2015/07/10 - 2015/07/19
14位(同エリア1525件中)
ウェンディさん
- ウェンディさんTOP
- 旅行記382冊
- クチコミ2265件
- Q&A回答130件
- 2,194,681アクセス
- フォロワー350人
スペイン アンダルシア地方の冬。
長く暑い夏が終わり、短い秋が足早に通り過ぎると、アンダルシアにも冬がやってきて、痺れる様に冷たく乾いた空気の中を雪がふわふわと舞う。
そんな朝には、あったかいホットチョコレートと出来立てのチュロスが一番♪
朝八時のチュレリア。店の中ではまだマスターがまだ開店前のお掃除中。
でも、マスターはお客さんの姿を見つければ“中で待っていていいよ”の合図をしてくれる。
チュロスを作るのは大きなチュロス・マシーン。
マスターが生地を流し込むと、先端からクルクルと渦を描くチュロスが流れ出る。
大きなプールの中に鳴門形のチュロスが出来上がる。
揚がったチュロスは鋏でチョッキン!
そして、カカオの香り豊かなホットチョコレートと共にお客さんにサーブされる。
できたてホヤホヤでまだ湯気の立つ熱いチュロス。
そのチュロスをトロトロのホットチョコの中にいれ、チョコをタップリとディップして口へと運ぶ。
寒さで冷え切った躰がチョコの甘みとチュロスの温かさでぽかぽかに…。
至福の時…。
・・・・って、私達がスペインに行ったのって、真夏だったような気が・・・。
☆★☆★☆旅程 2015/7/10?2015/7/19☆★☆★☆
□7/10 成田発 夜 - EK便-
□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光
□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光
□7/13 グラナダ観光
■7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光
□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光
□7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動
□7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅
□7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-
□7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜
☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆
【1】灼熱のフライパンを歩く?旅の始まりは42℃の洗礼?:
http://4travel.jp/travelogue/11034201
【2】メスキータとアルカサル?コロンブスの発見は何をもたらしたのか?:
http://4travel.jp/travelogue/11037016
【3】真夏が見せた蜃気楼?礼拝堂で見たものは…?:
http://4travel.jp/travelogue/11046902
【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra :
http://4travel.jp/travelogue/11062297
【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜:
http://4travel.jp/travelogue/11069115
【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝:
http://4travel.jp/travelogue/11076609
【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ:
http://4travel.jp/travelogue/11079496
【8】行ってみたい白い村 Zahara de la Sierra
http://4travel.jp/travelogue/11102653
【9】孤高の砦へダンジョン探検
http://4travel.jp/travelogue/11203550
【10】ガイドブックにはないセゴビア
http://4travel.jp/travelogue/11253212
【11】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫
http://4travel.jp/travelogue/11254478
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エミレーツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
友人と二人で旅したスペイン - アンダルシア地方。
初海外・初飛行機・初長距離バス…と旅で体験する殆ど全ての物事が初めて尽くしの友人。
旅の前は、彼女がスペイン8日間の滞在に耐えられるかどうか、友人も私も物凄く不安だった。
だから滞在中は、食事も朝・昼・夜の三食全てがスペイン食ではなく、日本からアルファ米と湯沸しポットを持参し1日の基本となる朝食のみはご飯を食べ、胃腸の調子を整える…等の工夫をしながら旅をした。
でも、予想に反して友人の順応度は人一倍旺盛で、何も心配することは無く元気いっぱい。
そこでグラナダ3日目の朝は、ちょっと女子旅らしいことをしてみよう…となり、朝食はホテルでご飯食ではなく、街中のカフェに行くことに…。
カフェと言ってもトーストにコーヒーなんていう定番では、全然女子旅っぽさはない。
ここは、スペイン;チョコレートの国。
だから、朝食はチョコレートをタップリとディップした揚げたてのチュロスでしょ♪
7月14日、グラナダ最終日の起床は朝7時。
お昼に戻ってきたらすぐにチェックアウト出来る様に荷物をまとめ、チュロスを求めて街歩きへと出発!
