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JPH1168838A - 経路選択方法 - Google Patents

経路選択方法

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Publication number
JPH1168838A
JPH1168838A JP23045097A JP23045097A JPH1168838A JP H1168838 A JPH1168838 A JP H1168838A JP 23045097 A JP23045097 A JP 23045097A JP 23045097 A JP23045097 A JP 23045097A JP H1168838 A JPH1168838 A JP H1168838A
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JP
Japan
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cost
route
qos
range
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JP23045097A
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JP3662097B2 (ja
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Takahito Yoshihara
貴仁 吉原
Hironori Horiuchi
浩規 堀内
Keizo Sugiyama
敬三 杉山
Sadao Obana
貞夫 小花
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KDDI Corp
Original Assignee
Kokusai Denshin Denwa KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Kokusai Denshin Denwa KK filed Critical Kokusai Denshin Denwa KK
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Priority to US09/128,520 priority patent/US6259673B1/en
Priority to DE69828664T priority patent/DE69828664T2/de
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Publication of JPH1168838A publication Critical patent/JPH1168838A/ja
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    • H04L12/56Packet switching systems
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    • HELECTRICITY
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    • H04L12/00Data switching networks
    • H04L12/54Store-and-forward switching systems 
    • H04L12/56Packet switching systems
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストに関して予め誤差範囲を指定すると、
複数のQoS条件を低コストで全て満足し、かつコスト
が誤差範囲内にある経路を最適経路として選択する経路
選択方法を提供する。 【解決手段】 ステップS1では、満足すべき複数のQ
oS条件が設定される。ステップS2では、近似誤差ε
が入力される。ステップS3では、最適経路を検索する
コストの範囲を暫定的に設定する。ステップS4では、
最適解コスト近似手続が実行される。ステップS5で
は、前記コスト範囲が十分に狭まったか否かが判定さ
れ、狭められたコスト範囲が依然として広過ぎれば、前
記ステップS4へ戻って最適解コスト近似手続を繰り返
す。また、既にコスト範囲が十分に狭まっていれば、ス
