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JPH0777129B2 - ニッケル電極用活物質及びその製造方法、ニッケル電極及びそれを用いたアルカリ電池の製造方法 - Google Patents

ニッケル電極用活物質及びその製造方法、ニッケル電極及びそれを用いたアルカリ電池の製造方法

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Publication number
JPH0777129B2
JPH0777129B2 JP63180047A JP18004788A JPH0777129B2 JP H0777129 B2 JPH0777129 B2 JP H0777129B2 JP 63180047 A JP63180047 A JP 63180047A JP 18004788 A JP18004788 A JP 18004788A JP H0777129 B2 JPH0777129 B2 JP H0777129B2
Authority
JP
Japan
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active material
nickel
nickel hydroxide
zinc
nickel electrode
Prior art date
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Application number
JP63180047A
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JPH0230061A (ja
Inventor
政彦 押谷
宏 油布
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuasa Corp
Original Assignee
Yuasa Battery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuasa Battery Corp filed Critical Yuasa Battery Corp
Priority to JP63180047A priority Critical patent/JPH0777129B2/ja
Priority to EP89303952A priority patent/EP0353837B1/en
Priority to DE68917045T priority patent/DE68917045T2/de
Priority to US07/358,118 priority patent/US4985318A/en
Publication of JPH0230061A publication Critical patent/JPH0230061A/ja
Priority to US08/005,157 priority patent/USRE34752E/en
Publication of JPH0777129B2 publication Critical patent/JPH0777129B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/52Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/24Electrodes for alkaline accumulators
    • H01M4/32Nickel oxide or hydroxide electrodes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ニッケル電極用活物質及びニッケル電極とこ
れを用いたアルカリ電池に関するものである。
従来技術とその問題点 一般に用いられているアルカリ電池は、焼結式電池と称
し、ニッケル粉末を穿孔鋼板等に焼結した微孔基板に水
酸化ニッケルを充填させたものである。この方式の電極
は、充填工程を何度も繰り返し非常に煩雑であり、コス
トが高い。しかも、用いる基板の多孔度が制限されるた
め、活物質の充填密度が低く、電極のエネルギー密度40
