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JPWO2004101628A1 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法 Download PDF

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JPWO2004101628A1
JPWO2004101628A1 JP2005506217A JP2005506217A JPWO2004101628A1 JP WO2004101628 A1 JPWO2004101628 A1 JP WO2004101628A1 JP 2005506217 A JP2005506217 A JP 2005506217A JP 2005506217 A JP2005506217 A JP 2005506217A JP WO2004101628 A1 JPWO2004101628 A1 JP WO2004101628A1
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吉野 一寛
一寛 吉野
縄田 康博
康博 縄田
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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    • C08F2/00Processes of polymerisation
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Abstract

水溶性エチレン性不飽和単量体を架橋剤の存在下、逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造するに際し、逆相懸濁重合を2段以上の多段で行う吸水性樹脂の製造方法であって、2段目以降の少なくとも1つの段階において当該段階で重合反応に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.000012〜0.01モルの水溶性連鎖移動剤を添加して重合反応を行うことを特徴する吸水性樹脂の製造方法。該吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料等に好適に使用することができる。

Description

本発明は、吸水性樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料等に好適に使用しうる吸水性樹脂の製造方法に関する。
従来、吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料、ケーブル用止水剤等の工業材料に幅広く用いられている。
吸水性樹脂としては、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリアクリル酸部分中和物等が知られている。
これらの吸水性樹脂は、一般的に、保水量が多いものの、加圧下での吸水性が不十分である。そのため、近年、ニーズが高まってきている大人用の紙おむつのように、使用時に荷重がかかる吸収性物品に、これらの吸水性樹脂を用いた場合には、加圧下での吸水性に劣り、十分な吸収性を発揮させることができない。
保水性および加圧下での吸水性に優れた吸水性樹脂の製造方法としては、例えば、特開平2−255804号公報および特開2002−284805号公報に開示されているように、水溶性エチレン性不飽和単量体に対して、特定量の架橋剤および水溶性連鎖移動剤の存在下、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させる吸水性樹脂の製造方法が知られている。
しかしながら、かかる吸水性樹脂の製造方法によって得られた吸水性樹脂は、比較的高い保水性および加圧下での吸水性を有するものの実用的には更なる改良が必要とされ、保水性および加圧下での吸水性により優れた吸水性樹脂の製造方法が望まれている。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、保水性および加圧下での吸水性に優れ、衛生材料等に好適に使用しうる吸水性樹脂の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、水溶性エチレン性不飽和単量体を架橋剤の存在下、逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造するに際し、逆相懸濁重合を2段以上の多段で行う吸水性樹脂の製造方法であって、2段目以降の少なくとも1つの段階において当該段階で重合反応に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.000012〜0.01モルの水溶性連鎖移動剤を添加して重合反応を行うことを特徴する吸水性樹脂の製造方法に関する。
図1は、加圧下での吸水量を測定する際に用いられた測定装置Xの概略説明図である。
本発明の製造方法においては、まず、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、界面活性剤および/または高分子保護コロイド、水溶性ラジカル重合開始剤、架橋剤と炭化水素系溶媒とを混合し、攪拌下で加熱し、油中水系において、1段目の逆相懸濁重合反応を行う。
本発明に用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸〔「(メタ)アクリ」とは「アクリ」および「メタクリ」を意味する。以下同じ〕、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のノニオン性単量体;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和単量体またはその四級化物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、アルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体のうち好ましいものとしては、工業的に入手が容易な点で、アクリル酸またはそのアルカリ金属塩、メタクリル酸またはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体は、通常、水溶液として用いることができる。水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液における水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度は、25重量%〜飽和濃度であることが好ましい。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液は、用いられる水溶性エチレン性単量体が酸基を含む場合、その酸基をアルカリ金属によって中和してもよい。