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JPH1090904A - 感光性レジストとカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

感光性レジストとカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法

Info

Publication number
JPH1090904A
JPH1090904A JP26361296A JP26361296A JPH1090904A JP H1090904 A JPH1090904 A JP H1090904A JP 26361296 A JP26361296 A JP 26361296A JP 26361296 A JP26361296 A JP 26361296A JP H1090904 A JPH1090904 A JP H1090904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
black matrix
layer
resist
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26361296A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonobu Sumino
友信 角野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP26361296A priority Critical patent/JPH1090904A/ja
Publication of JPH1090904A publication Critical patent/JPH1090904A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い体積抵抗を有するとともに、充分な光学
濃度を有するブラックマトリックスの形成を可能とする
感光性レジストと、このようなブラックマトリックスを
備えたカラーフィルタと、このようなカラーフィルタを
効率よく得ることのできる製造方法を提供する。 【解決手段】 光酸発生剤と多官能アルコキシシランと
を含有した感光性レジストを使用して透明基板上に形成
したレジスト層を所定のパターンのマスクを介して露光
し、露光領域において光酸発生剤が発生した酸の作用に
よりポリシロキサンのネットワークが形成され、その
後、現像することによりポリシロキサンを含有したブラ
ックマトリックスを形成し、次に、ブラックマトリック
スが形成されていない透明基板上に、複数色の着色パタ
ーンを順次形成し所定の色数からなる着色層を形成して
カラーフィルタとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイ等
に用いられる感光性レジストとカラーフィルタとカラー
フィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、液晶ディスプレイ(LCD)に
おいては、近年のカラー化の要請に対応するために、ア
クティブマトリックス方式および単純マトリックス方式
のいずれの方式においてもカラーフィルタが用いられて
いる。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたア
クティブマトリックス方式の液晶ディスプレイでは、カ
ラーフィルタは赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色
が用いられ、R,G,Bのそれぞれの画素に対応する電
極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作
動し、R,G,Bのそれぞれの画素を光が透過してカラ
ー表示が行われる。そして、色混合は2色以上の画素に
対応する液晶シャッタを開いて混色し別の色に見せる加
色混合の原理により網膜上で視覚的に行われる。
【0003】上記のカラーフィルタの製造方法には、染
色基材を塗布し、フォトマスクを介して露光・現像し形
成したパターンを染色する染色法、感光性レジスト内に
予め着色顔料を分散させておき、フォトマスクを介して
露光・現像する顔料分散法、および、印刷インキで各色
を印刷する印刷法等がある。
【0004】また、近年、カラーフィルタの製造方法と
して電着法が注目されている。この電着法では、例え
ば、基板上に形成された透明電極をパターニングし、パ
ターン化された透明電極のうち同色の着色層を形成する
箇所にのみ選択的に電圧を印加し、着色電着浴中で電着
を行って第1色目の着色層が形成される。次に、別の色
の着色層を形成する箇所にのみ選択的に電圧を印加し、
同様にして第2色目以降の着色層を形成してR,G,B
の各着色層を備えたカラーフィルタを形成する(特開昭
59−90818号等)。また、他の電着法として、基
板上に透明電極を形成し、全面にポジ型感光性樹脂層を
設け、第1色目用のパターンで露光・現像を行い、露出
した透明電極上に着色電着浴中で電着を行って第1色目
の着色層が形成され、次に、別の色の着色層を形成する
箇所にのみ露光・現像を行い、同様にして第2色目以降
の着色層を形成してR,G,Bの各着色層を備えたカラ
ーフィルタを形成するものがある(特開昭61−279
803号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような電着法に
より形成された着色層は、着色材料として顔料を使用す
ることにより耐熱性、耐薬品性、耐候性等に優れ、ま
た、電気化学的な成膜方法であるため、均一性に優れ大
面積化に対応できる利点がある。
