JPS6330419B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紡績工程における精紡機揚り管糸を巻
返機若しくは他の処理工程へ搬送するに当たつ
て、個々の管糸を挿入して搭載するトレイを多数
案内レールに沿つて移動させる搬送路を形成し、
その途中の特定部でトレイに管糸を挿入して移送
し他の部分でトレイから管糸を取り出す様に構成
したものにおいて、管糸挿入部を過ぎたトレイに
管糸が存在しているかどうかを簡単な手段で選別
すると共に管糸を搭載し得なかつた空トレイは再
び挿入部へ返還させる様にしたもので、特に管糸
を自動巻返機のコツプマガジンに自動供給するに
好適なものである。

〔従来の技術〕

精紡機揚りの管糸を例えば巻返機へ搬送するに
当たつて、管糸の外径より大径の基盤部を形成
し、その中央部に管糸挿設用のピンを設けたトレ
イを利用し、このトレイを多数枠形案内レールに
遊装すると共に該案内レール内に設けた駆動ベル
トに載置して搬送する手段が用いられている。ま
たこの搬送手段を利用して、管糸受入部と管糸供
給部とを連結しようとすることも試みられ、管糸
受入部において管糸の糸端を引き出してこれをボ
ビン穴に挿通して移送することも試みられてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで前記した様なトレイ利用搬送装置で
は、トレイが個々に形成されているので、その搬
送ピツチを特定化することが困難である。またこ
のトレイに管糸を挿入したり或は挿入管糸を取り
出すに当たつては一時的にせよトレイを停止状態
に保持することが必要となるのでトレイピツチを
特定化できない。よつてトレイの移動が何んら規
制されない場合のみ個々にベルトと共に移動し、
特別な停止規制装置の作動或は先行のトレイに突
き当たつて停止し、若しくは先行のトレイに当た
つて同じ速度で移動する。また停止若しくはベル
トより微速のときは、ベルトのみがトレイ底面と
滑つて駆動を続けるものである。

一方この様な搬送装置に管糸を挿入するに当た
つては特定管糸挿入部に至つた空トレイを一時的
に係合停止させて管糸をピンに投入して挿設し、
この搭載トレイを再び移動させて管糸供給取出部
へ搬送している。この様な管糸搬送を自動的に行
なうに当たつては、管糸挿入部において果してト
レイに管糸が搭載されたかどうかを監視する機能
が要求される。この監視手段としては管糸フイラ
装置や光電管等による検知装置が考えられるが、
この様な検知装置は設備費が高騰するは勿論のこ
と投入管糸が欠除した場合には再び管糸投入作動
を行なうまで挿入部に至つている空トレイを停止
保持しなければならず、後続する空トレイを全面
的に停止しなければならない。また挿入部を過ぎ
た空トレイを再び挿入部に戻すことは困難であ
る。他方搬送される管糸は定ピツチで間欠的に投
下挿入部に供給される様になつているが空錘部が
生じて空トレイをそのまま管糸取出し部へ送給す
ることがあり、また管糸挿入部に続いて不良管糸
を検出してこれを抜き出す様な装置を設けて空ト
レイとすることもあり、管糸取出部に至る前に空
トレイを選別する必要が生ずる。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明は前記したごときトレイを利用し
た管糸搬送装置において、その搬送路を管糸投入
挿設装置に設けた管糸挿入循環路と、管糸取り出
し供給装置を設けた供給循環路とに区分して構成
し、これらの循環路はトレイを循環させる閉ルー
プ型となし、その両接続部は互いにトレイをほぼ
水平に保持して受け渡す様に構成すると共に該接
続部の管糸搭載トレイ受け渡し接続部には、空ト
レイは下をくぐつて再び管糸投入挿設装置へ移行
させ、管糸搭載トレイは管糸の外周面の一部を接
触して該搭載トレイを供給循環路側へ導く様な案
内選別規制部材を設けて構成したものである。

