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JPH1082097A - 壁内通気構造を持つ建物及び建物ユニット - Google Patents

壁内通気構造を持つ建物及び建物ユニット

Info

Publication number
JPH1082097A
JPH1082097A JP23918896A JP23918896A JPH1082097A JP H1082097 A JPH1082097 A JP H1082097A JP 23918896 A JP23918896 A JP 23918896A JP 23918896 A JP23918896 A JP 23918896A JP H1082097 A JPH1082097 A JP H1082097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
frame
building
floor
ventilation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23918896A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Morita
賢範 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP23918896A priority Critical patent/JPH1082097A/ja
Publication of JPH1082097A publication Critical patent/JPH1082097A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁式構造の建物ユニットにおいて、床パネル
側縁の根太の支持力を低下させることなく、壁パネル内
部空間に通気性を持たせる。 【解決手段】 各種根太11,12,13…で組まれた
床枠組の上面に床面材14を取り付けて床構面14とさ
れた床パネル10の三つの側縁に、上枠18,下枠1
9,縦枠17a,17aで組まれた壁枠組の内外両側に
外壁面材20、内壁面材21を取り付けて耐力壁とされ
た壁パネル16,16,…を立設してなる建物ユニット
Aにおいて、各壁パネル16の上枠18と下枠19とに
は、相隣る縦枠17a,17a間を仕切る部位に、通気
用切欠K2,K3,…が設けられている。また、屋外に
面することとなる側根太12、端根太13の外方側の側
面には、各通気用切欠K3の真下の部位を残して、スペ
ーサ15,15,…を取り付け、各スペーサ15を介し
て、外壁面材20が取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、壁内通気構造を
持つ建物及び建物ユニットに係り、詳しくは、木質枠組
壁工法を適用して構成される壁内通気構造を持つ建物及
び建物ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建物の工業生産化率を高める一方
式として、ユニット建物が広く普及している。このユニ
ット建物は、一棟の建物を予めいくつかのユニットに分
けて工場で生産した後、これらのユニットを建築現場に
輸送し、予め準備した基礎の上で施工、組立する方式の
建物である。また、各ユニットを組み立てる工法として
は、例えば、特公昭58−30978号公報に記載され
ているように、床パネル及び壁パネルを箱形に近い立体
構造に組み上げる壁式工法が知られている。この壁式工
法によれば、柱と梁等とからなる軸組工法による場合に
比して、外力を床全体、壁全体で均等に支持することと
なり、高い構造強度を得ることが可能となる。
【0003】壁式工法においては、図8に示すように、
まず、基礎に土台101が固定される。この上に根太1
02,102,…が組まれて床枠組が形成され、次に、
この上面に構造用の床面材103が粘着されて床パネル
104が構成される。次に、床パネル104の上に、上
枠105と下枠106と縦枠107,107,…とが組
まれて壁枠組が形成され、この壁枠組の内外両面に構造
用の壁面材108,108が取り付けられることによっ
て構成される壁パネル109が立設される。さらに、こ
