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JPH11144996A - 積層コンデンサ - Google Patents

積層コンデンサ

Info

Publication number
JPH11144996A
JPH11144996A JP9306717A JP30671797A JPH11144996A JP H11144996 A JPH11144996 A JP H11144996A JP 9306717 A JP9306717 A JP 9306717A JP 30671797 A JP30671797 A JP 30671797A JP H11144996 A JPH11144996 A JP H11144996A
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JP
Japan
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external terminal
electrodes
electrode
extraction
side surfaces
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Application number
JP9306717A
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JP2991175B2 (ja
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Yasuyuki Naito
康行 内藤
Masaaki Taniguchi
政明 谷口
Takakazu Kuroda
誉一 黒田
Takanori Kondo
隆則 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17960457&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH11144996(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
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Priority to TW087103544A priority patent/TW355805B/zh
Priority to DE69830885T priority patent/DE69830885T2/de
Priority to DE69842131T priority patent/DE69842131D1/de
Priority to DE1085539T priority patent/DE1085539T1/de
Priority to DE69842195T priority patent/DE69842195D1/de
Priority to EP00117183A priority patent/EP1085539B1/en
Priority to EP00117182A priority patent/EP1087411B1/en
Priority to EP98104606A priority patent/EP0915488B1/en
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Priority to DE0915488T priority patent/DE915488T1/de
Priority to DE1087411T priority patent/DE1087411T1/de
Publication of JPH11144996A publication Critical patent/JPH11144996A/ja
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Priority to US09/415,539 priority patent/US6226169B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層コンデンサの等価直列インダクタンスを
低減する。 【解決手段】 内部電極40,41の各々の引出電極4
2〜47,54〜59を、それぞれ、コンデンサ本体3
8の4つの側面34〜37上にまで引き出し、これら引
出電極42〜47,54〜59の各々に電気的に接続さ
れる外部端子電極48〜53,60〜65を、それぞ
れ、4つの側面34〜37上に設ける。このとき、異な
る内部電極に接続される外部端子電極が交互に隣り合う
ように配置する。このようにして、内部電極40,41
を流れる電流は種々の方向に向けられ、それによって、
電流に関連して発生する磁束が相殺され、等価直列イン
ダクタンスが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層コンデンサ
に関するもので、特に、高周波回路において有利に適用
され得る積層コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味ある従来の積層コ
ンデンサとして、たとえば特開平2−256216号公
報に記載されたものがある。ここでは、図15ないし図
17に示すような積層コンデンサ1が開示されている。
図15は、積層コンデンサ1の外観を示す平面図であ
り、図16は、積層コンデンサ1の内部構造を第1の断
面をもって示す平面図であり、図17は、積層コンデン
サ1の内部構造を第1の断面とは異なる第2の断面をも
って示す平面図である。
【0003】積層コンデンサ1は、図15にその外観を
示すように、相対向する2つの主面2および3ならびに
これら主面2および3間を連結する4つの側面4、5、
6および7を有する直方体状のコンデンサ本体8を備え
ている。コンデンサ本体8は、主面2および3の方向に
延びる、たとえばセラミック誘電体からなる複数の誘電
体層9、ならびにコンデンサユニットを形成するように
特定の誘電体層9を介して互いに対向する少なくとも1
対の第1および第2の内部電極10および11を備えて
いる。
【0004】第1の内部電極10が図16に示されてい
るように、図16は、第1の内部電極10が通る断面を
示している。また、第2の内部電極11が図17に示さ
れているように、図17は、第2の内部電極11が通る
断面を示している。この積層コンデンサ1は、高周波域
での使用に適するように、等価直列インダクタンス(E
SL)の低減化が図られている。
【0005】そのため、第1の内部電極10は、相対向
する2つの側面4および6の各々上までそれぞれ引き出
される4つの第1の引出電極12、13、14および1
5を形成している。より詳細には、引出電極12および
13は、側面4上にまで引き出され、また、引出電極1
