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ケッキング

登録日:2010/04/07 Wed 23:23:35
更新日:2024/12/21 Sat 22:39:30
所要時間:約 7 分で読めます








出典:ポケットモンスター XY&Z、34話『準決勝フルバトル!サトシ対ショータ!!』、
2015年10月29日~2016年11月10日まで放送。
OLM Team Kato、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



■データ


全国図鑑No.289
分類:ものぐさポケモン
英語名:Slaking
高さ:2.0m
重さ:130.5kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

タイプ:ノーマル

特性:なまけ(一回行動すると次ターン行動出来ない)

HP:150
攻撃:160
防御:100
特攻:95
特防:65
素早さ:100
合計:670

努力値:HP+3

ナマケロがレベル18でヤルキモノに進化
ヤルキモノがレベル36でケッキングに進化する。


■概要


第一形態のナマケロはナマケモノのような姿をしており、その見た目通りとてもぐうたらな性格をしているが、
ヤルキモノに進化すると二本足で立ち上がって山猿のような姿になり、途端にやる気を出し始め森を駆け巡って興奮を静めないと眠れない程血気盛んになる。
若干オコリザルとキャラが被ってるような気がする。

しかし最終形態のケッキングになるとゴリラともナマケモノとも取れるゴツい姿になり何故か再びナマケロ時代同様に怠けだす。
一体何があった。


一日中ほとんど動かず、手の届く範囲にある草や木の実を食べながら生活する。
周りに食べる物が無くなるとしぶしぶ移動する。
まさにニートである。
名前の由来は「欠勤」と「キング」を合わせた物。
通称「欠勤王」
たまに「ケッキングパパ」とか言われる


しかしこんなぐうたらな性格だがその身体には絶大なパワーを溜め込んでおり舐めてかかると本気を出されて手痛い反撃を食らう。
やれば出来る子なのに何故ベストを尽くさないのか。


■ゲームでのケッキング


進化前のナマケロは「トウカのもり」に低確率で出現する。
特性「なまけ」により育てるのは大変だが、頑張って育てれば中盤以降はそこそこ活躍してくれる。

上述の仕様から本編攻略においては敢えてヤルキモノで進化を止めた方が使いやすいことも。
種族値こそ低めだが、レベルと努力値の差でゴリ押せる旅パでは弱点が1つで催眠耐性・回復技を持つ等の利点から使い勝手は悪くない。
かわらずのいし」を持たせればレベルアップの度にBキャンセルする手間がなくなるので便利。
「いしのどうくつ」で拾えるほか、野生のイシツブテゴローンからも入手できる。
ただし「たべのこし」や「たつじんのおび」「せんせいのツメ」といった手頃なアイテムを使いづらくなるのはやや気になるか。

トレーナーではジムリーダーセンリが切り札としてケッキングを使用。
その高い能力値に絶望したトレーナーは多いだろう。しかもエメラルド以外はこれが2匹
「なまけ」による1ターンのハンデがあるとはいえ、超火力と耐久力を併せ持ち素早さも高い。
「からげんき」で次々と手持ちが倒されていき、あと一歩のところで「かいふくのくすり」を使われた暁にはもう……。
ハリテヤマキノガッサ等の高火力格闘を用意できれば突破しやすくなる。
実は「まもる」があれば完封できる(わざマシン入手は先だがペリッパーココドラ等が自力習得)。

ポケモンコンテストライブではなまけずにちゃんとアピールしてくれるのでご安心を。
しかし、ライブアピールのスマートシャイニーロードを出した場合「寝転がったまま猛スピードで駆け回る」という超シュールなムービーを見せられることになる。

ポケモンコロシアムではシャドーボス・ワルダックが使用。
ヤドキングに「スキルスワップ」をしてもらい、特性を打ち消すというコンボを仕掛けてくる。
この戦法はエメラルドでもセンリ(再戦)のハピナスが使用してきた。


■対戦でのケッキング


ギラティナと同じHPにグラードンすら超える超絶な攻撃値を誇り、
その他の能力も特防を除いて高く、合計種族値はグラードン・カイオーガと同等という、常識外れなスペックを有する。伝説の怪物と同じレベルの強さのニートとは一体
しかし2ターンに1回しか動けないマイナス特性「なまけ」という超絶なデメリットも持つというなんともハイリスクハイリターンなポケモン。俗に言う『有能な怠け者』。
一日中ほとんど寝そべって動かないって伝説あるし、もうこいつ禁止伝説に分類していいんじゃね?


