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JPH09328500A - 膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定法 - Google Patents

膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定法

Info

Publication number
JPH09328500A
JPH09328500A JP9087744A JP8774497A JPH09328500A JP H09328500 A JPH09328500 A JP H09328500A JP 9087744 A JP9087744 A JP 9087744A JP 8774497 A JP8774497 A JP 8774497A JP H09328500 A JPH09328500 A JP H09328500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amylase
pancreatic
activity
amylase isozyme
isozyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9087744A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kurosawa
竜雄 黒澤
Shinzo Obata
伸三 小畠
Katsuhiko Sugino
克彦 杉野
Takahisa Kobayashi
高久 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP9087744A priority Critical patent/JPH09328500A/ja
Publication of JPH09328500A publication Critical patent/JPH09328500A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】膵型α−アミラーゼアイソザイム活性を特異的
に測定するために有用なモノクローナル抗体、及び特異
的且つ高精度な膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の
測定法、並びにこれに用いる試薬の提供。 【解決手段】膵型α−アミラーゼアイソザイムの抗体に
よる活性阻害作用を防止する性質を有するモノクローナ
ル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ及び該モノクローナル抗体を用いた膵型α−アミラー
ゼアイソザイム活性の測定法、並びにこれに用いる試
薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノクローナル抗
体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ及
び該モノクローナル抗体を用いた膵型α−アミラーゼア
イソザイム活性の測定法、並びにこれに用いる膵型α−
アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬及びキットに関
する。
【0002】
【従来の技術】生体試料などの被検試料、特にヒトの唾
液、膵液、血液、尿中のα−アミラーゼ活性の測定は医
学上の診断に於いて重要である。例えば、膵炎、膵臓
癌、耳下線炎に於いては、血液や尿中のα−アミラーゼ
活性は通常の値に比べて著しい上昇を示す。更に、例え
ば血中α−アミラーゼ活性を各アイソザイムに分離して
測定することは高アミラーゼ血症の解析や病態の解明に
重要であり、日常臨床検査にも応用されている。
【0003】ヒトα−アミラーゼアイソザイムとして
は、唾液腺由来の唾液型α−アミラーゼアイソザイムと
膵臓由来の膵型α−アミラーゼアイソザイムの2種類が
古くから知られている。中でも、主に膵臓疾患の診断指
標として膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の測定は
重要であり、現在までに種々の膵型α−アミラーゼアイ
ソザイムの分別測定法が開発されてきた。このようなα
−アミラーゼアイソザイムの分別測定法としては、例え
ば電気泳動法,ゲル濾過法,アフィニティークロマトグ
ラフィーを利用する方法等のアイソザイム間のタンパク
質化学的な差を利用して分離・測定する方法、例えば唾
液型α−アミラーゼアイソザイムインヒビター等の阻害
剤を利用する方法、例えば抗原抗体反応により唾液型α
−アミラーゼアイソザイムの活性を特異的に阻害し得る
ことを利用した免疫学的方法(免疫阻害法)等、種々の
方法が知られている。特に、免疫阻害法は、特別な装置
を必要とせず、且つ操作手順が比較的簡単で、測定が短
時間ですむ等の点から、自動分析装置による大量検体処
理を必要とする近年の臨床検査分野に於て重要な方法で
ある。
【0004】しかしながら、唾液型α−アミラーゼアイ
ソザイムと膵型α−アミラーゼアイソザイムは、そのア
ミノ酸構造が極めて類似しており、その結果、その抗原
性も当然のことながら極めて類似したものであるため、
膵型α−アミラーゼアイソザイム活性を全く阻害せず、
唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性のみを完全に阻
害するような抗体を取得することは極めて困難なことで
ある。そのため、従来の免疫阻害法による膵型α−アミ
ラーゼアイソザイム活性の測定に於ては、正確な測定値
を得ることが困難とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、抗体による膵型α−アミ
ラーゼアイソザイムの活性阻害作用を防止する性質を有
する、膵型α−アミラーゼアイソザイムに対するモノク
ローナル抗体、該モノクローナル抗体を用いた高精度の
膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の測定法、並びに
これに用いる膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定
用試薬を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、抗体による膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムの活性阻害作用を防止する性質を有する、膵型α
−アミラーゼアイソザイムに対するモノクローナル抗体
の発明である。
【0007】(2)また、本発明は、上記(1)のモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマの発明であ
る。
【0008】(3)更に、本発明は、唾液型α−アミラ
ーゼアイソザイム活性を阻害する抗体と、上記(1)の
モノクローナル抗体とを組み合わせて使用することを特
徴とする、膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の測定
法の発明である。
【0009】(4)また、本発明は、唾液型α−アミラ
ーゼアイソザイム活性を阻害する抗体と、上記(1)の
モノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする、膵
型α−アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬の発明で
ある。
【0010】(5)更にまた、本発明は、緩衝剤、共役
酵素、唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性を阻害す
る抗体及び上記(1)のモノクローナル抗体を含んでな
る第一試薬と、緩衝剤及び合成基質を含んでなる第二試
薬とを組み合わせてなる膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性測定用試薬キットの発明である。
【0011】(6)また、本発明は、共役酵素、唾液型
α−アミラーゼアイソザイム活性を阻害する抗体及び上
記(1)のモノクローナル抗体を含んでなる凍結乾燥試
薬と、緩衝剤を含んでなる凍結乾燥試薬用溶解液と、合
成基質を含んでなる凍結乾燥基質試薬と、緩衝剤を含ん
でなる凍結乾燥基質試薬用溶解液とを組み合わせてなる
膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬キット
の発明である。
【0012】即ち、本発明者等は、免疫阻害法を利用し
