JP3038944B2 - 厚膜型サーマルヘッド - Google Patents
厚膜型サーマルヘッドInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、個別対向型の厚膜型サ
ーマルヘッドに係り、特に昇華式プリンタ等の記録装置
の印字品質を向上させるための発熱抵抗体の構造を備え
た厚膜型サーマルヘッドに関する。
ーマルヘッドに係り、特に昇華式プリンタ等の記録装置
の印字品質を向上させるための発熱抵抗体の構造を備え
た厚膜型サーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】感熱方式プリンタやファクシミリ等の記
録装置の記録手段に用いられる記録ヘッドとしては、製
造の容易さから所謂厚膜型サーマルヘッドと呼ばれる記
録ヘッドが広く採用れている。感熱方式記録装置の一形
式として、インクドナーフィルムのインクを加熱昇華さ
せて記録媒体に画像や文字を形成する昇華式記録装置が
知られている。図5は厚膜型サーマルヘッドを印字ヘッ
ドとした昇華式記録装置の要部説明図であって、1はセ
ラミックス等の絶縁材料からなる基板、2は共通電極、
3は個別電極、4は発熱抵抗体、6は保護層であるオー
バーグレーズ層で、これらの構成層により厚膜型サーマ
ルヘッド10が構成される。また、7はプラテン、8は
記録媒体、80はインクドナーフィルムである。同図に
おいて、記録媒体8は記録時には厚膜型サーマルヘッド
10とプラテン7との間に矢印P方向から挟持押圧され
てインクドナーフィルム80の加熱により昇華した染料
が移転させられて記録が行なわれる。サーマルヘッドは
その電極の配置構造から分類して、共通電極と個別電極
とが副走査方向に対向配置された個別対向型サーマルヘ
ッドと、共通電極と個別電極とが主走査方向に櫛歯状に
配列された交互リード型サーマルヘッドとに大別され
る。
録装置の記録手段に用いられる記録ヘッドとしては、製
造の容易さから所謂厚膜型サーマルヘッドと呼ばれる記
録ヘッドが広く採用れている。感熱方式記録装置の一形
式として、インクドナーフィルムのインクを加熱昇華さ
せて記録媒体に画像や文字を形成する昇華式記録装置が
知られている。図5は厚膜型サーマルヘッドを印字ヘッ
ドとした昇華式記録装置の要部説明図であって、1はセ
ラミックス等の絶縁材料からなる基板、2は共通電極、
3は個別電極、4は発熱抵抗体、6は保護層であるオー
バーグレーズ層で、これらの構成層により厚膜型サーマ
ルヘッド10が構成される。また、7はプラテン、8は
記録媒体、80はインクドナーフィルムである。同図に
おいて、記録媒体8は記録時には厚膜型サーマルヘッド
10とプラテン7との間に矢印P方向から挟持押圧され
てインクドナーフィルム80の加熱により昇華した染料
が移転させられて記録が行なわれる。サーマルヘッドは
その電極の配置構造から分類して、共通電極と個別電極
とが副走査方向に対向配置された個別対向型サーマルヘ
ッドと、共通電極と個別電極とが主走査方向に櫛歯状に
配列された交互リード型サーマルヘッドとに大別され
る。
【0003】図6は従来技術による個別対向型の厚膜型
サーマルヘッドの構造を説明する要部平面図であって、
010は厚膜型サーマルヘッド、01はセラミック基
板、02は共通電極、03は個別電極、04は発熱抵抗
体、06は保護層であるオーバーグレーズ層である。こ
の種の厚膜型サーマルヘッドは、電極層形成材料や発熱
体となる抵抗層形成材料をペースト状として印刷し、塗
布・焼成して所望の構成層を得るリフトオフ法により製
作される。図7は図6に示した厚膜型サーマルヘッドの
断面図で、(a)は図6のA−A線に沿った副走査方向
断面を、(b)は図6のB−B線に沿った主走査方向断
面を示す。同図(a)(b)に示されたように、発熱抵
抗体04は共通電極02と個別電極03を形成した上に
これら両電極の上部に橋絡して形成される。したがっ
て、この種のリフトオフ法により製作した個別対向型の
