JPH08207339A - 感熱記録装置 - Google Patents
感熱記録装置Info
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- JPH08207339A JPH08207339A JP29953895A JP29953895A JPH08207339A JP H08207339 A JPH08207339 A JP H08207339A JP 29953895 A JP29953895 A JP 29953895A JP 29953895 A JP29953895 A JP 29953895A JP H08207339 A JPH08207339 A JP H08207339A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】濃度むらのない高画質の感熱記録装置を提供す
る。 【構成】ヘッドの発熱素子を発熱素子間スリットと同幅
の微小幅の中央スリットにより並列に2等分したので、
発熱素子密度を2倍にしたと等価かつ平坦な発熱温度分
布が得られるので、ドット間の白スジを見えなくするこ
とができる。また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合い、紙
搬送方向の濃度むらが抑制される。
る。 【構成】ヘッドの発熱素子を発熱素子間スリットと同幅
の微小幅の中央スリットにより並列に2等分したので、
発熱素子密度を2倍にしたと等価かつ平坦な発熱温度分
布が得られるので、ドット間の白スジを見えなくするこ
とができる。また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合い、紙
搬送方向の濃度むらが抑制される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華性染料インク紙を
用いる転写型感熱記録などにより、ビデオ画像等の中間
調濃度記録を行うのに好適な感熱記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ビデオ画像等の中間調濃度記録において
は、記録画面全体にわたって濃度むら、色むらのないこ
と、絵柄によるスジ状の濃度むらのないことが高画質を
得る上で不可欠である。 【0003】画像の記録は、通常、一列に発熱素子を並
べたラインヘッドの発熱素子を、画像情報によって適宜
選択通電することにより行う。しかしながら、従来ヘッ
ドは、1画素(ドット)に相当する発熱素子が単純な矩
形であるため、発熱時に発熱素子の中央部と発熱素子間
スリット部との温度差が大きく、低温となる発熱素子間
(ドット間)の部分が発色しなかったり発熱濃度が著し
く低くなるために白スジとなって見え、これが画質を著
しく低下させる一因となっていた。 【0004】また、記録紙の搬送方向についても、発熱
素子形状に起因する濃度むらの問題が十分に配慮された
ものではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
装置で問題となっていた発熱素子列方向および記録紙搬
送方向双方の濃度むらを低減し、記録紙の縦、横の双方
向にわたり白スジの見えない高画質を得ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では以下の構成とする。すなわち、画像を
プリントする感熱記録装置であって、独立に通電可能な
複数個の発熱素子が互いの間に所定の幅を有した発熱素
子間スリットを介して直線状に配列され、この発熱素子
の各々は前記配列方向において所定の幅を有した中央ス
リットにより並列に2等分状とされて部分発熱素子を構
成し、この部分発熱素子は前記配列方向と直交する方向
においてその一端側がそれぞれ共通電極に接続されると
ともに他端側が前記発熱素子ごとに独立して通電可能の
個別電極に接続されてなり、前記部分発熱素子部におい
て前記中央スリットの幅は前記発熱素子間スリットの幅
とほぼ等しくかつ25μm以下とされてなる感熱記録ヘ
ッドと、前記発熱素子の数に対応して備えられるととも
にこれを駆動するドライブ手段と、記録媒体を所定のピ
ッチで搬送する記録媒体搬送手段とを具備してなり、前
記感熱記録ヘッドの発熱素子の配列方向と直交する方向
の長さは、前記記録媒体搬送手段の所定のピッチの1.