その特性的にアタッカー以外の役割を持つ事が難しいため、
こだわりハチマキ」や「こだわりスカーフ」を持たせての撃ち逃げが基本。
カビゴンのごとき鈍重そうなイメージに反し素早さ種族値は100もある。怠けてさえいなければちゃんと動けるデブということなのだろう。とはいえこの素早さ帯は激戦区でもあるため、やはりスカーフを巻かない限りは最速推奨。

特性のおかげで「まもる」「みがわり」「きあいのタスキ」等にとても弱いので注意しよう。
特性が「ありじごく」や「かげふみ」のポケモンと対面した時は完封される可能性が高い。

GBA世代では彼に匹敵する決定力を持つポケモンは伝説のポケモンぐらいだったので一時猛威を奮っていた。
特に攻略本等では、なまけを逆手に取って「はかいこうせん」を撃たせるという戦法が紹介されており、かなり有名だった。
普通のポケモンでは使いづらい「みだれひっかき」も(勿論「こだわりハチマキ」装備の上でだが)彼の超パワーなら「みがわり」対策として使えたほどである。
ジュカインサンダース程度なら「みだれひっかき」で押すことができたことから彼の怪力ぶりが分かるだろう。

しかし、DPt(DS世代)からは火力インフレが起こり、道具や特性のコンボによりケッキングに近い火力を発揮するポケモンが出現。
さらに「みがわり」も再びわざマシン化し大安売りされだしたため、思うように活躍できなくなってしまう。
その上、XYでは同タイプのメガガルーラをはじめとするメガシンカ勢、SMからはZワザとより手軽に高火力を発揮できる手段が充実。
結果、火力と引き換えに1ターン行動不能という重いハンデを背負うケッキングは現環境ではすっかり影が薄くなってしまっている…

しかしその決定力は未だに侮れない物があり今でも全然戦える。
その決定力と耐久力でPTの苦手な相手を無理矢理落とすような立ち回りが理想。

似たような能力を持つポケモンにレジギガスがいるがあっちは出した直後に暴走出来ないのでケッキングのほうが圧倒的優位。

デメリットが特性「なまけ」と重なる超威力の「ギガインパクト」(GBA世代は「はかいこうせん」)とは相性が良い。
しかし、反動で交替が出来なくなるため撃ち逃げが出来ないのは痛い上、オーバーキルにもなりがち。
「すてみタックル」の方が撃ち逃げ型としては扱いやすいだろう。反動ダメージもHPの高さからあまり気にならない(「メガトンキック」は反動なしだが命中率が不安)。
しかし覚えるには今のところGBAを経由しないといけないので手間がかかる。
面倒なら「おんがえし」でも良いが、少し決定力不足かも。
ORAS以降のレーティングバトルでは第6世代以降で捕獲・孵化したポケモンしか使えないため、現在では「ギガインパクト」か「おんがえし」の二択になってしまっている。

「みがわり」対策に「みだれひっかき」を使う手もあるが、威力・命中率共にとても不安定。

サブウェポンは優秀な相性補完技「じしん」「けたぐり」「アームハンマー」
ゴースト対策に「ふいうち」「つじぎり」「シャドークロー」「だましうち」(第3世代では「シャドーボール」)
はがね対策の「だいもんじ」「ほのおのパンチ」にドラゴン対策の「れいとうパンチ」
等々、ノーマルらしく豊富。