(写真:朝さんぽ−王室礼拝堂の壁装飾を見上げる)王室礼拝堂 城・宮殿
-
夏のグラナダは砂漠の様な乾いた暑さで、日中は40℃を超えることもザラ。
しかし、朝の7時半は結構涼しく、肩を出していると少し寒い位で羽織りものが欲しくなる。
思っていたよりも朝の気温は低かった。
石造りの街グラナダ。
100年以上前に組まれた石造りの壁の建物があるかと思うと、そのお隣には現代風の石造りの建物がある。
昔と今が混在し、グラナダの街を更に味わい深くしている感じだ。
そんな街並みを眺めながらのんびりと散歩をする。 -
町並みを散歩しながら向かった先は、Churreria(チュレリア)と呼ばれるお店。
チュレリアは、カフェやバルみたいなお店の区分で、出来立てのチュロスを食べさせてくれるお店の事。
朝8時開店という情報は前夜に入手しておいたので、開店に合わせてお店へとやってきたのだが、その辺はスペイン時間で、まだお掃除中の様子。
どうしようかな〜と中を覗いていたら、お掃除中のオジサンが入っていいよ〜、でも、もう少し待っていてね。と言って店内に入れてくれた。 -
このお店はチュレリアでもあり、カフェでもあり、レストラン…なんでもやっている様だ。
-
掃除が終わったオジサンは、私達の所へオーダーをとりに来てくれた。
メニューを見なくてもオーダーは決まっている。
チュロスとチョコレート、そしてコーヒーのミルク添えをそれぞれ二つずつ。
(churros con chocolate y café con leche, por favor…)
オーダーを受けたオジサンは早速チュロスの生地をチュロス・マシーンへと投入する。
チュロスを作る現場を見るのは初めてな私達。
オジサンの許可を貰って、カウンターにかぶりつきで製造風景の見学会の始まり。 -
マシーンの出口からは細長い星形のチュロスが流れ出てきて、熱した油の中にクルクルのチュロスの渦を作る。
-
両面の焼き色ムラがでない様に…とおおきな菜箸でチュロスをひっくり返すオジサン
-
出来上がったチュロスは、空中で油をきって…
チュレリア カフェテリア アルハンブラ 地元の料理
-
鋏でチョキチョキと食べやすい大きさに切る。
-
イチオシ
そして、トロトロのホットチョコと共に私達のテーブルへとやってきた。
オジサンが渦巻くチュロスを切り始めた時、アレが全部私達のテーブルに来るのかと焦ってしまったが、実際に来たのは渦巻きの半分位の量。
それでも、結構多いかな。 -
早速、熱々のチュロスをチョコのディップに浸し、食してみる。
チュロス、初体験!
チュロスの表面には少し塩がふられていて、その塩味とチョコの甘みがの関係が絶妙♪
カロリーは高そうだが、旅の間は運動量がいつもの倍以上になるので多少のカロリーオーバーは気にしない。
でも、さすがに5,6本もチュロスを食べると満腹になってきた。
女性だったら二人で1人前をシェアでも十分かもしれない。
お会計はチュロス、ホットチョコ、ミルクコーヒーをそれぞれ2人前で17ユーロ(約2400円)。 -
この日の朝に立ち寄ったこのチュレリアは、実は昨晩に生ビール+タパスで1.8ユーロ(約250円)の看板に惹かれて立ち寄ったお店。
昨晩、カマレロのお兄さんに、美味しいチュレリアは近くにない?と聞いたら、此処のも美味しいよ♪と教えてもらった。 -
お店の名前はCafeteria Restaurante Alhambra(カフェアルハンブラ)。
ビブランブラ広場の角にあるお店だ。 -
チュロスでお腹いっぱいになった私達は街歩きを再開する。
この日はお昼のレンフェ(スペイン国鉄)で城塞都市ロンダへ向かうのが唯一の予定で、午前中は何の予定も入っていないグラナダ・フリータイムの日。
天邪鬼な私達は、ガイドブックに載っていないようなところを歩きたい…と街歩き。
この日は平日だったので職場に出勤する人や学生の人が歩道を歩いていたが、日本の朝の光景の様にセカセカとした感じではなく、どことなくのんびりとした感じ。
大通り沿いにはオフィスビルが立ち並ぶのだが、それらのビル一つ一つの装飾が個性的でついつい立ち止まり、上を見上げてしまう。 -
中でもユニークだったのがこの写真と1枚上の写真の彫像2体。