厚膜型サーマルヘッドは、発熱抵抗体04の副走査方向
の断面形状が記録媒体方向に凸であるために、オーバー
グレーズ層06も凸形状をなしている。なお、上記従来
の厚膜型サーマルヘッドを開示したものとしては、特開
平1−123756号公報,特開昭64−44762号
公報を挙げることができる。上記各公報に開示の厚膜型
サーマルヘッドは、発熱抵抗体の形状を主および副走査
の各方向の断面形状を矩形とすることによって発熱抵抗
体の発熱分布を均一とし、発熱抵抗体の平面形状の再現
性すなわちドット再現性を向上させたものである。しか
し、昇華式記録装置に好適な厚膜型サーマルヘッドの構
造については考慮されていない。
サーマルヘッドの構造を説明する要部平面図であって、
010は厚膜型サーマルヘッド、01はセラミック基
板、02は共通電極、03は個別電極、04は発熱抵抗
体、06は保護層であるオーバーグレーズ層である。こ
の種の厚膜型サーマルヘッドは、電極層形成材料や発熱
体となる抵抗層形成材料をペースト状として印刷し、塗
布・焼成して所望の構成層を得るリフトオフ法により製
作される。図7は図6に示した厚膜型サーマルヘッドの
断面図で、(a)は図6のA−A線に沿った副走査方向
断面を、(b)は図6のB−B線に沿った主走査方向断
面を示す。同図(a)(b)に示されたように、発熱抵
抗体04は共通電極02と個別電極03を形成した上に
これら両電極の上部に橋絡して形成される。したがっ
て、この種のリフトオフ法により製作した個別対向型の
厚膜型サーマルヘッドは、発熱抵抗体04の副走査方向
の断面形状が記録媒体方向に凸であるために、オーバー
グレーズ層06も凸形状をなしている。なお、上記従来
の厚膜型サーマルヘッドを開示したものとしては、特開
平1−123756号公報,特開昭64−44762号
公報を挙げることができる。上記各公報に開示の厚膜型
サーマルヘッドは、発熱抵抗体の形状を主および副走査
の各方向の断面形状を矩形とすることによって発熱抵抗
体の発熱分布を均一とし、発熱抵抗体の平面形状の再現
性すなわちドット再現性を向上させたものである。しか
し、昇華式記録装置に好適な厚膜型サーマルヘッドの構
造については考慮されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの主の厚膜型
サーマルヘッドにおいては、共通電極02と個別電極0
3の間隔Dと発熱抵抗体04の副走査方向幅dとの寸法
に大きな差が無いため、共通電極02と個別電極03を
介して発熱抵抗体04に通電すると、発熱抵抗体04は
そのエッジまでの全長に亘って加熱される。そのため、
オーバーグレーズ層06もそのエッジまでの凸部全体が
加熱されることになる。このサーマルヘッドの昇華式記
録装置に搭載して昇華式記録媒体に印字等の記録を行な
うと、発熱抵抗体上のオーバーグレーズ層の凸形状部分
全体が、発熱抵抗体の発熱と共に記録媒体8の表面を加
熱し、インクドナーフィルムの染料を昇華させる温度に
達する中央部分にインクの染料が移転されて記録がなさ
れることになる。
サーマルヘッドにおいては、共通電極02と個別電極0
3の間隔Dと発熱抵抗体04の副走査方向幅dとの寸法
に大きな差が無いため、共通電極02と個別電極03を
介して発熱抵抗体04に通電すると、発熱抵抗体04は
そのエッジまでの全長に亘って加熱される。そのため、
オーバーグレーズ層06もそのエッジまでの凸部全体が
加熱されることになる。このサーマルヘッドの昇華式記
録装置に搭載して昇華式記録媒体に印字等の記録を行な
うと、発熱抵抗体上のオーバーグレーズ層の凸形状部分
全体が、発熱抵抗体の発熱と共に記録媒体8の表面を加
熱し、インクドナーフィルムの染料を昇華させる温度に
達する中央部分にインクの染料が移転されて記録がなさ
れることになる。
【0005】図8は個別対向型の厚膜型サーマルヘッド
を用いた記録状態を説明する模式図であって、従来は、
例えば10dot/mmのサーマルヘッドにおいて、発