た、高精度の膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定法
を開発するために鋭意研究の結果、抗体による膵型α−
アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用を防止する性質
を有するモノクローナル抗体を取得することに成功し
た。そこで更に研究を重ねた結果、免疫阻害法を利用し
た膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定法に於て、
該モノクローナル抗体を、唾液型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性を阻害する抗体(以下、抗唾液型α−アミラ
ーゼ活性阻害抗体と略記する。)と組み合わせて用いれ
ば、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体が一般的に有
している、膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性を阻
害する作用を防止することができるので、唾液型α−ア
ミラーゼアイソザイム活性のみを阻害させ、膵型α−ア
ミラーゼアイソザイム活性を特異的に精度よく測定する
ことが可能であることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0013】本発明のモノクローナル抗体は、膵型α−
アミラーゼアイソザイムに対する抗体であって、抗体に
よる膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用を
防止する性質を有するものであればよく、その由来につ
いては特に限定されない。また、このような性質を有す
るものであれば唾液型α−アミラーゼアイソザイムに結
合する性質を有するものであってもよいが、膵型α−ア
ミラーゼアイソザイム測定の際の特異性の点を考慮する
と、唾液型α−アミラーゼアイソザイムに対する結合率
よりも膵型α−アミラーゼアイソザイムに対する結合率
の方が大きいものの方が好ましく、特に唾液型α−アミ
ラーゼアイソザイムに対する結合率よりも膵型α−アミ
ラーゼアイソザイムに対する結合率の方が5倍以上大き
いものがより好ましい。また、本発明のモノクローナル
抗体を膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定に使用
するにあたっては、単独で用いても良いし、適宜組み合
わせて用いても良い。
【0014】本発明のモノクローナル抗体に於ける抗体
による膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用
を防止する性質とは、例えば膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムの活性を阻害する性質を有する抗唾液型α−アミ
ラーゼ活性阻害抗体と組み合わせて用いた場合に膵型α
−アミラーゼアイソザイム活性を全く阻害しないか、或
いはその阻害の程度が測定誤差程度であるような性質
(例えば、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体の種類
により異なるため一概には言えないが、抗唾液型α−ア
ミラーゼ活性阻害抗体と本発明のモノクローナル抗体と
を組み合わせて用いた場合の膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性阻害率が、通常5%以下、好ましくは3%以
下、より好ましくは2%以下である。)を言う。尚、上
記阻害率は、本発明のモノクローナル抗体を2種以上組
み合わせた場合に得られるものであっても良い。また、
本発明のモノクローナル抗体には、上記の如き性質を有
するものであれば、これらの一部、例えば、これらをパ
パイン等で部分分解して得られるFabフラグメント、
ペプシン等で部分分解して得られるF(ab’)2フラ
グメント、F(ab’)2フラグメントを還元処理して
得られるFab’フラグメント等の所謂抗体フラグメン
トも包含される。尚、本発明のモノクローナル抗体は、
当然の事ながら、それ自身が膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性を全く阻害しないか、或いはその阻害の程度
が測定誤差程度であるような性質を有するものであるこ
とは言うまでもない。
【0015】本発明のハイブリドーマは、上記の如き性
質を有するモノクローナル抗体を産生するものであれば
特に限定されない。
【0016】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマを得る方法としては、例えばヒト膵液より精製し
たヒト膵型α−アミラーゼアイソザイムを、例えばモル
モット、ラット、マウス等の、例えば脾細胞、リンパ球
等の免疫感作された細胞と、例えば骨髄腫細胞等の永久
的に増殖する性質を有する細胞とを、ケラーとミルシュ
タインらにより開発された自体公知の細胞融合技術によ
り融合させてハイブリドーマを作製し、抗体による膵型
α−アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用を防止する
性質を有するモノクローナル抗体を生産するハイブリド
ーマを選択することによって、目的のハイブリドーマを
取得し、該ハイブリドーマを培地中に培養するか、動物
の腹腔内に接種して腹水中に抗体を産生させて、該培養
物又は腹水より目的のモノクローナル抗体を採取する方
法、例えば遺伝子組換え技術等を応用した自体公知の細
胞融合法〔例えば、Eur. J. Immunol., 6, 511 (1976)
等〕等により上記した如き性質を有する抗体を産生する
細胞(ハイブリドーマ)を作製・取得し、この細胞を培
養することにより目的のモノクローナル抗体を採取する
方法等が挙げられる。
【0017】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマを得る方法に於て、免疫感作された細胞と融合さ
せる、永久的に増殖する性質を有する細胞としては、通
常ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トラン
スフェラーゼやチミジンキナーゼ等の核酸合成に於ける
サルベージ回路の酵素を欠損している腫瘍細胞の変異株
が用いられる。このような腫瘍細胞の具体例としては、
例えばP3−×63−Ag8(×63)、P3−NSI
/1−Ag4−1(NS−1)、P3−×63−Ag8
−U1(P3U1)、MPC11−45,6,TG1.
7(MPC11)、SP2/0−Ag14(SP2)、
×63−Ag8−6,5,3(×63,6.5.3)、
210,RC,Y3−Ag1.2.3(Y3−Ag1.
2.3)等が挙げられる。
【0018】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマを得る方法に於て用いられる免疫原としては、通
常、膵型α−アミラーゼアイソザイムが用いられ、その
由来についても特に限定されないが、好ましくはヒト由
来の膵型アミラーゼが用いられる。より具体的には、例
えば膵液中より精製する方法〔ANN. CLIN. LAB. SCI.(U
SA)., 7/4, 298-309(1977)、NATURE., Vol.197, 591-59
2(1963)等〕、遺伝子組換えを利用する方法〔Gene., 6
0, 57-64(1987)、Gene., 89, 253-258(1990)等〕等の自
体公知の方法により得られるヒト由来の膵型アミラーゼ
や、市販品〔例えば、スクリプス社製等〕の膵型アミラ
ーゼ等が挙げられる。
【0019】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマを得る方法をより具体的に述べれば、例えば以下
の如くなる。
【0020】即ち、先ず、上記の如きヒト膵型α−アミ
ラーゼアイソザイムと、完全フロイントアジュバント等
のアジュバントとを混合して懸濁液を作製する。この懸
濁液をマウス等の前述の如き適当な動物に適当量、例え
ば膵型α−アミラーゼアイソザイムタンパク質量とし
て、通常1回量1μg/マウス以上、好ましくは10〜100
μg/マウスとなる量で、通常1〜5週間毎に、好まし
くは2〜5週間毎に、通常2〜10回、好ましくは3〜8
回、皮下、静脈内或いは腹腔内に投与する。免疫後、該
動物より採血し、その抗血清中に、膵型α−アミラーゼ
アイソザイムに対する抗体が存在することを以下の方法
により確認する。即ち、予め膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムを固定化した96穴マイクロプレートに、得られた