4および15は、側面6上にまで引き出されている。ま
た、上述の第1の引出電極12〜15が引き出された側
面4および6の各々上には、これら第1の引出電極12
〜15に電気的に接続される第1の外部端子電極16、
17、18および19がそれぞれ設けられている。すな
わち、外部端子電極16および17は、側面4上におい
て引出電極12および13にそれぞれ接続され、外部端
子電極18および19は、側面6上において引出電極1
4および15にそれぞれ接続されている。
【0006】他方、第2の内部電極11は、相対向する
2つの側面4および6の各々上までそれぞれ引き出され
る4つの第2の引出電極20、21、22および23を
形成している。より詳細には、引出電極20および21
は、側面4上であって上述した第1の引出電極12およ
び13が引き出された位置とは異なる位置にまで引き出
され、また、引出電極22および23は、側面6上であ
って上述した第1の引出電極14および15が引き出さ
れた位置とは異なる位置にまで引き出されている。
【0007】また、上述の第2の引出電極20〜23が
引き出された側面4および6の各々上には、これら第2
の引出電極20〜23に電気的に接続される第2の外部
端子電極24、25、26および27がそれぞれ設けら
れている。すなわち、外部端子電極24および25は、
前述した第1の外部端子電極16および17が設けられ
た位置とは異なる位置において側面4上で引出電極20
および21にそれぞれ接続され、外部端子電極26およ
び27は、前述した第1の外部端子電極18および19
が設けられた位置とは異なる位置において側面6上で引
出電極22および23にそれぞれ接続されている。
【0008】このようにして、2つの側面4および6上
にあっては、複数の第1の外部端子電極16〜19と複
数の第2の外部端子電極24〜27とが交互に隣り合う
ように配置されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図18には、この積層
コンデンサ1において流れる電流が、図17に相当する
平面図をもって図解的に示されている。図18におい
て、第1の内部電極10が破線で示され、第2の内部電
極11が実線で示され、これらが重ねられた状態で図示
されている。
【0010】図18において、矢印によって電流の典型
的な経路および方向が示されている。これら矢印で示さ
れるように、電流は、図示した状態あるいは時点では、
第2の外部端子電極24〜27の各々から第1の外部端
子電極16〜19の各々に向かって流れているものとす
る。なお、当然のことながら、交流の場合には、逆に流
れる時点もある。
【0011】電流が流れたとき、周知のように、電流の
方向によってその方向が決まる磁束が誘起され、そのた
め自己インダクタンス成分が生じる。図18において、
〇で示した内部電極10および11の中央部28では、
電流は種々の方向へ流れるので、電流によって誘起され
る磁束は相殺されるため、磁束の発生はほとんどない。
【0012】また、外部端子電極16〜19ならびに2
4〜27の各々の近傍では、電流は、第1の外部端子電
極16〜19の各々へ向かい、また、第2の外部端子電
極24〜27の各々から離れる傾向にあるが、略180
度の広がりをもって図18による左方向へ流れる電流と
右方向へ流れる電流とが存在する。そのため、磁束はそ
の大部分が相殺され、その結果、深刻な磁束の発生をも
たらすことはない。
【0013】したがって、図15ないし図17に示した
積層コンデンサ1は、上述した点において、自己インダ
クタンスの発生が抑制され、低ESL化が図られてい
る。しかしながら、いずれの外部端子電極をも位置させ
ていない側面5および7の各々の近傍、すなわち、図1
8においてハッチングを施して示した左右の各端部29
においては、電流はほぼ一定の方向へ流れるため、磁束
の相殺は実質的に生じず、あくまでも自己インダクタン
スの発生および増大をもたらしている。
【0014】したがって、図15ないし図17に示した
積層コンデンサ1において図られた低ESL化のための
対策は、効果の点において、未だ不十分であると言え
る。そこで、この発明の目的は、低ESL化をより効果
的に図り得るように改良された積層コンデンサを提供し
ようとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る積層コン
デンサは、相対向する2つの主面およびこれら主面間を
連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ本体
を備えている。また、このコンデンサ本体は、主面の方
向に延びる複数の誘電体層、およびコンデンサユニット
を形成するように特定の誘電体層を介して互いに対向す
る少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、
これら第1および第2の内部電極は、それぞれ、側面の
いずれか上にまで引き出される引出電極を形成してい
る。
【0016】このような積層コンデンサにおいて、上述
した技術的課題を解決するため、この発明では、次のよ
うに構成される。すなわち、第1および第2の内部電極
の少なくとも一方は、上述の引出電極として、4つの側
面のうち少なくとも3つの側面の各々上にまでそれぞれ
引き出される少なくとも3つの引出電極を形成してお
り、引出電極が引き出された側面の各々上には、引出電
極に電気的に接続される外部端子電極がそれぞれ設けら
れる。
【0017】この発明において、好ましくは、上述の第
1の内部電極は、引出電極として、4つの側面のうち少
なくとも3つの側面の各々上にまでそれぞれ引き出され
る少なくとも3つの第1の引出電極を形成している。そ
して、これら第1の引出電極が引き出された少なくとも
3つの側面の各々上には、外部端子電極として、第1の
引出電極に電気的に接続される第1の外部端子電極がそ
れぞれ設けられる。また、第2の内部電極も、引出電極
として、4つの側面のうち少なくとも3つの側面の各々
上にまでそれぞれ引き出される少なくとも3つの第2の
引出電極を形成している。そして、これら第2の引出電
極が引き出された少なくとも3つの側面の各々上であっ
て第1の外部端子電極が設けられた位置とは異なる位置
には、第2の引出電極に電気的に接続される第2の外部
端子電極がそれぞれ設けられる。
【0018】この発明において、より好ましくは、第1
の内部電極は、4つの側面の各々上にまでそれぞれ引き
出される少なくとも4つの第1の引出電極を形成してお
り、それに伴って、第1の外部端子電極は、第1の引出
電極が引き出された4つの側面の各々上に設けられる。
同様に、第2の内部電極についても、4つの側面の各々
上にまでそれぞれ引き出される少なくとも4つの第2の
引出電極を形成しており、それに伴って、第2の外部端
子電極は、第2の引出電極が引き出された4つの側面の
各々上に設けられることがより好ましい。
