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JPH07164633A - インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備えるインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備えるインクジェット装置

Info

Publication number
JPH07164633A
JPH07164633A JP23305894A JP23305894A JPH07164633A JP H07164633 A JPH07164633 A JP H07164633A JP 23305894 A JP23305894 A JP 23305894A JP 23305894 A JP23305894 A JP 23305894A JP H07164633 A JPH07164633 A JP H07164633A
Authority
JP
Japan
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epoxy resin
ink
ink jet
silicone
jet head
Prior art date
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Application number
JP23305894A
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English (en)
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JP3305130B2 (ja
Inventor
Akihiko Shimomura
明彦 下村
Kunihiko Maeoka
邦彦 前岡
Kenji Aono
賢治 青野
Shigeo Togano
滋雄 戸叶
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP23305894A priority Critical patent/JP3305130B2/ja
Publication of JPH07164633A publication Critical patent/JPH07164633A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 常温で液状である、無溶剤系の、1液型のシ
リコーン変性エポキシ樹脂から実質的になり、該シリコ
ーン変性エポキシ樹脂と潜在性硬化剤とからなる組成物
を用いて形成され、該シリコーン変性エポキシ樹脂は、
原料エポキシ樹脂100重量部に対してシリコーン成分
が10〜60重量部である封止材を有することを特徴と
するインクジェットヘッド。該インクジェットヘッド及
び回復装置を備えたインクジェット装置。 【効果】 上述したインクジェットヘッドを用いること
によって、常時安定した吐出がなされて、高品質のプリ
ントをもたらすインクジェットヘッドを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
及び該インクジェットヘッドを備えるインクジェット装
置に関する。更に詳しくは、インク供給路を構成する部
材の接合部に特定のシリコーン変性エポキシ樹脂からな
る封止材が配されたインクジェットヘッド及び該インク
ジェットヘッドを備えたインクジェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドでは、プリント媒
体に吐出されるインクがインクタンクより吐出口までの
インク供給路を構成する部材の接合部からインク漏れが
生ずる場合があり、その場合漏れたインクがプリント媒
体を汚染してしまう場合もある。また、インクジェット
ヘッドのインク流路中に気泡が存在すると、この気泡に
より吐出エネルギーが減衰され、正常な吐出が行なわれ
なくなる場合がある。こうしたことから、インクジェッ
トヘッドにおいては、インク漏れやインク供給路中への
気泡の混入を防止する目的で該インクジェットヘッドや
そのインク供給路を構成する構成部材の接合部に封止材
が設けられている。
【0003】こうした封止材の設けられた従来のインク
ジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを搭載した
装置の例を図1から図4に示す。
【0004】図1は従来のインクジェットヘッドの一例
を示す模式的斜視図である。図2は図1のインクジェッ
トヘッドをインク流路に沿って切断したA−B切断面を
矢印方向から見たインクジェットヘッドの主要部の断面
図である。図3は図1に示したインクジェットヘッドの
吐出エレメント部分の模式的斜視図である。図4は図1
に示したインクジェットヘッドを搭載したインクジェッ
ト装置の一例を示す模式的説明図である。
【0005】図1において、1はインクジェットヘッド
であり、このインクジェットヘッド1にはインクを供給
するためのインク供給ユニット2が接続されている。イ
ンク供給ユニット2は供給チューブ3を介してインクタ
ンク5に接続されている。このインクタンク5はインク
ジェットヘッドを支持しているアルミベースプレート4
を挟んで黒色インクを収納するインクタンク5Bと、イ
エロー、マゼンダ、シアンインクを収納するインクタン
ク5Cとからなっており、それぞれのインクタンクには
前記供給チューブ3が接合されるための供給チューブ挿
入部6を備え、前記インク供給ユニット2に対して脱着
可能に連結されている。
【0006】インクジェットヘッド1は図2及び図3に
示すように、シリコン基板101上に電気熱変換体であ
る発熱素子103と発熱素子用配線102とが薄膜形成
技術を用いて形成されている。この電気熱変換体が形成
されたシリコン基板上にはさらに感光性樹脂等の樹脂に
より形成されたインク流路壁104a及び共通インク室
壁104bであるインク通路壁104がある。そして、
このインク通路壁104によって形成された凹部を覆う
ようにガラス基板よりなる天板105が接着されてイン
ク通路や共通インク室が形成されている。該天板105
には共通インク入口部107となる開口が設けられてお
り、この共通インク入口部107は天板105に接着さ
れたインク用フィルター106によって覆われている。
この天板105には封止材110がディスペンサーやス
クリーン印刷等によって塗布されており、前記共通イン
ク入り口部には該封止材110を介してインク供給ユニ
ット2が接続されている。
【0007】図4は図1のインクジェットヘッドをイン
クジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装着し
たインクジェット装置(IJA)の一例を示す模式的説
明図である。
【0008】図4において、20はプラテン24上に送
紙されてきた被プリント媒体であるプリント紙のプリン
ト面に対向してインク吐出を行なうノズル群を具えたイ
ンクジェットヘッドカートリッジ(IJC)である。1
6はIJC20を保持するキャリッジHCであり、駆動
モータ17の駆動力を伝達する駆動ベルト18の一部と
連結し、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト
19Aおよび19Bと摺動可能とすることにより、IJ
C20のプリント紙の全幅にわたる往復移動が可能とな
る。
【0009】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、IJC20のキャッピングを行なう。
また、プリント終了時等にキャップ部材26Aによりキ
ャッピングを施すことによりIJCが保護される。
【0010】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0011】上述したようにインクジェットヘッドに設
けられる封止材はインクに接する部分に設けられるた
め、封止材形成用の出発材料である封止材を過度に塗布
した場合、形成された封止材の一部がインク流路中に入
り込んでしまう場合がある。このように封止材がインク
流路中に入り込んでしまった場合、最悪の場合ノズルの
目詰まりにもつながる。そこで封止材がインク流路中に
入り込まないようにその塗布量を厳密に管理できるよう
にするために封止材は常温で液状である封止材料を用い
て形成される。また、封止材形成用の材料は常温で液状
である無溶剤系のものが使用される。封止材の形成をこ
うした無溶剤系材料を用いて行う理由は次の点にある。
すなわち、封止材は、インクに接する箇所に設けられる
ので、封止材中に溶剤が入っている場合はその溶剤がイ
ンク中に溶出して、インクの組成を変えてしまう場合が
あり、これが原因でインクの吐出不良にもつながること
もある。封止材はインク供給路の構成部材の接合部に設
けられることから、その形成においては、インクジェッ
トヘッドの組み立て精度に影響を及ぼさないように配慮
する必要がある。こうしたことから封止材は可使時間が
長く、実質的に可使時間を考慮しなくてもよい1液型材
料を用いて形成するのが好ましい。
【0012】また、インクジェットヘッドにおける機能
面からの要求としては、上述したような気密性及び液密
性のほかに、低応力性及び高耐インク性が求められる。
【0013】つまり、前述のように例えばインク通路壁
のようなヘッドの構成部材として熱膨張率の大きな材料
を用いる場合は、吐出エレメントの周囲に設けられた封
止材に熱膨張による大きな応力がかかるため、この応力
によって封止材がはがれてしまうことがある。そこで、
封止材にこの応力を吸収する弾性力(低応力性)を持た
せることにより剥離の問題を解消している。この弾性力
はインクジェットヘッドがワイピング等の回復処理等で
受ける衝撃に対しても有効に働く。
【0014】更に封止材はインクに直接接触する箇所に
設けられるため、該封止材については、耐インク性が高
いこと、すなわち、インクによって封止材の性能が劣化
しないこと、そして封止材がインクの性能に悪影響を与
える溶出物を発生しないこと、が必要とされる。
【0015】このようにインクジェットヘッドに設けら
れる封止材は上述した封止材に対する要求が総合的に満
たされて封止機能を十分に発揮するものであることが必
要とされる。
【0016】上述した観点から従来よりインクジェット
ヘッドに設けられる封止材としてシリコーンゴムシーラ
ントが用いられている。
【0017】ところで、このようなインクジェットヘッ
ド内の前記共通インク室やインク流路に何らかの原因で
気泡が入り込んでいる場合、通常、この気泡を除去する
ために、プリンター本体に設けられたタイマー及びマニ
ュアル操作で動作する吸引ポンプ等の回復手段を用いて
インクジェットヘッドの回復処理を行う。この時、特に
エネルギー発生体よりインクの供給方向上流側に気泡が
滞留していると相当の吸引力をもって回復処理を行う必
要が生じる。一方、近年、装置の小型化が要求されてい
ることからインクタンクの容量も少なくなる傾向があ
る。特にインクタンクをキャリッジ上に搭載するカート
リッジタイプのインクジェット装置においてはこの傾向
が顕著である。このようにインクタンクの容量が小さい
場合、プリントに使用される用途以外には出来るだけイ
ンクを使用しないようにすることが望まれる。従って上
述のような回復処理は出来るだけ行わないことが好まし
い。インクジェットヘッド内に上述のような気泡が混入
する原因としては、インクジェットヘッドの製造工程中
に混入する場合と、インク中に溶存していた気体が吐出
時の温度上昇等によって遊離する場合が考えられるが、
これらは製品出荷前に一度回復処理を行っておけば、使
用中に気泡が混入していることはない。
【0018】しかしながら、回復処理済のインクジェッ
トヘッドを長時間未使用状態にしておく場合、インクジ
ェットヘッド内に気泡が発生する場合がある。この原因
は主としてインク供給路を構成する部材の接合部を封止
する封止部からの空気の入り込みによる。
【0019】すなわち、前記封止部に封止材として従来
用いられるシリコーンゴムシーラントはガス透過性が高
いため、通常の使用では問題のないものの、長期間の未
使用状態においては開口部よりインクがわずかずつでは
あるが蒸発し、シリコーンゴムシーラントで気密性を保
持している共通インク入口部とインク供給ユニットの継
ぎ目部分等から、上記インクが蒸発した分の圧力差を補
うため代わりに空気が侵入してくるため気泡が発生す
る。この場合には上述の回復処理が必要となる。そこ
で、インクジェットヘッドに用いられる封止材にガスバ
リア性に優れた材料であるエポキシ樹脂を用いることも
考えられるが、エポキシ樹脂は前述した応力の点で可撓
性が低いことから、封止材の剥離を生ずることもあり、
インクジェットヘッドに用いられる封止材としては好ま
しいものではなかった。また、エポキシ樹脂の可撓性を
改善した弾性エポキシ樹脂をインクジェットヘッドの封
止材に用いることも考えられるが、ガスバリア性及び可
撓性は満足できるものの、耐インク性が十分でなくやは
りインクジェットヘッドに用いられる封止材としては好
ましいものではなかった。
【0020】一方、近年、インクジェット装置が、複写
機や捺染装置といったプリンタの分野以外でも使用され
るようになっており、OHPシートや布等の紙以外のプ
リント媒体にインクを付着させる場合がある。また、印
字物により一層の耐水性を持たせることもある。このよ
うな場合、定着性や耐水性等を向上させる目的で、高い
アルカリ性を示すインクが使われるようになってきてい
る。すなわち、定着性や耐水性を向上させるためにはイ
ンクの染料や顔料として比較的溶剤に溶けにくい染料や
分散しにくい顔料を用いることもあり、これらの染料及
び顔料を使いこなすために高いアルカリ性を示すインク
を用いることにより、染料については溶けやすくなり、
また、顔料については分散安定性が良くなるものであ
る。そして、このように高いアルカリ性を示すインクが
使用されるに伴って、封止材の耐インク性の改善が求め
られている。実際に高アルカリインクを使用したインク
ジェットヘッドにおいて長時間未使用状態が続いた場
合、インク流路内への気泡の混入量も従来よりも多くな
っており、また、高アルカリインクを使用したインクジ
ェットヘッドの封止材を観察してみると、封止材の剥離
も見受けられた。また、インクジェットヘッドの形態に
よって封止材が配線の近くに設けられる場合には、電極
間のショートが見受けられることもあった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上述した問題点を解決して改善されたインクジェッ