彫像は2体とも古い建物の二階テラスを支える補強材の対の装飾なのだが、写真(上)は男性が全身の力を使って天井を支えていて、この写真の女性(微妙にヒンズーの神様的だが)は何もせず、椅子に腰を下ろしている。
こんなところにもレディーファースト!の精神が発揮されている。
彫像一つをとってみてもお国柄が出ていて面白い。 -
街の中を地図を見ながら歩いてやってきたのは、エルビラ門。
エルビラ門はグラナダの門の中では最大規模の門で、車も通ることのできる大きさだ。
エルビラ門の背後は丘陵地帯となっていて、グラナダ1日目に訪れたアルバイシン地区のアラブの白い町並みが広がっている。 -
折角なので、アルバイシン地区の住宅街を通りその上にそびえる古い城壁(写真上部)へと歩こう!と思ったのだが…。
アルバイシン地区はアラブの面影を残す町並みで、その道は敵が侵入してきた時に迷わせるために非常に入りくんでいる。
私達は別に悪い事を企んでいたわけではないのだが、見事にアルバイシン地区の迷路のトラップにハマってしまい、いくら歩いても丘の上にある城壁にはたどり着けなかった。
だから、城壁の見えるこの場所でギブアップ。
きっとグラナダを攻め落としたカトリックの兵士たちも、上が見えているのに一向に辿り着けないこの町並みには苦労したに違いない。 -
そんな私達を誰かが見ている…と振り返ったら、そこにいたのはグラナダの猫。
スペインに来て猫を見る機会は少なかったのでちょっと新鮮だった。
首輪はしていないが毛並みが揃っているところから飼い猫だろう。
日頃嗅ぎ慣れないオリエンタルな匂いに興味を持ったのか、こちらの方をじっと見ているが、警戒心丸出しの表情。
耳をこちら側に向け、いつでも逃げられる姿勢を保ちながらこちらを凝視している。
最近の日本の飼い猫は警戒心を持たずに人を信じ切っていて初対面でもお腹を撫でさせてくれる猫も多いが、グラナダの猫はそうでもなさそうだ。 -
友人と私がアルバイシン地区の上にそびえる城壁までの道の探索を諦めたのは、Basilica de San Juan de Dios(サン・ファン・デ・ディオス教会)へと行きたかったから。
この教会の名前は昨晩まで知らなかったのだが、ホテルで貰ったグラナダの地図に小さな写真と名前の紹介があり、ソレを見た時に何か惹かれるモノを感じていた。 -
イチオシ
サン・ファン・デ・ディオス教会へと着いたのは9時半頃。
4ユーロ/一人の入場料(英語か西語のオーディオガイド付)を払って入場する。
教会の中は私達以外には誰も拝観者はいなくしんと静まり返っていたのだが、受付のお姉さんが照明のスイッチを入れてくれた途端、それまで真っ暗だった教会の中が輝きだした。
古くからのローマの集会場形式であるバシリカ形式(十字架型)で作られた教会の内部は、鈍色に輝く金で覆い尽くされていた。
金で覆い尽くされている…と書くと成金趣味的な嫌味な教会の様に思えるかもしれないが、此処の教会からはそのような匂いは何も感じてこなかった。
ただ、感じられたのは荘厳な雰囲気と張りつめた空気。
観光用ではない、祈りの場としての空気だけだった。サン ファン デ ディオス教会 寺院・教会
-
友人はスペイン語、私は英語のオーディオガイドを手にゆっくりと教会の中を歩く。
オーディオガイドの説明は難しく、宗教、特にキリスト教について殆ど知識を持たない私達が建築や聖人に関する説明を聞いても理解できるのはほんのわずかな部分だけだ。
しかし言葉は分からなくとも、天井のドームのステンドグラスから降り注ぐ淡い柔らかな光が教会の内部を照らしだすその美しさは理解できるし、場を支配する心地よい空気を感じることは出来る。
宗教施設に行くと、たいていはこれでもか…と云う豪華すぎる装飾に食傷気味になることが多いのだが、此処はどこかが違っていた。
建築様式はゴシック様式なのだが、あの独特のけばけばしい雰囲気を醸し出していなかった。 -
信者がお祈りをする椅子の周りにはcapillaと呼ばれる小さな礼拝堂があり、一つ一つに聖人の像が祀られている。
-
小さな礼拝堂には様々な聖人が祀られていたのが、印象的だったのがこの方、San Miguel Arcangel.。
優しそうなお顔をしているが、手には剣を持ち、足元にはナマズのような生き物を踏みつけている。
この方は女性かと思いきや男性で、足元で成敗しているのはナマズではなく竜(ドラゴン)。