の壁パネル109の上枠105の上に、根太が架け渡さ
れ、上述と同様にして2階の床パネルが形成されるとい
う順序でユニット建物の組立がなされる。この壁式工法
によれば、壁パネル109の内部には、上枠105と下
枠106と左右の縦枠107,107と内外の壁面材1
08,108とで仕切られる所定の空間が生じることに
なる。ここで、上記のようにして形成された壁パネル内
部空間を通気させることで、例えば、冬期に室内の暖気
によって暖められた湿気を含んだ壁パネル内部空間の空
気が、外側の壁面材108を介して外気によって冷却さ
れ、結露が発生して壁材が傷むのを防止したり、梅雨時
の高温多湿の環境で壁部に黴が発生して壁材が蝕まれる
のを防止する。そして、壁パネル内部空間を通気させる
ために、上枠105、下枠106、根太102等に切欠
きが施され、これによって、例えば、床下から小屋裏ま
で空気の流通経路を確保し、さらに、基礎や小屋裏に通
気口を設けて屋外と連通させることによって、外気を取
り入れて、壁パネル内部空間の換気を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような根太等に切欠きを施す方法によると、根太の強
度が低下してしまい、このため、特別に補強材を必要と
したり、構造計算が煩雑になるという問題点があった。
【0005】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、根太の支持力を低下させることなく、壁パネル
内部空間を通気構造とする建物及び建物ユニットを提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、床枠組の上面に床面材を取
り付けて構成された床パネルの少なくとも一方側の側縁
部に、壁枠組の内外両面に壁面材を取り付けて構成され
た壁パネルが立設され、該壁パネルの外側の壁面材が上
記床パネル側方にまで延びている建物に係り、上記壁枠
組と内側及び外側の上記壁面材とで仕切られた壁パネル
内部空間を通気可能な空間とするために、上記外側の壁
面材と上記壁枠組との当接部位の上記壁枠組側に通気用
切欠を設けると共に、上記外側の壁面材と上記床枠組と
の間に通気用スペーサを介挿したことを特徴としてい
る。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記床パネルが、
根太が方形に組まれた床枠組の上面に床面材を取り付け
て構成され、上記壁パネルが、上記床パネルの最外側の
根太の上に立設され、かつ、上記壁パネルの外側の壁面
材は、上記床パネルの最外側の根太の側方にまで延びて
いると共に、上記外側の壁面材と上記最外側の根太との
間に上記通気用スペーサを介挿したことを特徴としてい
る。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記外側の
壁面材と上記床枠組又は上記最外側の根太との間に複数
の上記通気用スペーサを介挿すると共に、隣合うスペー
サ間に所定の隙間を設けたことを特徴としている。
【0009】また、請求項4記載の発明は、請求項1又
は2記載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記通気用
スペーサには、上記外側の壁面材と当接する側又は上記
床枠組若しくは最外側の根太と当接する側に通気用切欠
が設けられていることを特徴としている。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項1又
は2記載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記壁枠組
が、上枠、下枠及び縦枠を方形に組んで構成され、上枠
又は/及び上記下枠に上記通気用切欠が設けられている
ことを特徴としている。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項1又
は2記載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記壁パネ
ルが、上枠、下枠及び縦枠が方形に組まれた壁枠組の内
外両面に壁面材を取り付けて構成され、かつ、上記壁パ
ネル内部空間が縦枠によって複数の縦枠間空間に仕切ら