0mAh/cc程度のものしかできない。
これを改良する試みとして、非焼結式電極の開発が広く
行われている。例えば、水酸化コバルト被覆水酸化ニッ
ケル粉末に導電性付加剤として、20数wt%のグラファイ
ト粉末を混合し、シート状にした後、集電体であるニッ
ケル板に圧着して電極とする。この導電性付加剤そのも
のは、電極の容量に寄与しないため容量密度が低下し、
且つグラファイトの分解による炭酸根が多量に生成す
る。このために、密閉形ニッケルカドミウム電池の如
く、電解液量の少ない電池には使用できない。上記欠点
を克服するべく、95%の高多孔度の金属繊維基板を用い
たペースト式ニッケル電極が実用化されつつある。該電
極は、硫酸ニッケル塩水溶液と水酸化ナトリウム水溶液
から作成された水酸化ニッケル粉末活物質に、活物質間
導電性ネットワークを形成するCoO粉末を添加し、カル
ボキシメチルセルローズを水に溶解した粘調液を加えペ
ースト状態で繊維基板に充填して作成される。このもの
は、焼結式電極に比べ安価であり、エネルギー密度も50
0mAh/ccと高い。
しかし、近年のポータブルエレクトロニクス機器の軽量
化に伴い、市場ニーズとして600mAh/cc程度の高エネル
ギー密度が要求されている。これに対応するためには、
基板の多孔度に限界があることから、水酸化ニッケル粉
末そのものを高密度化する必要がある。高密度水酸化ニ
ッケル粉末は、鉄板のパーカライジング処理の原料の一
部として用いられている。その製造法は硝酸あるいは硫
酸ニッケルを弱塩基性のアンモニア水溶液中に溶解さ
せ、ニッケルアンミン錯イオンとして安定化させ、水酸
化ナトリウム水溶液を加えながら、粒子内部に空孔が発
達しないように徐々に水酸化ニッケルを析出させるもの
である。
この方式は、従来の中和法の如き、無秩序な析出を行な
わないために、粒界が少なく(細孔容積が少ない)結晶
性の高い高密度な水酸化ニッケルである。
しかしこの特異な物性故に、この粉末をそのまゝ電池用
活物質材料として用いるには、いくつかの問題点を有し
ている。
例えば、水酸化ニッケル電極の充放電反応は、水酸化ニ
ッケルの結晶内をプロトンが自由に移動することによっ
て起る。ところが、水酸化ニッケルの高密度化に伴う結
晶の緻密性により、結晶内のプロトンの移動の自由さが
束縛される。しかも比表面積の減少により電流密度が増
大し、2段放電及び電極の膨潤と言った放電並びに寿命
特性の悪化原因あるいは利用率低下原因となる高次酸化
物γ−NiOOHが多量に生成するようになる。電極の致命
的因子であるニッケル電極のγ−NiOOH生成に伴う膨潤
機構は、高密度β−NiOOHから低密度γ−NiOOHへの密度
変化に起因するものである。γ−NiOOHの生成防止に有
効な手段として、本発明者は既に少量のカドミウムの水
酸化ニッケルへの固溶体添加を見い出したが、公害の見
地よりカドミウム以外の有効な添加剤が望まれている。
発明の目的 本発明は、水酸化ニッケル粉末をより高密度化し、更に
高密度化に伴うγ−NiOOHの生成を毒性の少ない添加剤
によって防止し、長寿命化すると共に、活物質の利用率
を向上させたニッケル電極用活物質及びニッケル電極と
これを用いたアルカリ電池を提供することを目的とす
る。
発明の構成 本発明の第1は、亜鉛を結晶中に固溶状態で含有し、且
つ内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以
下である水酸化ニッケルを主体としたニッケル電極用活
物質である。
本発明の第2は、水酸化ニッケル及び少量の亜鉛の硫酸
塩水溶液を出発原料とし、苛性ソーダもしくは苛性カリ
ウム及び硫酸アンモニウムによりPH11〜13に制御された
水溶液中で析出させることにより、亜鉛を結晶中に固溶
状態で含有し、且つ内部細孔半径が30Å以下で、全細孔
容積が0.05ml/g以下である水酸化ニッケルを主体とした
ニッケル電極用活物質の製造方法である。
本発明の第3は、亜鉛を結晶中に固溶状態で含有し、且
つ内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以
下である水酸化ニッケル活物質を主成分とするペースト
を、耐アルカリ性金属多孔体に充填したニッケル電極で
ある。
