2014/12/27 - 2015/01/04
25位(同エリア1027件中)
ウェンディさん
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英国のCotswolds(コッツウォルズ)地方。
そこは、物語の世界。
ナルニアへと繋がる洋服ダンスのある古い石造りの家、時計を持ったうさぎが走って行く丘陵地帯、霧に霞むホグズミード村、そしてホビット・ドワーフ・エルフの世界…。
コッツウォルズの村の中や鶸茶色の丘のフットパスを歩いていると、昔に読んだ英国の物語の情景がポンっと音を立てて目の前に現れる…。
そんなデジャヴに近い感覚を感じることが何度かあった。
コッツウォルズ旅の最後に訪れたカースルクームの村は、C.S.LewisのThe Chronicles of Narnia(ナルニア国物語)の一場面を思い起こさせる村。
蜂蜜色の家々が並ぶフットパスをのんびりと歩き、中世イギリスの風を感じ、石が語る異国の物語に耳を傾けてきた。
旅程 2014/12/27〜2015/1/4
□12/27 成田13:10 - モスクワ(乗り継ぎ2時間) - ロンドン(LHR)20:15
□12/28 ロンドン
□12/29 ロンドン
□12/30 オクスフォード
□12/31 コッツウォルズ (レンタカー)
■1/1 コッツウォルズ (レンタカー)
バイブリー、カースル・クーム、ソールズベリ
□1/2 ソールズベリ(レンタカー)→ ロンドン(LHR)22:30 - モスクワへ
□1/3 モスクワ05:05/20:00 - 成田へ
□1/4 成田11:40
☆★☆★☆★☆★☆ 家族と歩く真冬の英国 旅行記☆★☆★☆★☆★☆
【1】 24年前の君へ http://4travel.jp/travelogue/10969164
【2】 アフタヌーン・ティは貴族の館で召し上がれ♪ http://4travel.jp/travelogue/10973030
【3】 チェシャ猫が浮かぶ街 http://4travel.jp/travelogue/10975423
【4】 双貌のコッツウォルズ・ドライブ http://4travel.jp/travelogue/10976918
【5】 鶸茶色の砂漠〜フットパス〜には危険が潜む!? http://4travel.jp/travelogue/10979485
【6】 石の囁きに耳を澄まして… http://4travel.jp/travelogue/10985237
【7】 古代遺跡の謎を解く http://4travel.jp/travelogue/10987777
【番外編 1】 バナナも凍る世界へ行こう! http://4travel.jp/travelogue/10995510
【番外編 2】 ロシアビザ取得ついでに最高峰登山 http://4travel.jp/travelogue/10958914
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
-
イチオシ
午前中をBibury(バイブリー)でのフットパス歩きに費やしたこの日の午後は、車を走らせてCastle Comb(カースル・クーム)へと向かう。
カースル・クーム到着は14時頃。
雨は上がってはいるが、曇り空なのが少し残念。
カースル・クームのシンボルでもあるライムストーンの石で作られた茅葺(かやぶき)屋根の家が出迎えてくれた。
…ここで、ちょっと車でカースル・クームへ向かう方へ情報を…。
Bibury(バイブリー)からは、Cirencester(サイレンセスター)を経由するA429を通るのだが、Chippenham(チッペナム)まで行くと行きすぎとなる。