特殊技もかなり豊富で特攻も何気に95とそこそこなので特殊型も意表が付けるかも。

変化技も「ちょうはつ」「なまける」「カウンター」「あくび」「ビルドアップ」「アンコール」と異様に豊富。
しかし、特性的にサポート役として扱うのは難しい。
もっともケッキングの「なまけ」ターンは積み技を誘発しやすくケッキング=拘り系アイテムという印象も強いため、
それを逆手に取り拘り系以外のアイテムを持ち「アンコール」を仕込むと案外有効だったりする。
ただし逆に読まれると他のポケモン以上に悲惨。

ダブルバトルでは相方に「いえき」や「スキルスワップ」等を使ってもらい、特性「なまけ」を取り除いてもらうのも有効。
シングルバトルではなかなか見られない、やる気を出して暴走する欠勤王の勇姿を見ることができる。
素早さが高い「いえき」使いとしてはアギルダージャローダデンチュラ三猿等が存在する。
「スキルスワップ」を覚え、かつメガシンカが可能なポケモンなら「スキルスワップ」で移した「なまけ」も即上書きできる。
他にも、味方のデスカーンに攻撃することでケッキングの特性を「ミイラ」にするという手もある。
ゴーストに半減されるむし技で初撃の威力が低い「れんぞくぎり」ならデスカーンへのダメージも最小限に抑えられる。
ただし連続斬りは第三・第四世代の教え技なのでレートでは三色パンチ等の適当なサブウェポンで攻撃することになるだろう。

ちなみに「なまけ」に対して「なやみのタネ」「シンプルビーム」「なかまづくり」は効かない
「シンプルビーム」が効けば「ビルドアップ」が超性能になり、元々高めの素早さも相まって手がつけられなくなるのだが……
この点ではレジギガスの方に分があり、「はりきりなかまづくり」「シンプルビーム」「かがくへんかガス」などで特性を無視したレジギガスの動画は人気を博している。

USUMでは教え技として前のターンに怠けていると一致(or拘り)「じしん」並の威力になる「じだんだ」を習得。
ただし、場に出て最初のターンには最高威力を出せないという制約は厳しく、撃ち逃げを前提とするスカーフ型でも最高威力を出すためには1ターン怠ける必要が生じる。
また「ギガインパクト」関連でも指摘された通り、交代せず相手の行動を許すデメリットも大きい。
特性との相性が良いとは言え、採用するかは慎重に検討したい。

剣盾には登場しないがBDSPでは第4世代までのポケモンは全員登場することもあって参戦。
今作では原種マタドガスが自身以外の特性を無効化する特性「かがくへんかガス」を引っ提げて登場。
剣盾ダブルのギガスドガスのように、ケッキングとマタドガスを並べて「なまけ」を無効化する並びが現れている。仮にマタドガスを倒されても、レジギガスと異なりケッキングのステータスが落ちないのが差別化点になる。
中にはケッキングとレジギガスを同じパーティに同居させたり、進化前のドガースを同時に採用してガスを維持するプレイヤーもいる。

SVではマタドガスはいなくなってしまったが、味方全員の特性を相手の特性で上書きできるタギングルが新たな相棒に。
相手に依存はするものの昨今は強特性持ちが選ばれやすいので強力なコンボが成立しやすい。
相手にこのコンビが見えたら、選出順序等には特に気を付ける必要が出てきた。
ちなみにキタカミの里ではドガースが出没するため、SVのみでなら原種のマタドガスは再入手可能になる。ガラルマタドガスを使いたい場合は剣盾で進化させよう。
ついでにチャーレムが「スキルスワップ」を覚えたため、「ヨガパワー」を持たせることもできるように。20年遅いとか言わない