【0006】しかし、上記のような電着法によるカラー
フィルタの製造において、着色層の形成前に金属クロム
等で遮光層(ブラックマトリックス)を形成した場合、
このブラックマトリックスには導電性があるため、着色
層形成時にブラックマトリックス上にも着色層が形成さ
れてしまい、平坦性を著しく損なうという問題があっ
た。
【0007】この問題は、黒色顔料を樹脂に分散させた
材料を用いてブラックマトリックス(樹脂ブラックマト
リックス)を形成する場合であっても、黒色顔料として
カーボンブラック等の導電性材料を使用したときに、同
様に生じる問題である。そして、この問題を解決するた
めに、上記の樹脂ブラックマトリックスにおいて、ポリ
マーで被覆したカーボンブラックを使用したり、遮光材
料として金属酸化物を使用することが検討されてきた。
【0008】しかし、ポリマーで被覆したカーボンブラ
ックを使用する場合、被覆の状態や樹脂への分散状態が
不安定であり高い体積抵抗を樹脂ブラックマトリックス
に付与することは困難であった。また、遮光材料として
金属酸化物を使用する場合、ブラックマトリックスとし
ての遮光性が劣り、さらに、金属酸化物の沈降が生じる
という問題もあった。
【0009】このような問題は、電着法に限らず、電解
ミセル法等の電気化学反応を利用したカラーフィルタの
製造方法すべてに発生する。
【0010】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高い体積抵抗を有するとともに、充分
な光学濃度を有するブラックマトリックスの形成を可能
とする感光性レジストと、このようなブラックマトリッ
クスを備えたカラーフィルタと、このようなカラーフィ
ルタを効率よく得ることのできる製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の感光性レジストは、少なくとも感光
性樹脂成分と光酸発生剤と多官能アルコキシシランとを
含有し、前記光酸発生剤の含有量は前記感光性樹脂成分
100重量部に対して5〜20重量部の範囲であり、ま
た、前記多官能アルコキシシランの含有量は前記感光性
樹脂成分100重量部に対して5〜20重量部の範囲で
あるような構成とした。
【0012】本発明のカラーフィルタは、透明基板と、
該透明基板上に所定のパターンで形成された複数の着色
パターンからなる着色層と、該着色パターン間に位置す
るように形成されたブラックマトリックスとを備え、前
記ブラックマトリックスはポリシロキサンを含有するよ
うな構成とした。
【0013】また、本発明のカラーフィルタは、前記透
明基板と、前記着色層および前記ブラックマトリックス
との間に透明電極を備えるような構成とした。
【0014】本発明のカラーフィルタの製造方法は、透
明基板上に、上記の感光性レジストを塗布してレジスト
層を形成する第1の工程と、前記レジスト層を所定のパ
ターンのマスクを介して露光し、露光領域のレジスト層
にポリシロキサンのネットワークを形成し、その後、現
像してポリシロキサンを含有するブラックマトリックス
を形成する第2の工程と、前記ブラックマトリックスが
形成されていない前記透明基板上に、複数色の着色パタ
ーンを順次形成して所定の色数からなる着色層を形成す
る第3の工程と、を有するような構成とした。
【0015】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
は、前記第1の工程において、前記透明基板は予め全面
に、あるいは、所定のパターン形成に予め透明電極が形
成されるような構成とした。
【0016】このような本発明では、光酸発生剤と多官
能アルコキシシランとを含有する感光性レジストからな
るレジスト層は、その露光領域が現像液に対して不溶化
されるとともに、感光性レジストに含有される光酸発生
剤が酸を発生し、この酸の作用によってレジスト層の露
光領域の多官能アルコキシシランが加水分解を生じて重
縮合を起こし、露光領域のレジスト層にポリシロキサン
のネットワークが形成され、その後の現像により形成さ
れたブラックマトリックスは、ポリシロキサンを含有し
たものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0018】まず、本発明の感光性レジストについて説
明する。本発明の感光性レジストは、少なくとも感光性
樹脂成分と光酸発生剤と多官能アルコキシシランとを含
有するものである。
【0019】感光性樹脂成分としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート等のアルキルアクリレートまたはアルキルメ
タクリレート、環状のアクリレートまたはメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシエ
チルメタクリレート等のなかから3〜5種類程度のモノ
マーを用いて分子量5000〜100000程度に合成
した樹脂等を挙げることができる。
【0020】また、本発明の感光性レジストに含有させ
る光酸発生剤としは、2(2´−フリルエチリデン)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン
((株)三和ケミカル製 TFEトリアジン(商品
名))、みどり化学(株)製 TPS−103(商品
名)、みどり化学(株)製 MDS−105(商品
名)、みどり化学(株)製 TAZ−106(商品名)
等の1種または2種以上を使用することができ、レジス
ト層の露光に使用される光源等を考慮して選択すること
ができる。このような光酸発生剤は、感光性レジスト1
00重量部に対して5〜20重量部の範囲で含有させる
ことができる。光酸発生剤の含有量が5重量部未満であ
ると、光による酸の発生量が少なく多官能アルコキシシ