本発明の第4は、前記水酸化ニッケル活物質に、アルカ
リ電解液に溶解してコバルト錯イオンを生成するコバル
ト化合物を5〜15wt%の範囲で添加し、且つそのコバル
ト化合物が該活物質と遊離状態にあるニッケル電極であ
る。
本発明の第5は、前記水酸化ニッケル活物質に、亜鉛以
外に少量のコバルトが固溶状態で共存するニッケル電極
である。
本発明の第6は、導電性付加剤を含まずコバルト化合物
添加剤によってのみ耐アルカリ性金属多孔体と活物質間
の導電性が保たれたニッケル電極である。
本発明の第7は、亜鉛を結晶中に固溶状態で含有すると
ともに内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml
/g以下であり且つコバルト化合物を遊離状態で添加した
水酸化ニッケル活物質を主成分とするペーストを、耐ア
ルカリ性金属多孔体に充填したニッケル電極を準備し、
該ニッケル電極を用いて化成することなく電池に組み立
て、電解液注液後一定時間放置し、該コバルト化合物を
完全に溶解−再析出させた後に初充電するアルカリ電池
の製造方法である。
内部細孔容積を最小限にした高密度水酸化ニッケル粉末
の場合、高次酸化物γ−NiOOHが多量に発生する。しか
しながら異種金属イオン特に亜鉛イオンを水酸化ニッケ
ルの結晶中に配置すると結晶に歪みを生じるため、プロ
トンの動きに自由さが増し利用率の向上及びγ−NiOOH
の生成を減少する作用があることを見い出した。
一方、水酸化ニッケルの結晶外においては、コバルト化
合物添加剤を溶解させ、集電体と水酸化ニッケル粒子間
をHCoO2 -→β−Co(OH)2反応によって接続させた後に充
電する。しかる後に、充電と言う電気化学的酸化によっ
てβ−Co(OH)2→CoOOH反応によって、導電率の高いオキ
シ水酸化コバルトに変化し集電体ニッケル繊維と水酸化
ニッケル粒子間の電子の流れをスムーズにし、利用率を
増大させる作用がある。この反応メカニズムを第1図に
モデル化して示した。モデル図で示すように、この電極
の重要な点は添加剤を溶解させ、集電体ニッケル繊維と
活物質を接続させるところにある。
実施例 以下、本発明における詳細について実施例により説明す
る。
硫酸ニッケルに少量の硫酸亜鉛を加えた水溶液に硫酸ア
ンモニウムを添加し、ニッケル及び亜鉛のアンミン錯イ
オンを形成させる。
この液を水酸化ナトリウム水溶液中に滴下しながら激し
い攪拌を行い、徐々に錯イオンを分解させて亜鉛の固溶
体化した水酸化ニッケル粒子を析出成長させる。PH11〜
13程度の薄いアルカリ濃度にし、温度は40〜50℃の範囲
で徐々に析出させる。析出溶液のPHによって、種々な物
性の水酸化ニッケル粒子が得られる。
第2図に組成が水酸化ニッケルのみからなる粉末の内部
細孔容積とγ−NiOOH生成率のPH依存性の関係を示し
た。
内部細孔容積は低いPHほど少なく、より高密度粉末にな
る。一方、γ−NiOOHは低いPHほど生成しやすい傾向に
ある。二つの因子を満足させる領域は、各々の変曲点に
挟まれたハッチングで示したPH11付近から13付近に至る
領域である。
第3図に細孔容積と比表面積の関係を示した。析出溶液
のPHを変えることによって水酸化ニッケルの細孔容積が
変化したが、同時に比表面積も変化した。A〜Eが水酸
化ニッケルのみで、Fが5%の亜鉛を固溶状態で添加し
たものであり、Gは従来法による水酸化ニッケルのみの
ものである。
尚、従来法とは、PH14以上の高濃度アルカリに水酸化ニ
ッケル粒子を析出したものである。
いずれも比表面積の増大に伴い粒子内部の細孔容積が増
大する傾向を示している。即ち、比表面積と細孔容積の
間には相関々係があり、組成に関係なく細孔容積の少な
い高密度活物質は、比表面積が少ない。
第4図に従来法による水酸化ニッケルと本発明の高密度
活物質(水酸化ニッケル)の細孔径分布の比較を窒素吸
着等温線の脱離側より算出して示した。
従来法による水酸化ニッケルGは、硫酸ニッケル塩溶液
を50℃、PH=14.5の高濃度アルカリ溶液中に滴下し析出
させたものである。
これは、約65m2/gの比表面積、細孔直径15〜100Åの幅
広い範囲に渡り多量に存在する。その容積は、0.15ml/g
と粒子容積(0.41ml/g)の30〜40%にも達し、かなり空