どうやらキリスト教では有名なモチーフの様で、この像の意味するところは自分の心の中のドラゴン(悪魔を意味する)を退治することにより、真実の自分に近づける…と云う内容を表しているとのこと。 -
オーディオガイドのこの説明を聞いて、ちょっとドキっとした私。
最近、疲れていると、まあいいか…で物事を終わらせがちなことが多かったので、私の中のドラゴンは、のさばり放題。
もしかして、私はこの礼拝堂に呼ばれていたのかも…そんな風にも感じてしまった。
帰国後にもう少し詳しくSan Miguel Arcangelについて調べてみたら、この方は有名な大天使ミカエルだという事が判明した。
スペイン語だとミゲル、英語ならマイケル、そしてキリスト教風に読むとミカエル…。
まったくラテン語系の名前は、同じ人物を表しているはずなのに綴りも読み方も異なるので本当にヤヤコシイ。
(ミカエル君が踏みつけているドラゴンらしきもの…どこから見たら竜に見えるのだろう?私にはモグラかナマズ的な何かに見える) -
ゆっくりと30分ほど内陣部分を見学して、最後に聖祭壇のマリア像の前に立ち、見せて頂いたお礼を伝える。
そして、帰り際に友人が教会のパンフレット(教会の内部装飾の紹介冊子)を購入していたら、受付にいたお姉さんに声を掛けられた。
“あなたたち、スペイン語が分かるのね。教会の中にもっと興味は、ある?
もし時間があるのならば、特別に聖堂内の後陣部分を案内するわ…”と。
私達の目はもうキラキラ。
ホテルに戻らねばならぬ時刻まではあと50分。
ここでこのチャンスを逃したら、これだけの規模の聖堂内の後陣部分を見ることのできるチャンスなんて一生無いに違いない。
時間が無い…なんていう訳はない。 -
お姉さんは、大きな鍵束を手にすると、私達を連れて歩き出した。
聖祭壇脇の小さな扉の鍵を開けると、そこから先は聖職者の空間。
ひんやりとした空気が辺りを支配している小部屋を通り、階段を登り聖祭壇の背後にある部屋へと入る。 -
2枚前の写真で聖祭壇の真ん中程の銀色に輝く部分、それが、この部屋のある場所。
部屋の中央には銀杯が飾られ(多分聖杯なのだろう)、その白金色は周囲の黄金を凌ぐほどの輝きだ。
そして、部屋の壁には聖人となられた方々の頭蓋骨とその衣服が祀られていた。
空洞と化した虚ろな眼窩を持つ頭蓋骨。
人間のなれの果ての姿である頭蓋骨。
気持ち悪いとか怖いと感じるのが普通なのかもしれないが、この様な空間にあると怖さは何もない。 -
イチオシ
更に後陣のウィング部分へと行き、テラスから聖祭壇の彫刻をじっくりと眺める。
キリスト教徒でもない友人と私。
そんな私達を、ただ興味深く見学していたからという理由だけで後陣を案内してくれているお姉さん。
お姉さんの説明は宗教用語も多く、そのすべてを理解できるほどスペイン語が分かる訳ではないが、彼女の教会に対する熱意、その志は十分に理解できた。 -
後陣部分から教会内を眺める。
初めて見るアングルからの教会内の光景…。
きっとこんなチャンスはそうそう巡っては来ないだろう。
友人と私は、この光景を網膜に焼き付けた。 -
下から見上げていた時には小さな像にしか見えなかったマリア像も2階部分の脇から眺めればその表情までもがはっきりと分かる。
優しいお顔をしている。
宗教施設に来て、来てよかった…と心から思う事は少ないのだが、この教会は久々にそんな風に思える場所だった。
グラナダで、ふとした思い付きから訪れた教会;Basilica de San Juan de Dios(サン・ファン・デ・ディオス教会)。
グラナダでの衝撃の強さから言ったら、アルハンブラに勝るとも劣らない場所だった。 -
教会を後にした私達は、時計を見て、ちょっと焦る。
本当に慌てなくてはならない時間だ。
ホテルのチェックアウト時間は12時。
この時の時間は11時30分。
少し駆け足気味にホテルへと戻る。ホテル マシア プラザ ホテル
-
12時前に無事にチェックアウトしてホテルを出ると、ホテル前の広場であるヌエバ広場には、セグウェイに乗ったお姉さんたちがいた。
どうやら、グラナダの街歩きのセグウェイツアーがあるらしい。
姉さんの着ているシャツの背中には、セグウェイで遊ばない?の意味のTry meの文字。
でも、Try me…って色んな意味があると思うんだけどねぇ…って、余計な気を使い過ぎか…。ヌエバ広場 広場・公園