れていて、各縦枠間空間を通気可能な空間とするため
に、上記上枠又は/及び上記下枠であって各縦枠間空間
を仕切る部位に上記通気用切欠が設けられていることを
特徴としている。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項1又
は2記載の壁内通気構造を持つ建物に係り、上記壁パネ
ルが、上枠、下枠及び縦枠が方形に組まれた壁枠組の内
外両面に壁面材を取り付けて構成され、かつ、上記壁パ
ネル内部空間が縦枠によって複数の縦枠間空間に仕切ら
れていて、複数の縦枠間空間を連結するために、これら
複数の縦枠間空間を仕切る縦枠にも連結用切欠又は連結
用貫通孔が設けられていることを特徴としている。
【0013】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至7のうちの少なくともいずれか一に記載の建物を構成
する建物ユニットに係り、上記床パネルと壁パネルとが
予め工場にて接合されてなることを特徴としている。
【0014】
【作用】この発明の構成によれば、壁パネル内部空間
は、壁枠組に設けられた通気用切欠と、通気用スペーサ
を床枠組と外側の壁面材との間に介挿することによって
形成された隙間とを通じて、壁パネルの外部と連通して
いるので、例えば、床枠組の側縁を構成する最外側の根
太(側根太、端根太)の外側面を切り欠くことなく、壁
パネル内部空間の通気を行うことができる。それ故、構
造部材としての最外側の根太の支持力が犠牲とならない
ため、特別に補強材を必要とせず、また、構造計算が煩
雑になるのを回避することができる。また、例えば、最
外側の根太の位置は、壁パネルの重心下に近づくので、
構造上の安定性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の一実施例である建
物を構成する建物ユニットの構成を示す一部破断斜視
図、図2は、複数の同建物ユニット及び屋根ユニットを
組み立ててなるユニット建物を示す斜視図、図3は、同
建物ユニットの垂直断面図、図4は、図1のC−C線に
沿う水平断面図、図5は、図1のD−D線に沿う水平断
面図、また、図6は、図2のE−E線に沿う垂直断面図
である。この例のユニット建物は、図2に示すように、
例えば、寄棟屋根の二階建戸建の建物に係るユニット建
物であり、建物の居間、食堂、寝室等の各居室部分を構
成する建物ユニットA,A,…と、建物の屋根部分を構
成する屋根ユニットBとから構成されている。また、こ
れらのユニットは、建物の工業生産化率を高めるため
に、予め工場で生産され、建築現場に輸送され施工・組
立される。組立は、まず、下階用の建物ユニットA,
A,…を基礎G(図6参照)上に据え付け相互に連結し
て建物の下階部分を形成し、次に、下階部分の上部に上
階用の建物ユニットA,A,…を積み重ね相互に連結し
て上階部分を形成し、さらに、上階部分の上部に屋根ユ
ニットBを据え付け相互に連結することによって行われ
る。
【0016】次に、この例の建物ユニットAについて説
明する。図1に示すように、建物ユニットAは、床パネ
ル10の側縁に沿って壁パネル16,16,…が立設さ
れてなっている。同図において、床パネル10は、床根
太11,11,…と最外縁の側根太12,12に直交し
てその木口と突き付けの状態で端根太13,13が釘打
ちされて方形の枠組とされ、さらに床根太11,11,
…及び側根太12,12の相互間に受け材も取り付けら
れて床枠組が構成され、この床枠組の上面に構造用合板
やパーティクルボード等の床面材14が取り付けられて
構成されている。ここで、屋外に面する側根太12、端
根太13の外側面には、図1及び図4に示すように、後
述する下枠の通気用切欠の真下に位置する部位を残し
て、合板製のスペーサ15,15,…が取り付けられ、
このスペーサ15,15,…を介して、外壁面材が取り
付けられている。すなわち、下枠の通気用切欠の真下に
は、隙間Sが形成されている。さらに、屋外に面する側
根太12、端根太13には、下部に、水平方向に切り欠
かれてなる通気用切欠K1,K1,…が設けられてい
る。なお、通気用切欠K1,K1,…のうち、アンカボ
ルトを用いて下階の建物ユニットAを基礎G上に固定す
る際の締結作業用の切欠が設けられている部位では、こ
