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JPH0833515B2 - コンパクトな高変倍率ズ−ムレンズ - Google Patents

コンパクトな高変倍率ズ−ムレンズ

Info

Publication number
JPH0833515B2
JPH0833515B2 JP61306624A JP30662486A JPH0833515B2 JP H0833515 B2 JPH0833515 B2 JP H0833515B2 JP 61306624 A JP61306624 A JP 61306624A JP 30662486 A JP30662486 A JP 30662486A JP H0833515 B2 JPH0833515 B2 JP H0833515B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens group
group
wide
magnification
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61306624A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63159818A (ja
Inventor
勝啓 高田
隆則 山梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP61306624A priority Critical patent/JPH0833515B2/ja
Publication of JPS63159818A publication Critical patent/JPS63159818A/ja
Publication of JPH0833515B2 publication Critical patent/JPH0833515B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、変倍率が2以上で収差が良好に補正されて
いるコンパクトな高変倍率ズームレンズに関するもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、カメラの小型化に伴い全長の短い小型のズーム
レンズが要求されるようになつた。こうしたなかでも、
全自動化が進み携帯性が重視されるレンズシヤツターカ
メラにおいても同様であるが、バツクフオーカスに対す
る制約は緩いものの一層の小型化の要求が強い。
この種のレンズ系として、簡単なレンズ構成を特徴と
している特開昭57-201213号等に開示されているレンズ
シヤツターカメラ用のズームレンズがある。
これらのズームレンズは、物体側より順に正の屈折力
を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レン
ズ群からなり、これら二つのレンズ群間の間隔を変化さ
せて変倍するいわゆる2群ズーム方式のものである。
更に特開昭58-137813号公報等に開示されているよう
な前記2群ズーム方式の発展と考えられる3群ズーム方
式のズームレンズが提案されている。このような構成の
ズームレンズでは、変倍率が1.5倍程度であればレンズ
構成枚数の少ないコンパクトなズームレンズになし得る
が変倍率を2倍程度までに高くすると変倍用のレンズ群
が負担する倍率が大になり、そのためズーミングの際の
収差変動が大になり収差補正に必要なレンズ構成枚数が
増大しレンズ系全体が大型化するなど、光学性能を良好
にしかつレンズ系のコンパクト化を達成し得ない。
このような欠点を解消するために、近年光軸からの距
離に対応して屈折率が連続的に変化する媒質のレンズつ
まり屈折率分布型レンズを用いた2群ズーム方式のズー
ムレンズが特開昭61-148414号公報等に開示されてい
る。
このレンズ系は、その構成要素の中に光軸から半径方
向に屈折率分布を有するいわゆるラジアル型屈折率分布
型レンズを用いてレンズ媒質に屈折力を分担し各レンズ
の屈折力を強く保ちながらズーミング時の収差変動を抑
えかつ像面の平坦性に寄与するペツツバール和を良好に
保とうとしたものである。
しかしながらこのズームレンズは、変倍率が2倍程度
までのものを対象にしており、注目している収差に対す
る補正については十分な効果を得ているものの、それ以