テップS6の最適解求解手続が実行される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、始点と終点とを結
ぶ複数の経路の中から、所望のQoS条件を満足する経
路を選択する経路選択方法に係り、特に、コストに関し
て予め誤差範囲を指定すると、複数のQoS条件を低コ
ストで全て満足し、かつコストが誤差範囲内にある経路
を最適経路として選択する経路選択方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワークの高度利用を図るために
は、通信経路の帯域幅、伝送遅延および誤り率といった
複数のQoS(Quality of Service)に関して所望条件
を低コストで同時に満足する経路選択技術が必要不可欠
である。また、近年普及しつつあるATM(Asynchrono
us Transfer Mode)においても、セル許容遅延、セル転
送最大遅延、あるいはセル損失率等の複数のQoSが定
義されており、これら複数のQoSに関して所望条件を
満足し得る通信経路選択技術の重要性が増している。こ
こで、QoSは、その性質によって以下の3種類に大別
することができる。 加法性 経路のQoS値が、経路を構成する各リンクのQoS値
の和となる性質であり、例えば伝送遅延やセル転送最大
遅延が当てはまる。 乗法性 経路のQoS値が、経路を構成する各リンクのQoS値
の積の関数となる性質であり、例えば誤り率やセル損失
率が当てはまる。 凹性 経路のQoS値が、経路を構成する各リンクのQoS値
の最小値となる性質であり、例えば帯域幅が当てはま
る。
【0003】ここで、複数のQoSを考慮して低コスト
の経路を選択する従来技術として、「rule−bas
ed経路選択方式」を図8のフローチャートを参照して
説明する。ここでは、図9に示したように、ノード数が
10(A〜J)のネットワーク上で、ノードA(始点)
からノードJ(終点)まで所望のQoS条件を全て満足
する最低コストの経路を選択する場合を考える。なお、
各ノード間のリンクコスト、帯域幅、伝送遅延および誤
り率は、図10に示した通りであるものとし、満足すべ
きQoS条件は以下の3条件であるものとする。 QoS条件1…帯域幅が3以上であること QoS条件2…伝送遅延が16以下であること QoS条件3…誤り率がO.O5以下であること ステップS1では、凹性のQoSである帯域幅につい
て、その所望条件を満足しないリンクが経路選択の対象
から除外される。本実施形態では、DJ間の帯域幅が
“2”であって前記QoS条件1を満足しないので、当
該経路DJが経路選択の対象から除外される。ステップ
S2では、満足すべき他のQoS条件に優先順位を付け
ると共に、後に詳述する最大試行回数Nを決定する。本
実施形態では、QoS条件2(伝送遅延)がQoS条件
3(誤り率)に優先するものとし、最大試行回数Nを2
回に設定したものとして説明する。
【0004】ステップS3では、コスト関数またはいず
れかのQoS条件が選択されるが、最初は常にコスト関
数が選択される。ステップS4では、前記ステップS3
で選択された条件、すなわち最初はコスト関数が最小と
なる経路P0 が、他のQoS条件を無視して選択され
る。図10に示した例では、始点A→G→H→I→終点
Jの経路P0 が選択される。ステップS5では、経路P
0 が全てのQoS条件を満足しているか否かが判定され
る。上記した経路P0 では、伝送遅延が“28”となっ
て前記QoS条件2を満足しないのでステップS8へ進
む。
【0005】ステップS8では、試行回数nが最大試行
回数Nを越えたか否かが判定され、ここでは未だ越えて
いないのでステップS7へ進み、試行回数nを“1”だ
けインクリメンしてステップS3へ戻る。ステップS3
では、今度は優先順位の高いQoS条件2(伝送遅延)
が選択され、ステップS4では伝送遅延が最小となる経
路P1 が、他のQoS条件を無視して選択される。
【0006】本実施形態では、始点A→E→H→I→終
点Jの経路P1 が選択される。ステップS5では、経路
P1 が他の全てのQoS条件を同時に満足しているか否
かが判定される。本実施形態では、上記した経路P1 で
の誤り率はO.O5以下となって前記QoS条件3を満
足するので、全てのQoS条件が満足されたものとして
ステップS6へ進む。ステップS6では、当該経路P1
を最適経路として出力する。
【0007】なお、前記ステップS5の判定が繰り返し
否定となり、ステップS8において試行回数nが最大試
行回数Nを越えてしまうと、ステップS9では、条件に
合致する経路がない旨の情報を出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、次のような問題点があった。 (1) 近似精度が経験則に依存する。
