JPH08146353A - レ−ザ−光回折顕微鏡方法およびその顕微鏡装置 - Google Patents
レ−ザ−光回折顕微鏡方法およびその顕微鏡装置Info
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- JPH08146353A JPH08146353A JP30678894A JP30678894A JPH08146353A JP H08146353 A JPH08146353 A JP H08146353A JP 30678894 A JP30678894 A JP 30678894A JP 30678894 A JP30678894 A JP 30678894A JP H08146353 A JPH08146353 A JP H08146353A
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- sample
- image
- lens system
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子回折装置に対する電子顕微鏡のように、
従来存在したレーザー光回折装置に対しレーザー光回折
顕微鏡方法およびその顕微鏡装置を提供する。レーザー
光によってサンプルの回折像を形成し、それをレンズ系
により逆フーリエ変換してサンプルの拡大実像を結像さ
せる。 【構成】 この発明のレーザー光回折顕微鏡方法は、レ
ーザー光源2からの入射レーザー光4をサンプル6に照
射し、この入射レーザー光4をサンプル6に透過させて
回折レーザー光8を形成し、この回折レーザー光8によ
りサンプル6の回折像20を形成し、前記回折レーザー
光8をレンズ系14により集束して集束レーザー光16
を形成し、この集束レーザー光16によりサンプル6の
実像を拡大して結像することから構成される。またその
装置は、前記要素に加えて、レンズ系を多段にして倍率
を増大させ、レンズ系を単一の凸レンズだけでなく複合
レンズで構成し、更に光学台を利用して結像を簡単にで
きる。
従来存在したレーザー光回折装置に対しレーザー光回折
顕微鏡方法およびその顕微鏡装置を提供する。レーザー
光によってサンプルの回折像を形成し、それをレンズ系
により逆フーリエ変換してサンプルの拡大実像を結像さ
せる。 【構成】 この発明のレーザー光回折顕微鏡方法は、レ
ーザー光源2からの入射レーザー光4をサンプル6に照
射し、この入射レーザー光4をサンプル6に透過させて
回折レーザー光8を形成し、この回折レーザー光8によ
りサンプル6の回折像20を形成し、前記回折レーザー
光8をレンズ系14により集束して集束レーザー光16
を形成し、この集束レーザー光16によりサンプル6の
実像を拡大して結像することから構成される。またその
装置は、前記要素に加えて、レンズ系を多段にして倍率
を増大させ、レンズ系を単一の凸レンズだけでなく複合
レンズで構成し、更に光学台を利用して結像を簡単にで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サンプルの拡大像を
形成する顕微鏡に係わり、更に詳細にはレーザー光を用
いて電子顕微鏡と同様の原理でサンプルの拡大像を形成
するレーザー光回折顕微鏡方法およびその装置に関す
る。
形成する顕微鏡に係わり、更に詳細にはレーザー光を用
いて電子顕微鏡と同様の原理でサンプルの拡大像を形成
するレーザー光回折顕微鏡方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、サンプルの拡大像を形成する装置
として白色光源を用いた光学顕微鏡が利用されている。
これは、入射白色光のサンプルによる透過光または反射
光を対物レンズと接眼レンズに導入し、サンプルの拡大
像を形成するものである。しかし白色光は多数の波長の
光を含んでいること、ビーム状に絞ることができないこ
と、干渉性が少ないこと、レンズ視野全部の拡大が行な
われ、しかも拡大に連れて視野が急激に暗くなること等
の理由により利用範囲に限界がある。
として白色光源を用いた光学顕微鏡が利用されている。
これは、入射白色光のサンプルによる透過光または反射