5倍以上とされてなる構成とする。 【0007】 【作用】発熱素子を、発熱素子間スリットと同幅の微小
幅の中央スリットにより2等分状としたことにより、発
熱素子の密度を2倍にしたのと等価で平坦な発熱温度分
布が得られるので、ドット間の白スジを見えにくくする
ことができる。 【0008】また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合って濃
度を補充し合い、紙搬送方向の濃度むらが抑制される。 【0009】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5により
説明する。図1は本発明の一実施例の感熱記録ヘッド部
を示す平面図、図2は同側面図、図3は発熱素子部の拡
大平面図である。 【0010】図1および図2において、1はアルミナセ
ラミック基板、2はセラミック基板1の一端面3の近傍
に設けた断面が円弧状で頂上部の厚みが50μm程度の
細幅の発熱素子形成用グレーズ層、4は発熱素子、5は
薄膜共通電極部、6は薄膜個別電極形成部である。7は
発熱素子形成用グレーズ層2と分離して設けた、厚みが
発熱素子形成用グレーズ層と同等以下のICパターン形
成用グレーズ層であり、このグレーズ層上に、前記発熱
素子を駆動するドライバーIC8が搭載されるととも
に、ドライバーICのビット数に対応した周期の、抵抗
値を均一化したIC配線パターン9が形成される。グレ
ーズ層分離部の長さdは、発熱素子の放熱性が悪化しな
い範囲で最小にするのが良い。 【0011】次に本発明に用いる感熱記録ヘッドの形状
について説明する。図3は本発明に用いる感熱記録ヘッ
ドの一実施例を示す平面図、図4は図3のA−A線断面
図である。 【0012】図3および図4において、31はアルミナ
セラミック基板、32はセラミック基板31上にガラス
ペーストを印刷し、焼成することにより形成された部分
グレーズ層であり、その断面は十分な当接圧力を確保す
るため最大厚さ50μm前後、曲率半径3mm以下の円弧
状をしている。33は抵抗体薄膜、34は導電性薄膜で
あり、蒸着、スパッタリング等によりこれらの薄膜を形
成したのち、フォトエッチングにより図3に示すような
平面形状にパターニングして発熱素子35を成形し、最
後に耐酸化および耐摩耗保護膜36をスパッタリング等
により形成して発熱素子を完成させる。 【0013】1ドットに相当する発熱素子35は、導電
性薄膜34からなる共通電極37と個別電極38とには
さまれた長さlの抵抗体薄膜よりなり、発熱素子間スリ
ット39により隣接発熱素子と分離されるとともに、発
熱素子の幅方向中央に設けた中央スリット40によって
並列に同一幅W0なる2個の部分発熱素子35a,35
bに分離されている。発熱素子間スリット39の幅W2
と中央スリット40の幅W1とは同一であり、かつその
幅は25μm以下に形成されている。 【0014】このスリット幅は画像記録において白スジ
を生じさせないために不可欠な形状であり、これを図5
の温度分布図を用いて説明する。図5は本発明に用いる
感熱記録ヘッドの1ドットに相当する発熱素子の幅方向
の発熱温度分布を示す図である。発熱素子密度は例えば
6ドット/mmとする。 【0015】図5において、aは中央スリットを設けな
い、通常の矩形発熱素子の温度分布を示しており、発熱
素子の中央に大きなピークがあり、発熱素子の端部から
ドット間スリット部にかけては著しく低温となってい
る。このため、画像印画時にドット間に非発色領域が生
じ、これが白スジとなって検知される。 【0016】また、bは中央スリット40を設けた例で
あるが、中央スリット幅40よりも発熱素子間スリット
39の方が幅が広い場合を示したものであり、aに比べ
れば1ドット全体での温度分布は平坦に近くなっている
が、発熱素子間スリット部9の温度が中央スリット部4
0の温度より低いため、ドット間の非発色領域が中央ス
リット部よりも幅広となり、やはりドット間の白スジと
なって検知されやすい。 【0017】cは本発明における発熱素子の温度分布を
示したものであり、発熱素子間スリット39と中央スリ
ット40の幅を同一としているため温度分布は発熱素子
が2倍の密度すなわち12ドット/mmになったのと等価
な形をしており、通常、10ドット/mm以上の密度の濃
淡は明視距離ではスジとして検知できないため、画像プ
リントにおいて画質を劣化させる白スジを、明視距離で
は検知不可能にすることができる。 【0018】また、感熱記録ヘッドの発熱素子密度が例
えば5ドット/mmである場合は、10ドット/mmになっ
たと等価な温度分布となり、明視距離でスジが検知でき
るぎりぎりの密度となるが、スリット幅が25μm以下
であれば温度の山と谷との差をほぼ50℃以内とするこ
とができ、濃淡の差を小さくできるので、明視距離でス
ジとして検知されにくくすることができる。 【0019】また、スリット幅を細くするほど温度分布
の谷を小さくすることができ、発色効率を向上させるこ
とができるので、印加電力を小さくすることができる。 【0020】ところで、発熱素子35は部分グレーズ2
上に形成されるため、共通電極37および個別電極38
をグレーズ32上およびセラミック基板31上に形成し
なければならない。白ぬけの生じない十分な記録紙との
当接圧力を得るには、グレーズの厚さは50μm前後、
曲率半径3mm以下とすることが必要である。この場合、
とくにグレーズ32の端部41近傍では、図6に示すよ
