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JPWO2009099105A1 - 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明においては、ブロック共重合体(I)100質量部と、極性樹脂(II)1〜1000質量部と、変性重合体(III)1〜500質量部と、架橋剤(IV)0.01〜50質量部とを、溶融条件下で動的に架橋することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物であって、前記ブロック共重合体(I)が、少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)、及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、かつ、末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するブロック共重合体である、熱可塑性エラストマー組成物を提供する。

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関する。
近年、ゴム弾性を有し、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様に、成形加工及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、雑貨、履物等の分野で多用されている。
中でも、ポリマー鎖中にソフトセグメントとしてジエン系重合体ブロックを含有するブロック共重合体の水添物(以下、水添ブロック共重合体)は、従来の加硫ゴムに近い弾性と感触を有しているため、これまで加硫ゴムが使用されてきた成形品素材としての応用が期待されている。
しかしながら、上記水添ブロック共重合体は、常温でゴム弾性を有し、かつ加熱により可塑化・溶融して成形加工を容易に行うことができるものの、耐熱性、耐油性、高温下でのゴム弾性が十分とは言えず、そうした性能が高度に要求される用途には使用できないという問題がある。
かかる問題に鑑み、従来においては、水添ブロック共重合体を用いたエラストマー状組成物に関し、いくつかの提案がなされている。
例えば、水添ブロック共重合体に炭化水素油及びオレフィン系重合体等を配合したエラストマー状組成物を、有機過酸化物等の架橋剤と架橋助剤とを用いて架橋させることで、高温下における圧縮永久歪みを改良するという技術が、提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、水添ブロック共重合体、官能化水添ブロック共重合体、ポリアミド樹脂、炭化水素油等を配合したエラストマー状組成物を、有機過酸化物等の架橋剤と架橋助剤とを用いて架橋させ、耐油性、高温下のゴム弾性を改良するという技術が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記従来の水添ブロック共重合体を含有するエラストマー状架橋組成物は、熱可塑性エラストマーの特徴であるリサイクル性は有しているものの、水添ブロック共重合体の共役ジエン単量体ブロックからなるソフトセグメントが過度に架橋されているために、得られる組成物の伸びが大幅に低下しているという問題があり、高いゴム弾性の発現には未だ課題を有している。
一方、下記特許文献5には、分子鎖末端に不飽和基を含んだブロックを有する水添ブロック共重合体が提案されており、当該公報中、実施例として、分子末端にスチレン/イソプレン共重合体ブロックを有する水添ブロック共重合体組成物が示されている。
しかしながら、この技術によると、スチレン単量体単位を含有するブロックの大きさが非常に小さく設計されており、スチレンブロックの凝集力の低下や水添ブロック共重合体の圧縮永久歪みが高くなってしまうという問題がある。
特開昭59−131613号公報 特開平8−225713号公報 特開2000−109640号公報 特開2004−197035号公報 特公平7−116271号公報
そこで本発明においては、良好な耐熱性、耐油性、高温下で高いゴム弾性を有し、成形加工性にも優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ある特定のブロック構造を有するブロック共重合体(I)を、極性樹脂(II)、及び変性重合体(III)とともに溶融混練下で動的に架橋することで、該課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
請求項1の発明においては、ブロック共重合体(I)100質量部と、極性樹脂(II)1〜1000質量部と、変性重合体(III)1〜500質量部と、架橋剤(IV)0.01〜50質量部とを、溶融条件下で動的に架橋することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物であって、前記ブロック共重合体(I)が、少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)、及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、かつ、少なくとも片方の末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するブロック共重合体である、熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項2の発明においては、前記ブロック共重合体(I)が、さらに2個以上の、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項3の発明においては、前記ブロック共重合体(I)が、少なくともどちらかの末端部に、少なくとも1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項4の発明においては、前記ブロック共重合体(I)が、両末端部にそれぞれ少なくとも1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項5の発明においては、前記ブロック共重合体(I)の末端部に、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有し、前記ビニル芳香族ブロック(D)に、少なくとも1個の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)が内接する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項6の発明においては、前記ブロック共重合体(I)の両末端部に、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有し、前記ビニル芳香族ブロック(D)に、炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)がそれぞれ内接する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項7の発明においては、前記不飽和ブロック(C)の共役ジエンがイソプレンである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項8の発明においては、前記ブロック共重合体(I)中の不飽和ブロック(C)含有量が、0.1〜20質量%である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項9の発明においては、前記ブロック共重合体(I)が、非水添ブロック共重合体の水素添加反応によって得られる水添ブロック共重合体である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項10の発明においては、前記非水添ブロック共重合体に含まれる全共役ジエンのビニル結合含有量が15〜80%である請求項9に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項11の発明においては、前記ブロック共重合体(I)中のビニル芳香族単量体の含有量が5〜70質量%である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項12の発明においては、前記変性重合体(III)が、無水マレイン酸基、エポキシ基、1〜3級のアミノ基、カルボキシル基、水酸基からなる群より選ばれる、少なくとも一つの官能基を有する変性重合体である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項13の発明においては、前記極性樹脂(II)が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも一種の極性熱可塑性樹脂である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項14の発明においては、前記架橋剤(IV)が、フェノール樹脂系架橋剤又は有機過酸化物系架橋剤である請求項1乃至13のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項15の発明においては、ゴム用軟化剤(V)を0〜300質量部含む請求項1乃至14のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
