JP2007264462A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)、光ラジカル重合開始剤(D)及び光酸発生剤(E)を含有し、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)である。
【選択図】なし
Description
上述の通り、はんだ耐熱性、及び冷熱サイクル耐性が良好なフォトソルダーレジストは、まだ得られてはいなかった。
また、感光性樹脂組成物のその他の用途、例えば、TFT基板用保護膜においても、同様に基板の高温処理により劣化するという問題点があった。
以上のように、従来の感光性樹脂組成物は耐熱性、冷熱サイクル耐性などの熱的特性が十分ではないことが問題であった。
すなわち本発明は、親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)、光ラジカル重合開始剤(D)及び光酸発生剤(E)を含有し、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)、並びに該感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジストである。
・感光性樹脂組成物はアルカリ現像性に優れている。
・耐熱性および冷熱サイクル耐性に優れる。
なお、上記及び以下において、例えば「(メタ)アクリレート」などの(メタ)を付した表現は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」などを意味する。
(A)のHLB値は、(A)の樹脂骨格(例えば、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など)によって好ましい範囲が異なるが、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜18、特に好ましくは6〜17である。4以上であればフォトスペーサの現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。なお、本発明におけるHLBは、小田法によるHLB値であり、親水性−疎水性バランス値のことであり、有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB≒10×無機性/有機性
また、無機性の値及び有機性の値は、文献「界面活性剤の合成とその応用」(槇書店発行、小田、寺村著)の501頁;または、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の198頁に詳しく記載されている。
これらのうち、感光性樹脂組成物の光硬化反応性の観点と、製造のし易さの観点から、好ましいのは(A1)および(A2)である。
(A1)として好ましいのは、アルカリ現像性および耐熱特性の観点から、カルボキシル基および水酸基から選ばれる1種以上の親水基を有する親水性ビニル樹脂である。
充分な現像性を発揮するためには側鎖に親水基、特にカルボキシル基を有するものが特に好ましい。
(a1)水酸基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど]、アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、ヒドロキシスチレンおよび2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなどが挙げられる。
(a1)のうち好ましいのはアルカリ現像性および耐熱特性の観点からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸および桂皮酸など]、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸[(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸およびシトラコン酸など]、不飽和多価カルボン酸アルキル(炭素数1〜10のアルキル基)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステルおよびシトラコン酸モノアルキルエステルなど]、並びにこれらの塩[アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩等)、アミン塩およびアンモニウム塩等]が挙げられる。
(a2)のうち好ましいのはアルカリ現像性の観点から不飽和モノカルボン酸、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。
(a3)スルホン酸基含有ビニルモノマー:
例えば、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としてはアルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)塩、第1〜3級アミン塩、アンモニウム塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
(a5)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)またはジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジベンジルアクリルアミドなど)、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミドおよび環状アミド(N−ビニルピロリドン、N−アリルピロリドン等)が挙げられる。
(a6)第4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー;
炭素数6〜50(好ましくは8〜20)の第3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(4級化剤としては、メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライドおよびジメチルカーボネート等)、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物およびジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級化物などが挙げられる。
(a7)ポリエーテル基含有ビニルモノマー:
アルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜8)ポリアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリレート[メトキシポリエチレングリコール(重合度2〜40)モノ(メタ)アクリレートおよびメトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