抗血清を適当量分注して反応を行った後に、適宜洗浄す
る。次いで、これにPOD等の酵素で標識した抗マウス
IgG抗体を反応させる。適宜洗浄を行った後に、o−
フェニレンジアミン等の酵素基質と過酸化水素とを含有
する発色剤を添加して反応させ、生ずる色素量を測定す
ることにより、残存するPOD等の酵素活性確認して、
膵型α−アミラーゼアイソザイムに対する抗体が産生し
ているか否かを確認する。確認後、最終免疫から通常1
〜5日後、好ましくは2〜4日後に免疫化動物から脾臓
を摘出し、脾細胞を常法により調製する。得られた脾細
胞と、例えばNS−1細胞等の骨髄腫細胞とを常法に従
い細胞融合する。この際、例えば、ポリエチレングリコ
ール(以下、PEGと略記する。)を融合剤として使用
する細胞融合法に於ては、平均分子量が、通常1000〜20
000、好ましくは4000〜6000のPEGを、通常10〜80
%、好ましくは35〜55%の濃度で用いて、通常0.5〜30
分、好ましくは4〜10分処理することにより脾細胞と骨
髄腫細胞とを効率よく融合させることができる。次い
で、常法に従って、融合細胞をヒポキサンチン−アミノ
プテリン−チミジン(HAT)培地〔ネイチャー,第25
6巻,第495頁(1975)〕等を用いて選択的に増殖させ
る。選択された融合細胞を培養し、培養上清中に目的の
性質を有する抗体が存在することを以下の方法により確
認し、目的の抗体を産生する細胞を更に選択する。即
ち、先ず産生されたモノクローナル抗体が、膵型α−ア
ミラーゼアイソザイム活性を阻害するか否かについて
は、例えば該培養上清と既知活性の膵型α−アミラーゼ
アイソザイムとを反応させ、反応後、自体公知のα−ア
ミラーゼ活性測定法により、膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムの残存活性を測定することにより判定する。ま
た、該培養上清中のモノクローナル抗体が、抗体による
膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用を防止
し得るか否かについては、例えば既知濃度の膵型α−ア
ミラーゼアイソザイムと、膵型α−アミラーゼアイソザ
イムの活性阻害作用を有する抗体(例えば唾液型α−ア
ミラーゼアイソザイム活性を阻害すると共に膵型α−ア
ミラーゼアイソザイム活性をも若干阻害してしまう性質
を有するモノクローナル抗体等)とを反応させた場合の
膵型α−アミラーゼアイソザイムの残存活性と、既知濃
度の膵型α−アミラーゼアイソザイムと、該培養上清と
膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性阻害作用を有す
る抗体とを反応させた場合の膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムの残存活性とを自体公知のα−アミラーゼアイソ
ザイム活性測定法により夫々測定し、この結果に基づい
て判定すれば良い。次いで、目的の抗体を産生する融合
細胞について、限界希釈法等によるクローニングを1〜
3回行い、産生する抗体価が高く、抗体を安定に産生す
ることが認められたものを本発明のモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマ株として選択する。次いで常法に従
い、得られたハイブリドーマを、例えばダルベッコ改変
イーグル培地、RPMI1640培地、市販の無血清培
地等の適当な培地で培養し、その培養液中に目的のモノ
クローナル抗体を産生させるか、或いは動物の腹腔内に
接種し、腹水中に目的のモノクローナル抗体を産生させ
る。この培養液又は腹水を採取し、例えば硫酸アンモニ
ウム塩析、例えばリン酸緩衝液等の緩衝液を用いた透
析、例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニテ
ィークロマトグラフィー等の通常この分野で使用される
精製方法に従い精製し、精製モノクローナル抗体とす
る。尚、モノクローナル抗体のサブクラスの決定は、二
重免疫拡散法(金原出版株式会社 臨床検査法提要 第
30版 P.842-843)等の自体公知の方法によって行えば
よい。
【0021】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマのより好ましい具体例としては、ハイブリドーマ
P−7並びにこれが生産するモノクローナル抗体P−7
及びハイブリドーマP−36並びにこれが生産するモノ
クローナル抗体P−36等が挙げられる。尚、ハイブリ
ドーマP−7及びハイブリドーマP−36は、夫々平成
8年4月2日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所に、寄託番号P15548及び寄託番号P15549として
寄託されている。
【0022】本発明のモノクローナル抗体及びハイブリ
ドーマを得る方法に於て使用される膵型α−アミラーゼ
アイソザイムの活性阻害作用を有する抗体としては、膵
型α−アミラーゼアイソザイムや唾液型α−アミラーゼ
アイソザイムを、例えば馬、牛、羊、山羊、兎、モルモ
ット、ラット、マウス等の動物に免疫する常法により得
られる抗血清中に含まれる上記の如き性質を有する抗体
を、常法により精製することにより得られたものや、前
述した如き自体公知の方法により、上記の如き性質を有
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作
製して、これを適当な培地で培養するかマウス等の腹腔
内で増殖させて得られるモノクローナル抗体等が挙げら
れる。
【0023】本発明のモノクローナル抗体を、免疫阻害
法による膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定法に於
て、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体と組み合わせ
て用いれば、膵型α−アミラーゼアイソザイム活性を精
度よく測定することができる。
【0024】本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム
活性の測定法に於て使用される抗唾液型α−アミラーゼ
活性阻害抗体としては、本発明のモノクローナル抗体と
組み合わせて用いた場合でも、唾液型α−アミラーゼア
イソザイム活性を完全に阻害するか、或いは、膵型α−
アミラーゼアイソザイムの測定に支障がない程度以上に
唾液型α−アミラーゼアイソザイムの活性を阻害し得る
ようなものであって、本発明のモノクローナル抗体と組
み合わせて用いた場合に、その膵型α−アミラーゼアイ
ソザイム活性阻害作用が事実上問題とならない程度であ
るような抗体であれば良く特に限定されない。また、抗
唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体は、単独で用いて
も、適宜2種以上組み合わせて用いても何れにても良
く、本発明のモノクローナル抗体と組み合わせた場合
に、唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害率が通
常95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%
以上で、且つ膵型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害
率が通常5%以下、好ましくは3%以下、より好ましく
は2%以下のものが挙げられる。また、抗唾液型α−ア
ミラーゼ活性阻害抗体としては、上記の如き性質を有す
るものであればその由来については特に限定されず、例
えば前述の如き自体公知の方法により得られるポリクロ
ーナル抗体でも、例えば前述の如き自体公知の方法によ
り得られるモノクローナル抗体でも何れにても良いが、
キットの調製の容易さ、ロット管理(品質管理)の容易
さ等を考慮すると、モノクローナル抗体の方が望まし
い。より具体的には、例えば特公平4-37380号公報、特
開昭61-164161号公報、特公昭63-2600号公報、特公平7-
10238号公報、特公平8-5919号公報等に記載の唾液型α
−アミラーゼアイソザイム活性阻害作用を有するモノク
ローナル抗体等は全て使用可能である。尚、当該抗体を
使用するにあたっては、上記の如き性質を有するもので
あれば、これらの一部、例えば、パパイン等で部分分解
して得られるFabフラグメント、ペプシン等で部分分
解して得られるF(ab’)2フラグメント、F(a
b’)2フラグメントを還元処理して得られるFab’
フラグメント等、即ち、モノクローナル抗体フラグメン