熱抵抗体主走査幅を70μm、また電極間幅140μm
に対し、発熱抵抗体副走査幅を従来は170μm程度と
している。この場合、発熱抵抗体突起(オーバーグレー
ズ層の突起)の圧痕そのものは該突起のエッジの形状を
転写した凹11となり、その結果圧痕の周りは凸にな
る。また、10dot/mmで上記の発熱抵抗体サイズ
の場合、紙送り0.1mm/lineであるから、70
μmの凹11の重なり代が生じ、その重なり代で記録媒
体表面の凹凸が激しくなる。上記発熱抵抗体(オーバー
グレーズ層)のエッジの凸形状で記録媒体に圧痕がつく
のは、発熱抵抗体副走査方向端部のエッジまで、したが
ってオーバーグレーズ層のエッジまで熱が伝わり、昇華
式記録媒体表面の上記エッジが当たる領域はすべて変形
しやすくなるためである。すなわち、昇華式記録用の記
録媒体8の表面は熱により変形しやすい状態となるもの
であるため、上記のサーマルヘッドで印字すると、同図
(a)に示すように、記録媒体8の表面には厚膜型サー
マルヘッドの発熱抵抗体4のエッジしたがってこの発熱
抵抗体4のエッジとほぼ同一サイズのオーバーグレーズ
層6のエッジによる凸形状がそのまま凹部11として転
写される。そして、上記凹部11の中央部に昇華温度に
達して昇華したインクの染料9が移転する。染料9が移
転した記録媒体部分は、図示のごとく膨潤して僅かに凸
状となる。そして、次の記録動作で(b)に示したよう
に先の記録で形成された凹部11にさらに凹部11が重
畳し、これが(c)に示した如く次々に凹部11と膨潤
部が形成される。このため、記録媒体8の表面に凹凸が
激しく発生してドット再現性が損なわれ、その結果画質
の劣化を招くという問題がある。
を用いた記録状態を説明する模式図であって、従来は、
例えば10dot/mmのサーマルヘッドにおいて、発
熱抵抗体主走査幅を70μm、また電極間幅140μm
に対し、発熱抵抗体副走査幅を従来は170μm程度と
している。この場合、発熱抵抗体突起(オーバーグレー
ズ層の突起)の圧痕そのものは該突起のエッジの形状を
転写した凹11となり、その結果圧痕の周りは凸にな
る。また、10dot/mmで上記の発熱抵抗体サイズ
の場合、紙送り0.1mm/lineであるから、70
μmの凹11の重なり代が生じ、その重なり代で記録媒
体表面の凹凸が激しくなる。上記発熱抵抗体(オーバー
グレーズ層)のエッジの凸形状で記録媒体に圧痕がつく
のは、発熱抵抗体副走査方向端部のエッジまで、したが
ってオーバーグレーズ層のエッジまで熱が伝わり、昇華
式記録媒体表面の上記エッジが当たる領域はすべて変形
しやすくなるためである。すなわち、昇華式記録用の記
録媒体8の表面は熱により変形しやすい状態となるもの
であるため、上記のサーマルヘッドで印字すると、同図
(a)に示すように、記録媒体8の表面には厚膜型サー
マルヘッドの発熱抵抗体4のエッジしたがってこの発熱
抵抗体4のエッジとほぼ同一サイズのオーバーグレーズ
層6のエッジによる凸形状がそのまま凹部11として転
写される。そして、上記凹部11の中央部に昇華温度に
達して昇華したインクの染料9が移転する。染料9が移
転した記録媒体部分は、図示のごとく膨潤して僅かに凸
状となる。そして、次の記録動作で(b)に示したよう
に先の記録で形成された凹部11にさらに凹部11が重
畳し、これが(c)に示した如く次々に凹部11と膨潤
部が形成される。このため、記録媒体8の表面に凹凸が
激しく発生してドット再現性が損なわれ、その結果画質
の劣化を招くという問題がある。
【0006】本発明の目的は、リフトオフ法による個別
対向型の厚膜型サーマルヘッドにおいて抵抗体副走査方
向端部のエッジ(すなわち、オーバーグレーズ層の副走
査方向エッジ)が発熱抵抗体の発熱の影響を受けないよ
うにすることによって、ドット再現性の良さを損なうこ
となく、昇華式記録装置で記録した記録媒体表面の凹凸
をなくし、画質を向上させることにある。
対向型の厚膜型サーマルヘッドにおいて抵抗体副走査方
向端部のエッジ(すなわち、オーバーグレーズ層の副走