〔作用及び実施例〕

以下図面に基づいて本発明を詳細に説明するが
図は本発明の具体的な実施の一例を示すもので、
本発明はこれらの図示例に限定されず前・後記の
趣旨に沿つて一部の構成を変更したり或は一部の
設計を変更しても同様に実施することができる。
第５図は本発明管糸搬送装置の概要を示す平面図
で、管糸投入挿設装置６とこれに接続した管糸挿
入循環路７と、該挿入循環路７の一部に接続され
た管糸供給循環路８とから構成され、該供給循環
路８にはトレイから管糸を抜き取つて他の適当な
装置へ供給する様な供給装置９が設けられ、この
供給装置９は供給循環路８に単数若しくは複数設
けて循環路８に沿つて移動する移動型であつた
り、或は特定部の定置して設けられるものであ
り、管糸の供給指令に基づいて管糸をトレイから
抜き取つて供給したり或はすべての管糸をトレイ
から抜き取る様に配設される。

一方本発明に利用するトレイ並びに搬送路は第
３図（一部断面図）に示す様に挿入管糸１の外径
よりも大径とした基盤部２ｂを形成し、そのほぼ
中央に段付管糸挿設用ピン２ａを設けたトレイ２
であることが好適であるが、従来トレイとして知
られた角形或は楕円形であつても同様に利用でき
る。そして該トレイ２の搬送路はコ字形枠３，３
を組み合わせてその間に丸形断面のベルト４を配
置しこのベルト４がトレイ２の底面の一部を支え
てベルト４の駆動によつてトレイが移送されるも
のが推奨される。そして管糸は第４図（説明見取
図）に示す様に案内レール３の特定位置において
保留停止させた空トレイ２へ管糸１ａを投下して
挿設し、トレイ２の係留を開放してベルト４によ
つて移送する。この様にした管糸搭載トレイ５は
案内レール３及びベルト４によつて搬送され供給
装置９ではトレイ２の段付ピン２ａにフオーク状
の壁付アームを作動させて管糸のみを引きあげて
抜脱すると共に前記アーム若しくは他の揺動部材
を作動させて引きあげた管糸を供給し、空トレイ
２は再びこの案内レールを走行して返還される様
になつている。一方管糸投入挿設装置６は、高所
に設けられたホツパー６ａに多数の管糸１ａを収
容し、案内樋等を用いて個々の管糸を投入する様
に構成され、その投下位置に開閉案内筒６ｃを設
けてその中心下位に係留位置せしめた空トレイ２
へ管糸を挿設する様に構成されている。尚この投
入挿設装置６としては管糸１ａの口糸を引き出し
て保持し、投下挿設時においてこの引き出し口糸
を一定長さに切断すると共にその糸端を吸引気流
によつて管糸ボビンの天穴へ導入する様な手段を
併設する挿設装置であることが推奨され、自動巻
返機等へ供給する管糸搬送では口糸引き出し導入
手段を併設した投入挿設装置であることが好都合
である。

他方前記した管糸挿入循環路７及び管糸供給循
環路８はいずれも閉ループ型案内路で構成されて
おり、図では挿入循環路７はほぼ水平に設けられ
たプーリ１０，１０ａに懸張された丸形ベルト４
ａに沿つて案内レール３が設けられており、その
投入挿設装置６内では案内レール３にバイパス路
３ａが形成され、トレイ送りレバー６ｂによつて
挿入循環路７の空トレイ２ｃを挿設部へ送り込む
様になつている。また供給循環路８は挿入循環路
７との接続部７ａにおいて前記案内プーリ１０と
水平に設けたプーリ１１とこれに直交して設けた
プーリ１１ａとの間に丸形ベルト４ｂを懸張し、
これに沿つて案内レールを設けて構成される。尚
図示例は、この供給循環路８を上・下２段型で構
成したものを示しており、上側を搭載トレイ５、
下側を空トレイ２ｃの返還路としており、上側の
端末部において上側の空トレイを下側へ滑降させ
るためのシユート８ａを設けており、挿入循環路
７との接続部ではこの下側搬送路の空トレイを立
ち上り案内レール８ｂとしている。即ち供給循環
路８はプーリ１１，１１ａ並びにガイドプーリ１
１ｂ，１１ｃに丸形ベルト４ｂを懸張して案内路
が形成される。尚必要によつてはこの立ち上り案
内レール８ｂ部に別駆動による丸形ベルト若しく
は他の引き揚げ駆動手段を併設してもよい。この
様な循環搬送路は丸形ベルトであるから自由に設
計することができるが従来トレイ移動用として利
用された平形ベルト或はＶ字形ベルト、ローラコ
ンベア等をそのまゝ若しくは適当に組み合わせて
構成してもよい。