【0019】また、好ましくは、すべての第1の外部端
子電極は、当該第1の外部端子電極が設けられた各側面
上において、第2の外部端子電極と隣り合うように配置
される。また、より好ましくは、すべての第1の外部端
子電極とすべての第2の外部端子電極とは、4つの側面
を通して交互に配置される。
【0020】また、第1および第2の外部端子電極の少
なくとも一方によって並列接続された複数のコンデンサ
ユニットを形成するように、第1の内部電極と第2の内
部電極との対向する部分の数は複数とされてもよい。ま
た、第1および第2の内部電極の少なくとも一方の引出
電極は、少なくとも1つの側面上の少なくとも2箇所に
引き出されていてもよい。
【0021】また、この発明に係る積層コンデンサは、
第1および第2の内部電極の少なくとも一方に対して特
定の誘電体層を介して対向する第3の内部電極をさらに
備えていてもよい。この場合、第3の内部電極は、少な
くとも2つの側面の各々上にまでそれぞれ引き出される
少なくとも2つの第3の引出電極を形成しており、第3
の引出電極が引き出された側面の各々上には、第3の引
出電極に電気的に接続される第3の外部端子電極がそれ
ぞれ設けられる。
【0022】上述した実施形態において、好ましくは、
すべての第1の外部端子電極とすべての第2の外部端子
電極とすべての第3の外部端子電極とは、4つの側面を
通して同じ配列順序を繰り返しながら配置される。この
発明において、別の局面から見れば、すべての外部端子
電極は、これに接続される内部電極を共通とする外部端
子電極とは隣り合わないように配置されるのが好まし
い。
【0023】また、この発明において、別の局面から見
れば、外部端子電極は、4つの側面の各々上にそれぞれ
設けられるのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、この発明の第
1の実施形態による積層コンデンサ31を示している。
ここで、図1ないし図3は、前述した図15ないし図1
7にそれぞれ相当するもので、図1は、積層コンデンサ
31の外観を示す平面図であり、図2は、積層コンデン
サ31の内部構造を第1の断面をもって示す平面図であ
り、図3は、積層コンデンサ31の内部構造を第1の断
面とは異なる第2の断面をもって示す平面図である。
【0025】積層コンデンサ31は、図1にその外観を
示すように、前述した積層コンデンサ1と同様、相対向
する2つの主面32および33ならびにこれら主面32
および33間を連結する4つの側面34、35、36お
よび37を有する直方体状のコンデンサ本体38を備え
ている。コンデンサ本体38は、主面32および33の
方向に延びる、たとえばセラミック誘電体からなる複数
の誘電体層39、ならびにコンデンサユニットを形成す
るように特定の誘電体層39を介して互いに対向する少
なくとも1対の第1および第2の内部電極40および4
1を備えている。
【0026】図2は、第1の内部電極40が通る断面を
示し、また、図3は、第2の内部電極41が通る断面を
示している。第1の内部電極40は、4つの側面34〜
37の各々上にまでそれぞれ引き出される6つの第1の
引出電極42、43、44、45、46および47を形
成している。より詳細には、引出電極42および43
は、側面34上にまで引き出され、引出電極44は、側
面35上にまで引き出され、引出電極45および46
は、側面36上にまで引き出され、引出電極47は、側
面37上にまで引き出されている。
【0027】また、上述の第1の引出電極42〜47が
引き出された側面34〜37の各々上には、これら第1
の引出電極42〜47に電気的に接続される第1の外部
端子電極48、49、50、51、52および53がそ
れぞれ設けられている。すなわち、外部端子電極48お
よび49は、側面34上において引出電極42および4
3にそれぞれ接続され、外部端子電極50は、側面35
上において引出電極44に接続され、外部端子電極51
および52は、側面36上において引出電極45および
46にそれぞれ接続され、外部端子電極53は、側面3
7上において引出電極47に接続されている。
【0028】他方、第2の内部電極41は、4つの側面
34〜37の各々上にまでそれぞれ引き出される6つの
第2の引出電極54、55、56、57、58および5
9を形成している。より詳細には、引出電極54および
55は、側面34上にまで引き出され、引出電極56
は、側面35上にまで引き出され、引出電極57および
58は、側面36上にまで引き出され、引出電極59
は、側面37上にまで引き出されている。
【0029】上述した第2の引出電極54〜59がそれ
ぞれ引き出される側面34〜37上での各位置は、第1
の引出電極42〜47がそれぞれ引き出される各位置と
は異ならされている。また、上述の第2の引出電極54
〜59が引き出された側面34〜37の各々上には、こ
れら第2の引出電極54〜59に電気的に接続される第
2の外部端子電極60、61、62、63、64および
65が、それぞれ、第1の外部端子電極48〜53とは
異なる位置に設けられている。外部端子電極60および
61は、側面34上において引出電極54および55に
それぞれ接続され、外部端子電極62は、側面35上に
おいて引出電極56に接続され、外部端子電極63およ
び64は、側面36上において引出電極57および58
にそれぞれ接続され、外部端子電極65は、側面37上
において引出電極59に接続されている。
【0030】このようにして、4つの側面34〜37の
各々上において、すべての第1の外部端子電極48〜5
3は、第2の外部端子電極60〜65と隣り合うように
配置されている。また、別の観点から見ると、すべての
外部端子電極48〜53および60〜65のいずれも
が、これに接続される内部電極を共通にするものとは隣
り合わないように配置されている。特に、2つの第1の
引出電極42および43ならびに2つの第2の引出電極
54および55が引き出された側面34上にあっては、
第1の外部端子電極48および49と第2の外部端子電
極60および61とが交互に配置され、また、2つの第
1の引出電極45および46ならびに2つの第2の引出
電極57および58が引き出された側面36上にあって
は、第1の外部端子電極51および52と第2の外部端
子電極63および64とが交互に配置されている。さら
に、4つの側面34〜37を通して見たときも、第1の
外部端子電極48〜52と第2の外部端子電極60〜6
5とが交互に配置されている。
【0031】このような積層コンデンサ31において、
より大きな容量を得るため、第1の内部電極40と第2
の内部電極41との対向する部分の数は複数とされ、複
数のコンデンサユニットを形成するようにされる。すな
わち、第1および第2の内部電極40および41のいず
れか一方がコンデンサ本体38内において1つ形成され
るとき、第1および第2の内部電極40および41のい
ずれか他方がこれを挟むように2つ形成されたり、さら
