JP2002210964A - インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法Info
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- JP2002210964A JP2002210964A JP2001006863A JP2001006863A JP2002210964A JP 2002210964 A JP2002210964 A JP 2002210964A JP 2001006863 A JP2001006863 A JP 2001006863A JP 2001006863 A JP2001006863 A JP 2001006863A JP 2002210964 A JP2002210964 A JP 2002210964A
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】さまざまなインクに対して高い耐性をもつイン
クジェットヘッド、および、そのインクジェットヘッド
を作業性よく高効率で得られるインクジェットヘッドの
製造方法を提供する。 【解決手段】インクに接する接合部分の接着剤に、ポリ
シロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いた
ので、インクジェットヘッドの接着剤として要求される
種々の特性を犠牲にすることなく、さまざまなインクに
対して耐性をもつインクジェットヘッドを提供すること
が出来る。又、耐インク性が高く、接着剤のはみ出しや
流れ出しがなく、高い位置精度のインクジェットヘッド
を効率よく製造することが出来る。
クジェットヘッド、および、そのインクジェットヘッド
を作業性よく高効率で得られるインクジェットヘッドの
製造方法を提供する。 【解決手段】インクに接する接合部分の接着剤に、ポリ
シロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いた
ので、インクジェットヘッドの接着剤として要求される
種々の特性を犠牲にすることなく、さまざまなインクに
対して耐性をもつインクジェットヘッドを提供すること
が出来る。又、耐インク性が高く、接着剤のはみ出しや
流れ出しがなく、高い位置精度のインクジェットヘッド
を効率よく製造することが出来る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
ッド及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】小液滴のインクを飛翔させ、対象物に付
着させるインクジェット技術は、紙、フィルム、布に文
字や画像をプリントするプリンタ、FAX、コピー機の
ほか、カラーフィルターの製造、有機ELディスプレイ
の製造など広い分野に応用されている。飛翔させるイン
クは応用分野により、染料、顔料をはじめとして、いろ
いろな無機物、有機物を水や有機溶媒に溶解または分散
させたものなどさまざまな種類が用いられる。
着させるインクジェット技術は、紙、フィルム、布に文
字や画像をプリントするプリンタ、FAX、コピー機の
ほか、カラーフィルターの製造、有機ELディスプレイ
の製造など広い分野に応用されている。飛翔させるイン
クは応用分野により、染料、顔料をはじめとして、いろ
いろな無機物、有機物を水や有機溶媒に溶解または分散
させたものなどさまざまな種類が用いられる。
【0003】また、インクを小液滴にして飛翔させるイ
ンクジェットヘッドにはいろいろな原理のものが知られ
ている。それらインクジェットヘッドの製造には接着剤
が使用されるが、インクジェットに用いられる接着剤に
はいろいろな性能が要求され、通常は、溶剤を含まな
い、エポキシ系接着剤やシリコ−ン系接着剤などが使用
される。シリコ−ン系接着剤は接着力が小さいためにヘ
ッドの主要機能部分にはエポキシ系接着剤が多く使われ
る。
ンクジェットヘッドにはいろいろな原理のものが知られ
ている。それらインクジェットヘッドの製造には接着剤
が使用されるが、インクジェットに用いられる接着剤に
はいろいろな性能が要求され、通常は、溶剤を含まな
い、エポキシ系接着剤やシリコ−ン系接着剤などが使用
される。シリコ−ン系接着剤は接着力が小さいためにヘ
ッドの主要機能部分にはエポキシ系接着剤が多く使われ
る。
【0004】
【問題を解決しようとする課題】インクジェットに用い
られる接着剤に要求される性能のひとつとして、インク
に接する接合部分の接着剤のインクに対する耐性があ
る。インクジェットヘッドを広い分野に適用するために
はさまざまなインクに対して耐性をもつ接着剤を使用す
る必要があるが、他の性能を満足し、かつさまざまなイ
ンクに対して耐性をもつ接着剤はなかった。たとえばエ
ポキシ系接着剤の日立化成社製ハイボン3000、セメ
ダイン社製セメダイン1500、EP−007、アルフ
ァ技研社製R−2007、H−1004などは水や有機
溶剤などの溶媒で膨潤し、接着強度が低下してヘッドが
破壊されたり、インクの漏れをおこしたりする。同じく
エポキシ系接着剤の田岡化学社製テクノダインAH30
41Wはこれらの接着剤よりも耐性があるが、まだ充分
とはいえなかった。
られる接着剤に要求される性能のひとつとして、インク
に接する接合部分の接着剤のインクに対する耐性があ
る。インクジェットヘッドを広い分野に適用するために
はさまざまなインクに対して耐性をもつ接着剤を使用す
る必要があるが、他の性能を満足し、かつさまざまなイ
ンクに対して耐性をもつ接着剤はなかった。たとえばエ
ポキシ系接着剤の日立化成社製ハイボン3000、セメ
ダイン社製セメダイン1500、EP−007、アルフ
ァ技研社製R−2007、H−1004などは水や有機
溶剤などの溶媒で膨潤し、接着強度が低下してヘッドが
破壊されたり、インクの漏れをおこしたりする。同じく
エポキシ系接着剤の田岡化学社製テクノダインAH30
41Wはこれらの接着剤よりも耐性があるが、まだ充分
とはいえなかった。
【0005】一方、インクジェットに使用される接着剤
には耐インク性のほかに以下のような性能が必要とされ
る。製造上の性能として未硬化時の保存安定性が高いこ
と、硬化温度が低いこと、塗設時の粘度が一定の範囲に
あること、塗設方法への適性があることなどが挙げられ
る。
には耐インク性のほかに以下のような性能が必要とされ
る。製造上の性能として未硬化時の保存安定性が高いこ
と、硬化温度が低いこと、塗設時の粘度が一定の範囲に
あること、塗設方法への適性があることなどが挙げられ
る。
【0006】接着作業前または作業中に意図しない硬化
が進行して接着後の性能を低下させないために未硬化時
の保存安定性が高いことが必要である。主剤と硬化剤を
接着前に混合する2液性の接着剤は保存安定性にすぐれ
るが、硬化を均一に進ませるための2液の均一な混合が
必要で、作業性に劣り、また作業中に硬化が進み、接着
剤の物性値が経時で変化するために塗設条件が変化して
しまう。常温で硬化が進行しない潜在形の硬化剤を使用
した1液性の接着剤が好ましいが、常温での硬化を完全
に阻止することが難しく、通常は低温で保存する必要が
ある。
が進行して接着後の性能を低下させないために未硬化時
の保存安定性が高いことが必要である。主剤と硬化剤を
接着前に混合する2液性の接着剤は保存安定性にすぐれ
るが、硬化を均一に進ませるための2液の均一な混合が