-
ホテルからレンフェの駅までは歩いても30分程度で行くこともできるが、お昼頃は気温が40℃近くになってきているので、そんな中をスーツケースをゴロゴロしながら歩くのは自殺行為。
だから、タクシーを使う。
ヌエバ広場はタクシープールになっているのでタクシーを呼ぶ必要もなく、先頭のタクシーに声をかけるだけでOK。
タクシーに乗る前に、一応簡単に、駅までいくら?の確認は行うがアンダルシアのタクシーは“ぼる”という事はなく、至極まっとうな料金で答えてくれるので安心して乗ることができる。
タクシーの運転手さんは良くしゃべるお兄さん。
駅に着くまでの10分弱の間、機関銃のようにしゃべり続けていた。
此処で、グラナダでタクシーに乗り駅に向かう時の注意事項を一つだけ。
グラナダで“駅”というと、二つの場所を意味する。
グラナダには駅が二つあり、ひとつは国鉄レンフェの駅で、もう一つは長距離バスの駅。
だから、タクシー等でレンフェの駅に行きたい時は、しっかりと Renfe StationとかEstacion de Renfeとどこの駅へ行きたいのか伝えないと、思いもよらぬ方の駅へと連れて行かれる可能性がある。 -
レンフェのグラナダ駅に着いたら、まずは窓口に行き、事前予約したチケットの時間の確認をする。
海外では列車のタイムテーブルが急に変更になることも珍しくはないのだが、座席を予約した人にはその変更の案内を送ってくれるなんて言う親切なサービスはまずない。
一応、最新の時刻表は日本を発つ前にチェックはしてきているが再度の確認を窓口で行う。
私達が旅をした2015年の夏のスペイン。
この夏はレンフェのダイヤが大幅に変更となり、旅人泣かせの夏だった。
ダイヤが変更となった理由は、グラナダとアンテケーラ・サンタ・アナ間の架線工事の影響。
架線の幅を広げて高速鉄道のAVEがスピードを落とさずにマドリードとグラナダを走れるようにする工事が行われていた。
しかしそのお蔭で、グラナダから西へと伸びる路線は不通となり、レンフェの利用者はレンフェのチケットを買いながらも振替バスで途中まで移動してからレンフェに乗り換えると云う騙されたような経路で旅をすることとなっていた。 -
私達も、そんな騙されたような経路の利用する旅人の一人。
長距離バスが苦手な友人にはちょっと大変な移動経路となってしまった。
普通にグラナダ−ロンダを列車で移動するならば2時間位で行けるはずなのに、架線工事の影響を被った私達はバスだけで1時間半の旅。
.
バスの車窓に面白い形の岩山が見えてきたな…と思ったら、そこはもう乗換駅のアンテケーラ・サンタ・アナ駅だった。 -
アンテケーラ・サンタ・アナは、比較的新しく施設も綺麗な駅だ。
バスを降りた私達は、駅の中で接続の列車を待つ。
電光掲示板を確認すると、次のロンダ行は14:40発の表示。
バスから降りてからは特に誘導も無いので、電光掲示板のチェックは念入りに。
ロンダ行の列車は1日に3本程度しかないので、これを逃がしたら大変なことになる。 -
駅構内は冷房も効いていて涼しいのだが、待合室の椅子の数が乗り換えを待つ乗客数に対して圧倒的に足りていない。
私達は運よくベンチに座れたが、本当にベンチを必要とする方々(年配の方や子連れの方)が座るとこもなく、ウロウロと駅構内を歩いている。
まあ、私達は若いし(自称だが…)、構内では無くてホームのベンチでもいいよね〜と駅構内のベンチを他の方に譲りホームへと向かったのだが、この判断は若干の誤りだった。
ホームにベンチは沢山あるものの、気温は外気温と同じ。
空気は乾いているが、ホームを渡る風はドライヤーから吹いてくるような熱風。
接続の列車がやってくるまでの30分間がとてつもなく長く感じられた。 -
アンテケーラ・サンタ・アナからロンダまでは約1.2時間の列車旅。
車窓からは向日葵畑も見え、もう見られないかも…諦めていただけに向日葵畑の光景は嬉しかった。
ロンダへの到着は、予定時刻よりは20分遅れ。
スペイン国鉄では特急電車を除き、鈍行列車の遅れは日常茶飯事の様だ。
ロンダ駅で街の地図などの観光情報を入手しようと思っていたのだが、駅中や駅近くには観光案内所は無く、観光案内所は街の中心部にしかないという。
(写真:ロンダの駅。レンフェのマークがテントウムシみたい) -