上記の通り非常にハイリスクであり、ハイリターンではあるがぶっちゃけ現環境は素で火力がインフレしており、少なくともシングルではデメリットを背負ってまで使うような性能ではない。
第3世代の頃ですらこんな評価だったのだから、第4世代以降は推して知るべし。合計種族値が高いと言っても、特防は65と低め、素早さは激戦区の100、あまり利用されない特攻に95も割り振られている。
実質物理面以外はさほど突出していないとも言え、レジギガスに比べ配分には無駄が多い。
また単ノーマル故一致技では一切弱点を突けず流行タイプの鋼タイプには半減、メガガルーラのように不一致でゴリ押せるほどの攻撃力もないので体感的な火力が並のアタッカー以下となることも。
上述の通り襷や身代わりに弱い点もこれらの使用率が高いレートでは辛い所で、カイリューミミッキュ、「がんじょう」持ち等が幅を利かせている環境ならなおさら厳しくなる。
一方で対人戦ではほぼ不可能だが「相手を一撃で倒してしまう公算がある」バトルでは非常に強力。バトルピラミッドやバトルステージなどでは独特の地位を築いている。
また、CPUはそこまで「なまけ」を意識して行動しないためそういう意味でも相対的に強い。

第四世代ではものまねバグで「スキルスワップ」を不正に覚えた個体を作ることが可能。
勿論バグポケモンなので世代間移動を行う際にチェック機能で弾かれる上に、対人戦で使うことが憚られるが、ソロプレイで使う分には問題ないだろう…多分。
ちなみにバトルフロンティアなどで使ってもそんなに強いわけではなく、同じものまねバグを使うならヌケニンをはじめもっと適役は多い。

■進化前 ヤルキモノ


全国図鑑No.288
分類:あばれザルポケモン
英名:Vigoroth
高さ:1.4m
重さ:46.5kg

特性:やるき(ねむり・ねむけ状態にならない)

  • 種族値
HP:80
攻撃:80
防御:80
特攻:55
特防:55
素早さ:90
合計:440

努力値:素早さ+2

二足歩行の白いナマケモノのような姿をしたポケモン。
分類通り、血気盛んかつ暴れることが好きな性格。
常に心臓の鼓動が速く、全身の血が滾っているため、少しでもじっとしていられない。
体を動かしていないとストレスが溜まり、具合が悪くなってしまう。


種族値はケッキングより大幅に劣るが、特性「なまけ」がないので使用感はまるで異なる。
数値自体はいずれも平均的かそれ以下であり、強いて言えば中速型のポケモンにしては物理耐久がやや高いといった程度。
ラッタ等の序盤ノーマルと似通った配分だが、特性や技の差で攻撃面では基本的にそれらにも劣る。
しかし、持ち前の豊富な変化技を上手く活かせば耐久型を中心になかなか活躍でき、「やるき」のおかげで催眠技に強いのも利点。
「ドわすれ」や「ビルドアップ」を積んで「なまける」で回復する耐久型や「あくび」からの「きあいパンチ」によるコンボ、
いざというときの「きしかいせい」「じたばた」「カウンター」等やれる戦法は豊富。
ただ旅パと違い対戦で普通の物理アタッカーとして使うのはさすがに火力不足で、それならケッキングにした方が良い。
ケッキングがバリバリのアタッカーでヤルキモノが怠けたり欠伸するなどダラダラした戦い方なあたり、イメージと真逆である

BWからは新アイテム「しんかのきせき」により耐久に磨きがかかり、かなり厄介な存在に。
素の耐久力ではポリゴン2に負けるものの、変化技が豊富なおかげで使い方によってはかなり鬱陶しい。
進化後のケッキングが基本的に「なまけ」をフォローできるダブル以外では厳しいのに対し、こちらはポリ2等がいない環境ではシングルで活躍する可能性がある。

「なまける」や「ドわすれ」等一部ナマケロ時代しか覚えない技があるため育成の際は注意。

ちなみに特性が「やるき」一択なので、「やるき」と「ふみん」だと寝かしつけられないポケモンドリームワールドでは唯一出禁を食らっていたポケモンだった。
第9世代現在でも(PDWは第6世代中にサービス終了となったが)、このシステム下でどうあがいても眠れないポケモンはヤルキモノのみである。

