JPH0788885B2 - 油圧式伝動装置 - Google Patents
油圧式伝動装置Info
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- JPH0788885B2 JPH0788885B2 JP61293071A JP29307186A JPH0788885B2 JP H0788885 B2 JPH0788885 B2 JP H0788885B2 JP 61293071 A JP61293071 A JP 61293071A JP 29307186 A JP29307186 A JP 29307186A JP H0788885 B2 JPH0788885 B2 JP H0788885B2
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- motor
- hydraulic
- pump
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Description
【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は油圧式伝動装置、特に出力軸に連結されるモー
タシリンダに環状配列で摺合された多数のモータプラン
ジャがモータ斜板に摺接されて成る油圧モータと、入力
軸に連結されたポンプシリンダに多数のポンププランジ
ャが環状配列で摺合されるとともにモータシリンダに連
動するポンプ斜板に各ポンププランジャが摺接されて成
る油圧ポンプとが油圧閉回路をなして接続され、ポンプ
シリンダは、該ポンプの摺接部に通じるとともに前記ポ
ンプ斜板およびポンププランジャが配置される油密室を
相互間に画成すべく前記モータシリンダで包囲される形
式の伝動装置に関する。
タシリンダに環状配列で摺合された多数のモータプラン
ジャがモータ斜板に摺接されて成る油圧モータと、入力
軸に連結されたポンプシリンダに多数のポンププランジ
ャが環状配列で摺合されるとともにモータシリンダに連
動するポンプ斜板に各ポンププランジャが摺接されて成
る油圧ポンプとが油圧閉回路をなして接続され、ポンプ
シリンダは、該ポンプの摺接部に通じるとともに前記ポ
ンプ斜板およびポンププランジャが配置される油密室を
相互間に画成すべく前記モータシリンダで包囲される形
式の伝動装置に関する。
(2)従来の技術 従来、斯かる形式の油圧式伝動装置は、例えば特開昭57
−76357号公報に開示されるように公知である。
−76357号公報に開示されるように公知である。
(3)発明が解決しようとする課題 ところで、かかる油圧式伝動装置では油圧ポンプの吸入
口および吐出口間がクラッチ弁を介して短絡していて
も、油圧ポンプは入力軸の作動に応じて吸入、吐出作用
を行なうものである。このため作動油の粘度が常温時に
比べて上昇する低温時には、たとえばエンジン始動して
入力軸を回転作動せしめようとすると、クラッチ弁が短
絡作動しているにも拘らず、油圧ポンプの吸入、吐出作
用により発生する瞬間的な負荷が大きなものとなり、ス
タータ等の比較的小さな初期入力ではエンジンに円滑に
始動し得ないことがある。
口および吐出口間がクラッチ弁を介して短絡していて
も、油圧ポンプは入力軸の作動に応じて吸入、吐出作用
を行なうものである。このため作動油の粘度が常温時に
比べて上昇する低温時には、たとえばエンジン始動して
入力軸を回転作動せしめようとすると、クラッチ弁が短
絡作動しているにも拘らず、油圧ポンプの吸入、吐出作
用により発生する瞬間的な負荷が大きなものとなり、ス
タータ等の比較的小さな初期入力ではエンジンに円滑に
始動し得ないことがある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたもので、入,出
力軸の停止時に油圧ポンプ吸入側の作動油を油タンク側
へ重力でスムーズに排出できるようにして入力軸始動時
の負荷を低減することができ、しかも始動完了後は油圧
閉回路の低圧側に必要量の作動油を保持できるようにし
た油圧式伝動装置を提供することを目的とする。
力軸の停止時に油圧ポンプ吸入側の作動油を油タンク側
へ重力でスムーズに排出できるようにして入力軸始動時
の負荷を低減することができ、しかも始動完了後は油圧
閉回路の低圧側に必要量の作動油を保持できるようにし
た油圧式伝動装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明によれば、モータシリ
ンダに設けられて油圧ポンプの吸入口に連通する環状室
を油タンクに連通させる少なくとも3つの孔が、該モー
タシリンダにその周方向に等間隔を存して穿設され、そ
の各孔には、前記吸入口の油圧が所定値以下になると開
弁して作動油を油タンク側へ排出させる制御弁が設けら
れ、この制御弁は、モータシリンダの半径方向に移動可
能に、且つその半径方向内方へ偏倚力が常に作用するよ
うに配設され前記吸入口の油圧上昇に応じて半径方向外
方へ移動する弁体と、この弁体の外方への移動限で閉じ
られる弁口とを備える。
ンダに設けられて油圧ポンプの吸入口に連通する環状室
を油タンクに連通させる少なくとも3つの孔が、該モー
タシリンダにその周方向に等間隔を存して穿設され、そ
の各孔には、前記吸入口の油圧が所定値以下になると開
弁して作動油を油タンク側へ排出させる制御弁が設けら
れ、この制御弁は、モータシリンダの半径方向に移動可
能に、且つその半径方向内方へ偏倚力が常に作用するよ
うに配設され前記吸入口の油圧上昇に応じて半径方向外
方へ移動する弁体と、この弁体の外方への移動限で閉じ
られる弁口とを備える。
(2)作用 入,出力軸の停止時には油圧ポンプの吸入口の油圧低下
に応じて各制御弁が何れも開弁状態に保持される。しか
も、この時にモータシリンダがどのような回転位置に静
止していても、少なくとも1つの孔はモータシリンダの
低部に位置させ且つ他の少なくとも1つの孔はモータシ
リンダの高部に位置させることができるから、その高位
置の孔の制御弁を通して油圧ポンプ吸入側への大気の流
入を許容しつつ、その低位置の孔の制御弁を通して同ポ
ンプ吸入側から油タンク側へ作動油を重力でスムーズ且
つ確実に排出させることができる。この結果、入力軸を
再始動させて油圧ポンプに吸入・吐出作用をさせる際に
は、油圧ポンプの吸入抵抗を極力小さくでき、始動負荷
が効果的に軽減される。
に応じて各制御弁が何れも開弁状態に保持される。しか
も、この時にモータシリンダがどのような回転位置に静
止していても、少なくとも1つの孔はモータシリンダの
低部に位置させ且つ他の少なくとも1つの孔はモータシ
リンダの高部に位置させることができるから、その高位
置の孔の制御弁を通して油圧ポンプ吸入側への大気の流
入を許容しつつ、その低位置の孔の制御弁を通して同ポ
ンプ吸入側から油タンク側へ作動油を重力でスムーズ且
つ確実に排出させることができる。この結果、入力軸を
再始動させて油圧ポンプに吸入・吐出作用をさせる際に
は、油圧ポンプの吸入抵抗を極力小さくでき、始動負荷
が効果的に軽減される。
また特に制御弁を上記の構成としたことにより、始動完
了後のモータシリンダの回転状態では、それと一体的に
回転する制御弁の弁体が受ける遠心力により該弁体の閉
弁力を助勢して、各制御弁をその閉弁位置に的確に保持
することができるため、制御弁が振動等により妄りに開
弁するのを効果的に阻止することができる。
了後のモータシリンダの回転状態では、それと一体的に
回転する制御弁の弁体が受ける遠心力により該弁体の閉
弁力を助勢して、各制御弁をその閉弁位置に的確に保持
することができるため、制御弁が振動等により妄りに開
弁するのを効果的に阻止することができる。
(3)実施例 以下、図面により本発明を車両用油圧式無段変速機に適
用したときの一実施例について説明すると、先ず第1図
において、車両用油圧式無段変速機CVTは、図示しない
エンジンにより駆動される入力軸2に連結される定吐出
量型油圧ポンプPと、該油圧ポンプPと同一軸線上に配
設される可変容量型油圧モータMとが、油圧閉回路Cを
構成すべく相互に接続されて成り、油圧モータMは出力
軸11、前,後進歯車装置G、副軸18および差動装置Dを
介して車輪Wに連結される。かかる無段変速機CVTは、
2つのケース半体1a,1bを結合して成るミッションケー
ス1内に収容される。
用したときの一実施例について説明すると、先ず第1図