に大きい容量を得ようとするときには、第1および第2
の内部電極40および41の組の数が複数とされる。こ
のようにして第1の内部電極40と第2の内部電極41
との対向する部分の数が複数とされたときには、複数の
コンデンサユニットは、第1の外部端子電極48〜53
および第2の外部端子電極60〜65の少なくとも一方
によって並列接続される。
【0032】なお、外部端子電極48〜53および60
〜65は、それぞれ、側面34〜37上だけでなく、両
主面32および33の各一部にまで延びるように形成さ
れている。図4は、前述した図18に対応する図であっ
て、この積層コンデンサ31において流れる電流を、図
3に相当する平面図をもって図解的に示している。図4
において、第1の内部電極40が破線で示され、第2の
内部電極41が実線で示され、これらが重ねられた状態
で図示されている。
【0033】図4において、矢印によって、その典型的
な経路および方向が示されるように、電流は、図示した
状態あるいは時点では、第2の外部端子電極60〜65
の各々から第1の外部端子電極48〜53の各々に向か
って流れているものとする。このように、電流が流れた
とき、周知のように、電流の方向によってその方向が決
まる磁束が誘起され、そのため自己インダクタンス成分
が生じる。
【0034】図4を参照して、〇で示した内部電極40
および41の中央部66では、電流は種々の方向へ流れ
るので、電流によって誘起される磁束は相殺されるた
め、磁束の発生はほとんどない。このことは、図18に
示した従来の場合と実質的に同様である。また、外部端
子電極48〜53ならびに60〜65の各々の近傍で
は、電流は、第1の外部端子電極48〜53の各々へ向
かい、また、第2の外部端子電極60〜65の各々から
離れる傾向にあるが、略180度の広がりをもって図4
による左方向へ流れる電流と右方向へ流れる電流とが存
在する。そのため、磁束はその大部分が相殺され、その
結果、深刻な磁束の発生をもたらすことはない。このこ
とも、図18に示した従来の場合と実質的に同様であ
る。
【0035】図4において、図18に示した従来の場合
との大きな違いは、側面35および37の各近傍、すな
わち、図4による左右の各端部67にある。これら端部
67においても、第1の外部端子電極50および53な
らびに第2の外部端子電極62および65が設けられて
いるので、際立った電流の流れはなく、他の側面34お
よび35の各近傍と同様、深刻な磁束の発生がもたらさ
れることはない。
【0036】したがって、図1ないし図3に示した積層
コンデンサ31によれば、内部電極40および41の中
央部66から端部67まで全面にわたって磁束が相殺さ
れ、ESLを極めて低く抑えることができる。また、第
1の引出電極42〜47ないしは第1の外部端子電極4
8〜53の各々と、これらとは極性の異なる第2の引出
電極54〜59ないしは第2の外部端子電極60〜64
の各々とは、互いに近くに配置して互いの距離を短くす
ることができるので、電流長を短くすることができ、こ
のことによっても、これらの間で発生する自己インダク
タンス成分は、低くされることができる。
【0037】図5ないし図7は、この発明の第2の実施
形態による積層コンデンサ71を示している。ここで、
図5は、積層コンデンサ71の外観を示す平面図であ
り、図6は、積層コンデンサ71の内部構造を第1の断
面をもって示す平面図であり、図7は、積層コンデンサ
71の内部構造を第1の断面とは異なる第2の断面をも
って示す平面図である。
【0038】図5ないし図7は、第1の実施形態を示す
図1ないし図3にそれぞれ相当するもので、図5ないし
図7において、図1ないし図3に示した要素に相当する
要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略す
る。この第2の実施形態による積層コンデンサ71で
は、第1の内部電極40aは、3つの側面34、36お
よび37の各々上にまでそれぞれ引き出される5つの第
1の引出電極42、43、45、46および47aを形
成している。第1の実施形態による積層コンデンサ31
との相違点を言えば、この積層コンデンサ71では、側
面35上にまで引き出される引出電極44に相当する引
出電極がなく、側面37にまで引き出される引出電極4
7aは、側面37の中央部に引き出され、引出電極47
とはその位置が異ならされている。
【0039】また、上述の第1の引出電極42〜47a
が引き出された3つの側面34、36および37の各々
上には、これら5つの第1の引出電極42〜47aに電
気的に接続される5つの第1の外部端子電極48、4
9、51、52および53aがそれぞれ設けられてい
る。第1の実施形態による積層コンデンサ31との相違
点を言えば、この積層コンデンサ71では、第1の外部
端子電極50に相当する外部端子電極がなく、外部端子
電極53aは、外部端子電極53とはその位置が異なら
されている。
【0040】他方、第2の内部電極41aは、3つの側
面34〜36の各々上にまでそれぞれ引き出される5つ
の第2の引出電極54、55、56a、57および58
を形成している。第1の実施形態による積層コンデンサ
31との相違点を言えば、この積層コンデンサ71で
は、側面37上にまで引き出される引出電極59に相当
する引出電極がなく、側面35にまで引き出される引出
電極56aは、側面37の中央部に引き出され、引出電
極56とはその位置が異ならされている。
【0041】また、上述の第2の引出電極54〜58が
引き出された3つの側面34〜36の各々上には、これ
ら第2の引出電極54〜58に電気的に接続される第2
の外部端子電極60、61、62a、63および64が
それぞれ設けられている。第1の実施形態による積層コ
ンデンサ31との相違点を言えば、この積層コンデンサ
71では、第2の外部端子電極65に相当する外部端子
電極がなく、外部端子電極62aは、外部端子電極62
とはその位置が異ならされている。
【0042】このような積層コンデンサ71において
も、より大きな容量を得るためには、第1の内部電極4
0aと第2の内部電極41aとの対向する部分の数は複
数とされ、複数のコンデンサユニットを形成するように
される。そして、これら複数のコンデンサユニットは、
第1の外部端子電極48〜53aおよび第2の外部端子
電極60〜64の少なくとも一方によって並列接続され
る。
【0043】この第2の実施形態によれば、2つの側面
34および36の各々上において、第1の外部端子電極
48、49、51および52の各々は、第2の外部端子
電極60、61、63および64のいずれかと隣り合う
ように配置されている。また、側面35上においては、
第2の外部端子電極62aのみが位置し、側面37上に
おいては、第1の外部端子電極53aのみが位置してい
るだけであるが、このように側面35および37にも外
部端子電極62aおよび53aをそれぞれ位置させるこ