余談だが、「ポケモン総選挙720」ではコロモリコマタナと同率で717位だった。
その圧倒的不人気ぶりに加え、単独最下位だったバオッキーと違い殆ど話題にも上がらないことから「真の不遇ポケモン」と呼ばれることも。
リトルバトルでしか使われないコロモリ達と違い、こちらは普通の対戦で使える性能にもかかわらずこの順位と考えるとより悲惨かもしれない。

ただ、外伝作品とはいえポケモンGOでは後述の通りヤルキモノ独自の強さを発揮し、対戦で大きく活躍し一定の人気を得た。世の中何が起きるかわからないものである。


■ポケダンでのケッキング


ゲームと違って能力値は普通なのに特性「なまけ」はそのままな謎仕様。
どう考えても進化前のヤルキモノの方が強いので、よほどケッキングが好きでない限り進化させないほうがいい。
以降はこの特性で眠っていると、周囲のポケモンをあくび状態にする効果が追加されたが、敵としてのウザさが増した程度でしかなく、味方としてはやはり使えない。ねむるで自ら眠ってアテにするのも無理があるだろう。
なお、探検隊のオスの個体や救助隊DXでは話しかけると「足手まといになるんじゃねぇぞ。」と言ってくることがある。 お前が言うな としか言い様がない。


■アニメでのケッキング


ゲーム同様ジムリーダーのセンリがナマケロ、ヤルキモノと共に使用。
何故かセンリのケッキングは常に本気を出しており怠けない
圧倒的なパワーでサトシのジュプトルを追い詰めるが、体力を消耗したジュプトルが特性「しんりょく」を発動したため形勢逆転となり、威力が増した「リーフブレード」で敗れた。

XY&Zではショータも使用。サトシルチャブルのバトルスタイルである「相手の攻撃を受けてから反撃に出る」という戦術を逆手に取り、
ルチャブルの攻撃を高い耐久と「なまける」で耐え抜いて、確実に「カウンター」による一撃必殺を決められるタイミングを見抜いて勝負を決めた。
その後ダメージの蓄積でファイアローに倒されたものの、ルチャブルメタでの採用というショータの方針は十分達成できたといえる。
「正々堂々戦うが、どんな手を使ってでもサトシに勝ちたい」というショータの執念をうまく表したポケモンである。

ショータのケッキングは「なまける」を多用することでその場から動かなかったのでケッキングらしさは表れている。
しかしセンリのケッキングは普通のポケモンと同等に動くのでずるいなんてもんじゃない。
ゲームのように「1ターン」が厳密に決められている場合は問題にならないが、漫画やアニメのような感覚で理解するものとケッキングの最大の個性「なまけ」は非常に相性が悪く、
どうしてもケッキングの描かれ方は本家ゲームと違った形になってしまう。


■ポケモンGOでのケッキング


伝説を差し置いて最高CP4431を誇る。しかもこれは通常アメによる強化の限界で、TL30で解禁されるアメXLによるさらなる強化を行なった場合その数値は驚愕の最大CP5010*1これ以上のCPを誇るポケモンは伝説含めても現状メガシンカ/ゲンシカイキしたポケモンしかいない。CP数値だけいえば圧倒的最強クラス。
しかしそこはケッキング。通常技は威力0でダメージが1固定の「あくび」しかないため、攻撃手段がゲージ技のみというデメリットがある。
総合火力の低さからジム攻略やレイドバトルでは活躍できないが、ハピナスやラッキーに次ぐイカれた耐久力を活かしたジム防衛役としては中々頼りになる……かに思われた。
しかし、通常技が使い物にならないせいでジム防衛にも向かないという結論に至ったことが判明。実際戦えばわかるが、耐久の差に加えてノーマルアタックでもしねんのずつきで常に弱点をついて体力を減らしてくるハピナスと比べると、実際に出てきた時のプレッシャーの差は大きく出てくる。まあ通常技が貧弱なら最速で攻撃を撃ち込める上にゲージ技さえ気をつければいいもんね…