必要で、作業性に劣り、また作業中に硬化が進み、接着
剤の物性値が経時で変化するために塗設条件が変化して
しまう。常温で硬化が進行しない潜在形の硬化剤を使用
した1液性の接着剤が好ましいが、常温での硬化を完全
に阻止することが難しく、通常は低温で保存する必要が
ある。
【0007】インクジェットヘッドの接着は10μm以
下のきわめて高い寸法精度が要求されるが、接着時の硬
化温度が高いと接着される部材間の熱膨張率の違いで、
位置精度を保つことが困難となる。
下のきわめて高い寸法精度が要求されるが、接着時の硬
化温度が高いと接着される部材間の熱膨張率の違いで、
位置精度を保つことが困難となる。
【0008】また、圧電素子は通常100〜150℃以
上に温度をあげると分極が消失して圧電効果が見られな
くなったり、効率が低下したりする。このために硬化温
度は低いほどよい。しかし、単に低い温度で硬化させる
と、架橋密度が上がらず、硬化後の接着強度、弾性率、
耐インク性が低下する。
上に温度をあげると分極が消失して圧電効果が見られな
くなったり、効率が低下したりする。このために硬化温
度は低いほどよい。しかし、単に低い温度で硬化させる
と、架橋密度が上がらず、硬化後の接着強度、弾性率、
耐インク性が低下する。
【0009】インクジェットヘッドは100μm以下の
ノズルやインク流路から成り立っており、接着面以外へ
の接着剤のはみ出しは数μm以下にする必要がある。こ
のため、接着剤の塗設は転写、スクリーン印刷、フレキ
ソ印刷などで行われ、特にスクリーン印刷、フレキソ印
刷が好ましいが、このような印刷適性が要求させる。特
に粘度は高すぎると塗設できないし、低すぎるとはみ出
し、流れ出しが生じるので、一定の範囲にあることが必
要である。
ノズルやインク流路から成り立っており、接着面以外へ
の接着剤のはみ出しは数μm以下にする必要がある。こ
のため、接着剤の塗設は転写、スクリーン印刷、フレキ
ソ印刷などで行われ、特にスクリーン印刷、フレキソ印
刷が好ましいが、このような印刷適性が要求させる。特
に粘度は高すぎると塗設できないし、低すぎるとはみ出
し、流れ出しが生じるので、一定の範囲にあることが必
要である。
【0010】はみ出し、流れ出し防止や位置精度に効果
がある方法として接着剤を接着させる少なくとも一方の
部材に塗設した後に、Bステージ化させて接着すること
が好ましい。Bステージとは硬化(重合反応)がある程
度進行したところで一旦重合反応の進行を停止させ、常
温ではほとんど硬化が進まなくなる安定な状態となるこ
とをいう。
がある方法として接着剤を接着させる少なくとも一方の
部材に塗設した後に、Bステージ化させて接着すること
が好ましい。Bステージとは硬化(重合反応)がある程
度進行したところで一旦重合反応の進行を停止させ、常
温ではほとんど硬化が進まなくなる安定な状態となるこ
とをいう。
【0011】硬化後の性能として、接着強度が高いこ
と、弾性率が高いことなどが挙げられる。接着部分がヘ
ッドの他の部分の耐久時間以内にはがれてしまわないだ
けの接着強度とその耐久性が必要である。圧力発生部材
の接着では、弾性率が低いと圧力が逃げて効率が低下す
るために、特に高いことが要求される。
と、弾性率が高いことなどが挙げられる。接着部分がヘ
ッドの他の部分の耐久時間以内にはがれてしまわないだ
けの接着強度とその耐久性が必要である。圧力発生部材
の接着では、弾性率が低いと圧力が逃げて効率が低下す
るために、特に高いことが要求される。
【0012】本発明は、さまざまなインクに対して高い
耐性をもつインクジェットヘッド、および、そのインク
ジェットヘッドを作業性よく高効率で得られるインクジ
ェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
耐性をもつインクジェットヘッド、および、そのインク
ジェットヘッドを作業性よく高効率で得られるインクジ
ェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明インクジェットヘッド及びその製造方法は、以
下のように構成した。
に本発明インクジェットヘッド及びその製造方法は、以
下のように構成した。
【0014】請求項1に記載の発明は、少なくとも2つ
の部材を接着剤で接合したインクジェットヘッドにおい
て、インクに接する接合部分の接着剤の少なくとも一部
に、ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤
を用いたことを特徴とするインクジェットヘッドであ
る。
の部材を接着剤で接合したインクジェットヘッドにおい
て、インクに接する接合部分の接着剤の少なくとも一部
に、ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤
を用いたことを特徴とするインクジェットヘッドであ
る。
【0015】請求項1に記載の発明によると、他の特性
を犠牲にすることなく、さまざまなインクに対して耐性
をもつインクジェットヘッドを提供することができる。
を犠牲にすることなく、さまざまなインクに対して耐性
をもつインクジェットヘッドを提供することができる。
【0016】請求項2に記載の発明は、前記ポリシロキ
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、ジシアンジ
アミドまたはジシアンジアミドの誘導体を硬化剤として
含有していることを特徴とする請求項1に記載のインク
ジェットヘッドである。
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、ジシアンジ
アミドまたはジシアンジアミドの誘導体を硬化剤として
含有していることを特徴とする請求項1に記載のインク
ジェットヘッドである。
【0017】請求項2に記載の発明によると、常温で硬
化反応がおこらず、あらかじめ主剤であるポリシロキサ
ン変性エポキシ樹脂と硬化剤を混合した状態で保存でき
る一液型の接着剤として使用できるために作業性に優
れ、接着剤をBステージ化させてから接着して、接着剤
のはみ出しが少なく、接着位置精度の高い接着をするこ
とができる。
化反応がおこらず、あらかじめ主剤であるポリシロキサ
ン変性エポキシ樹脂と硬化剤を混合した状態で保存でき
る一液型の接着剤として使用できるために作業性に優
れ、接着剤をBステージ化させてから接着して、接着剤
のはみ出しが少なく、接着位置精度の高い接着をするこ
とができる。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記ポリシロキ
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、脂肪族アミ
ンエポキシアダクトを反応促進剤として含有しているこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
トヘッドである。
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、脂肪族アミ
ンエポキシアダクトを反応促進剤として含有しているこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
トヘッドである。
【0019】請求項3に記載の発明によると、接着剤を
塗設する部材への塗れ性を良好にすることができる。ま