トヘッド及び該インクジェットヘッドを備えるインクジ
ェット装置を提供することを主たる目的とする。
【0022】本発明の他の目的は、インク供給路を構成
する部材の接合部において液体及び気体のバリア性に優
れ、且つ温度変化のある環境下においても該接合部に剥
がれを生じず、また、耐インク性の高い封止材を用いた
インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備
えるインクジェット装置を提供することにある。
【0023】本発明の他の目的は気泡発生による回復処
理を必要とせず、小型のインクタンクであってもインク
使用量の優れたインクジェットヘッド及び該インクジェ
ットヘッドを備えるインクジェット装置を提供すること
にある。
【0024】本発明の他の目的は、高アルカリインクを
用いた場合であっても気泡の発生や封止材の剥離をもた
らさない封止材を有するインクジェットヘッド及び該イ
ンクジェットヘッドを備えるインクジェット装置を提供
するものである。
【0025】本発明の他の目的は、長期間の未使用状態
においても優れた印字品質を維持することのできるイン
クジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備える
インクジェット装置を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術におけ
る上述した問題を解決し、上記目的を達成すべく本発明
者らが実験を介して鋭意検討を行った結果完成に至った
ものである。
【0027】すなわち、本発明者らはエポキシ樹脂の有
する優れたガスバリア性に着目し、このガスバリア性を
発揮させながら、エポキシ樹脂の有する応力の問題を改
善し、更には耐インク性に関しても従来よりすぐれた性
能を有する封止材の実現可能性を検討したところ、シリ
コーン変性エポキシ樹脂と潜在性硬化剤からなる封止材
が、気密性、低応力性、高耐インク性に優れ、この封止
材をインクジェットヘッドのインク供給路を構成する部
材の接合部分に用いた場合、長期間の使用において上述
した回復処理を行わない場合であってもあるいは高アル
カリインクを使用し長時間未使用状態が続く場合であっ
ても、封止材の剥離もなく、安定したインク吐出が行え
る知見を得た。
【0028】本発明の上記目的は、常温で液状である、
無溶剤系の、1液型のシリコーン変性エポキシ樹脂から
実質的になり、これを潜在性硬化剤とからなる組成物
(以下、これをシリコーン変性エポキシ樹脂組成物とい
う場合もある。)を封止材として用いることにより達成
される。
【0029】即ち、本発明のインクジェットヘッドは、
上述したシリコーン変性エポキシ樹脂組成物を用いて形
成された封止材を有することを特徴とする。
【0030】本発明における前記シリコーン変性エポキ
シ樹脂は、原料エポキシ樹脂100重量部に対してシリ
コーン成分が10〜60重量部(すなわち、出発物質た
るエポキシ樹脂100重量部に対し10〜60重量部の
シリコーン成分が付加になるものである)のものであ
る。
【0031】本発明のインクジェットヘッドは、電気熱
変換体により電気エネルギーを与えて発熱させインクに
状態変化を生ぜしめてインクの吐出を行わせる形態を包
含する。
【0032】また、本発明のインクジェットヘッドは、
プリント媒体のプリント領域の全幅にわたって吐出口が
複数設けられているフルラインタイプのものを包含す
る。
【0033】また、本発明は、上記シリコーン変性エポ
キシ樹脂組成物を用いて形成された封止材を有するイン
クジェット装置を包含する。
【0034】本発明において、「封止材」とは、「イン
クジェットヘッドの封止部を湿気、振動、衝撃等の外的
環境から保護し、同時に電気的絶縁や熱放散をよくする
目的で使用される部材」を意味する。上述したように、
本発明に係る封止材は、上述したシリコーン変性エポキ
シ樹脂組成物(すなわち、実質的に上述したシリコーン
変性エポキシ樹脂と潜在性硬化剤からなる)で形成され
る。このシリコーン変性エポキシ樹脂組成物は、シリ
カ、カーボンブラック等のフィラー、アエロジル等のチ
クソ化剤、顔料等の成分を必要に応じて含有することが
できる。
【0035】本発明の封止材の主成分たる上述したシリ
コーン変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂とオルガノシ
ロキサンを原料として作成されるものである。
【0036】本発明の封止材は、インクジェットヘッド
に対して通常、上述したシリコーン変性エポキシ樹脂組
成物をディスペンサーやスクリーン印刷によって塗布し
て形成することから、該シリコーン変性エポキシ樹脂組
成物は常温で液状であることが必要とされる。特にイン
クジェットヘッドの場合、該シリコーン変性エポキシ樹
脂組成物を非常に狭い部分に流し込む必要も出てくるた
め、該シリコーン変性エポキシ樹脂組成物は低粘度であ
る必要がある。具体的な該粘度は10〜100000p
sである。
【0037】また、該シリコーン変性エポキシ樹脂組成
物は、常温で液状であることに加えて、無溶剤系のもの
であることが望ましい。この理由としては、封止材が通
常密閉された部分に形成されるので、該シリコーン変性
エポキシ樹脂組成物が溶剤系である場合には、硬化時に
溶剤がガス化して封止材にボイドをもたらしてしまった
り、乾燥せずに封じこめられた溶剤がインクに接する部
分から溶出し、インクの物性を変えてしまう等の問題が
生ずる。
【0038】本発明において使用するシリコーン変性エ
ポキシ樹脂の原料として用いるエポキシ樹脂は1分子中
に2個以上のエポキシ基を有し、常温で液状であればい
かなるものでも良い。たとえばビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びこれらの変性
樹脂等であることができる。これらのエポキシ樹脂は1
種または2種以上混合して用いることができる。これら
のエポキシ樹脂はNa+、Cl-等のイオン性不純物をで
きるかぎり除いたものであることが望ましい。
【0039】また、本発明において用いられる上述した
オルガノシロキサンは、上述のエポキシ樹脂と反応しう
る官能基を有するものを使用する。該官能基としては、
エポキシ基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ハイド
ロシリル基等が挙げられる。該オルガノシロキサンの分
子構造は直鎖状、分枝鎖状のいずれであっても良い。本
発明において使用する上記オルガノポリシロキサンは、
具体的には、下記式(I),(II),(III)で示され
るオルガノシロキサン等であることができる。これらは
例示的なものであり本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0040】
【化1】
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】本発明において使用する上記シリコーン変
性エポキシ樹脂は、公知の構成方法により製造できる。
そうした合成方法の具体例としては、(1)アミノ基を
有するオルガノポリシロキサンとエポキシ樹脂の一部の
エポキシ基を反応せしめて付加体を得る合成方法、及び
(2)アルケニル基含有エポキシ樹脂とハイドロシリル