において、車両用油圧式無段変速機CVTは、図示しない
エンジンにより駆動される入力軸2に連結される定吐出
量型油圧ポンプPと、該油圧ポンプPと同一軸線上に配
設される可変容量型油圧モータMとが、油圧閉回路Cを
構成すべく相互に接続されて成り、油圧モータMは出力
軸11、前,後進歯車装置G、副軸18および差動装置Dを
介して車輪Wに連結される。かかる無段変速機CVTは、
2つのケース半体1a,1bを結合して成るミッションケー
ス1内に収容される。
油圧ポンプPは、入力軸2にスプライン3により結合さ
れたポンプシリンダ4と、該ポンプシリンダ4に入力軸
2を囲むように設けられた環状配列の多数のシリンダ孔
5,5…にそれぞれ摺合される多数のプランジャ6,6…とを
備える。入力軸2には、エンジンからの動力がフライホ
イール7を介して伝達される。
れたポンプシリンダ4と、該ポンプシリンダ4に入力軸
2を囲むように設けられた環状配列の多数のシリンダ孔
5,5…にそれぞれ摺合される多数のプランジャ6,6…とを
備える。入力軸2には、エンジンからの動力がフライホ
イール7を介して伝達される。
一方、油圧モータMは、前記油圧ポンプPのポンプシリ
ンダ4を同心に囲繞してそれと相対的に回転し得るよう
に配設されたモータシリンダ8と、該モータシリンダ8
にその回転中心を囲むように設けられた多数のシリンダ
孔9,9…にそれぞれ摺合した多数のモータプランジャ10,
10…とを備える。
ンダ4を同心に囲繞してそれと相対的に回転し得るよう
に配設されたモータシリンダ8と、該モータシリンダ8
にその回転中心を囲むように設けられた多数のシリンダ
孔9,9…にそれぞれ摺合した多数のモータプランジャ10,
10…とを備える。
モータシリンダ8の軸方向一端には出力軸11が同軸に突
設され、他端には支軸12が同軸に突設される。出力軸11
はニードルベアリング13を介して一方のケース半体1aの
端壁に、また支軸12はボールベアリング14を介して他方
のケース半体1bの端壁にそれぞれ支承される。
設され、他端には支軸12が同軸に突設される。出力軸11
はニードルベアリング13を介して一方のケース半体1aの
端壁に、また支軸12はボールベアリング14を介して他方
のケース半体1bの端壁にそれぞれ支承される。
入力軸2は、一方のケース半体1aの端壁を油密に貫通
し、出力軸11内に同心に配置される。しかも出力軸11の
内面と入力軸2の外面との間には複数のニードルベアリ
ング15が介装されており、これにより入力軸2およびポ
ンプシリンダ4と、出力軸11およびモータシリンダ8と
は相対回転可能である。
し、出力軸11内に同心に配置される。しかも出力軸11の
内面と入力軸2の外面との間には複数のニードルベアリ
ング15が介装されており、これにより入力軸2およびポ
ンプシリンダ4と、出力軸11およびモータシリンダ8と
は相対回転可能である。
出力軸11と、該出力軸11に平行にしてミッションケース
1の両端壁にローラベアリング16およびボールベアリン
グ17を介して回転自在に支承された副軸18との間に、
前,後進歯車装置Gが設けられる。
1の両端壁にローラベアリング16およびボールベアリン
グ17を介して回転自在に支承された副軸18との間に、
前,後進歯車装置Gが設けられる。
この前,後進歯車装置Gは、出力軸11に固定された一対
の駆動歯車19,20と、一方の駆動歯車19に噛合して副軸1
8に回転自在に支承される被動歯車21と、他方の駆動歯
車20に対応して副軸18に回転自在に支承される被動歯車
22と、駆動歯車20および被動歯車22に噛合する中間歯車
23と、両被動歯車21,22の対向部位にそれぞれ一体に設
けられた駆動クラッチ歯輪21a,22a間で副軸18に固定さ
れた被動クラッチ歯輪24と、被動クラッチ歯輪24および
両駆動クラッチ歯輪21a,22aを択一的に連結するための
クラッチ部材25とを有し、クラッチ部材25にはそれを選
択作動せしめるべくシフトフォーク26が係合される。
の駆動歯車19,20と、一方の駆動歯車19に噛合して副軸1
8に回転自在に支承される被動歯車21と、他方の駆動歯
車20に対応して副軸18に回転自在に支承される被動歯車
22と、駆動歯車20および被動歯車22に噛合する中間歯車
23と、両被動歯車21,22の対向部位にそれぞれ一体に設
けられた駆動クラッチ歯輪21a,22a間で副軸18に固定さ
れた被動クラッチ歯輪24と、被動クラッチ歯輪24および
両駆動クラッチ歯輪21a,22aを択一的に連結するための
クラッチ部材25とを有し、クラッチ部材25にはそれを選
択作動せしめるべくシフトフォーク26が係合される。
副軸18には、差動装置Dの入力歯車27に噛合した歯車28
が一体に設けられており、クラッチ部材25の作動に応じ
て差動装置Dが車両の前進方向および後進方向に切換え
て駆動される。
が一体に設けられており、クラッチ部材25の作動に応じ
て差動装置Dが車両の前進方向および後進方向に切換え
て駆動される。
第2図において、モータシリンダ8と、油圧ポンプPの
ポンプシリンダ4との間には、油密室31が画成され、こ
の油密室31内でモータシリンダ8の内側にはポンプシリ
ンダ4の端面に対向する斜板32が支承される。この斜板
32には、円環状一体のシュー33が摺接される。
ポンプシリンダ4との間には、油密室31が画成され、こ
の油密室31内でモータシリンダ8の内側にはポンプシリ
ンダ4の端面に対向する斜板32が支承される。この斜板
32には、円環状一体のシュー33が摺接される。
各プランジャ6,6…と、前記シュー33とは連接杆44を介
して首振自在に連結されており、シュー33の内周段部に
はローラベアリング42を介してモータシリンダ8に支承
された押え環34が当接されており、さらに押え環34に
は、軸方向の移動を許容するとともに相対回転を阻止す
べくスプライン36を介して入力軸2に結合されたばね保
持体35が当接する。またばね保持体35およびポンプシリ
ンダ4間には入力軸2を囲繞するコイルばね37が介装さ
れており、このコイルばね37のばね力によりばね保持体
35は押え環34を介してシュー33を斜板32に向けて弾発的
に押圧する。しかもばね保持体35と押え環34とは球面で
接触しており、ばね保持体35は押え環34に万遍なく接触
してコイルばね37の弾発力を押え環34に伝える。
して首振自在に連結されており、シュー33の内周段部に
はローラベアリング42を介してモータシリンダ8に支承
された押え環34が当接されており、さらに押え環34に
は、軸方向の移動を許容するとともに相対回転を阻止す
べくスプライン36を介して入力軸2に結合されたばね保
持体35が当接する。またばね保持体35およびポンプシリ
ンダ4間には入力軸2を囲繞するコイルばね37が介装さ
れており、このコイルばね37のばね力によりばね保持体
35は押え環34を介してシュー33を斜板32に向けて弾発的
に押圧する。しかもばね保持体35と押え環34とは球面で
接触しており、ばね保持体35は押え環34に万遍なく接触
してコイルばね37の弾発力を押え環34に伝える。
油密室31は、前記シュー33、押え環34およびばね保持体
35により、斜板32側の第1室31aと、ポンプシリンダ4
側の第2室31bとに区画される。
35により、斜板32側の第1室31aと、ポンプシリンダ4
側の第2室31bとに区画される。
第1室31aには、斜板32とシュー33との摺動面の内周側
が臨んでおり、その摺動面から洩れた潤滑油が第1室31
aに流れ出る。ところで、斜板32およびシュー33間の潤
滑を果すために、シュー33の前面には環状の油圧ポケッ
ト38が設けられており、この油圧ポケット38は、シュー
33、連接杆44およびプランジャ6に穿設された油孔39,4
0,41を介して、各プランジャ6およびポンプシリンダ4
間に区画されているポンプ室45に連通される。したがっ
て、ポンプ室45の圧油は、油孔41,40,39を通して油圧ポ
ケット38に供給される。これにより、シュー33および斜
板32の摺動面が潤滑される。しかもそれと同時に油圧ポ
ケット38の油圧は、プランジャ6の突出推力を受けるよ
うにシュー33に圧力を及ぼすのでシュー33と斜板32との
接触圧力を低減する。
が臨んでおり、その摺動面から洩れた潤滑油が第1室31
aに流れ出る。ところで、斜板32およびシュー33間の潤
滑を果すために、シュー33の前面には環状の油圧ポケッ
