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機動戦士ガンダムNT

登録日:2018/12/07 Fri 13:43:49
更新日:2024/12/20 Fri 22:13:07
所要時間:約 18 分で読めます






ニュータイプ神話の行きつく先――
そこにあるのは破滅か、永遠の生命か?


機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)





2018年11月30日に劇場公開された、劇場版ガンダムシリーズの一作。
機動戦士ガンダムUC』の複数の外伝をベースに、『UC』の直系の続編として再構築されている。

監督は新鋭・吉沢俊一。脚本は原作小説からほぼすべてを担当しているニュータイプフェチ・福井晴敏。音楽は『UC』から変わらず、壮大さに定評のある澤野弘之。
A wakening of the Trailblazer-』から8年ぶりの劇場作品、
新訳Ζ』から12年ぶりの宇宙世紀劇場作品、
機動戦士ガンダムF91』以来27年ぶりの宇宙世紀新作劇場作品。




宇宙世紀シリーズで、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を基点としてそこから100年を描く一大プロジェクト「UC NexT 0100」の第1弾作品。
また、本作はそうした次世代を担う新しいスタッフの育成も兼ねているらしく、これまで『UC』を担当してきたサンライズ第一スタジオを中心に、本作が初監督の吉沢氏を始め、30代中心の若手アニメーターが多数集まっている。

ストーリー原案は原作完結後にアニメ版に合わせて刊行された小説版不死鳥狩り
小説では原作最終決戦とほぼ同時期の物語だが、『NT』では舞台は『UC』終結から1年後のU.C.0097に再設定された。
福井氏が「UC外伝ではなく宇宙世紀の本伝を描く作品」と自負する通り、一年戦争開戦からラプラス紛争までの一連の流れを取り込んでいる。
『UC』本編で繋がりが深かった『ΖΖ』はその反動か、今回はMSの意匠以外でほとんど絡まなくなってしまった。哀。

アニメ版『UC』の滑らかな演出に対し、目まぐるしくカットが移り変わる『逆シャアオマージュ
ごちゃもり装備を使い捨てていくMS、初めてまともな映像描写が行われたコロニー落とし、終盤ちらりと登場するあの人物、などなど、随所にニヤリとくる演出が仕込まれている。
『UC』や宇宙世紀ものに触れたことがない人が楽しむには少々つらいところがあるので、
せめて『UC』だけは事前に原作を読むなり、TV版やOVAを観るなりしておくことをおすすめする。
また、劇場公開に先立ち、本編の冒頭23分がTV・ネットで公開された他、本編の脚本を基にした小説版も発売されている。

DVD&Blu-rayは2019年5月24日発売。
特装版特典には、リディ・マーセナスを主役とした追補小説「獅子の帰還」を音声化したドラマCDが付属した。

かつてはdアニメストアで視聴可能だったが、現在は配信終了している。
配信当初は有料レンタル配信だったが、後に制限無しでの無料視聴が可能となっていた。ただし視聴後のコンプリート対象外。

2023年3月5日から3月26日にかけてMBS系列で「TVエディション」版が全4話で放送された。

楽曲


主題歌
「narrative」 歌:SawanoHiroyuki[nZk]:LiSA


挿入歌
「Vigilante」歌:mpi&Gemie
「Cage <NTv>」歌:SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle



ストーリー



U.C.0079――
地球連邦政府に独立戦争を挑んできたジオン公国の「コロニー落とし」により、落着点のオーストラリア・シドニー近郊を始め、地球は甚大な被害を受けた。
だが、そのコロニーの墜ちた地にも僅かな生存者がいた。遠足の帰りだった3人の小学生が、コロニー落としのビジョンを予知し、避難を呼びかけたのだった。
一つの街を救った彼らは「奇跡の子供達」と呼ばれ、小さな話題となる。しかし彼らの両親は、不幸にも命を落としていた。

U.C.0087――
孤児となった奇跡の子供達は軍の新人類研究所にいた。
一人はその能力を買われて大企業家の養子となり、権謀術数の世界に入った。
もう一人はその能力を更に拡張するべく、肉体を強化され、行方知れずとなった。
取り残された最後の一人は自らの無力に涙した。