外の収差の補正は十分とはいえず今後に課題を残してい
る。さらにレンズ系のバツクフオーカスが極端に短いと
言つた欠点は保有したままである。そのために後部レン
ズ群が大型化する問題点は解決されておらずコンパクト
化を達成し得ていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は広角端から望遠端までの変倍率が2倍を越え
しかも収差変動が小さく像面の平坦性が極めて良好で全
変倍域にわたつて良好な光学性能を有するコンパクトな
高変倍率ズームレンズを提供することを目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のズームレンズは前記の問題点を解決するため
につまり高変倍率を達成してかつコンパクトにするため
に、四つのレンズ群からなるいわゆる4群ズーム方式に
し、これに適宜に屈折率分布型レンズを用いることによ
つて広角端から望遠端までの収差変動が少なくかつ画面
中心部から画面周辺部まで像面が平坦になるようにした
ものである。
本発明のズームレンズは、物体側より順に正の屈折力
の第1レンズ群と、負の屈折力の第2レンズ群と、正の
屈折力の第3レンズ群と、負の屈折力の第4レンズ群と
にて構成し、広角端を基準にして望遠端へズーミングす
る際に第1レンズ群乃至第4レンズ群の各々を光軸上を
移動させるもので、少なくとも一つのレンズ群中に少な
くとも一つの光軸方向に屈折率分布を有する屈折率分布
型レンズを設けたものである。
このように本発明では、レンズ群中に光軸方向に屈折
率分布を有するいわゆるアキシヤル型屈折率分布型レン
ズを用いることによつてレンズ群の収差残存量を小さく
することによりズーミング時の収差変動を抑え極めて良
好な結像性能を達成することを意図している。
本発明のズームレンズは、少なくとも2倍を越える変
倍率を確保し、レンズ系の全長を短くするために負の屈
折力の第4レンズ群の変倍率負担が大になることを特徴
とする4群ズーム方式にしたものである。それは変倍率
を各レンズ群に分担することによつて高変倍率化を無理
なく達成するためである。
レンズ系の全長を短くするためには、いわゆる望遠タ
イプの屈折力配置にすることが効果的である。本発明の
ズームレンズは、第1レンズ群から第3レンズ群までを
全体として正の屈折力とし、これと負の屈折力の第4レ
ンズ群とで広角端におけるレンズ系のバツクフオーカス
を短くしている。
このような構成にし更にレンズ系をコンパクトにする
ためには、各レンズ群の屈折力を強くする必要がある。
しかし諸収差のバランス特に広角端での非点収差,歪曲
収差,望遠端での球面収差,非点収差,歪曲収差等を補
正することが困難になる。
本発明のズームレンズは、屈折率分布型レンズを用い
て上記の諸収差を良好に補正するようにして良好な結像
性能を得るようにした。
一般に知られている屈折率分布型レンズとしては、光
軸から半径方向に屈折率が変化するラジアル型と、光軸
方向に屈折率が変化するアキシヤル型とがある。レンズ
系のコンパクト化や収差補正の能力は、ラジアル型の方
が優れているが、外径の大きなレンズを得ることが難し
い。一方アキシヤル型は、その構成上ペツツバール和に
対する補正効果が低く、ほぼ非球面レンズに相当する程
度であるが、加工性の点では非球面レンズより優れてお
り、光学的な構成要素として用いる時、その実現性はよ
り高い。
以上の点を考慮して本発明においては、前述の構成の
ズームレンズに用いる屈折率分布型レンズとしてアキシ
ヤル型の屈折率分布型レンズを用いて諸収差を良好に補
正するようにした。
このアキシヤル型の屈折率分布型レンズは、レンズ媒
質部に屈折力を持たず、前記のようにペツツバール和の
補正効果を有しないため、屈折率分布がついていない状
態でのズームレンズの屈折力配置やズーミング時の挙動
を決定することが必要である。
まず所要の変倍率を有していてコンパクトなレンズ系
を得るためには、第4レンズ群が次の条件(1),
(2)を満足する必要がある。
(1)0.4<|f4/fW|<2 (2)1<β4T/β4W<3 ただしfWはワイド端における全系の焦点距離、f4は第
4レンズ群の焦点距離、β4Wは広角端における第4レン
ズ群の横倍率、β4Tは望遠端における第4レンズ群の横
倍率である。
この条件(1)は、第4レンズ群の屈折力を規定した
ものでレンズ系のコンパクト化に関するものである。こ