トとして使用しても良いことは言うまでもない。
【0025】本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム
活性の測定法は、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体
と、本発明のモノクローナル抗体とを使用する以外は、
自体公知の免疫阻害法を利用した膵型α−アミラーゼア
イソザイム活性測定法に準じて、実施すればよく、使用
される試液類もこれら自体公知の方法に準じて適宜選択
すればよい。即ち、唾液型α−アミラーゼアイソザイム
及び膵型α−アミラーゼアイソザイムが共存している検
体と、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体と、本発明
のモノクローナル抗体とを反応させて、検体中に共存し
ている唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性のみを阻
害し、残存する膵型α−アミラーゼアイソザイムの活性
を自体公知のα−アミラーゼ活性測定法に準じて測定す
ることにより、検体中の膵型α−アミラーゼアイソザイ
ムのみを測定することができる。
【0026】これら自体公知のα−アミラーゼアイソザ
イム活性測定法としては、免疫阻害法に利用し得るもの
であれば特に限定されないが、例えばデンプンにアミラ
ーゼを作用させて、残存するデンプン量をヨードデンプ
ン反応で測定するAmyloclastic法、例えばアミラーゼに
よって分解される還元糖量を測定するSaccharogenic
法、例えば色素をデンプンに結合させたものを基質と
し、アミラーゼの作用により遊離した寡糖結合の色素量
(反応生成物である低分子色素結合物)を定量するChro
mogenic法、例えばオリゴサッカライド、デンプン、又
はそれらの誘導体を基質とし、検体中のアミラーゼと添
加共役酵素の作用により生成するグルコース、グルコー
ス−6−リン酸(G6P)、色素等を更に常法(例え
ば、酵素法若しくは可視部の比色法等)によって定量
し、アミラーゼ活性を求める共役酵素法等が挙げられる
(金原出版株式会社 臨床検査法提要 第30版 P630-6
40等)。なかでも、従来のデンプン、アミロース、アミ
ロペクチン等の天然物及びその修飾物等の代わりに、グ
ルコース残基数が3〜7個のオリゴサッカライド誘導体
等を基質として使用する共役酵素法が好ましく挙げら
れ、特に、還元末端に発色基を有し、非還元末端グルコ
ースの6位又は4,6位を修飾したマルトオリゴサッカ
ライド誘導体、所謂合成基質を基質として用いる共役酵
素法は、合成基質そのものがα−グルコシダーゼ、β−
グルコシダーゼ、グルコアミラーゼ等の共役酵素の基質
とならず、且つα−アミラーゼ活性に応じて遊離してく
る発色物質の量を測定することにより行うことができる
のでより好ましい。
【0027】本発明に於て、例えば上記の如き合成基質
を用いた共役酵素法により膵型α−アミラーゼアイソザ
イム活性を測定する場合は、例えば特開平6-9676号公報
等に記載の方法に準じて以下の如くして行えばよい。
【0028】即ち、先ず、膵型α−アミラーゼアイソザ
イム及び唾液型α−アミラーゼアイソザイムを含む生体
由来の検体と、前述の如き性質を有する本発明のモノク
ローナル抗体と、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体
とを反応させ、検体中に共存している唾液型α−アミラ
ーゼアイソザイム活性のみを阻害する。次いで、検体中
に残存する膵型α−アミラーゼアイソザイムと、上記の
如き合成基質とを反応させ、残存する膵型α−アミラー
ゼアイソザイムの加水分解作用を受けて生じる水解生成
物に、1〜3種の共役酵素を作用させ、生じる成績体の
測定結果に基づいて膵型α−アミラーゼアイソザイム活
性を求めれば良い。
【0029】本発明の上記方法に於て使用される合成基
質としては、α−アミラーゼ活性測定に用いられる自体
公知の合成基質は全て使用することが可能である。この
ような合成基質としては、例えば還元末端グルコース
が、例えばp−ニトロフェニル基、2−クロロ−4−ニ
トロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基等の光学
的に検出可能な基や、フルクトース残基等により修飾さ
れたものや、更に、非還元末端グルコースが、例えばベ
ンジル基、エチリデン基、3−ケトブチリデン基、ベン
ジリデン基、糖残基等により修飾されたもの等が挙げら
れる。また、これら合成基質の使用濃度としては、基質
の種類によっても異なり一概には言えないが、α−アミ
ラーゼ活性測定時の濃度として通常約0.1〜30mMの範囲
から適宜選択される。
【0030】本発明の上記方法に於て使用する共役酵素
としては、例えばグルコアミラーゼ、α−グルコシダー
ゼ、β−グルコシダーゼ、イソマルターゼ、β−アミラ
ーゼ等が挙げられ、これら共役酵素の由来としては特に
限定されないが、例えば、動物、植物、微生物由来のも
のが利用でき、単独で、或は適宜組み合わせて用いられ
る。これら共役酵素の使用量としては、α−アミラーゼ
活性測定時の濃度として通常0.5〜1000U/ml、好ましく
は2〜500U/mlの範囲から適宜選択される。
【0031】本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム
の測定法を実施する際の反応条件としては、反応温度は
特に限定されないが、好ましくは約25〜40℃であり、反
応時間は目的により適宜決定すれば良く、特に限定され
ない。
【0032】また、反応時のpHも目的の測定を実施でき
る範囲であれば特に限定されないが、高感度の測定が可
能であることから、α−アミラーゼ活性の至適pHである
pH約6〜8が望ましい。pHを維持するための緩衝剤は、
目的のpHを維持し得るものであれば特に限定されず、通
常この分野で用いられる緩衝剤、例えば、リン酸塩、ト
リスハイドロキシメチルアミノメタン、グッドの緩衝剤
等が好ましく挙げられる。
【0033】本発明の測定法を実施するに際しては、要
すればα−アミラーゼの賦活剤を使用しても良い。賦活
剤としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、
塩化カリウム等の金属塩類や、アジ化物、チオシアン酸
塩、シアン酸塩等が挙げられる。これら賦活剤は、単独
で使用しても、適宜任意に組み合わせて使用しても何れ
にても良い。また、これら賦活剤の使用濃度は、その種
類により自ら異なるが、α−アミラーゼ活性測定時の濃
度として通常1〜10mM程度の範囲から適宜選択される。
【0034】本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム
活性の測定法に於ける検体としては、膵型α−アミラー
ゼアイソザイムを含有するものであれば特に限定されな
いが、より具体的には、例えば血清、血漿、尿、膵液、
髄液、組織抽出液等の生体由来試料が挙げられる。
【0035】検体中の膵型α−アミラーゼアイソザイム
を測定する目的で使用される、抗唾液型α−アミラーゼ
活性阻害抗体と、本発明のモノクローナル抗体を含んで
なる膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬
は、抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体と、上記した
如き性質を有する本発明のモノクローナル抗体を含んで
いる以外は、自体公知のα−アミラーゼ活性測定用試薬
に使用される試薬類を、この分野で使用される濃度範囲
内で含有するように調製されたものであり、構成要件の
好ましい態様や使用濃度等は、上で述べた通りである。
また、本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測
定用試薬は、上で述べた如き種々の膵型α−アミラーゼ
アイソザイム活性測定法に於て使用することが可能であ
る。尚、本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム活性
測定用試薬は、市販のα−アミラーゼ活性測定用試薬キ
ット、例えばアミラーゼII−HAテストワコー〔和光純
薬工業(株)製〕等のR1溶液に、本発明のモノクロー
ナル抗体及び抗唾液型α−アミラーゼ活性阻害抗体を適
当量添加することによっても容易に調製することができ
る。
【0036】本発明の膵型α−アミラーゼアイソザイム
活性測定用試薬キットは、血清等検体中の膵型α−アミ
ラーゼアイソザイム活性の測定を実施するために使用さ
れる試薬キットであり、このようなキットとしては、緩
