JP2020083833A - 歯磨剤組成物 - Google Patents
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しかしながら、これら成分を併用して配合することで、歯磨き中の清涼感に対して一定の効果を奏するものの、歯を磨き始めの清涼感の立ち上がりは十分とはいえず、清涼感の持続についても十分に満足できるものではなく、未だ改善の余地があった。
このような本発明の作用効果は、(A)、(B)及び(C)成分のうちのいずれかの成分を欠くと劣り、これら三成分を含んでいてもいずれかの配合量が不適切である場合も劣り、上記三成分の組み合わせに特異な作用によるものであり、また、清涼化剤のメントール、更には冷感剤の単なる配合では得ることができない格別顕著な作用効果であった。
後述の比較例及び実施例に示すように、(A)、(B)又は(C)成分が配合されていないと、使用開始直後の清涼感の立ち上がり又は使用開始直後からの清涼感の持続性が悪かった(比較例1、2、5〜7、10、11)。(A)成分が配合されていない比較例5、6、7では、界面活性剤のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が配合されていても、清涼感の立ち上がりが悪く、(B)成分が配合されていない比較例10、11では、甘味剤としてエリスリトール(相対甘味度0.8)が配合されていても清涼感の立ち上がり及び持続性が悪く、(C)成分が配合されていない比較例1、2は、カルボキサミド類が配合されていても清涼感の持続性が悪かった。また、(A)、(B)及び(C)成分が配合されていても、いずれかの成分の配合量が不適切であると、清涼感の立ち上がりが悪く、清涼感の持続性も悪かった(比較例3、4、8、9、12、13)。これに対して、実施例に示す本発明の(A)、(B)及び(C)成分をそれぞれ特定量で配合した歯磨剤組成物は、使用開始直後の清涼感の立ち上がり及び使用開始直後からの清涼感の持続性に優れ、歯磨きを開始して30秒後には清涼感が感じられ、歯磨き後に口腔内を水ですすいで10分間経過後も清涼感が感じられて持続するものであった。
〔1〕
(A)ラウロイルメチルタウリン塩、ラウロイルグルタミン酸塩及びポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種類の塩 0.5〜5質量%、
(B)相対甘味度が200以上である甘味剤 0.05〜0.5質量%
及び
(C)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド 0.00001〜0.01質量%
を含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。
〔2〕
相対甘味度が200以上である甘味剤が、スクラロース、ステビア、アセスルファム及びアスパルテームから選ばれる少なくとも1種類の甘味剤である〔1〕に記載の歯磨剤組成物。
〔3〕
相対甘味度が200以上である甘味剤が、スクラロース及びステビアから選ばれる〔2〕に記載の歯磨剤組成物。
〔4〕
練歯磨である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
(A)成分の配合量は、組成物全体の0.5〜5%(質量%、以下同様)であり、好ましくは0.8〜3%である。配合量が0.5%に満たないと、清涼感の立ち上がりが劣る。5%を超えると、清涼感の立ち上がりが悪くなり、また、清涼感よりもむしろ(A)成分に由来する特有の苦味や酸味が際立ってしまうことがある。
相対甘味度が200未満の甘味剤では、清涼感の立ち上がり及び持続性が劣る。
N−(4−シアノメチルフェニル)−p−メンタン−3−カルボキサミドは、商品名:エバクール(Evercool)G−180、ジボダンジャパン(株)製等の市販品を使用できる。
沈降性シリカは、例えば、粒径が1〜40μm、BET比表面積が1gあたり80〜250平方メートルのものが好ましい。
これら研磨剤の配合量は、組成物全体の8〜70%が好ましい。
水不溶性粉体としては、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウム等の無機粉体やこれらの混合物が挙げられ、特にシリカ顆粒、ゼオライト顆粒が好適である。
顆粒剤の体積平均粒径(メジアン径d50)は、50〜500μmであることが好ましい。前記体積平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)による測定値である。
顆粒剤の平均崩壊強度は、10〜200g/個であることが好ましい。前記平均崩壊強度は、レオメーター(サンレオメーターCR−200D、サン科学社製)による、顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に本顆粒が崩壊する時の荷重を測定した値。)の平均値である。
これら顆粒剤の配合量は、組成物全体に対して、0.1〜20%が好ましい。なお、研磨剤の総配合量は、組成物全体の8〜70%がよい。
具体的にアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、糖脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。
両性界面活性剤は、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン等のベタイン類が挙げられる。
これら任意の界面活性剤の配合量は、組成物全体の0〜5%とすることができるが、配合する場合の配合量は組成物全体の0.5〜2.5%がよい。