基を含有するオルガノポリシロキサンを塩化白金酸触媒
下でハイドロシリル化反応により付加体を得る合成方法
を挙げることができる。
【0044】これらの合成方法の中、合成方法(2)に
より本発明のシリコーン変性エポキシ樹脂を得る手法
は、例えば次のようにして行われる。
【0045】所定量のビスフェノールA型エポキシ樹脂
に、温度110℃の条件で撹拌しながら2-アリルフェノ
ール及びトリブチルアミンとの混合物を滴下手法で添加
し、ついで、温度110℃にて所定時間撹拌処理する。
得られたものから未反応の2-アリルフェノール及びトリ
ブチルアミンを減圧下にて留去し、アルケニル基含有エ
ポキシ樹脂を得る。次に、得られたアルケニル基含有の
エポキシ樹脂の所定量を、溶媒(例えば、メチルイソブ
チルケトンとトルエンからなる混合溶媒)と、所定量の
2-エチルヘキサノール変性塩化白金酸溶液とを混合し、
共沸脱水を行う。得られた混合物に還流温度にて、オル
ガノポリシロキサンを滴下手法で添加し、110℃の温
度条件下で撹拌を行って反応を行う。得られたものを水
洗し、溶剤を減圧下で留去する。これにより粗反応生成
物を得る。得られた粗反応生成物をアセトンに溶解し、
これに水を加えて放置することにより、二層分離した溶
液を得、この溶液の上層を廃棄した後、再びアセトンを
加えて混合し、これに水を加えて放置する。これにより
二層分離が生じる。その下層を採取し、アセトン及び水
を減圧留去する。これにより所望のシリコーン変性エポ
キシ樹脂が得られる。
【0046】この合成方法においては使用するオルガノ
ポリシロキサンは、実質的にその全量がアルケニル基含
有エポキシ樹脂に付加する。したがって、得られるシリ
コーン変性エポキシ樹脂について、そのシリコーン変性
度合を上述したように原料エポキシ樹脂100重量部に
対してシリコーン成分が10〜60重量部になるように
するには、上記アルケニル基含有エポキシ樹脂と上記オ
ルガノポリシロキサンのそれぞれの使用量を上記含有割
合に調整することで達成できる。
【0047】本発明において使用するシリコーン変性エ
ポキシ樹脂はシリコーン成分の含有量が、原料エポキシ
樹脂100重量部に対してシリコーン成分が10〜60
重量部となる範囲のものである。これはシリコーン成分
が10重量部未満の場合は可撓性が不十分なため封止材
が剥離を起こす場合があり、60重量部より多い場合は
ガスバリア性が低下して気泡が混入しやすくなるためで
ある。
【0048】また、本発明において使用される硬化剤は
通常エポキシ樹脂の硬化剤として機能し、1液性の樹脂
組成物をもたらすものが選択使用される。すなわち、潜
在性硬化剤と呼ばれ、エポキシ樹脂と硬化剤の混合物に
おいて、常温にて長時間特性が変わることなく保存可能
で、所定の温度に加熱した場合や、光等のエネルギーが
与えられた場合に速やかに硬化する機能を有するものが
使用される。そうした潜在性硬化剤の具体例としては、
化学構造或は硬化したエポキシ樹脂の架橋構造の面から
見て次の三つのタイプのものを挙げることができる。
【0049】1)高融点活性水素化合物 エポキシ基と付加反応を行うことにより硬化させる高融
点活性水素化合物。具体例としては、ジシアンジアミド
や、アジピン酸ジヒドラジドといった有機酸ジヒドラジ
ドを挙げることができる。
【0050】2)第3アミン、イミダゾール類の塩 高融点分散型と可溶型とあり、加熱により溶解、または
分解、活性化してアニオン機構によりエポキシ樹脂の自
己重合をもたらす第3アミン、イミダゾール類の塩。具
体例としては、アミンイミド、2-メチルイミダゾール、
2-エチル-4- メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾ
ールなどを挙げることができる。これらは、硬化促進剤
としても機能する。
【0051】3)ルイス酸、ブレンステッド酸の塩 加熱により活性化してカチオン機構によりエポキシ樹脂
の重合をもたらすルイス酸、ブレンステッド酸の塩。具
体例としては、三弗化硼素のモノエチルアミン塩、ブレ
ンステッド酸の脂肪族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニ
ウム塩、芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。
【0052】これらいずれの潜在性硬化剤も本発明に適
用可能である。
【0053】本発明の封止材を形成するについて使用す
るシリコーン変性エポキシ樹脂組成物は、上述したシリ
コーン変性エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を必須成分と
するが、該組成物は、必要に応じて無機充填剤、硬化促
進剤、シランカップリング剤等を適宜含有することがで
きる。また該組成物は本発明の目的を阻害しない範囲に
おいて、シリコーン変性していないエポキシ樹脂を含ん
でいても構わない。
【0054】本発明の封止材は主にインクジェットヘッ
ドのインク供給路の接合部に用いられるものであるが、
インクタンクよりインクジェットヘッドまでのインク供
給路の接合部分に用いても非常に優れた効果を示すもの
である。また、インクジェットヘッドの配線部分に用い
ることも構わない。
【0055】本発明は、特にインクジェットプリント方
式の中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成
し、記録を行うインクジェットプリント方式のインクジ
ェットヘッド、インクジェット装置において、優れた効
果をもたらすものである。
【0056】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,
740,796号明細書に開示されており、本発明はこ
れらの基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
プリント方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能である。
【0057】このプリント方式を簡単に説明すると、液
体(インク)が保持されているシートや液路に対応して
配置されている電気熱変換体に、プリント情報に対応し
て液体(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生
じる様な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つ
の駆動信号を印加することによって、熱エネルギーを発
生せしめ、インクジェットヘッドの熱作用面に膜沸騰を
生じさせる。この様に液体(インク)から電気熱変換体
に付与する駆動信号に一対一対応した気泡を形成できる
ため、特にオンデマンド型のプリント法には有効であ
る。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して液体
(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパ
ルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,
359号明細書、同第4,345,262号明細書に記
載されているようなものが適している。尚、上記熱作用