アルキル基の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど];脂環基含有(メタ)アクリレート[ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シジクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートなど];
スチレン骨格を有する炭化水素モノマー[例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよびベンジルスチレン]およびビニルナフタレンなどが挙げられる。
(b3)カルボン酸ビニルエステル;
炭素数4〜50のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルなどが挙げられる。
(b4)ビニルエーテル系モノマー;
炭素数3〜50(好ましくは6〜20)のもの、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどが挙げられる。
(b5)ビニルケトン系モノマー;
炭素数4〜50のもの、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルフェニルケトンなどが挙げられる。
(b6)ハロゲン原子含有モノマー;
炭素数2〜50(好ましくは2〜20)のもの、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、クロルスチレンおよびブロムスチレンなどが挙げられる。
光硬化反応性を向上させる目的で(メタ)アクリロイル基を側鎖に含有させてもよい。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有させる方法としては、例えば下記の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1);(a)のうちの少なくとも一部にイソシアネート基と反応しうる基(水酸基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物(アクリロイルエチルイソシアネートなど)を反応させる方法、
(2);(a)のうちの少なくとも一部にエポキシ基と反応しうる基(水酸基、カルボキシル基または1級もしくは2級アミノ基など)を有するモノマーを使用して重合体を製造し、その後(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物(グリシジルアクリレートなど)を反応させる方法。
(F4)を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、モノマーの合計重量に基づいて通常、1〜400%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、好ましくは5〜300%、特に好ましくは10〜200%である。
重合開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
(A2)のうち好ましいのは、アルカリ現像性と耐熱特性の観点からカルボキシル基および水酸基から選ばれる1種以上の親水基を有する親水性エポキシ樹脂である。
(A2)は、光硬化反応性の観点から、さらに、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する方が好ましい。
(A20)のうち好ましいのは硬化性の観点から芳香族エポキシ樹脂である。
(A2)の製造に使用される(メタ)アクリロイル基含有モノカルボン酸としては、アクリル酸およびメタクリル酸が挙げられる。
(A2)の製造に使用される多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物(e)としては、前述の(a)のうちの不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物、並びに飽和多価(2〜6価)カルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸およびオクタデセニルコハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸およびナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸)およびそれらの無水物(例えば、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸およびオクタデセニル無水コハク酸などの脂肪族飽和多価カルボン酸無水物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびナフタレンテトラカルボン 酸 無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物)が挙げられる。好ましいのは、反応性及び現像性の観点から飽和多価カルボン酸無水物である。
(A20)と(メタ)アクリル酸の反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)およびラジカル重合禁止剤(ヒドロキノン、p−メトキシフェノールなど)を用いてもよい。
また、(A20)の(メタ)アクリル酸付加物の重量に対する、多価カルボン酸もしくは多価カルボン酸無水物(e)の仕込み当量は、(A2)の酸価(酸価の測定法は後述)が、好ましくは10〜500mgKOH/gとなるような(e)の仕込み当量であり、例えば、(e)が2価カルボン酸もしくはその無水物である場合、(e)の仕込み当量/(A20)の(メタ)アクリル酸付加物の重量は、上記の観点から、好ましくは0.18〜8.9ミリ当量/g、さらに好ましくは0.53〜7.1ミリ当量/gである。
(A20)の(メタ)アクリル酸付加物と(e)との反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは3〜10時間である。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
SP値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(分散性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
(A)の酸価は、10mgKOH/g以上であると、現像性がさらに良好に発揮されやすく、500mgKOH/g以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好に発揮できる。
方法は以下の通りである。
(i)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いて中性メタノール・アセトン溶液[アセトンとメタノールを1:1(容量比)で混合したもの]を加え溶解する。
(ii)フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液で滴定する。指示薬の微紅色が30秒続いたときを中和の終点とする。
(iii)次式を用いて決定する。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