【0009】前記ステップS2では、利用者の経験則に
基づいて各QoS条件に優先順序を設定し、この優先順
序に従って各QoS条件を満足する経路の有無が順次判
定される。このため、各QoS条件の種類や性質に関す
る知識がなければ、最適な、または近似精度の高い経路
を選択することができない。
【0010】例えば、前記ステップS2において、上記
とは逆にQoS条件3(誤り率)がQoS条件2(伝送
遅延)に優先するように指定すると、ステップS3で
は、始点A→B→C→F→終点Jが誤り率最小経路P2
として選択される。この経路P2 の伝送遅延は“14”
となり、全てのQoS条件を満足する。そして、経路P
2 のリンクコストの和は“26”であり、前記経路P1
のコスト“32”よりも小さくなる。
【0011】このように,QoSの優先順序の設定いか
んによって選択経路が異なるため、近似精度が経験則に
依存することになる。QoS条件の個数rが増大すれ
ば、QoSに関する優先順序の割り当て方はr!=r×
(r−1)×・・・2×1となるため、近似精度は更に経
験則に依存することになる。 (2) 近似精度が固定である。
【0012】近似比率がノードやリンクの個数、または
コスト、帯域輻、伝送遅廷および誤り率等のネットワー
ク構成によって固定的に決まってしまう。このため、ネ
ットワーク提供者やネットワーク利用者の望むQoS条
件を満足するネットワーク資源を柔軟に割り当てられな
い事態が生じる。
【0013】例えば、上記した従来方式では、コストに
関わらず伝送遅延が最小となる経路=A→E→H→I→
Jが選択されるが、この経路のリンクコストの和は“3
2”であるのに対して最適解のリンクコストの和は14
であり、近似比は32/14で約2.3となる。したが
って、任意のネットワークにおける近似比の最大値、す
なわち近似比率は少なくとも2.3になる。
【0014】このように、上記した従来技術では、近似
比率がリンクコスト等のネットワーク構成によって固定
的に決まってしまうため、例えば近似比率を2.3より
も小さくして、より近似精度の高い経路を任意のネット
ワークにおいて求めようとしても、このような要求には
応えられないという問題があった。
【0015】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、利用者の経験則に依存せず、任意の近似誤
差εを実行時に指定すれば、ネットワーク構成とは無関
係に所望の近似比率(1+ε)を満足する最適経路を選
択し得る経路選択方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、始点と終点とを結ぶ複数の経路の
中から、複数のQoS条件を低コストで満足する経路を
選択する経路選択方法において、複数のQoS条件をそ
れぞれ設定し、未知の最適経路のコストに対して許容し
得る誤差範囲を入力し、少なくとも最適経路のコストを
含むコスト範囲を暫定的に設定し、前記コスト範囲が、
前記誤差範囲の関数である基準範囲まで減縮されている
か否かを判定し、減縮されていないと判定されると、現
在のコスト範囲内で最低コストから順に、当該コストで
始点から各ノードへ至るまでの複数のQoSを、既にQ
oSが求められたノードの各QoSに基づいて求め、前
記複数のQoS条件を全て満足して始点から終点へ至る
経路が、前記誤差範囲の関数として与えられる基準コス
トまでに見つかるか否かに基づいて前記コスト範囲を減
縮し、減縮されたコスト範囲を対象に最適経路を検索す
るようにした。
【0017】上記した経路選択方法によれば、QoS条
件に関するオペレータの知識や経験に左右されることな
く、予め指定した誤差範囲内に収まる実質的に最適な経
路を選択できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。ここでは、初めに本発明の基本概念につ
いて簡単に説明し、その後で具体的事例を参照して詳細
に説明するものとする。
【0019】図1は、本発明の一実施形態である経路選
択方法の概略動作を示したフローチャートである。ここ
では、前記図10に示したように、複数の中継ノードを
経由して始点Aと終点Jとを結ぶ複数の経路の中から、
複数のQoS条件を低コストで同時に満足する最適経路
を選択する場合を例にして説明する。
【0020】ステップS1では、満足すべき複数のQo
S条件として、例えば帯域幅、伝送遅延および誤り率等
のQoSに関する所望条件が設定される。ステップS2
では、複数のQoS条件を全て満足する経路の中で、コ
ストが最小となる未知の最適経路のコスト(最適コス
ト)に対して、許容し得る近似誤差εが入力される。す
