JPS6222757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバランスドフルー型風呂釜、湯沸器等
の燃焼装置の吸排気装置に関するものである。

バランスドフルー型燃焼装置の吸排気装置は、
壁面から突出して設けられる。この吸排気装置に
は、自然条件によつて、又は設置部の環境条件に
よつてあらゆる方向の風が作用する。

この風の方向は、かかる吸排気装置を具備する
燃焼装置の燃焼性能に影響を与えるが、広い範囲
の方向の風に対しても良好な燃焼を確保するもの
として実公昭54−32265号公報記載のものがあ
る。

これは、吸気部と排気部とを別個に設けると共
に排気部１を吸気部２の前方上部に位置させ、吸
気部の前面下部にも吸気孔３，３を設けたもの
で、吸気室と排気室とが分離区画されたものであ
る。（第１図、第２図） この場合、排気が吸気に混入しないこと、及び
前方方向（水平方向）からの風がある場合に排気
が後方に流されて吸気部の周囲に達しても、前面
下部に設けた吸気孔３，３から空気流入してこの
場合の吸気不足が解消されること、等の利点があ
る。

しかしながら、このものでは、吸気部の全面下
部に吸気孔３，３があり、しかも、その上方に
は、排気部１の下面４が前方に突出していること
から、斜め下方からの風（矢印）があると吸気過
多になり、リフテイング、逆火等の燃焼不良をひ
き起す。

これは、斜め下方からの風がある場合、排気部
１の下面４に当つた反射風と、直接、吸気部２の
前面下部の吸気孔３，６に向う風とが共にこの吸
気孔３，３から流入するためで、これにより、吸
気側圧力が異常に高くなり、上記結果を招来す
る。

本考案は、斜め下方からの風が吸気側と排気側
に分散されるようにして、この場合の吸気過多を
防止することを目的とする。

上記目的を達成するための本考案の技術的手段
は、筒状の吸気部２内に排気筒８を設けてこの排
気筒を吸気部２の上部前方に突出させた排気部１
に連通させ、前記排気部の周側に多数の排気孔
５，５を開口させるとともに吸気部２の周側及び
前面下部に多数の吸気孔６，６及び３，３を開口
させたバランスドフルー型燃焼器具の吸排気装置
において、上記排気筒８の先端に区画板１１を取
付けてこの区画板により吸排気装置内を前記排気
孔５，５を具備する排気室１０と吸気孔６，６及
び３，３を具備する吸気室９に区画し、前記区画
板１１の下端を吸気孔３，３を具備する吸気部２
の前面下部の後方中程に至らしめ、区画板１１の
下部と吸気部２の前面下部とのあいだに所定の間
隔を設け、さらに、区画板１１の下方には、吸気
部２の側壁と一定の間隙を有する案内板１４，１
４を設けるとともにこの案内板の下端部間に架設
し且吸気部２の底壁前端から後方に向かつて、斜
めに上昇する案内板１５を設けたことである。

（作用） 本考案の上記技術的手段は次ように作用する。

吸排気装置に対して斜め下方からの風がある
と、この風は排気部１の底部と吸気部２の前面下
部とにあたり、この前面下部の多数の吸気孔３，
３から流入する。ところが、この吸気孔の後方に
は、所定の間隔で区画板１１の下部が位置し、こ
の間隔はそのまま排気室１０に連通しているか
ら、又、この区画板１１の下端は吸気孔３，３を
具備する吸気部２の前面下部の中程に至らしめて
いるから、前方から流入する空気の一部は上記連
通部分を介して排気室１０側に導かれる。

従つて、前方風がある場合の流入空気の全てが
吸気室９を介して燃焼室に達することによる吸気
過多状態が生じなくなり、吸排気バランスが適正
なものとなる。

（効果） 本考案は上記構成であるから、次の特有の効果
を有する。

斜め下方からの風があつても吸排気バランスが
適正なものとなるから、このような風向きの条件
下でも、リフテイング、逆火等の燃焼不良が防止
できる。

吸気室９と排気室１０とを完全に区画するもの
ではないから、排気室と吸気室を区画する区画板
の周囲にすき間ができても吸排気バランスへの影
響はなく、吸排気装置の製作精度が要求されな
い。