そしてU.C0097――
前年度の『ラプラス紛争』終結後、姿を消していた金色のMSが再臨した。その名は「フェネクス」。
神にも等しい力への鍵となるユニコーンシリーズ。その末裔たるフェネクスを追い、連邦軍とルオ商会、そしてジオン共和国は「不死鳥狩り」に乗り出す。


フェネクスを求め、軍に残った「最後の1人」ヨナ・バシュタ。
無数の嘘を吐き続け、悲願を果たそうとする「養子」ミシェル・ルオ。
フェネクスと同じくヒトの業を体現し、破滅へと突き進むゾルタン・アッカネン
物語はこの3人を中心に展開していく。




主要登場人物


◇役名(演者)の順で表記。
各種外伝から続投しているものも多いが、本稿では『NT』準拠の設定を記す。

ルオ商会関係者

機動戦士Ζガンダム』で登場した、ホンコンに本拠地を置く大企業。
本作ではコロニーにも顔が利くレベルの大商会、さながら「小アナハイム」として描かれている。
一年戦争から常に最善手を選び続けてきた同社には、ある秘密があるというが……?

◇ヨナ・バシュタ少尉(榎木淳弥、中村文徳(幼少期))
主人公。25歳の赤毛の青年。3人の子供たちの黒一点。
8歳の時にミシェルと共にリタと握手することでこれから起こるコロニー落としのビジョンを受け取りニュータイプへと覚醒。このコロニー落としを予知したことが契機で、ミシェル、リタと共に「奇跡の子供」扱いされるようになってしまった。
以後、オーガスタ・ニュータイプ研究所(ニタ研)所属となり、そこでミシェル、リタと生き別れる。
グリプス戦役終結後は過去を隠蔽し、連邦軍士官学校へ入学。卒業後、実戦経験前にミシェルに呼び出され、彼女の私兵として「不死鳥狩り」に投入される。
劇中ではディジェナラティブガンダムに搭乗。今回が初実戦なので無理もないが、MSパイロットとしての評価は、シェザール隊内で「中の上」程度の腕前。

成長の過程もあって、性格は暗く、口数も少ない。しかしすぐに感情が顔に出るため、は下手。
父親の形見であるチャームの破片を大切にしている。父親はFF-X7コアファイターを開発したハービック社に属する研究者*1だったらしい。
リタを守れず、半ば見捨てるような形で生き別れたため、フェネクスに憑依している彼女を追い求める。


◇ミシェル・ルオ(村中知、横溝菜帆(幼少期))
ルオ商会特別顧問。3人の子供たちの一人である、黒髪の女性。有事の際は外しているがメガネっ娘
彼女もリタの思念を受け取っただけのニュータイプ候補だが、ニタ研在籍時にその能力を求めたルオ商会に引き取られた。
以後、略筮法を用いた神がかり的な予測能力で養父の信頼を得るが、実際は優れた情報収集力と統計学を駆使し、そう見せかけているだけとは本人の弁。十分すごくない?
フェネクスがユニコーンガンダム1号機と同等の存在になりうる可能性――シンギュラリティとなることを期待し、その確保に躍起になる。

目的のためには一切の手段を選ばず、ヨナからは遠まわしに「大嘘吐き」と評される。
情けないヨナに手をあげることもあるが、その根底の友情は今もなお揺らいでいない。


◇ブリック・テクラート(古川慎)
ミシェルの秘書を務める白髪メガネの青年。
本人は「女性を愛さない」と語り、そのためにルオの指名でミシェルに宛がわれている。
とはいえミシェルを支えようとする意志は本物であり、ミシェルからも兄のように頼られている。
劇中ではミシェルの理解者・代弁者として動く。

◇ステファニー・ルオ(夏樹リオ)
ミシェルの義姉に当たる、ルオ商会の全権代理人。にも等しい力を求めるミシェルを排除しようとしているらしい……が、あくまでミシェルの視点であって当人は純粋に義妹を心配していたフシがある。
今回は『Ζ』の物語の裏でいろいろ動いていた事実が明らかにされる。
ちなみにCVは『新訳Ζ』に引き続き、夏樹女史が続投している。

◇ルオ・ウーミン
ルオ商会会長。現在はコールドスリープ中。


地球連邦軍・シェザール隊

クラップ級巡洋艦「ダマスカス」を母艦とする特殊部隊。
連邦軍参謀本部よりの極秘指令「不死鳥狩り」を遂行中だが、隊員のほとんどはその内容に懐疑的。
ミシェルらルオ商会の介入を受け、のっぴきならない状態に引きずり込まれていく。


