こんにちは!スタビジ編集部です!
AIが世の中に広がり、機械学習を使ったサービスを開発したり、データサイエンティストとして活躍したい人が増えています。
そんな人がぜひ取得しておきたい資格が、「統計検定準1級」です。
ただ、統計検定準1級について名前は聞いたことがあるけど、詳細は知らないという人が多いと思います。
今回は上記の悩みを抱える方に向けて、統計検定準1級の難易度や勉強方法、おすすめの本・サイトなどを紹介します。
・統計検定準1級の試験内容・難易度
・統計検定準1級を取得するメリット2つ
・統計検定準1級の勉強方法4ステップ
・統計検定準1級の勉強でおすすめの参考書・サイト
統計学についてまずは勉強したい方は、以下の記事で勉強法をまとめているのでチェックしてみてください。
また当メディアが運営するスタアカで統計学を体系的に学べるコースを展開しているので是非チェックしてみてください!
統計検定準1級の試験内容・難易度
「統計検定」は、日本統計学会公式認定の大学基礎統計学の知識や習得の理解度を評価する全国統一試験です。
「統計検定準1級」は、資格取得難易度が統計検定2級と統計検定1級の間で、統計検定2級までの基礎知識を元に統計学の手法を応用できる力が問われる試験となっています。
試験内容に関する情報は以下の通りです。
受験日 | 会場によって異なる |
出題 | CBT(コンピュータ上で解答する形式)試験で5肢選択問題・数値入力問題 |
問題数 | 25〜30問 |
試験時間 | 90分 |
受験料金 | ・一般価格:8,000円 ・学割価格:6,000円 |
CBT方式はテストセンターのような試験会場でパソコンを使って回答する形式で、自分の予定にあわせて適切な時間・会場を選択することが出来ます。
また試験時間は90分で、1問当たり3分程度で解答することが求められます。
また試験の出題形式は、2級までは4〜5肢選択問題でしたが、準1級からは5肢選択問題と数値入力問題があり、確かな実力が必要になります。
まずは統計検定3級、2級を勉強したいという方は、以下の記事でまとめているのでチェックしてみてください。
統計検定準1級の出題科目と範囲
「統計検定準1級の出題科目と範囲」は、公式サイトで公開されており、以下になります。
大項目 | 小項目 |
確率と確率変数 | ・事象と確率 ・確率分布と母関数 ・分布の特性値 ・変数変換 ・極限定理、漸近理論 |
種々の確率分布 | ・離散型分布 ・連続型分布 ・標本分布 |
統計的推測(推測) | ・統計量 ・各種推定法 ・点推定の性質 ・漸近的性質 ・区間推定 |
統計的推測(検定) | ・検定の基礎 ・検定法の導出 ・正規分布に関する検定 ・一般の分布に関する ・ノンパラメトリック法 |
マルコフ連鎖と確率過程の基礎 | ・マルコフ連鎖 ・確率過程の基礎 |
回帰分析 | ・重回帰分析 ・回帰診断法 ・質的回帰 ・その他 |
分散分析と実践計算法 | ・分散分析と実践計算法 |
標本調査法 | ・標本調査法 |
多変量解析 | ・主成分分析 ・判別分析 ・クラスター分析 ・共分散構造分析と因子分析 ・その他の多変量解析手法 |
時系列解析 | ・時系列解析 |
分割表 | ・分割表の解析 ・分割表のモデル |
欠測値 | ・欠測値 |
モデル選択 | ・モデル選択 |
ベイズ法 | ・ベイズ法 |
シミュレーション、計算多数手法 | ・シミュレーション、計算多数手法 |
このように範囲が広く、一つ一つ見ても専門的な単語が並んでいて、これだけで準1級の難易度の高さがわかります。
統計的手法について、各単元ごとにその仕組みと利用シーンを理解することが大切になります。
統計検定準1級の難易度・合格率
「統計検定準1級の難易度・合格率」について見ていきましょう。
以下は、公式サイトで公開されている2021年までに採用されていたPBT方式試験(紙媒体を利用した試験)での結果になります。
試験年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2016年6月 | 485人 | 107人 | 22.1% |
2017年6月 | 552人 | 164人 | 29.7% |
2018年6月 | 643人 | 130人 | 20.2% |
2019年6月 | 853人 | 179人 | 21.0% |
2021年6月 | 704人 | 166人 | 23.6% |
このように合格率が20%台と統計検定2級の40%程度と比較してかなり低いことがわかります。
先ほどの試験範囲の内容を考えても統計検定準1級は「高難易度」の試験といえます。
統計検定準1級を取得するメリット2つ
難易度の高い統計検定準1級ですが取得できるとメリットがあります。
「統計検定準1級の取得メリット」は以下の2つです。
1.データサイエンティストに必要な基本的スキルが身につく
2.AIやデータサイエンスの最新技術の話にもついていきやすくなる
では、それぞれ詳細に見ていきます。
1.データサイエンティストに必要な基本的スキルが身につく
統計検定準1級で学ぶ統計学や機械学習の内容は、「データサイエンティストに必要な基本的スキル」につながります。
特に準1級では主な統計手法の概要とその活用方法を身につけられるので、実業務でも活かされる場面が多いです。
資格を持っていると企業へのアピールにもなるのでデータサイエンティストを目指す人は準1級を取得しておくと良いです。
2.AIやデータサイエンスの最新技術の話にもついていきやすくなる