衝剤、共役酵素、抗唾液型α−アミラーゼアイソザイム
抗体及び本発明のモノクローナル抗体を含んでなる第一
試薬と、緩衝剤及び合成基質を含んでなる第二試薬とを
組み合わせてなる形態のものや、共役酵素、抗唾液型α
−アミラーゼアイソザイム抗体及び本発明のモノクロー
ナル抗体を含んでなる凍結乾燥試薬と、緩衝剤を含んで
なる凍結乾燥試薬用溶解液と、合成基質を含んでなる凍
結乾燥基質試薬と、緩衝剤を含んでなる凍結乾燥基質試
薬用溶解液とを組み合わせてなる形態のものが挙げられ
る。尚、試薬の保存安定性等を考慮すると後者の形態の
方が望ましい。また、夫々の構成要素の好ましい態様、
具体例等については先に述べた通りである。尚、当該キ
ットには、必要に応じて、膵型α−アミラーゼアイソザ
イム標準品等が適宜組み合わされていても良いことは言
うまでもない。
【0037】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限
定されるものではない。
【0038】
【実施例】
参考例1.唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性を阻
害するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの
作製 (1)免疫 ヒト唾液型α−アミラーゼアイソザイム(シグマ社製)
を、500μg/mlとなるように生理食塩水に溶解し、この
溶液0.1mlとフロインドコンプリートアジュバント〔和
光純薬工業(株)製〕0.1mlとで調製した懸濁液を、B
ALB/cマウスの腹腔内に免疫した。1回目の免疫か
ら2週間毎に計4回の追加免疫を行った(免疫1回当た
りのα−アミラーゼ量:50μg/匹)。 (2)ハイブリドーマの作製 最終免疫から3日後に、該マウスから摘出した脾細胞
(1.0×108個)と骨髄腫細胞NS−1(1.0×107個)を
RPMI−1640培地〔日本製薬(株)製〕中で混合
し、得られた混合液を1000r.p.mで5分間遠心分離処理
した。得られた沈さに、50%ポリエチレングリコール
(PEG)1500溶液1mlを37℃で1分間かけて徐々に加
えて細胞を融合させ、更に37℃のRPMI−1640培
地 7mlを5分間かけて加えた後、1000r.p.mで5分間
遠心処理した。得られた融合細胞をHAT培地50mlで希
釈し、このうち0.1mlを96穴マイクロプレートに分注し
た後、2〜3日間隔でHAT培地を半量ずつ交換しなが
ら培養を続けた。細胞融合反応より5〜10日後、培養上
清について、以下の方法によりスクリーニングを行っ
た。即ち、培養上清100μlを96穴マイクロプレートに添
加する。次いで、これに既知濃度(170IU/l)の活性を
有する唾液型α−アミラーゼアイソザイム溶液3μlを
加え、5分間反応させる。反応後、予め調製した測定試
薬〔グルコアミラーゼ 122.8IU/ml、α−グルコシダー
ゼ 28.6IU/ml及び2.4mmol/l p−ニトロフェニル ベ
ンジル−マルトペンタオシド(BG5P)を含有する、148m
M N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノ
エタンスルホン酸(BES)緩衝液。pH7.6〕100μlを加え
て室温で反応させ、反応開始7分後からの3分間に於け
る1分間当たりの吸光度変化(ΔE/min)を測定し、個
々のウェルの唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性を
算出した。上記で得られた結果に基づき、高い唾液型α
−アミラーゼアイソザイム活性阻害作用を有するモノク
ローナル抗体を産生する融合細胞を選択し、限界希釈法
によりクローニングした。更に、得られたクローンの培
養上清について、上記と同様の試薬を用い、同様の方法
により、唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害作
用を調べ、安定且つ大量に目的の抗体を産生するクロー
ン2種類(2−1及び25−1)を得た。 (3)モノクローナル抗体の作製 予め、プリスタン〔2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ
ン、和光純薬工業(株)製〕0.5mlを腹腔内に注射後、
3日経過したマウスの腹腔内に、RPMI−1640培
地0.5mlに懸濁した、上記(2)で得たハイブリドーマ
2−1又は25−1の5×106個を接種した。接種後14
日目に、腹腔内に貯留された腹水を採取し、得られた腹
水3〜10mlを40%飽和硫安溶液で塩析した。得られた沈
澱を生理食塩水に溶解し、生理食塩水で透析した後、D
EAEセルロースカラムにより精製して、目的の唾液型
α−アミラーゼアイソザイム活性を阻害するモノクロー
ナル抗体を得た。
【0039】参考例2.唾液型α−アミラーゼアイソザ
イム活性阻害作用の検討 参考例1で得られた2クローンが産生する夫々のモノク
ローナル抗体が有する、唾液型α−アミラーゼアイソザ
イム及び膵型α−アミラーゼアイソザイムに対する活性
阻害作用の程度を、以下の方法により調べた。即ち、参
考例1で得られたモノクローナル抗体溶液100μlを96穴
マイクロプレートに添加し、次いで、これに既知濃度
(170IU/l)の唾液型α−アミラーゼアイソザイム溶液
3μlを加え、5分間反応させた。反応後、予め調製し
た測定試薬〔グルコアミラーゼ 122.8IU/ml、α−グル
コシダーゼ 28.6IU/ml及び2.4mmol/l BG5Pを含有する
148mM BES緩衝液。pH7.6〕100μlを加えて室温で反応さ
せ、反応開始7分後からの3分間に於ける1分間当たり
の吸光度変化(ΔE)を測定した。対照としてモノクロ
ーナル抗体溶液の代わりに生理食塩水100μlを使用した
以外は上と同様にして吸光度変化(ΔEstd)を測定し、
得られた測定値を下記式に代入して唾液型α−アミラー
ゼアイソザイム活性の阻害率を算出した。 阻害率(%)=(ΔEstd−ΔE)÷ΔEstd×100 また、唾液型α−アミラーゼアイソザイム溶液の代わり
に膵型α−アミラーゼアイソザイム溶液(170IU/l)を
用いた以外は同様にして膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性の阻害率についても調べた。その結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から、得られた唾液型α−アミ
ラーゼアイソザイム活性を阻害するモノクローナル抗体
2−1及び25−1は、膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性をも阻害する性質を有するモノクローナル抗体で
あることが判る。
【0042】実施例1.抗体による膵型α−アミラーゼ
アイソザイムの活性阻害作用を防止する性質を有するモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作製 (1)免疫 ヒト膵型α−アミラーゼアイソザイム(スクリプス社
製)を、500μg/mlとなるように生理食塩水に溶解し、
この溶液0.1mlとフロインドコンプリートアジュバント
〔和光純薬工業(株)製〕0.1mlとで調製した懸濁液
を、BALB/cマウスの腹腔内に免疫した。1回目の
免疫から2週間毎に計2回の追加免疫を行い(免疫1回
当たりのα−アミラーゼ量:50μg/匹)、免疫後、該
マウスより採血し、該抗血清中に、膵型α−アミラーゼ
アイソザイムに対する抗体が存在することを確認した。 (2)ハイブリドーマの作製 最終免疫から3日後に、該マウスから摘出した脾細胞
(1.0×108個)と骨髄腫細胞P3U1(1.0×107個)を
RPMI−1640培地〔日本製薬(株)製〕中で混合
し、得られた混合液を1000r.p.mで5分間遠心分離処理
した。得られた沈さに、50%ポリエチレングリコール
(PEG)1500溶液1mlを37℃で1分間かけて徐々に加
えて細胞融合させ、更に37℃のRPMI−1640培地
7mlを5分間かけて加えた後、1000r.p.mで5分間遠
心処理した。得られた融合細胞をHAT培地50mlで希釈
し、このうち0.1mlを96穴マイクロプレートに分注した
後、2〜3日間隔でHAT培地を半量ずつ交換しながら
培養を続けた。細胞融合反応より5〜10日後、培養上清
について、以下の方法によりスクリーニングを行った。
即ち、培養上清100μlを96穴マイクロプレートに添加
し、次いで、これに既知濃度(300IU/l)の活性を有す
る膵型α−アミラーゼアイソザイム溶液3μlを加え、
5分間反応させた。反応後、予め調製した測定試薬〔グ
ルコアミラーゼ 122.8IU/ml、α−グルコシダーゼ 28.