ト38が設けられており、この油圧ポケット38は、シュー
33、連接杆44およびプランジャ6に穿設された油孔39,4
0,41を介して、各プランジャ6およびポンプシリンダ4
間に区画されているポンプ室45に連通される。したがっ
て、ポンプ室45の圧油は、油孔41,40,39を通して油圧ポ
ケット38に供給される。これにより、シュー33および斜
板32の摺動面が潤滑される。しかもそれと同時に油圧ポ
ケット38の油圧は、プランジャ6の突出推力を受けるよ
うにシュー33に圧力を及ぼすのでシュー33と斜板32との
接触圧力を低減する。
一方、斜板32とシュー33との摺動面の外周側に臨むよう
にして、モータシリンダ8、斜板32、シュー33およびロ
ーラベアリング42により、前記摺動面を囲繞する円環状
の潤滑室43が画成されており、この潤滑室43は第2室31
bの一部を構成する。
にして、モータシリンダ8、斜板32、シュー33およびロ
ーラベアリング42により、前記摺動面を囲繞する円環状
の潤滑室43が画成されており、この潤滑室43は第2室31
bの一部を構成する。
潤滑室43には、油圧ポケット38内の圧油がシュー33およ
び斜板32間の摺動面を通して絶えず漏洩しており、その
漏洩油は潤滑室43を満たした後、ローラベアリング42を
通して第2室31b側に流れる。したがって潤滑室43には
常に新しい潤滑油が保持され、その油によってシュー33
および斜板32の摺動面をシュー33の外側からも確実に潤
滑することができる。
び斜板32間の摺動面を通して絶えず漏洩しており、その
漏洩油は潤滑室43を満たした後、ローラベアリング42を
通して第2室31b側に流れる。したがって潤滑室43には
常に新しい潤滑油が保持され、その油によってシュー33
および斜板32の摺動面をシュー33の外側からも確実に潤
滑することができる。
また、第2室31bには前記潤滑室43からの油の他に、プ
ランジャ6およびシリンダ孔5の摺動面、ならびにポン
プシリンダ4および分配盤46の摺動面からの漏洩油が流
入する。
ランジャ6およびシリンダ孔5の摺動面、ならびにポン
プシリンダ4および分配盤46の摺動面からの漏洩油が流
入する。
ばね保持体35には、第1室31aおよび第2室31b間を連通
する連通路47が穿設される。またモータシリンダ8の出
力軸11と出力軸2との間には、第1室31aに通じる第1
排出路48が形成され、この第1排出路48は、第2排出路
49、圧力制御弁50および第3排出路51を介して、ミッシ
ョンケース1内の底部に設けられた油タンク(図示せ
ず)に接続される。
する連通路47が穿設される。またモータシリンダ8の出
力軸11と出力軸2との間には、第1室31aに通じる第1
排出路48が形成され、この第1排出路48は、第2排出路
49、圧力制御弁50および第3排出路51を介して、ミッシ
ョンケース1内の底部に設けられた油タンク(図示せ
ず)に接続される。
圧力制御弁50は、油密室31の油圧が設定値よりも大とな
ったときに開弁し、油密室31の油圧を所定値に調圧す
る。
ったときに開弁し、油密室31の油圧を所定値に調圧す
る。
ポンプシリンダ4およびシュー33の対向端部には、相互
に噛合する傘歯車61,62が固設される。これらの傘歯車6
1,62は歯数を等しくした同期歯車に形成されており、入
力軸2とともにポンプシリンダ4が回転すると、シュー
33が傘歯車61,62を介して同期的に回転駆動される。こ
れにより、斜板32の傾斜面の上り側を走るプランジャ6
は斜板32から連接杆44を介して吐出行程を与えられ、ま
た、同傾斜面の下り側を走るプランジャ6は吸入行程を
与えられる。
に噛合する傘歯車61,62が固設される。これらの傘歯車6
1,62は歯数を等しくした同期歯車に形成されており、入
力軸2とともにポンプシリンダ4が回転すると、シュー
33が傘歯車61,62を介して同期的に回転駆動される。こ
れにより、斜板32の傾斜面の上り側を走るプランジャ6
は斜板32から連接杆44を介して吐出行程を与えられ、ま
た、同傾斜面の下り側を走るプランジャ6は吸入行程を
与えられる。
油圧モータMにおいて、モータシリンダ8に対向する円
環状のモータ斜板63が、同じく円環状の斜板ホルダ64に
嵌着される。この斜板ホルダ64は、その両外側に突出す
る一対のトラニオン軸65を一体に備えており、それらの
トラニオン軸65がミッションケース1に枢支される。し
たがってモータ斜板63は斜板ホルダ64とともにトラニオ
ン軸65の軸線まわりに傾動することができる。
環状のモータ斜板63が、同じく円環状の斜板ホルダ64に
嵌着される。この斜板ホルダ64は、その両外側に突出す
る一対のトラニオン軸65を一体に備えており、それらの
トラニオン軸65がミッションケース1に枢支される。し
たがってモータ斜板63は斜板ホルダ64とともにトラニオ
ン軸65の軸線まわりに傾動することができる。
各モータプランジャ10の先端は、モータ斜板63に摺接す
る複数のモータシュー66に首振り自在に連結される。し
かも各モータシュー66のモータ斜板63への摺接状態を保
持するために、各モータシュー66の背面を押える押え板
67が、斜板ホルダ64にボルト68で固着されたリング69に
より回転自在に支持される。各モータシュー66と各モー
タプランジャ10との連結部は、周方向複数位置で押え板
67を貫通するものであり、したがって押え板67はモータ
シュー66とともに回転する。
る複数のモータシュー66に首振り自在に連結される。し
かも各モータシュー66のモータ斜板63への摺接状態を保
持するために、各モータシュー66の背面を押える押え板
67が、斜板ホルダ64にボルト68で固着されたリング69に
より回転自在に支持される。各モータシュー66と各モー
タプランジャ10との連結部は、周方向複数位置で押え板
67を貫通するものであり、したがって押え板67はモータ
シュー66とともに回転する。
各モータシュー66は、モータ斜板63に摺接する前面に油
圧ポケット70をそれぞれ備える。一方、各シリンダ孔9
の閉塞端と各モータプランジャ10との間に画成された油
圧室71は、モータプランジャ10およびモータシュー66に
穿設された一連の油孔72,73を介して油圧ポケット70に
連通される。したがって、油圧室71の圧油は、油孔72,7
3を通して油圧ポケット70に供給され、モータプランジ
ャ10の突出推力を受けるようにモータシュー66に圧力を
及ぼす。これによりモータシュー66およびモータ斜板63
間の接触圧力が低減されるとともに、モータシュー66お
よびモータ斜板63の摺動面が潤滑される。
圧ポケット70をそれぞれ備える。一方、各シリンダ孔9
の閉塞端と各モータプランジャ10との間に画成された油
圧室71は、モータプランジャ10およびモータシュー66に
穿設された一連の油孔72,73を介して油圧ポケット70に
連通される。したがって、油圧室71の圧油は、油孔72,7
3を通して油圧ポケット70に供給され、モータプランジ
ャ10の突出推力を受けるようにモータシュー66に圧力を
及ぼす。これによりモータシュー66およびモータ斜板63
間の接触圧力が低減されるとともに、モータシュー66お
よびモータ斜板63の摺動面が潤滑される。
斜板ホルダ64の内周面には、押え板67の内周面に小間隙
を存して対向する円筒状の隔壁体74が嵌着され、この隔
壁体74、斜板ホルダ64および押え板67により、モータシ
ュー66およびモータ斜板63の摺動面を包囲する潤滑室75
が画成される。
を存して対向する円筒状の隔壁体74が嵌着され、この隔
壁体74、斜板ホルダ64および押え板67により、モータシ
ュー66およびモータ斜板63の摺動面を包囲する潤滑室75
が画成される。
而して、各油圧ポケット70内の圧油は、モータシュー66
およびモータ斜板63の摺動面を通して絶えず漏洩してお
り、洩れた油は潤滑油として潤滑室75を満たした後、押
え板67まわりの各部の隙間から漏出する。したがって、
潤滑室75には常に新しい潤滑油が保持され、その油によ
ってモータシュー66およびモータ斜板63の摺動面をモー
タシュー66の外側からも確実に潤滑することができる。
およびモータ斜板63の摺動面を通して絶えず漏洩してお
り、洩れた油は潤滑油として潤滑室75を満たした後、押
え板67まわりの各部の隙間から漏出する。したがって、
潤滑室75には常に新しい潤滑油が保持され、その油によ