なわち、最適コストの1.5倍(すなわち、近似比率が
1.5)までのコスト負担が必要な経路を許容するので
あれば、近似誤差εとして0.5が入力される。
【0021】ステップS3では、前記最適コストを含む
上限値CUBおよび下限値CLBを適宜に設定することで、
最適経路を検索するコストの範囲(以下、単にコスト範
囲と表現する)を暫定的に設定する。すなわち、最適コ
ストが、例えば30±20の範囲にあると予測される場
合、検索コスト範囲の上限値CUBとして10(30−2
0)、下限値CLBとして50(30+20)が設定さ
れ、コスト範囲が10〜50の範囲に絞り込まれる。
【0022】ステップS4では、後に詳述する最適解コ
スト近似手続が実行される。最適解コスト近似手続と
は、後にステップS6において実行される最適解求解手
続で検索するコスト範囲を予め狭めるための前処理であ
り、最適解求解手続で費やされる検索時間を短縮する目
的で実行される。
【0023】図2は、前記最適解コスト近似手続と最適
解求解手続の関係を模式的に表現した図である。例え
ば、始点Aから終点Jへ至るまでのリンクコストの和と
してコスト1から100までを取り得る場合、最適解求
解手続のみで最適コストを求めようとすると、初めに始
点Aと終点Jとをコスト1で結ぶ経路の有無を判定し、
無ければ今度はコスト2で結ぶ経路の有無を判定し、…
といったように、全てのコスト範囲(1〜100)を検
索しなければならない。このため、最適解求解手続では
最適経路および最適コストを求めることができる反面、
それまでに長時間を要するという問題があった。
【0024】このような問題を解消するために、本発明
では前記図1のステップS3において、検索対象のコス
ト範囲に関する上限値CUBおよび下限値CLBを設定して
予めコスト範囲を狭めておく。そして、依然としてコス
ト範囲が広いようであれば、コスト範囲を更に狭めるた
めに、最適解求解手続に先立って最適解コスト近似手続
を繰り返し実行してコスト範囲を狭め、最適解求解手続
が狭いコスト範囲に対してのみ実行されるようにしてい
る。
【0025】さらに具体的にいえば、ステップS4の最
適解コスト近似手続では、任意コストVの経路が複数の
QoS条件を全て満足するか否かを判定する(ステップ
S4a)。当該経路が全てのQoS条件を満足すれば、
最適コストは任意コストV以下であることが判明する。
これとは逆に、満足されないQoS条件が一つでもあれ
ば、最適コストは任意コストV以上であることが判明す
る。したがって、前記判定結果に基づいてコスト範囲を
狭めることができる(ステップS4b)。
【0026】ステップS5では、前記コスト範囲が十分
に狭まったか否かが判定され、狭められたコスト範囲が
依然として広過ぎれば、前記ステップS4へ戻って最適
解コスト近似手続を繰り返す。また、既にコスト範囲が
十分に狭まっていれば、ステップS6の最適解求解手続
が実行される。
【0027】ステップS6では、狭められたコスト範囲
内でリンクコストが低い経路から順に、各経路に関する
複数のQoS値を求め(ステップS6a)、全てのQo
S条件が最初に満足される経路を実質的な最適経路とみ
なす(ステップS6b)。
【0028】図3は、前記最適解求解手続の内容を説明
するための図であり、図11は、その動作を示したフロ
ーチャートである。
【0029】ステップS51では、最小コスト(=1)
から順に、始点Aから各ノードに至るまでの各QoS値
をコストごとに求めるために、コスト変数cが初期値
“1”に設定される。ステップS52では、各コストご
とに、始点A(1番目)からi番目のノードに至るまで
の全てのQoSを求めるために、ノード変数iが初期値
“2”に設定される。
【0030】ステップS53では、コストがコスト変数
c(ここでは、“1”)と一致する経路について、始点
Aからi番目のノード(ここでは、2番目のノードB)
に至るまでの全てのQoSを求める。
【0031】ステップS54では、ノード変数iがnか
否か、すなわちコスト変数がc(=1)である経路につ
いて終点Jまで処理が進んだか否かが判定され、初めは
n以下なのでステップS56へ進む。ステップS56で
は、ノード変数iを1だけインクリメントしてステップ
S53へ戻る。
【0032】以下同様に、コスト変数cが“1”の場合
について、ノード変数iがnに達するまで、ノード変数
iがインクリメントされるごとにステップS53、S5
4、S56の処理が繰り返される。ところが、本実施形
態では始点Aと各ノードB,E,Gとの間のコストが、
図10に示したように、それぞれ2、26、2であり、
既にコスト変数c(=1)を越えているので、図3に示
したように、コスト変数c(=1)に関する各QoS欄