ランの加水分解が十分に行われず、また、20重量部を
超えると感光性レジスト全領域でポリシロキサンネット
ワークを形成せず好ましくない。
【0021】また、本発明の感光性レジストに含有され
る多官能アルコキシシランとしては、3官能のアルコキ
シシラン、具体的にはメチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン等
を挙げることができる。尚、4官能のアルコキシシラ
ン、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン等を使用した場合、加水
分解速度が速く、ポリシロキサンの均一なネットワーク
の形成が困難となる。
【0022】このような多官能アルコキシシランは、感
光性レジスト100重量部に対して5〜20重量部の範
囲で含有させることができる。多官能アルコキシシラン
の含有量が5重量部未満であると、光酸発生剤が発生し
た酸により生成されるポリシロキサン量が少なく、ま
た、20重量部を超えると感光性レジスト表面近傍での
みポリシロキサンネットワークが形成され、全領域での
ネットワークが形成されず好ましくない。
【0023】次に、本発明のカラーフィルタを説明す
る。図1は本発明のカラーフィルタの一実施形態を示す
概略構成図である。図1においてカラーフィルタ1は、
透明基板2と、この透明基板2上に透明電極3を介して
所定のパターンで形成されたブラックマトリックス5お
よび複数の着色パターン7R,7G,7Bからなる着色
層7と、ブラックマトリックス5および着色層7を覆う
ように形成された保護層8、透明共通電極9とを備えて
いる。そして、ブラックマトリックス5はポリシロキサ
ンのネットワークを含有している。
【0024】カラーフィルタ1の透明基板2としては、
石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓
性のないリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学
用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材を用いるこ
とができる。この中で特にコーニング社製7059ガラ
スは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および
高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中に
アルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、
アクティブマトリックス方式によるLCD用のカラーフ
ィルタに適している。
【0025】透明基板2上に形成されている透明電極3
は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化スズ(SnO)等の透明導電性物質を用いて
形成することができ、その厚みは200〜2000Å程
度が好ましい。
【0026】ブラックマトリックス5は、上述の本発明
の感光性レジストにカーボンブラック等の遮光性粒子を
40〜65重量%の範囲で含有させたものを露光して硬
化させて形成することができ、ポリシロキサンのネット
ワークを含有している。このブラックマトリックス5の
厚みは0.6〜1.8μm程度が好ましい。そして、こ
のブラックマトリックス5は、108 〜1010Ω・cm
程度の高い体積抵抗を有するものである。ブラックマト
リックス5の厚みが0.6μm未満であると、ブラック
マトリックスとしての遮光性が不十分である。一方、ブ
ラックマトリックス5の厚みが1.8μmを超えると解
像力が低下し好ましくない。
【0027】着色層7は、透明電極3を使用して電着法
により形成することができ、この場合、後述するような
電着材料を用いることができる。また、着色層7は染色
法、顔料分散法、印刷法等の従来公知の方法により形成
することができる。
【0028】保護層8は、カラーフィルタ1の表面平滑
化、信頼性の向上および液晶ディスプレイ(LCD)に
おいて使用する際の液晶層への汚染防止等を目的とする
ものであり、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂等の透明樹脂、あるいは二酸化ケイ素等の透
明無機化合物等を用いて形成することができる。このよ
うな保護層の厚さは0.5〜50μm程度が好ましい。
【0029】また、透明共通電極9としては、酸化イン
ジウムスズ(ITO)膜等を用いることができる。IT
O膜は蒸着法、スパッタリング法等の公知の方法により
形成することができ、厚さは800〜1500Å程度が
好ましい。
【0030】上述の本発明のカラーフィルタは、透明基
板2とブラックマトリックス5、着色層7との間に透明
電極3が存在するが、これに限定されるものではなく、
透明電極3が存在しなくてもよい。
【0031】次に、図1に示される本発明のカラーフィ
ルタを例に、本発明のカラーフィルタ製造方法を説明す
る。図2は本発明のカラーフィルタ製造方法を説明する
ための工程図である。
【0032】図2において、第1の工程として、まず、
透明基板2の全面に酸化インジウムスズ(ITO)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透明導電性
物質により透明電極3を形成する。このような透明電極
3は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD
法等の一般的な成膜方法により形成され、厚みは200
〜2000Å程度が好ましい。次いで、この透明電極3
上に上述の本発明の感光性レジストを塗布して厚み1.