ってモータシュー66およびモータ斜板63の摺動面をモー
タシュー66の外側からも確実に潤滑することができる。
この場合、潤滑室75の圧力が油圧ポケット70の圧力に近
づくと、油圧ポケット70のモータシュー66に対する流体
支承機能が損なわれるので、潤滑室75が大気圧に近い圧
力状態を保ちつつ油を保持するように、油圧ポケット70
からの漏洩油量に応じて押え板67まわりの各部の隙間が
適当に選定される。
づくと、油圧ポケット70のモータシュー66に対する流体
支承機能が損なわれるので、潤滑室75が大気圧に近い圧
力状態を保ちつつ油を保持するように、油圧ポケット70
からの漏洩油量に応じて押え板67まわりの各部の隙間が
適当に選定される。
ミッションケース1には、斜板ホルダ64すなわちモータ
斜板63を傾動駆動するために、サーボモータ81が設けら
れる。このサーボモータ81は、ミッションケース1に固
定されるサーボシリンダ82と、サーボシリンダ82内を左
側油室83および右側油室84に区画すべくサーボシリンダ
82に摺合されるサーボピストン85と、サーボピストン85
に一体に設けられて左側油室83側のサーボシリンダ82の
端壁を油密にかつ移動自在に貫通するピストンロッド86
と、サーボピストン85およびピストンロッド86に穿設し
た弁孔87に先端部が摺合されるとともにサーボシリンダ
82の右側油室84側の端壁を油密にかつ移動自在に貫通す
るパイロット弁88とから構成される。
斜板63を傾動駆動するために、サーボモータ81が設けら
れる。このサーボモータ81は、ミッションケース1に固
定されるサーボシリンダ82と、サーボシリンダ82内を左
側油室83および右側油室84に区画すべくサーボシリンダ
82に摺合されるサーボピストン85と、サーボピストン85
に一体に設けられて左側油室83側のサーボシリンダ82の
端壁を油密にかつ移動自在に貫通するピストンロッド86
と、サーボピストン85およびピストンロッド86に穿設し
た弁孔87に先端部が摺合されるとともにサーボシリンダ
82の右側油室84側の端壁を油密にかつ移動自在に貫通す
るパイロット弁88とから構成される。
ピストンロッド86は、ピン89を介して斜板ホルダ64に連
結される。また左側油室83には、サーボシリンダ82に設
けた油路90が常時連通しており、この油路90から供給さ
れる油圧がサーボピストン85に作用する。サーボピスト
ン85およびピストンロッド86にはパイロット弁88の右動
に応じて右側油室84を弁孔87に連通させる通路91と、パ
イロット弁88の左動に応じて右側油室84を左側油室83に
連通させる通路92とが穿設される。さらに弁孔87は、還
流路93を介して、ミッションケース1内の底部の油タン
クに連通される。
結される。また左側油室83には、サーボシリンダ82に設
けた油路90が常時連通しており、この油路90から供給さ
れる油圧がサーボピストン85に作用する。サーボピスト
ン85およびピストンロッド86にはパイロット弁88の右動
に応じて右側油室84を弁孔87に連通させる通路91と、パ
イロット弁88の左動に応じて右側油室84を左側油室83に
連通させる通路92とが穿設される。さらに弁孔87は、還
流路93を介して、ミッションケース1内の底部の油タン
クに連通される。
サーボピストン85は、パイロット弁88の左動および右動
に追従するように、油路90から供給される油圧によって
増幅作動し、それにより斜板ホルダ64すなわちモータ斜
板63が図示の最大傾斜位置と、各モータプランジャ10に
対して直角となる直角位置との間で傾動される。この
際、モータ斜板63はモータシリンダ8の回動に伴って各
モータプランジャ10に往復動を与えて膨張、収縮を繰返
させるが、モータプランジャ10のストロークは、モータ
斜板63の傾きに応じて無段階に調節される。
に追従するように、油路90から供給される油圧によって
増幅作動し、それにより斜板ホルダ64すなわちモータ斜
板63が図示の最大傾斜位置と、各モータプランジャ10に
対して直角となる直角位置との間で傾動される。この
際、モータ斜板63はモータシリンダ8の回動に伴って各
モータプランジャ10に往復動を与えて膨張、収縮を繰返
させるが、モータプランジャ10のストロークは、モータ
斜板63の傾きに応じて無段階に調節される。
油圧ポンプPおよび油圧モータM間には、分配盤46およ
び分配環97を介して油圧閉回路Cが形成される。而して
入力軸2でポンプシリンダ4を回転したときに、吐出行
程のプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ室45
から吐出される高圧の作動油が膨張行程のモータプラン
ジャ10を収容したシリンダ孔9の油圧室71に給送され
る。一方、収縮行程のモータプランジャ10を収容したシ
リンダ孔9の油圧室71から排出された作動油は、吸入行
程にあるプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ
室45に還流する。この間、吐出行程のプランジャ10が斜
板63を介してモータシリンダ8に与える反動トルクと、
膨張行程のモータプランジャ10がモータ斜板63から受け
る反動トルクとの和によってモータシリンダ8すなわち
出力軸11が回転駆動される。
び分配環97を介して油圧閉回路Cが形成される。而して
入力軸2でポンプシリンダ4を回転したときに、吐出行
程のプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ室45
から吐出される高圧の作動油が膨張行程のモータプラン
ジャ10を収容したシリンダ孔9の油圧室71に給送され
る。一方、収縮行程のモータプランジャ10を収容したシ
リンダ孔9の油圧室71から排出された作動油は、吸入行
程にあるプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ
室45に還流する。この間、吐出行程のプランジャ10が斜
板63を介してモータシリンダ8に与える反動トルクと、
膨張行程のモータプランジャ10がモータ斜板63から受け
る反動トルクとの和によってモータシリンダ8すなわち
出力軸11が回転駆動される。
この場合、ポンプシリンダ4に対するモータシリンダ8
の変速比は次式によって与えられる。
の変速比は次式によって与えられる。
この式から明らかなように、モータプランジャ10のスト
ロークによって定まる油圧モータMの容量を零から或る
値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変える
ことができる。
ロークによって定まる油圧モータMの容量を零から或る
値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変える
ことができる。
モータシリンダ8は、その軸方向に分割された第1〜第
4部分8a〜8dから構成される。第1部分8aには、前記出
力軸11が一体に設けられ、斜板32は第1部分8aに設けら
れる。また第2,第3および第4部分8b〜8dにシリンダ孔
9が設けられる。第3部分8cは分配盤46を構成するもの
であり、第4部分8dには支軸12が一体に設けられる。
4部分8a〜8dから構成される。第1部分8aには、前記出
力軸11が一体に設けられ、斜板32は第1部分8aに設けら
れる。また第2,第3および第4部分8b〜8dにシリンダ孔
9が設けられる。第3部分8cは分配盤46を構成するもの
であり、第4部分8dには支軸12が一体に設けられる。
第1および第2部分8a,8bは複数のボルト98により結合
され、第2,第3および第4部分8b〜8dはそれらの各接合
部にノックピン99,100を嵌入して相互に位置決めした状
態で複数のボルト101により一体的に結合される。
され、第2,第3および第4部分8b〜8dはそれらの各接合
部にノックピン99,100を嵌入して相互に位置決めした状
態で複数のボルト101により一体的に結合される。
入力軸2の内端部にはニードルベアリング105を介して
分配盤46の中心に支持されており、ポンプシリンダ4は
ばね37により分配盤46に弾発的に摺接される。
分配盤46の中心に支持されており、ポンプシリンダ4は
ばね37により分配盤46に弾発的に摺接される。
ケース半体1bにおける端壁の外面側には、ボルト106に
より、支持板107が固着されており、この支持板107に