の条件の上限を越えると第4レンズ群の屈折力が弱くな
り、その結果レンズ系が大きくなり本発明の目的に反す
る。また下限を越えると第4レンズ群の屈折力が強くな
りすぎ、このレンズ群での収差発生量が著しくなるため
にズーミングによる収差変動が大になり、良好な光学性
能を得ることが困難になるので好ましくない。
条件(2)は、広角端から望遠端へのズーミングの際
に第4レンズ群が担う変倍率を規定したものである。こ
の条件の上限を越えると第4レンズ群の変倍範囲が必要
以上に広くなり、第4レンズ群自体のズーミング移動量
が大になるため、このレンズ群以外のレンズ群の倍率分
担が減り、4群ズーム方式にしたことの意味が薄れレン
ズ系の全長が長くなると共に像面の平坦性を補償出来な
くなる。この条件(2)の下限を越えると第2レンズ
群,第3レンズ群の変倍率の負担が大になり、第2レン
ズ群,第3レンズ群の移動量を大にするかまたは屈折力
を大にしなければならない。前者の場合は、レンズ系の
全長が特に広角端において長くなり本発明の目的に反す
ることになる。また後者の場合には、収差の残存量が増
大し諸収差のバランスが悪くなり、アキシヤル型の屈折
率分布型レンズを用いても収差を良好に補正し得ない。
更に第3レンズ群を次の条件(3),(4)を満足す
るように構成することが望ましい。
(3)|β3W|<0.75 (4)0.5<β3T/β3W<1.5 ただしβ3W,β3Tは夫々広角端,望遠端における第3
レンズ群の横倍率である。
条件(3)を越えると第3レンズ群の屈折力が弱くな
りズーミング移動量が大きくなる。
条件(4)の下限を越えると第3レンズ群は減倍作用
が大になり第2レンズ群の倍率負担が大になりこのレン
ズ群のズーミング移動空間が不足し又第2レンズ群で発
生する収差を補正することが困難になる。条件(4)の
上限を越えると第3レンズ群自体の変倍率が大になりズ
ーミング移動の方式を変える必要が生じ、広角端におい
て全長を短くすることが困難になる。
本発明のレンズ系に用いられるアキシヤル型の屈折率
分布型レンズの屈折率分布は次の式にて表わされる。
n(x)=n0+n1x+n2x2+n3x3+… ただしxはレンズの物体側の面頂を原点にとり光軸方
向の距離、n0はレンズの物体側面頂での屈折率、n1,n2,
n3,…はそれぞれxに関する1次頂,2次頂,3次頂,…の
係数である。
本発明で用いる屈折率分布型レンズは、次の条件を満
足するものであることが望ましい。
(5)ΔnA<0.15 (6)|n1・fW|<3.0 ただしΔnAは光軸上での物体側面頂から像側面頂の間
での最大屈折率差である。
現在、屈折率分布型レンズの製法は、イオン交換法,
分子スタツフイング法等の種々の方法が提案されてい
る。しかし最大屈折率差はさほど大きくできない。
条件(5)は、以上の点を考慮して規定したものであ
つて、この条件を越えると製造上極めて困難である。
条件(6)は、屈折率の勾配の程度を規定したもの
で、この条件を越えると条件(5)を満足するためには
n2,n3,…といつた高次頂の係数を大きくとらねばならず
高次収差の発生が大となつてしまう。
〔実施例〕
次に以上説明した本発明のズームレンズの各実施例を
示す。
実施例1 f=39.00〜103.46、F/4.65〜5.80 r1=∞ d1=2.397 n01=1.85026 ν01=32.28 r2=29.204 d2=4.804 n02=1.72000 ν02=46.03 r3=201.839 d3=0.049 r4=26.784 d4=3.003 n03=1.53172 ν03=48.90 r5=678.471 d5=D1(可変) r6=−36.191 d6=1.599 n04=1.78650 ν04=50.00 r7=23.392 d7=2.737 n05=1.80518 ν05=25.43 r8=97.276 d8=D2(可変) r9=∞(絞り) d9=1.505 r10=89.145 d10=2.402 n06屈折率分布型レンズ r11=−37.448 d11=0.081 r12=15.678 d12=3.857 n07=1.57309 ν07=42.57 r13=−445.852 d13=0.940 r14=−61.134 d14=1.667 n08=1.84666 ν08=23.88 r15=18.466 d15=2.340 r16=37.897 d16=3.931 n09=1.57501 ν09=41.49 