光を対物レンズと接眼レンズに導入し、サンプルの拡大
像を形成するものである。しかし白色光は多数の波長の
光を含んでいること、ビーム状に絞ることができないこ
と、干渉性が少ないこと、レンズ視野全部の拡大が行な
われ、しかも拡大に連れて視野が急激に暗くなること等
の理由により利用範囲に限界がある。
【0003】電子線の波動性が発見されて以来、光学顕
微鏡では見えなかったミクロの物質構造を観察するた
め、電子回折装置や電子顕微鏡装置が開発されてきた。
図9は電子回折装置の説明図で、電子銃50からサンプ
ル52に入射電子ビーム54を照射し、サンプル52に
より回折された回折電子ビーム56がスクリーン58上
に回折像60を結像した状態を示している。この回折像
60はサンプル52の物質構造のフ−リエ変換であるか
ら、回折像60の濃度を計算機により逆フ−リエ変換し
てサンプル52の物質構造が解析される。
微鏡では見えなかったミクロの物質構造を観察するた
め、電子回折装置や電子顕微鏡装置が開発されてきた。
図9は電子回折装置の説明図で、電子銃50からサンプ
ル52に入射電子ビーム54を照射し、サンプル52に
より回折された回折電子ビーム56がスクリーン58上
に回折像60を結像した状態を示している。この回折像
60はサンプル52の物質構造のフ−リエ変換であるか
ら、回折像60の濃度を計算機により逆フ−リエ変換し
てサンプル52の物質構造が解析される。
【0004】図10は透過型電子顕微鏡装置の説明図
で、図9で説明した回折電子ビ−ム56を電子レンズ6
2により集束して集束電子ビーム64を形成し、この電
子レンズ62の後焦点面66に回折像60が結像され
る。更に後方のスクリーン58上にはサンプル52の拡
大された実像68が結像される。電子レンズ62は自動
的に回折像60を逆フーリエ変換してサンプル52の物
質構造を再現するもので、透過型電子顕微鏡ではサンプ
ル52の物質構造が直ちにスクリーン58上に結像され
る。
で、図9で説明した回折電子ビ−ム56を電子レンズ6
2により集束して集束電子ビーム64を形成し、この電
子レンズ62の後焦点面66に回折像60が結像され
る。更に後方のスクリーン58上にはサンプル52の拡
大された実像68が結像される。電子レンズ62は自動
的に回折像60を逆フーリエ変換してサンプル52の物
質構造を再現するもので、透過型電子顕微鏡ではサンプ
ル52の物質構造が直ちにスクリーン58上に結像され
る。
【0005】一方、光分野ではレーザーが開発され、電
子ビームと同じように、可干渉性で単色性に優れたビー
ム状のレーザー光が利用できるようになった。レーザー
光はその特性により各種の分野に利用されているが、特
に教育分野では回折像の結像に活用されている。図11
はレーザー光回折装置の説明図である。レーザー光源2
からの入射レーザー光4をサンプル6に照射して回折レ
ーザー光8を形成し、前方のスクリーン10に回折像1
2を結像させる。サンプル6が回折格子の場合にはそれ
に対応した回折像が結像でき、教育実験では格子間隔や
レーザー光の波長を求めることが行なわれている。
子ビームと同じように、可干渉性で単色性に優れたビー
ム状のレーザー光が利用できるようになった。レーザー
光はその特性により各種の分野に利用されているが、特
に教育分野では回折像の結像に活用されている。図11
はレーザー光回折装置の説明図である。レーザー光源2
からの入射レーザー光4をサンプル6に照射して回折レ
ーザー光8を形成し、前方のスクリーン10に回折像1
2を結像させる。サンプル6が回折格子の場合にはそれ
に対応した回折像が結像でき、教育実験では格子間隔や
レーザー光の波長を求めることが行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】単色の電子ビームを利
用して電子回折装置から透過型電子顕微鏡が開発されて
きたのに対し、単色のレーザービームを利用したレーザ
ー光回折装置は開発されていたが、レーザー光を利用し
た回折顕微鏡は開発されていなかった。このことはレー
ザー光を利用する場合における盲点であった。白色光を
利用した光学顕微鏡が既に存在していることが、レーザ