は、モータシリンダ8の支軸12内に突入する円筒状の固
定軸108が固定的に連結される。この固定軸108の内端に
は、分配盤46に摺接する分配環97が偏心的に支持されて
おり、分配環97により、モータシリンダ8の第4部分8d
に設けられている中空部109が内側室110と外側室111と
に区画される。而して前記外側室111は、モータシリン
ダ8に設けられる本発明の環状室を構成している。一
方、分配盤46には吐出および吸入ポート112,113が穿設
されており、その吐出ポート112により吐出行程にある
プランジャ6のポンプ室45と内側室110とが連通され、
吸入ポート113により吸入行程にあるプランジャ6のポ
ンプ室45と外側室111とが連通される。また分配盤46に
は多数の連絡ポート114,114…が穿設されており、これ
らの連絡ポート114,114…によりモータシリンダ8の各
油圧室71が内側室110または外側室111に連通される。し
たがって、ポンプシリンダ4の回転時には、プランジャ
6の吐出行程により生成された高圧の作動油を吐出ポー
ト112から内側室110に流入させ、さらに内側室110と連
通状態にある連絡ポート114を経て膨張行程のモータプ
ランジャ10の油圧室71に流入させてモータプランジャ10
に推力を与える。一方、収縮行程のモータプランジャ10
により排出される作動油は、外側室111に連通する連絡
ポート114および吸入ポート113を介して、吸入行程にあ
るプランジャ6のポンプ室45に還流し、このような作動
油の循環により前述のような油圧ポンプPから油圧モー
タMへの伝動が行なわれる。
より、支持板107が固着されており、この支持板107に
は、モータシリンダ8の支軸12内に突入する円筒状の固
定軸108が固定的に連結される。この固定軸108の内端に
は、分配盤46に摺接する分配環97が偏心的に支持されて
おり、分配環97により、モータシリンダ8の第4部分8d
に設けられている中空部109が内側室110と外側室111と
に区画される。而して前記外側室111は、モータシリン
ダ8に設けられる本発明の環状室を構成している。一
方、分配盤46には吐出および吸入ポート112,113が穿設
されており、その吐出ポート112により吐出行程にある
プランジャ6のポンプ室45と内側室110とが連通され、
吸入ポート113により吸入行程にあるプランジャ6のポ
ンプ室45と外側室111とが連通される。また分配盤46に
は多数の連絡ポート114,114…が穿設されており、これ
らの連絡ポート114,114…によりモータシリンダ8の各
油圧室71が内側室110または外側室111に連通される。し
たがって、ポンプシリンダ4の回転時には、プランジャ
6の吐出行程により生成された高圧の作動油を吐出ポー
ト112から内側室110に流入させ、さらに内側室110と連
通状態にある連絡ポート114を経て膨張行程のモータプ
ランジャ10の油圧室71に流入させてモータプランジャ10
に推力を与える。一方、収縮行程のモータプランジャ10
により排出される作動油は、外側室111に連通する連絡
ポート114および吸入ポート113を介して、吸入行程にあ
るプランジャ6のポンプ室45に還流し、このような作動
油の循環により前述のような油圧ポンプPから油圧モー
タMへの伝動が行なわれる。
固定軸108の側壁には、内側室110および外側室111間を
連通し得るたとえば2個の短絡ポート115が穿設され、
それらの短絡ポート115を開閉する円筒状のクラッチ弁1
16が固定軸108内に回転自在に嵌合される。このクラッ
チ弁116は、その先端寄り側壁に前記短絡ポート115に対
応した弁孔117を備え、また基端部には図示しないクラ
ッチ制御装置に連なる操作軸118が連結される操作連結
部119が設けられる。
連通し得るたとえば2個の短絡ポート115が穿設され、
それらの短絡ポート115を開閉する円筒状のクラッチ弁1
16が固定軸108内に回転自在に嵌合される。このクラッ
チ弁116は、その先端寄り側壁に前記短絡ポート115に対
応した弁孔117を備え、また基端部には図示しないクラ
ッチ制御装置に連なる操作軸118が連結される操作連結
部119が設けられる。
クラッチ弁116を回動操作させて弁孔117を短絡ポート11
5に合致させた全開時にはクラッチ・オフ状態、弁孔117
を短絡ポート115からずらせて全閉したときにはクラッ
チ・オン状態、弁孔117および短絡ポート115をわずかに
ずらせて半開状態にしたときには半クラッチ状態が得ら
れる。すなわち、クラッチ・オフ状態では吐出ポート11
2から内側室110に吐出される作動油が短絡ポート115を
通して外側室11および吸入ポート113に直ちに短絡して
油圧モータMが不作動となり、またクラッチ・オン状態
では上記のような作動油の短絡が阻止され、油圧ポンプ
Pから油圧モータMへの作動油の循環作用が生起し、通
常の伝動が行なわれる。
5に合致させた全開時にはクラッチ・オフ状態、弁孔117
を短絡ポート115からずらせて全閉したときにはクラッ
チ・オン状態、弁孔117および短絡ポート115をわずかに
ずらせて半開状態にしたときには半クラッチ状態が得ら
れる。すなわち、クラッチ・オフ状態では吐出ポート11
2から内側室110に吐出される作動油が短絡ポート115を
通して外側室11および吸入ポート113に直ちに短絡して
油圧モータMが不作動となり、またクラッチ・オン状態
では上記のような作動油の短絡が阻止され、油圧ポンプ
Pから油圧モータMへの作動油の循環作用が生起し、通
常の伝動が行なわれる。
クラッチ弁116には、パイロット弁120により操作される
油圧サーボモータ121が内蔵され、そのサーボピストン1
22の先端部には、クラッチ弁116の内径よりも小径の弁
杆123が設けられる。この弁杆123は内側室110に突入し
ており、その先端には吐出ポート112に対する閉塞弁124
が首振り自在に付設される。而して、サーボピストン12
2の左動により閉塞弁124を分配盤46に密着させれば吐出
ポート112を閉じることができる。この閉塞は、モータ
斜板73を直立状態にして変速比を1とするときに行なう
もので、これによりプランジャ6を油圧的にロックして
ポンプシリンダ4から各プランジャ6および斜板32を介
してモータシリンダ8を機械的に駆動することができ、
その結果、モータプランジャ10のモータ斜板63に対する
推力が消失し、その推力による各部ベアリングの負荷が
取除かれる。
油圧サーボモータ121が内蔵され、そのサーボピストン1
22の先端部には、クラッチ弁116の内径よりも小径の弁
杆123が設けられる。この弁杆123は内側室110に突入し
ており、その先端には吐出ポート112に対する閉塞弁124
が首振り自在に付設される。而して、サーボピストン12
2の左動により閉塞弁124を分配盤46に密着させれば吐出
ポート112を閉じることができる。この閉塞は、モータ
斜板73を直立状態にして変速比を1とするときに行なう
もので、これによりプランジャ6を油圧的にロックして
ポンプシリンダ4から各プランジャ6および斜板32を介
してモータシリンダ8を機械的に駆動することができ、
その結果、モータプランジャ10のモータ斜板63に対する
推力が消失し、その推力による各部ベアリングの負荷が
取除かれる。
固定軸108および支持板107には内側室110に連通する油
路139と、外側室111に連通する油路140とが穿設され
る。また支持板107には、サーボモータ81に連なる油路9
0に連通した油路141が穿設されるとともに、該油路141
と前記両油路139,140との連通状態を択一的に切換える
切換弁142が配設される。この切換弁142は、両油路139,
140の油圧が高い方を油路141に連通せしめるべく作動す
る。したがって、油圧モータMのモータ斜板63を傾動す
るためのサーボモータ81には、内側室110および外側室1
11の油圧が高い方から油圧が供給されることになる。
路139と、外側室111に連通する油路140とが穿設され
る。また支持板107には、サーボモータ81に連なる油路9
0に連通した油路141が穿設されるとともに、該油路141
と前記両油路139,140との連通状態を択一的に切換える
切換弁142が配設される。この切換弁142は、両油路139,
140の油圧が高い方を油路141に連通せしめるべく作動す
る。したがって、油圧モータMのモータ斜板63を傾動す
