JPH11207908A - 金属ラミネート用白色フィルム - Google Patents
金属ラミネート用白色フィルムInfo
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- JPH11207908A JPH11207908A JP1101098A JP1101098A JPH11207908A JP H11207908 A JPH11207908 A JP H11207908A JP 1101098 A JP1101098 A JP 1101098A JP 1101098 A JP1101098 A JP 1101098A JP H11207908 A JPH11207908 A JP H11207908A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 隠蔽性、白度に優れ、金属缶製缶時に治具の
傷が発生しにくく、さらには、フローマークのない優れ
た品質を有する金属ラミネート用白色フィルムを提供す
る。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位100〜7
5モル%とエチレンイソフタレート単位0〜25モル%
とからなるポリエステルに酸化チタンが20〜60重量
%配合された組成物からなるB層と、エチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなるポリエステルに酸化チタン
が20重量%以下配合された組成物からなるS層とが、
S/B/Sの構成で積層された二軸延伸フィルムであっ
て、フィルム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%
であり、かつ、S層とB層のポリエステルの極限粘度の
差が0.2以下である金属ラミネート用白色フィルム。
傷が発生しにくく、さらには、フローマークのない優れ
た品質を有する金属ラミネート用白色フィルムを提供す
る。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位100〜7
5モル%とエチレンイソフタレート単位0〜25モル%
とからなるポリエステルに酸化チタンが20〜60重量
%配合された組成物からなるB層と、エチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなるポリエステルに酸化チタン
が20重量%以下配合された組成物からなるS層とが、
S/B/Sの構成で積層された二軸延伸フィルムであっ
て、フィルム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%
であり、かつ、S層とB層のポリエステルの極限粘度の
差が0.2以下である金属ラミネート用白色フィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱ラミネー
ト性、成形性及び引張強度を有し、隠蔽性、白度に優
れ、金属缶成形時に治具の摩耗が少なく、印刷性に優れ
た金属ラミネート用白色フィルムに関するものである。
ト性、成形性及び引張強度を有し、隠蔽性、白度に優
れ、金属缶成形時に治具の摩耗が少なく、印刷性に優れ
た金属ラミネート用白色フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料用の包装には、スチール缶、
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用い
られてきた。しかし、このような塗料の塗布は、生産性
が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延
伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベースと
し、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした積層
フィルムを用いて金属ラミネートすることが多くなって
きた。
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用い
られてきた。しかし、このような塗料の塗布は、生産性
が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延
伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベースと
し、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした積層
フィルムを用いて金属ラミネートすることが多くなって
きた。
【0003】プラスチックフィルムで被覆した金属缶
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。こ
のような用途に用いられるプラスチックフィルムには、
金属板とのラミネート性がよいこと、缶の成形性に
優れていること、つまり、缶の成形時にフィルムの剥
離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、
缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に
用いられる場合)、レトルト処理をしたときにウォー
タースポットや白粉が発生しないこと(ウォータースポ
ットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルム
がレトルト処理時に水滴が付着して結晶化して白色化す
る現象をいい、商品の美観を損なう。また、白粉とは、
オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したも
のをいい、ラミネートフィルムが缶内面に用いられる場
合には、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられる場
合には、缶の美麗性を損なう。)などの数々の特性が同
時に要求される。
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。こ
のような用途に用いられるプラスチックフィルムには、
金属板とのラミネート性がよいこと、缶の成形性に
優れていること、つまり、缶の成形時にフィルムの剥
離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、
缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に
用いられる場合)、レトルト処理をしたときにウォー
タースポットや白粉が発生しないこと(ウォータースポ
ットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルム
がレトルト処理時に水滴が付着して結晶化して白色化す
る現象をいい、商品の美観を損なう。また、白粉とは、
オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したも
のをいい、ラミネートフィルムが缶内面に用いられる場
合には、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられる場
合には、缶の美麗性を損なう。)などの数々の特性が同
時に要求される。
【0004】通常、缶は表面に印刷が施されるが、その
際、下地の金属色を隠蔽する目的で白色塗料が下塗さ
れ、その上に印刷が施されている。近年、製造工程の簡
略化(低エネルギー化、低コスト化)や、環境問題に対
する対策(非溶剤化)から、白色フィルムをラミネート
した隠蔽性に優れた缶体の製造が進められている。
際、下地の金属色を隠蔽する目的で白色塗料が下塗さ
れ、その上に印刷が施されている。近年、製造工程の簡
略化(低エネルギー化、低コスト化)や、環境問題に対
する対策(非溶剤化)から、白色フィルムをラミネート
した隠蔽性に優れた缶体の製造が進められている。
【0005】このような白色フィルムとしては、ポリエ
ステル樹脂に高濃度の酸化チタンを配合したものが用い
られている。しかし、従来の白色フィルムでは白度や隠
蔽性が不充分であり、チタン量をさらに増大させること
が望まれている。しかし、チタン量の増大によって、フ
ィルム表面が硬くなり、また製缶用治具が磨耗するとい
った問題や、削れた金属や酸化チタンがフィルム表面に
付着して、印刷時に印刷ぬけが発生したり、鋼板との熱
ラミネート性が悪くなったりするという問題がクローズ
アップされている。また、白色フィルムを製造する際の
ポリエステル樹脂原料としては、通常、高濃度の酸化チ
タンを含有させたマスターチップと希釈ポリマーとを混
合したものが用いられるが、マスターチップを製造する
際にポリエステル樹脂の粘度が低下して希釈ポリマーと
の粘度差が生じる結果、フィルムの製膜安定性が低下し
たり、得られるフィルムにフローマーク(樹脂の流れ模
様)が生じて品位が低下するという問題があった。
ステル樹脂に高濃度の酸化チタンを配合したものが用い
られている。しかし、従来の白色フィルムでは白度や隠
蔽性が不充分であり、チタン量をさらに増大させること
が望まれている。しかし、チタン量の増大によって、フ
ィルム表面が硬くなり、また製缶用治具が磨耗するとい
った問題や、削れた金属や酸化チタンがフィルム表面に
付着して、印刷時に印刷ぬけが発生したり、鋼板との熱
ラミネート性が悪くなったりするという問題がクローズ
アップされている。また、白色フィルムを製造する際の
ポリエステル樹脂原料としては、通常、高濃度の酸化チ
タンを含有させたマスターチップと希釈ポリマーとを混
合したものが用いられるが、マスターチップを製造する
際にポリエステル樹脂の粘度が低下して希釈ポリマーと
の粘度差が生じる結果、フィルムの製膜安定性が低下し
たり、得られるフィルムにフローマーク(樹脂の流れ模
様)が生じて品位が低下するという問題があった。
【0006】従来の金属ラミネート用白色フィルムとし
ては、例えば、缶の成形加工性を改良するために共重合
ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平5−
170942に開示されている。また、共重合ポリエス
テルに純度95%以上のルチル型酸化チタンを混合した
ものが特開平5−339391に開示されている。ま
た、缶の加工性と耐衝撃性とを向上するために、高濃度
の酸化チタンのマスターチップと粘度分布の広い希釈ポ
リマーとを混合したものが特開平6−271686に開
示されている。また耐衝撃性を向上させるために酸化チ
タンのマスターチップに高粘度の希釈ポリマーを混合し
たものが特開平6−49234に開示されている。ま
た、顔料濃度の異なる2種類の共重合ポリエステルを積
層させた積層ポリエステルフィルムが特開平6−399
80と特開平7−52351に開示されている。上記の
ように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層
又は複層のフィルムが種々提案されているが、白度の向
上と製缶治具の磨耗性を改善し、しかも、フローマーク
のない優れた品質を有する等の特性を同時に満足するフ
ィルムはなかった。
ては、例えば、缶の成形加工性を改良するために共重合
ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平5−
170942に開示されている。また、共重合ポリエス
テルに純度95%以上のルチル型酸化チタンを混合した
ものが特開平5−339391に開示されている。ま
た、缶の加工性と耐衝撃性とを向上するために、高濃度
の酸化チタンのマスターチップと粘度分布の広い希釈ポ
リマーとを混合したものが特開平6−271686に開
示されている。また耐衝撃性を向上させるために酸化チ
タンのマスターチップに高粘度の希釈ポリマーを混合し
たものが特開平6−49234に開示されている。ま
た、顔料濃度の異なる2種類の共重合ポリエステルを積
層させた積層ポリエステルフィルムが特開平6−399
80と特開平7−52351に開示されている。上記の
ように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層
又は複層のフィルムが種々提案されているが、白度の向
上と製缶治具の磨耗性を改善し、しかも、フローマーク
のない優れた品質を有する等の特性を同時に満足するフ
ィルムはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた熱接
着性(熱ラミネート性)、成形性及び強度を有し、隠蔽
性、白度に優れ、金属缶製缶時に治具が傷つきにくく、
さらには、フローマークのない優れた品質を有する金属
ラミネート用白色フィルムを提供しようとするものであ
る。
着性(熱ラミネート性)、成形性及び強度を有し、隠蔽
性、白度に優れ、金属缶製缶時に治具が傷つきにくく、
さらには、フローマークのない優れた品質を有する金属
ラミネート用白色フィルムを提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の化
学構造のポリエステルを原料として用い、内層Bと両外
側の層Sとでフィルムを3層構造に構成し、しかも酸化
チタンの配合量を内層Bに偏在化させ、かつ内層Bと両
外層Sのポリエステルの極限粘度の差を一定の範囲とす
ることにより、上記課題が解決できることを見いだし、
本発明に到達した。
学構造のポリエステルを原料として用い、内層Bと両外
側の層Sとでフィルムを3層構造に構成し、しかも酸化
チタンの配合量を内層Bに偏在化させ、かつ内層Bと両
外層Sのポリエステルの極限粘度の差を一定の範囲とす
ることにより、上記課題が解決できることを見いだし、