(1,B)〜(1,J)にはQoS値が登録されない。
【0033】その後、ステップS54においてノード変
数iがnと一致したと判定されると、ステップS55へ
進む。ステップS55では、始点Aから終点Jに至るま
での経路が全てのQoS条件を満足しているか否かが判
定される。本実施形態では、コスト変数cが“1”の経
路は存在せず、各QoS欄にはQoS値が登録されてい
ない。したがって、当該ステップS55の判定は否定と
なってステップS58へ進む。ステップS58では、コ
スト変数cが1だけインクリメントされ、その後ステッ
プS52へ戻る。
【0034】次いで、コスト変数cが“2”の経路につ
いて、ノード変数iがnに達するまでステップS52〜
S56の処理が前記と同様にして繰り返される。本実施
形態では、ノードB,ノードGまでの経路のコスト変数
cが“2”なので、図3に示したように、QoS欄
(2、B)には、帯域幅、伝送遅延、誤り率に関するQ
oSとして、(3,2,0.005)が格納される。
【0035】しかしながら、本実施形態ではノードAか
らノードBへ至る経路のコストが既に“2”であり、コ
スト“2”ではノードBから次のノードへ進めないの
で、QoS欄(2、C)〜(2、J)にはQoS値が登
録されない。同様に、コスト“3”でもノードBから次
のノードへ進めないので、QoS欄(3、B)には前記
と同様にQoS値(3,2,0.005)が登録される
が、QoS欄(3、C)〜(3、J)にはQoS値が登
録される。
【0036】コスト“4”では、ノードBからノードC
まで進めるので、QoS欄(4、B)には前記と同様に
QoS値(3,2,0.005)が登録され、QoS欄
(4、C)にはQoS値(3,4,0.00975)が
登録される。
【0037】以下同様に、コスト変数ごとに各ノードへ
至るまでのQoS値が求められ、ノードJへ至る経路が
あると、その時の各QoS値が基準値と比較される。そ
の結果、たとえ一つのQoS値でも基準条件を満足して
いなければ、当該処理はステップS55からステップS
58へ戻り、コスト変数をインクリメントして上記処理
を更に繰り返す。そして、いずれかのコスト変数におい
て、ノードJへ至る経路の各QoS値が全て基準条件を
満足すると、当該処理はステップS55からステップS
57へ進み、当該経路を最適解と判定する。
【0038】なお、図12に模式的に示したように、始
点Aと終点Jとの間のノードX(経由点)へ至る経路と
して、ノードVを経由する経路1と、ノードWを経由す
る経路2とが存在する場合、全てのQoSについて一方
の経路が他方の経路より優れていれば、終点Jに至る経
路のQoSは、当該一方の経路を経由して終点Jに至る
経路のQoSとして求めることになる。
【0039】しかしながら、例えば帯域幅および伝送遅
延に関しては経路1の方が優れているが、誤り率に関し
ては経路2の方が優れているといったように、QoSに
関して両者の優劣が一義に定まらない場合は、いずれの
経路に基づいて終点Jに至る経路のQoSを求めるかが
問題となる。
【0040】本実施形態では、このような問題点を解決
するために、経由するノードに同一コストで至る経路が
複数存在し、当該ノードに至るまでの各経路におけるQ
oSの優劣が一義に定まらない場合、前記複数の経路の
うち、最初は任意の一の経路を経由して終点へ至る経路
が全てのQoS条件を満足するか否かを判定し、複数の
QoS条件の一つでも満足していないと、今度は他の一
の経路を経由して終点へ至る経路が全てのQoS条件を
満足するか否かを判定し、全てのQoS条件を満足すれ
ば当該経路を最適経路と判定する。
【0041】この結果、終点に至る過程において同一コ
ストでQoSの優劣が一義に定まらない複数の経路が存
在し、その中に終点においてQoS条件の全ては満足で
きない経路が含まれている場合でも、終点において全て
のQoS条件を満足できる経路が一つでも含まれていれ
ば、当該経路を選択できるようになる。
【0042】次いで、図4、5のフローチャートを参照
して、本発明の一実施形態である経路選択方法の動作
を、前記図9、10に関して説明したネットワークを例
にして詳細に説明する。図4は、本発明を適用した経路
選択方法の主要動作を示したフローチャートである。
【0043】ステップS11では、満足すべき複数のQ
oS条件、および全てのQoS条件を満足する経路の中
でコストが最小となる未知の最適経路のコストOPTに
対して許容し得る近似誤差εが設定される。この近似誤
差εは、求められた経路のコストがOPT(1+ε)以
下となったときに当該経路を実質的な最適経路と認める
ことができる値に予め設定される。
【0044】本実施形態では、近似誤差εとして“0.