うに、フォトマスク45と基板31とが露光時に密着し
ないためにパターニング精度が低下するという問題点が
あり、上記した25μm以下の微小幅のスリットを形成
しようとすると、隣接電極間で短絡が生じやすく、歩留
りが低下するという問題がある。そこで本発明において
は、発熱素子間スリット39を、共通電極側はグレーズ
上43において終端させるとともに、個別電極側はグレ
ーズ端41に位置する部分は幅広のスリット44とし
た。 【0021】また、中央スリット40の長さは、部分発
熱素子35a,35bに流れる電流密度を均一にするた
めに、発熱素子の長さlよりは長くするとともに、パタ
ーニングの容易さを考慮して、グレーズの頂上周辺のみ
に限定した。これらにより、微小幅のスリットを形成す
る領域を、フォトマスクとの密着性のよいグレーズ頂上
周辺(発熱素子形成部)に限定することができ、発熱素
子としての性能を犠牲にすることなく、ヘッドの製造プ
ロセスを容易化することができる。 【0022】一方、記録紙搬送方向の白スジを生じさせ
ないためには、発熱素子35の長さlを感熱記録装置の
紙搬送ピッチの1.5倍以上にすることがよいことがわ
かった。図7はプリント画像の低濃度の部分での1ドッ
トの発色長さを示したものであり、発熱素子の長さ30
0μmのとき、濃度0.5における発色長さは約200
μm、濃度0.2においては約150μmとなることを
示している。紙搬送方向の白スジを発生させないために
は、1ドットの発色長さを紙搬送ピッチ以上にする必要
があるから、人間の肌色程度(濃度0.5以下)の低濃
度においても白スジを発生させないためには、発熱素子
の長さlを紙搬送ピッチの1.5倍以上にしなければな
らないことがわかる。 【0023】上記した構成によれば、 (1)発熱素子の並び方向の温度分布が平坦化でき、並び
方向のドット間白スジを検知できなくすることができ
る。 (2)紙搬送方向のドット間白スジを検知できなくするこ
とができる。 (3)曲率半径の小さな部分グレーズにより、記録紙との
当接圧力を高くできるので、白ぬけの発生をなくすこと
ができる。 (4)発熱素子内の電流密度が均一なため、部分的な熱破
損が生じにくく長寿命である。 (5)発色効率が高く、低印加電力ですむ。 など、多くの利点を有する高性能の画像プリント用感熱
記録ヘッドを容易な製造方法で得るとともに、濃度むら
の低減された高画質の感熱記録装置を得ることができ
る。 【0024】 【発明の効果】上記したように、本発明の感熱記録装置
によれば、ヘッドの発熱素子を発熱素子間スリットと同
幅の微小幅の中央スリットにより並列に2等分したの
で、発熱素子密度を2倍にしたと等価でかつ平坦な発熱
温度分布が得られるので、ドット間の白スジを見えなく
することができる。 【0025】また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合い、紙
搬送方向の濃度むらも抑制され、この結果、記録紙の全
面にわたり高画質の画像記録を得ることができる。
用いる転写型感熱記録などにより、ビデオ画像等の中間
調濃度記録を行うのに好適な感熱記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ビデオ画像等の中間調濃度記録において
は、記録画面全体にわたって濃度むら、色むらのないこ
と、絵柄によるスジ状の濃度むらのないことが高画質を
得る上で不可欠である。 【0003】画像の記録は、通常、一列に発熱素子を並
べたラインヘッドの発熱素子を、画像情報によって適宜
選択通電することにより行う。しかしながら、従来ヘッ
ドは、1画素(ドット)に相当する発熱素子が単純な矩
形であるため、発熱時に発熱素子の中央部と発熱素子間
スリット部との温度差が大きく、低温となる発熱素子間
(ドット間)の部分が発色しなかったり発熱濃度が著し
く低くなるために白スジとなって見え、これが画質を著
しく低下させる一因となっていた。 【0004】また、記録紙の搬送方向についても、発熱
素子形状に起因する濃度むらの問題が十分に配慮された
ものではなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
装置で問題となっていた発熱素子列方向および記録紙搬
送方向双方の濃度むらを低減し、記録紙の縦、横の双方
向にわたり白スジの見えない高画質を得ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では以下の構成とする。すなわち、画像を
プリントする感熱記録装置であって、独立に通電可能な
複数個の発熱素子が互いの間に所定の幅を有した発熱素
子間スリットを介して直線状に配列され、この発熱素子
の各々は前記配列方向において所定の幅を有した中央ス
リットにより並列に2等分状とされて部分発熱素子を構
成し、この部分発熱素子は前記配列方向と直交する方向
においてその一端側がそれぞれ共通電極に接続されると
ともに他端側が前記発熱素子ごとに独立して通電可能の
個別電極に接続されてなり、前記部分発熱素子部におい
て前記中央スリットの幅は前記発熱素子間スリットの幅
とほぼ等しくかつ25μm以下とされてなる感熱記録ヘ
ッドと、前記発熱素子の数に対応して備えられるととも
にこれを駆動するドライブ手段と、記録媒体を所定のピ
ッチで搬送する記録媒体搬送手段とを具備してなり、前
記感熱記録ヘッドの発熱素子の配列方向と直交する方向
の長さは、前記記録媒体搬送手段の所定のピッチの1.