た、接着時の硬化温度を低くでき、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化をおこさずに接着強度を上げることができ
る。
塗設する部材への塗れ性を良好にすることができる。ま
た、接着時の硬化温度を低くでき、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化をおこさずに接着強度を上げることができ
る。
【0020】請求項4に記載の発明は、インクを吐出す
るノズルを形成したノズルプレートとインクを吐出させ
るためのエネルギーを発生させる圧力室とを備え、前記
ノズルプレートと他の部材との接合部分に、前記ポリシ
ロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いたこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク
ジェットヘッドである。
るノズルを形成したノズルプレートとインクを吐出させ
るためのエネルギーを発生させる圧力室とを備え、前記
ノズルプレートと他の部材との接合部分に、前記ポリシ
ロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いたこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク
ジェットヘッドである。
【0021】請求項4に記載の発明によると、ノズルプ
レートの接着位置が高精度で、ノズル、インク流路、圧
力室への接着剤のはみ出しがなく、飛翔するインク滴の
液滴量、速度、射出角度の安定したインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
レートの接着位置が高精度で、ノズル、インク流路、圧
力室への接着剤のはみ出しがなく、飛翔するインク滴の
液滴量、速度、射出角度の安定したインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
【0022】請求項5に記載の発明は、インクを吐出さ
せるためのエネルギーを発生させる圧力室を備え、前記
圧力室のインク導入側に設けられてインクの流動を制限
する部材と、他の部材との接合部分に、前記ポリシロキ
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いたことを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェ
ットヘッドである。
せるためのエネルギーを発生させる圧力室を備え、前記
圧力室のインク導入側に設けられてインクの流動を制限
する部材と、他の部材との接合部分に、前記ポリシロキ
サン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いたことを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェ
ットヘッドである。
【0023】請求項5に記載の発明によると、ノズルや
圧力室内のインクの挙動を制御して、安定に高速の駆動
の可能なインクジェットヘッドを提供することができ
る。
圧力室内のインクの挙動を制御して、安定に高速の駆動
の可能なインクジェットヘッドを提供することができ
る。
【0024】請求項6に記載の発明は、インクを吐出さ
せるためのエネルギーを発生させる圧力室を備え、前記
圧力室が複数の部材から構成されており、前記複数の部
材のうち少なくとも2つの部材間の接合部分に、前記ポ
リシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用い
たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイ
ンクジェットヘッドである。
せるためのエネルギーを発生させる圧力室を備え、前記
圧力室が複数の部材から構成されており、前記複数の部
材のうち少なくとも2つの部材間の接合部分に、前記ポ
リシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用い
たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイ
ンクジェットヘッドである。
【0025】請求項6に記載の発明によると、圧力室を
構成する部材の接着硬度を上げることができ、圧力の損
失を少なくして、効率の高いインクジェットヘッドを提
供することができる。
構成する部材の接着硬度を上げることができ、圧力の損
失を少なくして、効率の高いインクジェットヘッドを提
供することができる。
【0026】請求項7に記載の発明は、前記圧力室の外
側に形成された圧電素子に電圧を印可し、前記圧電素子
を伸縮して変形させることにより、前記圧力室を変形し
てインクを吐出させるためのエネルギーを発生させるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク
ジェットヘッドである。
側に形成された圧電素子に電圧を印可し、前記圧電素子
を伸縮して変形させることにより、前記圧力室を変形し
てインクを吐出させるためのエネルギーを発生させるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインク
ジェットヘッドである。
【0027】請求項7に記載の発明によると、圧電素子
の効率の高い変形モードにより圧力を発生させて、吐出
のための発生圧力が高いインクジェットヘッドを提供す
ることができる。
の効率の高い変形モードにより圧力を発生させて、吐出
のための発生圧力が高いインクジェットヘッドを提供す
ることができる。
【0028】請求項8に記載の発明は、前記圧力室内に
発熱体を設け、前記発熱体に通電することによりインク
を気化させてインクを吐出させるためのエネルギーを発
生させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載のインクジェトヘッドである。
発熱体を設け、前記発熱体に通電することによりインク
を気化させてインクを吐出させるためのエネルギーを発
生させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載のインクジェトヘッドである。
【0029】請求項8に記載の発明によると、吐出のた
めの発生圧力が高く、安価で製造の容易なインクジェッ
トヘッドを提供することができる。
めの発生圧力が高く、安価で製造の容易なインクジェッ
トヘッドを提供することができる。
【0030】請求項9に記載の発明は、前記圧力室を構
成する部材の全部または一部を圧電素子で形成し、前記
圧電素子に電圧を印可して剪断変形をさせることにより
インクを吐出させるためのエネルギーを発生させること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジ
ェットヘッドである。
成する部材の全部または一部を圧電素子で形成し、前記
圧電素子に電圧を印可して剪断変形をさせることにより
インクを吐出させるためのエネルギーを発生させること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジ
ェットヘッドである。
【0031】請求項9に記載の発明によると、圧電素子
に溝を切ることで圧力室を形成して、高速駆動が可能で
製造の容易なインクジェットヘッドを提供することがで