面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,
124号明細書に記載されている条件を採用すると、更
に優れた記録を行なうことができる。
【0058】インクジェットヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口、液流路、
電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直
角液流路)の他に、米国特許第4,558,333号明
細書、米国特許第4459600号明細書に開示されて
いる様に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を
持つものも本発明に含まれる。
【0059】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0060】さらに、本発明が有効に利用されるインク
ジェットヘッドとしては、インクジェット装置が記録で
きるプリント媒体の最大幅に対応した長さのフルライン
タイプのインクジェットヘッドがある。このフルライン
ヘッドは、上述した明細書に開示されているようなイン
クジェットヘッドを複数組み合わせることによってフル
ライン構成にしたものや、一体的に形成された一個のフ
ルラインヘッドであっても良い。
【0061】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプのインクジェット
ヘッド、あるいはインクジェットヘッド自体に一体的に
設けられたカートリッジタイプのインクジェットヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
【0062】又、本発明のインクジェット装置に、予備
的な補助手段等を付加することは、本発明のインクジェ
ット装置を一層安定にすることができるので好ましいも
のである。これらを具体的に挙げれば、電気熱変換体或
はこれとは別の加熱素子、或はこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備吐
出モードを行なう手段を付加することも安定したプリン
トを行なうために有効である。
【0063】更に、インクジェット装置のプリントモー
ドとしては黒色等の主流色のみをプリントするモードだ
けではなく、インクジェットヘッドを一体的に構成した
ものか、複数個の組み合わせで構成したものかのいずれ
でも良いが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0064】以上説明した本発明の実施例においては、
液体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で
固体状であるインクであっても、室温で軟化状態となる
インクであっても用いることができる。上述のインクジ
ェット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良
い。
【0065】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものやプリント
媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよ
うな、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質
を持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0066】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0067】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0068】
【実施例】実験 以下に本発明者らが行った実験について記載する。
【0069】本発明者らは、インクジェットヘッドに設
けられる封止材が従来有していた問題点、すなわち、長
期間における使用で気泡がインク流路や共通インク室に
混入してしまうこと及び高アルカリインクを使用した時
の封止材の剥離の問題に鑑みて、十分な気密性を有する
と共に優れた耐インク性を有する封止材の創出可能性を
実験を介して検討した。すなわち、エポキシ樹脂の有す
る優れたガスバリア性に着目し、このガスバリア性を発
揮させながら、エポキシ樹脂の有する応力の問題を改善
し、さらには耐インク性に関しても従来よりすぐれた性
能を有する封止材として本発明者らが見いだしたシリコ
ーン変性エポキシ樹脂組成物が従来のインクジェットヘ
ッドにおける上述した問題の解決に寄与できるか否かを
以下の実験A−1ないしA−11に関して検討した。以下
の実験A−1ないしA−11においては所望の封止材を具
現化するについて、封止材の耐インク性、ガスバリア
性、低応力性について検討した。
【0070】実験A−1 上述した合成方法(2)によりシリコーン変性エポキシ
樹脂を得た。すなわち、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂 エピコート828(商品名、油化シェル社製)にア
ルケニル基を導入したものに下記式で表されるハイドロ
シリル基を有するオルガノポリシロキサンを塩化白金触
媒の存在下でのハイドロシリル化反応により付加してシ
リコーン変性エポキシ樹脂を得た。得られたシリコーン
変性エポキシ樹脂のシリコーン成分の含有量は、原料エ
ポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成分が30重
量部であった。
【0071】
【化4】 アミン系潜在性硬化剤であるノバキュアHX−3155
(商品名、旭化成工業社製)を得られたシリコーン変性
エポキシ樹脂100重量部に対して60重量部混合し
た。更にエポキシ系シランカップリング剤 A−187
(商品名、日本ユニカー社製)を5重量部混合して1液
型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得た。
【0072】実験A−2 シリコーン変性エポキシ樹脂の原料にビスフェノールF
型エポキシ樹脂 エピコート807(商品名、油化シェ
ル社製)と、前記式(I)で表されるハイドロシリル基
を有するオルガノポリシロキサンを使用した以外は実験
A−1と同様にしてシリコーン変性エポキシ樹脂を得
た。得られたシリコーン変性エポキシ樹脂のシリコーン
成分の含有量は、原料エポキシ樹脂100重量部に対し
シリコーン成分が40重量部であった。
【0073】カチオン型紫外線硬化開始剤であるアデカ
オプトマーSP−170(商品名、旭電化工業社製)を
得られたシリコーン変性エポキシ樹脂100重量部に対
して2重量部混合した。更にエポキシ系シランカップリ
ング剤 A−187(商品名、日本ユニカー社製)を5
重量部混合して1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成
物を得た。
【0074】実験A−3 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が5重量部となるようにした以外は実験A−1と同様
にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0075】実験A−4 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が10重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0076】実験A−5 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が20重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0077】実験A−6 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が40重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0078】実験A−7 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が50重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を以
た。
【0079】実験A−8 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が60重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0080】実験A−9 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が70重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0081】実験A−10 シリコーン変性エポキシ樹脂中のシリコーン成分の含有
量を原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン成
分が80重量部となるようにした以外は実験A−1と同
様にして1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0082】実験A−11 シリコーン変性エポキシ樹脂の原料エポキシ樹脂に固体
のビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001
(商品名、油化シェル社製)を使用した以外は実験A−
1と同様にしてシリコーン変性エポキシ樹脂を得た。得
られたシリコーン変性エポキシ樹脂のシリコーン成分の
含有量は、原料エポキシ樹脂100重量部に対しシリコ
ーン成分が20重量部であった。
【0083】フェノール樹脂硬化剤をメチルイソブチル
ケトン溶媒中で得られたシリコーン変性エポキシ樹脂1
00重量部に対して60重量部混合した。
【0084】更に、エポキシ系シランカップリング剤
A−187(商品名、日本ユニカー社製)を5重量部混
合して溶剤系1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物
を得た。
【0085】以上の実験A−1ないしA−11のそれぞ
れにおいて得られたシリコーン変性エポキシ樹脂組成物
のそれぞれについて、インクジェットヘッドにおける封
止材として使用に価するものであるか否かを、該封止材
に要求される耐インク性、ガスバリア性、及び応力を以
下に述べる手法で評価して検討した。 ・耐インク性:それぞれのシリコーン変性エポキシ樹脂
組成物(以下、樹脂試料という)のインクに対する膨潤
及びインク中への溶出物を調べた。すなわち、各樹脂試
料5gを高アルカリインク(pH 10.7、組成:GLY 1
0.0,UREA 5.0,IPA 5.0,水酸化リチウム 0.4, 硫酸アン
モニウム 0.5)及びキヤノンBJカートリッジBC−0
1のインクのそれぞれに浸漬し、PCTを使用して12
0℃で10時間放置して、膨潤度合い及びインク中の溶
出物の有無を以下の手法により評価した。
【0086】1)膨潤度合いの評価 インク中に浸漬する前後で樹脂試料の重量を測定し、重
量の変化割合が1%以下のものを◎、1%を越え5%以
下のものを○、5%を越えるものを×とする基準で評価
した。評価結果を表1に示す。
【0087】2)インク中への溶出物の有無の評価 樹脂試料を浸漬したインクについて分光光度計を使用し
て該インク中に溶出した有機不純物の有無を調べた。ま
た、ICP−ACS(inductively coupled plasma ato
mic emission spectroscopy)により、該インク中に溶出
した無機不純物の有無を調べた。得られた結果を以下の
評価基準で表1に示す。
【0088】○:有機不純物および無機不純物のいずれ
も観察されなかった場合; ×:有機不純物および無機不純物のいずれか一方でも観
察された場合。
【0089】ここでの膨潤は材料の劣化を意味し、膨潤
の度合いが大きい場合は密着性で致命的な問題を起こ
す。重量変化で5%以下のものは封止材に対する要求が
満足される。特に重量変化が1%以下のものは特に剥離
等の問題はまったくなく封止材として非常に優れたもの
である。ところでインク中への不純物の溶出は、そうし
た不純物がインク物性を変化させ正常な吐出ができなく
なる問題の生起につながる。こうした溶出無機不純物と
しては、Cr、Si、Ca、Zn、Mg、Mn、Al、Fe、Ni、Cd、C
u、Sn等の金属である。こうした無機溶出物があるとヒ
ーター上でのこげの原因になったり、空気中のガスと反
応してインク中に不要物を形成し、ノズル詰まりの原因
にもなる。また、溶出有機不純物は溶剤、可塑剤、未反
応物等である。こうした溶出有機不純物がある場合は、
インクの表面張力や粘度を変化させてしまったりして安
定な吐出ができなくなる原因となる。また、着色するよ
うな溶出物質であるとインクの色目を変えてしまうこと
がある。
【0090】ガスバリア性(気密性):各樹脂試料につ
いて封止材として使用する場合のガスバリア性(気密
性)をガス透過度を調べることにより評価した。すなわ
ち、該ガスバリア性の測定は全自動ガス透過度テスター
L100−4002(商品名、Dr.LYSSY社製)によって
行った。ガスとしては空気を使用した。測定結果を以下
の基準で評価し、評価結果を表1に示す。
【0091】◎:ガス透過率が500ml/m2・d・atm 以下
の場合; ○:ガス透過率が500ml/m2・d・atm から1000ml/m
2・d・atm 以下の場合; ×:ガス透過率が1000ml/m2・d・atm より高い場合。
【0092】なお、ml/m2・d・atm は1気圧の環境下で1
日に1m2 当たり何mlのガスが透過したかを表すもの
である。ガス透過率が1000ml/m2・d・atm 以下のもの
は通常の使用で気泡の侵入による特別な処理を施さなく
てもよいものである。また、ガス透過率が500ml/m2
d・atm 以下のものは未使用状態が3か月におよぶ場合で
あっても特別な処理を施さなくても気泡が侵入しないも
のである。
【0093】応力:各樹脂試料について封止材として使
用する場合の応力を調べる目的でヒートサイクル試験を
行った。ヒートサイクル試験は以下に述べる3ゾーンヒ
ートサイクル試験及び2ゾーンヒートサイクル試験を行
い、それぞれの試験において封止材としての各樹脂試料
の剥離状況を評価した。
【0094】3ゾーンヒートサイクル試験:樹脂試料0.
