JPH10279419A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤Info
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Abstract
膚外用剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 アセチル化ヒアルロン酸と、α−ヒドロ
キシ酸およびその塩とを配合することを特徴とする皮膚
外用剤。
Description
荒れ防止、肌荒れ改善機能の改良に関する。
る目的で皮膚外用剤に配合され、皮膚に対して親和性が
あるという高分子独特の使用感を得るためにも使用され
てきた。一方、α−ヒドロキシ酸(クエン酸、乳酸等)
は、近年肌荒れ改善を目的に多くの化粧品に使用されて
いる。
ロン酸あるいはα−ヒドロキシ酸による肌荒れ防止、肌
荒れ改善効果はいまだ十分でなく効果を期待するには及
ばなかった。本発明は上記従来技術の課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、肌荒れ防止、肌荒れ改善
効果を高めた新規な皮膚外用剤を提供することにある。
解決するために鋭意研究した結果、アセチル化ヒアルロ
ン酸と、α−ヒドロキシ酸およびその塩から選択される
一種または二種以上とを配合することによって、この目
的が達成できることを見出して本発明を完成するに至っ
た。
ヒアルロン酸構成単位当たりのアセチル基の置換数が2
〜4であるアセチル化ヒアルロン酸0.0001〜10
重量%と、α−ヒドロキシ酸およびその塩から選択され
る一種または二種以上を0.001〜10重量%含有
し、アセチル化ヒアルロン酸とα−ヒドロキシ酸および
その塩の配合重量比が100/1〜1/10000であ
ることすることを特徴とする。また、本発明にかかる皮
膚外用剤において、α−ヒドロキシ酸が乳酸、酒石酸、
クエン酸、グリコール酸であることが好適である。
て詳述する。本発明に使用されるアセチル化ヒアルロン
酸は、ヒアルロン酸換算で1万〜100万程度の分子量
をもつものが好適である。
ルロン酸は、ヒアルロン酸構成単位当たりのアセチル基
の置換数が2〜4のものである。アセチル基の置換数が
2より小さいと本発明の効果は十分に得られず、アセチ
ル基の置換数が、4より大きいものは製法上困難であ
る。本発明に使用されるアセチル化ヒアルロン酸の製法
は次の通りである。
媒として無水トリフルオロ酢酸を加て反応させる方法
や、酢酸に分散しp−トルエンスルホン酸を加えさらに
無水酢酸を加えて反応させる方法、無水酢酸溶媒に懸濁
させ濃硫酸を加えて反応させる方法等が知られている
(特開平6−9707、特開平8−53501)。
配合する場合の配合量は、皮膚外用剤全量中、0.00
01〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%で
ある。0.0001重量%未満ではその効果は発揮され
ない場合があり、10重量%を越えて配合しても肌荒れ
改善効果の向上は期待できず、さらには使用性が悪くな
ることがあり、好ましくない。
1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基とを持
つ有機化合物で、カルボキシル基が結合している炭素原
子(α炭素)に水酸基が結合している化合物である。具
体的には、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸およ
びその塩が挙げられる。
の塩の配合量には特に限定はないが、好ましくは皮膚外
用剤全量中に、0.001〜10重量%さらに好ましく
は、0.01〜5重量%配合される。α−ヒドロキシ酸
およびその塩の配合量が0.001重量%より少なくな
ると顕著な肌荒れ改善効果が得られない場合があり、1
0重量%を超えて配合しても肌荒れ改善効果の向上は期
待できず、さらには使用性が悪くなることがあるので好
ましくない。
α−ヒドロキシ酸およびその塩の両者の相乗作用が顕著
に認められる配合重量比は、両者の有効な配合量を満た
した上で、概ね100/1〜1/10000である。こ
の配合重量比をはずれると、どちらかの薬剤が必要以上
に配合されていることになり、肌荒れ改善効果としては
問題ないが費用面で不利益を被ることになるので好まし
くない。
の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる
他の成分、例えばアボガド油、パーム油、ピーナッツ
油、牛脂、コメヌカ油、ホホバ油、カルナバロウ、ラノ
リン、流動パラフィン、オキシステアリン酸、パルミチ
ン酸イソステアリル、イソステアリルアルコール等の油
分、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコー
ル、ピロリドンカルボン酸およびその塩、コラーゲン、
ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸および
その塩等の保湿剤、パラジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、ウロカニン酸、ジイソプロピルケイヒ酸エチル等の
紫外線吸収剤、エリソルビン酸ナトリウム、セージエキ
ス、パラヒドロキシアニソール等の酸化防止剤、ステア
リル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ジエタノールアミン、
セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、イソステア
リン酸ポリエチレングリコール、アラキン酸グリセリル
等の界面活性剤、エチルパラベン、ブチルパラベン等の
防腐剤、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、セ