高速道路M4を横切る手前にCastle Combの方向を示す道路標識があるので、その指示に従う方が近道だ。
バイブリーからカースル・クームまでの所要時間は約1時間。
A429沿いにはレストランは何件かはあるのだが、この日は1/1だったのでお休みの店が多く更に道沿いのスーパーもお休みで、食事をとれる場所を見つけるのに苦労した。
年末旅を計画する際は、食事の場所にもご注意を…。 -
カースル・クームの駐車場(無料)に車を停めて、歩き出す。
駐車場はそれなりの広さがあり、まだまだ車を停められる状況だったのだが、道沿いの道路脇には縦列駐車の車たち。
家に駐車スペースの無い村の方が家の前に車を停めるのは当然だと思うのだが、観光客らしき人達がその間に割り込んで車を停めていた…。
それって、モラルとしてどうなの?と思うのだが…。
同じ観光客としては、私の方がそんな行為を恥ずかしく感じてしまう。 -
駐車場から村まではゆっくり歩いて10分程度。
カースル・クームのライムストーンは柔らかな蜂蜜色。
冷たいのかな…と思い石肌に手を添えると、思いの外ヒンヤリ感はない。
むしろ暖かみを感じるかも。 -
家々の壁には蔦が這い、雨に濡れたしっとりとした壁色にクリスマス・リースの緑と赤の色が映える。
-
カースル・クームの家の石積みは他の地方に比べて一つ一つの石のサイズが小さめ。
この辺の石灰岩は柔らかいので、小さめのブロックなのだろうか。
それにしても、コッツウォルズ地方のコッツウォルド・ストーン(ライムストーン:和名では大雑把に石灰岩)は何処から切り出しているのだろう。
車でコッツウォルズを巡っていれば、どこかで採石場を見られるかも…と思っていたのだが、結局見つけることはできなかった。 -
こちらの家の蔦の這い方は、私の好み♪
きっと家のオーナーの方が何十年もかけて好みの形に蔦を成型しているのだと思う。
石造りの家に住む…という事は、そんな気の長い楽しみもありそうだ。 -
人口が350人程度と小さな村であるカースル・クームだが、観光用の見せる場所とレジデンス区域は明確に区別されている。
村の奥へと続くこの道の先にも、更に石造りの家々が立ち並んでいる。
でも、この先はレジデンス(居住者専用)区域。
観光客は入ることは出来ない。
こんな風にON/OFFがはっきりしている村だからこそ、英国紳士がリタイア後に住みたい村として1番に挙げる場所なのだろう。 -
村の中には川が流れていて、この川のあたりでカールス・クームの村はずれとなる。
村の中だけを歩くならば多分15分もあれば終わってしまう小さな村。
でも一歩、村に足を踏み入れると、絵本の世界の様な雰囲気に呑みこまれ、時間が経つのを忘れてしまうような場所だ。 -
イチオシ
このカースル・クームに限らずコッツウォルズ地方の石造りの村には、私たちを虜にする何かがある。
14世紀頃に作り始められた石造りの家々。
その家に住んでいた家族の想い出、道行く人達が交わす言葉…。
石が記憶という概念を持つならば、様々な映像を彼らは刻みこんでいるのだろう。
ナルニアへと繋がる洋服ダンスのある古い石造りの家、時計を持ったうさぎが走って行く丘陵地帯、霧に霞むホグズミード村、そしてホビット・ドワーフ・エルフの世界…。
コッツウォルズの村の中や鶸茶色の丘のフットパスを歩いていると、昔に読んだ英国の物語の情景がポンっと音を立てて目の前に現れる…。
そんなデジャヴに近い感覚を感じることが何度かあった。
英国の田舎町を舞台とした物語の数々。
著者の人達は、きっと石たちが語るお話を聞くことのできる…そんな不思議な力を持っていたのではないかな。カッスルクーム 散歩・街歩き
-
カースル・クームではバイブリーの様にネームプレートが付けられている家はあまりなかったが、建物の表に由緒ありそうな紋章がついている家が多くあった。
