JPS636242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 近年、山間部の開発が進むにつれて、積雪地方
の人工斜面の雪崩が多くなつてきており問題にな
つている。

このような人工斜面の雪崩の主な発生原因の一
つには、凹凸状の著しい自然斜面を切り取り、凹
凸の小さいコンクリートブロツクやコンクリート
法枠等により被覆するため、斜面上の積雪層が滑
り落ちて雪崩になることがあげられる。

そこでこの考案は、基礎ブロツクから形成され
た法面にブロツク支柱を取り付けて斜面の凹凸を
多くして容易に雪崩の防止を図られる構造とした
ものである。

従来より斜面の雪圧は強力で雪崩防止杭などは
基礎体と一体化した堅固な構造で設計されてき
た。しかし斜面全体に設置される雪崩防止杭を多
く設けることにより雪崩防止杭一本に作用する雪
圧が小さくなることが確認された。

このようなことから法面工に用いる基礎ブロツ
クとブロツク支柱を分離して製作し、基礎部とな
るブロツクを据付してから簡易な取付け構造でブ
ロツク支柱を合成一体化しても十分斜面雪圧に耐
えることが確認された。

ブロツク本体にブロツク支柱を製作時より一体
として成形しておくと成形、運搬、据付などの作
業が凸部を有する異形ブロツなので非常に困難で
あつた。このようなことから本考案の凸型ブロツ
クは、本体である平板状のブロツクと角柱状のブ
ロツク支柱を分離して各々別個に成形して運搬、
据付などの作業が容易にできるような取付け構造
としたものである。

添付図面により本考案の凸型ブロツクを説明す
ると、第１図は本考案の凸型ブロツクを斜面全体
に施工した側面図をあらわし、図中Ｇは法面であ
り、この法面Ｇの表層に平板状の基礎ブロツク１
を据付て後ブロツク支柱２を一体に合成して法面
にブロツク支柱２が点在するように施工した法面
工法の施工図である。

この施工に当つて使用される本考案の凸型ブロ
ツクは第２図以下に図示する如く、平板状の基礎
ブロツク１の中央に角柱状のブロツク支柱２を接
着材４で接着して一体に合成した凸型ブロツク
で、このように合成されたブロツクを使用するこ
とによつて法面を滑落する雪崩を防止できるもの
である。第３図に示すものは基礎ブロツク体１の
中央に穴１′を成形し、この穴１′に別に成形され
たブロツク支柱２を嵌合して組立てて一体になし
たものである。更に第４図に示すものは別の実施
例による凸型ブロツクであつて、基礎ブロツク体
１の中央に別に成形された裾２′を有するブロツ
ク支柱２を配してボルト３によりこの裾野２′を
通して基礎ブロツク体１にブロツク支柱２を植設
一体とするものである。そして本考案に用いられ
る基礎ブロツク１およびブロツク支柱２の材質は
コンクリートであつても鋼製あるいは合成樹脂製
であつてもよい。

第５図、第６図は本考案の凸型ブロツクの平面
図であつて、その基礎ブロツク１の形状は図に示
すように正方形状でも十字状でもよい。

以上本考案の凸型ブロツクを説明したが、これ
までの調査で斜面上の雪圧は積雪深さ又は杭工高
さに大きく左右されることが確認され、さらに法
面を被覆するブロツク１に雪圧を考慮した高さを
有するブロツク支柱２を取りつけても雪圧に耐え
十分雪崩防止の効果があることが判明した。

以上のような法面工に用いるブロツク１に別体
として成形したブロツク支柱２を取りつけること
によつて、容易に人工斜面の雪崩防止を図れるも
のであつて、山間部の道路の法面等に使用してそ
の実用上の効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の凸型ブロツクを法面に施工し
た全体の側面図を示し、第２図、第３図、第４図
は本考案の凸型ブロツクの断面図を示す。又第５
図、第６図は本考案の凸型ブロツクの平面図を示
すものである。 １……基礎ブロツク、２……ブロツク支柱、３
……ボルト、４……接着材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 法面工に用いる平板状基礎ブロツク１の中央
   に別体として成形された角柱状のブロツク支柱
   ２を接着突出させて一体に合成した凸型ブロツ
   ク。 (2) 法面工に用いる平板状基礎ブロツク１の中央
   に穴１′を設け、該穴１′に角柱状のブロツク支
   柱２を嵌合組立てて一体とした実用新案登録請
   求範囲１に記載の凸型ブロツク。 (3) 法面工に用いる平板状基礎ブロツク１の中央
   に裾２′を用けた角柱状のブロツク支柱２を組
   立て、該裾２′を介してボルト３によりブロツ
   ク支柱２と基礎ブロツク１を一体にした実用新
   案登録請求範囲１に記載の凸型ブロツク。