請求項16の発明においては、ブロック共重合体(I)100質量部と、極性樹脂(II)1〜1000質量部と、変性重合体(III)1〜500質量部と、架橋剤(IV)0.01〜50質量部とを、二軸押出し機を用いて、溶融条件下で動的に架橋する工程を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
前記ブロック共重合体(I)が、少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)、及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、かつ、少なくとも片方の末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するブロック共重合体である、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供する。
本発明によれば、良好な耐熱性、耐油性、高温下のゴム弾性を有し、かつ良好な成形加工性、及び柔軟で良好なゴム的特性を有する熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書において、共重合体を構成する各単量体単位の命名は、該単量体単位が由来する単量体の命名に従っている。
例えば、「アルキレン単位」とは、エチレン単位、プロピレン単位、ブチレン単位、へキシレン単位及びオクチレン単位等のモノオレフィン単位を示し、この中でも、エチレン単位、プロピレン単位及びブチレン単位が、経済性の点で好ましい。これらは一種又は二種以上を使用してもよい。「アルキレン単位」には、共役ジエン単量体単位を水素添加することによって得られる単量体単位も含まれる。
「ビニル芳香族単量体単位」とは、単量体であるビニル芳香族化合物を重合した結果生ずる重合体の構成単位を意味し、その構造は、置換ビニル基に由来する置換エチレン基の二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。
「共役ジエン単量体単位」とは、単量体である共役ジエンを重合した結果生ずる重合体の構成単位を意味し、その構造は、共役ジエン単量体に由来するオレフィンの二つの炭素が結合部位となっている分子構造である。
本明細書中、「主体とする」とは、共重合体中に単量体単位を60質量%以上含有することを意味する。単量体単位を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。
また、本明細書中、「共重合体」とは、2種類以上の単量体単位が均一に分布していても、テーパー状、階段状、凸状、あるいは凹状に分布していてもよい。
また、重合体ブロック中に結晶部が存在していてもよく、さらには、一種以上の単量体単位の含有量が異なるセグメントが複数個存在していてもよい。
本実施形態における熱可塑性エラストマー組成物は、ブロック共重合体(I)100質量部に対して、極性樹脂(II)1〜1000質量部、変性重合体(III)1〜500質量部及び架橋剤(IV)0.01〜50質量部からなる組成物を、溶融条件下で動的に架橋したことにより得られる熱可塑性エラストマー組成物である。
ブロック共重合体(I)は、少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、かつ、少なくとも片方の末端部に、1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するものとする。
ブロック共重合体(I)は、さらに2個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有することが、成形加工性の点から好ましい。
〔ブロック共重合体(I)〕
ブロック共重合体(I)は、例えば下記の一般式
H−(S−H)
で表される直鎖状ブロック共重合体、又は下記の一般式
[(H−S)−X、[H−(S−H)−X
で表される直鎖状ブロック共重合体、又は放射状ブロック共重合体である。
但し、上式において、Hは、Cの単独ブロック、Dの単独ブロック、C−D又はD−Cのブロック共重合体、CとDの共重合体ブロック(C/D)を主体としているもののいずれかとし、Hは同一でも異なっていてもよい。
また、Sは、Aの単独ブロック、Bの単独ブロック、B−A又はA−Bのブロック共重合体を主体とするもののいずれかであり、Sは、同一でも異なっていてもよい。
例えば、ブロック共重合体(I)には、D−C−B−D−CタイプやC/D−A−B−D−Cタイプのブロック構造も包含される。
また、n及びkは、1〜5の整数であり、mは2〜6の整数である。
Xはカップリング剤の残基、又は多官能開始剤の残基を示す。
上記ブロック共重合体中に複数存在する、各重合体ブロックA、B、C、Dは、それぞれ、それらの分子量や組成等の構造は同一でも異なっていてもよい。
前記A、B、C、Dは、それぞれ、「少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)」、「アルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)」、「少なくとも片方の末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)」、「2個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)」を意味する。
重合体ブロックHに含まれるビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックDと、重合体ブロックCとの質量比率は、特に制限されないが、ブロック共重合体(I)のベタツキ、ポリマーの融着(ブロッキング)を防ぎ、高い生産性を確保する観点から、さらには、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みを改善する観点から、重合体ブロックDが重合体ブロックHに対し60質量%以上、すなわち重合体ブロックCが40質量%以下であることが好ましく、また、ブロック共重合体(I)にある程度の不飽和基数を導入し、効果的な架橋反応性を持たせるという点で重合体ブロックDが99質量%以下、すなわち重合体ブロックCが1質量%以上であることが好ましい。より好ましい重合体ブロックCの比率(C/H)は2〜25質量%である。さらに好ましくは5〜20質量%である。
また、Hは、圧縮永久歪の点でD−C、又はC−Dの完全なブロック共重合体であることがより好ましい。
重合体ブロック(D)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、複数種のビニル芳香族単量体単位の共重合体でもよく、その場合、それらは重合体ブロック(D)中に均一に分布しても、不均一(例えばテーパー状)に分布していてもよい。
均一に分布した部分及び/又は不均一に分布した部分は、重合体ブロック(D)中に複数個共存していてもよい。
重合体ブロック(D)の含有量は、特に制限されないが、ブロック共重合体(I)の機械物性、ゴム的特性の点から、ブロック共重合体の全質量に対して、5質量%〜70質量%であることが好ましい。
ブロック共重合体(I)の柔軟性やゴム的特性、さらには最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の機械的物性、ゴム的特性、柔軟性を優れたものにするために、重合体ブロックDが70質量%以下であることが好ましい。
一方、ブロック共重合体(I)の取り扱い性(非タック性)及び生産性、加工性の点で重合体ブロック(D)が5質量%以上であることが好ましく、10質量%〜60質量%の範囲がより好ましく、12質量%〜40質量%の範囲がさらに好ましい。
重合体ブロック(C)は、炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、複数種の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位の共重合体でもよい。それらの共役ジエン単量体単位は、重合体ブロック(C)中に均一に分布していても、また不均一(例えばテーパー状)に分布していてもよい。均一に分布した部分及び/又は不均一に分布した部分は、重合体ブロック(C)中に複数個共存してもよい。
重合体ブロック(C)は、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みを小さくする観点で、5個以上の共役ジエン単量体単位の完全なブロック共重合体であることが好ましい。
