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2010年8月31日火曜日

政治に対して一貫性なくないか

小泉政権時代に増大する医療費負担に対して、後期高齢者医療制度を作り医療費負担増加の原因である高齢者に対しても社会保険料の負担をある程度担ってもらうことにした。ここで高齢者からは大幅な反対があったのだけど、当時社会保障費に占める医療費の割合は26兆円程度(厚生労働省:社会保障費の推移資料PDF)、昨年の2009年度では、8月25日付の読売新聞のニュースによると35兆円(↓以下)とかで、ますます高齢者の人々も少しは負担した方が良いんじゃないの?状態。

厚生労働省は25日、2009年度の公的医療保険と公費負担医療の対象となる概算医療費の総額が35兆3000億円に上ったことを、中央社会保険医療協議会に報告した。


働いていない高齢者から金取るのか!という問題もあるんで、日本の個人金融資産の現金保有状況(貯蓄額)について調べてみると、それぞれの年代における全体の保有資産割合(by 国会図書館発行の資料(PDF))は、

50代:24%
60代:32%
70代以上:24%

となっている。つまり、50代以上の人々は個人金融資産の貯蓄総額全体の24%+32%+24%=80%を保有していることになる。30代以下の保有資産は30代が6%、20代以下が1%の、合わせても実に7%以下と笑えるほど少ない。



↑純資産総額を見ると50代以上はなんと22%+41%+33%=96%である。40代を含めると100%。。。見なかったことにしよう。

なので、後期高齢者医療制度により高齢者に医療費の負担を求めることに反対する理由が良く見えない。税金というものが富の再分配による平等化の促進にあるのであれば、現在の社会保障費の大部分は50代以上から引っ張ってこなければおかしいこととなる。

にもかかわらず、民主党政権が現在進めている後期高齢者医療制度の見直しというのは、個人金融資産の80%を保有する富裕層に対しての優遇でしかなく、若者の搾取という状況がまかり通ることになってしまうわけだ。

そもそも不良債権問題や高齢者社会を迎えるにあたる財源問題で小泉政権時代に取られた対策は、上記の状況を踏まえて考えれば至極まっとうな政策であったにもかからわず、国民の一部が不平不満を訴えての今の迷走ぶりである。自民党政権の政策にNOを突きつけた国民だが、果たして民主党政権に一体何の解決策があるのだろうか?財源も無い中で後期高齢者医療制度を撤回し、高齢者と若者への負担を減らすのは良いが、一体どこからお金は沸いて出てくるのだろう?

普通に合理的な思考ができるなら、上記の金融資産分配率から考えても資産のあるところから財源確保のために協力を頂くのが税金の使い道としての筋だろうが、どうも選挙の票を握っている人々も富を握っている人々も高齢者が多いことから、多数決による民主的な政治では上手くこれらの富を再分配に回す政策を取れる人を当選させるのは難しそうだなぁ、、、というのが正直なところ。

しかし、小泉政権を圧倒的な支持率で支えた人々が、今の民主党を選んで当選させたことを考えると、何一つ一貫性のない国民なんじゃないかな?と思わないでもないです。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

中高年が資産を溜め込むお陰でお金が出回らず不景気を這いつくばり、その不景気の煽りを若者が受けていることが表から見て取れますねえ。
貯蓄に税金を掛ければ貯蓄の多い奴から使い始めるのではないでしょうか。
とにかくお金が出回らないと若者に回っては来ません。

税制を変えようとしても、残念ながら、政治への影響力(選挙権ではなく行使力)を持つのは、中高年なので変わりようがないのかもしれません。
中高年は若者ことや将来の日本なんて考えてやしないのでしょう。(自分の子供のことは考えているでしょうけど)
自分たちが死ぬまで裕福であることしか望んでない。

dkc さんのコメント...

うちの祖父母の場合、小旅行に連れて行くと多少お金を使います。例えば、以下のブログ記事の旅館へ宿泊に行った時など:

http://dkcblog.blogspot.com/2010/07/blog-post_30.html

比較的年金などにも恵まれたお年寄りも多いはずなので、子供や孫がどんどん旅行などに誘い、消費を回せば良いと思うのですが。年取ると外に出る機会も少なくなるし、何もしなければ全部貯蓄に回されるのがおちですね。

なら、そこから相続税を上げて取れば良いんでしょうけど、最近の高齢者は死んでも死んだことにならないので、これまた問題ですね。

気持ち良くお金を使わせるサービスや製品が無いのも高齢者が富を使わない理由にあると思うので、これらを念頭においたビジネスを作れれば、日本の金融資産のすべて(なんせ100%)があなたのものにって感じなんですけどねぇ。