2〜1.5μm程度のレジスト層4を形成する(図2
(A))。
【0033】次に、第2の工程として、レジスト層4を
ブラックマトリックス用のフォトマスク10を介して露
光する(図2(B))。この露光により、レジスト層4
の露光領域4aは、現像液に対して不溶化されるととも
に、感光性レジストに含有される光酸発生剤が露光によ
り酸を発生する。そして、この酸の作用によって、レジ
スト層4に含有される多官能アルコキシシランが加水分
解を受け重縮合を生じて、露光領域4aのレジスト層4
内にポリシロキサンのネットワークが形成される。本発
明では、上記の露光時の環境条件、あるいは、露光後の
保持環境条件として、温度20〜25℃、相対湿度58
〜95%の条件を設定することができる。次いで、現像
して未露光領域を除去することにより、ポリシロキサン
を含有するブラックマトリックス5が形成される(図2
(C))。
【0034】次に、第3の工程として、透明電極3上に
ブラックマトリックス5を覆うように感光性レジストを
塗布してレジスト層4´を形成し、その後、まず、赤色
の着色層用のフォトマスクを介してレジスト層4´を露
光・現像して赤色の着色層に対応したパターンで透明電
極3を露出させる。そして、赤色顔料を分散させた電着
浴中に上記の透明基板2を浸漬し、透明電極3に直流電
圧を印加して、露出している透明電極3に赤色電着材を
析出させ、十分に水洗した後に乾燥してピンホールのな
い着色層7Rを形成する(図2(D))。この電着法に
よる着色層7Rの形成において、ブラックマトリックス
5は表面層としてポリシロキサン層を有し高い表面抵抗
を示すので、赤色電着材は露出している透明電極3のみ
に析出することになる。次に、緑色の着色層用のフォト
マスクを介してレジスト層4´を露光・現像し、同様に
電着によって透明電極3上に緑色の着色層7Gを形成
し、さらに、青色の着色層用のフォトマスクを介してレ
ジスト層4´を露光・現像し、同様に電着によって青色
の着色層7Bを形成した後、ブラックマトリックス5お
よび着色層7を70〜90℃の条件で加熱して硬化させ
る。さらに、上述のように形成された着色層7R,7
G,7Bと、ブラックマトリックス5を覆うように保護
層8、透明共通電極9を設けてカラーフィルタ1とする
(図2(E))。
【0035】このような第3の工程では、1度形成した
レジスト層4´を複数回露光するので、レジスト層4´
の解像度の低下が生じる。しかし、既に透明電極3上に
高い体積抵抗を有するブラックマトリックス5が形成さ
れているため、レジスト層4´の解像度が低下してレジ
スト層4´の除去位置の精度が低下しても、ブラックマ
トリックス5に囲まれた所望の色の着色層形成部位のみ
が露出することになり、着色層の形成精度の低下を来す
ことはない。
【0036】第1の工程におけるレジスト層4の露光
は、超高圧水銀灯等の光源から、感光性レジストが含有
する光酸発生剤との関係を考慮して選択した光源を使用
し行うことができる。
【0037】上記の第2の工程において使用する現像液
としては、水酸化カリウム水溶液、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(TMAH)、水酸化ナトリウム水
溶液等を挙げることができ、現像方法としては、スプレ
ー現像(スピン、揺動)等を用いることができる。
【0038】上記の第3の工程において用いる感光性レ
ジストとしては、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業
(株)製 OFPR−800(商品名))等を挙げるこ
とができる。
【0039】また、上記の第3の工程において用いられ
る電着材料は、一般に有機材料(高分子材料)からな
り、その原形は電着塗装法としてよく知られている。電
着塗装では、電気化学的な主電極との反応によりカチオ
ン電着とアニオン電着とがある。これは、電着材料がカ
チオンとして存在するか、アニオンとして挙動するかで
分類される。電着に用いられる有機高分子物質として
は、天然油脂系、合成油脂系、アルキッド樹脂系、ポリ
エステル樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等の
種々の有機高分子物質が挙げられる。
【0040】アニオン型では、古くからマレイン化油や
ポリブタジエン系樹脂がしられており、電着物質に硬化
は酸化重合反応による。カチオン型はエポキシ系樹脂が
多く、単独あるいは変性されて使用できる。その他に、
メラミン系樹脂、アクリル系樹脂が多く用いられ、熱硬
化や光硬化等により強固な着色層が形成できる。
【0041】液晶カラーフィルタの電着では、アニオン
型またはカチオン型電着浴中に微粉砕された顔料や染料
を分散させ、イオン性高分子材料とともに導電性部に共
析させる。
【0042】また、上記の第3の工程において使用する