とにより、少なくとも図15ないし図17に示した従来
の積層コンデンサ1に比べれば、内部電極40aおよび
41a上での電流の流れをより種々の方向に向けて磁束
をより多く相殺することができるとともに、電流長をよ
り短くすることができるので、インダクタンス成分をよ
り低減することができる。
【0044】図8ないし図11は、この発明の第3の実
施形態による積層コンデンサ81を示している。ここ
で、図8は、積層コンデンサ81の外観を示す平面図で
あり、図9は、積層コンデンサ81の内部構造を第1の
断面をもって示す平面図であり、図10は、積層コンデ
ンサ81の内部構造を第1の断面とは異なる第2の断面
をもって示す平面図であり、図11は、積層コンデンサ
81の内部構造を第1および第2の断面とは異なる第3
の断面をもって示す平面図である。
【0045】図8ないし図11において、図1ないし図
3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。この第3の実施形態によ
る積層コンデンサ81は、第1および第2の内部電極4
0bおよび41bの少なくとも一方に対して特定の誘電
体層39を介して対向する第3の内部電極82をさらに
備えることを特徴としている。この第3の内部電極82
は、2つの側面34および36の各々上にまでそれぞれ
引き出される4つの第3の引出電極83、84、85お
よび86を形成している。より詳細には、引出電極83
および84は、側面34上にまで引き出され、引出電極
85および86は、側面36上にまで引き出されてい
る。
【0046】また、上述の第3の引出電極83〜86が
引き出された側面34および36の各々上には、これら
第1の引出電極83〜86に電気的に接続される第3の
外部端子電極87、88、89および90がそれぞれ設
けられている。すなわち、外部端子電極87および88
は、側面34上において引出電極83および84にそれ
ぞれ接続され、外部端子電極89および90は、側面3
6上において引出電極85および86にそれぞれ接続さ
れている。第1の実施形態による積層コンデンサ31と
の相違点を言えば、この積層コンデンサ81では、積層
コンデンサ31における第1の外部端子電極48および
52が設けられた各位置に第3の外部端子電極87およ
び90がそれぞれ設けられ、積層コンデンサ31におけ
る第2の外部端子電極61および63が設けられた各位
置に第3の外部端子電極88および89がそれぞれ設け
られている。
【0047】他方、第1の内部電極40bについては、
4つの側面34〜37の各々上にまでそれぞれ引き出さ
れる4つの第1の引出電極42b、44、45bおよび
47を形成している。第1の実施形態による積層コンデ
ンサ31との相違点を言えば、この積層コンデンサ81
では、側面34および36上にまで引き出される引出電
極としては、それぞれ1つずつの引出電極42bおよび
45bしかない。
【0048】また、上述の第1の引出電極42b〜47
が引き出された4つの側面34〜37の各々上には、こ
れら4つの第1の引出電極42b〜47に電気的に接続
される4つの第1の外部端子電極48b、50、51b
および53がそれぞれ設けられている。第1の実施形態
による積層コンデンサ31との相違点を言えば、この積
層コンデンサ81では、積層コンデンサ31における第
2の外部端子電極60および64が設けられた各位置に
第1の外部端子電極48bおよび51bがそれぞれ設け
られている。
【0049】また、第2の内部電極41bについては、
4つの側面34〜37の各々上にまでそれぞれ引き出さ
れる4つの第2の引出電極54b、56、57bおよび
59を形成している。第1の実施形態による積層コンデ
ンサ31との相違点を言えば、この積層コンデンサ81
では、側面34および36上にまで引き出される引出電
極としては、それぞれ1つずつの引出電極54bおよび
57bしかない。
【0050】また、上述の第2の引出電極54b〜59
が引き出された4つの側面34〜37の各々上には、こ
れら4つの第1の引出電極54b〜59に電気的に接続
される4つの第2の外部端子電極60b、62、63b
および65がそれぞれ設けられている。第1の実施形態
による積層コンデンサ31との相違点を言えば、この積
層コンデンサ81では、積層コンデンサ31における第
1の外部端子電極49および51が設けられた各位置に
第2の外部端子電極60bおよび63bがそれぞれ設け
られている。
【0051】この積層コンデンサ81において、たとえ
ば、第3の内部電極82、第1の内部電極40b、第2
の内部電極41bの順に積層される。これによって、4
つの側面34〜37を通して、第3の外部端子電極87
〜90のいずれか、第1の外部端子電極48b〜53の
いずれか、および第2の外部端子電極60b〜65のい
ずれか、という同じ配列順序が繰り返される。なお、上
述の積層順序は任意に変更することができる。
【0052】また、積層コンデンサ81においても、よ
り大きな容量を得るためには、第3の内部電極82、第
1の内部電極40bおよび第2の内部電極41bの各々
の対向によって形成されるコンデンサユニットの数が複
数とされる。そのため、たとえば、第3の内部電極82
および第1の内部電極40bのみを複数回繰り返して積
層したり、第1の内部電極40bおよび第2の内部電極
41bのみを複数回繰り返して積層したり、第2の内部
電極41bおよび第3の内部電極82のみを複数回繰り
返して積層したり、第3の内部電極82と第1の内部電
極40bと第2の内部電極41bとを複数回繰り返して
積層したりすることができる。そして、これら複数のコ
ンデンサユニットは、第3の外部端子電極87〜90、
第1の外部端子電極48b〜53および第2の外部端子
電極60b〜65の少なくともいずれかによって並列接
続される。
【0053】この第3の実施形態においても、第1の実
施形態と同様、互いに異なる内部電極に接続される、す
なわち互いに異なる極性を有する外部端子電極が、4つ
の側面34〜37の各々上に位置している。より詳細に
は、側面34上においては、第1の外部端子電極48
b、第2の外部端子電極60bならびに第3の外部端子
電極87および88が位置し、側面35上においては、
第1の外部端子電極50および第2の外部端子電極62
が位置し、側面36上においては、第1の外部端子電極
51b、第2の外部端子電極63bならびに第3の外部
端子電極89および90が位置し、側面37上において
は、第1の外部端子電極53および第2の外部端子電極
65が位置している。
【0054】したがって、この第3の実施形態によって
も、内部電極40bおよび41b上での電流の流れを種
々の方向に向けることによって磁束を効果的に相殺する
ことができるとともに、電流長を短くすることができる
ので、インダクタンス成分の低減を図ることができる。
なお、この第3の実施形態では、第1の実施形態とは異
なり、すべての箇所において異なる極性の外部端子電極