5”が設定されると共に、複数のQoS条件として、帯
域幅、伝送遅延および誤り率のQoSに関する条件(基
準値)が設定される。本実施形態では、帯域幅は3以
上、伝送遅延は16以下、誤り率は0.05以下に設定
されたものとする。
【0045】ステップS12では、QoSの中で凹性を
示す帯域幅について、QoS条件[≧3]を満足しない
DJ間のリンク(帯域幅=2)が経路選択の対象から外
される。ステップS13では、コスト範囲の下限値CLB
として、“1”が暫定的に設定される。
【0046】ステップS14では、コスト範囲の上限値
CUBとして、最大のコストからn(ノード数)−1番目
に大きいコストまでの和が設定される。本実施形態では
ノード数が10(A〜J)なので、最大コスト26(A
E間)から9番目のコストまでの和として78(26
[AE間]+20[CD間]+20[FJ間]+2[A
B間]+2[AG間]+2[BC間]+2[CF間]+
2[EF間]=78)が上限値CUBとして設定される。
【0047】ステップS15では、下限値CLBと上限値
CUBとに基づいて、検索対象のコスト範囲が十分に減縮
されているか否かが判定され、下限値CLBおよび上限値
CUBが次式(1) を満足すれば、検索対象のコスト範囲が
十分に減縮されているものと判定されてステップS51
へ進む。 CUB≦(1+ε)・CLB (1) ここでは、下限値CLBが“1”、上限値CUBが“7
8”、近似誤差εが0.5であって上式(1) は成立しな
いので、検索対象のコスト範囲を更に狭めるためにステ
ップS16へ進む。ステップS16では、次式(2) を満
足する変数Vが、最適コストの暫定的な予測値として求
められる。
【0048】本実施形態では、次式(2) を満足する予測
値Vを求めるために、次式で表されれる数列ai に対し
て、ak >CUB/CLBを満足する最小のk を求める。
【0049】
【数1】 次いで、V´=ak-2 なるV´を求め、V=V´・CLB
なる予測値Vを求める。本実施形態では、予測値Vとし
て“4”が求められる。 (CLB3/4 ・CUB1/4 )<V≦(CLB1/2 ・CUB1/2 ) (2) ステップS17では、予測値V=4,近似比率ε=0.
5として、検索対象のコスト範囲を狭めるための最適解
コスト近似手続が実行される。
【0050】図5は、最適解コスト近似手続の動作を示
したフローチャートである。ステップS31では、リン
クコストが予測値V以上のリンクとして、AE間,CD
間およびFJ間の各リンクが経路選択の対象から除外さ
れる。ステップS32では、各ノードXY間のリンクコ
ストCxyが、次式(3) に基づいて近似値C1xyに置換さ
れる。これにより、差の小さいリンクコスト同士を同一
のコストにグループ化することができ、各リンクコスト
が取り得る値の種類を少なくできる。 C1xy=[(n−1)・Cxy/(V・ε)] (3) 但し、[…]は、…の小数点切り捨てを意味する。ここ
では、ノード数nが“10、予測値Vが“4”、近似誤
差εが“0.5”なので、例えばコスト“2”はコスト
“9”に置換され、コスト“3”はコスト“13”に置
換される。
【0051】ステップS33では、最小コスト(=0)
から順に、始点Aから各ノードに至るまでの各QoS値
をコストごとに求めるために、コスト変数cに初期値
“0”が設定される。ステップS34では、次式(4) が
成立するか否かが判定され、成立すれば、図4のステッ
プS18へ進み、検索対象のコスト範囲の下限値CLB
が、これまでの“1”から前記予測値V(=4)に更新
され、検索対象のコスト範囲が狭められる。成立しなけ
ればステップS35へ進む。 c≧(n−1)/ε (4) 本実施形態では、式(4) の右辺が“18”となるのでス
テップS35へ進む。ステップS35では、各コストご
とに、始点A(1番目)からi番目のノードに至るまで
の全てのQoSを求めるために、ノード変数iに初期値
“2”が設定される。
【0052】続くステップS36〜S38では、ノード
Aを始点として、リンクコストの和がcである各ノード
までの経路に関して、そのQoSが求められる。すなわ
ち、ステップS36では、リンクコストの和がc(=
0)である、始点Aから各ノードiへ至る経路のQoS
がそれぞれ求められる。ステップS37では、ノード変
数iがノード数nと比較され、ノード変数iがノード数
nと一致しなければ、ステップS38においてノード変
数iを“1”だけインクリメントしてステップS36へ
戻る。
【0053】その後、ステップS37においてノード変
数iがノード数nに一致する、換言すれば、ノードAを
始点として、リンクコストの和がcである終点ノードJ
までの経路に関してQoSが求められるとステップS3