現像液としては、水酸化カリウム水溶液、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド(TMAH)、水酸化ナトリ
ウム水溶液等を挙げることができ、現像方法としては、
スプレー現像(スピン、揺動)、ディップ現像等を用い
ることができる。
【0043】尚、上述の本発明のカラーフィルタの製造
方法では、着色層7R,7G,7Bの形成を電着法によ
り行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、
電解ミセル法等の電気化学的反応を利用して着色層を形
成することができ、また、染色法、顔料分散法、印刷法
等の従来公知の方法により形成することもできる。
【0044】また、透明電極3が存在しないような本発
明のカラーフィルタでは、上述の本発明の製造方法の第
3の工程において、染色法、顔料分散法、印刷法等の従
来公知の方法により着色層を形成する他は、同様にして
製造することができる。
【0045】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)第1の工程 まず、コーニング(株)製7059ガラス基板上に酸化
インジウムスズ(ITO)をスパッタリング法により成
膜して厚さ1500Åの透明電極を全面に形成し、次
に、この透明電極上に下記のように調製した感光性レジ
ストをスピンコーティング法により塗布し、その後、9
0℃、3分間の条件で乾燥して厚み1.2μmのレジス
ト層を形成した。
【0046】(感光性レジストの調製)まず、下記組成
の感光性樹脂を調製した。
【0047】 ・o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート (水酸基の50%が無水フタル酸と反応したもの) … 9.5重量部 ・ジペンタエリストリトールヘキサアクリレート … 9.5重量部 ・イルガキュアー(チバガイギー社製) … 1.0重量部 ・エチルセルソルブ …80.0重量部 次に、この感光性樹脂に顔料、多官能アルコキシシラ
ン、光酸発生剤を混合して感光性レジストを調製した。
【0048】 ・感光性樹脂 … 100重量部 ・カーボンブラック … 50重量部 ・メチルトリエトキシシラン … 15重量部 ・光酸発生剤(みどり化学(株)製 TAZ−106)… 10重量部第2の工程 次に、レジスト層に対してブラックマトリックス用のフ
ォトマスク(線幅=35μm)を介して露光を行った。
露光用の光源は超高圧水銀灯を有する紫外線露光装置を
用い、10秒間照射した。露光後、ガラス基板を相対湿
度58%、温度25℃の環境下に3分間保持した。その
後、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像を行
い未露光のレジスト層を除去し、水洗を行った後、20
0℃で30分間加熱してブラックマトリックスを形成し
た。第3の工程 次に、ガラス基板上に感光性レジスト(東京応化工業
(株)製 OFPR−800)をスピンコーティング法
により塗布し、その後、90℃、3分間の条件で乾燥し
て厚み3μmのレジスト層を形成した。
【0049】次いで、赤色着色層用のフォトマスクを介
してレジスト層を露光・現像して赤色着色層に対応した
パターンで透明電極を露出させた。次に、下記のように
調製した赤色着色層用の電着液中に、透明電極を陽極と
し白金電極を陰極として、電極間隔30mmとなるよう
にガラス基板を浸漬し、透明電極に10mAの定電流を
60秒間通電して電着を行った。次に、電着液から取り
出した基板を十分に水洗した後、100℃、10分間の
乾燥を行って透明性の良好な赤色の着色層を形成した。
【0050】(赤色着色層用の電着液の調製)まず、下
記組成の混合物を調製した。
【0051】 ・東亜合成化学(株)製アクリル樹脂アロンS−4030… 75重量部 ・住友化学(株)製アルコキシメラミンM−66B … 25重量部 ・トリエチルアミン … 6重量部 ・ジノニルナフタレンジスルフィド …0.5重量部 次に、この混合物に顔料、水を混合して赤色着色層用の
電着液を調製した。
【0052】 ・混合物 …13.5重量部 ・ナフトールレッド … 5重量部 ・水 …81.5重量部 次に、緑色着色層用のフォトマスクを介してレジスト層
を露光・現像し、下記組成の緑色着色層用の電着液を用
いて上記の赤色着色層の形成と同一条件で電着を行っ
た。次に、電着液から取り出した基板を十分に水洗した
後、100℃、10分間の乾燥を行って透明性の良好な
緑色の着色層を形成した。
【0053】(緑色着色層用の電着液の組成) ・混合物(赤色着色層用の電着液に使用したのと同一)…13.5重量部 ・フタロシアニングリーン … 5重量部 ・水 …81.5重量部 さらに、青色着色層用のフォトマスクを介してレジスト