ー光を利用する着想を阻害していたものと思われる。
用して電子回折装置から透過型電子顕微鏡が開発されて
きたのに対し、単色のレーザービームを利用したレーザ
ー光回折装置は開発されていたが、レーザー光を利用し
た回折顕微鏡は開発されていなかった。このことはレー
ザー光を利用する場合における盲点であった。白色光を
利用した光学顕微鏡が既に存在していることが、レーザ
ー光を利用する着想を阻害していたものと思われる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明はレーザー光回
折顕微鏡方法に係わり、レーザー光源からの入射レーザ
ー光をサンプルに照射し、この入射レーザー光をサンプ
ルに透過させて回折レーザー光を形成し、この回折レー
ザー光をレンズ系により集光して集束レーザー光を形成
し、この集束レーザー光によりサンプルの実像を拡大し
て形成する点に特徴を有している。更に、この発明はレ
ーザー光回折顕微鏡装置に係わり、レ−ザ−光源と、こ
のレ−ザ−光源からの入射レ−ザ−光を照射するサンプ
ルと、このサンプルにより透過回折された回折レ−ザ−
光を集束するレンズ系から構成されている点に特徴を有
している。
折顕微鏡方法に係わり、レーザー光源からの入射レーザ
ー光をサンプルに照射し、この入射レーザー光をサンプ
ルに透過させて回折レーザー光を形成し、この回折レー
ザー光をレンズ系により集光して集束レーザー光を形成
し、この集束レーザー光によりサンプルの実像を拡大し
て形成する点に特徴を有している。更に、この発明はレ
ーザー光回折顕微鏡装置に係わり、レ−ザ−光源と、こ
のレ−ザ−光源からの入射レ−ザ−光を照射するサンプ
ルと、このサンプルにより透過回折された回折レ−ザ−
光を集束するレンズ系から構成されている点に特徴を有
している。
【0008】
【作用】この発明は以上のように構成されているから、
レンズ系を取り外せば、回折レーザー光によりサンプル
の回折像がスクリーン上に結像できる。また、レンズ系
により回折レーザー光を集束すれば、この集束レーザー
光によりスクリーン上にサンプルの拡大された実像が結
像できる。構成は透過型電子顕微鏡と同じで、レーザー
光を用いているため電子レンズがレンズ系に置き換えら
れる。サンプルの物質構造はフーリエ変換されて回折像
となり、更にレンズ系により逆フーリエ変換されてスク
リーン上にサンプル構造の実像が拡大して結像できる。
次に、光学顕微鏡と比較する。光学顕微鏡は白色光を用
いているために干渉性が弱く、仮に白色光のビームが形
成できたとしても、サンプルの回折像を形成することは
困難である。それに対し、本発明は回折像と実像の完全
な対応関係で成立している。また白色光はビーム状に形
成できないから、サンプルの全面に照射された白色光を
レンズ系に導入することになる。一方、レーザー光はビ
ーム状であるから、サンプルの局所をポイント的に照射
して回折させることができる。また、レーザーは単色光
であるから、レーザー光の波長毎に特定の色がつき、H
e−Neレーザーなら赤色になる。従って、回折像も実
像もその色に着色している点で美しく、教育機器として
用いられる場合には極めて効果的である。
レンズ系を取り外せば、回折レーザー光によりサンプル
の回折像がスクリーン上に結像できる。また、レンズ系
により回折レーザー光を集束すれば、この集束レーザー
光によりスクリーン上にサンプルの拡大された実像が結
像できる。構成は透過型電子顕微鏡と同じで、レーザー
光を用いているため電子レンズがレンズ系に置き換えら
れる。サンプルの物質構造はフーリエ変換されて回折像
となり、更にレンズ系により逆フーリエ変換されてスク
リーン上にサンプル構造の実像が拡大して結像できる。
次に、光学顕微鏡と比較する。光学顕微鏡は白色光を用
いているために干渉性が弱く、仮に白色光のビームが形
成できたとしても、サンプルの回折像を形成することは
困難である。それに対し、本発明は回折像と実像の完全
な対応関係で成立している。また白色光はビーム状に形
成できないから、サンプルの全面に照射された白色光を
レンズ系に導入することになる。一方、レーザー光はビ
ーム状であるから、サンプルの局所をポイント的に照射