期待していたスペックが災いした、ジムの防衛に向かない原因

スペシャルアタックは1ゲージで「じしん」とタイプ一致の「はかいこうせん」、そしてかくとう対策になる2ゲージの「じゃれつく」とコミュニティデイ(後述)で追加されたタイプ一致3ゲージの「のしかかり」がある。
…が、迎撃に使うなら実質「じゃれつく」一択となっている。技開放するにしても「のしかかり」が必須である。というのも1ゲージ技はどちらも技の発生から命中するまでのタイムラグが長いという致命的な欠点があり、この技を使う頃には自身の残り体力も少ないため耐久力の低さが災いして技が命中する前に倒されるという最悪なケースも発生するからだ。攻略者にとってはこれを見ると、だいたい「20秒ぐらいで倒せて被ダメほぼなしのバッジ貢献度超ウマー」となるため、これほどありがたいカモはおらず、CPの高さに反して簡単に倒せてしまう可能性があるのが弱さの原因のひとつになっている。
また、ダメージ1固定の「あくび」のせいでこちらはノーマルアタックの技避けが不要であり、逆にこちらのノーマルアタックはほぼ確実に最速で撃ち込めるというのも災いしており、これは技避け優先のプレイスタイルでもガンガン体力を削っていけるということになる。ノーマルアタックも避ける人はそう多くいないと思われるが、その人からすればDPSにも確実に差が表れ、狙われやすい原因を自ら作っているため、この時点でジムの防衛にはそもそも向いていないのである。
そのため、「じゃれつく」か「のしかかり」以外じゃ最悪「あくび」した回数しかダメージを与えられずに退場するという無能な働き者そのもののムーブが発生してしまうこともあり得る。…というか仮に技が「じゃれつく」でもこの『「あくび」しかダメージを与えられずに倒される』現象は発生することがある。やっぱりコイツ自身のやる気次第らしい
ノーマルタイプのジム防衛なら素直に最も硬いハピナスや「おんがえし」持ちで迎撃力の高いカビゴンかガチグマに任せる方が良い。…というか耐久力だけなら同じく「しねんのずつき/サイコキネシス」でかくとうタイプの体力を的確に削ってくる防衛特化のラッキーにすら劣り得るため、鉄壁の4匹がいればコイツの出番は基本ないようなものである。