6IU/ml及び2.4mmol/l BG5Pを含有する、148mM BES pH
7.6〕100μlを加えて室温で反応させ、反応開始7分後
からの3分間に於ける1分間当たりの吸光度変化(ΔE
std)を測定し、個々のウェルの膵型α−アミラーゼア
イソザイム活性を算出した。また、培養上清100μlと実
施例1で得られたクローン2−1が産生するモノクロー
ナル抗体 0.3mg/ml(タンパク質濃度)とを96穴マイク
ロプレートに添加し、次いで、これに既知濃度(300IU
/l)の活性を有する膵型α−アミラーゼアイソザイム
溶液3μを加え、5分間反応させた。反応後、予め調製
した測定試薬〔グルコアミラーゼ 122.8IU/ml、α−グ
ルコシダーゼ 28.6IU/ml及び2.4mmol/l BG5Pを含有す
る、148mM BES pH7.6〕100μlを加えて室温で反応さ
せ、反応開始7分後からの3分間に於ける1分間当たり
の吸光度変化(ΔE)を測定した。また、対照として培
養上清100μlの代わりにHAT培地100μlを添加して
(即ち、クローン2−1が産生するモノクローナル抗体
のみを添加)、同様の操作により測定を行なって、吸光
度変化(ΔE2-1)を求めた。得られたΔEstd、ΔE及び
ΔE2-1を比較して、抗体による膵型α−アミラーゼアイ
ソザイムの活性阻害作用を防止する性質を有するモノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択した。次
いで、このハイブリドーマを限界希釈法によりクローニ
ングした。更に、得られたクローンの培養上清につい
て、上記と同様の試薬を用い、同様の方法により、目的
のモノクローナル抗体が該培養上清中に産生されている
ことを確認し、安定且つ大量に抗体を産生するクローン
2種類(P−7及びP−36)を得た。 (3)モノクローナル抗体の作製 予め、プリスタン〔2,6,10,14-テトラメチルペンタデカ
ン、和光純薬工業(株)製〕0.5mlを腹腔内に注射後、
3日経過したマウスの腹腔内に、RPMI−1640培
地0.5mlに懸濁した、上記(2)で得たハイブリドーマ
P−7又はP−36 5×106個を接種した。接種後14
日目に、腹腔内に貯留された腹水を採取し、得られた腹
水3〜10mlを40%飽和硫安溶液で塩析した。得られた沈
澱を生理食塩水に溶解し、生理食塩水で透析した後、D
EAEセルロースカラムにより精製して、目的のモノク
ローナル抗体を得た。
【0043】実施例2.参考例1で得られた唾液型α−
アミラーゼアイソザイム活性を阻害するモノクローナル
抗体と、実施例1で得られた本発明のモノクローナル抗
体とを使用して、膵型、唾液型の各α−アミラーゼアイ
ソザイムに対する阻害率がどのように変化するかを検討
した。 〔試薬〕 酵素液:0.1M BES緩衝液(pH7.7)に、グルコアミラ
ーゼ 86IU/ml、α−グルコシダーゼ 20IU/ml及び所定
のモノクローナル抗体を所定濃度(タンパク質濃度)と
なるように夫々添加したものを酵素液として用いた。ま
た、モノクローナル抗体無添加のものを対照として用い
た。 基質液:10mM BES緩衝液(pH5.7)に、BG5Pを4.
2mmol/lとなるように添加したものを基質液として用い
た。 〔検体〕 唾液型α−アミラーゼアイソザイム検体:シグマ社製の
唾液型α−アミラーゼアイソザイムを200IU/lとなるよ
うに生理食塩水に溶解したもの。 膵型α−アミラーゼアイソザイム検体:スクリプス社製
の膵型α−アミラーゼアイソザイムを200IU/lとなるよ
うに生理食塩水に溶解したもの。 〔測定機器〕日立自動分析装置7150型を使用した。 〔アミラーゼ活性の測定及び阻害率の算出〕所定の検体
5μlと酵素液250μlとを混合し、37℃で5分間インキ
ュベートした後、更に、基質液を100μl添加した。測定
主波長405nm副波長505nmに於ける、基質液添加後の1.8
分後からの2分間に於ける1分間当たりの吸光度変化
(ΔE/min)を測定し、これに係数(4830)を乗じてア
ミラーゼ活性(Aex)を求めた。また、モノクローナル
抗体無添加の酵素液を使用し、同様の操作を行ってアミ
ラーゼ活性(Astd)を求めた。得られた各値を下記式
に代入して、所定の酵素液を使用した場合の阻害率を算
出した。 阻害率(%)=(Astd−Aex)÷Astd×100 〔結果〕各種酵素液を使用した場合の膵型及び唾液型α
−アミラーゼアイソザイムに対する阻害率を、表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】この結果から明らかなように、実施例1で
得られた2種類のモノクローナル抗体(P−7及びP−
36)は何れも、参考例1で得られたモノクローナル抗
体(2−1及び25−1)が有する膵型α−アミラーゼ
アイソザイム活性阻害作用を防止する性質を有する抗体
であることが判る。尚、上記のモノクローナル抗体を産
生するクローン2種類、P−7とP−36は、通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてお
り、その寄託番号及び寄託日は以下の通りである。 クローンP−7 :寄託番号;FERM P-15548 寄託日;平成8年4月2日 クローンP−36:寄託番号;FERM P-15549 寄託日;平成8年4月2日
【0046】実施例3.膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性測定用試薬の作製並びにこれを用いたα−アミラ
ーゼアイソザイム活性の測定 (1)試薬の作製 実施例2の結果に基づいて、P−36及び2−1のモノ
クローナル抗体を使用した膵型α−アミラーゼアイソザ
イム活性測定用試薬を作製した。 酵素液:0.1M BES緩衝液(pH7.7)に、グルコアミラ
ーゼ 86IU/ml、α−グルコシダーゼ 20IU/ml、P−3
6モノクローナル抗体 0.01mg/ml(タンパク質濃度)
及び2−1モノクローナル抗体 0.3mg/ml(タンパク質
濃度)となるように夫々添加したものを酵素液として用
いた。また、対照としてモノクローナル抗体無添加の酵
素液も調製した。 基質液:10mM BES緩衝液(pH5.7)に、BG5Pを4.