して回折させることができる。また、レーザーは単色光
であるから、レーザー光の波長毎に特定の色がつき、H
e−Neレーザーなら赤色になる。従って、回折像も実
像もその色に着色している点で美しく、教育機器として
用いられる場合には極めて効果的である。
【0009】
【実施例】図1は本発明に係るレーザー光回折顕微鏡装
置の第1実施例の構成図で、レーザー光源2からの入射
レーザー光4をサンプル6に照射する。入射レーザー光
4はサンプル6により回折されて回折レーザー光8にな
りレンズ系14に導入される。本実施例では、レンズ系
14は単一の凸レンズから構成されており、このレンズ
系14により前記回折レーザー光8は集束されて集束レ
ーザー光16になり、レンズ系14の後焦点面18にサ
ンプル6による回折像20を形成した後、後方のスクリ
ーン10上にサンプル6の拡大された実像22を結像す
る。サンプル6の物質構造がフーリエ変換されて回折像
になり、レンズ系14によりこの回折像が逆フーリエ変
換されてサンプル6の物質構造に戻り、この拡大実像が
スクリーン10に結像されると考えてもよい。サンプル
6としてはレーザー光を透過させるものならば何でもよ
く、回折格子、生物の薄膜標本でもよい。レンズ系14
は回折レーザー8を集束できるなら、数枚のレンズを組
み合わせた複合レンズでもよい。実像22の輝度は倍
率、即ち入射レーザー光がどれだけ拡散されたかに依存
する。レンズ系14の焦点距離を種々に設定することに
より倍率を調整でき、また実像のレーザー光の輝度を見
易いレベルに調整することができる。レーザー光源2と
しては、He−Neのようなガスレーザー、半導体レー
ザー等が利用できる。
置の第1実施例の構成図で、レーザー光源2からの入射
レーザー光4をサンプル6に照射する。入射レーザー光
4はサンプル6により回折されて回折レーザー光8にな
りレンズ系14に導入される。本実施例では、レンズ系
14は単一の凸レンズから構成されており、このレンズ
系14により前記回折レーザー光8は集束されて集束レ
ーザー光16になり、レンズ系14の後焦点面18にサ
ンプル6による回折像20を形成した後、後方のスクリ
ーン10上にサンプル6の拡大された実像22を結像す
る。サンプル6の物質構造がフーリエ変換されて回折像
になり、レンズ系14によりこの回折像が逆フーリエ変
換されてサンプル6の物質構造に戻り、この拡大実像が
スクリーン10に結像されると考えてもよい。サンプル
6としてはレーザー光を透過させるものならば何でもよ
く、回折格子、生物の薄膜標本でもよい。レンズ系14
は回折レーザー8を集束できるなら、数枚のレンズを組
み合わせた複合レンズでもよい。実像22の輝度は倍
率、即ち入射レーザー光がどれだけ拡散されたかに依存
する。レンズ系14の焦点距離を種々に設定することに
より倍率を調整でき、また実像のレーザー光の輝度を見
易いレベルに調整することができる。レーザー光源2と
しては、He−Neのようなガスレーザー、半導体レー
ザー等が利用できる。
【0010】図2は第2実施例の構成図であり、レンズ
系14を第1レンズ系14aと第2レンズ系14bの2
段レンズにしたものである。各段のレンズは単一の凸レ
ンズで構成しているが、前述したように複合レンズでも
構わない。2段レンズにすることによって倍率を格段に
大きくすることができる。作用を説明すると、第1レン
ズ系14aによる第1集束レーザー光16aが後焦点面
18に第1回折像20aを形成し、更に第2レンズ系1
4bによる第2集束レーザー光16bがその後方近傍に
第2回折像20bを形成する。そして、その後方のスク
リーン10上に大きく拡大された実像22が結像され
る。レンズ系14は3段レンズにすることによって更に
倍率の増大を図ることができ、レーザー光の波長による
光学的分解能の限界まで倍率の増大を図ることができ
る。実像22を明瞭に結像するには、まず第2レンズ系
14bを外して、第1レンズ系14aだけを前後してス
クリーン10上に明瞭な回折像を得る。次に、第2レン
ズ系14bを適当な前方にセットすると回折像が乱れ
る。この乱れを修正するため、第1レンズ系14aを適
正位置まで前後して明瞭な回折像を得るようにする。