なお、本発明では、清涼感の持続性の点ではメントールが配合されていなくてもよく、配合量が0%であってもよいが、本発明の効果を妨げない範囲でメントールを配合してもよい。メントールを配合する場合、その配合量は組成物全体の1%以下、特に0.5%以下でもよく、0.2%以上とすることができる。
本発明の歯磨剤組成物は、メントールの配合量が比較的少なくてもよい。
pH調整剤は、クエン酸、乳酸等の有機酸やその塩類;塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
表1〜5に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法によって調製し、下記方法で使用感を評価した。結果を表に併記した。
被験者4人による使用感評価を行った。歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ、4列コンパクトふつうタイプ、ライオン(株)製)に歯磨剤組成物1gをのせ、通常の方法で3分間歯磨きを行った。使用開始直後の清涼感の立ち上がり(歯磨きを開始して30秒後の清涼感)と、使用開始直後からの清涼感の持続性(歯磨き開始直後から歯磨き後に水ですすいで10分間経過後迄の清涼感の持続度合い)について、それぞれ下記の評点基準で判定した。4人の平均点をそれぞれ算出し、下記の評価基準を用いて評価した。
評点基準
5:非常によい
4:よい
3:ややよい
2:ややよくない
1:よくない
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
評点基準
5:非常によい
4:よい
3:ややよい
2:ややよくない
1:よくない
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
(A)ラウロイルメチルタウリンナトリウム
商品名;NIKKOL LMT、日光ケミカルズ(株)製
(A)ポリオキシエチレン(2)アルキル(12〜14)スルホコハク酸ジナトリウム
商品名;ビューライトESS、アルキル基の炭素数12〜14、三洋化学(株)製
(A)ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
商品名;アミノサーファクト、旭化成ケミカルズ(株)製
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(比較品)
商品名;TEGO Betain CK、EVONIK社製
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(比較品)
商品名;NIKKOL HCO−20、日光ケミカルズ(株)製
(B)スクラロース(600*)
商品名;スクラロース、三栄源エス・エス・アイ(株)製
(B)ステビア(300*)
商品名;レバウディオAD、守田化学(株)製
(B)アセスルファム(200*)
商品名;アセスルファムカリウム、ニュートリノヴァージャパン(株)製
(B)アスパルテーム(200*)
商品名;アスパルテーム、味の素(株)製
エリスリトール(0.8*)(比較品)
商品名;エリスリトール、三菱化学フーズ(株)製
(C)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサ
ンカルボキサミド
商品名;エバクール(Evercool)G−180、
ジボダンジャパン(株)製
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(比較品)
商品名;WS−3、ジボダンジャパン(株)製
*;相対甘味度(スクロース(砂糖)の甘味度を1.0とした時の相対甘味度。厚生労 働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e−ヘルスネット」の記載参照。
)
Claims (4)
- (A)ラウロイルメチルタウリン塩、ラウロイルグルタミン酸塩及びポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種類の塩 0.5〜5質量%、
(B)相対甘味度が200以上である甘味剤 0.05〜0.5質量%
及び
(C)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド 0.00001〜0.01質量%
を含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。 - 相対甘味度が200以上である甘味剤が、スクラロース、ステビア、アセスルファム及びアスパルテームから選ばれる少なくとも1種類の甘味剤である請求項1記載の歯磨剤組成物。
- 相対甘味度が200以上である甘味剤が、スクラロース及びステビアから選ばれる請求項2記載の歯磨剤組成物。
- 練歯磨である請求項1〜3のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
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WO2022024967A1 (ja) * | 2020-07-30 | 2022-02-03 | ライオン株式会社 | 歯磨剤組成物 |
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2018
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