一番手前の家の紋章は、一角獣(ユニコーン)。 -
黒曜石(かな?)で作られたユニコーン。
ユニコーンは英国王室の文様の一つであり、ハリーポッターの本にも出てくる獣。
解毒作用があると云われるユニコーンを紋章とするこの家の持ち主は、その昔はお医者さんだったのかもしれない。
(毒消し作用について:その昔、ユニコーンの角には解毒作用があるとしてその角は珍重されていた。しかし、ユニコーンは想像上の生き物で、その角が実際に手に入る訳はない。実際に使われたのは海獣であるイッカクの角。タンパク質からできているイッカクの角は、毒中の酸・アルカリと反応しタンパク質変性を起こす特性を持つことから、毒の検知薬として使われてきた…らしい。) -
この日は1/1だったが、村のティールームは営業中。
時間があればゆっくりとお茶でもしたかったのだが、できれば暗くなる前には今日の宿泊地Salisburyに到着していたいのでお茶を楽しむだけの時間がない。
なので、残念ながらティールームは外観だけ。ティールーム カフェ
-
イチオシ
カースル・クームの村を散歩しているのは、観光客だけではない。
村人たちも普通に生活している。
観光客も村人たちも自然体で散歩する村の風景。
コッツウォルズの村は、英国人にとって肩ひじ張らずに生きていける場所なのだろう。 -
カースル・クームの村の真ん中にあるのは、マーケット・クロス(市場)。
マーケット・クロスは、14世紀に建てられたと云われている。
市場の傍らには教会があり、イギリス国内でも珍しい14世紀に作られた時計が今でも時を刻んでいる。 -
その古い時計があるのが、聖アンドリュー教会だ。
-
教会の中に足を踏み入れ天井を見上げると、英国教会に特徴的なヴォールトと呼ばれる造りが広がる。
天窓には星が輝いている。 -
しかし、教会の中は村の教会らしくいたって質素だ。
-
薔薇窓にあたるステンドグラスも、シンプルな造りだ。
-
マーケット・クロスから西へ歩くと、そこにはマナーハウスがある。
マナーハウス沿いの壁にはPrivateの看板。
この先へは宿泊者しか行けないのかと思っていたら、石造りのゲートにPublic Footpathの看板を発見。
どうやら、Footpathを歩くならば、ゲートの奥に入っても大丈夫そうだ。 -
で、私たちは…モチロン、歩いてこの門をくぐってその先へ。
-
門をくぐるとそこからは先は居住区になっていて、普段着姿のカースル・クームの家が並ぶ。
大きな猟犬を連れた方が散歩をしていた。 -
きどらない村の家々が立ち並ぶ。
木の扉の素朴な感じと石の色合いがとっても似合っている。 -
先へと歩いて行くと、小さな石のトンネル。
映画;千と千尋で主人公の少女が紛れ込んでしまう世界を彷彿とさせる景色だ。 -
トンネルの先には石塀と木戸。
ここが、カースル・クームのフットパスへの入口だ。
多分、この先には素敵な光景が広がっているのだと思う。
行ってみたい…。
しかし、もうそろそろ滞在時間のタイムリミット。
娘も“この扉をくぐって向こうへ行ったら両親はブタになっちゃうかも…”なんて言っていたのだが…諦めて、ここで引き返す。 -
帰り道、村の中で小さな無人販売のお店を発見。
家の玄関の前には小さな机、そしてその上には手作りのケーキやクッキーが置いてある。 -
ケーキの種類は5種類。
チョコレート、アップルパイ、レーズンケーキ、チーズケーキにレモンケーキ。
小さいのは一切れ2ポンド(約400円)だ。
この日、お昼を食べる場所が見つからなくて、幹線道沿いのワゴン販売のホットドッグしか食べていなかった私達は、おやつの時間。
お気に入りのケーキを購入する。 -
購入したケーキのお代は、机の後ろの扉の郵便受けの中へ入れる。