一応ガイドブックの歩き方にはロンダの簡易地図があるが、この地図だけで宿がある街の中心部まで歩くのは心もとない
ロンダの駅から宿までは徒歩20分位。
歩いて歩けない距離ではないが、スーツケースを転がしながら道を探すのは骨が折れる。
こんな時はタクシ−を使おう♪
駅前には列車の到着時間に合わせてタクシーがやってきているので、まずは料金交渉から。
ロンダは観光都市なので吹っかけられるかと思ったら、此処でも事前調査とほぼ同額の7ユーロ(ホテルまで約5分)だった。
今晩、ロンダでお世話になる宿はHotel Polo(ホテル ポロ)。
経営者の方の奥さまが日本人で、この日もフロントにいらしたのは奥さま。
日本語でチェックインができるのは、気持ち的にとても楽だ。
ホテルの室内はお掃除もきちんとされていて、バスルームには浴槽も有り私達には十分すぎる程の宿で、一泊の宿泊料金は、45ユーロ(約6200円)。
室内には日本語での館内案内も有り、スペイン旅の真ん中に挟むにはちょっと箸休め的な感じで良いかもしれない。ホテル ポロ ホテル
-
ホテルポロがあるのはAlameda Tajo(アラメダ タホ)公園から歩いて2分位の場所で、ロンダの観光地を巡るにはとても便利な場所。
宿の部屋に荷物を放り込んだら、早速、ロンダの観光へと出発♪
私達が、最初に足を向けたのはインフォメーションセンター。
インフォメーションセンターがあるのは闘牛場のすぐ脇で、ホテルからは歩いて5分位。
ここで、ロンダの地図を入手したらその隣の闘牛場へ。ロンダ闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦
-
ロンダの闘牛場は、闘牛場…とはいうものの日常的に闘牛を行っているわけではなく、実際にマタドール(闘牛士)が雄牛と戦うのは1年に数回だけ。
だから闘牛場を本来の用途で用いない日は、闘牛ミュージアムとして施設の中を一般公開している。
天井から鉄板がぶら下がるこの部屋は牛が通る通路。 -
いきり立つ闘牛が急に走り出したりしないように、分厚い金属のシャッターを天井から降ろし狭い空間を作り、牛の気持ちを静めるための場所だ。
-
闘牛場を一望できる2階の観客席へと上がり、戦いが行われる広場を眺める。
白い砂が目に眩しく、サングラスが必要なほどの陽射しの強さだ。
この時の時刻は17時だが、まだ太陽高度は高く日本の夏時間の感覚的には14時位。
アンダルシアの空に夕焼けが現れるのは21時近くなので、観光時間はまだ十分にある。
夏の17時という時間は気温も下がってきているのでそんなに暑くはなく、観光には最適な時間帯だ。 -
この闘牛場で行われる闘牛というゲームは、スペインの伝統的な行事の一つだ。
伝統行事は未来へと繋いでいかなければならない大事なモノの一つではあるが、私はゲームとして牛を殺すという闘牛という行事に賛同はしない。 -
食べられるためだけに育てられる牛と、殺されるためだけに育てられる牛。
この二つの育てられ方をした牛の最後は双方とも殺される…と云う事には変わりはないと思うのだが、闘牛の様に剣で刺され、苦しみながら死んでいくのは、やはり人道的(牛道的)にどうなのかと思う。
(写真:スペインの画家ピカソが描くマタドール;闘牛士) -
イチオシ
闘牛場の後に向かったのは、ロンダが孤高の城塞都市と云われる所以となった景色を見られるところ、私がロンダで一番見て見たかった風景がある場所だ。
そこに立ち、ロンダの街を眺める。
白い街ロンダ。
アンダルシアに白い街はいくつもあるが、切り立った際の上に立つ山岳城塞都市はロンダだけ。
垂直の崖の上の際まで白い家が立ち並ぶロンダの風景が目の前に広がる。ロンダ旧市街 旧市街・古い町並み
-
イチオシ
切り立つ崖の上に建つ城塞都市…この光景を眺めているの場所は、ロンダの新市街と旧市街地を結ぶNuevo(ヌエボ)橋の上。
ヌエボ橋は、二つの切り立つ崖を結ぶために掛けられた橋で、橋自体も観光名所だが、やはりこの橋の上から眺めるロンダの光景は、なかなか凄い。ヌエボ橋/ヌエボ橋解説センター 建造物
-
橋の上から反対側の崖を眺めると宿のある新市街地側が見え、アラメダ公園の展望台の先に飛び出す空中展望台の部分からも、観光客が絶景を楽しんでいるのが見える。