本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。エチレンテレフタレート単位100〜75モル%と
エチレンイソフタレート単位0〜25モル%とからなる
ポリエステルに酸化チタンが20〜60重量%配合され
た組成物からなるB層と、エチレンテレフタレート単位
94〜70モル%とエチレンイソフタレート単位5〜2
5モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位1〜
5モル%からなるポリエステルに酸化チタンが20重量
%以下配合された組成物からなるS層とが、S/B/S
の構成で積層された二軸延伸フィルムであって、フィル
ム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%であり、か
つ、S層とB層のポリエステルの極限粘度の差が0.2
以下である金属ラミネート用白色フィルム。
る。エチレンテレフタレート単位100〜75モル%と
エチレンイソフタレート単位0〜25モル%とからなる
ポリエステルに酸化チタンが20〜60重量%配合され
た組成物からなるB層と、エチレンテレフタレート単位
94〜70モル%とエチレンイソフタレート単位5〜2
5モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位1〜
5モル%からなるポリエステルに酸化チタンが20重量
%以下配合された組成物からなるS層とが、S/B/S
の構成で積層された二軸延伸フィルムであって、フィル
ム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%であり、か
つ、S層とB層のポリエステルの極限粘度の差が0.2
以下である金属ラミネート用白色フィルム。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明におけるポリエステルフィルムは、酸化チタ
ン濃度の高い中間層(B)と、その両側に酸化チタン濃
度の低い層(S)とからなり、S層はエチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなり、B層はエチレンテレフタ
レート単位100〜75モル%とエチレンイソフタレー
ト単位0〜25モル%からなるものである。
る。本発明におけるポリエステルフィルムは、酸化チタ
ン濃度の高い中間層(B)と、その両側に酸化チタン濃
度の低い層(S)とからなり、S層はエチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなり、B層はエチレンテレフタ
レート単位100〜75モル%とエチレンイソフタレー
ト単位0〜25モル%からなるものである。
【0011】S層におけるエチレンイソフタレート単位
の割合は、5〜25モル%、好ましくは8〜15モル%
である。5モル%未満の場合には、フィルムと金属板と
の熱ラミネート性や、ラミネートされた金属板から缶へ
の加工性に劣る。25モル%を超えると、製缶工程後の
ヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じ
るうえに、材料の結晶性がなくなって、樹脂ペレットの
充分な乾燥が困難となり製膜工程上のトラブルが生じた
り、フィルムが非晶性になり、フィルムの強度や耐熱性
が不足したり、フィルムがラミネートされた金属板が製
缶工程で熱ロールに巻き付いたりする。
の割合は、5〜25モル%、好ましくは8〜15モル%
である。5モル%未満の場合には、フィルムと金属板と
の熱ラミネート性や、ラミネートされた金属板から缶へ
の加工性に劣る。25モル%を超えると、製缶工程後の
ヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に問題が生じ
るうえに、材料の結晶性がなくなって、樹脂ペレットの
充分な乾燥が困難となり製膜工程上のトラブルが生じた
り、フィルムが非晶性になり、フィルムの強度や耐熱性
が不足したり、フィルムがラミネートされた金属板が製
缶工程で熱ロールに巻き付いたりする。
【0012】また、S層のジエチレンテレ(イソ)フタ
レート単位の割合は1〜5モル%、好ましくは、2〜4
モル%である。ジエチレンテレ(イソ)フタレート単位
を上記の範囲内においてポリエステル構成成分として導
入することにより、エチレンイソフタレート単位による
非晶性付与効果とエチレンテレフタレート単位の結晶性
とのバランスを調整することができ、フィルムと金属と
の熱ラミネート性、缶への加工性、強度、耐熱性に優れ
たフィルムが得られる。
レート単位の割合は1〜5モル%、好ましくは、2〜4
モル%である。ジエチレンテレ(イソ)フタレート単位
を上記の範囲内においてポリエステル構成成分として導
入することにより、エチレンイソフタレート単位による
非晶性付与効果とエチレンテレフタレート単位の結晶性
とのバランスを調整することができ、フィルムと金属と
の熱ラミネート性、缶への加工性、強度、耐熱性に優れ
たフィルムが得られる。
【0013】また、S層におけるエチレンテレフタレー
ト単位とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位との合
計は、6〜25モル%の範囲であることが、強度、耐熱
性及び熱ラミネート性の点で好ましい。6モル%未満の
場合は、ポリエステルフィルムと金属との熱ラミネート
性や、ラミネートされた金属板から缶への加工性に劣
る。25モル%より多いと、結晶性がなくなって、ペレ
ットの充分な乾燥が困難となる。また、フィルムの強度
や耐熱性が不足したり、フィルムが非晶性になって、フ
ィルムをラミネートした金属板が製缶工程で熱ロールに
巻き付いたりする。
ト単位とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位との合
計は、6〜25モル%の範囲であることが、強度、耐熱
性及び熱ラミネート性の点で好ましい。6モル%未満の
場合は、ポリエステルフィルムと金属との熱ラミネート
性や、ラミネートされた金属板から缶への加工性に劣
る。25モル%より多いと、結晶性がなくなって、ペレ
ットの充分な乾燥が困難となる。また、フィルムの強度
や耐熱性が不足したり、フィルムが非晶性になって、フ
ィルムをラミネートした金属板が製缶工程で熱ロールに
巻き付いたりする。
【0014】また、B層のポリエステルにはジエチレン
テレ(イソ)フタレートを5モル%以下、好ましくは1
〜4モル%共重合することによりフィルムの結晶性のバ
ランスを調整することができる。
テレ(イソ)フタレートを5モル%以下、好ましくは1
〜4モル%共重合することによりフィルムの結晶性のバ
ランスを調整することができる。
【0015】本発明において、使用されるポリエステル
は、本発明において規定する各構成成分比を満足する限
り、単一の共重合ポリエステルでもよいし、またポリエ
