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JPWO2018221617A1 - 歯磨剤組成物 - Google Patents

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Abstract

(A)炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)から選ばれる1種以上、(B)アニオン性界面活性剤、(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤、及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを含有する歯磨剤組成物。本発明によれば、優れた口腔内清掃実感及び口臭予防実感を与え、使用感も良い、口臭予防用として好適な歯磨剤組成物を提供できる。

Description

本発明は、使用感が良好な歯磨剤組成物に関する。
近年、口臭予防は重要なエチケットの1つであることから、口臭予防実感に優れた口腔用製剤への期待が高い。特に、若者層は、この傾向が顕著である。
従来、殺菌剤による口臭原因菌の殺菌、酵素やローズマリーエキス等の消臭剤の使用によって口臭の発生を抑制する手段が知られており、一定の口臭予防効果を得ることができる。また、縮合リン酸塩等を使用して口腔内を清掃する手段も口臭予防には有効である。
しかしながら、近年、臭いに敏感なユーザーの中には、実際は他人に対しても問題とならないのに口臭に悩むケースが増加している。これは、自身の口腔内にこもる僅かな臭いの感知や口腔内の不快感に起因する口臭不安感であると考えられる。
従来の口臭予防を目的とした口腔用組成物は、口腔内に使用している間や使用直後にある程度の口臭予防感(口臭が抑制又は予防された感じられる効果実感)を与えるが、その口臭予防感は十分とは言い難い。
特許文献1(特開2003−231621号公報)では、水溶性銅化合物にポリリン酸塩及び炭酸水素塩を併用することで、特許文献2(特開平10−212220号公報)では、殺菌剤に非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤とアルカリ金属の重炭酸塩及び/又は炭酸塩とを併用することで、口腔用組成物による口臭防止効果の持続性が改善しているが、口臭抑制感については不明である。
一方、炭酸水素塩の炭酸水素ナトリウムは、特有の嫌味を有するが、口腔内にサッパリ感を与え、特許文献3(特開平11−49654号公報)では、炭酸水素ナトリウムにラウリル硫酸ナトリウム及び両性界面活性剤を併用することで、粘膜刺激を抑制して口腔内のサッパリ感が保持される口腔用組成物を提案している。更に、炭酸水素ナトリウムを研磨剤として配合した、いわゆる重曹歯磨剤にも、口腔内をサッパリさせる一定の効果があるが、炭酸水素ナトリウムによる口臭抑制感は必ずしも十分とは言えず、しかも、配合量によって刺激感を与えることもあり、近年需要が高まっている低刺激の製剤には適さないケースがある。
特開2003−231621号公報 特開平10−212220号公報 特開平11−49654号公報 特開2014−125440号公報 特開2015−182983号公報 特開2016−102076号公報 特表2014−507440号公報 特表2012−508741号公報 特表2011−520925号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高い口腔内清掃実感と共に優れた口臭予防実感を与え、使用感が良く、口臭予防用として好適な歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、炭酸水素塩及びキレート剤から選ばれる1種以上に、アニオン性界面活性剤と特定のノニオン性界面活性剤と共に特定のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドを組み合わせて配合すると、口腔用組成物、特に歯磨剤組成物において、高い口腔内清掃実感と共に優れた口臭予防実感を与え、使用感が良く、口臭予防に有効に使用し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明では、歯磨剤組成物に(A)炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)から選ばれる1種以上、(B)アニオン性界面活性剤、(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤をそれぞれ特定量配合し、かつ(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを比較的少ない量で配合することで、これら成分が特異的に相互作用し、これにより口腔内清掃実感と共に口臭予防実感の付与作用が向上し、また、刺激感も抑制される。従って、本発明によれば、口腔内に適用後に刺激感を抑えて高い口腔内清掃実感と優れた口臭予防実感を付与でき、これにより、口腔内にこもる僅かな臭いや口腔内の不快感に起因する口臭不安感を抑制することも可能である。
なお、本発明における作用機序は不明であるが、口腔粘膜への作用性、汚れ除去作用及び冷涼化作用などが複合的に関与するものと推測される。
本発明では、後述の実施例にも示すように、(A)、(B)、(C)及び(D)成分の組み合わせによって、いずれかの成分を欠く場合は達成し得ない特異的かつ格別な作用効果を奏する。後述の比較例に示すように、(A)成分が配合されていないと、(B)及び(C)成分と共に(D)成分が配合されていても口腔内清掃実感及び口臭予防実感が劣り(比較例1)、更に、(B)成分を増量しても十分な口腔内清掃実感が得られず刺激感も強くなる(比較例4)。(D)成分が配合されていないと、(A)成分と共に(B)及び(C)成分が配合されていても口腔内清掃実感及び口臭予防実感が劣った(比較例7、9)。また、(B)又は(C)成分が配合されていなかったり、あるいは(B)又は(C)成分の配合量が少なすぎる場合は、(A)及び(B)成分が配合されていても口腔内清掃実感や口臭予防実感が劣ったり、刺激感が強くなり、本発明の作用効果が劣った(比較例3〜6)。
なお、特許文献1、2に記載のように口臭の予防又は抑制のために殺菌剤や水溶性銅化合物を使用しなくても、本発明では優れた口腔内清掃実感及び口臭予防実感を付与できる。また、特許文献4〜9(特開2014−125440号、同2015−182983号、同2016−102076号公報;特表2014−507440号、同2012−508741号、同2011−520925号公報)は、N−置換−p−メンタン−カルボキサミド配合の口腔用組成物を開示するが、これらは冷涼化又は清涼化剤のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドによる清涼感やサッパリ感の改善である。これらに対して、本発明は、(D)成分による、しかも(D)成分を(A)、(B)及び(C)成分と組み合わせることによる口腔内清掃実感及び口臭予防実感の向上である。