◇アバーエフ大佐山路和弘
ダマスカス艦長。年配のおじさん。
上層部からの指示には逆らわない模範的軍人だが、人間としては至って良心的な人物。
ルオ商会の介入には内心一番キレており、自分勝手な発言をするミシェルに掴みかかる場面も。

◇イアゴ・ハーカナ少佐中井和哉
MS隊隊長。30代と思われる金髪のおじ…おにーさん。ジェスタはA班仕様。
テンプレ的な「歴戦の職業軍人」キャラで、元から「不死鳥狩り」に辟易していたのにルオ商会の横やりで不満が爆発。
盗聴や参加者の経歴を漁るうちにヨナとミシェル、そしてフェネクスの因縁をなんとなく察し、ヨナのために一肌脱ぐことになる。
4年前の「シャアの反乱」ではアクシズ・ショックを目撃しており、ガンダムに対する一種の信仰心を抱いている。
「大人が子どもを守らない」本作において、随一の良心的人物。昔マドロックに乗っていた人とは声が似ているだけの別人。

◇フランソン大尉星野貴紀
イアゴの女房役であるMS隊副隊長。ジェスタはC班仕様。
永遠の命」についてイアゴと話すシーンは、本作の名場面の一つ。

◇アマージャ大尉/デラオ中尉/パベル中尉/タマン少尉(佐藤せつじ/荒井勇樹/島田岳洋/駒田航)
MS隊隊員。アマージャC班、デラオとパベルはB班、タマンはA班仕様ジェスタにそれぞれ搭乗する。


地球連邦軍・その他関係者

◇マウリ・レホ中将(玉野井直樹)
地球連邦軍参謀本部所属。「不死鳥狩り」を立案した中心人物だが、一方でその情報をミシェルに流し、彼女の行動を決意させた張本人でもある。
何らかの見返りでもせしめたのだろうか。

◇マーサ・ビスト・カーバイン(塩田朋子)
『UC』から引き続き登場するアナハイム・エレクトロニクス社の重役。
ラプラス事件拡大の責を問われ、連邦政府に幽閉されていたが、護送中にルオ商会のディジェ部隊に拉致され、フェネクスの情報を吐かされる。
キャラデザの変更もあってか『UC』当時に比べすっかり覇気がなくなっている模様。

◇エスコラ・ゲッダ大佐
ヨナ達の回想にて登場するティターンズ士官。U.C.0087当時、オーガスタ・ニタ研の施設長を務めていた。
ホンコン・シティにおけるサイコガンダムの不祥事をネタにされ、ルオ商会から「ウチで使うから奇跡の子供達を1人よこせ」と強請られる。
保身のために「本命」のリタは残し、ミシェルを差し出すものの、結局グリプス戦役の終結後に他のニタ研職員ともども戦犯認定された模様。

◇マルガ
ニタ研の研究員。
脱走未遂に「いっそ足でも切るか」とボヤくエスコラ大佐に「切ります?研究に支障はないですよ」と真顔で抜かす外道。
ニタ研閉鎖・戦犯認定の際にはただ研究していただけだとパニックに陥っていた。

◇リタ・ベルナル少尉(松浦愛弓)
「奇跡の子供達」の一人。ヨナ、ミシェルと同い年だが、劇中では何故か、ニタ研時代の15歳、コロニー落とし当時の8歳の姿でしか登場しない。
「奇跡の子供達」で初めに覚醒したニュータイプであり、コロニー落としのビジョンを握手によりヨナとミシェルに伝えた結果、3人が同一視される結果となった。
その後ゲッダ大佐の目論みでニタ研に残され、強化手術を受けている。グリプス戦役終結後もヨナは開放されたのに対し、彼女は所属を秘匿されたうえで被検体生活を余儀なくされていた。
そしてU.C.0095にフェネクスのテストパイロットとなるが、起動実験中に暴走し、フェネクスと消息不明となる。死後に発生した残留思念は、高次元のフィールドである全体の一部となり、サイコフレームの力でフェネクスと一体化して、肉体はコクピットの中から消失していた。この世にあってはならないものⅡネオ・ジオングを破壊するため、ヨナの前に姿を現す。
劇中のフェネクスに憑依しているリタは既に命ではなく、ゾルタンに指摘される通り影のようなもので、いくら全体の一部といえどリタだけでは、ゾルタンの起こす災厄を止めることは出来ず、ミシェル、ヨナの協力を仰ぐ必要があった。