前記アルカリ金属による中和度は、得られる吸水性樹脂の浸透圧を高くし、吸水速度を高め、余剰のアルカリ金属の存在により安全性等に問題が生じないようにする観点から、中和前の水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の10〜100モル%であることが好ましい。前記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。これらの中では、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ヘキサグリセリルモノベヘレート等のノニオン系界面活性剤;脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルが好ましい。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる高分子保護コロイドとしては、例えば、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、無水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタジエン、無水マレイン化EPDM(エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー)等が挙げられる。これらの高分子保護コロイドは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤および/または高分子保護コロイドの量は、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。
前記水溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物等が挙げられる。また、水溶性ラジカル重合開始剤と亜硫酸塩等とを併用してレドックス系重合開始剤として用いることができる。これらの中では、入手が容易で保存安定性が良好である観点から、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムおよび2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩が好ましい。前記水溶性ラジカル重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記水溶性ラジカル重合開始剤の量は、重合反応の時間を短縮し、急激な重合反応を防ぐ観点から、通常水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.00005〜0.01モルが好ましい。
前記炭化水素系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。これらの中では、工業的に入手が容易で、品質が安定し、かつ安価であることから、n−ヘキサン、n−ヘプタンおよびシクロヘキサンが好ましい。
前記炭化水素系溶媒の量は、重合熱を除去し、重合温度を制御しやすい観点から、通常、水溶性エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、50〜600重量部が好ましく、100〜550重量部がより好ましい。
本発明に用いられる架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;前記ポリオール類とマレイン酸、フマール酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’−トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル〔(ポリ)とは、「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。以下同じ〕、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。
前記架橋剤の量は、得られる重合体が適度な架橋によって水溶性が抑制されることにより、十分な吸水性を示すようにするために、前記水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.000001〜0.00005モルであることが好ましい。
前記重合反応の反応温度は、使用するラジカル重合開始剤によって異なるが、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより、経済性を高めるとともに、容易に重合熱を除去して円滑に反応を行う観点から、20〜110℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。反応時間は、通常、0.1〜4時間である。
かくして、1段目の逆相懸濁重合が行われる。次に、得られた反応混合物は、2段目以降の逆相懸濁重合に供される。なお、本発明においては、逆相懸濁重合は、2段以上の多段で行われるが、その段数は、生産性を高める観点から、2〜3段であることが好ましい。
本発明の最大の特徴は、2段目以降の少なくとも1つの段階の逆相懸濁重合を、水溶性連鎖移動剤を添加して行う点にある。かかる逆相懸濁重合を水溶性連鎖移動剤を添加して行う方法には、特に限定がない。2段目以降の逆相懸濁重合を行う方法の一例として、1段目の反応溶液に水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液を添加して混合し、1段目と同様の方法で2段目以降の逆相懸濁重合を行う方法が挙げられる。
水溶性連鎖移動剤は、所定量で、2段目以降の反応溶液に添加する水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液中に添加してもよく、あるいは1段目の重合反応終了後に、10〜30℃の温度に冷却された反応溶液に添加してもよい。
本発明で用いられる水溶性連鎖移動剤としては、例えば、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、次亜リン酸塩等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性連鎖移動剤の具体例としては、エタンチオール、プロパンチオール、ドデカンチオール、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、ジメチルジチオカルバミン酸またはその塩、ジエチルジチオカルバミン酸またはその塩、L−システインまたはその塩、3−カルボキシプロパンチオール、イソプロパノール、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。水溶性連鎖移動剤の中では、添加する効果が高く経済的である観点から、次亜リン酸ナトリウム、L−システイン塩酸塩、チオリンゴ酸およびイソプロパノールが好ましい。