系14を第1レンズ系14aと第2レンズ系14bの2
段レンズにしたものである。各段のレンズは単一の凸レ
ンズで構成しているが、前述したように複合レンズでも
構わない。2段レンズにすることによって倍率を格段に
大きくすることができる。作用を説明すると、第1レン
ズ系14aによる第1集束レーザー光16aが後焦点面
18に第1回折像20aを形成し、更に第2レンズ系1
4bによる第2集束レーザー光16bがその後方近傍に
第2回折像20bを形成する。そして、その後方のスク
リーン10上に大きく拡大された実像22が結像され
る。レンズ系14は3段レンズにすることによって更に
倍率の増大を図ることができ、レーザー光の波長による
光学的分解能の限界まで倍率の増大を図ることができ
る。実像22を明瞭に結像するには、まず第2レンズ系
14bを外して、第1レンズ系14aだけを前後してス
クリーン10上に明瞭な回折像を得る。次に、第2レン
ズ系14bを適当な前方にセットすると回折像が乱れ
る。この乱れを修正するため、第1レンズ系14aを適
正位置まで前後して明瞭な回折像を得るようにする。
【0011】図3は2次元、即ち平面六方格子の原図で
ある。この原図を白黒フィルムに縮小して撮影し、その
フィルムを六方回折格子とする。この六方回折格子をサ
ンプル6にして第1図に従いレーザー光を照射すると、
回折像20として図4に示す六回対称を有する回折像が
出現する。この回折像はレンズ系14により逆フーリエ
変換され、スクリーン上には図5に示す六方格子の拡大
実像22が結像される。換言すれば、図3の平面六方格
子の一部がレーザービームによってくり抜かれて、その
拡大断面が出現するのである。
ある。この原図を白黒フィルムに縮小して撮影し、その
フィルムを六方回折格子とする。この六方回折格子をサ
ンプル6にして第1図に従いレーザー光を照射すると、
回折像20として図4に示す六回対称を有する回折像が
出現する。この回折像はレンズ系14により逆フーリエ
変換され、スクリーン上には図5に示す六方格子の拡大
実像22が結像される。換言すれば、図3の平面六方格
子の一部がレーザービームによってくり抜かれて、その
拡大断面が出現するのである。
【0012】上記と全く同様に、平面多結晶格子の場合
を説明する。図6は平面多結晶格子の原図である。この
原図を白黒フィルムに縮小して撮影し、そのフィルムを
多結晶回折格子とする。この多結晶回折格子をサンプル
6にして第1図に従いレーザー光を照射すると、回折像
20として図7に示すデバイシェラーリングが出現す
る。この回折像はレンズ系14により逆フーリエ変換さ
れ、スクリーン上には図8に示す多結晶格子の拡大実像
22が結像されことになる。サンプル6として回折格子
でなく、植物や動物の薄片であってもよく、レーザー光
が透過回折するものならなんでもよい。
を説明する。図6は平面多結晶格子の原図である。この
原図を白黒フィルムに縮小して撮影し、そのフィルムを
多結晶回折格子とする。この多結晶回折格子をサンプル
6にして第1図に従いレーザー光を照射すると、回折像
20として図7に示すデバイシェラーリングが出現す
る。この回折像はレンズ系14により逆フーリエ変換さ
れ、スクリーン上には図8に示す多結晶格子の拡大実像
22が結像されことになる。サンプル6として回折格子
でなく、植物や動物の薄片であってもよく、レーザー光
が透過回折するものならなんでもよい。
【0013】前記実施例を基本形として、これらを的確
に運用するために次のようにすることもできる。レーザ
ー光源2とサンプル6とレンズ系14を光学台上に乗せ
て、一直線的に移動可能にすれば、レーザー光がレンズ
系14からはずれることが無く簡単かつ明瞭に実像22
を結像できる。通常のレーザー光源2はビーム断面が直
径1ミリ程度であり、サンプル6の所望の部位を拡大す
るためにはサンプルを上下左右に移動する必要がある。
入射レーザ光4のビーム断面積を平行状に拡大しておけ
ば移動の必要は無い。このために組み合わせレンズから
なるビーム断面可変器をサンプル6の直前に設置するこ
ともできる
に運用するために次のようにすることもできる。レーザ
ー光源2とサンプル6とレンズ系14を光学台上に乗せ