きる。
に溝を切ることで圧力室を形成して、高速駆動が可能で
製造の容易なインクジェットヘッドを提供することがで
きる。
【0032】請求項10に記載の発明は、前記圧電素子
は、互いに異なる方向に分極された2つの圧電素子が前
記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤で
接合されていることを特徴とする請求項9に記載のイン
クジェットヘッドである。
は、互いに異なる方向に分極された2つの圧電素子が前
記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤で
接合されていることを特徴とする請求項9に記載のイン
クジェットヘッドである。
【0033】請求項10に記載の発明によると、圧電素
子の変形を大きくして、効率の高いインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
子の変形を大きくして、効率の高いインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
【0034】請求項11に記載の発明は、インクジェッ
トヘッドを構成する少なくとも2つの部材を接着剤で接
合するインクジェットヘッドの製造方法において、2つ
の部材を接合するために少なくとも一方の部材にポリシ
ロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を塗設する
工程と、前記塗設した接着剤を加熱してBステージ化さ
せる工程と、前記2つの部材を加圧しつつ前記接着剤を
加熱し硬化させて前記2つの部材を接合する工程とを有
することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
である。
トヘッドを構成する少なくとも2つの部材を接着剤で接
合するインクジェットヘッドの製造方法において、2つ
の部材を接合するために少なくとも一方の部材にポリシ
ロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を塗設する
工程と、前記塗設した接着剤を加熱してBステージ化さ
せる工程と、前記2つの部材を加圧しつつ前記接着剤を
加熱し硬化させて前記2つの部材を接合する工程とを有
することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
である。
【0035】請求項11に記載の発明によると、耐イン
ク性の高い接着剤を用いて、接着剤のはみ出しや流れ出
しがなく、高い位置精度のインクジェットヘッドを効率
よく製造する方法を提供することができる。
ク性の高い接着剤を用いて、接着剤のはみ出しや流れ出
しがなく、高い位置精度のインクジェットヘッドを効率
よく製造する方法を提供することができる。
【0036】本発明の接着剤は、ポリシロキサン変性エ
ポキシ樹脂を含有する接着剤である。このポリシロキサ
ン変性エポキシ樹脂は、接着剤の主剤として50モル%
以上含有されていることが好ましい。なお、本発明のポ
リシロキサン変性エポキシ樹脂は、エポキシ変性ポリシ
ロキサン樹脂と同義であり、どちらでもよいものであ
る。
ポキシ樹脂を含有する接着剤である。このポリシロキサ
ン変性エポキシ樹脂は、接着剤の主剤として50モル%
以上含有されていることが好ましい。なお、本発明のポ
リシロキサン変性エポキシ樹脂は、エポキシ変性ポリシ
ロキサン樹脂と同義であり、どちらでもよいものであ
る。
【0037】本発明の代表的なポリシロキサン変性エポ
キシ樹脂は、例えば、下記構造式(1)によって示され
る化合物である(ただしn=1〜10)。
キシ樹脂は、例えば、下記構造式(1)によって示され
る化合物である(ただしn=1〜10)。
【0038】
【化1】 〔式中、Rは、n=1のときは下記構造式(2)によっ
て示されるポリシロキサン基であり、n≧2のときは下
記構造式(2)によって示されるポリシロキサン基また
は水素原子であり且つnのうち少なくも1つは下記構造
式(2)によって示されるポリシロキサン基である(た
だしm=0〜100)。〕
て示されるポリシロキサン基であり、n≧2のときは下
記構造式(2)によって示されるポリシロキサン基また
は水素原子であり且つnのうち少なくも1つは下記構造
式(2)によって示されるポリシロキサン基である(た
だしm=0〜100)。〕
【0039】
【化2】
【0040】ポリシロキサン変性エポキシ樹脂の骨格部
分は構造式(1)に示したビスフェノールA(1−1)
のほか、テトラブロムビスフェノールA(1−2)、ビ
スフェノールF(1−3)、ビスフェノールAD(1−
4)、ビスフェノールZ(1−5)、(1−6)、(1
−7)、(1−8)、(1−9)など、従来のエポキシ
樹脂接着剤の主剤として知られている構造でもよい。
分は構造式(1)に示したビスフェノールA(1−1)
のほか、テトラブロムビスフェノールA(1−2)、ビ
スフェノールF(1−3)、ビスフェノールAD(1−
4)、ビスフェノールZ(1−5)、(1−6)、(1
−7)、(1−8)、(1−9)など、従来のエポキシ
樹脂接着剤の主剤として知られている構造でもよい。
【0041】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0042】ポリシロキサン変性エポキシ樹脂は、例え
ば、オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物お
よび該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なく
とも一種を、エポキシ樹脂の遊離の水酸基に位置選択的
に化学結合させることによって得られる。
ば、オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物お
よび該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なく
とも一種を、エポキシ樹脂の遊離の水酸基に位置選択的
に化学結合させることによって得られる。
【0043】オルガノシランとしては、例えば、R1 n
Si(OR2 )4-n(式中、R1 は同一または異なり、
炭素数1〜8の有機基、R2 は同一または異なり、炭素
数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基も
しくはフェニル基を示し、nは0〜2の整数である)が
あげられ、具体的には、たとえば、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等
のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキ
シシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリ
メトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジ
アルコキシシラン類、ハロゲン系のジメチルジクロルシ
ラン、メチルトリクロルシラン、トリメチルモノクロル
シランなどがあげられる。
Si(OR2 )4-n(式中、R1 は同一または異なり、
炭素数1〜8の有機基、R2 は同一または異なり、炭素
数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基も