r17=−35.137 d17=D3(可変) r18=−33.144 d18=2.973 n010=1.76182 ν010=26.52 r19=−19.278 d19=3.253 r20=−15.960 d20=2.397 n011=1.78650 ν011=50.00 r21=1417.734 f 39.00 61.20 103.46 D1 1.501 7.720 11.342 D2 11.230 6.852 1.800 D3 12.920 7.098 2.232 実施例2 f=39.52〜100.80、F/4.66〜6.38 r1=348.884 d1=1.500 n01=1.84666 ν01=23.88 r2=42.212 d2=0.880 r3=59.856 d3=3.454 n02屈折率分布型レンズ r4=−12021.350 d4=0.200 r5=27.466 d5=4.500 n03=1.50378 ν03=66.81 r6=−168.595 d6=D1(可変) r7=−49.262 d7=1.300 n04=1.77250 ν04=49.66 r8=15.287 d8=2.506 n05=1.80518 ν05=25.43 r9=50.384 d9=1.900 r10=−233.766 d10=1.300 n06=1.77250 ν06=49.66 r11=512.917 d11=D2(可変) r12=∞(絞り) d12=1.913 r13=25.371 d13=2.634 n07=1.61700 ν07=62.79 r14=−51.148 d14=0.100 r15=24.624 d15=2.800 n08=1.59551 ν08=39.21 r16=−163.875 d16=1.159 r17=−28.916 d17=1.618 n09=1.80518 ν09=25.43 r18=22.563 d18=2.362 r19=68.569 d19=2.831 n010=1.60562 ν010=43.72 r20=−21.454 d20=D3(可変) r21=−35.663 d21=3.650 n011=1.78472 ν011=25.68 r22=−20.124 d22=2.800 r23=−17.065 d23=1.601 n012=1.78650 ν012=50.00 r24=3049.052 f 39.52 63.11 100.8 D1 2.023 6.696 11.156 D2 11.928 7.255 2.796 D3 16.536 8.935 2.500 実施例3 f=39.52〜100.80、F/4.66〜6.38 r1=348.884 d1=1.500 n01=1.84666 ν01=23.88 r2=41.075 d2=0.880 r3=61.331 d3=3.454 n02=1.72000 ν02=41.98 r4=549.867 d4=0.200 r5=25.404 d5=4.500 n03=1.51454 ν03=54.69 r6=−786.113 d6=D1(可変) r7=−39.868 d7=1.300 n04=1.75700 ν04=47.87 r8=15.287 d8=2.506 n05=1.80518 ν05=25.43 r9=55.979 d9=D2(可変) r10=∞(絞り) d10=1.913 r11=35.831 d11=2.634 n06屈折率分布型レンズ r12=−44.612 d12=0.100 r13=24.931 d13=2.800 n07=1.59270 ν07=35.29 r14=−108.150 d14=1.159 r15=−26.351 d15=1.618 n08=1.80518 ν08=25.43 r16=32.157 d16=2.362 r17=239.410 d17=2.831 n09=1.62041 ν09=60.27 r18=−21.614 d18=D3(可変) r19=−38.559 d19=3.650 n010=1.78472 ν010=25.68 r20=−21.025 d20=2.800 r21=−17.065 d21=1.601 n011=1.78590 ν011=44.18 r22=470.539 f 39.52 63.11 100.80 D1 2.023 6.683 11.177 D2 11.928 7.269 2.774 D3 15.494 8.206 2.500 実施例4 