ンブリ、バーチ、ビワ等の抽出物、グリチルリチン酸誘
導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒ
ノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤、胎
盤抽出物、グルタチオン、ユキノシタ抽出物、アスコル
ビン酸誘導体等の美白剤、ニンジン、アロエ、ゼニアオ
イ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ等の
抽出物、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導
体、各種アミノ酸類等の賦活剤、サフラン、センキュ
ウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマ
リー、ニンニク等の抽出物、γ−オリザノール、デキス
トラン硫酸ナトリウム、等の血行促進剤、硫黄、チアン
トール等の抗脂漏剤、香料、水、アルコール、カルボキ
シビニルポリマー等の増粘剤、チタンイエロー、カーサ
ミン、ベニバナ赤等の色剤等を必要に応じて適宜配合す
ることができる。
溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水- 油二層
系、水- 油- 粉末三層系等、どのような剤型でも構わな
い。また、本発明の皮膚外用剤の用途も任意であり、化
粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料
やファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャ
ップ化粧料やボディー化粧料、芳香化粧料、洗浄料、軟
膏等に用いることができる。
て、本発明を具体的に明らかにする。本発明はこれによ
り限定されるものではない。なお、配合量は重量%であ
る。また、アセチル化度は、アセチル化ヒアルロン酸の
ヒアルロン酸構成単位当たりのアセチル基の置換数を示
す。まず、本発明者らは、アセチル化ヒアルロン酸を配
合した皮膚外用剤を検討する過程で、下記のような試験
を行った。
調製し、実施例1および比較例とした。
全溶解する。AをBに加えて、乳化機で乳化する。乳化
物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得た。
クリームを人体パネルで肌荒れ改善効果試験を行った。
まず、パネルを選ぶにあたって、女性健康人(顔面)の
皮膚表面形態をミリスチン樹脂によるレプリカ法を用い
て肌のレプリカを採り顕微鏡(17倍)にて観察し、皮
紋の状態および角層の剥離状態から表2に示す基準に基
づいて肌荒れ評価1、2と判断された者(肌荒れパネ
ル)20名をパネルとした。各パネルの顔面左右半々
に、実施例1のクリームと比較例のクリームを1日2回
塗布した。2週間後再びレプリカを採り肌の状態を観察
し、表2の判断基準に従って評価した。評価結果を表3
に示す。
酸とα−ヒドロキシ酸(グリコール酸)を配合したクリ
ーム(実施例1)は、通常のヒアルロン酸とα−ヒドロ
キシ酸を配合したクリーム(比較例)と比較して、顕著
な肌荒れ改善効果が認められた。このことから、本発明
は肌荒れ防止にも顕著な効果が期待できる。また、被験
者(肌荒れパネル)には副作用は何ら認められなかっ
た。
酸およびその塩の配合 〔試験例1〜4〕下記表4の種々の処方のクリームの肌
荒れ改善効果試験を肌荒れパネル30名により行い、そ
の結果を表5に示した。なお、クリームの製造方法、肌
荒れ改善効果試験の方法は、実施例1および比較例に準
じて行い、その評価基準は表2のとおりである。
化ヒアルロン酸とα−ヒドロキシ酸(グリコール酸)を
併用したクリーム(試験例1)を使用した顔面部位は両
物質を併用しなかったクリーム(試験例2〜4)を使用
した顔面部位と比較し、顕著な肌荒れ改善効果が認めら
れた。したがって、アセチル化ヒアルロン酸とα−ヒド
ロキシ酸およびその塩を配合することによって、肌荒れ
防止・肌荒れ改善効果が飛躍的に高まることがわかる。
換数 〔試験例5〜8〕下記表6のアセチル化度の異なるアセ
チル化ヒアルロン酸を配合した種々の処方のクリームの
肌荒れ改善効果試験を肌荒れパネル20名により行い、
その結果を表7に示した。なお、クリームの製造方法、
肌荒れ改善効果試験の方法は、実施例1および比較例に
準じて行い、その評価基準は表2のとおりである。
ン酸構成単位当たりのアセチル基の置換数が2〜4であ
るアセチル化ヒアルロン酸を配合したクリーム(試験例
8〜9)は、アセチル基の置換数が2より少ないアセチ
ル化ヒアルロン酸を配合したクリーム(試験例5、6)
と比較して肌荒れ改善効果に優れていることがわかる。
別の肌荒れ防止剤を配合した種々の処方のクリームの肌
荒れ改善効果試験を肌荒れパネル30名により行い、そ
の結果を表9に示した。なお、クリームの製造方法、肌
荒れ改善効果試験の方法は、実施例1および比較例に準
じて行い、その評価基準は表2のとおりである。
化ヒアルロン酸とα−ヒドロキシ酸を配合したクリーム
(試験例9〜12)は優れた肌荒れ改善効果をもってい
ることがわかる。これに対して、α−ヒドロキシ酸では
ないが水酸基とカルボキシル基の両方をもつ有機酸であ
り、肌荒れ防止に用いられるタンニン酸(試験例1
3)、パントテン酸(試験例14)を配合したクリーム
では本発明のような顕著な肌荒れ改善の相乗効果は得ら
れないことがわかる。
ン酸の配合量を変えた種々の処方のクリームの肌荒れ改
善効果試験を肌荒れパネル30名により行い、その結果
を表11に示した。なお、クリームの製造方法、肌荒れ
改善効果試験の方法は、実施例1および比較例に準じて
行い、その評価基準は表2のとおりである。
ル化ヒアルロン酸の配合量が0.0001〜10重量%
のクリーム(試験例16〜19)は、肌荒れ改善効果に