の切欠を共用する。
【0017】また、壁パネル16,16,…は、床パネ
ル10の側縁に沿って立設されている。この例では、壁
パネル16が床パネル10の三つの側縁に立設されるこ
とによりコの字壁状の建物ユニットが形成されている
が、建物ユニットが建物のどの箇所を構成するかに応じ
て、例えばL字壁状の建物ユニット、二の字壁状の建物
ユニットも形成される。図1及び図5に示すように、各
壁パネル16は、縦枠17a,17a,…及び床パネル
10の短辺側に立設された壁パネル16の両外端におい
ては、柱17b,17bの上端と下端とのそれぞれにお
いてこれらの木口と突き付けの状態で上枠18と下枠1
9がそれぞれ釘打ちされて壁枠組とされ、この外面及び
内面の両側に木片セメント板や石膏ボード等の外壁面材
20や内壁面材21が取り付けられ、さらに内部は、外
側の所定の領域を壁内通気空間Fとして用いられ、これ
以外の領域を、必要に応じて断熱材22(図6参照)が
装填されることにより構成されている。ここで、上枠1
8と下枠19には、それぞれ、相隣る縦枠17a,17
a(柱17b)間の空間を仕切る部位において、垂直方
向に切り欠かれた通気用切欠K2,K2,…,K3,K
3,…が設けられている。なお、この例において、縦枠
17a,17a,…、上枠18及び下枠19には、寸法
型式204のJAS規格材が用いられる。但し、柱17
b,17bには、寸法型式404のJAS規格材が用い
られる。
【0018】壁パネル16は、床パネル10に対し、下
枠19において釘打ちされることにより立設されてい
る。図3に示すように、埋込ボルト23は、中央部に金
属円板を有すると共に、上下に雄ねじ部24,25が設
けられており、上枠18に設けられたボルト挿通孔に下
雄ねじ部24が挿通され、かつ、金属円板が上枠18の
上面に当接係止され、さらに、上枠18の下面側から下
端ナット26が螺着状態で取り付けられている。このと
き、植込ボルト23の上雄ねじ部25は、上枠18の上
面から突出した状態となる。上記植込ボルト23は、上
枠18の長さ方向に沿って所定の間隔で複数個が取り付
けられている。
【0019】頭つなぎ(当該建物ユニットを下階に用い
る場合には、土台)27は、床パネル10の裏側におい
て、下階となる建物ユニットの壁パネルに対応する位置
に配される端根太13や側根太12の下面に、かつ、こ
れらの端根太13,側根太12の長さ方向に沿って取り
付けられている。ここで、図6に示すように、頭つなぎ
27において上枠18の通気用切欠K2,K2,…の真
上に位置する部位には、通気用切欠K4,K4,…が設
けられている。また、頭つなぎ27には、その長さ方向
に沿って所定の間隔で複数個のボルト挿通孔28が設け
られている。
【0020】なお、このボルト挿通孔28は、下階の建
物ユニットとこの上に載置される上階の建物ユニットと
を緊結するに際して、下階の建物ユニットの上枠18か
ら上方に突出する植込ボルト23の上雄ねじ部22の挿
通孔として利用されるものであるから、各建物ユニット
を通じてこのボルト挿通孔28と上記植込ボルト23と
を互いに対応するように位置決めして設けることが好ま
しい。
【0021】この例の屋根ユニットBは、図2に示すよ
うに、寄棟屋根が桁方向へ二分割、妻方向へ四分割され
てなり、棟側寄棟屋根ユニットB1,B1,…及び軒先側
寄棟屋根ユニットB2,B2,…から構成されている。各
棟側寄棟屋根ユニットB1は、2枚の屋根板と支持枠と
からなる。屋根板は、それぞれ、妻側、桁側へ流れる屋
根面を形成しており、裏面には、複数の垂木が延在方向
を流れ方向とし、並列方向を妻方向又は桁方向とした状
態で並設されている。また、妻側の屋根板の裏面には、
流れ方向に直交して垂木受け小梁と頭つなぎ(妻側軒
梁)29(図6参照)とが固定され、桁側の屋根板との
接合縁部となる傾斜縁部の裏面には、隅梁が固定されて
いる。この隅梁は、軒側の屋根板の傾斜縁部の裏面にも
固定されている。ここで、各屋根板は、構造用合板やパ
ーティクルボード等の野地板(屋根下地材)の上面にア
スファルトルーフィング等の防水シートを敷き、さら
に、この防水シートの上面に塩化ビニル鋼板(ポリ塩化
ビニル金属積層板)等の不燃被覆材を貼着することによ
って構成されている。また、支持枠は、頭つなぎ(妻側
