割り込んだことで軟調な展開が想定されたのだが、下落することなく底堅い動きを見せている。そして、先週末に右肩下がりの上値抵抗線BCラインに到達した。
次の注目日は7月23日前後である。
A点水準:約1.10ドル
B点水準:約1.17ドル
<今週のポイント>
堅調な展開が続くのであれば、右肩下がりの上値の抵抗線BCラインを越えていくことが求められる。そして、BDラインを窺う展開になっていくことが期待される。
p点とのダブルトップに近いパターンが形成されていることからもBCラインに絡んで上値の重たい展開に移行する可能性も残っている。
<現在の相場状況>(基本のポジションとロスカットを含めた転換価格を提示)
上昇トレンドの上昇局面である。下落局面への転換価格(売りシグナル及びロスカット)は、終値で1.123ドルを割り込むことである。
<今週のメインシナリオ>
堅調な展開を維持している。A点が位置する時間帯以降、緩やかな上昇を続けている。また、B点以降も右肩上がりの推移を維持しているからだ。この場合。BCラインを越えて戻り高値を更新していくことが期待されよう。
<サブシナリオ>
上値の重たい展開に移行する可能性が出てきている。右肩下がりのBCラインが存在している。また、真横に新しいペンタゴンが描き足される場合に越えていくライン(ここでのBCライン)に到達すると、直前の流れと逆の流れになるケースが多いからだ。その場合、1.12ドルを割り込んでいくことが考えられる。