るためのサーボモータ81には、内側室110および外側室1
11の油圧が高い方から油圧が供給されることになる。
両サーボモータ81,121のパイロット弁88,120には、リン
ク127,128の一端が連結されており、リンク127の他端は
図示しない操作手段により回動される回動軸129に連
動、連結される。また回動軸129には、カム130が設けら
れており、リンク128の他端にはカム130に摺接するカム
ホロア131が設けられる。これにより、モータ斜板63を
直立状態にすべくサーボモータ81を作動せしめたとき
に、サーボモータ121が閉塞弁124で吐出ポート112を閉
塞するように作動する。
ク127,128の一端が連結されており、リンク127の他端は
図示しない操作手段により回動される回動軸129に連
動、連結される。また回動軸129には、カム130が設けら
れており、リンク128の他端にはカム130に摺接するカム
ホロア131が設けられる。これにより、モータ斜板63を
直立状態にすべくサーボモータ81を作動せしめたとき
に、サーボモータ121が閉塞弁124で吐出ポート112を閉
塞するように作動する。
ケース半体1aにおける端壁の外側には、補給ポンプFが
装備される。この補給ポンプFは、入力軸2により駆動
されるものであり、ミッションケース1内底部の油タン
クから油を汲み上げるとともに、入力軸2内に設けた補
給油路137および逆止弁138を介して油圧閉回路Cに作動
油を補給する。
装備される。この補給ポンプFは、入力軸2により駆動
されるものであり、ミッションケース1内底部の油タン
クから油を汲み上げるとともに、入力軸2内に設けた補
給油路137および逆止弁138を介して油圧閉回路Cに作動
油を補給する。
第3図において、モータシリンダ8における第2部分8b
には、油密室31における第2室31bとミッションケース
1内底部の油タンクとの間を連通させるべく半径方向に
延びる孔172が穿設されており、この孔172には、油密室
31内の油圧が所定値以下となった時に開弁して該室31内
の作動油を油タンク側に排出するための排出弁170がそ
れぞれ配設される。各孔172は、小径側に雌ねじが刻設
された段付き孔に形成されている。
には、油密室31における第2室31bとミッションケース
1内底部の油タンクとの間を連通させるべく半径方向に
延びる孔172が穿設されており、この孔172には、油密室
31内の油圧が所定値以下となった時に開弁して該室31内
の作動油を油タンク側に排出するための排出弁170がそ
れぞれ配設される。各孔172は、小径側に雌ねじが刻設
された段付き孔に形成されている。
排出弁170は、閉塞端を第2室31b側にして孔172に螺着
される有底円筒状のホルダ173と、該ホルダ173の開放端
を閉塞してホルダ173との間に弁室174を画成するととも
に弁口175を備える閉塞部材176と、弁室174内に収納さ
れてモータシリンダ8の半径方向に移動可能な球状弁体
177と、該弁体177を開弁方向(即ちモータシリンダ8の
半径方向内方)に偏倚させるべく弁室174内に収納され
るばね178とを備えており、該弁体177は、それが閉塞部
材176の内端に当接する外方移動限に達した時に弁口175
を閉じることにより前記孔172を遮断することができ
る。ホルダ173は、孔172の小径孔部に螺合される小径部
分と、同孔172の大径孔部に嵌合される大径部分とが同
軸に連設されて成るものであり、その閉塞端には弁室17
4を第2室31bに連通させる連通孔179が穿設される。ま
た弁体177は、ホルダ173の内面との間に僅かな間隙を形
成する程度の直径に形成されており、該弁体177が弁口1
75を閉塞していないときには連通孔179および弁口175間
は相互に連通する。
される有底円筒状のホルダ173と、該ホルダ173の開放端
を閉塞してホルダ173との間に弁室174を画成するととも
に弁口175を備える閉塞部材176と、弁室174内に収納さ
れてモータシリンダ8の半径方向に移動可能な球状弁体
177と、該弁体177を開弁方向(即ちモータシリンダ8の
半径方向内方)に偏倚させるべく弁室174内に収納され
るばね178とを備えており、該弁体177は、それが閉塞部
材176の内端に当接する外方移動限に達した時に弁口175
を閉じることにより前記孔172を遮断することができ
る。ホルダ173は、孔172の小径孔部に螺合される小径部
分と、同孔172の大径孔部に嵌合される大径部分とが同
軸に連設されて成るものであり、その閉塞端には弁室17
4を第2室31bに連通させる連通孔179が穿設される。ま
た弁体177は、ホルダ173の内面との間に僅かな間隙を形
成する程度の直径に形成されており、該弁体177が弁口1
75を閉塞していないときには連通孔179および弁口175間
は相互に連通する。
斯かる排出弁170では、油密室31における第2室31bの油
圧がばね178で定まる設定圧よりも高いときには該油圧
を受けて閉弁状態に保持されており、前記油圧が設定圧
よりも低いときには、ばね178の偏倚力に基づき開弁し
て第2室31bの油をミッションケース1内底部の油タン
クに排出する。
圧がばね178で定まる設定圧よりも高いときには該油圧
を受けて閉弁状態に保持されており、前記油圧が設定圧
よりも低いときには、ばね178の偏倚力に基づき開弁し
て第2室31bの油をミッションケース1内底部の油タン
クに排出する。
第4図において、油圧ポンプPの吸入口および油圧モー
タMの吐出口間を結ぶ油路の一部を形成する外側室111
に臨むモータシリンダ8の第4部分8dには、外側室111
とミッションケース1内底部の油タンクとの間を連通さ
せる少なくとも3つの孔180が周方向に等間隔置きに穿
設されており、その各孔180には、外側室111内の油圧が
所定値以下となった時に開弁して該室111内の作動油を
油タンク側に排出するための制御弁181が設けられる。
タMの吐出口間を結ぶ油路の一部を形成する外側室111
に臨むモータシリンダ8の第4部分8dには、外側室111
とミッションケース1内底部の油タンクとの間を連通さ
せる少なくとも3つの孔180が周方向に等間隔置きに穿
設されており、その各孔180には、外側室111内の油圧が
所定値以下となった時に開弁して該室111内の作動油を
油タンク側に排出するための制御弁181が設けられる。
制御弁181は、弾性を有する材料により板状に形成され
た弁体183と、前記孔180の内方開口端に設けられて前記
弁体183により開閉される弁口180aとを有しており、弁
体183の基端はねじ部材182により第4部分8dの内面に固
着される。またその弁体183の先部はモータシリンダ8
の半径方向に揺動可能であり、しかも自己の弾性力によ
り、前記弁口180aから離反する側(半径方向内方側)に
偏倚力が作用する。而して前記弁体183は、外側室111内
の油圧上昇に応じてモータシリンダ8の半径方向外方側
へ揺動することができ、その油圧が所定値以上になると
弁体183が弁口180aの開口端部に密着して(即ち外方へ
の揺動限に達して)該弁口180aを閉鎖する。また外側室
111の油圧が低下して前記所定値よりも小さくなると制
御弁181は自己の弾性力によりモータシリンダ8の半径
方向内方へ揺動して弁口180aを開き、これにより外側室
111内の作動油が孔180から排出される。
た弁体183と、前記孔180の内方開口端に設けられて前記
弁体183により開閉される弁口180aとを有しており、弁
体183の基端はねじ部材182により第4部分8dの内面に固
着される。またその弁体183の先部はモータシリンダ8
の半径方向に揺動可能であり、しかも自己の弾性力によ
り、前記弁口180aから離反する側(半径方向内方側)に
偏倚力が作用する。而して前記弁体183は、外側室111内
の油圧上昇に応じてモータシリンダ8の半径方向外方側
へ揺動することができ、その油圧が所定値以上になると
弁体183が弁口180aの開口端部に密着して(即ち外方へ
の揺動限に達して)該弁口180aを閉鎖する。また外側室
111の油圧が低下して前記所定値よりも小さくなると制
御弁181は自己の弾性力によりモータシリンダ8の半径
方向内方へ揺動して弁口180aを開き、これにより外側室
111内の作動油が孔180から排出される。
再び第2図において、分配盤46には、補給油路137に通