いくら性善説だからって、お金を入れたふりをしてケーキだけ持っていく人もいるんじゃない?…大丈夫だろうか…と思いながらもその場を離れ、向かいにあるマーケット・クロスでおやつタイムとする。
そして、食べながら無人販売のケーキ屋さんを眺めていたら、すぐ傍のティーハウスのテラス席でお茶をしていたおじいさんが歩いてきて、ケーキの数を確認しお金をポストからしっかり回収。
そして、売れた分のケーキを補充していた。
なあんだ…ちゃんと見ていたのだね。
ケーキのお味はと云うとおばあちゃんの味的なホームメイドな味で、食べ終わった後に今晩のデザート用に更に追加購入するほど美味しかった。 -
この写真の漆喰の白壁と石造りのお宅はとっても印象的な外観なのだが、実は売り出し中。
やはり、石造りの家はメンテナンスも大変なのだろう。 -
駐車場に向けて踵を返す。
-
コッツウォルズの蜂蜜色の家たちとも、そろそろお別れの時間だ。
-
フットパス歩きの終わりに、冬のフットパス歩きにおける正式ないでたちについて少し紹介。
冬のフットパスの道は湿っていて、泥でベタベタしている。
泥道は、普通のスニーカーでは到底歩きにくいし、ズボンも泥の跳ね返りで汚れてしまう。
お勧めなのは、膝下まである長靴もしくはハイカットのトレッキングシューズに泥除けのスパッツ。
普通の靴で歩く場合には、靴はフットパス歩き用と街歩き用の二足準備しておく方がお勧めだ。
靴の泥は乾くとポロポロと剥がれ落ち、室内に白い跡を作る。
宿泊施設の方に迷惑をかけないためにも、汚れた靴は館内に入る手前で履き替える(車ならば乗る時に履きかえる)方が良いと思う。 -
駐車場近くの茅葺の家に別れを告げ、カースル・クームの村を出発したのは15時半。
この日の宿泊地であるSailsbury(ソールズベリ)へと向かう。
道はA350〜A36と繋がる1本道で、1時間程度でソールズベリに到着した。
ソールズベリは田舎にしては少し大きめの街なのだが、何故か宿代がロンドン並みに高い場所だ。
そんな中で、比較的安い宿泊施設であるゲストハウスを見つけて予約をしていた。
ゲストハウスの場所はあらかじめ地図で確認し、そのポイントへ向かえばOKの筈だったのだが、此処にゲストハウスがある筈…の通り沿いにはそれらしき建物はない。 -
私たちが予約していた宿の名前は、Alabare Guest House(アラバレ・ゲスト・ハウス)。
確かに、地図が示す場所には似たような名前の看板があった。
しかし、その看板に書かれていた言葉は”Alabare House of Prayer”。
日本語にすれば、“アラバレ・祈りの家”。
どう見ても宗教施設の看板だ。
ここら辺の地域はアラバレ地区という名前なのだろうか…。
だとすれば、この辺りに目的のアラバレ・ゲスト・ハウスもある筈…。
車を降り、30分位、住宅街の中をウロウロとゲストハウスを探す。
何人か道行く人に尋ねても、こんなところにゲストハウスがあるなんて知らない…と言う返事ばかり。
もう、心当たりは道沿いにある宗教施設“アラバレ・祈りの家”しかない。
宗教施設の門の前に行き、おそるおそるインターホンを押してみる。Alabare Guesthouse ホテル
-
インターホンで対応してくれたお兄さんは、此処“アラバレ・祈りの家”がアラバレ・ゲスト・ハウスだと教えてくれた。
私の勝手な思い込みで、一般のご家庭の空いている部屋や棟をゲストハウスとして提供している宿泊施設かとおもいきや、まさか自分が予約したところが宗教関連施設だったとは…。
…値段だけで決めたのは、不覚だった。
我が家は基本的には仏教という事になっているらしいが、私的には特に仏教に対し深い思い入れはない。