9へ進む。ステップS39では、求められたQoSが全
てのQoS条件を満足しているか否かが判定され、ここ
では、リンクコストの和が“0”で全てのQoS条件を
満足するような、始点Aから終点Jへ至る経路は存在し
ないので、ステップS40においてコスト変数cを
“1”だけインクリメントした後にステップS34へ戻
る本実施形態では、前記ステップS34〜S40の処理
が17回繰り返されてコスト変数cが“18”になる
と、ステップS39よりも先にステップS34の判定が
真となって図4のステップS18へ進む。
【0054】再び図4へ戻り、ステップS18では、下
限値CLBに予測値V(=4)が設定され、その後、ステ
ップS15へ戻る。ステップS15では、前記と同様に
して上限値CUBと下限値CLBのと間が十分に狭まったか
否かが判定される。本実施形態では、上限値CUBが“7
8”、下限値CLBが“4”であり、前記式(1) が成立し
ないので、コスト範囲が依然として広過ぎると判定され
てステップS16へ進む。ステップS16では、前記と
同様に式(2) に基づいて予測値Vが演算され、今度は
“16”を得る。
【0055】ステップS17では、今度は予測値V=1
6、近似誤差=0.5として前記と同様に最適解コスト
近似手続き(図5)が実行され、今回は、ステップS3
4よりも前にステップS39の判定が真となって図4の
ステップS19へ進む。再び図4へ戻り、ステップS1
9では、次式(5) に従って上限値CUBが“24”に更新
される。 上限値CUB=(1+ε)V (5) 続くステップS15では、前記と同様にして上限値CUB
と下限値CLBとの間が十分に狭まったか否かが判定され
る。本実施形態では、上限値CUBが“24”、下限値C
LBが“4”であり、前記式(1) は依然として偽であるた
め、再びステップS16以降の処理が繰り返され、上限
値CUBが“12・21/2 ”、下限値CLBが“8・
1/2 ”となったときに上式(1) が真となるため、検索
対象のコスト範囲が十分に狭まったと判定されてステッ
プS51へ進む。ステップS51では、上限値CUB=1
2・21/2 =16.97が最適解のリンクコストの和と
認定される。
【0056】なお、前記図5のステップS32における
数値置換およびステップS34における大小判定結果に
基づいてコスト範囲を狭める手法に関しては、1992
年2月発行の『マスマティクス オブ オペレーション
ズ リサーチ』のVol17,No.1 (MATHEMATICS OF
OPERATIONS RESEARCH Vol17, No.1, February 1992)
』において、「APPROXIMATION SCHEMES FOR THE RESTR
ICTED SHORTEST PATH PROBLEM」と題して詳細に論じら
れており、ここではこの論文の内容を援用する。
【0057】図6は、本発明の第2実施形態である経路
選択方法の主要動作を示したフローチャートであり、前
記と同一の符号を付したステップでは同一または同等の
処理が実行されるので、その説明は省略する。
【0058】本実施形態では、ステップS15の判定が
真となってコスト範囲が十分に狭くなると、ステップS
61では、リンクコストの和が下限値CLBを下回る経
路、および上限値CUBを上回る経路が検索対象から除か
れる。ステップS62では、残りの経路の全てを対象に
して最適経路が求められる。
【0059】図7は、本発明の第3実施形態である経路
選択方法の主要動作を示したフローチャートであり、前
記と同一の符号を付したステップでは同一または同等の
処理が実行されるので、その説明は省略する。
【0060】本実施形態では、ステップS15の判定が
真となってコスト範囲が十分に狭くなると、ステップS
71では、前記図3、11に関して説明した最適解求解
手続が、前記狭められたコスト範囲を対象に実行され
る。すなわち、下限値CLBを出発点として全ての経路を
対象にして最適経路が求められる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が達
成される。 (1) 予めコスト範囲を絞り込み、狭められた範囲に対し
てのみ、各コストごとに始点から終点へ到る経路の有無
が判定されるので、最適解を導き出すまでに要する時間
が短縮される。 (2) 予め指定した近似誤差を満足する最適解を導き出せ
るようになる。 (3) 始点から各ノードへ同一コストで至る経路が複数存
在する場合、一の経路を経由して終点に至ったときに満
足できないQoS条件があると、他の一の経路を経由し
た場合を求め、当該他の一の経路を経由したときに全て
のQoS条件が満足されれば当該経路を最適解とするの