10%以上であればさらに良好に現像性を発揮でき、50%以下であれば硬化物の弾性回復特性がさらに良好になる。なお、本発明における「固形分」とは、溶剤以外の成分をいう。
(B)中の(B4)の含有量は好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
R1 mSi(OR2)4-m (1)
式中、R1は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜14の芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは0〜2の整数である。
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチルおよびn−ドデシル基およびこれらの重水素置換体、分岐アルキル基としてはイソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよび2−エチルヘキシル基など、並びに環式飽和炭化水素基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基およびメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基およびアルキルアリール基が挙げられる。
アリール基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル基およびこれらの重水素、フッ素もしくは塩素の各置換体;アラルキル基としてはトリル、キシリル、メシチルおよびこれらの重水素、フッ素もしくは塩化物;並びに、アルキルアリール基としてはメチルフェニルおよびエチルフェニル基などが挙げられる。
R1のうち好ましいのは直鎖アルキル基、分岐アルキル基およびアリール基、さらに好ましいのは直鎖アルキル基およびアリール基、特に好ましいのはメチル基、エチル基、フェニル基およびこれらの併用である。
(C1)のうち、特に好ましいのは、その他の成分との相溶性の観点から、一般式(1)におけるR1がフェニル基であるシラン化合物の縮合物、またはR1がフェニル基であるシラン化合物とR1が直鎖アルキル基であるシラン化合物を含む2種以上のシラン化合物の縮合物である。
R2としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基およびsec−ブチル基などが挙げられ、好ましいのはメチル基およびエチル基である。
mが1、すなわちアルコキシ基を3個有する3官能シラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
mが2、すなわちアルコキシ基を2個有する2官能シラン化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランおよびフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
オルガノポリシロキサンの均一なネットワークの形成の観点から、これらのうち好ましくは、mが1、すなわち3官能シラン化合物である。
(C2)は、低分子シラン化合物の縮合、およびポリシロキサンへのアルコキシ基の導入などによって得られる。
(C2A)のうち、特に好ましいのは、その他の成分との相溶性の観点から、一般式(1)におけるR1がフェニル基であるシラン化合物の縮合物、またはR1がフェニル基であるシラン化合物とR1が直鎖アルキル基であるシラン化合物を含む2種以上のシラン化合物の縮合物である。
触媒の添加量は(C1)100重量部に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として加える。また、好ましい反応温度は20℃〜100℃である。
(c2)としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(C20)中の官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、水酸基およびメルカプト基等が挙げられ、例えば、(c2)中の他の反応性官能基がグリシジル基の場合は、(C20)中の官能基はカルボキシル基またはアミノ基であることが好ましく、(c2)中の他の反応性官能基がメルカプト基の場合は、(C20)中の官能基はグリシジル基またはカルボキシル基であることが好ましい。
(C20)としては、例えば、カルボキシル基を両末端に有するポリシロキサン、アミノ基を両末端に有するポリシロキサン、およびグリシジル基を両末端に有するポリシロキサンなどが挙げられる。
この場合の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜110℃である。また、反応時間は、特に限定されないが、好ましくは5〜30時間である。また、必要により触媒(例えば、トリフェニルホスフィンなど)を用いることもできる。
−2.0〜2.0の範囲を外れると、感光性樹脂組成物としての均一性に欠けて白濁しやすくなり、微細なパターン形成に不都合であり、さらには硬化物の耐熱特性が不十分である。
(C)のSP値は、前述の(B)のSP値との差を−2.0〜2.0に設定し易いという観点から、好ましくは7〜13、さらに好ましくは8〜12、特に8〜11、とりわけ8〜10.5である。
即ち、本発明の感光性樹脂組成物は、(1):光照射によって光酸発生剤(E)が酸を発生し、その酸が化合物(C)の加水分解性アルコキシ基の加水分解反応の触媒となって、化合物(C)が架橋および/または鎖伸長し、同時に、光ラジカル重合開始剤(D)から発生するラジカルによって多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)がラジカル重合するものと推定され、その場合に(B)と(C)の溶解度パラメーターの差が−2.0〜2であって相溶性が良好であることにより、化合物(B)の光ラジカル重合による3次元構造と化合物(C)のイオン反応での架橋・鎖伸長反応とが、相互に貫通した網目構造となりやすくなるものと推定され、耐熱特性が向上するものと推定している。
(E1)としては、下記の(i)スルホン化合物、(ii)スルホン酸エステル化合物、(iii)スルホンイミド化合物、(iv)ジスルホニルジアゾメタンおよび(v)ジスルホニルメタンが挙げられる。
(i)スルホン化合物
フェナシルフェニルスルホン、4−トリスフェナシルスルホン−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンおよびこれらのα−ジアゾ化合物等
(ii)スルホン酸エステル化合物
ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、α−メチロールベンゾイントシレートおよびα−メチロールベンゾインドデシルスルホネート等
(iii)スルホンイミド化合物
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロオクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(ベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド等
(iv)ジスルホニルジアゾメタン化合物
ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタンおよびビス(1、4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等
(i)オニウム塩
スルホニウム塩〔ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、アリルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート塩等〕、
ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等)、ホスホニウム塩(エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート等)、ジアゾニウム塩(フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等)、アンモニウム塩(1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート等)、およびフェロセン〔(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート等〕等
(F)としては、無機微粒子(F1)、増感剤(F2)、重合禁止剤(F3)、溶剤(F4)、並びにその他の添加剤(F5)(例えば、無機顔料、シランカップリング剤、染料、蛍光増白剤、黄変防止剤、酸化防止剤、消泡剤、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防菌剤及び防かび剤等)が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム等が挙げられる。
これらのうちで、耐熱性および耐薬品性の観点から、金属酸化物が好ましく、さらに好ましくは、酸化ケイ素および酸化チタン、特に酸化ケイ素が好ましい。
無機微粒子は、体積平均一次粒子径が1〜200nm、透明性の観点から、好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜120nm、特に好ましくは5〜20nmのものである。
また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は、25℃で0.1〜10,000mPa・s、好ましくは1〜8,000mPa・sである。
プリント配線板として使用される積層板としては、種々のプリント配線板用銅張り積層板、アルミ板等の金属板及び銅箔のないプラスティック板(例えば、紙基材フェノール樹脂積層板、ガラス布基材ポリエステル樹脂積層板、ガラス布基材エポキシ樹脂積層板、ポリサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルサルフォン樹脂積層板、ポリエーテルイミド樹脂積層板、ガラス布基材テフロン(登録商標)樹脂積層板、ポリイミド樹脂積層板等)などが挙げられる。
界面活性剤は通常0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%の濃度で使用される。
無機酸としてはほう酸、燐酸、塩酸、硫酸等、有機酸としては酢酸、蟻酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸等が挙げられる。
無機酸、有機酸は通常0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%の濃度で使用される。
アルコール系有機溶剤は通常10〜100%、好ましくは20〜50%の濃度で使用される。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトソルダーレジスト以外に、TFT基板用保護膜、プリント配線基板用エッチングレジスト、プリント配線基板用メッキレジストなどの用途にも使用できる。
以下、実施例および製造例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
<製造例A−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、イソボルニルメタクリレート50部(33モル%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部(33モル%)、メタクリル酸20部(34モル%)、およびシクロヘキサンノン150部を仕込み、80℃まで加熱した。系内の気相部分を窒素で置換したのち、あらかじめ作成しておいたアゾビスイソブチロニトリル(V-60:和光純薬製、以下AIBNと称す)5部をシクロヘキサノン50部に溶解した溶液55部を80℃のコルベン中に10分間で滴下し、さらに同温度で3時間反応させ、水酸基とカルボキシル基を有する親水性樹脂(A−1)(Mn:8,800、SP値:11.86、HLB値:11.98、酸価:102mgKOH/g)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。なお、MnはGPC測定機器(HLC−8120GPC、東ソー(株)製)、カラム(TSKgel GMHXL2本+TSKgel Multipore HXL−M、東ソ(株)製)を用いて、GPC法により測定されるポリスチレン換算の値として求めた。また、SP値、HLB値、酸価は、前述のようにして求めた。以下の製造例についても同様の測定法である。
製造例A−1と同様のコルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN−1020」(日本化薬製、エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、さらに90℃5時間反応させ、冷却後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて固形分含有量を調整し、カルボキシル基およびアクリロイル基を有する親水性樹脂(A−2)(Mn:2,200、SP値:11.26、HLB値:6.42、酸価:91mgKOH/g)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(固形分含有量は25%)。
<製造例C−1>
加熱冷却・攪拌措置、環流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、メチルトリメトキシシラン46部(0.34モル部)、フェニルトリメトキシシラン160部(0.80モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−1)(Mn:2,400、SP値:8.40)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
製造例C−1と同様のコルベンに、ジフェニルジメトキシシラン170部(0.74モル部)、フェニルトリメトキシシラン40部(0.20モル部)、テトラメトキシシラン30部(0.20モル部)とイオン交換水40g(2.2モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−2)(Mn:6,000、SP値:9.08)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