ジオン共和国

『UC』本編と同様、3年後に迫る自治権返還を前に少しでも影響力を確保しておこうと、モナハン・バハロが躍起になっている。
裏で支援していた「袖付き」の残存戦力を共和国軍に取り込んでいるが、表向きには共和国の介入を悟らせないため、あえて「袖付き」の意匠を残し、彼らの残党部隊である体を装っている。
フェネクスの再発見は彼らも認識しており、チベ級巡洋艦「グルトップ」を母艦とした「不死鳥狩り」部隊を派遣している。

◇モナハン・バハロ(てらそままさき)
共和国外務大臣。44~45歳。『UC』同様に物語の黒幕で、フル・フロンタルゾルタン・アッカネン達を選抜したシャアの再来計画を指示したのもモナハンである。
一年戦争時のジオン公国、および戦後の共和国首相を務めたダルシア・バハロの長男。部屋にかかっている肖像画は親父のもの。
小説『機動戦士ガンダムUC』では国防大臣として「袖付き」のコントロールを図っていたが、今作は設定が変更されている。
袖付き」亡き後も相変わらず陰謀をたくらみ、ラプラスの箱(失われた宇宙世紀憲章)を保管したメガラニカとそれに搭乗しているミネバ・ラオ・ザビを共和国に匿っている。自身の提唱したサイド共栄圏を実現させるために、内密にフェネクス確保に乗り出す。ルオ商会を使ってⅡネオ・ジオングを手に入れたり、地球連邦軍とは裏取引でグルトップの始末を依頼するなど、各方面にも顔が利く。

ゾルタン・アッカネン(梅原裕一郎)
見るからに体調悪そうな白い肌と黒いスネ夫ヘアー、そして右目の赤いサイコミュ内蔵義眼が特徴の27歳。グルトップ部隊の指揮官、階級は大尉。
フル・フロンタルと同じく「シャアの再来」の候補者として選ばれた強化人間のひとりでシャア・アズナブルとは赤の他人なのだが、ゾルタンは要求水準には達しなかったらしく「赤い彗星の失敗作」の烙印を押されている。
ジオン公国時に収容されて以降人体実験や戦争への参加などで当人の精神も破綻しており、禁止されているモビルスーツ戦闘を行った学園コロニー「メーティス」内で行った上に、民間人にビーム・ライフルをぶっ放し蒸発させるという凶行まで行った。
最終的には、サイコ・シャードでヘリウム3を臨海爆発させることでサイド6のコロニーを破壊し、その破片で地球にまで被害を与えようと目論むが、ヨナ、ミシェル、リタに阻止され、死亡、全体の一部となった。

制作陣曰く、「OVA版フロンタルを絶対悪として描かなかった反動として、勧善懲悪ものの悪役を意識した」とのこと。
ヨナへの問いかけも、ギリギリまで没にするか迷い、アフレコ当日に収録を決定したとのこと。

◇エリク・ユーゴ遠藤綾
ゾルタンの副官である29歳の女性、ジオン共和国軍人、階級は中尉。
小説によればジオンの名門である、ユーゴ家の出身で口封じとして始末されることになっていたグルトップの乗員で唯一モナハンにより生き残るよう指示されていたが、ゾルタンにモナハンとの通信を目撃されてしまう。口封じしようとするが、ゾルタンに反撃され、頭部を銃で撃たれ死亡した。

ミネバ一派

『UC』終了後、コロニービルダー「メガラニカ」を乗っ取って逃走した彼女らは、現在ジオン共和国の庇護下にある。
ネェル・アーガマとその乗員たちについては1名を除き言及がない。


ミネバ・ラオ・ザビ藤村歩
ザビ家の末裔にして、『機動戦士ガンダムUC』ではバナージから「オードリー・バーン」と呼ばれたこともある少女。
『UC』クライマックスの「ラプラス宣言」後、連邦軍とユニコーンシリーズ並びにサイコフレームの研究を封印する秘密協定を結ぶ。
今作ではサイコ・フレームの封印を生涯に渡って続けていくという覚悟が決まったのか前作以上に凜々しくなっている。