だから、別に宗教施設に泊まるのも問題は無いのだが、新興宗教みたいなところで変な勧誘を受けたどうしよう…。そんな不安が頭をよぎる。
不安を抱えつつも、ゲートを開けてもらい敷地の中へ。
建物から出てきたのはまだ若い青年。
到着時間が予定よりも30分以上遅くなったことを詫びると、彼はにこやかな笑顔で“気にしなくてもいいですよ。場所が分かりにくくてすみません。”と、とても感じが良い。 -
建物内に入り、玄関わきの小さな机でチェックインの手続きをする。
施設の中を見渡すと、マリア様の絵や明らかに宗教画と思われる壁絵がかけられていて、どうみても宗教施設であることには間違いはない。
もうチェックインもしてしまったし、後には引けない。
こうなったからには、此処がどんな場所なのか聞いてしまった方が気が楽になる。
だから、青年にこの施設について質問をしてみた。
Arabareとはスペイン語のalabar(褒め称える)という単語を元とする言葉で、もともとはスペイン系のクリスチャンの宿泊施設だったそうだ。
現在でも各国からのクリスチャンの方も宿泊するが、一般の方も宿泊できるようにとゲストハウスとして登録している…とのこと。
なあんだ。そういうことか…。
少し安心して部屋へと入る。 -
部屋にはシングルベッドが3つあり、水圧もしっかりとしたシャワーもある。
内装はごく普通な感じだ。
ただ一つ気になったのは、バスルームのタイルに施してあった装飾模様。
バスルームの雰囲気をBathのローマ遺跡風にしたかったのかもしれないが、女性と男性の生まれたままの姿絵の装飾が施してあり(ローマ風とも言えなくもないのだが…)、クリスチャンの宿泊所にこの絵はアリなのだろうか…との疑問が浮かんできた。
部屋は清潔で、窓からは英国最高の高さを誇るソールズベリ大聖堂の姿(写真は翌朝撮影)も見える。
街の中心部から徒歩15分、フル・イングリッシュ・ブレックファストつきでトリプル100ポンド(約2万円)なので、宗教施設を兼ねている宿泊所だという事を気にしなければ、お手頃な宿泊施設だとは思う。 -
取り敢えず宿に落ち着いて荷物を入れた後は、夕食を食べにソールズベリの街へと繰り出す。
時刻はまだ19時台なのだが、新年の1/1なので人影はまばらだ。 -
街の中心部にいくと少しは人の姿も見られ、ちょっぴり安心。
雨に濡れた路上にイルミネーションの光りが映り込み、綺麗だ。 -
英国最後の夕食は豪華ディナーを…♪と考えていてお目当てのイタリアン・レストランへと足を運んだのだが、もうすぐ閉店の時間だという事で、食事にありつけず。
こうなったら、食事は簡単に済ませて、夜の街を散策に行こう!
切り替えの早い私たちは、バーガーキングへ。
バーガーキングも店じまいの支度を始めていたが、店内で食べてもOKと云う返事を貰えた。
ハンバーガーなら安いかな?…と言うのは残念ながら英国では当てはまらず、一番シンプルなセット;ハンバーガー、ポテト、飲み物で6ポンド(約1200円)。
円安は旅人の懐には厳しい…。 -
街の中を散策していて、ライトアップされている門:St Ann’s Gateを見つけた。
この門の作りは、どうみても昔のお城の城壁だったのだろうという感じなのだが、門の両側に接続されている建物は比較的近代のモノ。
もしかしすると、古い老朽化した門が崩れないように近代の建物で両脇を補強しているのかもしれない。 -
ライトアップの色がグリーンへと変わった。
-
ライトの色は赤へと変わる。
普通の日の夜8時ならば、街の人や観光客で賑わうこの場所も、この夜の観客は私達だけ。
特等席に立ち、ゆっくりと光のショーを楽しむ。
さあ、そろそろ門をくぐって先に進もう。 -
門をくぐる時に上を見上げ、英国王室の紋章が彫り込まれているのを見つけた。
紋章の下には?DIEU ET MON DROIT″と書いてある。