一方この様に構成する管糸搬送装置では管糸投
入挿設装置６から取り出されるトレイ２が必ずし
も搭載トレイ５であることが保証されず、投入管
糸の欠除、挿設ミス、故障等によつて空トレイの
ままで取り出されたり、或はこの投入挿設装置６
のトレイ取出側に不良管糸検出排出装置を設ける
場合には挿入循環路７の搭載トレイ移送側に空ト
レイ２ｃが存在することになる。この様な空トレ
イ２ｃは自由に取り出すことが困難であり、また
特別な検出装置並びに取り出し装置が必要である
と共に取り出した空トレイを再び挿入循環路の返
還側へバイパスさせる手段が必要になり、設備的
にも大変である。よつて本発明ではこの挿入循環
路７と供給循環路８との接続部において、搭載ト
レイのみを供給循環路８へ移行させ空トレイは供
給循環路８の空トレイと共に再び挿入循環路７側
へ自動的に選別して移送させる様な選別規制部材
を接続部に設けることを含めたものである。即ち
第１図（第５図の一部拡大平面図）及び第２図
（第１図の左側面図）に示す様に挿入循環路７を
構成する丸形ベルト４ａのプーリ１０と供給循環
路８を構成する丸形ベルト４ｂのプーリ１１をほ
ぼ水平に近接して設けそれぞれ矢印方向に回転駆
動させる。そしてこの接続部７ａにおける挿入循
環路７側のトレイ受け渡し部に搭載管糸の外表面
に接触し、空トレイ２ｃはそのまま通過させる様
な規制部材１２を設ける。図は該規制部材１２を
湾曲させた板材で形成し、挿入循環路７側の案内
レール３上にブラケツト１２ａを介して設けたも
のを示したが、他の部分を介して自由に設けるこ
とができる。またこの規制部材１２としては平滑
接触面とすることは当然ながら板材に限定されず
棒状若しくは透孔板材であつてもよい。尚これら
の案内をより確実にするために案内板１３を図示
の様に形成して供給循環路８側に設けておけば、
空トレイ２ｃを確実に挿入循環路７の返還側へ案
内することができると共に供給循環路８側から返
還される空トレイ２ｃを挿入循環路７側へ確実に
案内することができるが、規制部材１２のみで本
発明を満足させることもできる。

〔発明の効果〕

本発明管糸搬送装置はこの様に構成したから、
極めて簡単な手段で管糸搭載トレイと空トレイを
選別しながら管糸を自動的に搬送供給することが
でき、しかし空トレイは円滑に再び管糸投入挿設
部へ移送させることができる。また供給循環路に
おける管糸取り出し装置では搭載管糸検出装置が
不要となり、トレイを検出するのみで取り出し作
動を行なうことができ機構を簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の要部平面図、第２図は第１図
の右側側面図、第３図は搬送を示す一部断面図、
第４図は搬送手段の説明見取図、第５図は本発明
の全体を示す概要平面図である。 １……管糸、２……トレイ、３……案内レー
ル、４……丸形ベルト、５……搭載トレイ、６…
…管糸投入挿設装置、７……挿入循環路、８……
供給循環路、９……供給装置、１０，１１……プ
ーリ、１２……規制部材、１３……案内板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管糸を、移送する個々のトレイにそれぞれほ
   ぼ垂直に挿設搭載して次工程に搬送する管糸搬送
   装置であつて、トレイ移送路を管糸投入挿設装置
   に接続した管糸挿入循環路と該挿入循環路の一部
   に接続させ管糸搭載トレイを受け渡して移送しそ
   の途中に管糸をトレイから抜脱して適当な装置に
   供給する供給装置を設けた供給循環路とで構成
   し、該供給循環路の空トレイ移送側を前記管糸挿
   入循環路の空トレイ移送側に接続させると共に該
   接続部の管糸搭載トレイ受け渡し部には、管糸搭
   載トレイの管糸の一部に接触して該トレイを供給
   循環路へ導き、空トレイは下をくぐつて通過させ
   るような選別規制部材を設けて構成したことを特
   徴とする管糸搬送装置。