優れていることがわかる。
配合量が10重量%を超えるクリーム(試験例20)は
肌荒れ改善効果には優れているが、その効果の向上がな
いことがわかる。また、表11より本発明に用いられる
アセチル化ヒアルロン酸の配合量が0.0001重量%
より少ないと本発明の効果は得られにくいことがわかる
(試験例16)。したがって、本発明の皮膚外用剤にお
いては、アセチル化ヒアルロン酸の配合量が0.000
1〜10重量%であることが好適であることがわかる。
配合量を変えた種々の処方のクリームの肌荒れ改善効果
試験を肌荒れパネル30名により行い、その結果を表1
3に示した。なお、クリームの製造方法、肌荒れ改善効
果試験の方法は、実施例1および比較例に準じて行い、
その評価基準は表2のとおりである。
ドロキシ酸の配合量が0.001重量%より少ないクリ
ーム(試験例21)は、顕著な肌荒れ改善効果が得られ
ないことがわかる。また、α−ヒドロキシ酸の配合量が
0.001〜10重量%であるクリーム(試験例22〜
25)は、α−ヒドロキシ酸の配合量を増やすことによ
って、肌荒れ改善効果の向上が見られる。これに対し
て、10重量%を越えて配合されたクリーム(試験例2
6)は、α−ヒドロキシ酸10重量%が配合されたクリ
ーム(試験例25)と比較して、肌荒れ改善効果に向上
が見られないことがわかる。したがって、α−ヒドロキ
シ酸の配合量は、0.001〜10重量%が適当である
ことがわかる。
酸およびその塩の配合重量比 〔試験例27〜32〕下記表14のアセチル化ヒアルロ
ン酸(AcHA)とα−ヒドロキシ酸およびその塩(A
HA)の配合重量比を変えた種々の処方のクリームの肌
荒れ改善効果試験を肌荒れパネル30名により行い、そ
の結果を表15に示した。なお、クリームの製造方法、
肌荒れ改善効果試験の方法は、実施例1および比較例に
準じて行い、その評価基準は表2のとおりである。
ル化ヒアルロン酸とα−ヒドロキシ酸の配合重量比が1
/1であるクリーム(試験例29)と比較して、100
/1のクリーム(試験例28)は、肌荒れ改善効果に向
上がみられる。これに対して、100/1を越えてアセ
チル化ヒアルロン酸の割合を増やしたクリーム(試験例
27)は、100/1のクリーム(試験例28)と比較
して、肌荒れ改善効果の向上が見られないことがわか
る。
ロキシ酸の配合重量比が1/10000であるクリーム
(試験例31)は、1/1000のクリーム(試験例3
0)と比較して、肌荒れ改善効果が認められる。これに
対して、1/10000を越えてが配合されたクリーム
(試験例32)は、1/10000のクリーム(試験例
31)と比較して、肌荒れ改善効果の向上が得られない
ことがわかる。したがって、アセチル化ヒアルロン酸と
α−ヒドロキシ酸の配合重量比は100/1〜1/10
000が適当であることがわかる。
体的にするため実施例を示す。実施例1と同様な評価を
行ったところ、各実施例の皮膚外用剤は実施例1と同様
優れた肌荒れ改善効果を示した。
溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。乳
化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得た。
水をえた。
(3)および(5)(6)(9)を80℃で混合溶解し
た中に撹拌添加した後、室温まで放冷してパックを得
た。
た後、型からとり出して棒状口紅を得た。
ルロン酸とα−ヒドロキシ酸およびその塩を配合するこ
とにより、肌荒れ防止・肌荒れ改善効果を副作用なく著
しく増加させることができる利点を持っている。
Claims (2)
- 【請求項1】 アセチル基の置換数が、ヒアルロン酸構
成単位当たり、2〜4であるアセチル化ヒアルロン酸
0.0001〜10重量%と、α-ヒドロキシ酸および
その塩から選択される一種または二種以上を0.001
〜10重量%配合し、かつアセチル化ヒアルロン酸とα
−ヒドロキシ酸およびその塩の配合重量比が100/1
〜1/10000であることを特徴とする皮膚外用剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の皮膚外用剤において、
α-ヒドロキシ酸が、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコ
ール酸であることを特徴とする皮膚外用剤。
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---|---|---|---|
JP09820597A JP3667491B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 皮膚外用剤 |
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KR102637766B1 (ko) * | 2023-09-08 | 2024-02-16 | 주식회사 모이스텐 | 피부 기능 개선 효과를 갖는 생분해성 필름 및 이의 제조방법 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP09820597A patent/JP3667491B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US11766393B2 (en) | 2017-03-10 | 2023-09-26 | Givaudan Sa | Skin care composition comprising acetylated hyaluronic acid with degree of acetylation quantified by 2D-MR |
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