この空中展望台のでっぱりの部分、こんな風に写真で切り取ってしまうとその高さ感は分からないのだが…。アラメダ タホ公園 広場・公園
-
カメラを少し引いて撮影すると、その高さ感が良くわかると思う。
写真の真ん中上部にある小さな青い円錐型の三角屋根が展望台の出っ張り部分。
そこに空中展望台がある。
そしてこのアングルだと、切り立った崖の上にロンダの街があることが更によく分かると思う。
ロンダの街がどうしてこのような切り立つ崖の上に作られたのか。
それには理由がある。 -
イチオシ
その理由は、ロンダが白い村から発展した街だから…。
アンダルシアの白い村は、もともとはイスラム教のアラブの人々がアンダルシアを支配していた時にその原型が作られた村で、アラブ人たちは外部からの襲撃を受けにくくするために、丘の上や切り立った崖の上にその集落を作っていた。
天然の崖を利用した白い城塞都市ロンダもその一つ。
戦に敗れたアラブ人がこの地を去り、キリスト教の支配下に入ってからもそのロンダはその独自の要塞性を維持し、外敵の侵入を拒み続けてきた。 -
ロンダのヌエボ橋の上。
ここは朝も昼間も夕方も夜も…いつ来てもロンダの美しい風景を見ることのできる場所だ。
実は友人と私は夕方にもここに舞い戻り(実は一人で夜の22時頃にも来たのだが…)、時の移ろいと共に表情が変わるロンダの光景を楽しんだ。
ロンダでの滞在は翌日のお昼までと短かったのだが、密度はぎっしり。
ギュっと詰まった旅の時間で、書きたいことは山ほどある。
だから、そんなロンダの旅のお話はまた次の旅行記で綴っていきたい。
(写真:この日のロンダの夕景/ヌエボ橋の上から) -
この日の旅行記の最後に、チョコレートのお話を…。
スペインの朝はチュロスとホットチョコで始まると云って過言ではないくらい、スペイン人はChurros con Cholateが大好きだ。
でも、スペインはカカオの原産国ではないのに、どうしてそんなにチョコレートがメジャーなのか…。
その答えを教えてくれるのは、スペインの歴史だ。
カカオが初めて欧州へとやってきたのは16世紀。
コロンブスのアメリカ大陸発見後に、カカオは征服者たちにより中南米からスペインへと持ち込まれた。
最初はその独特の苦みから薬として用いられていたカカオは、後に砂糖を入れ甘いチョコレートドリンクになり、そして固形のチョコレートとして欧州中に広まった。
それ以来、スペインではチョコレートは国民食となっている。
現在のスペインでの1年間の国民一人あたりのチョコレートの消費量は3.3kg。
日本の消費量は2.1kgなので、スペインでは日本人の1.5倍のチョコレート量を1年間に食べていることになる。
勿論、その量に貢献しているのはチョコ・チュロスだろう。
そして、欧州ではスペインのチョコレートの質は高いことで知られているそうだ。
有名なのはスペイン王室御用達のCACAO SAMPAKAのチョコレート。
私も2種類のチョコを空港で購入してみたが、どちらも甘さが控えめで美味しかった。
(写真はスペイン王室御用達CACAO SAMPAKAのチョコレート/空港で購入)
前の旅行記 【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜:
http://4travel.jp/travelogue/11069115
次の旅行記 【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ
http://4travel.jp/travelogue/11079496
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
Active♡ 女子旅
-
前の旅行記
灼熱のフライパン☆スペイン・アンダルシアへ♪ 此処はカイロかアスワンか !?初体験☆てんこ盛り【女子二人旅-...
2015/07/10~
マドリード
-
次の旅行記
スダジイが包み込む仏 抱き地蔵 / 日本のアユタヤ 興禅院 へ
2015/11/28~
川口・戸田・蕨
-
「いつか、きっと変わると信じている…」
2007/07/21~
カイロ
-
64歳の母との旅 Epilogue-聖なる谷(ピサック・オリャンタイタンボ・チンチェーロ)を巡り、インカの末...