5倍以上とされてなる構成とする。 【0007】 【作用】発熱素子を、発熱素子間スリットと同幅の微小
幅の中央スリットにより2等分状としたことにより、発
熱素子の密度を2倍にしたのと等価で平坦な発熱温度分
布が得られるので、ドット間の白スジを見えにくくする
ことができる。 【0008】また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合って濃
度を補充し合い、紙搬送方向の濃度むらが抑制される。 【0009】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図5により
説明する。図1は本発明の一実施例の感熱記録ヘッド部
を示す平面図、図2は同側面図、図3は発熱素子部の拡
大平面図である。 【0010】図1および図2において、1はアルミナセ
ラミック基板、2はセラミック基板1の一端面3の近傍
に設けた断面が円弧状で頂上部の厚みが50μm程度の
細幅の発熱素子形成用グレーズ層、4は発熱素子、5は
薄膜共通電極部、6は薄膜個別電極形成部である。7は
発熱素子形成用グレーズ層2と分離して設けた、厚みが
発熱素子形成用グレーズ層と同等以下のICパターン形
成用グレーズ層であり、このグレーズ層上に、前記発熱
素子を駆動するドライバーIC8が搭載されるととも
に、ドライバーICのビット数に対応した周期の、抵抗
値を均一化したIC配線パターン9が形成される。グレ
ーズ層分離部の長さdは、発熱素子の放熱性が悪化しな
い範囲で最小にするのが良い。 【0011】次に本発明に用いる感熱記録ヘッドの形状
について説明する。図3は本発明に用いる感熱記録ヘッ
ドの一実施例を示す平面図、図4は図3のA−A線断面
図である。 【0012】図3および図4において、31はアルミナ
セラミック基板、32はセラミック基板31上にガラス
ペーストを印刷し、焼成することにより形成された部分
グレーズ層であり、その断面は十分な当接圧力を確保す
るため最大厚さ50μm前後、曲率半径3mm以下の円弧
状をしている。33は抵抗体薄膜、34は導電性薄膜で
あり、蒸着、スパッタリング等によりこれらの薄膜を形
成したのち、フォトエッチングにより図3に示すような
平面形状にパターニングして発熱素子35を成形し、最
後に耐酸化および耐摩耗保護膜36をスパッタリング等
により形成して発熱素子を完成させる。 【0013】1ドットに相当する発熱素子35は、導電
性薄膜34からなる共通電極37と個別電極38とには
さまれた長さlの抵抗体薄膜よりなり、発熱素子間スリ
ット39により隣接発熱素子と分離されるとともに、発
熱素子の幅方向中央に設けた中央スリット40によって
並列に同一幅W0なる2個の部分発熱素子35a,35
bに分離されている。発熱素子間スリット39の幅W2
と中央スリット40の幅W1とは同一であり、かつその
幅は25μm以下に形成されている。 【0014】このスリット幅は画像記録において白スジ
を生じさせないために不可欠な形状であり、これを図5
の温度分布図を用いて説明する。図5は本発明に用いる
感熱記録ヘッドの1ドットに相当する発熱素子の幅方向
の発熱温度分布を示す図である。発熱素子密度は例えば
6ドット/mmとする。 【0015】図5において、aは中央スリットを設けな
い、通常の矩形発熱素子の温度分布を示しており、発熱
素子の中央に大きなピークがあり、発熱素子の端部から
ドット間スリット部にかけては著しく低温となってい
る。このため、画像印画時にドット間に非発色領域が生
じ、これが白スジとなって検知される。 【0016】また、bは中央スリット40を設けた例で
あるが、中央スリット幅40よりも発熱素子間スリット
39の方が幅が広い場合を示したものであり、aに比べ
れば1ドット全体での温度分布は平坦に近くなっている
が、発熱素子間スリット部9の温度が中央スリット部4
0の温度より低いため、ドット間の非発色領域が中央ス
リット部よりも幅広となり、やはりドット間の白スジと
なって検知されやすい。 【0017】cは本発明における発熱素子の温度分布を
示したものであり、発熱素子間スリット39と中央スリ
ット40の幅を同一としているため温度分布は発熱素子
が2倍の密度すなわち12ドット/mmになったのと等価
な形をしており、通常、10ドット/mm以上の密度の濃
淡は明視距離ではスジとして検知できないため、画像プ
リントにおいて画質を劣化させる白スジを、明視距離で
は検知不可能にすることができる。 【0018】また、感熱記録ヘッドの発熱素子密度が例
えば5ドット/mmである場合は、10ドット/mmになっ
たと等価な温度分布となり、明視距離でスジが検知でき
るぎりぎりの密度となるが、スリット幅が25μm以下
であれば温度の山と谷との差をほぼ50℃以内とするこ
とができ、濃淡の差を小さくできるので、明視距離でス
ジとして検知されにくくすることができる。 【0019】また、スリット幅を細くするほど温度分布
の谷を小さくすることができ、発色効率を向上させるこ
とができるので、印加電力を小さくすることができる。 【0020】ところで、発熱素子35は部分グレーズ2
上に形成されるため、共通電極37および個別電極38