チレンテレフタレートと共重合ポリエステルの混合物、
あるいは2種以上の共重合ポリエステルを溶融混合した
ものであってもよい。
は、本発明において規定する各構成成分比を満足する限
り、単一の共重合ポリエステルでもよいし、またポリエ
チレンテレフタレートと共重合ポリエステルの混合物、
あるいは2種以上の共重合ポリエステルを溶融混合した
ものであってもよい。
【0016】S層及びB層のポリエステル原料は、極限
粘度が0.5以上、好ましくは0.6〜1.2である。
極限粘度が0.5未満のポリエステルを用いると、フィ
ルム製造時の操業性が悪化し、また得られるフィルムの
強度が不足する。しかし、極限粘度があまり大きいと、
生産コストが上昇し好ましくない。
粘度が0.5以上、好ましくは0.6〜1.2である。
極限粘度が0.5未満のポリエステルを用いると、フィ
ルム製造時の操業性が悪化し、また得られるフィルムの
強度が不足する。しかし、極限粘度があまり大きいと、
生産コストが上昇し好ましくない。
【0017】本発明においては、S層とB層のポリエス
テルの極限粘度の差は、0.2以下、好ましくは0.1
以下とすることが必要である。この場合、S層とB層の
ポリエステルのいずれの極限粘度が他方の極限粘度より
も高くてもよい。極限粘度の差が0.2を超えると、製
膜時にフィルムにフローマークが入り、得られるフィル
ムの品位が低下する。フローマークとは、粘度の異なる
2種以上の樹脂がフィードブロックやTダイで合流する
場合に発生する一種の樹脂の流動変動、すなわち樹脂の
流れ模様のことをいう。
テルの極限粘度の差は、0.2以下、好ましくは0.1
以下とすることが必要である。この場合、S層とB層の
ポリエステルのいずれの極限粘度が他方の極限粘度より
も高くてもよい。極限粘度の差が0.2を超えると、製
膜時にフィルムにフローマークが入り、得られるフィル
ムの品位が低下する。フローマークとは、粘度の異なる
2種以上の樹脂がフィードブロックやTダイで合流する
場合に発生する一種の樹脂の流動変動、すなわち樹脂の
流れ模様のことをいう。
【0018】本発明で用いられるポリエステルは、結晶
性の場合には融点が200〜240℃、非晶性の場合に
はガラス転移温度が50〜85℃のものが好ましい。こ
れらの範囲を外れると、耐熱性が不足したり、熱ラミネ
ート性が低下したりする。
性の場合には融点が200〜240℃、非晶性の場合に
はガラス転移温度が50〜85℃のものが好ましい。こ
れらの範囲を外れると、耐熱性が不足したり、熱ラミネ
ート性が低下したりする。
【0019】S層及びB層を構成するポリエステルは、
上記条件を満足する範囲で任意の組み合わせが可能であ
る。その中で、S層のポリエステルの融点(非晶性の場
合はガラス転移温度)がB層のポリエステルのそれと同
じか、それより低いことが特に好ましい態様である。こ
れにより、フィルムの強度、耐熱性、熱ラミネート性を
良好にバランスさせることが可能となる。
上記条件を満足する範囲で任意の組み合わせが可能であ
る。その中で、S層のポリエステルの融点(非晶性の場
合はガラス転移温度)がB層のポリエステルのそれと同
じか、それより低いことが特に好ましい態様である。こ
れにより、フィルムの強度、耐熱性、熱ラミネート性を
良好にバランスさせることが可能となる。
【0020】本発明で用いられるポリエステルは、その
特性を損なわない範囲(通常5モル%以下)で、イソフ
タル酸及びジエチレングリコール以外の、別の成分をさ
らに共重合したものであってもよい。この共重合成分の
具体例としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサ
コン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン
酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳
酸などのオキシカルボン酸があげられる。また、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフ
ェノールSのエチレンオキシド付加体等のグリコール等
があげられる。さらに、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量
用いてもよい。
特性を損なわない範囲(通常5モル%以下)で、イソフ
タル酸及びジエチレングリコール以外の、別の成分をさ
らに共重合したものであってもよい。この共重合成分の
具体例としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサ
コン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン
酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳
酸などのオキシカルボン酸があげられる。また、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフ
ェノールSのエチレンオキシド付加体等のグリコール等
があげられる。さらに、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量
用いてもよい。
【0021】本発明のフィルムにおける酸化チタンの含
有量は、全フィルム中の平均濃度として20〜50重量
%、好ましくは25〜45重量%、最適には25〜40
重量%である。この含有量が20重量%未満であると、
フィルムの白度及び隠蔽性が不足する。50重量%を超
えると、本発明のような特定の三層構造を有するフィル
ムであってもフィルムの強度が低下してしまい、ラミネ
ート後のフィルムの成形性が劣る。
有量は、全フィルム中の平均濃度として20〜50重量
%、好ましくは25〜45重量%、最適には25〜40
重量%である。この含有量が20重量%未満であると、
フィルムの白度及び隠蔽性が不足する。50重量%を超
えると、本発明のような特定の三層構造を有するフィル
ムであってもフィルムの強度が低下してしまい、ラミネ
ート後のフィルムの成形性が劣る。
【0022】B層の酸化チタンの含有量は、20〜60
重量%、好ましくは40〜60重量%である。酸化チタ
ンの配合量が20重量%未満であるとフィルムの白度、
隠蔽性が不足する。酸化チタンの配合量が高い程フィル
ムの白度、隠蔽性は優れるが、60重量%を超えるとフ
ィルムの強度が低下し、ラミネート後のフィルムの成形
性に問題が生じる。
重量%、好ましくは40〜60重量%である。酸化チタ
ンの配合量が20重量%未満であるとフィルムの白度、
隠蔽性が不足する。酸化チタンの配合量が高い程フィル
ムの白度、隠蔽性は優れるが、60重量%を超えるとフ
ィルムの強度が低下し、ラミネート後のフィルムの成形
性に問題が生じる。
【0023】S層の酸化チタンの含有量は、20重量%
以下、好ましくは10重量%以下、最適には5重量%以