隙の大きい粒子である。一方、本発明の高密度水酸化ニ
ッケル(F)は、その容積が0.03ml/gと小さく、G粒子
の1/4程度にすぎない。これは、F粒子がG粒子よりも2
0〜30%高密度である。即ち、活物質粒子が高密度であ
るためには、できるかぎり比表面積、及び空孔容積が小
さなものでなければならないことを示している。これら
の水酸化ニッケル粉末に、アルカリ電解液に溶解しCo
(I)錯イオンを生成する少量のコバルト化合物、Co
O、α−Co(OH)2、β−Co(OH)2あるいは酢酸コバルト等
の粉末を混合した。しかる後、1%のカルボキシメチル
セルローズの溶解した水溶液を加えて流動性のあるペー
スト液を作成した。このペースト液を多孔度95%の耐ア
ルカリ繊維基板、例えばニッケル繊維基板等に所定量充
填させ、乾燥後ニッケル電極とした。
活物質利用率並びに充放電によるγ−NiOOHの生成率を
知るために、このニッケル電極を対極として、カドミウ
ム電極をポリプロピレン不織布セパレータを介して組立
て、比重1.27の水酸化カリウム電解液を注入した。電解
液注入後、電池は添加剤であるコバルト化合物を腐食電
位で溶解させ、水酸化ニッケル粉末間を接続させるため
に、各種条件で放置した。第5図に添加剤としてCoOを
用い、比表面積65m2/gの水酸化ニッケルの電池について
の放置条件と活物質利用率の関係を示した。導電性ネッ
トワーク形成の重要な過程である放置条件は、高濃度電
解液及び高温度ほど短時間で高い利用率の得られる事を
示しており、且つ溶解したCoO量が有効に作用している
ことを示している。この原因が、添加剤の溶解析出によ
って均一分散性(より完全なネットワーク形成)に起因
している。
第6図に適切な放置条件下での水酸化ニッケルの種類と
活物質利用率の関係を示した。活物質組成が水酸化ニッ
ケルのみから成るものは、比表面積と活物質利用率の間
に比例関係が存在する。この事実は、高い活物質利用率
を得るためには高い比表面積が必要であることを示して
いる。それは取りも直さず前記に述べた結果より細孔容
積の大きい低密度活物質の方が良いことを意味している
から、究極として電極の高エネルギー密度化は図れない
ことになる。しかしながら、水酸化ニッケルの結晶中に
少量の亜鉛を添加したFは、比表面積が小さいにも拘ら
ず、従来粉末Gと変わらない高い利用率を示している。
極板単位体積あたりのエネルギー密度は、従来粉末Gが
504mAh/cc、高密度粉末Fが620mAh/ccと高密度粉末Fが
従来粉末Gよりも20%程度高い値を示している。これ
は、従来粉末に比べ高密度粉末が、同一体積基板により
多く充填できることによる。活物質利用率が理論値に近
いことから、要求される600mAh/ccのエネルギー密度を
満たす高密度活物質粉末の空孔容積は、0.05ml/g以下で
なければならず、同時に空孔容積と相関々係にある比表
面積は15〜30m2/gである。亜鉛添加のこの効果は、比表
面積の減少により電解液から反応種プロトンの出入り口
が縮小するわけであるが、水酸化ニッケル結晶に歪みを
持たせることにより、固相でのプロトン移動をスムーズ
にしたものと考察される。即ち、利用率はプロトンの移
動量を意味する。これは、粒子の比表面積と結晶内部
(固相)での拡散速度の二つの因子に支配されており、
結晶が同一の場合は、比表面積に支配され、結晶が異な
る場合は内部歪みに支配されるものと考察される。活物
質が反応するためには集電体から活物質粒子表面にスム
ーズに電子を移動させる必要があり、上述したごとく遊
離状態(水酸化ニッケルに固溶することなく粒子表面に
存在)にある導電性を持ったCoOOH粒子のネットワーク
が不可欠である。第7図にCoO添加量と活物質利用率、
極板体積あたりのエネルギー密度との関係を示した。こ
のネットワークを作るCoO添加剤については、添加剤量
を増加させると、活物質利用率も増加する。しかし、添
加剤そのものは、導電性に寄与するのみで実際には放電
しないため、極板エネルギー密度は、15%付近より低下
する傾向を示している。
1Cの高電流密度で充電し、充電末期の極板をX線解析に
より、粉末の種類とγ−NiOOH生成量との相関々係を調
べた。第8図にZn添加量とγ−NiOOH生成量の関係を示
した。
水酸化ニッケルの結晶中に亜鉛を固溶状態で添加すれ