5 gをガラス基板上に塗布し、硬化させた後、この基板
を高アルカリインク(pH 10.7、組成:GLY 10.0, URE
A 5.0, IPA 5.0, 水酸化リチウム 0.4, 硫酸アンモニウ
ム 0.5)に浸漬した状態で、(1)−30℃、(2)室
温、(3)60℃の各ゾーンのそれぞれの環境下に2時
間ずつ放置するもので、−30℃から室温を介して60
℃とし、また室温を介して−30℃とするこの3ゾーン
のヒートサイクルを1サイクルとして、10サイクル後
のガラス基板上の試料について剥離の有無を顕微鏡を使
用して調べた。
【0095】2ゾーンヒートサイクル試験:3ゾーンヒ
ートサイクル試験と同様に被検材料を作成し、各試料を
(1)−30℃、(2)60℃の各ゾーンの環境下に2
時間ずつ放置するもので、−30℃から60℃とし、ま
た、−30℃に戻すこの2ゾーンのヒートサイクルを1
サイクルとして、50サイクル後のガラス基板上の試料
について剥離の有無を顕微鏡を使用して調べた。
【0096】得られた結果を以下の評価基準で評価し、
得られた評価結果を表1に示す。
【0097】◎:3ゾーンヒートサイクル試験及び2ゾ
ーンヒートサイクル試験のいずれにおいても剥離が観察
されない場合; ○:2ゾーンヒートサイクル試験においてのみ剥離が観
察される場合; ×:3ゾーンヒートサイクル試験及び2ゾーンヒートサ
イクル試験の両者においても剥離が観察される場合。
【0098】なお、3ゾーンヒートサイクル試験で剥離
が生じないものは通常の使用環境においても剥離が生じ
ないものと云える。また、2ゾーンヒートサイクル試験
で剥離が生じないものは通常で考え得る厳しい使用環境
においても剥離が生じないものと云える。
【0099】総合評価:以上の評価項目について総合的
に判断して評価を行った。評価は以下の評価基準で行
い、結果を表1に示す。
【0100】◎:すべての評価項目について満足できる
場合; ○:一部の評価項目について十分満足できないものの実
用上問題のない場合; ×:性能上問題がある場合。
【0101】
【表1】
【0102】比較例として従来の封止材として以下の4
つの試料を作成し、上述と同様にして評価を行ない、そ
の結果を表2に示した。
【0103】実験B−1 1成分、脱アルコール型湿気硬化タイプシリコーンシー
ラント TSE397(商品名、東芝シリコーン社製)を封止
材として使用した。なお、硬化は50℃で8時間の条件
で行った。
【0104】実験B−2 1成分エポキシ樹脂 ヴィナールE-405 (商品名、カナ
エ工業社製)を封止材として使用した。なお、硬化は1
20℃で60分の条件で行った。
【0105】実験B−3 1成分、嫌気性、紫外線硬化性、変性アクリレート樹脂
4X678B(商品名、ケミテック社製)を封止材として使
用した。なお、硬化は紫外線450mj/cm2照射後、12
0℃で5分間加熱することにより行った。
【0106】実験B−4 2成分、弾性エポキシ樹脂 エコボンド45LV/15LV (商
品名、グレースジャパン社製)を100/150の割合
で混合して封止材として使用した。なお、硬化は70℃
で120分、90℃で40分の条件で行った。
【0107】
【表2】 表1、2に示した結果から次のことがわかった。
【0108】すなわち、耐インク性に関しては、膨潤に
おいて実験A−3、及び実験B−2、3及び4の試料
は、アルカリインク、BC−01インクとも5%以上の
膨潤を示した。実験A−3の樹脂試料についてはシリコ
ーン成分の含有量が少ないため、性質がエポキシ樹脂に
近く膨潤に対して十分な性能を発揮できなかったものと
推測される。
【0109】一方、インク中への不純物の溶出について
は、実験A−11、及び実験B−3および4の樹脂試料
は、アルカリインクおよびBC−01インクのいずれに
対しても不純物の溶出物が観察された。ここで実験A−
11の試料に関しては、特にシリコーン変性樹脂中の溶
剤がインク中に溶出したものと考えられる。
【0110】ガスバリア性に関しては、実験A−9及び
10、及び実験B−2及び3の樹脂試料は、1000ml
/m2・d・atm より高い値を示した。ここで、実験A−9及
び10の試料に関しては、シリコーン成分の含有量が比
較的多いため、性質がシリコーンよりになっておりガス
バリア性に十分な性能を発揮できなかったものと推測さ
れる。
【0111】応力に関しては、実験A−3及び実験B−
2及び3の樹脂試料は、3ゾーンヒートサイクル試験に
おいても剥離が見受けられた。ここで、実験A−3の試
料はシリコーン成分の含有量が少ないため、性質がエポ
キシ樹脂に近く可撓性が低かったために応力に対して十
分な性能を発揮できなかったものと推測される。
【0112】以上の結果から、上述した本願発明のシリ
コーン変性エポキシ樹脂からなる封止材によればインク
ジェットヘッドのインク供給路を構成する部材の接合部
分を封止部を気密性に富み、剥離等の問題のないものと
することができることが理解される。なお、上記実験の
うち本発明に属するものは、実験A−1、2、4〜7で
得られたものであり、インクジェットヘッドの封止材と
して総合的な性能の点でより好ましいものは実験A−
1、2及び6で得られたものである。
【0113】次に、本発明の実施例として前述の実験A
−1で得られたシリコーン変性エポキシ樹脂組成物をイ
ンクジェットヘッドの封止材に用いてその性能を検証し
た。また、比較例として、実験A−11及び実験B−1
で得られた封止材をインクジェットヘッドに用いてその
性能を検証した。
【0114】実施例1 図5は、本実施例に係るインクジェットヘッドの主要部
の断面図である。る。図中、2はインク供給ユニット、
4はアルミベースプレート、101はシリコン基板、1
04はインク通路壁、105は天板、106はインク用
フィルター、109は吐出口、110’は封止材であ
る。
【0115】実験A−1で得られた1液型シリコーン変
性エポキシ樹脂組成物を常法によって作成した図5のイ
ンクジェットヘッドの天板105にスクリーン印刷によ
り50μmの厚さに塗布した後、インク供給ユニット2
を接合し、80℃で4時間硬化させ、インクジェットヘ
ッドを作成した。
【0116】このように作成したインクジェットヘッド
の液室に高アルカリインク(pH10.7、組成:GL
Y 10.0,UREA 5.0,IPA 5.0,水
酸化リチウム 0.4,硫酸アンモニウム 0.5)を
満たし、温度35℃、湿度10%の環境下に10日間放
置した後、20gの前述したインクを有するインクタン
クを該タンク中のインクを使い切るまで印字したとこ
ろ、印字不良や不吐出等は発生せず、泡の除去処理をせ
ずとも最後まで良好な印字を行なうことができた。
【0117】比較例1 インクジェットヘッドに用いる封止材としてA−11で
得られた1液型シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を用
いる以外は実施例1と同様にしてインクジェットヘッド
を作成した。
【0118】このように作成したインクジェットヘッド
を実施例1と同様に インクジェットヘッドの液室に高
アルカリインク(pH 10.7、組成:GLY 1
0.0,UREA 5.0,IPA 5.0,水酸化リ
チウム 0.4,硫酸アンモニウム 0.5)を満た
し、温度35℃、湿度10%の環境下に10日間放置し
た後、20gの前述したインクを有するインクタンクを
該タンク中のインクを使い切るまで印字したところ、不
吐出等は発生しなかったものの、一部印字のかすれが見
られた。
【0119】比較例2 インクジェットヘッドに用いる封止材としてB−1の脱
アルコール型湿気硬化型シリコーンシーラントを用いる
以外は実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作
成した。
【0120】このように作成したインクジェットヘッド
を実施例1と同様にインクジェットヘッドの液室に高ア
ルカリインク(pH 10.7、組成:GLY 10.