下である。この配合量が20重量%を超えると、金属板
へのラミネート時、もしくはフィルムがラミネートされ
た金属板の製缶時に、治具の磨耗が発生して、製造プロ
セスに多大な悪影響を与えたり、磨耗した金属や酸化チ
タンが缶加工時にフィルム表面に付着して印刷性に問題
が発生したりすることがある。また、S層には酸化チタ
ンを含有させなくてもよいが、1〜4重量%程度の若干
量を含有させることにより、フィルム表面の光沢を調整
することができるのでより好ましい態様である。
以下、好ましくは10重量%以下、最適には5重量%以
下である。この配合量が20重量%を超えると、金属板
へのラミネート時、もしくはフィルムがラミネートされ
た金属板の製缶時に、治具の磨耗が発生して、製造プロ
セスに多大な悪影響を与えたり、磨耗した金属や酸化チ
タンが缶加工時にフィルム表面に付着して印刷性に問題
が発生したりすることがある。また、S層には酸化チタ
ンを含有させなくてもよいが、1〜4重量%程度の若干
量を含有させることにより、フィルム表面の光沢を調整
することができるのでより好ましい態様である。
【0024】本発明において、酸化チタンは必要に応じ
て公知の任意の表面処理を施して用いることができる。
また、酸化チタンの平均粒径は 0.1〜0.5 μm、好まし
くは 0.2〜0.5 μmであることが望ましい。平均粒径が
0.5 μmを超えると、酸化チタンの単位重量あたりの全
表面積が少なくなり、フィルムの隠蔽性や白度が不足し
たり、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が
低くなり好ましくない。平均粒径が 0.1μm未満の場合
は、可視光の波長より小さくなり、可視光線がフィルム
を通過するおそれがあり、フィルムの隠蔽性や白度が不
足するので好ましくない。
て公知の任意の表面処理を施して用いることができる。
また、酸化チタンの平均粒径は 0.1〜0.5 μm、好まし
くは 0.2〜0.5 μmであることが望ましい。平均粒径が
0.5 μmを超えると、酸化チタンの単位重量あたりの全
表面積が少なくなり、フィルムの隠蔽性や白度が不足し
たり、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が
低くなり好ましくない。平均粒径が 0.1μm未満の場合
は、可視光の波長より小さくなり、可視光線がフィルム
を通過するおそれがあり、フィルムの隠蔽性や白度が不
足するので好ましくない。
【0025】本発明のフィルムには、S層中に平均粒子
径0.25〜2.0μm の滑剤を0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.05〜0.1重量%含有させること
により、フィルムの滑り性や缶の絞り加工性を向上させ
ることができる。
径0.25〜2.0μm の滑剤を0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.05〜0.1重量%含有させること
により、フィルムの滑り性や缶の絞り加工性を向上させ
ることができる。
【0026】また、本発明のフィルムの B層の厚みは
5〜20μm 、好ましくは、10〜15μm であり、S
層の厚みは各0.5〜5μm 、好ましくは各1〜3μm
であり、全厚みは9〜25μm 、さらに好ましくは12
〜17μm である。B層の厚みが5μm 未満の場合、フ
ィルムの白度と隠蔽性が不足しやすく、また20μm を
超えると、過剰品質となってコストパフォーマンスを失
する恐れがある。また、S層の厚みが0.5μm 未満の
場合は、製缶時に治具の磨耗を生じたり、印刷性が低下
する場合がある。一方、5μm を超えると、フィルムの
機械特性は向上するが、フィルム厚みの割に白度や隠蔽
性は向上せず、また缶の成形時にS層とB層間の界面で
剥離現象が起こり易くなる。
5〜20μm 、好ましくは、10〜15μm であり、S
層の厚みは各0.5〜5μm 、好ましくは各1〜3μm
であり、全厚みは9〜25μm 、さらに好ましくは12
〜17μm である。B層の厚みが5μm 未満の場合、フ
ィルムの白度と隠蔽性が不足しやすく、また20μm を
超えると、過剰品質となってコストパフォーマンスを失
する恐れがある。また、S層の厚みが0.5μm 未満の
場合は、製缶時に治具の磨耗を生じたり、印刷性が低下
する場合がある。一方、5μm を超えると、フィルムの
機械特性は向上するが、フィルム厚みの割に白度や隠蔽
性は向上せず、また缶の成形時にS層とB層間の界面で
剥離現象が起こり易くなる。
【0027】本発明のフィルムを形成するためのポリエ
ステルは、常法によって製造することができる。例えば
イソフタル酸成分とジエチレングリコールとが共重合さ
れたポリエチレンテレフタレート系共重合体は、次のよ
うにして製造することができる。まず、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体
の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレング
リコールとのスラリーを連続的に供給し、250℃程度
の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95
%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に
移送し、必要量のイソフタル酸又はそのエチレングリコ
ールエステルとジエチレングリコールとを添加する。そ
して、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の触媒
の存在下、1.3hPa以下の減圧下で280℃程度の
温度で重縮合反応を行う。
ステルは、常法によって製造することができる。例えば
イソフタル酸成分とジエチレングリコールとが共重合さ
れたポリエチレンテレフタレート系共重合体は、次のよ
うにして製造することができる。まず、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体
の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレング
リコールとのスラリーを連続的に供給し、250℃程度
の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95
%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に
移送し、必要量のイソフタル酸又はそのエチレングリコ
ールエステルとジエチレングリコールとを添加する。そ
して、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の触媒
の存在下、1.3hPa以下の減圧下で280℃程度の
温度で重縮合反応を行う。
【0028】このようにして得られるポリエステルは、
オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有して
いるので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは
不活性ガス流通下、200〜240℃の温度(ポリエス
テルの融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要
に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供す
ることが好ましい。
オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有して
いるので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは
不活性ガス流通下、200〜240℃の温度(ポリエス
テルの融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要
に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供す
ることが好ましい。
【0029】本発明のフィルムは、各層を構成する2種
の樹脂組成物を別々の押出機を用いて溶融し、フィード
ブロック法により重ね合わせてダイスより押し出す方
法、溶融した2種の樹脂組成物をマルチマニホールドダ
イス中で重ね合わせて押し出す方法、及び前記方法を組
み合わせた方法等を用いて未延伸シートを製造し、次に
テンター式二軸延伸法あるいはインフレーション法を用
いて延伸することにより得ることができる。また、各層
を構成する2種の延伸フィルムを貼り合わせる方法を用
いることもできる。
の樹脂組成物を別々の押出機を用いて溶融し、フィード
ブロック法により重ね合わせてダイスより押し出す方
法、溶融した2種の樹脂組成物をマルチマニホールドダ
イス中で重ね合わせて押し出す方法、及び前記方法を組
み合わせた方法等を用いて未延伸シートを製造し、次に
テンター式二軸延伸法あるいはインフレーション法を用
いて延伸することにより得ることができる。また、各層
を構成する2種の延伸フィルムを貼り合わせる方法を用
いることもできる。
【0030】テンター式二軸延伸法を用いる場合には、
たとえば、S層及びB層を構成する酸化チタンが配合さ
れた2種のポリエステル組成物を溶融押出機に供給し、
220〜280℃の温度でシート状に押し出し、この押
し出されたシートを室温以下に温度調節した冷却ドラム
上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートを必要に
応じてMDに1〜1.2倍程度の予備延伸し、その後に
テンターにより50〜150℃の温度でMD及びTDに
それぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるように二軸延伸
し、さらに、TDの弛緩率を数%として、80〜220
℃で数秒間熱処理を施すことによって、本発明のフィル
ムを製造することができる。
たとえば、S層及びB層を構成する酸化チタンが配合さ
れた2種のポリエステル組成物を溶融押出機に供給し、
220〜280℃の温度でシート状に押し出し、この押
し出されたシートを室温以下に温度調節した冷却ドラム
上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートを必要に
応じてMDに1〜1.2倍程度の予備延伸し、その後に
テンターにより50〜150℃の温度でMD及びTDに
それぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるように二軸延伸
し、さらに、TDの弛緩率を数%として、80〜220
℃で数秒間熱処理を施すことによって、本発明のフィル
ムを製造することができる。
【0031】テンターによる二軸延伸方法としては、同
時二軸延伸法や逐次二軸延伸法を用いることができる
が、本発明における酸化チタンが高充填されている延伸
フィルムを製造する場合には、延伸時にフィルムが破断
しやすい。しかし、同時二軸延伸法を用いることにより
破断の発生を著しく低減することができるので、同時二
軸延伸法が最も好ましい製法である。
時二軸延伸法や逐次二軸延伸法を用いることができる
が、本発明における酸化チタンが高充填されている延伸
フィルムを製造する場合には、延伸時にフィルムが破断
しやすい。しかし、同時二軸延伸法を用いることにより
破断の発生を著しく低減することができるので、同時二
軸延伸法が最も好ましい製法である。
【0032】延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を
小さくするために必要な工程である。この熱処理の方法
としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方
法、マイクロ波を照射する方法等の公知の方法がある。
このうち、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹
き付ける方法が最適である。
小さくするために必要な工程である。この熱処理の方法
としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方
法、マイクロ波を照射する方法等の公知の方法がある。
このうち、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹
き付ける方法が最適である。
【0033】フィルム製造時や製缶時の工程通過性をよ
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を少量添加して製膜してフィルム表面にスリップ性を付
与することが望ましい。さらに、フィルム外観や印刷性
を向上させるため、たとえば、フィルムにシリコーン化
合物等を含有させることもできる。また、金属とのラミ
ネート性を向上させたり、強度をさらに高めるために、
フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィ
ルム製造後のポストコーティングにより、接着層等の任
意のコーティング層を形成させてもよい。
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を少量添加して製膜してフィルム表面にスリップ性を付
与することが望ましい。さらに、フィルム外観や印刷性
を向上させるため、たとえば、フィルムにシリコーン化
合物等を含有させることもできる。また、金属とのラミ
ネート性を向上させたり、強度をさらに高めるために、
フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィ
ルム製造後のポストコーティングにより、接着層等の任