重合体ブロック(C)の含有量としては、ブロック共重合体(I)の全質量に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。ブロック共重合体(I)、さらには最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の酸化安定性、熱安定性、生産性、及び加工性を優れたものとする観点で20質量%以下が好ましく、架橋反応性の点で、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%〜15質量%の範囲がより好ましく、1質量%〜10質量%の範囲がさらに好ましい。
重合体ブロックSに含まれる重合体ブロック(A)は、炭素原子数4個以上のアルキレン単位を主体とする重合体ブロックであり、複数種の炭素原子数4個以上のアルキレン単位の共重合体でもよく、それらは、重合体ブロック(A)中に均一に分布しても、不均一(例えばテーパー状)に分布してもよい。均一に分布した部分及び/又は不均一に分布した部分は、重合体ブロック(A)中に複数個共存してもよい。
重合体ブロック(A)は、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みを小さくする観点で、炭素原子数4個以上のアルキレン単位の完全なブロック共重合体であることがより好ましい。
重合体ブロック(A)の含有量としては、ブロック共重合体(I)の全質量に対して、10質量%〜90質量%であることが好ましい。ブロック共重合体(I)の生産性、加工性等の点で、25質量%〜85質量%がより好ましく、30質量%〜80質量%がさらに好ましい。
重合体ブロック(A)の製造方法については、特に限定されるものではないが、例えば、炭素原子数4個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを水添することによって得られる。
その場合、共役ジエン中のビニル結合量は、15〜80%が好ましく、結晶化度は10%以上が好ましい。
また、オレフィン性不飽和二重結合である共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率は、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の酸化安定性、熱安定性、及び破断伸びを良好なものとする観点で、80%以上が好ましい。水添率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。
共重合体ブロック(B)は、炭素原子数4個以上のアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする共重合体ブロックである。
共重合体ブロック(B)を導入すると、ブロック共重合体(I)の制振性、耐傷付き性、耐摩耗性を改善することができるので好ましい。
重合体ブロック(B)の共重合体中に含まれるビニル芳香族単量体単位(b−2)の比率は30質量%以上が好ましく、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の耐摩耗性を良好なものとするため、50質量%以上がより好ましい。
また、ブロック共重合体(I)における、重合体ブロック(B)の全共役ジエン中のビニル結合量は10〜50%が好ましい。
重合体ブロックSに含まれる重合体ブロック(A)及び共重合体ブロック(B)は、ブロック共重合体(I)に対して、ともに0〜85質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、ブロック共重合体(I)の生産性、加工性等の点で、重合体ブロック(A)及び/又は共重合体ブロック(B)が2〜80質量%であり、かつ重合体ブロック(A)の含有量と共重合体ブロック(B)の含有量の和が25〜85重量%であることがさらに好ましい。
本明細書中、「末端部」とは、ブロック共重合体におけるブロック構造を考えた場合に、最も外側のブロック、及びそれに内接するブロックの、双方を併せて「末端部」として定義する。
ここで、「内接」とは、外側に位置するブロックの内側に化学結合を介して連結されることを意味する。
例えば、不飽和ブロックとして重合体ブロックCを有し、D−C−A−C−Dのような構造であった場合、重合体ブロックCは、重合体ブロックDの内側に化学結合を介して連結されているので、「重合体ブロック(C)は、ブロック共重合体(I)の末端部に存在する」ことになる。
また、D/C−A−B−D/Cタイプの構造の場合も、「重合体ブロック(C)は、ブロック共重合体(I)の末端部に存在する」ことになる。
ブロック共重合体(I)は、末端部に少なくとも1個以上、より好ましくは2個以上の不飽和ブロック(C)を有するものである。特に、末端の重合体ブロックD(ハードセグメント)と内部の重合体ブロックA及び/又は共重合体ブロックB(ソフトセグメント)との間に、少なくとも1個以上、好ましくは2個以上の不飽和ブロックを有するものが好ましい。
例えば、ブロック共重合体(I)が、ハードセグメントとして両末端にビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有し、内部にソフトセグメントとして炭素原子数4個以上のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)を含み、重合体ブロック(D)と(A)の間に、それぞれ、炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(C)を含むタイプのブロック共重合体(D−C−A−C−D)であるとすると、非常に明瞭なミクロ相分離構造をとることができるため、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)の凝集力がより強固になる。その結果、ブロック共重合体(I)の圧縮永久歪みを改善することができる。これにより、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の永久圧縮歪みの改善が図られる。
また、ブロック共重合体(I)が、両末端部だけでなく分子鎖内部にも、複数の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(C)を含むタイプ(例えば、D−C−A−C−A−C−D)の場合、ソフトセグメント中に小さな架橋点が導入されることになるため、ブロック共重合体の、耐油性を大幅に改善することができる。これにより、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の耐油性の改善が図られる。
本明細書において、「不飽和ブロック」とは、オレフィン性不飽和二重結合を有する重合体ブロックであり、主として重合体ブロック(C)を意味し、ブロック中における不飽和結合の存在割合が大きいことを特徴とする。
従って、ブロック共重合体(I)を水添反応によって得る場合には、水添によって重合体ブロック(A)や共重合体ブロック(B)へと変換するために導入した炭素原子数4個以上の共役ジエン単量体単位よりも、重合体ブロック(C)に用いる炭素数5個以上の共役ジエン単量体単位のほうが、水添速度が遅いものを選択する必要がある。重合体ブロック(A)や共重合体ブロック(B)中のオレフィン性不飽和二重結合である共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率は、酸化安定性、熱安定性、及び破断伸びの点で80%以上が好ましい。90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。一方、重合体ブロック(C)中の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率は、重合体ブロック(C)に十分な架橋反応性を付与するために、水添率60%以下が好ましい。40%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
また、重合体ブロックHが炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを主体とする共重合体ブロック(C/D)である場合には、該重合体ブロックも「不飽和ブロック」に包含される。
ブロック共重合体(I)の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定でき、ポリスチレン換算した重量平均分子量は、最終的に目的とする本実施形態の熱可塑性組成物の生産性、加工性、機械的強度、圧縮永久歪みのバランスの点で、5000〜2000000が好ましく、より好ましくは10000〜1000000、さらに好ましくは30000〜500000である。
なお、上記ブロック共重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)(重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比)は、最終的に目的とする本実施形態の熱可塑性組成物の加工性や機械的強度のバランスの点で、好ましくは10以下、より好ましくは1.01〜5、さらに好ましくは1.01〜2である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