しくはフェニル基を示し、nは0〜2の整数である)が
あげられ、具体的には、たとえば、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等
のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、
イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキ
シシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリ
メトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジ
アルコキシシラン類、ハロゲン系のジメチルジクロルシ
ラン、メチルトリクロルシラン、トリメチルモノクロル
シランなどがあげられる。
【0044】この反応の触媒としては、例えば、酸性化
合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有
機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以
下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物
をまとめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。
合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有
機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以
下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物
をまとめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。
【0045】上記酸性化合物としては、例えば、酢酸、
塩酸、硫酸、リン酸、メタスルホン酸、アルキルチタン
酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などを挙げるこ
とができ、好ましくは、酢酸である。
塩酸、硫酸、リン酸、メタスルホン酸、アルキルチタン
酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などを挙げるこ
とができ、好ましくは、酢酸である。
【0046】上記アルカリ性化合物としては、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることが
でき、好ましくは、水酸化ナトリウムである。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることが
でき、好ましくは、水酸化ナトリウムである。
【0047】上記塩化合物としては、例えば、ナフテン
酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸な
どのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸な
どのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
【0048】上記アミン化合物としては、例えば、エチ
レンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジ
ン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノ
プロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・
トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミ
ノプロピル・トリメトキシシラン、3−(2−アミノエ
チル)−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−
(2−アミノエチル)−アミノプロピル・メチル・ジメ
トキシシラン、3−アニリノプロピル・トリメトキシシ
ランや、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類の
ほか、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性
アミンなどを挙げることができ、好ましくは、3−アミ
ノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル
・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−ア
ミノプロピル・トリエトキシシランである。
レンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジ
ン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノ
プロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・
トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミ
ノプロピル・トリメトキシシラン、3−(2−アミノエ
チル)−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−
(2−アミノエチル)−アミノプロピル・メチル・ジメ
トキシシラン、3−アニリノプロピル・トリメトキシシ
ランや、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類の
ほか、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性
アミンなどを挙げることができ、好ましくは、3−アミ
ノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル
・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−ア
ミノプロピル・トリエトキシシランである。
【0049】上記有機金属化合物等としては、例えば、
下記一般式(3)で表される化合物(以下「有機金属化
合物(3)」という)、同一のスズ原子に結合した炭素
数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価スズの有
機金属化合物(以下「有機スズ化合物」という)、ある
いは、これらの化合物の部分加水分解物などを挙げるこ
とができる。 M(OR3)p (R4COCHCOR5)q (3) 〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R3およびR4は、同一または異なって、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭
素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R 5は、R3およ
びR4 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほ
か、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−
プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、
t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ
基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、pお
よびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子価)
である。〕
下記一般式(3)で表される化合物(以下「有機金属化
合物(3)」という)、同一のスズ原子に結合した炭素
数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価スズの有
機金属化合物(以下「有機スズ化合物」という)、ある
いは、これらの化合物の部分加水分解物などを挙げるこ
とができる。 M(OR3)p (R4COCHCOR5)q (3) 〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R3およびR4は、同一または異なって、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭
素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R 5は、R3およ
びR4 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほ
か、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−
プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、
t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ
基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、pお
よびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子価)
である。〕
【0050】有機金属化合物(3)の具体例としては、
例えば、 (イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物; (ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)
チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トン)チタニウムなどの有機チタン化合物; (ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物などを挙げることができる。
例えば、 (イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物; (ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)
チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トン)チタニウムなどの有機チタン化合物; (ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物などを挙げることができる。
【0051】これらの有機金属化合物(2)およびその
部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルア
セトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、
これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルア
セトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、
これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0052】有機スズ化合物の具体例としては、例え
ば、(C4H9)2Sn(OCOC11H2 3)2、(C4H9)
2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2
Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)
2Sn(OCOC8H17)2、(C8H17)2Sn(OCO
C11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHC
OOCH3 )2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CH
COOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=C
HCOOC8H17)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=
CHCOOC16H33)2、(C8H17)2Sn(OCOC
H=CHCOOC1 7H35)2、(C8H17)2Sn(OC
OCH=CHCOOC18H37)2、(C8H17)2Sn O
COCH=CHCOOC20H41)2、
ば、(C4H9)2Sn(OCOC11H2 3)2、(C4H9)
2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2
Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)
2Sn(OCOC8H17)2、(C8H17)2Sn(OCO
C11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHC
OOCH3 )2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CH
COOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=C
HCOOC8H17)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=
CHCOOC16H33)2、(C8H17)2Sn(OCOC
H=CHCOOC1 7H35)2、(C8H17)2Sn(OC
OCH=CHCOOC18H37)2、(C8H17)2Sn O
COCH=CHCOOC20H41)2、
【化12】 (C4H9)2Sn(OCOC11H23)3、(C4H9)2S
n(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
n(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
【0053】(C4H9)2Sn(SCH2COOC
8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2CH2COOC8H
17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2、