0,UREA 5.0,IPA 5.0,水酸化リチウ
ム 0.4,硫酸アンモニウム 0.5)を満たし、温
度35℃、湿度10%の環境下に10日間放置した後、
20gの前述したインクを有するインクタンクを該タン
ク中のインクを使い切るまで印字したところ、一部に不
吐出も見られ、印字のかすれも見受けられた。
【0121】
【発明の効果】以上の結果から上述したように本発明の
シリコーン変性エポキシ樹脂組成物を使用してインクジ
ェットヘッドのインク供給路を構成する部材の接合部分
を封止する場合、該封止部を気密性に富み、剥離等の問
題のないものとすることができ、常時安定したインク吐
出がなされて高品質のプリントをもたらす所望のインク
ジェットヘッドが得られることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のインクジェットヘッドの一例を示す模式
的斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドをインク流路に沿
って切断したA−B切断面を矢印方向から見たインクジ
ェットヘッドの主要部の断面図である。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドの吐出エレ
メント部分の模式的斜視図である。
【図4】図1に示したインクジェットヘッドを搭載した
インクジェット装置の一例を示す模式的説明図である。
【図5】本発明に係るインクジェットヘッドの主要部の
断面図である。
【符号の説明】
2 インク供給ユニット 4 アルミベースプレート 101 シリコン基板 104 インク通路壁 105 天板 106 インク用フィルター 109 吐出口 110’ 封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸叶 滋雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状である、無溶剤系の、1液型
    のシリコーン変性エポキシ樹脂から実質的になり、該シ
    リコーン変性エポキシ樹脂と潜在性硬化剤とからなる組
    成物を用いて形成された封止材を有することを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記シリコーン変性エポキシ樹脂は、原
    料エポキシ樹脂100重量部に対してシリコーン成分が
    10〜60重量部であることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記シリコーン変性エポキシ樹脂は、エ
    ポキシ樹脂とオルガノシロキサンを原料として作成され
    るものであることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ樹脂は、常温で液状であ
    る、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
    F型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
    脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ノボラック型
    エポキシ樹脂及びこれらの変性樹脂であることを特徴と
    する請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記オルガノシロキサンは、エポキシ
    基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ハイドロシリル
    基の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求
    項3に記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記潜在性硬化剤が高融点活性水素化合
    物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記潜在性硬化剤が第3アミンまたはイ
    ミダゾールの塩であることを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記潜在性硬化剤がルイス酸またはブレ
    ンステッド酸の塩であることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 前記組成物が更にシランカップリング剤
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  10. 【請求項10】 前記封止材がインク供給路を構成する
    構成部材の接合部に設けられることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 電気熱変換体により電気エネルギーを
    与えて発熱させインクに状態変化を生ぜしめてインクの
    吐出を行わせることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 プリント媒体のプリント領域の全幅に
    わたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプ
    であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    トヘッド。
  13. 【請求項13】 少なくともインクを吐出するためのイ
    ンクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドの回復
    を行うための回復装置を有するインクジェット装置にお
    いて、 前記インクジェットヘッドは、常温で液状である、無溶
    剤系の、1液型のシリコーン変性エポキシ樹脂から実質
    的になり、該シリコーン変性エポキシ樹脂と潜在性硬化
    剤とからなる組成物を用いて形成された封止材を有する
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  14. 【請求項14】 前記シリコーン変性エポキシ樹脂は、
    原料エポキシ樹脂100重量部に対してシリコーン成分
    が10〜60重量部であることを特徴とする請求項13
    に記載のインクジェット装置。
  15. 【請求項15】 前記シリコーン変性エポキシ樹脂は、
    エポキシ樹脂とオルガノシロキサンを原料として作成さ
    れるものであることを特徴とする請求項13に記載のイ
    ンクジェット装置。
  16. 【請求項16】 前記エポキシ樹脂は、常温で液状であ
    る、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
    F型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
    脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ノボラック型
    エポキシ樹脂及びこれらの変性樹脂であることを特徴と
    する請求項15に記載のインクジェット装置。
  17. 【請求項17】 前記オルガノシロキサンは、エポキシ
    基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ハイドロシリル
    基の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求
    項15に記載のインクジェット装置。
  18. 【請求項18】 前記潜在性硬化剤が高融点活性水素化
    合物であることを特徴とする請求項13に記載のインク
    ジェット装置。
  19. 【請求項19】 前記潜在性硬化剤が第3アミンまたは
    イミダゾールの塩であることを特徴とする請求項13に
    記載のインクジェット装置。
  20. 【請求項20】 前記潜在性硬化剤がルイス酸またはブ
    レンステッド酸の塩であることを特徴とする請求項13
    に記載のインクジェット装置。
  21. 【請求項21】 前記組成物が更にシランカップリング
    剤を含有することを特徴とする請求項13に記載のイン
    クジェット装置。
  22. 【請求項22】 前記封止材がインク供給路を構成する
    構成部材の接合部に設けられることを特徴とする請求項
    13に記載のインクジェット装置。
  23. 【請求項23】 電気熱変換体により電気エネルギーを
    与えて発熱させインクに状態変化を生ぜしめてインクの
    吐出を行わせることを特徴とする請求項13に記載のイ
    ンクジェット装置。
  24. 【請求項24】 プリント媒体のプリント領域の全幅に
    わたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプ
    であることを特徴とする請求項13に記載のインクジェ
    ット装置。
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