高CPによる期待に対する非情に残念な現実

一応、強さの面でフォローしておくと、技の「じゃれつく」は発生速度がとても早いので避けづらく、自慢のCPによりタイプ不一致でありながらノーマル対策に出てくるカイリキーを返り討ちにしやすいという強さはある。実際直撃したらものすごく痛く、CPの高さがただの飾りではないのは事実と言えるだろう。…あくまで直撃したら、の話だが。
…実はこの技の早さはハピナスがよく迎撃に使う「サイコキネシス」とほぼ同じ。つまりハピナスの「サイコキネシス」を安定して避けて倒せるぐらいなら、コイツの「じゃれつく」も結局簡単に避けられやすいのである。
そしてゲージ技でしか削れないのに耐久力自体はハピナスに遠く及ばないため(よくてソーナンスと同程度)、「あくび」で動けない間に倒される可能性も高い。そうなると良くて2回しか攻撃出来ないため、耐久力どころか総ダメージでもハピナスに劣り得るということになる。因みにハピナスは自慢の耐久力のおかげで、強化具合によっては3~4回ゲージ技を普通に使える…あっちはCPに反して異常なまでに固く、良い意味でCP詐欺である
最悪、技避けに失敗しても控えにメルメタルザシアン等かくとうタイプの技が使えるポケモンをもう1匹用意していれば、そちらが楽に倒してくれる。そして技避けが安定出来るならコイツとの連戦もハピナスよりは圧倒的に楽に行えるため、結局は素のCPが全一でありながらその数値に全く合わないただの見かけ倒しにしかならない。上記の通りデメリットが致命的なので、どう良いところを挙げようとしてもそれでこの致命的なデメリットを覆すことは出来ないのである。なんでハピナスやラッキーのCPは逆にこんな低いの?と疑えるだろう…
単純に「じゃれつく」をジム防衛で使いたいだけならそれこそ「あまえる」を覚えるプクリンドンファンの方が圧倒的に適任なのは言うまでもなく、そもそもジムのコンセプトは防衛…つまり攻められてもいかに守れるかどうかの方が問われるため、『CPが高いからジムも守れるだろう』なんて浅はかな考え方は厳禁である。こんな脳筋思考してたらラッキーやハピナスの強さに説明が付かない。
同じダメージ1固定のノーマルアタックでも「ロックオン」ポリゴンZや「はねる」ソーナンスの方がCPの低さでまだ勝る。そしてどちらもシャドウ個体をリトレーンすれば、技避けが至難な「おんがえし」を覚えるため厄介さで見たらあちらの方が圧倒的に上である。こんなのでCP全一を名乗っているんだからそりゃこれを置くトレーナー共々無能と言われるワケである。原作では有能な怠け者がここでは無能な働き者、皮肉な話である。
同じくジム防衛には絶対ありえへん絶対にあり得ないバンギラスドサイドンボスゴドラヒスイクレベースはアタッカーとしては優秀(このうちボスゴドラとヒスイクレベースは火力こそ低いものの、タイプ相性で有利な相手にはとことん有利なのがポイント)なので強化する価値は大いにあるが、ケッキングはそうもいかないので、ケッキングの強化はよほどの好事家でもない限りはオススメしない。
この防衛に向かないポケモンのうち、最近ではドサイドンが「おんがえし」並みに技避けが至難な「ワイドブレイカー」を覚えるようになったため、ノーマルアタックの「どろかけ」と併せて迎撃や削り要員としての株は上がっているのだが、ケッキングの方は登場して長年経っていながらなまけ要素を消す調整すら未だに一切されていない。そりゃクソザコサンドバッグにもなって当然である


大量発生

2019年6月のコミュニティデイでは進化前のナマケロが大量発生し、ケッキングにはゲージ技に「のしかかり」が実装された。
3ゲージ技なので攻撃の頻度は多いのだが、かくとうタイプメタの「じゃれつく」に明確に勝る性能ではない。というかカビゴンでやる方が良い
ただしコミュニティデイの例に漏れず色違い実装&出現率アップだったため、その意味では頑張る意義もあった。

じゃあ進化前のヤルキモノは?

進化前のヤルキモノはというと、高性能通常技の「カウンター」と、同じく高性能ゲージ技の一致「のしかかり」のコンボが非常に強く、種族値との噛み合いの良さも相まって擬似かくとうタイプとしてスーパーリーグで一定の地位と人気を築き上げている。ズルズキンを始めとした本家格闘タイプや似た立ち位置のタチフサグマには一歩劣るかもしれないが、一致のしかかりの強さは他ポケモンにはない強み。というか本作のトレーナー戦ではのしかかり持ちがどいつもこいつも強い。つまり図鑑登録の目的以外でケッキングには進化させない方が良いというのが現状の正しい結論となっている

特別な個体

2024年6月ごろ、「初夏のまどろみ」イベントでバイザーを身に付けたナマケロが期間限定で出現していた。この系統では初の実装となる。
こちらもコミュニティデイ同様、色違いは出現していたため、実用性はともかく頑張る意義はあるにはあった。そして何も知らずに進化させてコイツをジムに置いては速攻で退場されるにわかも大量に発生した