軒梁)29と隅梁とトラス梁と継梁と間梁とから構成さ
れる。支持枠には、トラス梁と継梁及び間梁との間に補
強梁が架設されている。頭つなぎ(妻側軒梁)29と隅
梁とは、屋根板と一体的に継梁と間梁とに対して結合さ
れることとなる。
【0022】また、各軒先側寄棟屋根ユニットB2も、
各棟側寄棟屋根ユニットB1と同様に、2枚の屋根板と
支持枠とからなる。屋根板は、それぞれ、妻側、桁側へ
流れる屋根面を形成しており、裏面には、複数の垂木が
延在方向を流れ方向とし、並列方向を妻方向又は桁方向
とした状態で並設されている。また、妻側の屋根板の裏
面には、流れ方向に直交して頭つなぎ(妻側軒梁)が固
定され、桁側の屋根板との接合縁部となる傾斜縁部の裏
面には、隅梁が固定されている。また、軒側の屋根板の
裏面には、流れ方向に直交して頭つなぎ(桁側軒梁)が
固定され、斜縁部の裏面には、隅梁が固定されている。
また、支持枠は、頭つなぎ(妻側軒梁、桁側軒梁)と隅
梁とトラス梁と継梁とから構成される。ここで、上記棟
側寄棟屋根ユニットB1の頭つなぎ(妻側軒梁)29、
及び軒先側寄棟屋根ユニットB2の頭つなぎ(妻側軒
梁、桁側軒梁)の上枠18の通気用切欠K2,K2,…
の真上に位置する部位には、通気用切欠K5,K5,…
が設けられている。
【0023】下階の天井取付工事においては、図6に示
すように、まず、野縁受30の両端部を、上階の床パネ
ル10の裏面側縁に相対向して設けられた頭つなぎ2
7,27の上面に架けて釘打ちして固定する。次に、架
設された野縁受30の下面に(床根太11 ,11,…
に接触することなく)、互いに所定の間隔で、合板材3
1を介して、野縁32,32,…及び短野縁33,3
3,…を取り付ける。最後に、石膏ボード等よりなる天
井面材34を野縁32,32,…及び短野縁33,3
3,…に取り付けて下階の天井取付工事を完了する。な
お、上階の天井取付工事についても、上述したと同様の
手順により施工されるので、その説明を省略する。
【0024】同図は、この例の建物ユニットA,Aが上
下に接合され、さらに、その上にこの例の屋根ユニット
B(棟側寄棟屋根ユニットB1)が載置接合され、天井
も取り付けられているユニット建物の一例を示してい
る。同図に示すように、下階の建物ユニットAは、屋外
と床下とを連通する床下通気口Hg,Hg,…が所定の
部位に設けられた基礎Gの上に載置され、アンカボルト
が土台27のボルト挿通孔28に挿通され、座金とナッ
トとによって緊結されることにより固定される。下階と
上階の建物ユニットA,A相互の接合に際しては、ま
ず、下階の建物ユニットAの上枠18から突出する植込
ボルト23の上雄ねじ部25が上階の建物ユニットAの
ボルト挿通孔26に挿通されるように、上階の建物ユニ
ットAを位置決めして下階の建物ユニットAに載置す
る。載置された上階の建物ユニットAは、座金とナット
が植込ボルト23の上雄ねじ部25に螺着されることに
より下階の建物ユニットAと接合される。このようにし
て載置接合された上階の建物ユニットAは、下階の建物
ユニットAの壁パネル16の上面に頭つなぎ27で当接
して緊結されるものとなっている。
【0025】棟側寄棟屋根ユニットB1は、位置決めを
して、上階の建物ユニットAの上部に載置され、座金と
ナットが植込ボルト23の上雄ねじ部25に螺着される
ことにより建物ユニットAと接合される。このようにし
て載置接合された棟側寄棟屋根ユニットB1は、建物ユ
ニットAの壁パネル16の上面に頭つなぎ29で当接し
て緊結されるものとなっている。そして、上記上階及び
下階の建物ユニットA,Aには、それぞれ水平方向の別
の建物ユニットA,A,…が、また、屋根ユニットBに
は、別の棟側寄棟屋根ユニットB1や軒先側寄棟屋根ユ
ニットB2が接合されてユニット建物が完成される。
【0026】こうして組み立てられたユニット建物にお
いては、同図に点線Iで示すように、例えば、屋外→床
下通気口Hg,Hg,…→床下空間→通気用切欠K1,
K1,…→スペーサ15,15間の隙間S,S,…→通
気用切欠K3,K3,…→壁パネル内部空間F,F,…
→通気用切欠K2,K2,…→通気用切欠4→スペーサ
15,15間の隙間S,S,…→通気用切欠K3,K
3,…→壁パネル内部空間F,F,…→通気用切欠K
2,K2,…→屋根ユニットBの通気用切欠K5,K