ブロック共重合体(I)の分子量分布は、同様にGPCによる測定から求めることができる。
ブロック共重合体(I)を水添反応によって得る場合、水添前の、非水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、極性化合物等の使用により任意に変えることができる。例えば、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合含有量は一般に5〜90%、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合には、3,4−ビニル結合含有量は一般に3〜80%である。但し、ブロック共重合体(I)の生産性の点で、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合含有量は15〜80%が好ましく、20〜78%がより好ましく、25〜75%がさらに好ましい。共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合には、3,4−ビニル結合含有量は5〜70%であることが好ましい。
共役ジエンとは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。重合体ブロック(A)、及び/又は、共重合体ブロック(B)に含まれる共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2,4−オクタジエン、3,5−オクタジエン、1,3−ノナジエン、2,4−ノナジエン、3,5−ノナジエン、1,3−デカジエン、2,4−デカジエン、3,5−デカジエン、1,3−シクロヘキサジエンが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。特に、1,3−ブタジエンが好ましく、最終的に目的とする熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みを小さくするという観点で、重合体ブロック(A)は、共役ジエンの単独ブロックであることが好ましい。
また、重合体ブロック(C)に含まれる共役ジエンとしては、例えば、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、ミルセン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ペンタジエン、3−フェニル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、3−メチル− 1,3−ヘキサジエン、2−ベンジル−1,3−ブタジエン、2−p−トリル−1,3−ブタジエン、1,3−シクロヘキサジエンが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。特に、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエンが好ましい。
また、重合体ブロック(A)、(B)、(C)に使用される共役ジエンの炭素数は15以下であることが好ましい。
また、ビニル芳香族単量体単位としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等のビニル芳香族化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。特に、経済性の観点からスチレンが好ましい。
上述したブロック共重合体(I)を構成する各重合体ブロックに含まれる、「主体」とする成分以外の残りの成分としては、アニオン重合性を有する全てのモノマー種が該当する。
さらに、ブロック共重合体(I)においては、上述した内容に反さない範囲であれば、その他の重合体ブロックを含有していてもよい。
ブロック共重合体(I)を、水添によって製造する場合、ブロック共重合体(I)中のビニル芳香族単量体単位含有量は、紫外分光光度計等を用いて求めることができる。
また、共役ジエン単量体単位含有量、共役ジエン単量体単位に基づくビニル結合含量、及び水添率は、核磁器共鳴装置(NMR)を用いることにより求められる。
ビニル芳香族単量体単位単独重合体ブロックの分子量は、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et−al.,J.Polym.Sci.1,429(1946))により、水素添加前のブロック共重合体を分解して得たビニル芳香族単量体単位単独重合体ブロック成分(ただし重合度30以下の成分は除去されている)の紫外分光光度計やGPC測定を行うことにより求めことができる。また、その含有量は紫外分光光度計等を用いて求めることができる。
ブロック共重合体(I)の製造方法としては、公知の方法が適用でき、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
〔極性樹脂(II)〕
極性樹脂(II)とは、ポリマー鎖中に極性基を有する様々な合成樹脂であり、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックを含む。
例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリアリレート系樹脂等が挙げられる。
極性樹脂(II)を配合することにより、得られる熱可塑性エラストマー組成物に、優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性、成形性等を付与することができる。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物における極性樹脂(II)の配合量は、ブロック共重合体(I)100質量部に対して、1〜1000質量部であり、10〜500質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましい。1000質量部を超えると熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が低下する傾向にある。
〔変性重合体(III)〕
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、変性重合体(III)を含有する。
変性重合体(III)とは、官能基を有する重合体である。
変性重合体(III)を構成する重合体としては、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン/プロピレン)、ポリ(エチレン/ブチレン)、ポリ(エチレン/オクテン)等)、オレフィンと共重合可能な極性モノマーからなる共重合体(例えば、エチレン/グルシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体等)、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、スチレン−共役ジエン−スチレン共重合体、及びその水添物、若しくは部分水添物等が挙げられる。特に、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)が好ましい。
変性重合体(III)中の官能基の場所は、特に限定されるものではなく、分子鎖中、分子末端にあってもよく、あるいはグラフトされていてもよい。
変性重合体(III)の有する官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、二トリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等が挙げられる。特に、無水マレイン酸基、エポキシ基、1〜3級のアミノ基、カルボキシル基、水酸基から選ばれる少なくとも一つを有する重合体が好ましい。
変性重合体(III)の製造方法に関しては、特に限定されるものではないが、得られた変性重合体(III)がゲル等の好ましくない成分を含んだり、その溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化したりする製造方法は好ましくない。
好ましい方法としては、例えば、押出し機中でラジカル開始剤を用いて、未変性水添ブロック共重合体と不飽和カルボン酸とを反応させる方法が挙げられる。
変性重合体(III)中の官能基数は、ポリマー鎖1本あたり、1〜1000個が好ましく、2〜200個がより好ましい。
官能基数は、HPLC、NMR、GPC等を用いて算出できる。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物における変性重合体(III)の配合量は、ブロック共重合体(I)100質量部に対して1〜500質量部であるものとし、10〜300質量部が好ましく、20〜100質量部がより好ましい。1質量部未満であると、分散性が低下して良好な機械物性が発現しない傾向にあるので好ましくない。添加量が500質量部を超えても、それ以下の添加量の場合と比べて改良の効果は殆んど見られない。本実施形態においては、必要に応じて、エチレン系やプロピレン系重合体のようなポリオレフィン類を併用してもよい。
