JPH1160358A - 多様かつ明確なパターンを有するセラミックタイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様で明確な、精密で正確な色とパターンと
を有する耐久性のあるセラミックタイルを低経費で単純
かつ好都合な方法により提供する。 【解決手段】 最初に燒結されたセラミックタイルのベ
ース１の上に下部被覆層２を、この層２の表面が平らに
なるようにエポキシ樹脂を形成させ、少量の不飽和ジカ
ルボン酸の含まれた塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合
物を通常の有機溶媒中に溶解させて形成される接着剤層
３をこの層２の上に被覆し、次いでこの接着剤層３の上
に通常の熱転写用のプラスチックフィルムの層６を、そ
の下にグラビヤ印刷インキ層５が印刷され、そしてこの
印刷インキ層５の下に上記下部被覆層２のための接着剤
層３と同じ性質の、印刷インキ層５のための接着剤の層
４が被覆されるように積層し、そのようにして得られた
ものを加熱による転写法で接着させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、表面に多重の細か
でかつ多様なパターンを有するセラミックタイルに関
し、より特別には再燒結等を必要としない１次燒結され
たセラミック材の表面に多様で細かなパターンの印刷層
を有するセラミックタイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にセラミックタイルは単一色の表面
を有するか、又は表面上に多様なパターンを有し、１次
燒結されたセラミックベースの上に上薬を施し、この上
薬の施されたセラミックベースを再び燒結し、その上に
鉱物質顔料の印刷インキを用いて文字や模様を描き、又
は彩色し、そして次にそのようにして得られたものを高
温度において再び燒結することにより得られる。

【０００３】従って、従来の方法では、セラミックベー
スを２回又は３回燒結しなければならないために方法が
複雑であり、それによってその製造経費が上昇し、また
その印刷され、又は描かれた文字や模様はそのセラミッ
クベース表面の不平坦性のために鮮鋭ではなく、微細で
明瞭な文字や図形を表わすことができない。

【０００４】言い換えれば、最初に燒結されたベースセ
ラミックの表面は非常に粗いためにシルクスクリン印刷
や微細で正確なグラビヤ印刷のような転写法によって記
入したり印刷したりすることは困難である。

【０００５】より詳細には、セラミックタイルの場合に
おいて文字や図形のような印刷された表面を形成するた
めのインキは、もとの印刷されたパターンや色を維持す
るためには焼け焦げたり又はそのセラミックを数回燒結
させる際の高温度において揮発したりしてはならず、鉱
物質の顔料を用いる必要があり、従って種々の明瞭で鮮
鋭な模様や文字を表わすことができない。

【０００６】従って、種々の色及び図形を有するセラミ
ックタイルを詳細にかつ鮮鋭に作り出すことはこれまで
不可能であった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的の
１つは、上述した従来のセラミックタイルの、種々のパ
ターンの形成に対する制限や問題を解決し、製造経費を
大きく低下させ、製品製造の過程を単純化し、製品の生
産性及び質を改善し、そして種々のパターンの製品を製
造することを特徴とする、詳細で精密な種々の色及びパ
ターンを有するセラミックタイルを提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】以
下、本発明を添付の図面の参照のもとに詳細に説明す
る。

【０００９】最初に燒結されたセラミックタイルのベー
ス１の上に下部被覆層２を、この層２の表面が平らにな
るようにエポキシ樹脂を浸透させて被覆することによっ
て形成させ、その得られた層２の上にこの層２のための
接着剤層３を形成させ、次いでこの接着剤層３の上に通
常の熱転写用のプラスチックフィルムの層６を、その下
に熱転写用のグラビヤ印刷インキ層５が印刷され、そし
てこの印刷インキ層５の下に上記下部被覆層２のための
それと同じ成分の、印刷インキ層５のための接着剤の層
４が被覆されるように積層して、上記接着剤層４が下部
被覆層２のための上記接着剤層３に対面するようにし、
そのようにして得られたものを加熱によって転写させ、
上記フィルムを取り除き、得られた暴露印刷面の上に典
型的紫外線吸収剤の含まれた通常の透明被覆層（以下、
ＵＶ被覆層と呼ぶ）を形成させ、その際上記各接着剤層
３、４を形成する接着剤が、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケト
ン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、又は酢酸エ
チルや酢酸ブチルのようなエステル類の中に溶解させた
少量の不飽和ジカルボン酸の含まれた塩化ビニルと酢酸
ビニルとの共重合物の溶液を含み、またその際上記接着
剤の塗覆方法は、スプレー法、ローラ被覆法、スクリー
ン印刷及び刷毛塗りのような全ての通常的方法から選ば
れるいずれかの方法である。

