JPS582038Y2 - トランス用磁気シ−ルド板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコイルを組込んだ鉄心の周囲に被せられるトラ
ンス用磁気シールド板に係り、加工性に優れ、うなり防
止に大きな効果を有するものを提供しようとするもので
ある。

従来のトランス用磁気シールド板としては第１図に示す
ように短冊状のケイ素鋼板１を枠状に折曲して、両端の
接合部を溶接して構成されているが、この溶接個所２は
ケイ素鋼板１は表面に絶縁皮膜があるため、溶接する前
に絶縁皮膜を除去する必要があり、組立て工程が多くな
り、加工費が高く、コスト面で不利となるとともに、ケ
イ素鋼板１自体の厚みが０．３〜９．５ｍｍと薄いため
、トランスのうなりに共振してうなりを増幅する不都合
さをもっており、このため、鉄心との間に絶縁物を挿着
する必要があるなどの欠点があった。

このようなことから第２図、第３図に示すようにケイ素
鋼板１を２層となるように構成して機械的強度を大きく
してうなりを少なくするものも開発されているが、溶接
個所２が多く必要となり、加工に著しく手間を要す欠点
があった。

本考案は以上のような従来の欠点を除去するものである
。

以下、本考案の実施例を図面第４図〜第７図により説明
する。

まず、第４図〜第５図に示す実施例について説明する。

３は短冊状のものを折曲して方形棒状に形成したケイ素
鋼板で、このケイ素鋼板３の基片には透ＪＬ４が形成さ
れている。

この枠状ケイ素鋼板３内には鉄などの溶接加工性に優れ
、かつ十分な厚みをもち、しかも磁気シールド効果をも
った短冊状金属板を枠状に折曲加工した内側補強金属枠
５がはめこまれ、さらに枠状ケイ素鋼板３の外側にも同
様の短冊状金属板を枠状に加工した外側補強金属枠６が
組込まれ、枠状ケイ素鋼板３の各辺の透−７１４を介し
て内外側補強金属枠５，６を溶接により結合してトラン
ス用磁気シールド板を構成している。

次に第６図、第７図に示すものは、枠状ケイ素鋼板３の
各辺に切欠き７を設け、この枠状ケイ素鋼板３内にコ字
状に形成された２個づつの金属片８．９を組込んで内側
補強金属枠５、外側補強金属枠６とし、上記枠状ケイ素
鋼板３の切欠き７を介して両補強金属片５，６を溶接に
より結合してトランス用磁気シールド板としたものであ
る。

なお、内外側補強金属枠５，６は、第４図、第５図に示
す実施例のものと、第６図、第７図に示す実施例のもの
を入れ換えて用いることもできるし、交互に組合せて構
成することもできる。

以上のように本考案のトランス用磁気シールド板は構成
されるため、枠状ケイ素鋼板は内外側補強金属枠によっ
て機械的に補強されて剛性の大きなものとなり、トラン
スの鉄心のうなりに共振してうなりを増幅するようなこ
とは阻止され、反対に鉄心のうなりを阻止する働きをも
つことになる。

また、内外側補強金属枠を枠状ケイ素鋼板の透孔や切欠
きを介して溶接して全体を一体化するため、溶接作業も
簡単かつ確実に行なえ、組立ての作業性の向上が計れ、
生産性の優れたものとなり、この点でのコストの低減化
が計れる利点が得られ、磁気シールドの効果も向上し、
実用的価値の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来のトランス用磁気シールド板の斜
視図、第４図は本考案の磁気シールド板の一実施例を示
す斜視図、第５図は同分解斜視図、第６図は他の実施例
の斜視図、第７図は同分解斜視図である。 ３・・・・・・枠状ケイ素鋼板、４・・・・・・透孔、
５・・・・・・内側補強金属枠、６・・・・・・外側補
強金属枠、７・・・・・・切欠き、８゜９・・・・・・
コ字状金属片。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）短冊状のものを方形枠状に折曲加工した枠状ケイ
   素鋼板の基片に孔または切欠きを設け、この枠状ケイ素
   鋼板の内外に磁気シールド効果をもち溶接性に優れた補
   強金属枠を組込み、この内外側補強金属枠を枠状ケイ素
   鋼板に設けた透孔または切欠きを介して溶接してなるト
   ランス用磁気シールド板。
2. （２）内外側補強金属枠として２個のコ字状金属片を突
   合せて用いてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   トランス用磁気シールド板。