〔架橋剤(IV)〕
架橋剤(IV)としては、従来公知の架橋剤が使用でき、例えば、有機過酸化物、硫黄系化合物、フェノール樹脂系化合物、キノイド系化合物、ビスマレイミド系化合物、イソシアネート系化合物、チウラム系化合物、モルフォリンジスルフィド、ヒドロシリコーン系化合物等が挙げられる。これらは、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛等の架橋助剤、共架橋剤、加硫促進剤等と併用できる。
架橋剤(IV)としては、重合体ブロック(C)の不飽和基に選択的に作用し、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成物において破断伸びが良好な特性となるように、フェノール樹脂系化合物、キノイド系化合物、ビスマレイミド系化合物が好ましい。
また、電子線、放射線等による物理的架橋法も使用可能である。
架橋剤の使用量は、架橋方法によってさまざまであるが、例えば、重合体ブロック(C)の不飽和基を架橋する場合であれば、ブロック共重合体(I)100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。架橋剤の使用量が前記0.01質量部未満であると、重合体ブロック(C)に十分な架橋結合を形成させることができず、一方前記50質量部よりも多いと、後述するゴム用軟化剤(V)のブリードアウト、力学物性の低下等を生じる恐れがある。
〔ゴム用軟化剤(V)〕
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じてゴム用軟化剤(V)を含有させてもよい。
ゴム用軟化剤(V)の種類は特に制限されず、鉱物油系及び/又は合成樹脂系のいずれもが使用できる。
鉱物油系軟化剤は、一般に芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素およびパラフィン系炭化水素の混合物であって、パラフィン系炭化水素の炭素原子数が全炭素原子中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、一方ナフテン系炭化水素の炭素原子が30〜45%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、また芳香族系炭化水素の炭素原子が35%以上のものが芳香族系オイルと呼ばれている。
これらの中で、好適に用いられるゴム用軟化剤はパラフィン系オイルである。
パラフィン系オイルとしては、40℃における動粘度が20〜800cst(センチストークス)、特に50〜600cstで、流動度が0〜−40℃、特に0〜−30℃、及び引火点(COC法)が200〜400℃、特に250〜350℃のものが好ましく用いられる。
また合成樹脂系軟化剤としては、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が挙げられ、これらのいずれも使用できる。
水添ブロック共重合体100質量部に対してゴム用軟化剤を0〜300質量部の割合で任意に添加できる。0〜200質量部がより好ましく、0〜100質量部がさらに好ましい。
ゴム用軟化剤を加えなくても、本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物が加工・成形に十分な流動性、柔軟性、硬度を有している場合には、ゴム用軟化剤を添加しなくてもよい。
ゴム用軟化剤の含有割合が300質量部を超えると、ゴム用軟化剤のブリードアウト、動架橋組成物およびそれからなる成形品の力学物性が低下しやすくなる。
〔熱可塑性エラストマー組成物の製造方法〕
本実施形態における熱可塑性エラストマー組成物は、上述した構成材料を、溶融条件下で動的に架橋(動架橋)することにより製造する。動架橋の方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法が利用できる。
「動架橋」とは、押出し機、ニーダー、ミキサー等の溶融混練装置を用いて、組成物を溶融した状態で、混練しながら架橋処理することである。
この手法によって得られる熱可塑性エラストマー組成物は、極性樹脂(II)からなるマトリックス相に、架橋剤(IV)により架橋されたブロック共重合体(I)及び/又は変性重合体(II)からなる柔軟な相(分散粒子)が微細に分散しており、非動的(静的)な架橋処理の場合には見られない、特異な分散形態を発現することから、架橋組成物の熱可塑性の発現に有利である。
製造装置としては、各成分を均一に混合し得る溶融混練装置のいずれもが使用でき、例えば単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等が挙げられる。特に、剪断力が大きく連続運転が可能な二軸押出機が好ましい。
「溶融混練」とは組成物の融点以上の温度下で、組成物が溶融した状態での混合を意味し、温度条件は100〜300℃が好ましく、150〜270℃がより好ましい。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて任意の充填材及び難燃剤を配合することができる。充填材及び難燃剤は、極性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられる物であれば特に制限はない。
充填剤としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、グラファイト、酸化チタン、チタン酸カリウムウイスカー、カーボンファイバー、アルミナ、カオリンクレー、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、石英、マイカ、タルク、クレー、ジルコニア、チタン酸カリウム、アルミナ、金属粒子等の無機充填剤、木製チップ、木製パウダー、パルプ等の有機充填剤が挙げられる。形状としては、鱗片状、球状、粒状、粉体、不定形状等、特に制限は無い。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
難燃剤としては、臭素等を含有するハロゲン系、リン系芳香族化合物、リン酸エステル系化合物等のリン系化合物、金属水酸化物等の難燃剤が挙げられるが、近年、環境問題等により無機難燃剤が好ましく使用されるようになってきた。
無機難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、硼酸亜鉛、硼酸バリウム等の金属酸化物、その他炭酸カルシウム、クレー、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等、主に含水金属化合物等が挙げられる。
本実施形態においては、上記難燃剤のうち、難燃性向上の点から水酸化マグネシウム等の金属水酸化物やリン系化合物難燃剤が好ましい。
なお、それ自身の難燃性発現効果は低いが、他の化合物と併用することで相乗的により優れた効果を発揮する難燃剤系を使用してもよく、公知の難燃剤と公知の難燃助剤とを組み合わせて使用してもよい。
充填剤、難燃剤は、シランカップリング剤等の表面処理剤であらかじめ表面処理を行ったタイプのものを使用してもよい。
また、これらの充填剤、難燃剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合は、特に限定されるものではなく、充填剤成分同士でも難燃剤成分同士でも、あるいは充填剤と難燃剤との組み合わせでもよい。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じてその他「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に記載された添加剤、あるいはこれらの混合物を添加してもよい。
〔成形体〕
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、各種成形体として利用できる。
成形方法としては、押出成形、射出成形、中空成形、圧空成形、真空成形、発泡成形、複層押出成形、複層射出成形、高周波融着成形、スラッシュ成形及びカレンダー成形等が適用できる。
本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の表面に必要に応じて、外観性向上、耐候性、耐傷性等の向上等を目的として、印刷、塗装、シボ等の加飾等を行うことができる。
印刷性、塗装性等を向上させる目的で表面処理を行う場合、表面処理の方法としては、特に制限は無く、物理的方法、化学的方法等を使用可能であり、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、火炎処理、酸・アルカリ処理等を挙げられる。
これらのうち、コロナ放電処理が実施の容易さ、コスト、連続処理が可能等の点から好ましい。
〔用途〕
熱可塑性エラストマー組成物は、所望により各種添加剤を配合して様々な用途に用いることができる。その具体的態様としては、(i)補強性充填剤配合物、(ii)架橋物、(iii)発泡体、(iv)多層フィルム及び多層シート等の成形品、(v)建築材料、(vi)制振・防音材料、(vii)電線被覆材料、(viii)高周波融着性組成物、(ix)スラッシュ成形材料、(x)粘接着性組成物、(xi)アスファルト組成物、(xii)医療用具材料、(xiii)自動車材料等に好適に用いることができる。