をグレーズ32上およびセラミック基板31上に形成し
なければならない。白ぬけの生じない十分な記録紙との
当接圧力を得るには、グレーズの厚さは50μm前後、
曲率半径3mm以下とすることが必要である。この場合、
とくにグレーズ32の端部41近傍では、図6に示すよ
うに、フォトマスク45と基板31とが露光時に密着し
ないためにパターニング精度が低下するという問題点が
あり、上記した25μm以下の微小幅のスリットを形成
しようとすると、隣接電極間で短絡が生じやすく、歩留
りが低下するという問題がある。そこで本発明において
は、発熱素子間スリット39を、共通電極側はグレーズ
上43において終端させるとともに、個別電極側はグレ
ーズ端41に位置する部分は幅広のスリット44とし
た。 【0021】また、中央スリット40の長さは、部分発
熱素子35a,35bに流れる電流密度を均一にするた
めに、発熱素子の長さlよりは長くするとともに、パタ
ーニングの容易さを考慮して、グレーズの頂上周辺のみ
に限定した。これらにより、微小幅のスリットを形成す
る領域を、フォトマスクとの密着性のよいグレーズ頂上
周辺(発熱素子形成部)に限定することができ、発熱素
子としての性能を犠牲にすることなく、ヘッドの製造プ
ロセスを容易化することができる。 【0022】一方、記録紙搬送方向の白スジを生じさせ
ないためには、発熱素子35の長さlを感熱記録装置の
紙搬送ピッチの1.5倍以上にすることがよいことがわ
かった。図7はプリント画像の低濃度の部分での1ドッ
トの発色長さを示したものであり、発熱素子の長さ30
0μmのとき、濃度0.5における発色長さは約200
μm、濃度0.2においては約150μmとなることを
示している。紙搬送方向の白スジを発生させないために
は、1ドットの発色長さを紙搬送ピッチ以上にする必要
があるから、人間の肌色程度(濃度0.5以下)の低濃
度においても白スジを発生させないためには、発熱素子
の長さlを紙搬送ピッチの1.5倍以上にしなければな
らないことがわかる。 【0023】上記した構成によれば、 (1)発熱素子の並び方向の温度分布が平坦化でき、並び
方向のドット間白スジを検知できなくすることができ
る。 (2)紙搬送方向のドット間白スジを検知できなくするこ
とができる。 (3)曲率半径の小さな部分グレーズにより、記録紙との
当接圧力を高くできるので、白ぬけの発生をなくすこと
ができる。 (4)発熱素子内の電流密度が均一なため、部分的な熱破
損が生じにくく長寿命である。 (5)発色効率が高く、低印加電力ですむ。 など、多くの利点を有する高性能の画像プリント用感熱
記録ヘッドを容易な製造方法で得るとともに、濃度むら
の低減された高画質の感熱記録装置を得ることができ
る。 【0024】 【発明の効果】上記したように、本発明の感熱記録装置
によれば、ヘッドの発熱素子を発熱素子間スリットと同
幅の微小幅の中央スリットにより並列に2等分したの
で、発熱素子密度を2倍にしたと等価でかつ平坦な発熱
温度分布が得られるので、ドット間の白スジを見えなく
することができる。 【0025】また、発熱素子の長さを紙搬送ピッチの
1.5倍以上とすることにより、発熱素子の紙搬送方向
の両端部で低濃度となる記録部分同士が重なり合い、紙
搬送方向の濃度むらも抑制され、この結果、記録紙の全
面にわたり高画質の画像記録を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部を
示す平面図。 【図2】図1の側面図。 【図3】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子部を示す平面図。 【図4】図3のA−A線断面図。 【図5】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子の温度分布を示す説明図。 【図6】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
フォトマスク部の接触状態を示す断面図。 【図7】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子長さと発色長さの関係を示す説明図。 【符号の説明】 1,31…アルミナセラミック基板、 2,32…発熱素子形成用グレーズ層、 4,35…発熱素子、 5,37…薄膜共通電極、 6,38…薄膜個別電極、 7…IC配線形成用グレーズ層、 8…ドライバーIC、 9…IC配線パターン、 39…発熱素子間スリット、 40…中央スリット。
示す平面図。 【図2】図1の側面図。 【図3】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子部を示す平面図。 【図4】図3のA−A線断面図。 【図5】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子の温度分布を示す説明図。 【図6】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
フォトマスク部の接触状態を示す断面図。 【図7】本発明の一実施例における感熱記録ヘッド部の