じる油路151と、油密室31における第2室31bに通じる油
路152とが穿設され、両油路151,152間にはリリーフ弁15
0が介装される。このリリーフ弁150は、補給油路137の
油圧が所定値よりも大となったときに開弁し、補給油路
137からリリーフした油を油密室31に導く。
じる油路151と、油密室31における第2室31bに通じる油
路152とが穿設され、両油路151,152間にはリリーフ弁15
0が介装される。このリリーフ弁150は、補給油路137の
油圧が所定値よりも大となったときに開弁し、補給油路
137からリリーフした油を油密室31に導く。
次にこの実施例に作用について説明すると、エンジンが
運転状態にある油圧式無段変速機CVTの通常作動時に
は、油圧ポンプPの各摺接部から漏洩した油やリリーフ
弁150からリリーフした油が、油密室31に充満される。
この際、油密室31には油が次々に供給されるので、油密
室31の油圧は排出弁170の設定値よりは大きく、したが
って排出弁170は閉弁状態にある。また加速時には、油
圧閉回路Cから漏れ出た油量に相当する補給油が逆止弁
138を介して補給されるので、外側室111内における制御
弁181前後の差圧は設定値よりも大となり、制御弁181は
閉弁する。さらに減速時にはポンプ作用をする油圧モー
タMから吐出する高圧油が外側室111に供給されるの
で、外側室111の油圧は高圧であり、制御弁181は閉弁し
たままである。したがって、加,減速時とも外側室111
の油圧は高圧であり、制御弁181は閉弁している。
運転状態にある油圧式無段変速機CVTの通常作動時に
は、油圧ポンプPの各摺接部から漏洩した油やリリーフ
弁150からリリーフした油が、油密室31に充満される。
この際、油密室31には油が次々に供給されるので、油密
室31の油圧は排出弁170の設定値よりは大きく、したが
って排出弁170は閉弁状態にある。また加速時には、油
圧閉回路Cから漏れ出た油量に相当する補給油が逆止弁
138を介して補給されるので、外側室111内における制御
弁181前後の差圧は設定値よりも大となり、制御弁181は
閉弁する。さらに減速時にはポンプ作用をする油圧モー
タMから吐出する高圧油が外側室111に供給されるの
で、外側室111の油圧は高圧であり、制御弁181は閉弁し
たままである。したがって、加,減速時とも外側室111
の油圧は高圧であり、制御弁181は閉弁している。
而して上記のような無段変速機CVTの通常作動状態では
油圧モータMのモータシリンダ8は回転状態にあること
が多く、従って、該モータシリンダ8に設置される前記
排出弁170及び制御弁181の各弁体177,183は、それらの
モータシリンダ半径方向外方への移動限が閉弁位置とさ
れる関係で、該各弁体177,183に加わる遠心力によって
閉弁力が助勢される。その結果、各弁170,181はエンジ
ン運転中においては確実に閉弁状態に保持されるから、
油密室31内及び外側室111内から油タンク側へ各弁170,1
83を通して作動油が妄りに漏出することはない。
油圧モータMのモータシリンダ8は回転状態にあること
が多く、従って、該モータシリンダ8に設置される前記
排出弁170及び制御弁181の各弁体177,183は、それらの
モータシリンダ半径方向外方への移動限が閉弁位置とさ
れる関係で、該各弁体177,183に加わる遠心力によって
閉弁力が助勢される。その結果、各弁170,181はエンジ
ン運転中においては確実に閉弁状態に保持されるから、
油密室31内及び外側室111内から油タンク側へ各弁170,1
83を通して作動油が妄りに漏出することはない。
エンジン停止時には、油圧ポンプPの各摺接部から作動
油はほとんど漏出しなくなり、また補給ポンプFも作動
を停止しているので、リリーフ弁150を介して油密室31
に供給される油もなくなる。したがって、排出弁170前
後の差圧が排出弁170の設定値よりも低下して、排出弁1
70が開弁し、油密室31の油がミッションケース1内底部
の油タンクに排出される。この際、3つの排出弁170が
周方向等間隔に配設されているので、停止時にモータシ
リンダ8がどの位置にあろうとも少なくとも1つの排出
弁170から空気を吸い込みつつ少なくとも1つの排出弁1
70から油を効率よく排出することができる。
油はほとんど漏出しなくなり、また補給ポンプFも作動
を停止しているので、リリーフ弁150を介して油密室31
に供給される油もなくなる。したがって、排出弁170前
後の差圧が排出弁170の設定値よりも低下して、排出弁1
70が開弁し、油密室31の油がミッションケース1内底部
の油タンクに排出される。この際、3つの排出弁170が
周方向等間隔に配設されているので、停止時にモータシ
リンダ8がどの位置にあろうとも少なくとも1つの排出
弁170から空気を吸い込みつつ少なくとも1つの排出弁1
70から油を効率よく排出することができる。
また外側室111にも油圧が供給されないので、制御弁181
前後の差圧が設定値以下となり、制御弁181が開弁し、
外側室111の油が前記油タンクに排出される。この際、
制御弁181も前記排出弁170と同様に3つが周方向等間隔
に配設されているので、油の排出が効率よく行なわれ
る。
前後の差圧が設定値以下となり、制御弁181が開弁し、
外側室111の油が前記油タンクに排出される。この際、
制御弁181も前記排出弁170と同様に3つが周方向等間隔
に配設されているので、油の排出が効率よく行なわれ
る。
エンジン始動時には、エンジン停止中に油密室31の油が
上述のように排出されているので、エンジンに連なる油
圧ポンプPのプランジャ6や連設杆44が油密室31内の油
を撹拌することによる抵抗は発生しない。したがって低
温時に油の粘度が上昇しても前記撹拌抵抗が発生しな
い。
上述のように排出されているので、エンジンに連なる油
圧ポンプPのプランジャ6や連設杆44が油密室31内の油
を撹拌することによる抵抗は発生しない。したがって低
温時に油の粘度が上昇しても前記撹拌抵抗が発生しな
い。
またエンジン停止中に、外側室111の油も充分に排出さ
れているので、エンジンに連なる油圧ポンプPが始動す
る瞬間の吸入抵抗が小さくなる。したがって低温時に油
の粘度が上昇しても、エンジン始動直後の瞬間的な吸入
抵抗を小さくすることができる。
れているので、エンジンに連なる油圧ポンプPが始動す
る瞬間の吸入抵抗が小さくなる。したがって低温時に油
の粘度が上昇しても、エンジン始動直後の瞬間的な吸入
抵抗を小さくすることができる。
このようにしてエンジン始動時のスタータ等による初期
入力を特に大きなものにしなくても、低温時にエンジン
を円滑に始動することができ、通常作動時には従来と同
様の作用が得られる。
入力を特に大きなものにしなくても、低温時にエンジン
を円滑に始動することができ、通常作動時には従来と同
様の作用が得られる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、モータシリンダに設けら
れて油圧ポンプの吸入口に連通する環状室を油タンクに
連通させる少なくとも3つの孔が、該モータシリンダに
その周方向に等間隔を存して穿設され、その各孔には、
前記吸入口の油圧が所定値以下になると開弁して作動油
を油タンク側へ排出させる制御弁が設けられるので、
入,出力軸の停止時には油圧ポンプの吸入口の油圧低下
に応じて各制御弁を何れも開弁状態に保持することがで
き、しかも、この時にモータシリンダがどのような回転
位置に静止していても、少なくとも1つの孔はモータシ
リンダの低部に位置させ且つ他の少なくとも1つの孔は
モータシリンダの高部に位置させることができるため、
その高位置の孔の制御弁を通して油圧ポンプ吸入側への
大気の流入を許容しつつ、その低位置の孔の制御弁を通
して同ポンプ吸入側から油タンク側へ作動油を重力でス
ムーズ且つ確実に排出させることができ、従って入力軸
を再始動させて油圧ポンプに吸入・吐出作用をさせる際
には、油圧ポンプの吸入抵抗を極力小さくして始動負荷
を効果的に軽減することができるから、作動油の粘度が
増大する低油温時においても始動が無理なく行われる。
れて油圧ポンプの吸入口に連通する環状室を油タンクに
連通させる少なくとも3つの孔が、該モータシリンダに
その周方向に等間隔を存して穿設され、その各孔には、
前記吸入口の油圧が所定値以下になると開弁して作動油
を油タンク側へ排出させる制御弁が設けられるので、