この言葉はフランス語で、その意味はGod and my right(神と我が権利)。
でも、なぜ英国の紋章に記され文字がフランス語なのだろう…。不思議だ。
紋章の図柄は現在の洗練されている図柄よりもかなり大雑把であることから、この門が作られた年代もかなり古いことがうかがえる。
門が作られたのが、中世であることは間違いないだろう。
そして、門の扉に注意書きを見つけた。
其処には夜10時には閉門します…と書いてある。
大変!早く門の中へ入らなくては…。 -
イチオシ
門の中へと急いだ目的は、ライトアップされたソールズベリ大聖堂。
ソールズベリ大聖堂は英国で一番高い尖塔を持つ大聖堂で、建てられたのは13世紀。
闇の中に浮かび上がるその姿は荘厳だ。
中世の姿をそのままとどめたかのような大聖堂は光を受け、陰影を刻み込む。ソールズベリ大聖堂 寺院・教会
-
イチオシ
小雨がぱらつく中を傘も差さずに魅入られたように大聖堂を見続ける。
年の初めからこんなことをしているモノ好きは私くらいかと思っていたが、1/1の夜だというのにナイトツアーの街歩きの一団も居て、驚いてしまった。
モノ好きは私だけではなかったようだ。
世界中には私みたいのが沢山いるらしい…。
さあ、門が閉まる前にココを脱出しなくては。
大聖堂の敷地内に一晩中閉じ込められたら、笑い話では済まなくなってしまう。
明日は英国最後の一日。
折角、宗教施設に宿泊しているのだから、天気が回復することを神様にお願いしよう♪ -
<ドライブ行程>
Fairford―Bibury―(B4425)―Cirencestar―(A429)―Casle Comb―(B4039)―(A350)―
(A36)―Sailsbury
前の旅行記:鶸茶色の迷宮〜フットパス〜で迷子となる
http://4travel.jp/travelogue/10979485
次の旅行記:古代遺跡の謎を解く
http://4travel.jp/travelogue/10987777 -
この日の旅行記の最期にちょっとだけ、私の感じたことを追加したい…。
Castle Comb(カースル・クーム)はコッツウォルズの端にある小さな村。
その石造りの村はイギリスのおとぎ話に出てくるような落ち着いた佇まいで、一歩、村の中へ足を踏み入れると絵本の中へ紛れ込んでしまったかのような気分になる。
英国での統計によれば、英国紳士にとってリタイア後に住みたい田舎No.1に選ばれたことのある村だ。
中世の雰囲気が漂う風光明媚な村でフォトジェニックな景観…。
カースル・クームの村は、そんな第一印象を感じた村だった。
でも、この印象はほかのコッツウォルズの村々で感じるものと同じモノ。
カースル・クームの景色が他のコッツウォルズの村に比べて顕著に秀でている…と言い切れるほどの景色、そんな景色には出会うことはなかった。
しかし、数多くある村の中から英国紳士の憧れの村に選ばれるからには、それなりの理由がある筈だ。
その答えは、カースル・クームの村を歩いている時に見つかった。
カースル・クームの村には観光客相手の施設はほとんどなく、宿泊施設も超高級なマナーハウスがあるのみだ。
そして、村の中の住民が生活している部分はプライベート区域として守られ、観光客が入り込むことは出来なく、住民のプライバシーは守られている。
また、小さい村であるがゆえに、村人も観光客もまるで昔からその地に住んでいる人であるかのように道を行き交い、通りすぎる時にはお互いにニッコリと微笑む。
コッツウォルズには多くの石造りの村があるが、村によっては観光客向けのお店ばかりがメインの通り沿いに並び、お土産屋さん通りとなっているところもある。
しかし、カースル・クームの村がとった戦略はその逆。
観光客を決して拒みはしない…。