て、一直線的に移動可能にすれば、レーザー光がレンズ
系14からはずれることが無く簡単かつ明瞭に実像22
を結像できる。通常のレーザー光源2はビーム断面が直
径1ミリ程度であり、サンプル6の所望の部位を拡大す
るためにはサンプルを上下左右に移動する必要がある。
入射レーザ光4のビーム断面積を平行状に拡大しておけ
ば移動の必要は無い。このために組み合わせレンズから
なるビーム断面可変器をサンプル6の直前に設置するこ
ともできる
【0014】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、この発明の技術的思想を逸脱しない範囲におけ
る種々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含
するものである。
はなく、この発明の技術的思想を逸脱しない範囲におけ
る種々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含
するものである。
【0015】
【発明の効果】この発明は上記のように構成されている
から、次のような効果を奏する。レーザー光を用いて電
子顕微鏡と全く同じ方法でサンプルの拡大実像を得るこ
とができるという点で、新規かつ斬新な顕微鏡方法およ
び装置を提供できる。特に教育用機器として利用される
場合には、電子顕微鏡の原理に関する指導を真空装置等
の煩雑な事を考えずに行なうことができる。レーザー光
がビーム状であるから、サンプルの局所部位だけの光学
的な拡大実像が結像でき、しかも高ビーム強度のレーザ
ー光源を使用すれば拡大による実像の輝度の低下を防止
できる。レーザー光は極めて干渉性が高く、サンプルを
透過させるだけでその回折像が結像でき、しかもレンズ
系を通せば実像を結像できる。回折像と実像を交互に観
察できる点では電子顕微鏡と一致しており、光学顕微鏡
にない特徴である。また光学台を使用すれば結像操作を
比較的簡単に行なうことができ、ビーム断面可変器を用
いれば入射レーザー光のビーム断面積を拡大縮小できる
から、サンプルの投影部分の拡大縮小を自由に行なうこ
とができる。
から、次のような効果を奏する。レーザー光を用いて電
子顕微鏡と全く同じ方法でサンプルの拡大実像を得るこ
とができるという点で、新規かつ斬新な顕微鏡方法およ
び装置を提供できる。特に教育用機器として利用される
場合には、電子顕微鏡の原理に関する指導を真空装置等
の煩雑な事を考えずに行なうことができる。レーザー光
がビーム状であるから、サンプルの局所部位だけの光学
的な拡大実像が結像でき、しかも高ビーム強度のレーザ
ー光源を使用すれば拡大による実像の輝度の低下を防止
できる。レーザー光は極めて干渉性が高く、サンプルを
透過させるだけでその回折像が結像でき、しかもレンズ
系を通せば実像を結像できる。回折像と実像を交互に観
察できる点では電子顕微鏡と一致しており、光学顕微鏡
にない特徴である。また光学台を使用すれば結像操作を
比較的簡単に行なうことができ、ビーム断面可変器を用
いれば入射レーザー光のビーム断面積を拡大縮小できる
から、サンプルの投影部分の拡大縮小を自由に行なうこ
とができる。
【0016】
【図1】この発明の第1実施例の構成図である。
【図2】この発明の第2実施例の構成図である。
【図3】平面六方格子の原図である。
【図4】六回対称を有する図3の回折像である。
【図5】図4をレンズ系で逆フーリエ変換した図3の拡
大実像である。
大実像である。
【図6】平面多結晶格子の原図である。
【図7】デバイシェラーリングを示す図6の回折像であ
る。
る。
【図8】図7をレンズ系で逆フーリエ変換した図6の拡
大実像である。
大実像である。
【図9】電子回折装置の説明図である。
【図10】透過型電子顕微鏡の説明図である。
【図11】レーザー光回折装置の説明図である。
2 レーザー光源 4 入射レーザー光 6 サンプル 8 回折レーザー光 10 スクリーン 12 回折像 14 レンズ系 14a 第1レンズ系 14b 第2レンズ系 16 集束レーザー光 16a 第1集束レーザー光 16b 第2集束レーザー光 18 後焦点面 20 回折像 20a 第1回折像 20b 第2回折像 22 実像 50 電子銃 52 サンプル 54 入射電子ビーム 56 回折電子ビーム 58 スクリーン 60 回折像 62 電子レンズ 64 集束電子ビーム 66 後焦点面 68 実像