層を露光・現像し、下記組成の青色着色層用の電着液を
用いて上記の赤色着色層の形成と同一条件で電着を行っ
た。次に、電着液から取り出した基板を十分に水洗した
後、100℃、10分間の乾燥を行って透明性の良好な
青色の着色層を形成した。
【0054】(青色着色層用の電着液の組成) ・混合物(赤色着色層用の電着液に使用したのと同一)…13.5重量部 ・銅フタロシアニンブルー … 5重量部 ・水 …81.5重量部 以上の第1の工程乃至第3の工程により、ガラス基板上
に所定のパターンの着色層と、着色層間に位置しポリシ
ロキサンを含有するブラックマトリックスとを備えたカ
ラーフィルタを作製した。
【0055】このカラーフィルタにおけるブラックマト
リックスの体積抵抗値をピコアンメーターHP4140
B(YHP社製)により測定した結果、109 Ω・cm
であり、高い体積抵抗値を有することが確認された。ま
た、ブラックマトリックスの厚みは0.95μmであ
り、この光学濃度Dが3.0であることより、ブラック
マトリックスの単位厚みの遮光性が高いことが確認され
た。
【0056】さらに、得られたカラーフィルタのブラッ
クマトリックスと着色層を覆うようにアクリル樹脂から
なる保護層(厚み1.5μm)、ITOからなる透明共
通電極(厚み1500Å)を設け、このカラーフィルタ
を用いて液晶ディスプレイ(LCD)を作製し、カラー
画像を表示させたところ、色ずれや滲みのない良好なカ
ラー画像が表示された。 (実施例2)光酸発生剤として、みどり化学(株)製T
AZ−106の代わりに、(株)三和ケミカル製TFE
トリアジンを使用した他は、実施例1と同様にしてカラ
ーフィルタを作製した。
【0057】このカラーフィルタにおけるブラックマト
リックスの体積抵抗値および光学濃度Dを実施例1と同
様にして測定した結果、それぞれ109 Ω・cm 、
3.0であり、高い体積抵抗値を有し、遮光性が高いこ
とが確認された。
【0058】さらに、得られたカラーフィルタのブラッ
クマトリックスと着色層を覆うようにアクリル樹脂から
なる保護層(厚み1.5μm)、ITOからなる透明共
通電極(厚み1500Å)を設け、このカラーフィルタ
を用いて液晶ディスプレイ(LCD)を作製し、カラー
画像を表示させたところ、色ずれや滲みのない良好なカ
ラー画像が表示された。 (実施例3)第1の工程で使用する感光性レジストにお
いて、使用する多官能アルコキシシランとしてメチルト
リエトキシシランの代わりにメチルトリメトキシシラン
を使用した他は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ
を作製した。
【0059】このカラーフィルタにおけるブラックマト
リックスの体積抵抗値および光学濃度Dを実施例1と同
様にして測定した結果、それぞれ109 Ω・cm 、
3.0であり、高い体積抵抗値を有し、遮光性が高いこ
とが確認された。
【0060】さらに、得られたカラーフィルタのブラッ
クマトリックスと着色層を覆うようにアクリル樹脂から
なる保護層(厚み1.5μm)、ITOからなる透明共
通電極(厚み1500Å)を設け、このカラーフィルタ
を用いて液晶ディスプレイ(LCD)を作製し、カラー
画像を表示させたところ、色ずれや滲みのない良好なカ
ラー画像が表示された。 (比較例1)第1の工程で使用する感光性レジストにお
いて、使用する多官能アルコキシシランの代わりに単官
能のメトキシトリメチルシランを使用した他は、実施例
1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
【0061】このカラーフィルタにおけるブラックマト
リックスの体積抵抗値および光学濃度Dを実施例1と同
様にして測定した結果、それぞれ105 Ω・cm 、
3.0であり、ブラックマトリックスにおけるポリシロ
キサンのマトリックスの形成が不十分で体積抵抗値が低
いものであった。 (比較例2)第1の工程で使用する感光性レジストにお
いて、使用する多官能アルコキシシランとして4官能の
テトラメトキシシランを使用した他は、実施例1と同様
にしてカラーフィルタを作製した。
【0062】このカラーフィルタにおけるブラックマト
リックスの体積抵抗値および光学濃度Dを実施例1と同
様にして測定した結果、それぞれ105 Ω・cm 、
3.0であり、ブラックマトリックスにおけるポリシロ
キサンのマトリックスの形成が不十分で体積抵抗値が低
いものであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば感
光性レジストが少なくとも感光性樹脂成分と光酸発生剤
と多官能アルコキシシランとを含有するので、光照射に
よって感光性レジスト内で光酸発生剤が酸を発生し、こ
の酸の作用によって多官能アルコキシシランに加水分解
とこれに続く重縮合を生じさせることが可能となる。