AIやデータサイエンスの最新技術の話では、統計的な見方や機械学習の数式を読み解く際に、統計検定で得た知識とスキルが欠かせません。
自分の中に事前知識があることで、最新技術の仕組みや解釈を把握しやすくなります。
このように新しい情報をより吸収しやすくなることで、スキルアップしたり興味の幅が広がったりするので、AIやデータサイエンスに興味がある方は準1級を目指してみましょう。
統計検定準1級の勉強方法4ステップ
「統計検定準1級の勉強方法」について見ていきます。
統計検定準1級のおすすめの勉強方法は以下の4ステップです。
ステップ1.一通りの内容を学ぶ
ステップ2.練習問題や過去問を解く
ステップ3.解けない問題をワークブックや参考書で復習する
ステップ4.問題集を繰り返し解いて知識を定着させる
勉強のやり方に迷った際は参考にしてみてください。
ステップ1.一通りの内容を学ぶ
まずは、「試験範囲の統計学の内容を一通り学習」しましょう。
統計検定準1級の内容を学ぶ際は「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」がおすすめです。
また勉強している際に難しい内容が出てきたら、「統計学入門」で詳細に理解していきましょう
統計検定準1級の内容は難しい内容が多いため、それぞれの章では時間をかけて実践的な例題も解きながら学ぶと、後の練習問題や過去問にも対応しやすくなります。
また「自然科学の統計学」や「データ解析のための統計モデリング入門」を活用すると、応用問題や難しい内容もより理解しやすいです。
ステップ2.練習問題や過去問を解く
統計検定準1級の試験範囲の内容を一通り学習した後は「練習問題や過去問を解いて」、試験対策しましょう。
公式サイトで1回分の過去問が無料で公開されているので、力試しで取り組んでみてください。
統計検定準1級では、出題範囲が多く、内容を全体的に理解しておく必要があります。
そのため、頻出する内容から確実に点が取れるように学んでから、苦手な項目を一つずつなくすことが大切です。
ステップ3.解けない問題をワークブックや参考書で復習する
得点を伸ばすために、解けない問題の原因をつきとめてから、「ワークブックや参考書で復習」しましょう。
単語や数式、理論のどの部分が原因で練習問題や過去問で解けなかったのかを見つけて、再度内容を学びなおすことが重要です。
特に数式や理論は曖昧なままの理解だと何度も同じように間違えてしまう可能性があるので、解けない問題の原因を意識しながら、繰り返し復習していきましょう。
使っていた教材で分からなかった場合は、その内容をググって解説記事をみたり、「MENTA」などのQAサイトで有識者に質問して、解決していきましょう。
当サイト「スタビジ」でも統計手法についてそれぞれ解説記事を投稿しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ4.問題集を繰り返し解いて知識を定着させる
最後に「問題集を繰り返し解いて知識を定着」させます。
試験本番を想定し、時間配分や電卓を使った計算に慣れることが大切です。
本番は高難易度の計算問題が紛れている可能性があるので、そうした問題を後回しにして確実に合格点以上を取れる試験の進め方を身につけておきましょう。
統計検定準1級の勉強時間は?
「統計検定準1級の勉強時間」は、統計の知識や経験があるかどうかで大きく変わってきます。
統計検定準1級の勉強時間は、以下が目安です。
・統計学の知識がない方:250〜300時間
・統計学の知識をある場合:200〜250時間
このように毎日2時間勉強した場合でも4~6ヶ月の期間が必要になります。
事前に勉強時間を確保してから、勉強をスタートしましょう。
統計検定準1級は統計の基本知識がある前提での試験範囲なので、統計学の知識がない方は先に統計検定2級や統計検定3級の内容をマスターすることをおすすめします。
統計検定準1級の勉強でおすすめの参考書・サイト
統計検定準1級の勉強方法がわかったところで、「準1級の勉強におすすめな参考書・サイト」について見ていきましょう。
勉強の教材に悩んでいる場合は参考にしてみて下さい。
また、統計の勉強におすすめな書籍を下記の記事でまとめているので、あわせてチェックしてみてください。
おすすめの参考書:「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」
「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」は、日本統計学会の統計検定準1級試験対策の公式テキストになります。
統計学や機械学習などの出題範囲が網羅されていて、実践的でわかりやすい例題も記載されているため、試験対策に役立ちます。
広範囲の試験内容をこの一冊で習得できるほどの内容量となっており、さまざまな統計的手法を調べる際の辞典としても使うことも出来ます。
おすすめの参考書:「統計学入門」
「統計学入門」は統計的な考え方や基礎内容などが丁寧に解説された本です。
レベル的には中級~上級者向けですが、図表や事例などを交えて、視覚的にも理解できる本となっております。
公式の「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」の内容をさらに深く勉強したい時に、活用しましょう。
おすすめの参考書:「自然科学の統計学」
「自然科学の統計学」は回帰分析や統計的推測(検定)、マルコフ連鎖と確率過程の基礎などの内容を学べる本です。
幅広い統計解析の手法が記述してあり、事例に照らし合わせながら理解を深めることが出来ます。