成形品の用途は、例えば、シート、フィルム、チューブや、不織布や繊維状の成形品、合成皮革等が挙げられる。具体的には、食品包装材料、医療用具材料、家電製品及びその部品、電子デバイス及びその部品、自動車部品、工業部品、家庭用品、玩具等の素材、履物用素材、繊維素材、粘・接着剤用素材、アスファルト改質剤等に利用できる。
自動車部品としては、例えば、サイドモール、グロメット、ノブ、ウェザーストリップ、窓枠とそのシーリング材、アームレスト、ドアグリップ、ハンドルグリップ、コンソールボックス、ベッドレスト、インストルメントパネル、バンパー、スポイラー、エアバック装置の収納カバー等が挙げられる。
医療用具としては、例えば、血液バッグ、血小板保存バック、輸液(薬液)バック、人工透析用バック、医療用チューブ、カテーテル等が挙げられる。
その他工業用あるいは食品用ホース、掃除機ホース、電冷パッキン、電線その他の各種被覆材、グリップ用被覆材、軟質人形等、粘接着テープ・シート・フィルム基材、表面保護フィルム基材及び該フィルム用粘接着剤、カーペット用粘接着剤、ストレッチ包装用フィルム、熱収縮性フィルム、被覆鋼管用被覆材、シーラント等に用いられる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、重合体の特性や物性の測定は次のようにして行った。
I.水添ブロック共重合体の評価
(I−1)水添ブロック共重合体のスチレン含有量
非水添のブロック共重合体を用い、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
(I−2)水添ブロック共重合体のポリスチレンブロック含有量
非水添のブロック共重合体を用い、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム酸分解法で測定した。共重合体の分解にはオスミウム酸0.1g/125ml第3級ブタノ−ル溶液を用いた。
(I−3)水添ブロック共重合体のビニル結合量
非水添のブロック共重合体を用い、赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−230)を用いて測定した。ブロック共重合体のビニル結合量はハンプトン法により算出した。
(I−4)水添ブロック共重合体の分子量及び分子量分布
GPC〔装置:東ソー製 HLC−8220、カラム:TSKgel SuperH−RC×2本〕で測定した。
溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。
重量平均分子量と数平均分子量が既知の市販の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、ポリスチレン換算した重量平均分子量を求めた。
また、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比を計算した。
(I−5)水添ブロック共重合体における共役ジエン単量単位の二重結合の水添率及びイソプレン含有量
水添後の水添ブロック共重合体を用い、核磁気共鳴装置(装置名:DPX−400;ドイツ国、BRUKER社製)で測定した。
II.熱可塑性エラストマー動架橋組成物の特性
(II−1)引張強度、破断伸び
JIS K6251に従い、3号ダンベル、クロスヘッドスピード20mm/分で測定した。
(II−2)耐熱性
JIS K6262に準拠し、圧縮永久歪試験を行った。
測定条件は、(温度100℃、22時間)、(120℃、22時間)の2種類とした。
(II−3)耐油性
後述する実施例、比較例で作製した2mm厚プレスシートを、IRM#903オイルに、120℃で24時間浸漬し、前後の重量変化率(%)を測定した。
(II−4)耐摩耗性1(シボ深さ残存率の測定)
学振摩耗試験器(テスター産業株式会社製、AB?301型)を用い、後述する実施例、比較例で作製した成形シート表面(皮シボ加工面/シボ深さ約90μm)を、摩擦布カナキン3号綿布、荷重500gで摩擦後、シボ深さを測定し、シボ深さ残存率(下記式1で計算)によって、以下の基準で判定した。
シボ深さは東京精密社製の表面粗さ計E−35Aで測定した。
シボ深さ残存率=(摩擦後のシボ深さ)/(摩擦前のシボ深さ)×100 (式1)
◎;摩擦回数5000回後に、シボ深さ残存率が 75%以上
○;摩擦回数5000回後に、シボ深さ残存率が 75%未満50%以上
△;摩擦回数5000回後に、シボ深さ残存率が 50%未満25%以上
×;摩擦回数5000回後に、シボ深さ残存率が 25%未満
(II−5)耐摩耗性2(摩擦後の表面状態)
上述した(II−4)における学振摩耗試験器によって摩擦を行った後の、シート表面を指で触り粘着感(べとつき)の有無を確認し、以下の基準で判定した。
○;摩擦終了後、べとつき無し
×;摩擦終了後、べとつき有り
(II−6)表面感触
後述する実施例、比較例において2mm厚のプレスシートを作製し、シート表面を指で触り粘着感(べとつき)の有無を確認し、以下の基準で判定した。
○;シート表面が、べとつき無し
×;シート表面が、べとつき有り
配合した各成分を下記に示す。
<水添触媒の調製>
ブロック共重合体の水添反応に用いた水添触媒を下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に、乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビスシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
〔水添ブロック共重合体の調製〕
<ポリマー1:スチレン−イソプレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンの水添物>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を前記反応器に投入後、n−ブチルリチウムを、0.05質量部、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.55モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン67質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
次に、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
最後にスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合し、ポリマーを得た。
なお、前記「全モノマー」とは、ポリマー1の水添前の重合体を形成するためのモノマーの全量を意味する。以下の例においても同様とする。
上記工程により得られたポリマーは、スチレン含有量30質量%、ポリスチレンブロック含有量29.8質量%、イソプレン含有量3質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量35%、ポリマー全体の分子量7.7万、ポリスチレンブロックの分子量2.3万、分子量分布1.04であった。
次に、得られたポリマーに、上記水添触媒をポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー1)の水添率は、ブタジエンの水添率98%、イソプレンの水添率3%であった。
<ポリマー2:イソプレン−スチレン−ブタジエン−スチレン−イソプレンの水添物>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を反応器に投入した後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.55モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン67質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
最後に、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合し、ポリマーを得た。
上記工程により得られたポリマーは、スチレン含有量30質量%、ポリスチレンブロック含有量29.7質量%、イソプレン含有量3質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量35%、ポリマー全体の分子量7.8万、ポリスチレンブロックの分子量2.3万、分子量分布1.04であった。
次に、得られたポリマーに、上記水添触媒を、ポリマー100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後、メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添ブロック共重合体(ポリマー2)の水添率は、ブタジエンの水添率98%、イソプレンの水添率4%であった。