(C8H17) 2Sn(SCH2CH2COOC8H17)2、
(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、(C8
H17)2Sn(SCH2CH2COOC12H25)2、(C4
H9)Sn(SCOCH=CHCOOC8H17)3、(C8
H17)Sn(SCOCH=CHCOOC8H17)3、
8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2CH2COOC8H
17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2、
(C8H17) 2Sn(SCH2CH2COOC8H17)2、
(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、(C8
H17)2Sn(SCH2CH2COOC12H25)2、(C4
H9)Sn(SCOCH=CHCOOC8H17)3、(C8
H17)Sn(SCOCH=CHCOOC8H17)3、
【化13】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0054】(C4H9)2Sn=S、(C8H17)2Sn
=S、
=S、
【化14】 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0055】(C4H9)SnCl3、(C4H9)2SnC
l2、(C8H17)2SnCl2、
l2、(C8H17)2SnCl2、
【化15】 などのクロライド型有機スズ化合物;
【0056】(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO
などの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサ
イドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合
物との反応生成物などを挙げることができる。
などの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサ
イドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合
物との反応生成物などを挙げることができる。
【0057】触媒は、例えば、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他
の反応遅延剤と混合して使用することもできる。これら
の触媒は、固形分100重量部に対して、通常、例えば
0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用
いられる。また遊離の水酸基のみの反応が進み、エポキ
シ環を開環させない反応条件で反応させることが好まし
い。
混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他
の反応遅延剤と混合して使用することもできる。これら
の触媒は、固形分100重量部に対して、通常、例えば
0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用
いられる。また遊離の水酸基のみの反応が進み、エポキ
シ環を開環させない反応条件で反応させることが好まし
い。
【0058】本発明のポリシロキサン変性エポキシ樹脂
において、結合させるポリシロキサンはSiO2に換算
して5〜50%の重量であることが好ましい。また、主
剤としてポリシロキサン変性エポキシ樹脂を未変性のエ
ポキシ樹脂と混合したものを用いることもできる。
において、結合させるポリシロキサンはSiO2に換算
して5〜50%の重量であることが好ましい。また、主
剤としてポリシロキサン変性エポキシ樹脂を未変性のエ
ポキシ樹脂と混合したものを用いることもできる。
【0059】本発明の接着剤に用いられる硬化剤は、例
えば、脂肪族アミン(代表的なものとしてジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ジプロピレンジアミン、メタキシリレンジア
ミン、ジエチルアミノプロピルアミン)、脂環族アミン
(代表的なものとしてメンセンジアミン、イソホロンジ
アミン、Nアミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3
−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオイサ
スピロ(5,5)ウンデカンアダクト、1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン)、芳香族アミン(代表的なも
のにメタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジア
ミン)、酸無水物(代表的なものにドデセニル無水コハ
ク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸)な
ど従来のエポキシ樹脂を主剤とした接着剤の硬化剤が使
用できるが、ジシアンジアミド(H2N−C(NH)−
NH−CN)、またはその誘導体(代表的なものにo−
トリルビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニド、
α,ω−ジフェニルビグアニド、5−ヒドロキシナフチ
ル−1−ビグアニド、α,α’−ビスグラニルグアニジ
ノジフェニルエーテル、フェニルビグアニド、p−クロ
ルフェニルビグアニド、α−バンジルビグアニド、α,
α’−ヘキサメチレン[ω−(p−クロルフェニル)]
ビグアニド、o−トリルビグアニド亜鉛塩、ジフェニル
ビグアニド鉄塩、フェニルビグアニド銅塩、ビグアニド
ニッケル塩、エチレンビスビグアニド塩酸塩、ラウリル
ビグアニド塩酸塩、フェニルビグアニドオキサレート)
を用いると常温で硬化反応がおこらず、あらかじめ主剤
と硬化剤を混合した状態で保存できる一液型の接着剤と
して使用できるために作業性に優れ、またBステージを
安定に得ることができるので好ましい。硬化剤の配合比
率は当量または当量の60%以上であれば、接着後に十
分な接着強度、弾性率、耐インク性、耐久性を得ること
ができる。
えば、脂肪族アミン(代表的なものとしてジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ジプロピレンジアミン、メタキシリレンジア
ミン、ジエチルアミノプロピルアミン)、脂環族アミン
(代表的なものとしてメンセンジアミン、イソホロンジ
アミン、Nアミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3
−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオイサ
スピロ(5,5)ウンデカンアダクト、1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン)、芳香族アミン(代表的なも
のにメタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジア
ミン)、酸無水物(代表的なものにドデセニル無水コハ
ク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸)な