さらに、区画板１１の下方には案内板１４，１
４，１５を設けたから、区画板１１と吸気部２の
前壁下部間に、排気室１０側にそのまま連通する
間隔があつても、下方からの風が直接且大量に排
気室１０側に導かれることがなく、下方からの風
によつて、吸排気バランスが崩れる心配もない。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明を
加える。

本考案実施例の吸排気装置は、第３図、第４図
に示す如くであり、吸気部２の前方上部に排気部
１を突設したものであり、排気部１の周囲には多
数の排気孔５，５が、吸気部２の周囲には多数の
吸気孔６，６がそれぞれ設けられ、吸気部２の前
面にも多数の吸気孔３，３が設けられている。

他方、燃焼室７の排気側に連通する排気筒８は
吸気室９の上部を通つて前記排気部１内の排気室
１０に臨み、該排気筒の先端外周に張り出させた
区画板１１は排気室１０の底部とは適宜間隔１２
を置いて位置し、該区画板の外周は吸気部２の先
端部周壁に接合されている。これにより、吸気部
２の前面下部と前記区画板１１とにより形成され
る空室は排気室１０に連通し、さらに、該区画板
下部で且吸気孔６，６の上端の吸気孔より下方の
範囲で開口する開口部１３を介して前記空室は吸
気室９とも連通している。

また、前記開口部の吸気室９側には、該開口部
の両側辺及び底辺から突出する案内板１４，１
４，１５が突出し、このうちの底辺から突出する
案内板１５は、内方に向つて上向きに傾斜し、そ
の下方の吸気部の底壁にも吸気孔６，６が設けら
れている。

上記実施例のものでは、水平風の場合の風圧帯
による悪影響は従来例と同様のメカニズムで防止
される。また、下方からの風がある場合には、吸
気部２の下面に設けた吸気孔６，６から主に吸気
され、他方、排気部１の上面の排気孔５，５から
主に排気されることとなつて、吸排気バランスが
とれる。この下方からの風の場合、吸気孔６，６
から入つた風は案内板１５に当つて吸気室９から
燃焼室７に流入するため、この時の吸気孔３，３
からの流入空気を抑えることがない。

次に、斜め下方からの風があつた場合には、排
気部１の下面に当つて反射する反射風も吸気孔
３，３から流入するが、このとき、吸気孔３，３
の内側には区画板１１の開口部１３が位置してい
るため、流入空気の流入角度に応じて、その一部
が間隔１２から排気室１０に致り、大部分は開口
部１３から吸気室９に流入し、吸排気バランスが
とれ、吸気過多が防止できる。

さらに横風の場合にも、吸気孔６，６からの流
入空気は案内板１４，１４のいずれか一方に当つ
て吸気室９から燃焼室に導かれるが、この場合に
も、開口部１３を介して流入する流入吸気を該横
風によつて抑えられる心配がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はその要部正
面図、第３図は本考案実施例の断面図、第４図は
要部の断面斜視図であり、図中 １……排気部、２……吸気部、３……吸気孔、
４……下面、５……排気孔、６……吸気孔、１２
……間隔、１３……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の吸気部２内に排気筒８を設けてこの排気
   筒を吸気部２の上部前方に突出させた排気部１に
   連通させ、前記排気部の周側に多数の排気孔５，
   ５を開口させるとともに吸気部２の周側及び前面
   下部に多数の吸気孔６，６及び３，３を開口させ
   たバランスドフルー型燃焼器具の吸排気装置にお
   いて、上記排気筒８の先端に区画板１１を取付け
   てこの区画板により吸排気装置内を前記排気孔
   ５，５を具備する排気室１０と吸気孔６，６及び
   ３，３を具備する吸気室９に区画し、前記区画板
   １１の下端を吸気孔３，３を具備する吸気部２の
   前面下部の後方中程に至らしめ、区画板１１の下
   部と吸気部２の前面下部とのあいだに所定の間隔
   を設け、さらに、区画板１１の下方には、吸気部
   ２の側壁と一定の間隙を有する案内板１４，１４
   を設けるとともにこの案内板の下端部間に架設し
   且吸気部２の底壁前端から後方に向かつて、斜め
   に上昇する案内板１５を設けたバランスドフルー
   型燃焼器具の吸排気装置。