入,出力軸の停止時には油圧ポンプの吸入口の油圧低下
に応じて各制御弁を何れも開弁状態に保持することがで
き、しかも、この時にモータシリンダがどのような回転
位置に静止していても、少なくとも1つの孔はモータシ
リンダの低部に位置させ且つ他の少なくとも1つの孔は
モータシリンダの高部に位置させることができるため、
その高位置の孔の制御弁を通して油圧ポンプ吸入側への
大気の流入を許容しつつ、その低位置の孔の制御弁を通
して同ポンプ吸入側から油タンク側へ作動油を重力でス
ムーズ且つ確実に排出させることができ、従って入力軸
を再始動させて油圧ポンプに吸入・吐出作用をさせる際
には、油圧ポンプの吸入抵抗を極力小さくして始動負荷
を効果的に軽減することができるから、作動油の粘度が
増大する低油温時においても始動が無理なく行われる。
また特に前記各制御弁は、モータシリンダの半径方向に
移動可能に、且つその半径方向内方へ偏倚力が常に作用
するように配設され油密室内の油圧上昇に応じて半径方
向外方へ移動する弁体と、この弁体の外方への移動限で
閉じられる弁口とを備えるので、始動完了後のモータシ
リンダの回転状態では、それと一体的に回転する制御弁
の弁体が受ける遠心力により該弁体の閉弁力を助勢し
て、各制御弁をその閉弁位置に的確に保持することがで
き、従って制御弁が振動等により妄りに開弁するのを効
果的に阻止することができるから、その制御弁からの油
タンク側への油の漏洩を抑えて油圧閉回路の低圧側に必
要量の作動油を保持することができ、またその低圧側が
高圧となる減速運転時においてもエンジンブレーキ効果
を常に有効に発揮させることができる。
移動可能に、且つその半径方向内方へ偏倚力が常に作用
するように配設され油密室内の油圧上昇に応じて半径方
向外方へ移動する弁体と、この弁体の外方への移動限で
閉じられる弁口とを備えるので、始動完了後のモータシ
リンダの回転状態では、それと一体的に回転する制御弁
の弁体が受ける遠心力により該弁体の閉弁力を助勢し
て、各制御弁をその閉弁位置に的確に保持することがで
き、従って制御弁が振動等により妄りに開弁するのを効
果的に阻止することができるから、その制御弁からの油
タンク側への油の漏洩を抑えて油圧閉回路の低圧側に必
要量の作動油を保持することができ、またその低圧側が
高圧となる減速運転時においてもエンジンブレーキ効果
を常に有効に発揮させることができる。
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は本
発明を適用した車両用油圧式無段変速機の縦断側面図、
第2図は第1図の要部拡大図、第3図は第1図のIII−I
II線拡大断面図、第4図は第1図のIV−IV線拡大断面図
である。 2…入力軸、4…ポンプシリンダ、6…ポンププランジ
ャ、8…モータシリンダ、10…モータプランジャ、11…
出力軸、31…油密室、32…ポンプ斜板、63…モータ斜
板、180…孔、180a…弁口、181…制御弁、183…弁体、1
11…環状室としての外側室、C…油圧閉回路、M…油圧
モータ、P…油圧ポンプ
発明を適用した車両用油圧式無段変速機の縦断側面図、
第2図は第1図の要部拡大図、第3図は第1図のIII−I
II線拡大断面図、第4図は第1図のIV−IV線拡大断面図
である。 2…入力軸、4…ポンプシリンダ、6…ポンププランジ
ャ、8…モータシリンダ、10…モータプランジャ、11…
出力軸、31…油密室、32…ポンプ斜板、63…モータ斜
板、180…孔、180a…弁口、181…制御弁、183…弁体、1
11…環状室としての外側室、C…油圧閉回路、M…油圧
モータ、P…油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 敬 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−76357(JP,A) 特開 昭50−48505(JP,A) 実開 昭61−32655(JP,U) 実開 昭53−162901(JP,U) 実開 昭50−82905(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】出力軸(11)に連結されるモータシリンダ
(8)に環状配列で摺合された多数のモータプランジャ
(10)がモータ斜板(63)に摺接されて成る油圧モータ
(M)と、入力軸(2)に連結されたポンプシリンダ
(4)に多数のポンププランジャ(6)が環状配列で摺
合されるとともにモータシリンダ(8)に連動するポン
プ斜板(32)に各ポンププランジャ(6)が摺接されて
成る油圧ポンプ(P)とが油圧閉回路(C)をなして接
続され、ポンプシリンダ(4)は、該ポンプ(P)の摺
接部に通じるとともに前記ポンプ斜板(32)およびポン
ププランジャ(6)が配置される油密室(31)を相互間
に画成すべく前記モータシリンダ(8)で包囲される油
圧式伝動装置において、前記モータシリンダ(8)に設
けられて前記油圧ポンプ(P)の吸入口に連通する環状
室(111)を油タンクに連通させる少なくとも3つの孔
(180)が、該モータシリンダ(8)にその周方向に等
間隔を存して穿設され、その各孔(180)には、前記吸
入口の油圧が所定値以下になると開弁して作動油を油タ
ンク側へ排出させる制御弁(181)が設けられ、この制
御弁(181)は、モータシリンダ(8)の半径方向に移
動可能に、且つその半径方向内方へ偏倚力が常に作動す
るように配設され前記吸入口の油圧上昇に応じて半径方
向外方へ移動する弁体(183)と、この弁体(183)の外
方への移動限で閉じられる弁口(180a)とを備えたこと
を特徴とする、油圧式伝動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61293071A JPH0788885B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 油圧式伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61293071A JPH0788885B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 油圧式伝動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63145869A JPS63145869A (ja) | 1988-06-17 |
JPH0788885B2 true JPH0788885B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=17790073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61293071A Expired - Lifetime JPH0788885B2 (ja) | 1986-12-09 | 1986-12-09 | 油圧式伝動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0788885B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4519369B2 (ja) * | 2001-07-16 | 2010-08-04 | ヤンマー株式会社 | 油圧式無段変速装置の回路圧閉じ込み防止機構 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5776357A (en) * | 1980-10-31 | 1982-05-13 | Honda Motor Co Ltd | Hydraulic stepless transmission |
JPS6132655U (ja) * | 1984-07-30 | 1986-02-27 | 井関農機株式会社 | Hstの油圧オイル冷却装置 |
-
1986
- 1986-12-09 JP JP61293071A patent/JPH0788885B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63145869A (ja) | 1988-06-17 |
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