f=39.52〜100.80、F/4.66〜6.38 r1=348.884 d1=1.500 n01=1.84666 ν01=23.88 r2=102.416 d2=0.880 r3=32.984 d3=4.015 n02=1.61800 ν02=63.38 r4=−692.292 d4=D1(可変) r5=−42.344 d5=1.300 n03=1.80440 ν03=39.58 r6=15.287 d6=2.506 n04=1.80518 ν04=25.43 r7=83.662 d7=D2(可変) r8=∞(絞り) d8=1.913 r9=33.225 d9=2.634 n05=1.62012 ν05=49.66 r10=−71.746 d10=0.100 r11=24.813 d11=2.800 n06=1.62374 ν06=47.10 r12=−46.320 d12=1.159 r13=−25.590 d13=1.618 n07=1.80518 ν07=25.43 r14=24.380 d14=2.362 r15=73.296 d15=2.831 n08=1.62004 ν08=36.25 r16=−21.044 d16=D3(可変) r17=−30.707 d17=3.632 n09屈折率分布型レンズ r18=−18.946 d18=2.578 r19=−17.065 d19=1.601 n010=1.78650 ν010=50.00 r20=234.664 f 39.52 63.11 100.80 D1 2.018 6.678 11.165 D2 11.927 7.267 2.781 D3 15.273 8.107 2.500 ただしr1,r2,…はレンズ各面の曲率半径、d1,d2,…は
各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n01,n02,…は各レン
ズの屈折率、ν01,ν02,…は各レンズのアツベ数であ
る。又屈折率分布係数はd−線,g−線に対するものを示
してある。
上記実施例は夫々第1図乃至第4図に示すようなレン
ズ構成である。即ち第1レンズ群Iは、少なくとも1枚
の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを含んでおり、
第2レンズ群IIは、負レンズと正レンズの接合レンズを
少なくとも含んでおり、第3レンズ群IIIは2枚の正レ
ンズと負レンズと正レンズとよりなり、第4レンズ群IV
は正のメニスカスレンズと負レンズとよりなつている。
実施例1は、第1図に示すレンズ構成で第3レンズ群
IIIの最も物体側の第1レンズがアキシヤル型の屈折率
分布型レンズである。この実施例は、上記の屈折率分布
型レンズを物体側面頂から光軸方向に屈折率が増大する
ような分布をつけることにより、像側屈折面において面
頂から光線高が高くなるにしたがい屈折率を低くし屈折
の程度を制御することによつて、特に球面収差とコマ収
差を補正し、レンズ媒質を伝播する際に負の歪曲収差を
発生させ望遠端での歪曲収差の補正に寄与せしめてい
る。この実施例の収差状況は第5図に示す通りである。
実施例2は第2図に示す通りのレンズ構成である。こ
の実施例では第1レンズ群Iの第2レンズ群がアキシヤ
ル型の屈折率分布型レンズである。この屈折率分布型レ
ンズは屈折率分布を物体側から光軸方向に屈折率が減少
するようにつけることによつて、このレンズの物体側の
屈折面に入射する光線の屈折を制御することによつて広
角端における非点収差,望遠端における球面収差,非点
収差を補正している。この実施例の収差状況は第6図に
示す通りである。
実施例3は第3図に示す通りで、第3レンズ群IIIの
第1レンズをアキシヤル型の屈折率分布型レンズにした
ものである。この実施例は、実施例1と同様に屈折率分
布型レンズの屈折率分布を物体側から像側に向つて屈折
率が増大するようにつけているが、実施例1とは異なり
第3レンズ群IIIに屈折率分布型レンズを含まない状態
において発生する球面収差を抑えレンズ系全体で球面収
差を補正過剰にしておき、これを屈折率分布型レンズの
物体側の屈折面の曲率を強くすることによつて、入射す
る光線に対し負の球面収差を発生するようにして補正し
た。また屈折率分布型レンズの屈折率勾配を大きくする
ことによつて正の非点収差を発生させ、つまり後に示す
3次の収差係数の式の の項を正で大きな値にして全系における非点収差が良好