前記水溶性連鎖移動剤の量は、2段目以降の重合反応において水溶性連鎖移動剤を添加して重合反応を行う段階で当該反応に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.000012〜0.01モル、好ましくは0.000015〜0.005モル、より好ましくは0.00002〜0.001モルである。連鎖移動剤の量が0.000012モル未満の場合、水溶性連鎖移動剤を添加する効果が十分に得られず、また0.01モルを超える場合、加圧下での吸水量が低下するので、好ましくない。
かくして得られる吸水性樹脂に、カルボキシル基と反応性を有する官能基を2個以上含有する後架橋剤を添加して後架橋を施しておくことが好ましい。
後架橋剤としては、吸水性樹脂中のカルボキシル基と反応し得るものであればよく、例えば、前記架橋剤と同様のものを用いることができる。
後架橋剤の量は、架橋前の吸水性樹脂の吸水性や使用する架橋剤の種類により異なるが、通常、重合に用いる水溶性エチレン性不飽和単量体の合計量100重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であることが望ましい。後架橋剤の使用量が0.005重量部未満の場合、吸水性樹脂の架橋密度を十分に高めることができなくなる傾向があり、5重量部を超える場合、吸水能が低下する傾向がある。
後架橋剤の添加時期は、単量体の重合反応終了後であればよく、特に限定されない。
吸水性樹脂と後架橋剤との混合は、水の存在下で行うことが好ましい。吸水性樹脂と後架橋剤とを混合する際の水の量は、吸水性樹脂の種類、その粒度や含水率によって異なるが、通常、重合に用いる水溶性エチレン性不飽和単量体の合計量100重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは5〜100重量部であることが望ましい。水の量が1重量部未満の場合、架橋反応が進行しにくくなる傾向があり、300重量部を超える場合、吸水能が低下する傾向がある。なお、本発明における水の量とは、反応系内に残存している水と後架橋剤を添加する際に必要に応じて用いられる水の合計量を意味する。
後架橋が終了した後には、水および炭化水素系溶媒を留去することにより、吸水性樹脂の乾燥品を得ることができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコにn−ヘプタン340g、HLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル〔三菱化学(株)製、商品名:S−370〕0.92gを加え、分散、昇温して溶解後、55℃まで冷却した。
これとは別に、500mL容の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液92g(1.02mol)を加えた。これに、外部から冷却しつつ、30重量%水酸化ナトリウム水溶液102.2g(0.76mol)を滴下して、アクリル酸の75モル%を中和した。さらに、水50.2g、水溶性ラジカル重合開始剤の過硫酸カリウム0.11g(0.41mmol)および架橋剤のエチレングリコールジグリシジルエーテル8.3mg(0.047mmol)を添加し、1段目重合用の単量体水溶液を調製した。
この1段目重合用の単量体水溶液を、前記五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌下で全量加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して、重合反応を1時間行った後、重合スラリー液を室温まで冷却した。
別の500mL容の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液119.1g(1.32mol)を加え、冷却しつつ30重量%水酸化ナトリウム水溶液132.2g(0.99mol)を滴下して、アクリル酸の75モル%を中和し、さらに水27.4g、過硫酸カリウム0.14g(0.52mmol)および次亜リン酸ナトリウム・1水和物18mg(0.17mmol)を添加し、2段目重合用の単量体水溶液を調製し、氷水浴内で冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液を前記重合スラリー液に全量添加した後、再び系内を窒素ガスで十分に置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して、2段目の重合反応を2時間行った。重合終了後、120℃の油浴で加熱し、共沸蒸留により、水分のみ260gを系外に留去した。このときの反応系内の水の残存量は52gであった。
2重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液8.15gを得られたゲル状物に添加、混合し、さらに水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去して乾燥し、吸水性樹脂213.5gを得た。
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物の量を30mg(0.28mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂222.5gを得た。
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物の量を120mg(1.13mmol)にした以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂217.5gを得た。
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物に代えて、L−システイン塩酸塩・1水和物98.3mg(0.56mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂216.1gを得た。
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物に代えて、チオリンゴ酸26.2mg(0.17mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂216.9gを得た。
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物に代えて、イソプロパノール0.72mg(11.98mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂218.1gを得た。
比較例1
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物を1.5mg(0.014mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂218.9gを得た。
比較例2