が互いに隣り合うようには配置されていないが、少なく
とも図15ないし図17に示した従来の積層コンデンサ
1に比べれば、内部電極40および41上での電流の流
れをより種々の方向に向けることができ、かつ電流長を
より短くできるので、インダクタンス成分をより低減す
ることができる。
【0055】また、第3の実施形態の変形例として、第
3の内部電極82を備えず、第1および第2の内部電極
40bおよび41bのみを積層した積層コンデンサとす
ることもできる。さらに、第3の内部電極82に、さら
に側面35および37に引き出される引出電極を形成し
てもよい。図12ないし図14は、この発明の第4の実
施形態による積層コンデンサ91を示している。ここ
で、図12は、積層コンデンサ91の外観を示す平面図
であり、図13は、積層コンデンサ91の内部構造を第
1の断面をもって示す平面図であり、図14は、積層コ
ンデンサ91の内部構造を第1の断面とは異なる第2の
断面をもって示す平面図である。
【0056】図12ないし図14は、第1の実施形態を
示す図1ないし図3にそれぞれ相当するもので、図12
ないし図14において、図1ないし図3に示した要素に
相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明
は省略する。この第4の実施形態による積層コンデンサ
91は、第2の実施形態による積層コンデンサ71と外
観的に類似している。第1の内部電極40cは、3つの
側面34、35および36の各々上にまでそれぞれ引き
出される5つの第1の引出電極42、43、44c、4
5cおよび46cを形成している。第1の実施形態によ
る積層コンデンサ31との相違点を言えば、この積層コ
ンデンサ91では、側面37上にまで引き出される引出
電極47に相当する引出電極がなく、側面35および3
6にまでそれぞれ引き出される引出電極44c、45c
および46cは、引出電極44〜46とはその各位置が
異ならされている。
【0057】また、上述の第1の引出電極42〜46c
が引き出された3つの側面34〜36の各々上には、こ
れら5つの第1の引出電極42〜46cに電気的に接続
される5つの第1の外部端子電極48、49、50c、
51cおよび52cがそれぞれ設けられている。第1の
実施形態による積層コンデンサ31との相違点を言え
ば、この積層コンデンサ91では、第1の外部端子電極
53に相当する外部端子電極がなく、外部端子電極50
c、51cおよび52cは、外部端子電極50〜52と
はその各位置が異ならされている。
【0058】他方、第2の内部電極41cは、3つの側
面34、36および37の各々上にまでそれぞれ引き出
される5つの第2の引出電極54、55、57c、58
cおよび59cを形成している。第1の実施形態による
積層コンデンサ31との相違点を言えば、この積層コン
デンサ91では、側面35上にまで引き出される引出電
極59に相当する引出電極がなく、側面34、36およ
び37にまで引き出される引出電極57c、58cおよ
び59cは、引出電極57〜59とはその各位置が異な
らされている。
【0059】また、上述の第2の引出電極54〜59c
が引き出された3つの側面34、36および37の各々
上には、これら第2の引出電極54〜59cに電気的に
接続される第2の外部端子電極60、61、63c、6
4cおよび65cがそれぞれ設けられている。第1の実
施形態による積層コンデンサ31との相違点を言えば、
この積層コンデンサ91では、第2の外部端子電極62
に相当する外部端子電極がなく、外部端子電極63c、
64cおよび65cは、外部端子電極63〜65とはそ
の各位置が異ならされている。
【0060】このような積層コンデンサ91において
も、より大きな容量を得るためには、第1の内部電極4
0cと第2の内部電極41cとの対向する部分の数は複
数とされ、複数のコンデンサユニットを形成するように
される。そして、これら複数のコンデンサユニットは、
第1の外部端子電極48〜52cおよび第2の外部端子
電極60〜65cの少なくとも一方によって並列接続さ
れる。
【0061】この第4の実施形態では、前述した第1の
実施形態と同様、4つの側面34〜37を通して第1の
外部端子電極48〜52cのいずれかと第2の外部端子
電極60〜65cのいずれかとが交互に配置されてい
る。この点において、第2の実施形態と異なっている。
したがって、第4の実施形態によれば、第1の実施形態
と同様、内部電極40cおよび41c上での電流の流れ
を種々の方向に向けて磁束を効果的に相殺することがで
きるとともに、電流長を短くすることができ、これによ
って、インダクタンス成分を低減することができる。
【0062】以上説明した、第1の実施形態に係る積層
コンデンサ31(実施例1)、第2の実施形態に係る積
層コンデンサ71(実施例2)、第3の実施形態に係る
積層コンデンサ81(実施例3)、第4の実施形態に係
る積層コンデンサ91(実施例4)、および従来の積層
コンデンサ1(比較例)の各試料を作製し、各々のES
Lを評価した。
【0063】ここで、各試料は、外形平面寸法を3.2
mm×2.5mmとし、内部電極を合計で6つ積層したも
の、すなわち、積層コンデンサ31、71、91および
1(実施例1、2および4ならびに比較例)のように2
種類の内部電極を有するものにあっては、2種類の内部
電極の積層を3回繰り返し、積層コンデンサ81(実施
例3)のように3種類の内部電極を有するものにあって
は、3種類の内部電極の積層を2回繰り返したものとし
た。
【0064】また、ESLは、共振法によって求めた。
共振法とは、各試料となる積層コンデンサについてイン
ピーダンスの周波数特性を測定し、極小点(コンデンサ
の容量成分CS とESLとの間の直列共振点と呼ぶ。)
の周波数f0 から、 ESL=1/〔(2πf0 2 ×CS 〕 によって、ESLを求めようとする方法である。
【0065】各試料のESL測定値を以下の表1に示
す。
【0066】
【表1】 表1から、実施例1〜4は、いずれも、比較例に比べ
て、ESLが低く抑えられ、特に、実施例1は、ESL
の低減に関し、最も優れた効果を示していることがわか
る。また、実施例4は、実施例1と比べれば劣るもの
の、実施例2および3に比べて、ESLの低減に関し、
より優れた効果を示している。
【0067】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、たとえ
ば、内部電極の引出電極の位置や数を種々に変更した
り、それに応じて、外部端子電極の位置や数を種々に変
更したりすることができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第1
および第2の内部電極の少なくとも一方が、コンデンサ
本体の4つの側面のうち少なくとも3つの側面の各々上
にまでそれぞれ引き出される少なくとも3つの引出電極
を形成しており、また、このような引出電極がそれぞれ