ば、添加量に反比例してγ−NiOOHの生成量が減少する
ことが分かる。
第9図に各種水酸化ニッケルの充放電末期におけるγ−
NiOOHの生成比率を示した。亜鉛のγ−NiOOHの生成を抑
制する効果の度合いは、水酸化ニッケルの製造方法によ
っても影響され,第9図に示される如く、従来法で作成
した場合と異なっている。
更に、従来法の場合は、亜鉛を7%以上添加すると水酸
化ニッケルと遊離した水酸化亜鉛の層が出現したが、本
発明であると10%程度まで遊離しなかった。亜鉛のアル
カリ水溶液中への溶解度は、PHに依存することが知られ
ており、本発明のように薄いアルカリ水溶液中ではより
固溶体化しやすいものと考えられる。遊離した水酸化亜
鉛が存在する場合、酸化コバルト添加剤の溶解−再析出
過程で、溶解した亜鉛錯イオンとコバルト錯イオンの混
合物が析出し、導電性を悪化させるため利用率が低下し
た。
本発明の亜鉛の固溶体化をした場合、従来法に比較し生
成した可逆性の悪いγ−NiOOHがかなり放電できること
である。このことは、充放電の繰返しによるγ−NiOOH
の蓄積をより防止でき、電極の寿命をより長くすること
ができる。このように、固溶体化した添加剤の効果は、
析出条件によって変化する。しかし、少なくとも本発明
の亜鉛においては、従来の高濃度アルカリ水溶液よりも
薄いアルカリ水溶液の方が優れていることが分かる。亜
鉛を含まない高密度粉末Aの場合、多量に生成するγ−
NiOOHにより、放電々圧は高密度粉末Fと異なり、第10
図のように2段放電となる。第8図及び第9図よりγ−
NiOOH生成防止効果が亜鉛の1%添加から認められ、10
%添加で完全にγ−NiOOHは消滅する。
この亜鉛の効果は、他の異種元素例えばコバルトが固溶
状態で共存していても同じ効果を有する。第11図は、活
物質、充放電温度及び活物質利用率の関係を示したもの
である。亜鉛とコバルトの両者を固溶体添加したHにお
いては、亜鉛単独のFより高温下(約45℃)での充電性
能の向上が認められた。第12図にCoOOHのネットワーク
を形成させる添加剤について、活物質利用率の関係を示
した。
活物質利用率の順位がCoO>α−Co(OH)2>β−Co(OH)2
になる理由は、電解液への溶解性に起因すると考えられ
る。即ち、β−Co(OH)2の場合、電解液注液後溶存酸素
で酸化され褐色の溶解性の悪いCo(OH)3が形成されやす
く、一方α−Co(OH)2の場合、α−Co(OH)2→β−Co(OH)
2を経由するためにCo(OH)3がより形成されにくい。CoO
の場合、Co(OH)3〔もしくはCoHO2であらわされる〕が全
く形成しないために最も優れた添加剤といえる。より具
体的には、溶解速度の見地より、β−Co(OH)2を出発原
料に200〜800℃の高温不活性雰囲気下にて加熱生成させ
た結晶化度の低いものが望ましい。
水酸化ニッケルをHCoO2 -イオン中に浸漬し、表面に水酸
化コバルト層形成されたを粉末をペースト充填した電極
は、CoO粉末を混合した電極よりも利用率が劣り、β−C
o(OH)2粉末を混合した電極程度であった。更に、オキシ
水酸化ニッケル粉末の表面に導電性のCoOOH層を形成さ
せた粉末(具体的には、CoO粉末を混合した電極を充放
電した後、電極から集電体であるニッケル繊維を除去し
た物)を再度ペースト充填した電極は、利用率が悪い。
即ち、活物質粉末と集電体との導電性ネットワーク(Co
OOH)は、作成された電極中で形成されることが不可欠
である。予め活物質粒子表面に形成しても、粒子間の接
続が不完全になることを示している。従って、電極を電
池として組み立てた後にCoO粉末の溶解と再析出を行な
わさせる工程が必要である。
CoO添加剤を用いて本発明により作成された電極は、導
電付加剤を用いずとも溶解−再析出工程によって理論利
用率に近い高い利用率に達することより、酸化分解に伴
う有害な炭酸根の生成がなく、密閉形ニッケルカドミウ
ムに用いられる。
尚、上記実施例において、基板として金属繊維焼結体を
示したが、これらに限定されるものではない。さらに、
亜鉛の添加効果は、種々の製法で作成された本発明の如
き、結晶性の高い水酸化ニッケル粒子に対しては、同様
に認められるものである。
発明の効果 上述した如く、本発明は水酸化ニッケル粉末をより高密