査方向エッジ)が発熱抵抗体の発熱の影響を受けないよ
うにすることによって、ドット再現性の良さを損なうこ
となく、昇華式記録装置で記録した記録媒体表面の凹凸
をなくし、画質を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、共通電極(2)と、共通電極(2)に対
して互いに独立して対向し主走査方向に配置される複数
の個別電極(3)が形成された平板状の基板(1)上面
に、上記共通電極(2)および個別電極(3)のそれぞ
れに副走査方向に橋絡し且つリフトオフ法により形成さ
れた複数の発熱抵抗体(4)と、上記共通電極(2),
個別電極(3)および複数の各発熱抵抗体(4)を覆う
保護層(6)とが形成された厚膜型サーマルヘッドにお
いて、前記共通電極(2)と個別電極(3)との対向間
隔をDとし、前記各発熱抵抗体(4)の副走査幅をdと
したとき、 2D ≦ d としたことを特徴とする。
に、本発明は、共通電極(2)と、共通電極(2)に対
して互いに独立して対向し主走査方向に配置される複数
の個別電極(3)が形成された平板状の基板(1)上面
に、上記共通電極(2)および個別電極(3)のそれぞ
れに副走査方向に橋絡し且つリフトオフ法により形成さ
れた複数の発熱抵抗体(4)と、上記共通電極(2),
個別電極(3)および複数の各発熱抵抗体(4)を覆う
保護層(6)とが形成された厚膜型サーマルヘッドにお
いて、前記共通電極(2)と個別電極(3)との対向間
隔をDとし、前記各発熱抵抗体(4)の副走査幅をdと
したとき、 2D ≦ d としたことを特徴とする。
【0008】
【作用】発熱抵抗体(4)の副走査方向幅dを、この発
熱抵抗体が橋絡する共通電極(2)と個別電極(3)の
対向間隔Dの2倍以上とすることによって、発熱抵抗体
の中央部が記録ドットを形成するインクドナーフィルム
の染料が昇華する昇華温度に達しても、発熱抵抗体
(4)のエッジすなわちオーバーグレーズ層(6)のエ
ッジが記録媒体を加熱変形させる温度に達することがな
い。したがって、前記図8で説明したような画像の劣化
は発生しない。
熱抵抗体が橋絡する共通電極(2)と個別電極(3)の
対向間隔Dの2倍以上とすることによって、発熱抵抗体
の中央部が記録ドットを形成するインクドナーフィルム
の染料が昇華する昇華温度に達しても、発熱抵抗体
(4)のエッジすなわちオーバーグレーズ層(6)のエ
ッジが記録媒体を加熱変形させる温度に達することがな
い。したがって、前記図8で説明したような画像の劣化
は発生しない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明による厚膜型サーマル
ヘッドの一実施例を説明する要部平面図であって、1は
セラミック基板、2は共通電極、3は個別電極、4はリ
フトホフ法により形成された発熱抵抗体、6はオーバー
グレーズ層である。また、図2は図1に示した厚膜型サ
ーマルヘッドの断面図で、(a)は図1のA−A線に沿
った副走査方向断面図、(b)は図1のB−B線に沿っ
た断面図である。本発明の実施例は、発熱抵抗体副走査
幅を210μm、280μm、350μmとして記録を
実行した結果、上記発熱抵抗体の副走査方向幅と、共通
電極と個別電極との間隔を特定比に選定したものであ
る。
て詳細に説明する。図1は本発明による厚膜型サーマル
ヘッドの一実施例を説明する要部平面図であって、1は
セラミック基板、2は共通電極、3は個別電極、4はリ
フトホフ法により形成された発熱抵抗体、6はオーバー
グレーズ層である。また、図2は図1に示した厚膜型サ
ーマルヘッドの断面図で、(a)は図1のA−A線に沿
った副走査方向断面図、(b)は図1のB−B線に沿っ
た断面図である。本発明の実施例は、発熱抵抗体副走査
幅を210μm、280μm、350μmとして記録を
実行した結果、上記発熱抵抗体の副走査方向幅と、共通
電極と個別電極との間隔を特定比に選定したものであ
る。
【0010】図3は本実施例のサーマルヘッドで記録し