でも、優先すべきは住民たちの生活…。
そんな村の姿勢が英国紳士の共感を得ているのではないかと思う。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- たらよろさん 2015/03/11 12:48:18
- 童話★
- こんにちは、ウェンディさん。
コメントすることもできないほどの、
本当に童話そのものの風景。
まるで異次元に迷い込んだかのようなこの風景に驚きます。
イギリス、コッツェルズ・・・・
観光に人気と聞きますが、今まで素朴な田舎町というイメージしかなかったのですが、本当に美しい魅力的な街なんですね。
人気なのも頷けました。
私も行きたくなりました♪
たらよろ
- ウェンディさん からの返信 2015/03/12 20:36:47
- RE: 童話★
- たらよろさん こんばんは。
コッツウォルズ。
草木の生い茂るイングリッシュガーデンに、石造りの家が立ち並ぶ風光明美な場所…。
一見、手入れされていないかに見える庭は実は計算しつくされたワイルドな美しさを保ち、観光客はマナーハウスでそんな庭を眺めながら優雅にティータイム。
今回コッツウォルズを訪れるまでは、コッツウォルズに対し上記のようなステレオタイプなイメージを持ち、いくら素敵な田舎町とはいえ所詮観光地化された田舎でしょ…。と思っていました。
しかし、今回、シーズンオフのコッツウォルズを歩いてみて、私のイメージは覆されました。
くすんだ草色の草原の中に突如現れる蜂蜜色の石壁の村、霧の中に浮かび上がる中世の石垣を残す村、通りすぎる時に人々が自然と会釈を交わすような村…。
作られた観光地ではない自然体の村がありました。
百聞は一見に如かず…ですね。
ウェンディ
-
- tadashiさん 2015/02/26 10:20:20
- ライムストーンの調達場所
- 素敵な色調の写真ばかりですね。カッスルクームの佇まい、素敵ですよね。
この紀行記の中で、建築材の石の出所はどこなのかと疑問をされていますが、添乗員から以下のような説明があったのを思い出しました。
「畑から切り出す。」ということでした。すなわち、地面を数メートル掘り下げると石灰岩が現れてきて、そこから適宜の大きさで、切り出すのだそうです。
- ウェンディさん からの返信 2015/02/26 22:57:54
- RE: ライムストーンの調達場所
- tadashiさん こんばんは。
カースル・クームの街並みはオトナ色の石の家。
観光名所でありながらも観光客に媚びない姿勢の村でした。
石灰岩の採石所は、まさか…の場所ですね。
てっきり大きな岩山から切り出しているのかと思ったら、なんと地面の下からでしたか。
でも、これで村ごとに石の色に特徴があるのも納得です。
そして、イギリスのお庭の水はけの良い理由も分かりました。
石灰岩の岩盤の上にコッツウォルズがあったとは…。
知らなかったです。
貴重な情報をありがとうございます♪
ウェンディ
-
- aoitomoさん 2015/02/25 19:00:40
- 素敵な村ですね〜
- ウェンディさん
『カースル・クーム』
石積みでこんな雰囲気の村は凄くフォトジェニックです。
小さな村ですがメインストリートは舗装されているし車での移動もしやすそう。住人にとっても観光客にとっても。
レジデンス区域が明確に区別されているのは、そこに住む人にとっては落ち着きますね。住む人にしてみたら観光客が玄関先でうろうろされたら鬱陶しいですしね。
お客さんを迎える店はメインストリート沿いにあってと、うまく機能しているように見えます。
『聖アンドリュー教会』
ここは入れたのですね〜
カースル・クームらしい落着いた佇まいの教会です。
14世紀に作られた時計というのは見れましたか?
