JPH088733Y2 - 調理釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家庭等で使用する調理釜に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、家庭で煮物をする際には煮物に応じた各種の鍋
を使用し、各種炒め物等をする場合、中華鍋等を使用し
て作業をするため、多数の鍋、フライパン等多種類を用
意する必要がある。又、炒め物の場合は殆ど、煮物の場
合は調理により材利用を焦げつかさず、かつ、火が万遍
なく周るようにする作業があるが、それらは皆手作業に
よって行なっている。そして、その熱源として、ガス熱
を利用しているのが現状である。

〔本考案が解決しようとする課題〕

しかし、通常使用される鍋においては一度に大量の炒
め物をすることが困難であり、しかも、周囲に油等が飛
散するため、ガス台周囲が汚れ易い。さらには、熱が逃
げ易いため熱効率が悪く、かつ、該放射熱が作業者に当
るばかりでなく、油がはねたりして火傷をする虞れがあ
る等の問題がある。

又、ガス熱を利用しているため、炊事場等作業場所が
限定される。

尚、卓上用ガスコンロがあるが、該コンロは鍋物等を
する場合に使用されるものであって、炒め物には前記の
ような理由とも相俟って使用することができないもので
ある。又、食卓で焼物をするものとしては鉄板焼用のプ
レートしかない。

又、煮物や炒め物をする場合、その料理毎に鍋釜を代
えなければならないため、多数の種類を必要とする等の
問題もある。

そこで本考案は、前記従来の問題点を解消するために
なされたものであって、１つの鍋にて多数の調理方法が
出来、然も、手を使うことなく自動的に調理できる部分
が極めて大きく、かつ、大量の炒め物や種類の異なった
炒め物であっても簡単に調理することができ、熱効率が
良く使用者に危険性のない調理釜を提供することを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

そのため本考案では該調理釜を、内釜と外釜とで釜本
体を構成し、内釜と外釜の間に内釜を加熱するためのヒ
ーターを内装すると共に、外釜の下面中央に駆動モータ
を設け、該駆動モータに外釜の底部中央を貫通する回転
軸を取付け、該回転軸の先端に駆動側カップリングを固
定して内側の回転機構を形成し、内釜の下面中央に前記
駆動側カップリングに着脱可能な釜側カップリングを設
ける一方、内釜の上端部を外釜上に設けたガイドローラ
ーにて回動自在に支承し、かつ、外釜をベースパネルに
立設したトラニオンカバーに回動可能に支承し、かつ、
前記トラニオンカバー内に、前記外釜を内釜と共に回動
させ、適宜な傾斜角度位置で固定できるトラニオン装置
を設けた構造とすることにより、所期の目的を達成する
ようにしたものである。

尚、業務用として回転させながら炒め物をする炒め機
（例えば、実開昭52-93091号公報等）があるが一般家庭
では使用することができないものである。

〔作用〕 前記のように構成された調理釜によれば、調理する材
料量及び焼きそばや炒飯等調理の種類によって該調理釜
を傾斜角度を設定して調理することができ、又、回転さ
せながら調理をすることができるので、自動的に作業が
進行し手作業を省くことができる。又、ヒーターから発
した熱は外釜によって放熱が阻止され、しかも、外釜に
当った反射熱によっても内釜を熱することができるた
め、熱効率も向上する。

〔実施例〕

以下、本考案を図示せる実施例に随って説明する。

１は調理釜であって、該調理釜１の釜本体は内釜２と
外釜３とから構成されている。外釜３は該外釜３の内側
面を形成する内板3aと外側面を形成する外板3bとで二重
構造になされ、底部に駆動モータ４を内装するモータ収
納部５が形成されている。モータ収納部５に収納された
駆動モータ４はモータ収納部５の上方に設けられたモー
タ取付板６の下面中央にモータ取付金具７を介して固定
されている。基端を駆動モータ４に固定された回転軸８
の先端は、内板3aの底部を貫通して内釜２下面に位置
し、該先端には駆動側カップリング９が固定されて内釜
２の回転機構が形成されている。一方内釜２の前記駆動
側カップリング９と対応する下面中央には釜側カップリ
ング10が固定され、前記駆動側カップリング９に着脱可
能に嵌合するようになされている。