従って、本発明は、下記の歯磨剤組成物を提供する。
〔1〕
(A)炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)から選ばれる1種
以上 0.1〜10質量%、
(B)アニオン性界面活性剤 1〜3質量%、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のノニオン性
界面活性剤 0.1〜1質量%、
及び
(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチル
シクロヘキサンカルボキサミド 0.00001〜0.01質量%
を含有する歯磨剤組成物。
〔2〕
キレート剤(A−2)が、縮合リン酸塩及びフルーツ酸から選ばれる〔1〕に記載の歯磨剤組成物。
〔3〕
縮合リン酸塩が、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムから選ばれる〔2〕に記載の歯磨剤組成物。
〔4〕
フルーツ酸が、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸から選ばれる〔2〕に記載の歯磨剤組成物。
〔5〕
(A)成分が、炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)であり、(A−1)成分の含有量が0.1〜5質量%、(A−2)成分の含有量が0.1〜5質量%、かつ(A−1)及び(A−2)成分の合計含有量が0.2〜10質量%である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
〔6〕
更に、研磨剤を8〜70質量%含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
本発明によれば、高い口腔内清掃実感と共に優れた口臭予防実感を与え、また、刺激感も抑制され使用感が良く、口臭予防用として好適な歯磨剤組成物を提供できる。本発明の歯磨剤組成物は、近年増加している臭いに敏感なユーザーの口臭不安感をも解消するための口臭予防用製剤としての使用も期待できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯磨剤組成物は、(A)炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)から選ばれる1種以上、(B)アニオン性界面活性剤、(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤、及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを含有する。
(A)成分は、炭酸水素塩(A−1)、キレート剤(A−2)であり、炭酸水素塩(A−1)又はキレート剤(A−2)でもよいが、効果発現の点で、炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)を用いることもできる。
炭酸水素塩(A−1)としては、炭酸水素ナトリウムを使用し得る。
炭酸水素塩(A−1)の配合量は、組成物全体の0.1〜10%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.3〜5%である。
キレート剤(A−2)としては、縮合リン酸塩やフルーツ酸を使用し得るが、特に縮合リン酸塩が好ましい。
縮合リン酸塩としては、例えばピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられ、塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。中でも、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、特にピロリン酸塩、ポリリン酸塩が、清掃実感及び口臭予防感実感の点で好ましい。とりわけ、口臭予防実感の点で、ポリリン酸塩であるポリリン酸ナトリウムがより好ましい。
フルーツ酸としては、例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。中でも、リンゴ酸、クエン酸、特にクエン酸が、口臭予防実感の点で、好ましい。
キレート剤(A−2)の配合量は、組成物全体の0.1〜5%が好ましく、より好ましくは0.5〜3%である。
(A)成分((A−1)、(A−2)成分)の配合量は、組成物全体の0.1〜10%であり、好ましくは0.2〜10%、更に好ましくは0.2〜5%である。0.1%に満たないと、清掃実感及び口臭予防実感が劣る。10%を超えると、刺激感が強くなる。
更に、(A)成分が、炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)である場合は、(A−1)成分の配合量が好ましくは0.1〜5%、(A−2)成分の配合量が好ましくは0.1〜5%である。
(B)アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩等のアルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩、N−メチル−N−アシルタウリン塩等のN−アシルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。中でも、アルキル硫酸塩のラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸塩のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アシルサルコシン塩のラウロイルサルコシンナトリウム、特にラウリル硫酸ナトリウムが、刺激感抑制の点で、好ましい。
(B)アニオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の1〜3%であり、好ましくは1.4〜2.5%、より好ましくは1.4〜2.0%である。1%に満たないと、清掃実感及び口臭予防実感が劣る。3%を超えると、刺激感が強くなる。