『無人販売のお店』
半無人と言ったらいいのか、ちゃんと離れた所から確認して補充しにくるのですね。代金チェックもかねて。(笑)
じっくり眺めて、気兼ねせず買えるのでこのシステムもありですね。
カースル・クームだからこそできるシステムでしょうね。
料金もお手頃だし、いいです。
『ソールズベリ』
ゲストハウスが宗教施設?。結果として一般の人も宿泊できるゲストハウスということで、これはこれで楽しそうです。
バスルームのタイル装飾の写真もアップしてほしかったです。(笑)
aoitomo
- ウェンディさん からの返信 2015/02/26 22:50:17
- RE: 素敵な村ですね〜
- aoitomoさん こんばんは。
コッツウォルズで訪れた石造りの村は全部で4つ。
それぞれの村は同じ石灰岩で造られていながら、異なる雰囲気を持っていました。
どの村も14世紀〜18世紀に建てられた古い石造りの家を補修しながら大事に使っていて、古いものを大切にする英国らしさで溢れていました。
村巡りの最後に訪れたカースル・クームもおとぎ話に出てきそうな雰囲気の村でしたが、他の村と大きく異なるのはレジデンス区域を非常に厳格に分けている部分。
観光客に対するサービスと住民に対するサービス、その二つのバランスが非常に良い印象を受けました。
教会の中の時計はしっかり見てきてその基部の写真も撮ったのですが、硝子の反射が強かったので旅行記では不採用。
大きな歯車が何個も組み合わさった時計の中は、映画【カリオストロの城】の時計の歯車の場面(って分かりますか?)を思い起こさせる感じでした。(あんなに大きくは無いですが…)
ゲストハウスの件は、私のリサーチ不足。
利用者の評価も悪くなかったので、まさか…だったのですが、何事も経験です。
今度からは、ああいう施設も積極的に利用していきたいと思います。
バスルームの写真ですか…?完全に撮り忘れです。
宿探しに精魂使い果たし、そこまで考えが及んでいなかったようです。
ウェンディ
-
- 備前屋ねこさん 2015/02/24 21:28:57
- いい雰囲気♪
- ウェンディさん、こんばんは♪
石造りの家に木製の扉と蔦。
雰囲気ある街並みですね。
どの家も古くからの歴史ある建物っぽいけれど、その分メンテは大変そうですね。
波打ってる屋根とかもありますね〜
英国は日本と違って地震が滅多にないから震度2くらいの地震があった程度でも家の煙突が崩れたりしてそれが新聞の一面のニュースになったりするって聞いたのですが、これだけ古い家々があるのだからちょっとの地震でも崩れたりするものもわからないでもない気がしますね。
宗教施設の宿泊所、WMCA的なものなのかな。
新興宗教とか宗教勧誘のあるような所とかじゃなくって良かったですね(笑)
それにしてもお手頃な宿でも一泊2万円くらいはしてしまうんだ・・・
バーガーキングで1200円・・・
円安が拍車をかけているのもあるけれどヨーロッパの物価はやっぱり高いですねぇ。
ユニコーンの角、解毒作用があるとか聞いた事はあったんだけど実在しないものをどうやって?と思ってたら海の生物から獲ってたんですね。
謎が一つ解けました(・∀・)
てっきり怪しげな錬金術みたいな類のものなのかとばかり思ってました。
一角猫
- ウェンディさん からの返信 2015/02/24 23:54:49
- RE: いい雰囲気♪
- 備前屋ねこさん こんばんは。
地震大国に住んでいながら,旅の間は地震が起きたら…なんて全然思いもしませんでしたが、言われてみればそうですよね。
柔らかい石灰岩を石膏(セメントかもしれないけど)固めただけなのでしょうから、少し揺れの大きい地震があったら家の壁に大穴が…なんていうこともあるのかもしれません。
家の中も地震対策をしたくても耐震材を打ち付ける壁が石壁ではなかなか地震対策も難しそうです。
石造りの家は日本ではなんちゃって石造り…は建てられても、コッツウォルズ式の建築方法では難しいかもしれません。
この日のお宿は、私のリサーチの甘さもあってクリスチャン・ホームでした。
でも、悪い宿では無かったですよ。
受付のお兄さんもすっごく感じが良かったし、翌朝の朝食もフル・ブレックファスト(旅行記には書いてありませんが、到着時に翌朝の朝食内容をオーダーするんです)で、美味しくって…。
特に宗教勧誘とかはないので、宗教施設であるという点が気にならないのであればお勧めだと思います。
海獣のイッカクの角の件ですが、毒中の酸・アルカリと反応すればいいのですから、毒の検査薬は別にイッカクでなくても良かったのではないかな〜。
例えば牛乳だってタンパク質だし…、もっと簡単なのは紅茶。
紅茶は酸性の溶液(レモン汁とか)と反応すると色が薄くなりますよね。
イッカクの角が珍重されたのは、それが幻の生き物ユニコーンの角に似ていたから。
イッカクにとっては迷惑な話ですね。
ウェンディ
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