で、終点に至ることのできる経路が一つでもあれば、当
該経路を選択できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の経路選択方法の概略フローチャート
である。
【図2】 本発明の基本概念を模式的に表現した図であ
る。
【図3】 最適解求解手続を説明するための図である。
【図4】 本発明の第1実施形態のフローチャートであ
る。
【図5】 最適解コスト近似手続のフローチャートであ
る。
【図6】 本発明の第2実施形態のフローチャートであ
る。
【図7】 本発明の第3実施形態のフローチャートであ
る。
【図8】 従来技術のフローチャートである。
【図9】 ネットワークの構成例を示した図である。
【図10】 各リンクの特性を一覧表示した図である。
【図11】 最適解求解手続のフローチャートである。
【図12】 経路選択における問題点を説明するための
図である。
【符号の説明】
A〜J…ノード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小花 貞夫 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つのノードを経由して始点
    と終点とを結ぶ複数の経路の中から、複数のQoS条件
    を低コストで満足する経路を選択する経路選択方法にお
    いて、 複数のQoSに関して満足すべき条件をそれぞれ設定
    し、 全てのQoS条件を満足する経路の中でコストが最小と
    なる未知の最適経路のコストに対して許容し得る誤差範
    囲を入力し、 少なくとも前記最適経路のコストを含むコスト範囲を暫
    定的に設定し、 前記コスト範囲が、前記誤差範囲の関数である基準範囲
    まで減縮されているか否かを判定し、 減縮されていないと判定されると、現在のコスト範囲内
    で最低コストから順に、当該コストで始点から各ノード
    へ至るまでの複数のQoSを、既にQoSが求められた
    ノードの各QoSに基づいて求め、 前記複数のQoS条件を全て満足して始点から終点へ至
    る経路が、前記誤差範囲の関数として与えられる基準コ
    ストまでに見つかるか否かに基づいて前記コスト範囲を
    減縮し、 前記基準範囲まで減縮されたコスト範囲から最適経路を
    検索することを特徴とする経路選択方法。
  2. 【請求項2】 前記基準範囲まで減縮されたコスト範囲
    から最適経路を検索する際、前記コスト範囲に含まれる
    経路を実質的な最適経路と判定することを特徴とする請
    求項1に記載の経路選択方法。
  3. 【請求項3】 前記基準範囲まで減縮されたコスト範囲
    から最適経路を検索する際、前記コスト範囲内で最低コ
    ストから順に、当該コストで始点から各ノードへ至るま
    での複数のQoSを、既にQoSが求められたノードの
    各QoSに基づいて求め、 前記複数のQoS条件を全て満足して始点から終点へ至
    る最初の経路を実質的な最適経路と判定することを特徴
    とする請求項1に記載の経路選択方法。
  4. 【請求項4】 前記基準範囲まで減縮されたコスト範囲
    から最適経路を検索する際、始点から終点へ至るコスト
    が前記コスト範囲外となる経路を予め検索対象から外
    し、残りの経路のみを対象に最適経路を検索することを
    特徴とする請求項1に記載の経路選択方法。
  5. 【請求項5】 経由するノードに同一コストで至る経路
    が複数存在し、当該経由するノードに至るまでの各経路
    におけるQoSの優劣が一義に定まらない場合、前記複
    数の経路のうち、一の経路を経由して終点へ至る経路が
    複数のQoS条件の一つでも満足していないと、他の一
    の経路を経由して終点へ至る経路が全てのQoS条件を
    満足するか否かを順次判定し、いずれかの経路が全ての
    QoS条件を満足すれば、当該経路を選択することを特
    徴とする請求項4に記載の経路選択方法。
  6. 【請求項6】 前記複数のQoSは、経路のQoS値
    が、各リンクのQoS値の和として与えられる加法性の
    QoS、各リンクのQoS値の積として与えられる乗法
    性のQoSおよび各リンクのQoS値の最小値として与
    えられる凹性のQoSの少なくとも一つを含むことを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の経路選択
    方法。
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