発熱素子長さと発色長さの関係を示す説明図。 【符号の説明】 1,31…アルミナセラミック基板、 2,32…発熱素子形成用グレーズ層、 4,35…発熱素子、 5,37…薄膜共通電極、 6,38…薄膜個別電極、 7…IC配線形成用グレーズ層、 8…ドライバーIC、 9…IC配線パターン、 39…発熱素子間スリット、 40…中央スリット。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 画像をプリントする感熱記録装置であって、 独立に通電可能な複数個の発熱素子が互いの間に所定の
幅を有した発熱素子間スリットを介して直線状に配列さ
れ、この発熱素子の各々は前記配列方向において所定の
幅を有した中央スリットにより並列に2等分状とされて
部分発熱素子を構成し、この部分発熱素子は前記配列方
向と直交する方向においてその一端側がそれぞれ共通電
極に接続されるとともに他端側が前記発熱素子ごとに独
立して通電可能の個別電極に接続されてなり、前記部分
発熱素子部において前記中央スリットの幅は前記発熱素
子間スリットの幅とほぼ等しくかつ25μm以下とされ
てなる感熱記録ヘッドと、 前記発熱素子の数に対応して備えられるとともにこれを
駆動するドライブ手段と、 記録媒体を所定のピッチで搬送する記録媒体搬送手段と
を具備してなり、 前記感熱記録ヘッドの発熱素子の配列方向と直交する方
向の長さは、前記記録媒体搬送手段の所定のピッチの
1.5倍以上とされてなることを特徴とする感熱記録装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7299538A JP2630313B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 感熱記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7299538A JP2630313B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 感熱記録装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12572286A Division JPS62282950A (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | 感熱記録ヘツド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08207339A true JPH08207339A (ja) | 1996-08-13 |
JP2630313B2 JP2630313B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=17873913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7299538A Expired - Lifetime JP2630313B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 感熱記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2630313B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007331109A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | サーマルヘッド装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6154956A (ja) * | 1984-08-27 | 1986-03-19 | Kyocera Corp | サ−マルヘツド |
JPS6156043U (ja) * | 1984-09-14 | 1986-04-15 |
-
1995
- 1995-11-17 JP JP7299538A patent/JP2630313B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6154956A (ja) * | 1984-08-27 | 1986-03-19 | Kyocera Corp | サ−マルヘツド |
JPS6156043U (ja) * | 1984-09-14 | 1986-04-15 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007331109A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | サーマルヘッド装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2630313B2 (ja) | 1997-07-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |