JPS5922140Y2 - ニ−ドル織機等の緯糸送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボビンに巻かれた糸を緯糸として二ドル織機の
フィリングキャリヤに供給する場合等に用いる緯糸送り
装置に関するものである。

周知のように、この種緯糸送り装置の典型的なものは、
回転軸にロールを固定したもので、該ロールの周囲に複
数回巻きつけた糸にロールの回転運動を伝えるようにし
たものである。

しかし、この装置ではロールに巻きつけられた糸はロー
ルの回転に伴って互いに密集し、隣接する糸と重なり合
ったり、あるいは重なり状態から元に戻ったりするなど
その巻きつけ状態が一定しないので、ロールの回転を正
確に制御した場合でも糸の送り量を所望通りに制御し得
ないという欠点がある。

また、この欠点を解決しようとした装置として知られる
のは、回転軸に固定した駆動ロールと、この回転軸に対
して任意の捩れの関係に調節可能な固定軸に回転自在に
取り付けられたフリーロールとからなるもので、これら
両ロールに亘って複数回巻きつけた糸に駆動ロールの回
転運動を伝えるというものである。

この装置によれば、捩れの関係に配置された回転軸と固
定軸との作用効果により、両ロールに巻きつけられた糸
は両軸の捩れの関係によって決まる所定の巻きつけ位置
を占め、その巻きつけ状態に変動がないので、糸の巻き
つけ状態の変動に基づく送り量のばらつきは解消される
ことになる。

しかし、この装置は駆動ロールとフリーロールがそれぞ
れ片持ち支持の回転軸と固定軸に配設されているので、
これら両ロールに亘って巻きつけられた糸の張力によっ
て、両軸が撓むことになる結果、駆動ロール及びフリー
ロールの回転を正確に制御できないという欠点がある。

また、この欠点を防止するために回転軸と固定軸の自由
端をブラケットで連結すれば、送り糸の種類、巻きつけ
数、あるいは駆動ロールの径の変更に伴って両軸の捩れ
の関係を変えるたびにそれに応じたブラケットを用いね
は゛ならないので、送り装置の設定操作が煩雑になると
いう新たな問題が生ずる。

本考案はこれらの欠点を解決するために案出されたもの
で、送るべき糸の種類、糸の巻きつけ数、あるいは駆動
ロールの径の変更に伴って、回転軸と固定軸との捩れの
関係を変更した場合でも、これら両軸の自由端を同一の
ブラケットで連結しうるようにすることにより、送り装
置の設定操作が簡単かつ容易であって、しかも糸の送り
量を正確に制御することのできる、ニードル織機等の緯
糸送り装置を提供することを目的とするものである。

以下添付図面に示す１つの実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図に示すように、ボビン（図示せず）から引き出さ
れた緯糸１はガイド２を通って緯糸送り装置３に巻きつ
けられた後、ガイド４．５を経てテンション吸収装置６
、フィリングキャリア７の目孔８を通って織成すべきテ
ープ９の織前１０に導びがれ、綜絖１１によって作られ
た経糸１２の開口内にフィリングキャリヤ７でテープの
一方側から挿入された後、テープの他方側に位置するラ
ッチニードル１３で編まれ、リード１４で織前１０に押
圧されてテープに織り込まれるものである。

緯糸送り装置３は、駆動ロール１５とフリーロール１６
からなり、駆動ロール１５は、第２図および第３図から
判かる通り、フレーム（図示せず）に回動自在に支承さ
れた駆動軸１７にねじ１８で連結された回転軸１９と、
この軸上に間隔を置いて回転可能に嵌め込まれた一対の
円板２０．２０と、これら円板２０．２０に連結された
６本の巻付はバー２１とで構成されている。

回転軸１９は両サイドに平担面２２．２２を有する切欠
円形断面形状のものである。

一対の円板２０゜２０はそれぞれ回転軸１９の軸方向に
伸びる円筒状のスリーブ２３及び該スリーブ２３の外側
端部に一体的に形成されたガイド円板２４で構成された
内側円板２５．２５と、該ガイド円板２４の外周部がら
外側に伸びるフランジ２６で形成される凹部２７に嵌め
込まれた外側円板２８とでできている。

一対の内側円板２５．２５は各々のスリーブ２３の内側
端部に等角間隔で設けられた３本の爪２９．２９同士の
係合によって、一体となって回転軸１９の回りに回転で
きるようになっている。

一対の外側円板２８．２８は回転軸１９の断面形状に相
当する軸孔３０を有し、この軸孔３０と回転軸１９の嵌
合により回転軸１９に対し回動不能に支持されている。

内側円板２５のガイド円板２４には、第５図の如く、そ
の中心部から半径方向に伸びる６ケの直線状のガイド溝
３１が等角間隔を以って放射状に形成され、また外側円
板２８には第４図の如く、前記ガイド溝３１と互いに交
叉する６ケの円弧状のガイド溝３２が形成されている。

巻付はバー２１は、第２〜６図の如く、断面略等脚台形
の主杆部３３と、その両端に形成された断面略長円形の
ガイド部３４及びこのガイド部３４の外側面に一体に形
成された断面円形のガイドピン３５とから形成されてい
る。

ガイド部３４及びガイドピン３５はそれぞれ内側円板２
５のガイド溝３１及び外側円板２８のガイド溝３２に摺
動自在に嵌合して、これら両ガイド溝３１，３２の交叉
位置に主杆部３３を支持している。

一対の円板２０．２０は回転軸１９の基部に形成された
段部３６と、該回転軸１９の自由端に設けられたねじ部
にねじ込まれたナツト３７によって挟着されており、こ
れによって内側円板２５と外側円板２８とが回転軸１９
に不動に限定されると共に巻付バー２１が所定の位置に
保たれている。

なお、３８は座金である。

従って、巻付はバー２１の位置、即ち駆動ロール１５の
径はナラＩ・３７をゆるめて外側円板２８に対して内側
円板２５を相対的に回転させれば、ガイド溝３１，３２
の作用によって任意に変更することができる。

フリーロール１６は、第２図の如く、回転軸１９と平行
してフレームに固定された断面円形の固定軸３９と、こ
の軸３９に回動調整可能に固定されたスノーブ４０と、
該スリーブ４０の回りに回動自在に取り付けられたロー
ル４１とからなる。

スリーブ４０は固定軸３９に嵌合する軸孔４２を有し、
□この軸孔４２に固定軸３９を嵌め込んで押しねじ４３
で該軸３９に固定されている。

軸孔４２の侍線４４はスリーブ４０の軸線４５と交叉、
又は匪れの関係にある（以下この軸孔４２を傾斜軸孔と
いう）。

ロール４１はボールベアリング４６を介してスノーブ４
０に回動自在に取り付けられており、スリーブ４０の１
端に一体的に形成された環状のフランジ４７と、スリー
ブ４０の他端に押しねじ４８で固定されたストッパーカ
ラー４９によって固定軸３９の長手方向への動きが制御
されている。

従って、ロール４１は回転軸１９に対し捩れの関係に配
置されることになり、かつこの捩れの関係はねじ４３を
弛めて固定軸３９に対するスリーブ４０の位置を変える
ことにより、任意に調節することが可能にとなっている
。

回転軸１９と固定軸３９とは、その自由端においてブラ
ケット５０で連結支持されて互いに補強し合っており、
これが為に駆動ロール１５とフリーロール１６とに巻き
つけられた糸の張力の作用下においても撓むことがない
。

なお、５１はニードルベアリングである。

テンション吸収装置６は第１図の如く、緯糸の入口側と
出口側とに設けたガイド５２．５３の間に一対のばね製
ガイドアーム５４．５４を備えた公知の構造のものであ
る。

なお、５５は緯糸の進行方向を変えるためのガイドピン
である。

本考案の緯糸送り装置は以上の横取であるので、送るべ
き糸の種類、糸の巻きつけ数、あるいは駆動ロールの径
の変更に呼応して駆動ロールとフリーロールとの捩れの
関係を調整する場合Ｊその調整は傾斜孔付スリーブの位
置を変えることによって、回転軸と固定軸の相対関係を
全く変えずに為すことができる。

従って、前記両ロールの捩れの関係が如何なる状態に調
整された場合でも回転軸と固定軸の自由端を同一のブラ
ケットで連結することかできるので、回転軸と固定軸の
撓みによる送り量の誤差が消滅すると同時に、送り装置
の設定操作が簡単かつ容易になるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による緯糸送り装置を備えたニードル織
機の概略平面図、第２図は第１図の緯糸送り装置の断面
図、第３図は駆動ロール分解斜視図、第４図〜第６図は
それぞれ第２図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線、及びＣ−Ｃ線矢
視断面図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 駆動ロール１５の回転軸１９と平行に配置し
   た固定軸３９に、傾斜孔４２付スリーブ４０を回動調整
   可能に固定すると共に、この傾斜孔４２付スノーブ４０
   にロール４１を回動自在に配置する一方、上記回転軸１
   ９と固定軸３９との自由端をブラケット５０で連結支持
   してなることを特徴とするニードル織機等の緯糸送り装
   置。
2. （２）駆動ロール１５はその直径が可変臼１在であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲１に記載のニー
   ドル織機等の送り装置。