度化し、更に高密度化に伴うγ−NiOOHの生成を毒性の
少ない添加剤によって防止し、長寿命化すると共に、活
物質の利用率を向上させたニッケル電極用活物質及びニ
ッケル電極とこれを用いたアルカリ電池を提供すること
が出来るので、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、コバルト化合物の溶解のモデル図である。 第2図は、析出溶液PHと粒子内部細孔容積及びγ−NiOO
Hの生成率との相関を示した図である。 第3図は、水酸化ニッケル粒子の比表面積と細孔容積の
関係を示した図である。 第4図は、従来の水酸化ニッケル粉末と本発明の高密度
水酸化ニッケル粉末の細孔径分布の曲線を示した図であ
る。 第5図は、放置条件と活物質利用率の関係を示した図で
ある。 第6図は、水酸化ニッケルの種類と活物質利用率の関係
を示した図である。 第7図は、CoO添加量と活物質利用率、極板体積あたり
のエネルギー密度との関係を示した図である。 第8図は、Zn添加量とγ−NiOOHの生成量の関係を示し
たものである。 第9図は、各種水酸化ニッケルの充放電末期におけるγ
−NiOOHの生成比率を示した図である。 第10図は、γ−NiOOHの多量に生成した電極と本発明の
電極との放電々圧特性を比較した図である。 第11図は、活物質、充放電温度及び活物質利用率の関係
を示した図である。 第12図は、各種コバルト化合物添加剤と活物質の利用率
との関係を示した図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛を結晶中に固溶状態で含有し、且つ内
    部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以下で
    ある水酸化ニッケルを主体としたニッケル電極用活物
    質。
  2. 【請求項2】水酸化ニッケル及び少量の亜鉛の硫酸塩水
    溶液を出発原料とし、苛性ソーダもしくは苛性カリウム
    及び硫酸アンモニウムによりPH11〜13に制御された水溶
    液中で析出させることにより、亜鉛を結晶中に固溶状態
    で含有し、且つ内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積
    が0.05ml/g以下である水酸化ニッケルを主体としたニッ
    ケル電極用活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】亜鉛を結晶中に固溶状態で含有し、且つ内
    部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以下で
    ある水酸化ニッケル活物質を主成分とするペーストを、
    耐アルカリ性金属多孔体に充填したニッケル電極。
  4. 【請求項4】前記水酸化ニッケル活物質に、アルカリ電
    解液に溶解してコバルト錯イオンを生成するコバルト化
    合物を5〜15wt%の範囲で添加し、且つそのコバルト化
    合物が該活物質と遊離状態にある請求項3記載のニッケ
    ル電極。
  5. 【請求項5】前記水酸化ニッケル活物質に、亜鉛以外に
    少量のコバルトが固溶状態で共存する請求項3記載のニ
    ッケル電極。
  6. 【請求項6】導電性付加剤を含まずコバルト化合物添加
    剤によってのみ耐アルカリ性金属多孔体と活物質間の導
    電性が保たれた請求項3記載のニッケル電極。
  7. 【請求項7】亜鉛を結晶中に固溶状態で含有するととも
    に内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以
    下であり且つコバルト化合物を遊離状態で添加した水酸
    化ニッケル活物質を主成分とするペーストを、耐アルカ
    リ性金属多孔体に充填したニッケル電極を準備し、該ニ
    ッケル電極を用いて化成することなく電池に組み立て、
    電解液注液後一定時間放置し、該コバルト化合物を完全
    に溶解−再析出させた後に初充電するアルカリ電池の製
    造方法。
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