2009/03/19~
クスコ
-
中2の娘と女子二人旅♪迷いこんだ先は…王宮の庭 That is Marrakech【モロッコ7・8日目】
2012/12/28~
マラケシュ
-
トロルの足跡を探してベルゲン街歩き♪世界遺産ブリッゲンは3度美味しい!【白夜のFjord 1600kmドライ...
2013/08/02~
ベルゲン
-
霜月の夜はシンメトリー♪過ぎゆく秋・和の饗宴を見逃すな!【旧古河庭園・六義園】
2013/11/24~
大塚・巣鴨・駒込
-
憧れの彼女に会いに…☆火山が創りし島オアフを遊ぶ/ハワイを週末+有給2日de大満喫!【5】
2014/04/10~
オアフ島
-
パワースポットを巡り歩いて、30,000 足跡!/ 神の息吹を感じる旅
2014/10/26~
日光
-
宝箱を探して☆ちょっぴり一人旅♪ Victoriaな風を感じる London & テムズ川 てくてく 橋めぐ...
2014/12/27~
ロンドン
-
Whisper of the Stone / ライムストーンが囁く異国のお伽ばなし【家族と歩く真冬の英国(コ...
2014/12/27~
コッツウォルズ地方
-
徹夜明け 足跡の数 32,000歩/千駄木・根津さんぽ【昭和・大正レトロと出会う町】
2015/03/14~
谷根千
-
メドゥーサの微笑/地下宮殿の水底に漂うは、運命か、母なるTerraの行く末か【イスタンブール-4:ウマい話に...
2015/05/01~
イスタンブール
-
姫神さまは、月ウサギ☆3000年の時が繋ぐ古代蓮
2015/06/28~
浦和
-
灼熱のフライパン☆スペイン・アンダルシアへ♪ 此処はカイロかアスワンか !?初体験☆てんこ盛り【女子二人旅-...
2015/07/10~
マドリード
-
チュロスとホットチョコで始まる朝☆崖上の城塞 Ronda【女子二人旅-6(グラナダ & ロンダ)】
2015/07/10~
グラナダ
-
スダジイが包み込む仏 抱き地蔵 / 日本のアユタヤ 興禅院 へ
2015/11/28~
川口・戸田・蕨
-
ベーカー街の聖夜☆朝活・横浜 & X’masアフタヌーン・ティ【山手西洋館・世界のクリスマス】
2016/12/04~
横浜
-
白亜の宮殿【鹿鳴館】と【迎賓館】
2017/01/21~
赤坂
-
別室連行に強制送還の危機!罪状は国籍詐称☆私がモロッコ人って冗談でしょ?/トラブル抜きでは始まらない娘母旅【...
2018/12/27~
フェズ
-
闇の帝王;ブラック・パンサー/悠久に漂う知られざる古都【アダルト娘と旅するモロッコ-2(Guide Book...
2018/12/27~
フェズ
-
突撃!ジモティ☆ベルベル教室♪オカンと味わう ディープな砂漠【アダルト娘と旅するモロッコ-7(Merzoug...
2018/12/27~
エルフード
-
美女と野獣☆アズルー森のモロカン魔法【アダルト娘と旅するモロッコ-5(Ifran Azrou Midelt)...
2019/01/01~
アズルー
-
真夜中のTea Time/【アダルト娘と旅するモロッコ-11(Sahara Nomad 居候-3)】
2019/01/03~
エルフード
-
金星より大魔王 降臨!/週末 日帰り京都☆朱と青モミジの鞍馬・貴船旅
2019/05/26~
八瀬・大原・貴船・鞍馬
-
トラブルも又、楽し♪宿無し旅人、濁流の川を渡る/ガンダ・ラ トレック2・3日目 - インド女子会に初参加【ラ...
2019/07/03~
レー
-
深化!女神の奥底へ/オトナの社会科見学☆地下神殿の核心部を潜入調査【首都圏外郭放水路 2020】
2020/01/11~
春日部
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
-
ホテル マシア プラザ
3.37 -
ホテル ポロ
3.29
この旅行で行ったスポット
もっと見る
この旅行で行ったグルメ・レストラン
グラナダ(スペイン) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ Active♡ 女子旅
0
52