読む際は数学の知識や統計の基礎知識が必要になるので、ある程度勉強を進めていく中で統計の数学的理解を深めたい時にじっくり読んでみましょう。
おすすめの参考書:「データ解析のための統計モデリング入門」
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「データ解析のための統計モデリング入門」は主に回帰分析やベイズ法、モデル選択の内容を理解する際におすすめな本です。
一般化線形モデルの基礎や実際のデータ解析を扱うベイズ統計モデル化の方法などが図表などで定性的に説明されているので、数式ではイメージできなかった人にもわかりやすい内容になっています。
伝統的な統計学とベイズ統計学を関連付けながら包括的に理解を進められるので、ベイズ法を深く勉強したい時に有用です。
おすすめの参考書:「統計検定準1級 公式問題集」
「統計検定準1級 公式問題集」は2015年〜2021年までの全6回分のPBT方式試験が記載された本です。
公式テキストである統計学実践ワークブックでは出てこない問題もこちらの過去問に載っているため、多くの問題に触れることが出来ます。
解説がやや簡素なので、間違えた分野は統計学実践ワークブックや他の参考書などで復習しましょう。
おすすめのサイト:「Udemy」
「Udemy」では、動画形式で学ぶことが出来るオンライン学習プラットフォームです。
統計分野でも数多くの講座が展開されており、事前に講座の内容や評価をチェックできるので、自分の学びたい内容にあわせて講座を選択できます。
Udemyについては以下の記事で体験談をまとめているので、気になる方はチェックしてみてください。
統計検定準1級におすすめな講座はこちらになります。
・独学者のための統計学応用講座
・Pythonで実践する統計モデリング入門
・【初学者向け】統計学の基礎をアニメーションを通じてビジネス観点で理解していこう!
独学者のための統計学応用講座
「独学者のための統計応用講座」は統計検定準1級合格者が、自身の体験をもとにつまずいたポイントをわかりやすく解説している講座になります。
多変量解析や確率分布など統計検定準1級の出題範囲の内容も多く盛り込まれており、丁寧で分かりやすく概要を理解しやすいです。
統計学実践ワークブックに取り掛かる前に統計検定準1級に出てくる内容のイメージをつかみたい人におすすめです。
Pythonで実践する統計モデリング入門
「Pythonで実践する統計モデリング入門」では統計モデリングの基礎をPythonで実装しながら学ぶ講座になります。
実際に手を動かすことで、統計検定準1級の範囲でもある線形モデルやベイズ法を理論から理解することが出来ます。
【初学者向け】統計学の基礎をアニメーションを通じてビジネス観点で理解していこう!
【オススメ度】 | |
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【時間】 | 3時間 |
【レベル】 | 初級 |
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ビジネス観点で必要な統計学の知識だけを抽出してまとめています。
アニメーションで学ぶ概要編とPythonで実際に手を動かしながら学んでいく実践編に分かれています。
まず、統計学の全体像とビジネスに必要な知識を学んでいきます。
そして多変量解析の領域に入りよく使われる手法を中心に学んでいきます。
ビジネスに活かせる統計学について網羅的にしっかり学ぶことが可能ですので是非受講してみてください!
おすすめのサイト:「スタアカ」
公式サイト:https://toukei-lab.com/achademy/
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スタアカでは、統計学や機械学習の理論を動画形式で解説した後、Pythonでコーディングした理解を深めるというカリキュラムになります。
統計検定準1級の範囲である、「統計的推定」「回帰分析」「多変量解析」といった内容を含んだコースになっているので、統計検定準1級の勉強にも有効です。
また一般的な理論的な講義だけでなく、以下のように実データを扱った分析を解説しているので、実践スキルも身につけることが出来ます。
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統計検定準1級は専門的で難しい内容が多いので、独学に不安がある方はぜひ現役データサイエンティストに相談してみましょう!
統計検定準1級の勉強方法 まとめ
今回は、統計検定準1級の勉強方法を紹介しました。
まとめると、統計検定準1級のおすすめの勉強手順は以下の4ステップです。
ステップ1.一通りの内容を学ぶ
ステップ2.練習問題や過去問を解く
ステップ3.解けない問題をワークブックや参考書で復習する
ステップ4.問題集を繰り返し解いて知識を定着させる
統計検定準1級は、試験範囲が広くて合格率が毎年約20%のため、難易度も高い試験です。
そのため、試験範囲を全体的にカバーできるように学習し、どのような問題でも対応できるように練習問題や過去問を何度も復習しておきましょう。
統計検定準1級に合格した方はぜひ1級にもチャレンジしてみてください。
別の資格について興味がある方は、以下に勉強記事をまとめているのでチェックしてみてください。
・Pythonの資格勉強法
・E資格の勉強法
・G検定の勉強法
・GCPの資格の勉強法
・データサイエンティスト検定の勉強法