Claims (6)
- 【請求項1】 レーザー光源からの入射レーザー光をサ
ンプルに照射し、この入射レーザー光をサンプルに透過
させて回折レーザー光を形成し、この回折レーザー光に
よりサンプルの回折像を形成し、前記回折レーザー光を
レンズ系により集束して集束レーザー光を形成し、この
集束レーザー光によりサンプルの実像を拡大して結像す
るレーザー光回折顕微鏡方法。 - 【請求項2】 レ−ザ−光源と、このレ−ザ−光源から
の入射レ−ザ−光を照射するサンプルと、このサンプル
により透過回折された回折レ−ザ−光を集束するレンズ
系からなるレーザー光回折顕微鏡装置。 - 【請求項3】 前記レーザー光源とサンプルとレンズ系
を光学台上で直線的に移動自在に構成した請求項2のレ
ーザー光回折顕微鏡装置。 - 【請求項4】 前記レンズ系を介して集光された集束レ
ーザー光によりサンプルの実像を拡大して結像するスク
リーンを設けた請求項2のレーザー光回折顕微鏡装置。 - 【請求項5】 入射レーザー光の断面直径を拡大縮小す
るビーム断面可変器を設けた請求項2のレーザー光回折
顕微鏡装置。 - 【請求項6】 前記レンズ系を凸レンズから構成した請
求項2のレーザー光回折顕微鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30678894A JPH08146353A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | レ−ザ−光回折顕微鏡方法およびその顕微鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30678894A JPH08146353A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | レ−ザ−光回折顕微鏡方法およびその顕微鏡装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08146353A true JPH08146353A (ja) | 1996-06-07 |
Family
ID=17961262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30678894A Pending JPH08146353A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | レ−ザ−光回折顕微鏡方法およびその顕微鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08146353A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49134344A (ja) * | 1973-04-25 | 1974-12-24 | ||
JPS57155164A (en) * | 1981-03-20 | 1982-09-25 | Nissan Shatai Co Ltd | Car floor board manufacturing method |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP30678894A patent/JPH08146353A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49134344A (ja) * | 1973-04-25 | 1974-12-24 | ||
JPS57155164A (en) * | 1981-03-20 | 1982-09-25 | Nissan Shatai Co Ltd | Car floor board manufacturing method |
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