(C)成分は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のノニオン性界面活性剤である。中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、口臭予防実感及び刺激感抑制の点で好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.と略記)は、好ましくは10〜60モルである。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのE.O.は、好ましくは2〜25モルであり、アルキル基の炭素数は12〜18が好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18が好ましい。
(C)成分の配合量は、組成物全体の0.1〜1%であり、好ましくは0.3〜1%であり、特に好ましくは0.3〜0.8%である。0.1%に満たないと、清掃実感が劣る。1%を超えると、口臭予防実感が低下し、また、清掃実感が低下することもある。
なお、本発明では、更に(C)成分以外のノニオン性界面活性剤を、本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
(C)成分以外のノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル;アルキロールアマイド;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルが挙げられる。
(C)成分以外のノニオン性界面活性剤を配合する場合はその配合量が組成物全体の3%以下、特に1%以下が好ましく、また、配合せず0%であってもよい。
(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドは、清掃実感及び口臭予防感実感の向上作用を奏する。なお、(D)成分に代えて、(D)成分以外のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドを使用した場合は、本発明にかかわる清掃実感及び口臭予防感実感が得られず、作用効果が劣る。
(D)成分の配合量は、組成物全体の0.00001〜0.01%であり、好ましくは0.00005〜0.005%である。0.00001%に満たないと、清掃実感及び口臭予防感実感が劣る。0.01%を超えると、刺激感が強くなる。
なお、本発明では、公知の香料を配合できる。例えばメントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。これら香料の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量である。
本発明の歯磨剤組成物は、ペースト状、液体等の液状などの形態にして、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の様々な剤型にすることが可能であり、通常の方法で調製できる。また、上記成分に加えて、通常、歯磨剤組成物に使用されているその他の公知成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合できる。配合できる任意成分としては、研磨剤、粘結剤、湿潤剤や、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、甘味剤、防腐剤、pH調整剤、薬効成分等が挙げられる。
研磨剤としては、第2リン酸カルシウム・2水和塩又は無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物;沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ等のシリカ系研磨剤;炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム系研磨剤;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ハイドロキシアパタイトが挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合できる。これらの中では、特に沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ等のケイ酸塩を主成分とするシリカ系研磨剤や炭酸カルシウム系研磨剤、とりわけ沈降性シリカ等のシリカ系研磨剤が好ましい。
研磨剤、特に沈降性シリカは、粒径が1〜40μm、BET比表面積が1gあたり80〜250平方メートルの研磨粒子であることが好ましい。前記粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)による測定値である。
このようなシリカ系研磨剤としては、市販品を使用でき、例えば、HUBER社製のZeodent124、Zeodent113、Rhodia社製のTIXOSIL 73、TIXOSIL 63、Degussa社製のSident 3、Sident 20、多木化学(株)製のジルコノシリケート、アルミノシリケート等が挙げられる。
研磨剤の配合量は、組成物全体の8〜70%、特に10〜50%が好ましい。
また、研磨剤は顆粒状であってもよく、研磨性を有する成分として、顆粒を配合できる。顆粒としては、水不溶性粉体を顆粒状に形成させた粒子であり、粒状化には結合剤を用いた造粒物でもよい。
粘結剤としては、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、カーボポール、ビーガム、アルギン酸プロピレングリコール等の有機粘結剤、増粘性シリカ、ケイ酸アルミニウム等の無機粘結剤が配合できる。これらは1種又は2種以上で使用できる。これら粘結剤の配合量は、有機粘結剤の場合、組成物全体の0.8〜5%、特に1〜3%が好ましく、無機粘結剤の場合、組成物全体の0.5〜10%、特に1〜8%が好ましい。
湿潤剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。配合量は通常、組成物全体の5〜50%、特に20〜45%である。
界面活性剤としては、両性界面活性剤を配合し得る。具体的には、コカミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン;ヤシ油脂肪酸イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸等の有機酸やその塩類;塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
薬効成分としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ等の酵素;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸塩等の抗炎症剤;塩化ナトリウム、ビタミン類、アラントイン類等の細胞賦活剤;イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤;銅クロロフィル、グルコン酸銅等の水溶性銅化合物;ゼオライト等の歯石予防剤;ビタミンE等の血行促進剤;アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類が挙げられる。薬効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