【００１０】

【発明の効果】本発明のセラミックタイルにおいては、
最初の燒結されたセラミックベース１の上に下部被覆層
２、印刷インキ層５のための接着剤層４、グラビヤ印刷
インキ層５及びＵＶ被覆層６が順に形成されているの
で、その表面は粗くなくて平坦で鮮鋭かつ明瞭な多重色
の意匠を有し、またＵＶ被覆層によって耐食性も優れて
おり、引っ掻き傷や亀裂を生ずることなく、耐摩耗性及
び強度も優れている。

【００１１】更に、通常の何回か燒結させたセラミック
タイルのような多重の燒結過程は行なわれないので、そ
れらは容易にかつ好都合に製造することができ、それに
より燃料経費や作業経費が低下して経費の低下となり、
それとともに製造時間の短縮によって大量生産が可能で
ある。

【００１２】加えて、下部被覆層のための接着剤の層３
及び印刷インキ層５のための接着剤の層４が同じ性質を
有する材料よりなり、そして金属類に対して優れた接着
性を有するので、タイルベース１の下部被覆層２及び熱
転写法によって接着されたフィルム層６の印刷インキ層
５は分離することなく互いに強く接着している。

【００１３】従って、本発明のセラミックタイルは多種
多様で明瞭な着色と意匠の特性を有し、そして精密かつ
明確で耐久性があり、しかも廉価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従い製造されたセラミックタイルの部
分的に切り取った斜視図。

【符号の説明】

１ セラミックタイルベース ２ 下部被覆層 ３ 下部被覆層のための接着剤の層 ４ 印刷インキ層のための接着剤の層 ５ グラビヤ印刷インキ層 ６ フィルム又は紫外線被覆剤層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 最初に燒結されたセラミックタイルのベ
   ース（１）の上にエポキシ樹脂を浸透させて被覆するこ
   とにより、下部被覆層（２）を、この被覆層（２）の表
   面が平らになるように形成させ、この得られた層（２）
   の上にこの層（２）のための接着剤層（３）を形成さ
   せ、次いでこの接着剤層（３）の上に通常の熱転写用の
   プラスチックフィルムの層（６）を、その下に熱転写用
   のグラビヤ印刷インキ層（５）が印刷され、そしてこの
   印刷インキ層（５）の下に下部被覆層（２）のための層
   （３）と同じ成分の、印刷インキ層（５）のための接着
   剤の層（４）が被覆されるように積層して、上記接着剤
   層（４）が下部被覆層（２）のための上記接着剤層
   （３）に対面するようにし、そのようにして得られたも
   のを加熱によって転写させ、次に上記フィルムを取り除
   き、得られた暴露印刷面の上に、典型的紫外線吸収剤の
   含まれた通常の透明被覆層を形成させることを特徴とす
   る、多様かつ明確なパターンを有するセラミックタイ
   ル。
2. 【請求項２】 上記各接着剤層（３、４）を形成する接
   着剤が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピ
   ルケトン、メチルイソプロピルケトン及びシクロヘキサ
   ノンのようなケトン類、又は酢酸エチルや酢酸ブチルの
   ようなエステル類の中に溶解させた少量の不飽和ジカル
   ボン酸の含まれた塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物
   の溶液よりなる、請求項１に従う多様かつ明確なパター
   ンを有するセラミックタイル。
3. 【請求項３】 上記接着剤の塗覆方法が、スプレー法、
   ローラ被覆法、スクリーン印刷及び刷毛塗りのような全
   ての通常的方法から選ばれるいずれかの方法である、請
   求項１に従う多様かつ明確なパターンを有するセラミッ
   クタイル。