外釜３の内板3aは断熱材によって形成され、その上端
には、内釜２を安定して回転させることができるように
ガイドローラ11が取付けられている。又、該内板3aの底
部から下部全周に亘って反射板12が取付けられていると
共に、該反射板12と内釜２の間には該内釜２を加熱する
熱源となる２つのヒーター13a,13bが介装され、該ヒー
ター13a,13bの一端は外釜３の内板3aを貫通し、碍子14
を介して前記モータ取付板６にそれぞれ取付けられてい
る。

前記外釜３の外板3bの180度位相異にする位置には、
一対のトラニオンシャフト15a,15bが取付けられ、ベー
スパネル16に立設されたトラニオンカバー17a,17bに回
動自在に枢着されている。前記一対のトラニオンシャフ
ト15a,15bのうち、一方のトラニオンシャフト15aには、
トラニオンギャ18が取付けられ、該トラニオンギャ18は
一方のトラニオンカバー17a内に設けられたウオームギ
ャ19に噛合されている。該ウオームギャ19のシャフト20
は、トラニオンカバー17aを貫通し、その先端には角度
調整ツマミ21が取付けられ、該角度調整ツマミ21を操作
することによって前記ウオームギャ19及びトラニオンギ
ャ18等を介して外釜３を適宜回動させ、調理するものに
応じて所定の角度傾斜させて調理をすることができるよ
うになされている。

尚、調理釜１を傾斜させて調理しても、前記トラニオ
ンギャ18とウオームギャ19とが互いに噛合しているた
め、角度調整ツマミ21を操作しない限り該調理釜１は回
動したりすることがない。

22は炒めもの等をする際内釜２内に入れた材料を攪拌
するためのスクレーパであって、前記内釜２の内側面一
側に着脱可能に取付けられ、該スクレーパ23を取外すこ
とによって煮炊きをすることができるようになされてい
る。

従って、この実施例によれば、該１つの調理釜で煮物
や炒め物をすることができるので、調理器具を少なくす
ることができる。

図中23a,23bは前記ヒーター13a,13bにそれぞれ別々に
通電するスイッチ、24は駆動モータ４の電源スイッチで
あって、それら各スイッチ23a,23b,24は前記他方のトラ
ニオンカバー17bに取付けられている。

前記トラニオンカバー17a,17b側面の前記トラニオン
シャフト15a,15bを中心とした円周上に窓開口部25がそ
の全周の略1/4に亘って扇状に形成され、その上方の開
口端縁にはストッパー26が固着されている。又、前記ト
ラニオンシャフト15a,15bの先端にはドライブパネル27
がそれぞれ取付けられ、該ドライブパネル27には前記ト
ラニオンカバー17a,17bに形成された窓開口部25に対応
する切欠き28が形成され、切欠端縁は前記ストッパー26
に当接するようになされている。

又、前記トラニオンカバー17a,17b内には、前記ドラ
イブパネル27の裏側であって、かつ、前記窓開口部25に
位置する部位には傾斜目盛表示板29が取付けられ、該傾
斜目盛表示板29には傾斜角度を示す目盛罫書線30が印さ
れ、該目盛罫書線30上の適宜位置には、調理する種類及
び量に応じて調理釜１を傾斜させる目安となる調理表示
31が書かれている。