に補正されるようにした。この実施例の収差状況は第7
図に示す通りである。
実施例4は第4図に示す通りで、第4レンズ群IVの第
1レンズがアキシヤル型の屈折率分布型レンズである。
第4レンズ群IVは、広角端においてはこのレンズ群を
軸上像点を結像する光束と軸外像点を結像する光線とが
異なつた高さを通り、両者が離れたところを通るために
軸上収差に影響を与えることなしに軸外収差を補正する
のに効果的である。しかし広角端と望遠端とでこのレン
ズ群を通る光線の通り方が大きく異なるので広角端のみ
に注目して収差補正を行なつたのでは第4レンズ群での
収差変動が大きくなる。したがつてこの点を注意して収
差補正を行なう必要がある。
この実施例4では、前記のように第4レンズ群の第1
レンズをアキシヤル型の屈折率分布型レンズとし、適度
に屈折率分布をつけることによつて諸収差が良好に補正
されるようにした。この屈折率分布型レンズの屈折率分
布は、物体側から光軸方向に屈折率が増大するようにつ
け、物体側の面の面頂から像側の面の面頂の間の最大の
屈折率差を0.018程度にすることによつて過度の収差変
動を抑えている。この効果によつて広角端での軸外収差
と望遠端での球面収差,非点収差をバランス良く補正し
ている。この実施例の収差状況は第8図に示す通りであ
る。
尚、本発明のレンズ系は、その構成要素中に屈折率分
布型レンズを用いているので、3次の収差係数は次の形
で表わされる。
ただしσS (i)はレンズ面頂の屈折率を持つ均質な光学
材料を用いた時にi面で発生する収差量、σHS (i)は屈
折率分布型レンズを用いることによつてi面における屈
折率変化で屈折量が変わることによる収差補正頂、σHT
(i)は屈折率分布型レンズを用いることによつてi面か
ら(i+1)面に光線が伝播する際光線が曲線を描くこ
とによつて発生する収差量である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したようにまた実施例から明らかなよ
うに、本発明のズームレンズは、4群ズーム方式を採用
しその構成を適切なものとすると共にアキシヤル型の屈
折率分布型レンズを用いることによつて、2倍を越える
変倍率を有しながらも収差変動が少なくしかもレンズシ
ヤツターカメラ等に組み込むことを可能にするコンパク
トなものになし得た。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、夫々本発明のズームレンズの実施
例1乃至実施例4の断面図、第5図乃至第8図は夫々本
発明の実施例1乃至実施例4の収差曲線図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ
    群と、負の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3
    レンズ群と、負の屈折力の第4レンズ群とよりなり、ワ
    イド端からテレ端への変倍の際に前記4つのレンズ群が
    各々光軸上で物体側に移動し、少なくとも1つのレンズ
    群中に少なくとも1つの光軸方向に屈折率分布を有する
    屈折率分布型レンズを設け、以下の条件を満足するコン
    パクトな高変倍率ズームレンズ。 (1)0.75<f4/fW<2 但し、fWはワイド端における全系の焦点距離、f4は第4
    レンズ群の焦点距離である。
  2. 【請求項2】以下の条件を満足する特許請求の範囲
    (1)のコンパクトな高変倍率ズームレンズ。 (2)1<β4T/β4W<3 但し、β4Wは広角端における第4レンズ群の横倍率、β
    4Tは望遠端における第4レンズ群の横倍率である。
  3. 【請求項3】以下の条件を満足する特許請求の範囲
    (2)のコンパクトな高変倍率ズームレンズ。 (3)|β3W|<0.75 (4)0.5<β3T/β3W<1.5 但し、β3W,β3Tは夫々広角端,望遠端における第3レ
    ンズ群の横倍率である。
  4. 【請求項4】以下の条件を満足する特許請求の範囲
    (1)、(2)又は(3)のコンパクトな高変倍率ズー
    ムレンズ。 (5)ΔnA<0.15 (6)|n1・fW|<3.0 但し、ΔnAは非軸上での物体側面頂から像側面頂の間で
    の最大屈折率差である。
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