5,…→屋外の流れ、又はこれと逆の流れの空気の流通
経路が形成され、壁パネル内部空間F,F,…は、外気
によって換気される。
【0027】上記構成によれば、壁パネル内部空間F,
F,…は、上枠18の通気用切欠K2を通じて上方の空
間と、下枠19の通気用切欠K3及び側根太12及び端
根太13の外側面と外壁面材20との間の隙間S,S,
…を通じて下方の空間と連通し、かつ、上記隙間S,
S,…は、複数のスペーサ15,15,…を側根太12
及び端根太13の外側面の所定の箇所に取り付け、さら
にこれらのスペーサ15,15,…に外壁面材20を取
り付けることによって、形成されるので、例えば、側根
太12及び端根太13の外側面を切り欠く必要がないた
め、根太の構造用部材としての支持力を低下させること
なく、壁パネル内部空間Fを通気することができる。ま
た、上記根太の位置は、壁パネル16の重心の直下に近
づくので、この発明の建物ユニット及びユニット建物
は、安定性が向上する。
【0028】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した
実施例においては、建物ユニットAの壁パネル16に
は、開口部を設けなかったが、図7に示すように、壁パ
ネル16a,16aに窓用の開口部M1、M2を設け、
例えば、縦枠17a,17c,17c,…の外壁面材が
取り付けられることとなる側であって、窓まぐさ(開口
部M1の上枠)40の上方に通気用切欠K6,K6,…
を設け、また、端根太13には、通気用切欠K1がある
部位を残してスペーサ15,15aを取り付けて、壁パ
ネル内部空間を通気するようにしても良い。また、上述
した実施例においては、壁パネル16の上枠18及び下
枠19に相隣る縦枠17a,17a(柱17b)間に一
箇所の割合で通気用切欠K2,K2,…,K3,K3,
…を設けたが、一枚の壁パネルについて、上枠及び下枠
にそれぞれ少なくとも一箇所通気用切欠を設け、かつ、
各縦枠に少なくとも一箇所通気用切欠又は貫通孔を設け
るようにしても良い。また、上述した実施例において
は、スペーサ15を各縦枠17bの真下に一枚の割合
で、側根太12及び端根太13の外側面に取り付けた
が、例えば、長尺の一枚の平板からなり、下枠19の各
通気用切欠K3の真下に位置することとなる部位に、垂
直方向に切欠き又は貫通孔を有したスペーサを側根太1
2及び端根太13の外側面に取り付けるようにしても良
い。また、上述した実施例においては、屋根ユニットB
を、大棟を有する寄棟屋根の寄棟屋根ユニットとした
が、降り棟が一点に集中する方形の寄棟屋根の寄棟屋根
ユニットとしても良い。さらにまた、切妻屋根であって
も良い。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、壁パネル内部空間は、壁枠組に設けられた通気
用切欠と、通気用スペーサを床枠組と外側の壁面材との
間に介挿することによって形成された隙間とを通じて、
壁パネルの外部と連通しているので、例えば、床枠組の
側縁を構成する最外側の根太(側根太、端根太)の外側
面を切り欠くことなく、壁パネル内部空間の通気を行う
ことができる。それ故、構造部材としての最外側の根太
の支持力が犠牲とならないため、特別に補強材を必要と
せず、また、構造計算が煩雑になるのを回避することが
できる。また、例えば、最外側の根太の位置は、壁パネ
ルの重心下に近づくので、構造上の安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である建物を構成する建物
ユニットの構成を示す一部破断斜視図である。
【図2】複数の同建物ユニット及び屋根ユニットを組み
立ててなるユニット建物を示す斜視図である。
【図3】同建物ユニットの垂直断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う水平断面図である。
【図5】図1のD−D線に沿う水平断面図である。
【図6】図2のE−E線に沿う垂直断面図である。
【図7】この発明の一実施例の変形例である建物ユニッ
トの構成を示す一部破断斜視図である。
【図8】従来の技術を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