た記録媒体の(a)表面図と(b)断面図であって、上
記電極間幅140μmのサーマルヘッドにおいて発熱抵
抗体の副走査方向の幅を280μm以上すなわち電極間
幅の2倍以上としたものでは、同図に示すように、副走
査方向の発熱抵抗体4のエッジ(オーバーグレーズ層6
のエッジ)による圧痕(凹)が見られず、昇華染料移転
部9が若干膨潤した状態となる。そのため、記録媒体の
表面状態は従来技術のサーマルヘッドによるものに比較
して極めて平滑となり、良好な画質を提供できる。
た記録媒体の(a)表面図と(b)断面図であって、上
記電極間幅140μmのサーマルヘッドにおいて発熱抵
抗体の副走査方向の幅を280μm以上すなわち電極間
幅の2倍以上としたものでは、同図に示すように、副走
査方向の発熱抵抗体4のエッジ(オーバーグレーズ層6
のエッジ)による圧痕(凹)が見られず、昇華染料移転
部9が若干膨潤した状態となる。そのため、記録媒体の
表面状態は従来技術のサーマルヘッドによるものに比較
して極めて平滑となり、良好な画質を提供できる。
【0011】図4は共通電極と個別電極の副走査方向の
幅(電極間隔)と発熱抵抗体の副走査方向の幅(抵抗体
幅)の比を変えて記録を行なった場合の記録媒体の表面
における熱分布の説明図である。同図において、上記電
極間隔をD,発熱抵抗体幅をdとしたとき、(a)はd
<2D,(b)はd=1.5D,(c)はd=2D,
(d)はd>2Dとしたサーマルヘッドの記録媒体の表
面での発熱温度分布を示す。なお、図中、Tは発熱温度
を、Toは記録媒体が熱変形を起こす臨界温度である。
すなわち、(a)のd<2Dとしたサーマルヘッドでは
副走査方向の発熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層
のエッジ)の温度は臨界温度Toを大きく越えており、
記録媒体の表面は変形して圧痕(凹)が発生して記録媒
体の表面は凹凸が激しくなる。(b)のd=1.5Dと
したサーマルヘッドでは、上記(a)のサーマルヘッド
によるものよりも低い温度ではあるが、副走査方向の発
熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層のエッジ)の温
度は依然として臨界温度Toを大きく越え記録媒体の表
面は変形して圧痕(凹)が発生する。
幅(電極間隔)と発熱抵抗体の副走査方向の幅(抵抗体
幅)の比を変えて記録を行なった場合の記録媒体の表面
における熱分布の説明図である。同図において、上記電
極間隔をD,発熱抵抗体幅をdとしたとき、(a)はd
<2D,(b)はd=1.5D,(c)はd=2D,
(d)はd>2Dとしたサーマルヘッドの記録媒体の表
面での発熱温度分布を示す。なお、図中、Tは発熱温度
を、Toは記録媒体が熱変形を起こす臨界温度である。
すなわち、(a)のd<2Dとしたサーマルヘッドでは
副走査方向の発熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層
のエッジ)の温度は臨界温度Toを大きく越えており、
記録媒体の表面は変形して圧痕(凹)が発生して記録媒
体の表面は凹凸が激しくなる。(b)のd=1.5Dと
したサーマルヘッドでは、上記(a)のサーマルヘッド
によるものよりも低い温度ではあるが、副走査方向の発
熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層のエッジ)の温
度は依然として臨界温度Toを大きく越え記録媒体の表
面は変形して圧痕(凹)が発生する。
【0012】しかるに、(c)のd=2Dとしたサーマ
ルヘッドでは副走査方向の発熱抵抗体のエッジ(オーバ
ーグレーズ層のエッジ)の温度は臨界温度Toと略々同
等のものとなり、周囲の温度や湿度,記録装置の稼働時
間などの条件によっては若干の圧痕が発生する場合もあ
るが、記録媒体は略平滑な表面状態を保つ。そして、
(d)のd>2Dとしたサーマルヘッドでは副走査方向