2mmol/lとなるように添加したものを基質液として用い
た。 (2)膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の測定 上記(1)で作製した膵型α−アミラーゼアイソザイム
活性測定用試薬を用いて、膵型α−アミラーゼアイソザ
イム活性の直線性、及び膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム並びに唾液型α−アミラーゼアイソザイム夫々の濃度
の違いによる阻害率の検討を行った。 〔検体〕 膵型α−アミラーゼアイソザイム検体:スクリプス社製
の膵型α−アミラーゼアイソザイムを、3600IU/lとな
るように生理食塩水に溶解したものを、生理食塩水で所
定倍率に希釈したもの。 唾液型α−アミラーゼアイソザイム検体:シグマ社製の
唾液型α−アミラーゼアイソザイムを、2300IU/lとな
るように生理食塩水に溶解したものを、生理食塩水で所
定倍率に希釈したもの。 〔測定機器〕日立自動分析装置7150型を使用した。 〔アミラーゼ活性の測定及び阻害率の算出〕上記の試薬
及び検体を使用した以外は、実施例2と同様の操作法に
よりアミラーゼの活性測定及び阻害率の算出を行った。 〔結果〕各種希釈倍率の膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム検体についての、測定値(IU/l)及び阻害率を表3
に、また、膵型α−アミラーゼアイソザイム濃度と測定
値との関係を図1に夫々示す。尚、図1に於て、□は抗
体無添加酵素液を使用して測定した膵型α−アミラーゼ
アイソザイム活性値を、+は抗体添加酵素液を使用して
測定した膵型α−アミラーゼアイソザイム活性値を夫々
示す。更に、各種希釈倍率の唾液型α−アミラーゼアイ
ソザイム検体についての、測定値(IU/l)及び阻害率
を表4に、また、唾液型α−アミラーゼアイソザイム濃
度と測定値との関係を図2に夫々示す。尚、図2に於
て、□は抗体無添加酵素液を使用して測定した唾液型α
−アミラーゼアイソザイム活性値を、+は抗体添加酵素
液を使用して測定した唾液型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性値を夫々示す。
【0047】
【表3】 *阻害率は、抗体無添加酵素液での膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定 値を阻害率0%とした場合の値。
【0048】
【表4】 *阻害率は、抗体無添加酵素液での唾液型α−アミラーゼアイソザイムの測 定値を阻害率0%とした場合の値。
【0049】表3及び図1の結果から、本発明の膵型α
−アミラーゼアイソザイム測定用試薬は、膵型α−アミ
ラーゼアイソザイム活性を精度良く測定し得ること、並
びに、少なくとも膵型α−アミラーゼアイソザイム2500
IU/lまでの直線性を有していること等が判る。また、
表4及び図2の結果から、本発明の膵型α−アミラーゼ
アイソザイム測定用試薬の唾液型α−アミラーゼアイソ
ザイム阻害率は、唾液型α−アミラーゼアイソザイム濃
度の違いによっては変化せず、何れの濃度に於ても一定
の唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害作用を有
していることが判る。以上の結果から、本発明の膵型α
−アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬は、膵型α−
アミラーゼアイソザイム活性のみを特異的に、且つ精度
良く測定し得る試薬であることが判る。
【0050】実施例4.膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性の測定 〔試薬〕 酵素液:実施例3で調製した酵素液と同じものを用い
た。また、対照としてモノクローナル抗体無添加の酵素
液を使用した。 基質液:実施例3で調製した基質液と同じものを用い
た。 〔検体〕 膵型α−アミラーゼアイソザイム検体:スクリプス社製
の膵型α−アミラーゼアイソザイムを、1500IU/lとな
るように生理食塩水に溶解したものを、生理食塩水で所
定倍率に希釈したもの。 〔測定機器〕日立自動分析装置7150型を使用した。 〔アミラーゼ活性の測定及び阻害率の算出〕上記の試薬
及び検体を使用した以外は、実施例2と同様の操作法に
よりアミラーゼの活性測定及び阻害率の算出を行った。 〔結果〕各濃度の膵型α−アミラーゼアイソザイムに於
ける、測定値(IU/l)及び阻害率を表5に示す。
【0051】
【表5】 *阻害率は、抗体無添加酵素液での膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定 値を阻害率0%とした場合の値。
【0052】表5の結果から明らかなように、本発明の
膵型α−アミラーゼアイソザイム測定用試薬は、何れの
濃度に於ても膵型α−アミラーゼアイソザイム活性を精
度良く測定し得ることが判る。
【0053】実施例5.膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性の測定 〔試薬〕 酵素液:実施例3で調製した酵素液と同じものを用い
た。尚、唾液型α−アミラーゼアイソザイムと膵型α−
アミラーゼアイソザイムの合計の値(総アミラーゼ)を
測定するためには、モノクローナル抗体無添加の酵素液
を使用した。 基質液:実施例3で調製した基質液と同じものを用い
た。 〔検体〕膵型α−アミラーゼアイソザイム(スクリプス
社製)と唾液型α−アミラーゼアイソザイム(シグマ社
製)とを夫々1500 IU/l含有する生理食塩水を検体とし
た(総アミラーゼ活性が3000 IU/l)。 〔測定機器〕日立自動分析装置7150型を使用した。 〔アミラーゼ活性の測定〕上記の試薬及び検体を使用し
た以外は、実施例2と同様の操作法によりアミラーゼ活
性の測定を行った。 〔結果〕得られた総アミラーゼ活性値を100%とした場
合の膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定値を表6
に示す。
【0054】
【表6】
【0055】表6の結果から明らかなように、総アミラ
ーゼ活性値に対する膵型α−アミラーゼアイソザイム活
性値は理論値(50%)とほぼ同じ値であった。このこと
から、本発明の試薬を用いることによりは、唾液型α−
アミラーゼアイソザイムと膵型α−アミラーゼアイソザ
イムとが共存した場合でも、膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムを特異的に測定し得ることがわかる。
【0056】実施例6.血清中の膵型α−アミラーゼア
イソザイム活性の測定 〔試薬〕 酵素液:実施例3で調製した酵素液と同じものを用い
た。 基質液:実施例3で調製した基質液と同じものを用い
た。 〔検体〕人血清50検体を使用した。 〔測定機器〕東芝メディカル(株)製自動分析装置TB
A−80FRを使用した。 〔アミラーゼ活性の測定〕所定の検体5μlと酵素液250
μlとを混合し、37℃で5分間インキュベートした後、
更に、基質液を100μl添加した。測定主波長405nm副波
長500nmに於ける、基質液添加後の1.7分後からの3分間
に於ける1分間当たりの吸光度変化(ΔE/min)を測定
し、これに係数(4797)を乗じてアミラーゼ活性を求め
た。 〔結果〕各検体の夫々の測定値及びその平均値を表7に
示す。
【0057】比較例1.市販キットを用いた血清中の膵
型α−アミラーゼアイソザイム活性の測定 〔試薬〕市販の膵型α−アミラーゼアイソザイム測定用
試薬キット(アイソアミラーゼEPS「BMY」:ベー
リンガーマンハイム社製)を使用した。 〔検体〕実施例6と同じ。 〔測定機器〕実施例6と同じ。 〔アミラーゼ活性の測定〕製品説明書の標準操作法に従
って測定を行った。 〔結果〕各検体の夫々の測定値及びその平均値を表7に
示す。また、実施例6で得られた膵型α−アミラーゼア