調理釜１を所定の角度で傾斜させるには、ドライブパ
ネル27の切欠き28の下縁側の切欠端を前記目盛罫書線30
に合わせるだけでよい。

調理釜１を直立させたときには、前記傾斜目盛表示板
29はドライブパネル27によって隠される。

尚、実施例では傾斜目盛表示板29等を両トラニオンカ
バー17a,17bに設けたが、何れか一方だけに設けてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、内釜と外釜とで釜
本体を構成し、内釜と外釜の間に内釜を加熱するための
ヒーターを内装すると共に、外釜の下面中央に駆動モー
タを設け、該駆動モータに外釜の底部中央を貫通する回
転軸を取付け、該回転軸の先端に駆動側カップリングを
固定して内側の回転機構を形成し、内釜の下面中央に前
記駆動側カップリングに着脱可能な釜側カップリングを
設ける一方、内釜の上端部を外釜上に設けたガイドロー
ラーにて回動自在に支承し、かつ、外釜をベースパネル
に立設したトラニオンカバーに回動可能に枢着し、か
つ、前記トラニオンカバー内に、前記外釜を内釜と共に
回動させ、適宜な傾斜角度位置で固定できるトラニオン
装置を設けた構造とし、調理する材料量及び焼きそばや
炒飯等調理の種類によって該調理釜を傾斜角度を設定し
て調理することができ、かつ、釜を回転させることによ
って該内釜に入れた材料を攪拌しながら炒めるようにし
たので、比較的大量の炒め物であっても、又、調理の種
類が異なっても容易に炒めることができるだけではな
く、炒め物等をする際に油等が飛散することがないの
で、調理場の油汚れを防止することができた。

又、本考案によれば、トラニオンカバーに調理釜を直
立位置及び全倒位置でそれ以上の回動を阻止するストッ
パーを設けたので、安全性が向上させることができた。

又、本考案によれば、ヒーターから発した熱は外釜に
よって放熱が阻止されるため、熱効率を向上させること
ができた。

さらに、本考案によれば、トラニオンカバーに調理釜
の傾斜角度を設定する目盛を設けたので、炒め物の量又
は種類によって調理釜の傾斜角度を極めて容易に設定す
ることができ、該目盛に調理の種類等を表示することに
より、選りその効果を挙げることができる等の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による調理釜の正面縦断面図、第２図は
同上の側面図、第３図は調理釜を倒した状態を示す側面
図である。 １は調理釜、２は内釜、３は外釜、４は駆動モータ、８
は回転軸、９は駆動側カップリング、10は釜側カップリ
ング、12は反射板、13a,13bはヒーター、26はストッパ
ー、27はドライブパネル、29は傾斜目盛表示版、31は調
理表示。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内釜と外釜とで釜本体を構成し、内釜と外
   釜の間に内釜を加熱するためのヒーターを内装すると共
   に、外釜の下面中央に駆動モータを設け、該駆動モータ
   に外釜の底部中央を貫通する回転軸を取付け、該回転軸
   の先端に駆動側カップリングを固定して内側の回転機構
   を形成し、内釜の下面中央に前記駆動側カップリングに
   着脱可能な釜側カップリングを設ける一方、内釜の上端
   部を外釜上に設けたガイドローラーにて回動自在に支承
   し、かつ、外釜をベースパネルに立設したトラニオンカ
   バーに回動自在に支承し、かつ、前記トラニオンカバー
   内に、前記外釜を内釜と共に回動させ、適宜な傾斜角度
   位置で固定できるトラニオン装置を設けたことを特徴と
   する調理釜。
2. 【請求項２】トラニオンカバーに調理釜を直立位置及び
   全倒位置でそれ以上の回動を阻止するストッパーを設け
   たことを特徴とする請求項１に記載の調理釜。
3. 【請求項３】トラニオンカバーに調理釜の傾斜角度を設
   定する目盛を設けたことを特徴とする請求項１に記載の
   調理釜。
4. 【請求項４】トラニオンカバーに調理釜の傾斜角度を設
   定する目盛を設け、かつ、目盛の適宜な角度位置に、そ
   れぞれの傾斜角度位置にあった調理の種類を記載したこ
   とを特徴とする請求項１に記載の調理釜。