10 床パネル 11 床根太(根太) 12 側根太(根太) 13 端根太(根太) 14 床面材 15 スペーサ(通気用スペーサ) 16,16a 壁パネル 17a,17c 縦枠 17b 柱(縦枠) 18 上枠 19 下枠 20 外壁面材(壁面材) 21 内壁面材(壁面材) C 壁パネル内部空間 K2,K3 通気用切欠

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床枠組の上面に床面材を取り付けて構成
    された床パネルの少なくとも一方側の側縁部に、壁枠組
    の内外両面に壁面材を取り付けて構成された壁パネルが
    立設され、該壁パネルの外側の壁面材が前記床パネル側
    方にまで延びている建物であって、 前記壁枠組と内側及び外側の前記壁面材とで仕切られた
    壁パネル内部空間を通気可能な空間とするために、前記
    外側の壁面材と前記壁枠組との当接部位の前記壁枠組側
    に通気用切欠を設けると共に、前記外側の壁面材と前記
    床枠組との間に通気用スペーサを介挿したことを特徴と
    する壁内通気構造を持つ建物。
  2. 【請求項2】 前記床パネルは、根太が方形に組まれた
    床枠組の上面に床面材を取り付けて構成され、前記壁パ
    ネルは、前記床パネルの最外側の根太の上に立設され、
    かつ、前記壁パネルの外側の壁面材は、前記床パネルの
    最外側の根太の側方にまで延びていると共に、前記外側
    の壁面材と前記最外側の根太との間に前記通気用スペー
    サを介挿したことを特徴とする壁内通気構造を持つ請求
    項1記載の建物。
  3. 【請求項3】 前記外側の壁面材と前記床枠組又は前記
    最外側の根太との間に複数の前記通気用スペーサを介挿
    すると共に、隣合うスペーサ間に所定の隙間を設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の壁内通気構造を持
    つ建物。
  4. 【請求項4】 前記通気用スペーサには、前記外側の壁
    面材と当接する側又は前記床枠組若しくは最外側の根太
    と当接する側に通気用切欠が設けられていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の壁内通気構造を持つ建物。
  5. 【請求項5】 前記壁枠組は、上枠、下枠及び縦枠が方
    形に組まれて構成され、前記上枠又は/及び前記下枠に
    前記通気用切欠が設けられていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の壁内通気構造を持つ建物。
  6. 【請求項6】 前記壁パネルは、上枠、下枠及び縦枠が
    方形に組まれた壁枠組の内外両面に壁面材を取り付けて
    構成され、かつ、前記壁パネル内部空間が縦枠によって
    複数の縦枠間空間に仕切られていて、 各縦枠間空間を通気可能な空間とするために、前記上枠
    又は/及び前記下枠であって各縦枠間空間を仕切る部位
    に前記通気用切欠が設けられていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の壁内通気構造を持つ建物。
  7. 【請求項7】 前記壁パネルは、上枠、下枠及び縦枠が
    方形に組まれた壁枠組の内外両面に壁面材を取り付けて
    構成され、かつ、前記壁パネル内部空間が縦枠によって
    複数の縦枠間空間に仕切られていて、 複数の縦枠間空間を連結するために、これら複数の縦枠
    間空間を仕切る縦枠にも連結用切欠又は連結用貫通孔が
    設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    壁内通気構造を持つ建物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のうちの少なくともいず
    れか一に記載の建物を構成する建物ユニットであって、
    前記床パネルと壁パネルとが予め工場にて接合されてな
    ることを特徴とする建物ユニット。
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