イソザイム活性値と比較例1で得られた膵型α−アミラ
ーゼアイソザイム活性値との相関関係を図3に示す。
【0058】
【表7】
【0059】また、実施例6で得られた膵型α−アミラ
ーゼアイソザイム活性値と比較例1で得られた膵型α−
アミラーゼアイソザイム活性値との間の相関係数(r)
及び回帰直線式は下記の如くであった。 r=0.9999 y=0.53x−1.93
【0060】これらの結果から明らかな如く、本発明の
試薬を用いて測定した場合の膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性値と、市販キットを用いて測定した場合の膵
型α−アミラーゼアイソザイム活性値との間に良好な相
関関係が認められ、本発明によれば、人血清を試料とし
た場合も問題なく膵型α−アミラーゼアイソザイムを特
異的に測定し得ることがわかる。尚、本発明の試薬を用
いた場合と市販キットを用いた場合の各アミラーゼ活性
測定値が異なっているが、これは使用する基質の種類が
異なる(アミラーゼとの反応性が異なる)ので、国際単
位(IU)に換算すると異なった値となるためである。
【0061】実施例7.膵型α−アミラーゼアイソザイ
ム活性測定用試薬の作製 血清等体液中の膵型α−アミラーゼアイソザイム活性の
測定を実施するために使用される、膵型α−アミラーゼ
アイソザイム活性測定用試薬キットの代表的な例として
は、以下のようなものが挙げられる。 (1)第一試薬(pH5〜pH8): 緩衝剤、 共役酵素、 抗唾液型α−アミラーゼアイソザイム抗体、 抗体による膵型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害
作用を防止する性質を有する膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムに対するモノクローナル抗体、 (2)第二試薬(pH5〜pH8): 緩衝剤、 合成基質。
【0062】また、本発明のα−アミラーゼアイソザイ
ム活性測定用試薬キットとしては、試薬の保存安定性等
の問題から、以下のような形態のものも好ましく挙げら
れる。 (1)凍結乾燥試薬: 共役酵素、 抗唾液型α−アミラーゼアイソザイム抗体、 抗体による膵型α−アミラーゼアイソザイム活性阻害
作用を防止する性質を有する膵型α−アミラーゼアイソ
ザイムに対するモノクローナル抗体、 (2)凍結乾燥試薬用溶解液(pH5〜pH8): 緩衝剤、 (3)凍結乾燥基質試薬: 合成基質 (4)凍結乾燥基質試薬用溶解液(pH5〜pH8): 緩衝液。
【0063】
【発明の効果】本発明は、抗体による膵型α−アミラー
ゼアイソザイムの活性阻害作用を防止する性質を有する
モノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ及び該モノクローナル抗体を用いた膵型
α−アミラーゼアイソザイム活性の測定法、並びにこれ
に用いる膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定用試
薬及びキットを提供するものであり、本発明のモノクロ
ーナル抗体を、免疫阻害法を利用した膵型α−アミラー
ゼアイソザイム活性測定法に於て、抗唾液型α−アミラ
ーゼ活性阻害抗体と組み合わせて用いれば、膵型α−ア
ミラーゼアイソザイムの活性を阻害することなく唾液型
α−アミラーゼアイソザイム活性のみを阻害することが
できるので、膵型α−アミラーゼアイソザイム活性を特
異的に精度よく測定することが可能となる点に顕著な効
果を奏するものである。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム濃度と測定値との関係を示したものである。
【図2】実施例3で得られた唾液型α−アミラーゼアイ
ソザイム濃度と測定値との関係を示したものである。
【図3】実施例6で得られた膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性値と、比較例1で得られた膵型α−アミラー
ゼアイソザイム活性値との相関関係を示したものであ
る。
【符号の説明】
図1に於て、□は抗体無添加酵素液を使用して測定した
膵型α−アミラーゼアイソザイム活性値を、+は抗体添
加酵素液を使用して測定した膵型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性値を夫々示す。図2に於て、□は抗体無添加
酵素液を使用して測定した唾液型α−アミラーゼアイソ
ザイム活性値を、+は抗体添加酵素液を使用して測定し
た唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性値を夫々示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/577 B 33/573 C12N 5/00 B 33/577 9282−4B 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 小林 高久 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体による膵型α−アミラーゼアイソザ
    イムの活性阻害作用を防止する性質を有する、膵型α−
    アミラーゼアイソザイムに対するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】 唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性
    を阻害する抗体と、請求項1に記載のモノクローナル抗
    体とを組み合わせて使用することを特徴とする、膵型α
    −アミラーゼアイソザイム活性の測定法。
  4. 【請求項4】 唾液型α−アミラーゼアイソザイム活性
    を阻害する抗体と、請求項1に記載のモノクローナル抗
    体を含んでなることを特徴とする、膵型α−アミラーゼ
    アイソザイム活性測定用試薬。
  5. 【請求項5】 緩衝剤、共役酵素、唾液型α−アミラー
    ゼアイソザイム活性を阻害する抗体及び請求項1に記載
    のモノクローナル抗体を含んでなる第一試薬と、緩衝剤
    及び合成基質を含んでなる第二試薬とを組み合わせてな
    る膵型α−アミラーゼアイソザイム活性測定用試薬キッ
    ト。
  6. 【請求項6】 共役酵素、唾液型α−アミラーゼアイソ
    ザイム活性を阻害する抗体及び請求項1に記載のモノク
    ローナル抗体を含んでなる凍結乾燥試薬と、緩衝剤を含
    んでなる凍結乾燥試薬用溶解液と、合成基質を含んでな
    る凍結乾燥基質試薬と、緩衝剤を含んでなる凍結乾燥基
    質試薬用溶解液とを組み合わせてなる膵型α−アミラー
    ゼアイソザイム活性測定用試薬キット。
JP9087744A 1996-04-10 1997-03-21 膵型α−アミラーゼアイソザイムの測定法 Withdrawn JPH09328500A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052511A1 (en) * 1997-12-26 2000-11-15 Wakamoto Pharmaceutical Co., Ltd. Method for testing crohn's disease and testing kit therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052511A1 (en) * 1997-12-26 2000-11-15 Wakamoto Pharmaceutical Co., Ltd. Method for testing crohn's disease and testing kit therefor

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