<ポリマー3:1,3−シクロヘキサジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン−1,3−シクロヘキサジエンの水添物>
上述した<ポリマー2>において、イソプレンに替えてシクロヘキサジエンを用いた。
その他の条件は、上記<ポリマー2>と同様にしてポリマーを作製し、水添反応を行い<ポリマー3>を得た。
水添ブロック共重合体<ポリマー3>の水添率は、ブタジエンの水添率98%、シクロヘキサジエンの水添率0%であった。
<ポリマー4:イソプレン/スチレン−ブタジエン−イソプレン/スチレンの水添物>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、イソプレン1.5質量部及びスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を、投入後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン67重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
最後に、イソプレン1.5質量部及びスチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合し、ポリマーを得た。
得られたポリマーは、スチレン含有量30重量%、ポリスチレンブロック含有量30重量%、イソプレン含有量3重量%、ポリブタジエン単独ブロック部のビニル結合量48%、ポリマー全体の分子量7.8万、分子量分布1.10であった。
次に、得られたポリマーを、<ポリマー1>と同様の方法で水添反応を行い、水添ブロック共重合体<ポリマー4>を得た。
水添ブロック共重合体<ポリマー4>の水添率は、ブタジエンの水添率99%、イソプレンの水添率3%であった。
<ポリマー5:スチレン−ブタジエン−スチレンの水添物>
上述した<ポリマー1>と同様にしてポリマー(水添前)を作製した。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入した後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部とTMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)を、n−ブチルリチウム1モルに対して0.55モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン70質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
最後に、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合し、ポリマーを得た。
得られたポリマーは、スチレン含有量30質量%、ポリスチレンブロック含有量29.5質量%、ポリブタジエンブロック部のビニル結合量36%、ポリマー全体の分子量8.0万、ポリスチレンブロックの分子量2.3万、分子量分布1.03であった。
次に、上記ポリマーを用いて、上述した<ポリマー1>と同様の方法により水添反応を行い、水添ブロック共重合体<ポリマー5>を得た。
得られた水添ブロック共重合体<ポリマー5>の水添率は、ブタジエンの水添率99%であった。
<ポリマー6:イソプレン−スチレン−ブタジエン−スチレン/ブタジエン−スチレン−イソプレンの水添物>
内容積が10Lの、攪拌装置及びジャケット付きの槽型反応器を、洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン17質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン15質量部とスチレン35質量部とを含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
最後に、イソプレン1.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合し、ポリマーを得た。
得られたポリマーは、スチレン含有量65質量%、ポリスチレンブロック含有量30質量%、イソプレン含有量3質量%、ポリブタジエン単独ブロック部のビニル結合量48%、ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック部のビニル結合量13%、ポリマー全体の分子量7.5万、分子量分布1.10であった。
次に、上記ポリマーを用いて、上述した<ポリマー1>と同様の方法により水添反応を行い、水添ブロック共重合体<ポリマー6>を得た。
得られた水添ブロック共重合体<ポリマー6>の水添率は、ブタジエンの水添率99%、イソプレンの水添率4%であった。
<ポリマー7:スチレン−ブタジエン−スチレン/ブタジエン−スチレンの水添物>
上述した<ポリマー1>と同様にしてポリマー(水添前)を作製した。
先ず、全モノマー100質量部を基準として、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入後、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.05質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.7モル添加し、70℃で30分間重合した。
その後、ブタジエン20質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン15質量部とスチレン35質量部とを含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。
最後に、スチレン15質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合した。
得られたポリマーは、スチレン含有量65質量%、ポリスチレンブロック含有量30質量%、ポリブタジエン単独ブロック部のビニル結合量50%、ブタジエンとスチレンの共重合体ブロック部のビニル結合量12%、ポリマー全体の分子量7.6万、分子量分布1.11であった。
次に、上記ポリマーを用いて、上述した<ポリマー1>と同様の方法により水添反応を行い、水添ブロック共重合体<ポリマー7>を得た。
得られた水添ブロック共重合体<ポリマー7>の水添率は、ブタジエンの水添率98%であった。
<極性樹脂>
ポリアミド樹脂 商品名:アミラン(東レ社製)
<変性重合体>
無水マレイン酸変性SEBS 商品名:タフテックM1913(旭化成ケミカルズ株式会社製)
<架橋剤>
ポリメチロールフェノール樹脂 商品名:タッキロール250−1(田岡化学株式会社製)
<架橋助剤>
酸化亜鉛(和光純薬工業株式会社製)
〔実施例1〕
上記<ポリマー1>、ポリアミド樹脂(アミラン)、無水マレイン酸変性SEBS(タフテックM1913)、及びポリメチロールフェノール樹脂(タッキロール250−1)、酸化亜鉛を、下記表1に記載されている質量部比で、2軸押出機[東洋精機(株)製]を用いて、シリンダー温度270℃、スクリュウ回転数250rpmの条件下で溶融混練して、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、250℃の温度条件下で射出成形機[東洋精機(株)製]により2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔実施例2〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー2>を用いた。その他の条件は実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔実施例3〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー3>を用いた。その他の条件は実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔実施例4〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー4>を用いた。その他の条件は実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔比較例1〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー5>を用いた。その他の条件は実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔比較例2〕
架橋剤及び架橋助剤を添加せずに、<ポリマー1>、ポリアミド樹脂(アミラン)、無水マレイン酸変性SEBS(タフテックM1913)を、下記表1に示す質量部比で、2軸押出機[東洋精機(株)製]を用い、シリンダー温度を270℃とし、スクリュウ回転数を250rpmとした条件で、溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、250℃の温度条件下で射出成形機[東洋精機(株)製]により2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔比較例3〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー2>を用いた。その他の条件は比較例2と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔比較例4〕