【0064】また、本発明では透明基板上に複数の着色
パターンからなる着色層と、着色パターン間に位置して
ポリシロキサンを含有するブラックマトリックスとを備
えるカラーフィルタであるため、このカラーフィルタの
ブラックマトリックスは、高い体積抵抗と光学濃度を有
するものである。
【0065】また、上記のような感光性レジストからな
るレジスト層を所定のパターンのマスクを介して露光す
ることにより、レジスト層の露光領域を現像液に対して
不溶化するとともに、感光性レジストに含有される光酸
発生剤の作用で酸を発生させ、この酸によってレジスト
層内で多官能アルコキシシランの加水分解と重縮合を生
じせ、露光領域のレジスト層内にポリシロキサンのネッ
トワークを形成し、その後、現像してブラックマトリッ
クスとし、次いで、ブラックマトリックスが形成されて
いない透明基板上に、複数色の着色パターンを順次形成
して所定の色数からなる着色層を形成することで上記の
カラーフィルタを製造することができ、この製造工程に
おいて、ブラックマトリックスがポリシロキサンによっ
て高い体積抵抗を有するので、着色層の形成は電着法を
含むいずれの形成方法によっても容易に行うことがで
き、良好なカラーフィルタの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの一実施形態を示す概
略構成図である。
【図2】本発明によるカラーフィルタの製造方法を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルタ 2…透明基板 3…透明電極 4…レジスト層 4a…露光領域 5…ブラックマトリックス 7…着色層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも感光性樹脂成分と光酸発生剤
    と多官能アルコキシシランとを含有し、前記光酸発生剤
    の含有量は前記感光性樹脂成分100重量部に対して5
    〜20重量部の範囲であり、また、前記多官能アルコキ
    シシランの含有量は前記感光性樹脂成分100重量部に
    対して5〜20重量部の範囲であることを特徴とする感
    光性レジスト。
  2. 【請求項2】 透明基板と、該透明基板上に所定のパタ
    ーンで形成された複数の着色パターンからなる着色層
    と、該着色パターン間に位置するように形成されたブラ
    ックマトリックスとを備え、前記ブラックマトリックス
    はポリシロキサンを含有することを特徴とするカラーフ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 前記透明基板と、前記着色層および前記
    ブラックマトリックスとの間に透明電極を備えることを
    特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 透明基板上に、請求項1に記載の感光性
    レジストを塗布してレジスト層を形成する第1の工程
    と、 前記レジスト層を所定のパターンのマスクを介して露光
    し、露光領域のレジスト層にポリシロキサンのネットワ
    ークを形成し、その後、現像してポリシロキサンを含有
    するブラックマトリックスを形成する第2の工程と、 前記ブラックマトリックスが形成されていない前記透明
    基板上に、複数色の着色パターンを順次形成して所定の
    色数からなる着色層を形成する第3の工程と、を有する
    ことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程において、前記透明基板
    は予め全面に、あるいは、所定のパターンで透明電極が
    形成されたものであることを特徴とする請求項4に記載
    のカラーフィルタの製造方法。
JP26361296A 1996-09-12 1996-09-12 感光性レジストとカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 Pending JPH1090904A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081508A (ja) * 1998-06-30 2000-03-21 Sumitomo Chem Co Ltd カラ―フィルタ―、その製造方法及び感光性着色組成物
JP2007225812A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物
JP2007264462A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物

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