引き出された側面の各々上に、引出電極にそれぞれ電気
的に接続される外部端子電極がそれぞれ設けられている
ので、内部電極上での電流の流れを種々の方向に向ける
ことによって磁束を効果的に相殺することができるとと
もに、電流長を短くすることができるので、ESLを小
さくすることができる。
【0069】したがって、共振周波数を高周波化するこ
とができる。このことは、コンデンサとして機能する周
波数域が高周波化することを意味し、そのため、この発
明に係る積層コンデンサは、電子回路の高周波化に十分
対応することができ、たとえば、高周波回路におけるバ
イパスコンデンサ、デカップリングコンデンサとして有
利に用いることができる。また、MPU(マイクロプロ
セッシングユニット)等に使用されるデカップリングコ
ンデンサにあっては、クイックパワーサプライとしての
機能(立ち上がり時等、電力が急に必要な時に、コンデ
ンサに充電された電気量から電力を供給する機能)も要
求されるが、この発明に係る積層コンデンサは低ESL
であるので、このような用途に向けられたとき、高速性
に十分対応することができる。
【0070】この発明において、以下のような各実施態
様は、前述したような磁束の相殺をより高めたり、電流
長をより短くしたりして、ESLの低減により効果的で
ある。第1に、第1および第2の内部電極の双方につい
て、コンデンサ本体の4つの側面のうち少なくとも3つ
の側面の各々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも
3つの引出電極を形成しており、また、これら引出電極
がそれぞれ引き出された少なくとも3つの側面の各々上
に、引出電極にそれぞれ電気的に接続される外部端子電
極がそれぞれ設けられている、実施態様である。
【0071】第2に、上述の第1の実施態様において、
第1の内部電極が、4つの側面の各々上にまでそれぞれ
引き出される少なくとも4つの第1の引出電極を形成し
ており、それに伴って、第1の外部端子電極が、第1の
引出電極が引き出された4つの側面の各々上に設けられ
ている、実施形態である。第3に、同じく上述の第1の
実施態様において、第2の内部電極が、4つの側面の各
々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも4つの第2
の引出電極を形成しており、それに伴って、第2の外部
端子電極が、第2の引出電極が引き出された4つの側面
の各々上に設けられている、実施態様である。
【0072】なお、これら第1および第2の内部電極の
双方について、上述のような構成が採用されると、一層
効果的である。第4に、すべての第1の外部端子電極
が、当該第1の外部端子電極が設けられた各側面上にお
いて、第2の外部端子電極と隣り合うように配置され
る、実施態様である。このとき、4つの側面を通して、
すべての第1の外部端子電極とすべての第2の外部端子
電極とが交互に配置されると、なお効果的である。
【0073】第5に、第1および第2の内部電極の少な
くとも一方の引出電極が、少なくとも1つの側面上の少
なくとも2箇所に引き出されている、実施態様である。
第6に、すべての外部端子電極が、これに接続される内
部電極を共通とする外部端子電極とは隣り合わないよう
に配置されている、実施態様である。第7に、外部端子
電極が、4つの側面の各々上にそれぞれ設けられてい
る、実施態様である。
【0074】また、この発明において、第1および第2
の外部端子電極の少なくとも一方によって並列接続され
た複数のコンデンサユニットを形成するように、第1の
内部電極と第2の内部電極との対向する部分の数が複数
とされると、積層コンデンサの小型化かつ高容量化に有
効である。また、この発明において、第1および第2の
内部電極の少なくとも一方に対して特定の誘電体層を介
して対向する第3の内部電極をさらに備え、第3の内部
電極は、少なくとも2つの側面の各々上にまでそれぞれ
引き出される少なくとも2つの第3の引出電極を形成し
ており、第3の引出電極が引き出された側面の各々上
に、第3の引出電極に電気的に接続される第3の外部端
子電極がそれぞれ設けられていても、磁束を効果的に相
殺することができるとともに、電流長を短くすることが
できるので、ESLを小さくする効果を期待できる。
【0075】上述した実施形態において、すべての第1
の外部端子電極とすべての第2の外部端子電極とすべて
の第3の外部端子電極とが、4つの側面を通して同じ配
列順序を繰り返しながら配置されると、磁束をより効果
的に相殺することができるとともに、電流長をより短く
することができるので、ESLをより小さくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による積層コンデン
サ31の外観を示す平面図である。
【図2】図1に示した積層コンデンサ31の内部構造を
第1の内部電極40が通る断面をもって示す平面図であ
る。
【図3】図1に示した積層コンデンサ31の内部構造を
第2の内部電極41が通る断面をもって示す平面図であ
る。
【図4】図1に示した積層コンデンサ31において流れ
る電流を図解的に示す平面図である。
【図5】この発明の第2の実施形態による積層コンデン
サ71の外観を示す平面図である。
【図6】図5に示した積層コンデンサ71の内部構造を
第1の内部電極40aが通る断面をもって示す平面図で
ある。
【図7】図5に示した積層コンデンサ71の内部構造を
第2の内部電極41aが通る断面をもって示す平面図で
ある。
【図8】この発明の第3の実施形態による積層コンデン
サ81の外観を示す平面図である。
【図9】図8に示した積層コンデンサ81の内部構造を
第3の内部電極82が通る断面をもって示す平面図であ
る。
【図10】図8に示した積層コンデンサ81の内部構造
を第1の内部電極40bが通る断面をもって示す平面図
である。
【図11】図8に示した積層コンデンサ81の内部構造
を第2の内部電極41bが通る断面をもって示す平面図
である。
【図12】この発明の第4の実施形態による積層コンデ
ンサ91の外観を示す平面図である。
【図13】図12に示した積層コンデンサ91の内部構
造を第1の内部電極40cが通る断面をもって示す平面
図である。
【図14】図12に示した積層コンデンサ91の内部構
造を第2の内部電極41cが通る断面をもって示す平面
図である。
【図15】この発明にとって興味ある従来の積層コンデ
ンサ1の外観を示す平面図である。
【図16】図15に示した積層コンデンサ1の内部構造
を第1の内部電極10が通る断面をもって示す平面図で
ある。
【図17】図15に示した積層コンデンサ1の内部構造
を第2の内部電極11が通る断面をもって示す平面図で
ある。
【図18】図15に示した積層コンデンサ1において流
れる電流を図解的に示す平面図である。
【符号の説明】