無水マレイン酸変性SEBS(タフテックM1913)を用いずに、上記<ポリマー1>、ポリアミド樹脂(アミラン)、及びポリメチロールフェノール樹脂(タッキロール250−1)、酸化亜鉛を、下記表1に示す質量部比で、2軸押出機[東洋精機(株)製]を用い、シリンダー温度を270℃とし、スクリュウ回転数を250rpmとした条件で、溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、250℃の温度条件下で射出成形機[東洋精機(株)製]により2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔実施例5〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー6>を用いた。その他の条件は、実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
〔比較例5〕
上記<ポリマー1>に替えて上記<ポリマー7>を用いた。その他の条件は、実施例1と同様として熱可塑性エラストマー組成物を製造し、2mm厚のシートを作製し、物性測定片とした。
Figure 2009099105
表1に示すように、実施例1〜4の熱可塑性エラストマー組成物は、いずれも引張強度及び破断伸びの機械的特性に優れており、圧縮永久歪みが実用上十分に小さく耐熱性も良好であり、耐油性も良好であった。
比較例1は、不飽和ブロックを有していないため、架橋されておらず、実用上十分な物性値が得られなかった。
比較例2、3は、架橋剤を添加しなかったため、耐熱性、耐油性において、上記実施例に比して劣ったものとなった。
比較例4は、変性重合体を用いなかったため、組成物中でゴム成分を微分散させることができなかった。このため、機械的特性、耐熱性、耐油性の全てにおいて上記実施例に比して劣ったものとなった。
Figure 2009099105
表2に示すように、実施例5は架橋された効果が顕著に見られ、圧縮永久歪み、シボ深さ残存率、摩耗後の表面状態、表面感触において良好な結果が得られた。
一方、比較例5は、不飽和ブロックを有していないため、架橋されておらず、上記実施例5に比して劣ったものとなった。
本出願は、2008年2月8日に日本国特許庁へ出願された、日本特許出願(特願2008−028373)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、耐熱性、耐油性、高温下のゴム弾性に優れ、かつ、良好な成形加工性及び柔軟で良好なゴム的特性を有しており、自動車部品、土木・建築用途、家電部品、スポーツ用品、雑貨品、文房具をはじめとする種々の成形品やその他の広範な分野において、産業上の利用可能性がある。


Claims (16)

  1. ブロック共重合体(I)100質量部と、
    極性樹脂(II)1〜1000質量部と、
    変性重合体(III)1〜500質量部と、
    架橋剤(IV)0.01〜50質量部と、
    を、溶融条件下で動的に架橋することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物であって、
    前記ブロック共重合体(I)が、
    少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)、
    及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、
    かつ、末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するブロック共重合体である、熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記ブロック共重合体(I)が、さらに2個以上の、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記ブロック共重合体(I)が、少なくともどちらかの末端部に、1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記ブロック共重合体(I)が、両末端部にそれぞれ少なくとも1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記ブロック共重合体(I)の末端部に、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有し、
    前記ビニル芳香族ブロック(D)に、少なくとも1個の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)が内接する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 前記ブロック共重合体(I)の両末端部に、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を有し、
    前記ビニル芳香族ブロック(D)に、炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)がそれぞれ内接する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 前記不飽和ブロック(C)の共役ジエンがイソプレンである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 前記ブロック共重合体(I)中の不飽和ブロック(C)含有量が、0.1〜20質量%である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  9. 前記ブロック共重合体(I)が、非水添ブロック共重合体の水素添加反応によって得られる水添ブロック共重合体である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 前記非水添ブロック共重合体に含まれる全共役ジエンのビニル結合含有量が15〜80%である、請求項9に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  11. 前記ブロック共重合体(I)中のビニル芳香族単量体の含有量が5〜70質量%である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  12. 前記変性重合体(III)が、無水マレイン酸基、エポキシ基、1〜3級のアミノ基、カルボキシル基、水酸基からなる群より選ばれる、少なくとも一つの官能基を有する変性重合体である請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  13. 前記極性樹脂(II)が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも一種の極性熱可塑性樹脂である請求項1乃至12のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  14. 前記架橋剤(IV)が、フェノール樹脂系架橋剤又は有機過酸化物系架橋剤である請求項1乃至13のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  15. ゴム用軟化剤(V)を0〜300質量部含む請求項1乃至14のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  16. ブロック共重合体(I)100質量部と、
    変性樹脂(II)1〜1000質量部と、
    変性重合体(III)1〜500質量部と、
    架橋剤(IV)0.01〜50質量部と、
    を、二軸押出し機を用いて、溶融条件下で動的に架橋する工程を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、
    前記ブロック共重合体(I)が、少なくとも1個のアルキレン単位を主体とする重合体ブロック(A)、及び/又はアルキレン単位(b−1)とビニル芳香族単量体単位(b−2)とを主体とする少なくとも1個の共重合体ブロック(B)を含み、かつ、少なくとも片方の末端部に1個以上の炭素原子数5個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする不飽和ブロック(C)を有するブロック共重合体である、
    熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。



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