の発熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層のエッジ)
の温度は臨界温度To以下となるため、記録媒体の表面
に圧痕が発生することはない。すなわち、抵抗体副走査
幅dが電極間幅Dの2倍以上のものは、副走査方向端部
のエッジが、昇華式記録媒体の表面に変形を与えるに至
る温度まで加熱されるまでには到らない。なお、上記実
施例は、個別対向型の厚膜型サーマルヘッドに本発明を
適用したものであるが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、交互リード型の厚膜型サーマルヘッドにおい
てその共通電極と個別電極との副走査方向対向部の長さ
を上記実施例における電極間隔Dに置き換えて実施する
ことも可能である。また、インクリボンと普通紙を使用
するインク溶着転写型感熱式記録装置に用いられる厚膜
型サーマルヘッドに本発明を適用することにより、発熱
抵抗体の副走査方向サイズより小さいサイズの記録ドッ
トを得る記録装置を提供することもできる。
ルヘッドでは副走査方向の発熱抵抗体のエッジ(オーバ
ーグレーズ層のエッジ)の温度は臨界温度Toと略々同
等のものとなり、周囲の温度や湿度,記録装置の稼働時
間などの条件によっては若干の圧痕が発生する場合もあ
るが、記録媒体は略平滑な表面状態を保つ。そして、
(d)のd>2Dとしたサーマルヘッドでは副走査方向
の発熱抵抗体のエッジ(オーバーグレーズ層のエッジ)
の温度は臨界温度To以下となるため、記録媒体の表面
に圧痕が発生することはない。すなわち、抵抗体副走査
幅dが電極間幅Dの2倍以上のものは、副走査方向端部
のエッジが、昇華式記録媒体の表面に変形を与えるに至
る温度まで加熱されるまでには到らない。なお、上記実
施例は、個別対向型の厚膜型サーマルヘッドに本発明を
適用したものであるが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、交互リード型の厚膜型サーマルヘッドにおい
てその共通電極と個別電極との副走査方向対向部の長さ
を上記実施例における電極間隔Dに置き換えて実施する
ことも可能である。また、インクリボンと普通紙を使用
するインク溶着転写型感熱式記録装置に用いられる厚膜
型サーマルヘッドに本発明を適用することにより、発熱
抵抗体の副走査方向サイズより小さいサイズの記録ドッ
トを得る記録装置を提供することもできる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
副走査方向における発熱抵抗体副走査幅dを電極間幅D
の2倍以上としたことによって、副走査方向の発熱抵抗
体エッジ部すなわちオーバーグレーズ層のエッジ部が記
録媒体の変形をもたらす温度にならないため、昇華方式
の厚膜型サーマルヘッドとして用いたときの記録媒体の
表面状態を略平滑に保ち、良好な画質の記録を行なうこ
とができる。
副走査方向における発熱抵抗体副走査幅dを電極間幅D
の2倍以上としたことによって、副走査方向の発熱抵抗
体エッジ部すなわちオーバーグレーズ層のエッジ部が記
録媒体の変形をもたらす温度にならないため、昇華方式
の厚膜型サーマルヘッドとして用いたときの記録媒体の
表面状態を略平滑に保ち、良好な画質の記録を行なうこ
とができる。
【図1】本発明による厚膜型サーマルヘッドの一実施例
を説明する要部平面図である。
を説明する要部平面図である。
【図2】本発明による厚膜型サーマルヘッドの一実施例
を説明する図1の断面図である。
を説明する図1の断面図である。
【図3】本発明の一実施例のサーマルヘッドで記録した
記録媒体の(a)表面図と(b)断面図である。
記録媒体の(a)表面図と(b)断面図である。
【図4】厚膜型サーマルヘッドの共通電極と個別電極の
副走査方向の幅(電極間隔)と抵抗体の副走査方向の幅
(抵抗体幅)の比を変えて記録を行なった場合の記録媒
体の表面における熱分布の説明図である。
副走査方向の幅(電極間隔)と抵抗体の副走査方向の幅