31,71,81,91 積層コンデンサ 32,33 主面 34〜37 側面 38 コンデンサ本体 39 誘電体層 40,40a,40b,40c 第1の内部電極 41,41a,41b,41c 第2の内部電極 42〜47,42b,44c,45b,45c,46
c,47a 第1の引出電極 48〜53,48b,50c,51b,51c,52
c,53a 第1の外部端子電極 54〜59,54b,56a,57b,57c,58
c,59c 第2の引出電極 60〜65,60b,62a,63b,63c,64
c,65c 第2の外部端子電極 82 第3の内部電極 83〜86 第3の引出電極 87〜90 第3の外部端子電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 隆則 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する2つの主面およびこれら主面
    間を連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ
    本体を備え、 前記コンデンサ本体は、前記主面の方向に延びる複数の
    誘電体層、およびコンデンサユニットを形成するように
    特定の前記誘電体層を介して互いに対向する少なくとも
    1対の第1および第2の内部電極を備え、 前記第1および第2の内部電極は、それぞれ、前記側面
    のいずれか上にまで引き出される引出電極を形成してお
    り、 前記第1および第2の内部電極の少なくとも一方は、前
    記引出電極として、4つの前記側面のうち少なくとも3
    つの前記側面の各々上にまでそれぞれ引き出される少な
    くとも3つの引出電極を形成しており、 前記引出電極が引き出された前記側面の各々上には、前
    記引出電極に電気的に接続される外部端子電極がそれぞ
    れ設けられている、積層コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記第1の内部電極は、前記引出電極と
    して、4つの前記側面のうち少なくとも3つの前記側面
    の各々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも3つの
    第1の引出電極を形成しており、 前記第1の引出電極が引き出された前記少なくとも3つ
    の側面の各々上には、前記外部端子電極として、前記第
    1の引出電極に電気的に接続される第1の外部端子電極
    がそれぞれ設けられ、 前記第2の内部電極は、前記引出電極として、4つの前
    記側面のうち少なくとも3つの前記側面の各々上にまで
    それぞれ引き出される少なくとも3つの第2の引出電極
    を形成しており、 前記第2の引出電極が引き出された前記少なくとも3つ
    の側面の各々上であって前記第1の外部端子電極が設け
    られた位置とは異なる位置には、前記外部端子電極とし
    て、前記第2の引出電極に電気的に接続される第2の外
    部端子電極がそれぞれ設けられている、 請求項1に記載の積層コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記第1の内部電極は、4つの前記側面
    の各々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも4つの
    前記第1の引出電極を形成しており、 前記第1の外部端子電極は、前記第1の引出電極が引き
    出された前記4つの側面の各々上に設けられている、請
    求項2に記載の積層コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記第2の内部電極は、4つの前記側面
    の各々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも4つの
    前記第2の引出電極を形成しており、 前記第2の外部端子電極は、前記第2の引出電極が引き
    出された前記4つの側面の各々上に設けられている、請
    求項2または3に記載の積層コンデンサ。
  5. 【請求項5】 すべての前記第1の外部端子電極は、当
    該第1の外部端子電極が設けられた各前記側面上におい
    て、前記第2の外部端子電極と隣り合うように配置され
    ている、請求項2ないし4のいずれかに記載の積層コン
    デンサ。
  6. 【請求項6】 すべての前記第1の外部端子電極とすべ
    ての前記第2の外部端子電極とは、4つの前記側面を通
    して交互に配置されている、請求項5に記載の積層コン
    デンサ。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の外部端子電極の少
    なくとも一方によって並列接続された複数の前記コンデ
    ンサユニットを形成するように、前記第1の内部電極と
    前記第2の内部電極との対向する部分の数は複数とされ
    る、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層コンデン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2の内部電極の少なく
    とも一方の前記引出電極は、少なくとも1つの前記側面
    上の少なくとも2箇所に引き出されている、請求項1な
    いし7のいずれかに記載の積層コンデンサ。
  9. 【請求項9】 前記第1および第2の内部電極の少なく
    とも一方に対して特定の前記誘電体層を介して対向する
    第3の内部電極をさらに備え、 前記第3の内部電極は、少なくとも2つの前記側面の各
    々上にまでそれぞれ引き出される少なくとも2つの第3
    の引出電極を形成しており、 前記第3の引出電極が引き出された前記側面の各々上に
    は、前記第3の引出電極に電気的に接続される第3の外
    部端子電極がそれぞれ設けられている、請求項1ないし
    8のいずれかに記載の積層コンデンサ。
  10. 【請求項10】 すべての前記第1の外部端子電極とす
    べての前記第2の外部端子電極とすべての前記第3の外
    部端子電極とは、4つの前記側面を通して同じ配列順序
    を繰り返しながら配置されている、請求項9に記載の積
    層コンデンサ。
  11. 【請求項11】 すべての前記外部端子電極は、これに
    接続される前記内部電極を共通とする外部端子電極とは
    隣り合わないように配置されている、請求項1ないし1
    0のいずれかに記載の積層コンデンサ。
  12. 【請求項12】 前記外部端子電極は、4つの前記側面
    の各々上にそれぞれ設けられている、請求項1ないし1
    1のいずれかに記載の積層コンデンサ。
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