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム・1水和物の量を2700mg(25.5mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にして吸水性樹脂215.9gを得た。
前記各実施例および各比較例で得られた吸水性樹脂の評価を以下の方法により行った。その結果を表1に示す。
(1)生理食塩水の保水量
吸水性樹脂2.0gを、綿袋(メンブロード60番、横100mm×縦200mm)中に計り取り、500mL容のビーカー中に入れた。綿袋に生理食塩水500gを一度に注ぎ込み、吸水性樹脂のママコが発生しないように食塩水を分散させた。綿袋の上部を輪ゴムで縛り、1時間放置して、吸水性樹脂を十分に膨潤させた。遠心力が167Gとなるように設定した脱水機〔国産遠心機(株)製、品番:H−122〕を用いて綿袋を1分間脱水して、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の重量(Wa)を測定した。吸水性樹脂を添加せずに同様の操作を行い、綿袋の湿潤時空重量(Wb)を測定し、以下の式から保水量を算出した。
〔保水量〕(g/g)=[Wa−Wb](g)/〔吸水性樹脂の重量〕(g)
(2)加圧下での吸水量
吸水性樹脂の2.07kPaの加圧下での吸水量は、図1に示す測定装置Xを用いて測定した。
図1に示された測定装置Xは、天秤1と、この天秤1上に置かれたボトル2と、空気吸入管3と、導管4と、ガラスフィルタ5と、このガラスフィルタ5上に置かれた測定部6とからなる。
天秤1は、コンピュータ7に連結され、秒単位また分単位でその重量変化を記録することができるようになっている。ボトル2は、その内部に生理食塩水8を保持するものであり、その頂部の開口部に空気吸入管3が入れられている一方、胴体部に導管4が取り付けられている。空気吸入管3の下端部は、生理食塩水8中に没している。ガラスフィルタ5の直径は、25mmである。ガラスフィルタ5としては、相互理化学ガラス研究所のガラスフィルターNo.1(孔径100〜160μm)を用いた。
ボトル2およびガラスフィルタ5は、導管4によって互いに連通されている。また、ガラスフィルタ5は、空気吸入管3の下端に対して僅かに高い位置に固定されている。測定部6は、円筒60と、この円筒60の底部に貼着されたナイロンメッシュ61と、直径が19mmで重量が59.8gの重り62とを有している。円筒60の内径は、20mmである。ナイロンメッシュ61は 200メッシュ(目の大きさ75μm)に形成されている。そして、ナイロンメッシュ61上に所定量の吸水性樹脂9が均一に撒布されるようになっている。重り62は、吸水性樹脂9上に置かれ、吸水性樹脂9に対して2.07kPaの荷重を加えることができるようになっている。
このような構成を有する測定装置Xでは、まず、ボトル2に所定量の生理食塩水および空気吸入管3を入れて測定の準備を行う。次に、円筒60のナイロンメッシュ61上に0.10gの吸水性樹脂9を均一に撒布し、この吸水性樹脂9上に重り62を置く。測定部6は、その中心部がガラスフィルタ5の中心部に一致するようにしてガラスフィルタ5上に置く。
一方、電子天秤1に連結されているコンピュータ7を起動し、吸水し始めた時点から継続的に、ボトル2内の生理食塩水8の減少重量(吸水性樹脂9が吸水した生理食塩水8の重量)Wc(g)を、天秤1から得られる値に基づいて、分単位好ましくは秒単位にてコンピュータ7に記録する。吸水開始から60分間経過後における吸水性樹脂9の加圧下での吸水量は、60分間経過後の重量Wc(g)を吸水性樹脂9の重量(0.10g)で除することにより得られる。
Figure 2004101628
表1に示された結果から、実施例1〜6で得られた吸水性樹脂は、いずれも、生理食塩水保水量および加圧下での吸水量が多いことから、保水性および加圧下での吸水性に優れたものであることがわかる。
したがって、本発明によれば、保水性および加圧下での吸水性に優れ、衛生材料等に好適に使用しうる吸水性樹脂を製造することができる。
本発明の方法によって得られた吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料等に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 水溶性エチレン性不飽和単量体を架橋剤の存在下、逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造するに際し、逆相懸濁重合を2段以上の多段で行う吸水性樹脂の製造方法であって、2段目以降の少なくとも1つの段階において当該段階で重合反応に使用する水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.000012〜0.01モルの水溶性連鎖移動剤を添加して重合反応を行うことを特徴する吸水性樹脂の製造方法。
  2. 水溶性連鎖移動剤が、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類および次亜リン酸塩類からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
  3. 水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、メタクリル酸およびそのアルカリ金属塩、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
  4. 水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、界面活性剤および/または高分子保護コロイド、水溶性ラジカル重合開始剤、架橋剤と炭化水素系溶媒とを混合し、攪拌下で加熱し、油中水系において、1段目の逆相懸濁重合反応を行う請求項1記載の製造方法。
  5. 界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項4記載の製造方法。
  6. 水溶性ラジカル重合開始剤が、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムおよび2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項4記載の製造方法。
  7. 水溶性連鎖移動剤を水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液に添加した後、該溶液を1段目以降の逆相懸濁重合反応で得られた重合反応溶液に添加する請求項1記載の製造方法。
  8. 水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応終了後、架橋剤を添加して後架橋する請求項1記載の製造方法。
JP2005506217A 2003-05-13 2004-05-12 吸水性樹脂の製造方法 Withdrawn JPWO2004101628A1 (ja)

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