ポケモンカードゲームでのケッキング

本家のケッキングの「なまけ」を、なんらかの条件で技が使えなくなるという性質で再現したカードが多い。
「コイントスに成功すると技の威力が上がるが、失敗するとなまける」など。
しかし「バトル場にいる時限定で、他のポケモンカードすべての特性(ポケパワー・ポケボディーだった頃も)が使えなくなる」という、なぜか相手を怠けさせるカードも登場している。
ケッキングのイラストには原作では見られない躍動的なものが多く、ケッキングファンには嬉しいものが多い。


Pokemon Sleepでのケッキング

ナマケロ~ケッキングまでそれぞれ登場している。
ナマケロとケッキングがすやすやタイプの睡眠で野生出現するのに対し、ヤルキモノだけ浅い眠りのうとうとタイプでの出現となっている。

お手伝いとしての性能はきのみ集めが得意なタイプかつ、集めるきのみは「キーのみ」、初期取得食材は料理での使いどころが多い「あんみんトマト」と癖のない構成。
キーの実は高ランクで行けるようになる「ウノハナ雪原」のカビゴンの好物に指定されているのでその点でも評価できる。
メインスキルはこれまた優秀な「食材ゲットS」。

ナマケロのお手伝いスピードは意外にもそれほど遅くなく、ヤルキモノに進化すれば一気に速くなり、より優秀なポケモンになる。
しかしケッキングに進化するとなまけの再現なのかお手伝いスピードがいきなり低下してしまう
お手伝いスピードが進化によって低下するのはケッキングのみであり、他のステータスを比べてもヤルキモノから順当に強化されたのは、きのみ得意タイプにとってあまり重要じゃない最大所持数とアイテムで補強可能なメインスキルのレベルのみとパッと見全くいいところがない。

当然ながら配信当初は大多数のプレイヤーからヤルキモノの下位互換扱いされており、「ケッキングに進化させること自体が罠」とまで言われてしまっていた。

しかしながら、ポケモンのお手伝い性能を数値化したSP自体はヤルキモノから大幅に上がっており、お手伝いスピード低下と引き換えに何らかの仕様で優遇されている可能性がある。
…と噂されてきたが内部データ解析と検証の結果、なんと食材確率とメインスキル発動確率がケッキングになると大幅に上昇することが発覚。特にメインスキルの食材ゲットSはサブスキルと性格で特化すれば1日に4~5回発動するというきのみ得意タイプにあるまじき活躍量となる。
つまり、ポケモンスリープのケッキングはスキル得意に近似した、食材集め特化のきのみ得意タイプというなんとも変わった性能をしていることになる。

総合的にはヤルキモノから全くの別方向で強化されており、欠点こそ多いが大きなロマンを秘めている、本編と似たキャラ付けになっているとも言えるだろう。


余談

  • 前述のとおり、モチーフは動物の「ナマケモノ」。
    • ナマケモノも緩慢な動作であまり動かないが、これは別に怠けている訳ではなく、
      エネルギー消費量を極端に絞ることで極力動かず、最低限の食事だけで生き延びられるように進化したため。やっぱり怠けてるじゃないか…
    • ナマケロの鉤爪は2本なのでおそらくフタユビナマケモノがモチーフ。
    • ケッキングになるとナマケモノというよりもはやゴリラ*2のような巨躯だが、新生代(約500万年前)から更新世(約1万年前)くらいの南米には体長6~8メートル、体重3トンにもなる巨大ナマケモノの「メガテリウム」が生息していた。
      しかも時代的に人類はこの巨大ナマケモノを実際に目撃した、あるいは狩猟して食っていた可能性が高い。


ケッキング「追記・修正したら負けかなと思っている」

トレーナー「よし、パッチール! 欠勤王に……スキルスワップだ!」

ケッキング「み な ぎ っ て き た !!

ケッキングのギガインパクト!

相手のカイオーガは倒れた!

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最終更新:2024年12月21日 22:39

*1 次点でレジギガスの4913、一般ポケモンに限定しても2位がガブリアスの4479。

*2 ケッ「キング」という名前からおそらくキングコングもモチーフになっている。