更に、任意成分として、雲母チタン、酸化チタン、ベントナイト等の無機化合物;結晶性セルロース等のセルロース系の有機粉末;寒天、ゼラチン、デンプン、グルコマンナン等の天然高分子化合物;ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン末、ポリエチレン末等の合成高分子化合物又はそれらの共重合体;カルナバワックス、ロジン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、パラフィンワックス等のワックス類;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリイソブチレン、ポリブタジエン、シリコーン、天然ゴムを、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜4に示す組成の歯磨剤組成物を常法によって調製した。得られた歯磨剤組成物をサンプルとして用い、下記方法で評価した。結果を表に併記した。
<評価方法>
被験者パネラー4名によって歯磨剤組成物の使用感を評価した。歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ、4列コンパクトふつうタイプ、ライオン(株)製)にサンプルの歯磨剤組成物1gを載せ、3分間歯みがきを行った。
すすぎ後(歯みがき後に水で口腔内をすすいだ後)の口腔内清掃実感、口臭予防実感、歯みがき中の刺激感について、それぞれ下記に示す評点基準によって判定した。4名の点数の平均を求め、下記の評価基準によって評価した。
なお、ここで、口腔内清掃実感とは、口腔内が清掃されてきれいになったと感じられる感覚である。口臭予防実感とは、口腔内にこもる僅かな臭いや口腔内不快感を感じないことである。
(1)すすぎ後の口腔内清掃実感
評点基準
1:感じなかった
2:どちらとも言えない
3:やや感じた
4:感じた
5:非常に感じた
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
(2)口臭予防実感
評点基準
1:感じなかった
2:どちらとも言えない
3:やや感じた
4:感じた
5:非常に感じた
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
(3)歯みがき中の刺激感
評点基準
1:強い刺激を感じる
2:刺激を感じる
3:やや刺激を感じるが問題ないレベル
4:ほとんど刺激を感じない
5:刺激を感じない
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)((A−1))
炭酸水素ナトリウム:重炭酸ナトリウム(旭硝子(株)製)
(A)((A−2))
ポリリン酸ナトリウム:ポリリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)製)
ピロリン酸ナトリウム:ピロリン酸ナトリウム(太平化学産業(株)製)
ヘキサメタリン酸ナトリウム:ヘキサメタリン酸ナトリウム(太平化学産
業(株)製)
リンゴ酸:リンゴ酸(扶桑化学工業(株)製)
クエン酸:クエン酸(扶桑化学工業(株)製)
(B)
ラウリル硫酸ナトリウム:Texapon(BASF社製)
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム:
KリポランPJ−400CJ(ライオン・スペシャリティ・ケミカル
ズ(株)製)
ラウロイルサルコシンナトリウム:ソイポンSLP(川研ファインケミカ
ル(株)製)
(C)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油:
NIKKOL HCO−20(日光ケミカルズ(株)製、エチレンオ
キサイドの平均付加モル数20)
ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル:
EMALEX605(日本エマルジョン(株)製、エチレンオキサイ
ドの平均付加モル数5)
(D)
N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシク
ロヘキサンカ ルボキサミド:エバクール180(ジボダンジャパン(株
)製)
Figure 2018221617
Figure 2018221617
Figure 2018221617
Figure 2018221617

Claims (6)

  1. (A)炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)から選ばれ
    る1種以上 0.1〜10質量%、
    (B)アニオン性界面活性剤 1〜3質量%、
    (C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキ
    ルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上
    のノニオン性界面活性剤 0.1〜1質量%、
    及び
    (D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−
    メチルシクロヘキサンカルボキサミド
    0.00001〜0.01質量%
    を含有する歯磨剤組成物。
  2. キレート剤(A−2)が、縮合リン酸塩及びフルーツ酸から選ばれる請求項1記載の歯磨剤組成物。
  3. 縮合リン酸塩が、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムから選ばれる請求項2記載の歯磨剤組成物。
  4. フルーツ酸が、リンゴ酸、クエン酸及び酒石酸から選ばれる請求項2記載の歯磨剤組成物。
  5. (A)成分が、炭酸水素塩(A−1)及びキレート剤(A−2)であり、(A−1)成分の含有量が0.1〜5質量%、(A−2)成分の含有量が0.1〜5質量%、かつ(A−1)及び(A−2)成分の合計含有量が0.2〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
  6. 更に、研磨剤を8〜70質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
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