(抵抗体幅)の比を変えて記録を行なった場合の記録媒
体の表面における熱分布の説明図である。
【図5】厚膜型サーマルヘッドを印字ヘッドとした昇華
式記録装置の要部説明図である。
式記録装置の要部説明図である。
【図6】従来技術による個別対向型の厚膜型サーマルヘ
ッドの構造を説明する要部平面図である。
ッドの構造を説明する要部平面図である。
【図7】従来技術による個別対向型の厚膜型サーマルヘ
ッドの構造を説明する図6のA−A線に沿った副走査方
向断面とB−B線に沿った主走査方向断面である。
ッドの構造を説明する図6のA−A線に沿った副走査方
向断面とB−B線に沿った主走査方向断面である。
【図8】従来技術による個別対向型の厚膜型サーマルヘ
ッドを用いた記録状態を微視的に示した模式図である。
ッドを用いた記録状態を微視的に示した模式図である。
1 セラミック基板 2 共通電極 3 個別電極 4 発熱抵抗体 6 オーバーグレーズ(保護層)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−58876(JP,A) 特開 平2−276652(JP,A) 実開 平2−144443(JP,U) 実開 平1−110928(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/345
Claims (1)
- 【請求項1】 共通電極と、共通電極に対して互いに独
立して対向し主走査方向に配置される複数の個別電極が
形成された平板状の基板上面に、上記共通電極および個
別電極のそれぞれに副走査方向に橋絡し且つリフトオフ
法により形成された複数の発熱抵抗体と、上記共通電
極,個別電極および複数の各発熱抵抗体を覆う保護層と
が形成された厚膜型サーマルヘッドにおいて、 前記共通電極と個別電極との対向間隔をDとし、前記各
発熱抵抗体の副走査幅をdとしたとき、 2D ≦ d としたことを特徴とする厚膜型サーマルヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2764591A JP3038944B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 厚膜型サーマルヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2764591A JP3038944B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 厚膜型サーマルヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04305467A JPH04305467A (ja) | 1992-10-28 |
JP3038944B2 true JP3038944B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=12226665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2764591A Expired - Lifetime JP3038944B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 厚膜型サーマルヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038944B2 (ja) |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP2764591A patent/JP3038944B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04305467A (ja) | 1992-10-28 |
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