意のコーティング層を形成させてもよい。
【0034】本発明のフィルムをラミネートする金属板
が鋼板の場合は、クロム酸処理、リン酸処理、電解クロ
ム酸処理、クロメート処理等の化成処理や、ニッケル、
スズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、その他の各種メッキ
処理などを施した鋼板を好ましく用いることができる。
が鋼板の場合は、クロム酸処理、リン酸処理、電解クロ
ム酸処理、クロメート処理等の化成処理や、ニッケル、
スズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、その他の各種メッキ
処理などを施した鋼板を好ましく用いることができる。
【0035】次に実施例によって本発明を具体的に説明
する。以下の実施例及び比較例におけるフィルムの特性
値の測定法は、次の通りである。
する。以下の実施例及び比較例におけるフィルムの特性
値の測定法は、次の通りである。
【0036】A.フィルムの極限粘度(IV) フェノール/四塩化エタン等重量混合物中、濃度0.5 g
/dl、温度20℃で測定した溶液粘度から求めた。延
伸フィルムを平滑な厚手のガラス板の上に固定し、#8
00のサンドペーパーで外層を除去し、内層のIV値を
測定する。次に、全層のIV値を測定し、下記式より外
層のIV値を計算した。 (T1 /T3 )×外層IV+(T 2/T3 )×内層IV
=全層IV ただし、T1 は外層の厚み、T 2は内層の厚み、T3 は
全層の厚みである。 B.フィルム厚み 延伸フィルムから、ミクロトームを用いて薄切片を採取
し、電子顕微鏡を使用してこの薄切片の各層の厚みを測
定した。 C.白色度 JIS L 1015 7.11 白色度のC法(ハンターの方法)によ
り測定した。 D.熱ラミネート性 240℃に加熱した金属ロールとシリコンゴムロールの
間に、試料フィルムとティンフリースチール板とを重ね
合わせ、線圧10kgf/cm2 で加熱接着し、水冷した後、
島津製作所社製オートグラフを用い、25mm幅の試験片
で剥離速度10mm/minの条件で180°剥離テストを行
い、剥離強力を測定した。剥離強力が300gf以上の
場合を合格(○)、剥離強力が300gf未満の場合を
不合格(×)とした。 E.光学密度 厚さ13μm のフィルムについて、Macbeth社製透過濃
度計TD932を使用し、透過ノズル径を3mmとし、入
射光量Iを求め、透過濃度Dを次式で算出し、これを光
学密度とした。 D=−log(I0/I) F.引張強度 ASTM D882に規定される測定方法に準じて、幅
10mm、長さ10cmの試料(n=5枚)で測定した。な
お、データはMDとTDの平均値で示した。 G.製缶用治具の摩耗性(耐傷性) 製缶時の傷の発生状況によって評価した。100缶を成
形し、その際に深絞り成形に使用する治具に発生する傷
の有無を観察し、傷が認められない場合を○、傷が微か
でも認められれば×とした。 H.熱収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を、約0.4g の荷重で1
50℃雰囲気下に30分間放置し、放置前後の寸法変化
を測定し、原長に対する放置後の長さの百分率で求め
た。なお測定は、MD方向3枚とTD方向3枚について
行い、その平均値を示した。
/dl、温度20℃で測定した溶液粘度から求めた。延
伸フィルムを平滑な厚手のガラス板の上に固定し、#8
00のサンドペーパーで外層を除去し、内層のIV値を
測定する。次に、全層のIV値を測定し、下記式より外
層のIV値を計算した。 (T1 /T3 )×外層IV+(T 2/T3 )×内層IV
=全層IV ただし、T1 は外層の厚み、T 2は内層の厚み、T3 は
全層の厚みである。 B.フィルム厚み 延伸フィルムから、ミクロトームを用いて薄切片を採取
し、電子顕微鏡を使用してこの薄切片の各層の厚みを測
定した。 C.白色度 JIS L 1015 7.11 白色度のC法(ハンターの方法)によ
り測定した。 D.熱ラミネート性 240℃に加熱した金属ロールとシリコンゴムロールの
間に、試料フィルムとティンフリースチール板とを重ね
合わせ、線圧10kgf/cm2 で加熱接着し、水冷した後、
島津製作所社製オートグラフを用い、25mm幅の試験片
で剥離速度10mm/minの条件で180°剥離テストを行
い、剥離強力を測定した。剥離強力が300gf以上の
場合を合格(○)、剥離強力が300gf未満の場合を
不合格(×)とした。 E.光学密度 厚さ13μm のフィルムについて、Macbeth社製透過濃
度計TD932を使用し、透過ノズル径を3mmとし、入
射光量Iを求め、透過濃度Dを次式で算出し、これを光
学密度とした。 D=−log(I0/I) F.引張強度 ASTM D882に規定される測定方法に準じて、幅
10mm、長さ10cmの試料(n=5枚)で測定した。な
お、データはMDとTDの平均値で示した。 G.製缶用治具の摩耗性(耐傷性) 製缶時の傷の発生状況によって評価した。100缶を成
形し、その際に深絞り成形に使用する治具に発生する傷
の有無を観察し、傷が認められない場合を○、傷が微か
でも認められれば×とした。 H.熱収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を、約0.4g の荷重で1
50℃雰囲気下に30分間放置し、放置前後の寸法変化
を測定し、原長に対する放置後の長さの百分率で求め
た。なお測定は、MD方向3枚とTD方向3枚について
行い、その平均値を示した。
【0037】実施例1〜5及び比較例1〜2 表1に示したS層を構成するポリエステル樹脂組成物を
押出機1より温度280℃で溶融押出し、同様にB層を
構成するポリエステル樹脂組成物を押出機2より温度2
80℃で溶融押出した。溶融した2種の樹脂をマルチマ
ニホールドダイス中で重ね合わせて表1に示した厚さ構
成のS/B/Sの3層構造とし、Tダイからシート状に
押し出し、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて冷
却し、厚さ130μm、150μmの未延伸シートを得
た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機
に供給し、温度90℃、延伸倍率をMD3.0、TD
3.3として同時二軸延伸した後、TDの弛緩率を5%
として、温度155℃で4秒間の熱処理を施した後、冷
却して巻き取り、厚さ13μm、15μmの白色複層フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性値等を表1に示
す。なお、表1において、IPAはイソフタル酸、DE
Gはジエチレングリコールを表す。
押出機1より温度280℃で溶融押出し、同様にB層を
構成するポリエステル樹脂組成物を押出機2より温度2
80℃で溶融押出した。溶融した2種の樹脂をマルチマ
ニホールドダイス中で重ね合わせて表1に示した厚さ構
成のS/B/Sの3層構造とし、Tダイからシート状に
押し出し、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて冷
却し、厚さ130μm、150μmの未延伸シートを得
た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機
に供給し、温度90℃、延伸倍率をMD3.0、TD
3.3として同時二軸延伸した後、TDの弛緩率を5%
として、温度155℃で4秒間の熱処理を施した後、冷
却して巻き取り、厚さ13μm、15μmの白色複層フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性値等を表1に示
す。なお、表1において、IPAはイソフタル酸、DE
Gはジエチレングリコールを表す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、優れた熱接着性(熱ラ
ミネート性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に
優れ、金属缶製缶時に治具が傷つきにくく、さらには、
フローマークのない優れた品質を有する金属ラミネート
用白色フィルムが提供される。
ミネート性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に
優れ、金属缶製缶時に治具が傷つきにくく、さらには、
フローマークのない優れた品質を有する金属ラミネート
用白色フィルムが提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位100〜7
5モル%とエチレンイソフタレート単位0〜25モル%
とからなるポリエステルに酸化チタンが20〜60重量
%配合された組成物からなるB層と、エチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなるポリエステルに酸化チタン
が20重量%以下配合された組成物からなるS層とが、
S/B/Sの構成で積層された二軸延伸フィルムであっ
て、フィルム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%
であり、かつ、S層とB層のポリエステルの極限粘度の
差が0.2以下である金属ラミネート用白色フィルム。 - 【請求項2】 B層中の酸化チタンが40〜60重量
%、S層中の酸化チタンが5重量%以下である請求項1
記載の金属ラミネート用白色フィルム。 - 【請求項3】 B層中にジエチレンテレ(イソ)フタレ
ート単位が1〜4モル%含有されている請求項1〜2の
いずれかに記載の金属ラミネート用白色フィルム。 - 【請求項4】 B層のフィルム厚みが5〜20μm 、S
層のフィルム厚みが0.5〜5μm 、フィルムの全厚み
が9〜25μm である請求項1〜3のいずれかに記載の
金属ラミネート用白色フィルム。 - 【請求項5】 同時二軸延伸方法により製造された請求
項1〜4のいずれかに記載の金属ラミネート用白色フィ
ルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1101098A JPH11207908A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属ラミネート用白色フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1101098A JPH11207908A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属ラミネート用白色フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11207908A true JPH11207908A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11766164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1101098A Pending JPH11207908A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属ラミネート用白色フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11207908A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1690677A4 (en) * | 2003-11-17 | 2009-09-09 | Toyo Kohan Co Ltd | MULTILAYER RESIN FOIL, RESIN-COATED METAL PLATE, METHOD FOR PRODUCING A MULTILAYER RESIN FOIL, AND METHOD FOR PRODUCING RESIN-COATED PLATE |
JP2015214046A (ja) * | 2014-05-08 | 2015-12-03 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
JP2017105173A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-15 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP1101098A patent/JPH11207908A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1690677A4 (en) * | 2003-11-17 | 2009-09-09 | Toyo Kohan Co Ltd | MULTILAYER RESIN FOIL, RESIN-COATED METAL PLATE, METHOD FOR PRODUCING A MULTILAYER RESIN FOIL, AND METHOD FOR PRODUCING RESIN-COATED PLATE |
JP2015214046A (ja) * | 2014-05-08 | 2015-12-03 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
JP2017105173A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-15 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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