プロトタイピング
できるだけ早く試作品を作るよ
お客さまの意見を聞いて試作品の完成度を上げていくよ
簡単に書くよ
プロトタイピング(英:prototyping)とは
「試作品を作る」→「作った試作品をお客さまに見てもらう」→「試作品に対する意見をお客さまからもらう」→「お客さまからもらった意見を試作品に反映する」を繰り返すことで完成度を上げていくやり方
です。
詳しく書くよ
サクっと一言で説明すると
さっさと試作品を作って、それを変更していくやり方
が「プロトタイピング」です。
1.試作品を作る
2.作った試作品を見てもらう
3.試作品に対する意見をいただく
4.いただいた意見を試作品に反映する
を繰り返すことで、完成度を上げるやり方です。
例えば、そうですね。
ピヨ太君はピヨ子さんからの依頼でピヨ子さん専用の新作ケーキを作ることになりました。
いまだかつて誰も食べたことがないような苺ショートケーキを作る予定です。
苺ショートケーキは、簡単に言えば苺とショートケーキが合体したケーキです。
最高の苺を最高のショートケーキに乗せることで最高の苺ショートケーキが完成します。
最初にピヨ太君がやったのは、ピヨ太君が考える最高の苺ショートケーキを作ることです。
もしかしたらピヨ子さんの欲しいケーキとは違うかもしれませんけどね。
気にしません。
とりあえずのお試しです。
たたき台にできれば十分です。
試作品を作ったピヨ太君は、実際にピヨ子さんに見てもらいました。
試作品のケーキを見たピヨ子さんは「もう少しキラキラ感が欲しいわね」と言いました。
ふむふむ、なるほど。
もっとキラキラ感が欲しいのですね。
分かりました。
やりましょう。
ピヨ太君は試作品のケーキにキラキラ感を追加しました。
さて、今度は、どうでしょう。
ピヨ太君は、キラキラ感を追加した試作品のケーキをピヨ子さんに見てもらいました。
試作品のケーキを見たピヨ子さんは「どうせなら、もっと大きい方が良いわね」と言いました。
ふむふむ、なるほど。
たくさん食べたいのですね。
分かりました。
やりましょう。
ピヨ太君は試作品のケーキを大きくしました。
さて、今度はどうでしょう。
ピヨ太君は、大きくした試作品のケーキをピヨ子さんに見てもらいました。
今度はピヨ子さんも満足してくれたようです。
ピヨ子さんは「とっても素敵ね!こんな感じのケーキが欲しかったのよ!」と喜んでくれました。
これでピヨ太君とピヨ子さんの間で完成図のイメージを共有できました。
あとは細部を詰めれば完成です。
例えば、材料を吟味したり、どんな箱に入れるか考えたりですね。
細かい部分を調整して、ピヨ太君は最高の苺ショートケーキを完成させました。
ここまでを振り返ってください。
ピヨ太君は
1.試作品を作る
2.試作品をピヨ子さんに見てもらう
3.試作品に対するピヨ子さんの意見をもらう
4.ピヨ子さんの意見を試作品に反映させる
を繰り返すことで、ピヨ子さんが欲しがっているケーキを作り上げました。
この話においてピヨ太君がやった「できるだけ早く試作品を作って、それにお客さまの意見を反映させることで完成度を上げていくやり方」がプロトタイピングです。
プロトタイピングのメリットは、お客さまと認識のズレが出にくいことです。
百聞は一見に如かずですからね。
お客さまが専門知識を持っていない場合でも、試作品を見れば完成図をイメージできるはずです。
最後まで完成してから「これは思っていたのと違う!」と言われる可能性は少ないでしょう。
あるいは試作品を見ることで、お客さまのイメージが刺激され「あっ!そういえば、こんなこともやりたいんだった!」と思い出す可能性もあります。
物を見ることで実際の使い方をイメージしやすいのもメリットです。
あとは作りながら考えられる点でしょうか。
すべてのやりたいことが最初から分かっているとは、かぎりません。
「う~ん、ここは、どうしよう?」な部分も出てくるはずです。
その「う~ん、ここは、どうしよう?」な部分を保留しておけるのもプロトタイピングのメリットでしょう。
分からないところは適当に作っておけば良いのです。
完成するまでに決まれば問題ありません。
一方のデメリットは「面倒くさい」と「終わりが見えにくい」です。
まずは「面倒くさい」について説明します。
試作品とはいえ、実際に物を作りますからね。
紙に書く(設計書を作る)よりも手間がかかります。
「あっ!やっぱり、こっちの方が良いね!」となった場合の変更も、紙に書いてある場合と比べて面倒くさいはずです。
次に「終わりが見えにくい」について説明します。
その気になれば、要望なんてものは、いくらでも出せます。
終わりは、ありません。
どこで切り上げるかの判断は難しくなります。
また「あっ、これも必要だった!」な内容の規模が想定より大きい場合もあります。
「この機能は絶対に必要だけど作るのがメッチャ大変」と後から分かる場合などです。
悪い言い方をすると、プロトタイピングは「出たとこ勝負」です。
全体の工数が計算しにくい部分があります。
他にもメリット・デメリットはありますけどね。
今回の説明では、これくらいにしておきます。
もっと細かいことを知りたい人は他のところで勉強してください。
プロトタイピングは、どちらかといえば作る人が大変なやり方です。
お客さまにとってはメリットが大きいでしょうけどね。
作る方の負担は少なくありません。
そのため、規模の大きい開発では、あまりやらないと思います。
お客さまから「やっぱり、こうして」と言われたときに直す量が多くて大変だからです。
「あ~、設計書とか書くヒマがあったら実際の物を作った方が手っ取り早いかな?」な場合には、よくやります。
比較的、規模が小さくて全体像が把握しやすい場合です。
一言でまとめるよ
まぁ「プロトタイピング」って単語が出てきたら「試作品を作って、それを変更していくやり方なんだな~」と、お考えください。
おまけ
■訳してみるよ
「prototyping(プロトタイピング)」は「prototype(プロトタイプ)」+「ing」です。
「prototype(プロトタイプ)」の意味は「試作品」とか「原型」とかです。