“キャプテン”(手塚秀彰)
ガランシェールの同型艦・ガランシェールJr.のキャプテン。顔は映らない。
モナハンの野望を阻止したいミネバの命を受け、フェネクス追跡を開始する。

◇航行士その1小山力也
彼も顔は映らない。キャプテンとは長い長い付き合いのようだ。

◇航行士その2(下野紘)
やはり顔は映らない。つい1年前まで学生だったようだ。

バナージ・リンクス内山昂輝
ガランシェールJr.艦載機のパイロット。
高いニュータイプ能力を持っており、自身の感応波で遠方にいるヨナ・バシュタの思惟を感知した。
ユニコーン一号機が封印されている為、今回はシルヴァ・バレトに搭乗、高速移動するガランシェールJr.のデッキ上から、Ⅱネオ・ジオングのファンネルを超長距離で狙撃し、逃げていたヨナのコア・ファイターを救うという神業を披露した。


メカニック


今回登場する純粋な新型機はナラティブガンダムだけ。デザイン班と玩具部門にやさしい設定だ!

ルオ商会

◆RX-9 ナラティブガンダム
アナハイム・エレクトロニクス製の多目的試験用MS。
νガンダム以前に作られたサイコフレーム試験機だが、ルオ商会に持ち出され「不死鳥狩り」用の新装備母体として運用される。

様々なオプション兵装の装着を前提としているため、ところどころの装甲が排された、
悪く言えばみずぼらしいフォルムをしており、敵味方から「やせっぽっち」と俗称される。言ってしまえば「逆FAZZ」。
シリーズファンにはお馴染みのとあるギミックを内蔵しているため、この時代では珍しく全展周囲モニターを搭載していない。
ソフトウェア面でも『UC』ファンにはお馴染み、とあるシステムがセットされている。
パイロットは専用の重ノーマルスーツ「サイコ・スーツ」を着込む。このスーツの演出もシナリオとリンクしている。

今作では、高機動用オプションとハイメガ・カノンを初めとした重装備オプションを装着したA装備
コロニー内戦闘用の実弾・インコム装備のB装備、ユニコーンのサイコフレームを基にした追加装甲「サイコ・パッケージ」のC装備が登場する。
初登場時が一番巨大で、徐々に軽装化していく過程も、意図的に前作のユニコーンガンダムから逆にされている。
ちなみにどの装備にも該当しない装甲をまとった本機の図面も劇中で確認できる。
「不死鳥狩り」に投入される以前のナラティブなのだろうか……?


◆MSK-008 ディジェ
カラバが試作した陸戦用MS。『Ζ』でアムロが使用していた機体と同じ物。
物語冒頭、マーサを強奪するルオ商会の所有機が登場。アムロ機と違いダークグレー塗装されている他、ジェガンとリゼルと共通のEパックを使用したビームライフルを装備している。(隊長機はロトの投光器も装備)
U.C0097では旧式だが、商会所属と傭兵で構成されたパイロットの腕前でそれをカバーしており、グスタフ・カールのような新型を含む連邦の護衛部隊を不意打ちとはいえ一蹴している。


地球連邦軍

◆RGM-96Xs ジェスタ・シェザール隊仕様
ユニコーン計画で少数生産されたジェスタを「不死鳥狩り」に合わせて改修したもの。頭部にセンサー強化ユニットが追加されている。
高機動型のA班装備、狙撃仕様のB班装備、捕獲用キャプチャーガンを携行したC班装備が用意されている。
(隊長と下っ端少尉がA班、中堅の中尉がB班、ベテランの大尉がC班装備と、スキルと立場ごとに装備が選定されているのが芸コマ)
ダマスカスには最低でも6機が艦載されている。

◆FD-03 グスタフ・カール
初出は、小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。ゲーム版で重装タイプの見た目となり、OVA版『UC』第7話もゲーム版の設定を元にした試作機が登場。
次世代量産機として開発された重装機だが、ルオ商会のディジェに奇襲で蹴散らされてしまう