製造例C−1と同様のコルベンに、メチルトリメトキシシラン140部(1.04モル部)、フェニルトリメトキシシラン20部(0.10モル部)とイオン交換水45g(2.5モル部)と、シュウ酸0.1部(0.001モル部)を仕込み、60℃、6時間の条件で加熱撹拌し、さらにエバポレーターを用いて、加水分解により副生したメタノールを50mmHgの減圧下で2時間かけて除去した。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−3)(Mn:2,600、SP値:7.49)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
製造例C−1と同様のコルベンに、両末端カルボキシ基変性ポリシロキサン(「X−22−162C」:信越化学工業社製)50部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン2部、トリフェニルホスフィン1部、およびp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、70℃にて10時間反応させた。その後、シクロヘキサノンで固形分含有量が25%となるように希釈し、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C−4)(Mn:1,600、SP値:7.86)のシクロヘキサノン溶液を得た(固形分含有量は25%)。
[感光性樹脂組成物の製造]
表1の配合部数[それぞれの成分の見かけの重量部、なお( )内は、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づく各成分の固形分の重量%(小数点以下1桁を四捨五入)]に従い、ガラス製の容器に各親水性樹脂の溶液、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物の溶液を仕込み、さらに下記の(B−1)、(D−1)、及び(E−1)を仕込み、均一になるまで攪拌し、さらに追加の溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を添加して実施例の感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q6)、および比較例の感光性樹脂組成物(Y1)〜(Y4)を製造した。
C−5:メチルトリメトキシシラン(SP値:7.28)
D−1(光ラジカル重合開始剤):「イルガキュア907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、
E−1(光酸発生剤):N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド
(1)現像性・・・感光性樹脂組成物(Q1)〜(Q6)、および(Y1)〜(Y4)を、それぞれガラス基板上に仕上り膜厚が5μmになるようにスピンコートし、25℃で5分間乾燥し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間現像を行い、現像性を評価した。結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
◎:目視により残留物無し。
○:目視により残留物わずかにあり。
△:目視により残留物が多い。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がない。
○:3サイクル後に僅かに変化している。
△:2サイクル後に変化している。
×:1サイクル後に剥離を生じている。
○:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの
△:硬化塗膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの
×:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
さらに、その他にも各種のレジスト材料、例えば、TFT基板用保護膜、感光性レジストフィルム、感光性樹脂凸版、スクリーン版、光接着剤またはハードコート剤などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。
さらに、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅等)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテルフタラート、ポリ(メタ)アクリレート)、紙、ガラス、ゴム及び木材等の各種材料に対するコーティング剤、塗料、印刷インキ及び接着剤としても使用でき、成型材料等としても応用できる。
Claims (7)
- 親水性樹脂(A)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)、光ラジカル重合開始剤(D)及び光酸発生剤(E)を含有し、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)との溶解度パラメーターの差が−2.0〜2.0であるアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物(Q)。
- 親水性樹脂(A)が、カルボキシル基および水酸基から選ばれる1種以上の親水基を有する親水性ビニル樹脂もしくは親水性エポキシ樹脂である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)が、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーである請求項1または2記載の感光性樹脂組成物(Q)。
- 2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)が、一般式(1)で表されるシラン化合物(C1)、または2個以上の加水分解性アルコキシ基を有するポリシロキサン(C2)である請求項1〜3のいずれか記載の感光性樹脂組成物(Q)。
R1 mSi(OR2)4-m (1)
[式中、R1は炭素数1〜12の脂肪族飽和炭化水素基または炭素数6〜14の芳香族炭化水素基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、mは0〜2の整数である。] - 2個以上の加水分解性アルコキシ基を有する化合物(C)の含有量が、感光性樹脂組成物(Q)の固形分の重量に基づいて5〜40重量%である請求項1〜4のいずれか記載の感光性樹脂組成物。
- プリント配線板に使用されるフォトソルダーレジスト用である請求項1〜5のいずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項6記載の感光性樹脂組成物からなるプリント配線板用フォトソルダーレジスト。
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