RX-0 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス
ユニコーンガンダム、バンシィの製造データをもとに、先行納入されたフル・サイコフレームの素体を使って、連邦軍が製造した機体。このRX-0だけアナハイムとビスト財団は一切関与していない。
初出の『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』では、建造に関わった参謀Aが「これこそ真のRX-0だ」 と発言するなどかなりの自信作であるらしい。しかし、そんな参謀Aも準備稿では、マーサ・ビスト・カーバインから「軍の沽券か何か知らないけど、つまらない意地で勝手に3号機を造った人に言えることかしら?」などと言われている(この台詞は決定稿では存在しない)。
機体色は金色。アームド・アーマーDEを標準搭載している。
U.C.0095にパイロットごと消息不明となるが、ミネバの「ラプラス宣言」後に目撃証言が出るようになる。

サイコフレームにより全体(オールドタイプが認識出来ない高次元のフィールド)から力を引き出している為、その性能は既存のモビルスーツとはかけ離れた物ととなっている。
半年以上も補給なしでの長時間駆動、ダマスカスのレーダー手からはほとんど光速と評される移動速度を叩き出している。(小説『機動戦士Vガンダム』のクライマックスでは、エンジェル・ハイロゥから分離したリング・スクラップが光速を超えるのではないかと言及される場面があり、宇宙世紀において光速に匹敵する速度を出した事例はこれで二度目である。)

フェネクスのデザイン自体は既に書き起こされているが、本作ではアームド・アーマーDE下部にテール・スタビライザーが追加された。
さらに福井氏の意向により、超高速飛行時には『蒼き流星SPTレイズナー』のV-MAX効果音が用いられている。



その他、アンクシャジェガン各種リゼルもスポット登場している。


ジオン共和国軍

◆MSN-06S-2 シナンジュ・スタイン2号機
戦後の戦争』でフロンタルが強奪した(または譲渡された)2機のサイコフレーム試験機の片割れ。
今回はシナンジュ改装前の白い原型機が登場するが、武装は新調されて各部にエングレービングを施している。

◆NZ-999 (セカンド)ネオ・ジオング
ルオ商会が接収したネオ・ジオングの予備パーツで組み上げられたMA。モナハン・バハロがルオ商会からの横流しで手に入れ、グルトップに配備させた。こシナンジュ・スタインと同系の白色で塗られている。
武装コンテナとMS合体部のカバーが外れているが、それ以外は原型機と変更なし。
ネオ・ジオング自体が、シャア・アズナブルの残留思念が憑依したフル・フロンタルが、全体の知識で造り上げて、コア技術がブラックボックス化している為、ネオ・ジオン共和国軍であっても解析不可能であった。
搭乗者のイメージを具現化するサイコ・シャードにより、劇中でゾルタンがメガ粒子砲を防ぐバリアーをヘリウム3タンクに張ったり、ヘリウム3という巨大質量を誘引し動かすなど、常識を越えたパワーを発揮した。通常ではありえない事象も起こせる事から使い様によっては、準備の出来ていない人類に刻を見せてしまう可能性がある為、全体及びその一部となっているリタ・ベルナルが動かすフェネクスはこれを破壊対象としている。

◆ARX-014 シルヴァ・バレト・サプレッサー
ガランシェールJr.の艦載機。かつてガエル・チャンが搭乗したものを修理したらしい。
ガンダムヘッドに換装され、ユニコーンガンダムが使用していたビーム・マグナムを携行している。


その他、ギラ・ズールも登場する。


その他

◆MSZ-006 Ζガンダム
回想のダカール演説やイメージ映像のスイカバーシーンにおいてチラっと登場。
また、同じく回想でMk-ⅡサイコΖΖ、νの姿も見られる。
ダカール部以外はTVシリーズや『新訳Ζ』『逆シャア』などからのシーン流用。

◆RX-0 ユニコーンガンダム/シンギュラリティ・ワン
前作『UC』の主役機。フェネクスの兄弟である白き一角獣。
かつて「ラプラスの箱の鍵」として連邦と袖付き双方から追われた機体だが、その戦いの中で人智の及ばぬ力を持った存在となり、現在は「シンギュラリティ・ワン」とも称される。ちなみにシンギュラリティは「技術的特異点」のこと。
その危険性から、もう一つの兄弟機であるバンシィ共々、解体されたということになっているが、封印されていただけであった。
おかげでスパロボ30では「NT時代のユニコーンどうなってるかわからんし」という理由で『UC』が有料DLCですら参戦できない事態に
今作では資料映像などとして登場する。

アッシマーはダカール演説で、その他3機は、ニタ研の回想シーンで登場。


話題


吉沢監督はガンダム原作者である富野由悠季のよき後輩であり、これまで参加した『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム サンダーボルト』で熱血指南を受けていた。
しかし今作序盤の絵コンテを観てもらったところ、富野氏は数日スタジオに来なくなり、話を聞きに行くと
「お前たち若い者は、俺のやったコロニー落としから何も新しいことをやっていない」
などなど、脚本と、企画を通した人間に対する罵詈雑言をぶっちゃけ始めたらしい。
吉沢監督は凹みつつ「じゃあ制約(=脚本・企画)のある中で何かやるしかないんじゃないか」と気持ちを切り替えたようだ。
この逸話は『NT』公開前にニュースサイトで全面公開されている。新世代スタッフの意地の現れなのかもしれない。


PV公開前、ポスターにもなるメインビジュアルが話題となった。
ヨナ、ミシェル、ゾルタンがなんとも形容しがたい絡みつくような立ち姿で天を仰ぐ独特な絵は笑わないほうが無理がある。
ファン間では「ナラティブ組体操」と呼ばれ、多数のパロディイラストが描かれている他、公式でもこのポーズをネタにしたグッズが販売されている。

一応フォローしておくとルネサンス後期のジャンボローニャによる彫刻「サビニの女たちの略奪」がこの構図の元ネタっぽいのだが、
ダ・ヴィンチやミケランジェロなんかの諸作品と比べるといかんせんマイナーな美術品なので……

公開時期が近いこともあり、アニメ版ゴジラとはスペシャルコラボ企画が行われた。

更に2018年12月には『スーパーロボット大戦X-Ω』への期間限定参戦も果たす。
既に本作が公開されていたこともあり、ネタバレ防止のためユニットのみの参戦となっている。

その後2021年には本家シリーズとなる『スーパーロボット大戦30』への参戦を果たした。
味方にはヨナ、謎のパイロット(バナージ)、NPCとしてミシェル、ブリック、イアゴ等が登場。
うちイアゴはフリーバトルシナリオで戦線維持をしているという設定の為同行しない。

ヨナは初登場時からブライトと行動を共にしており、その後もアムロカミーユといった先輩達やウッソザンネン5のメンツ、主人公ら等多数の理解者を得られる為原作程の悲痛な状態にはならない。
ナラティブガンダムからも乗せ替えも可能なのでV2ガンダムに乗せて「鳥」にすることも可能。
当初はニュータイプが「???」となって封印されており、能力値も微妙な為使いにくい…ように見えて底力L6と気力+(DEF)、精神コマンドの不屈や気合を持っているため意外と耐えてくれる。
しかし序盤はナラティブ以外のMSが微妙にしょっぱい為「いい機体だな!少し借りるぜ!」される事が多い。

ミシェルは原作通り「フェネクス鹵獲を最優先」という考えであり、ヨナに対してもきつい態度を取り続ける。
ただフェネクスが出てきた時のみに行動するだけであり、平時は口出ししてきたりはしない。
多数の侵略者が地球にいる為、自分たちだけの都合で動けないのは本人もわかっているのだろう。
サポーターとしては使用スキルが「必中」「閃き」をかける。パッシブスキルが「味方が撃墜されると全味方気力+5」というもので、強化後は使用スキルに「加速」、パッシブが味方撃墜時+10となる。
…ぶっちゃけ、パッシブスキルを発動させるために味方の撃墜が必要と使い勝手が悪すぎるため、サポーターが少ない序盤でもない限り起用されない可能性大。

敵はゾルタン、エリクが登場。
ザンスカール帝国ポセイダル軍と手を組み、主に宇宙でのメイン敵となる。
ゾルタンはやたら台詞が多く、特にヒーローと戦わせたときの悲痛な叫びは好評。
またゾルタンに対する戦闘台詞も非常に多い。大抵はその暴虐無人っぷりに苦言を呈するものであるが、何人かは彼の内面に触れることとなる。

ちなみに作中で死亡するとあるキャラクターが無条件で生存するのだが、戦闘アニメの都合上生き霊と化してしまう
それと「飛影枠」と予想されたフェネクスが意外と脆い上に喧嘩っ早いのでリタちゃん要介護とか言われた。






追記・修正は虹の翼を観た人に――

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最終更新:2024年12月20日 22:13

*1 彼が直接FF-X7開発に関わったかは不明だが、ハービック社で画期的な発明を行った人物ではあるという。