ど従来のエポキシ樹脂を主剤とした接着剤の硬化剤が使
用できるが、ジシアンジアミド(H2N−C(NH)−
NH−CN)、またはその誘導体(代表的なものにo−
トリルビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニド、
α,ω−ジフェニルビグアニド、5−ヒドロキシナフチ
ル−1−ビグアニド、α,α’−ビスグラニルグアニジ
ノジフェニルエーテル、フェニルビグアニド、p−クロ
ルフェニルビグアニド、α−バンジルビグアニド、α,
α’−ヘキサメチレン[ω−(p−クロルフェニル)]
ビグアニド、o−トリルビグアニド亜鉛塩、ジフェニル
ビグアニド鉄塩、フェニルビグアニド銅塩、ビグアニド
ニッケル塩、エチレンビスビグアニド塩酸塩、ラウリル
ビグアニド塩酸塩、フェニルビグアニドオキサレート)
を用いると常温で硬化反応がおこらず、あらかじめ主剤
と硬化剤を混合した状態で保存できる一液型の接着剤と
して使用できるために作業性に優れ、またBステージを
安定に得ることができるので好ましい。硬化剤の配合比
率は当量または当量の60%以上であれば、接着後に十
分な接着強度、弾性率、耐インク性、耐久性を得ること
ができる。
【0060】さらに、ポリシロキサン変性エポキシ樹脂
の主剤および硬化剤に加えて、ポリアミンをエポキシ樹
脂、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのアダクト
として添加すると、反応促進剤としてはたらき、硬化温
度を低下させることができる。特に脂肪族アミンエポキ
シアダクトを反応促進剤として用いることにより100
℃以下で硬化反応が開始するので、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化をおこさない温度で硬化させても接着後に
十分な接着強度、弾性率、耐インク性、耐久性を得るこ
とができる。
の主剤および硬化剤に加えて、ポリアミンをエポキシ樹
脂、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのアダクト
として添加すると、反応促進剤としてはたらき、硬化温
度を低下させることができる。特に脂肪族アミンエポキ
シアダクトを反応促進剤として用いることにより100
℃以下で硬化反応が開始するので、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化をおこさない温度で硬化させても接着後に
十分な接着強度、弾性率、耐インク性、耐久性を得るこ
とができる。
【0061】その他に、微粒子を分散添加することによ
り接着剤の粘度、接着後の厚さを制御することができ
る。アルミナ、シリカなどを、径が0.01〜10μm
の範囲で単独もしくは2種類以上添加することが好まし
い。また、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを
分散添加することにより接着後の弾性率を増すことがで
きる。
り接着剤の粘度、接着後の厚さを制御することができ
る。アルミナ、シリカなどを、径が0.01〜10μm
の範囲で単独もしくは2種類以上添加することが好まし
い。また、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを
分散添加することにより接着後の弾性率を増すことがで
きる。
【0062】次に、本発明の接着剤をインクに接する接
合部分に用いたインクジェットヘッドに使用可能なイン
クについて説明する。
合部分に用いたインクジェットヘッドに使用可能なイン
クについて説明する。
【0063】本発明のインクジェットヘッドで吐出させ
ることのできるインクには、例えば、水性溶媒に水溶性
染料を溶解させた水性染料インク、油性溶媒に油溶性染
料を溶解させた油性染料インク、水性溶媒に水に不溶ま
たは難溶の染料を分散させた分散染料インク、水性溶媒
または油性溶媒に顔料を分散させた水性または油性の顔
料インクなどが挙げられる。溶媒として使用される代表
的な化合物としては、例えば、水、アルコール類(例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール)、脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフ
ィン系炭化水素、脂肪酸及び脂肪酸エステル、安息香酸
エステル、フタル酸エステル、アミド類(例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ケトン
あるいはケトアルコール類(例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル等)、ポリアルキレングリコール類(例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ア
ルキレングリコール類(例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等)、グリセリン、エーテル類(例えばアニソ
ール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレング
リコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル等)等が挙げられ、
通常は、それら幾つかの混合物が用いられる。
ることのできるインクには、例えば、水性溶媒に水溶性
染料を溶解させた水性染料インク、油性溶媒に油溶性染
料を溶解させた油性染料インク、水性溶媒に水に不溶ま
たは難溶の染料を分散させた分散染料インク、水性溶媒
または油性溶媒に顔料を分散させた水性または油性の顔
料インクなどが挙げられる。溶媒として使用される代表
的な化合物としては、例えば、水、アルコール類(例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール)、脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフ
ィン系炭化水素、脂肪酸及び脂肪酸エステル、安息香酸
エステル、フタル酸エステル、アミド類(例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ケトン
あるいはケトアルコール類(例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル等)、ポリアルキレングリコール類(例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ア
ルキレングリコール類(例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等)、グリセリン、エーテル類(例えばアニソ
ール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレング
リコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル等)等が挙げられ、
通常は、それら幾つかの混合物が用いられる。
【0064】顔料は、水、油などに不溶の白色または有
色の粉体である。染料には、直接染料、酸性染料、反応
性染料、塩基性染料、分散染料などがあり、単独で、あ
るいは、複数種類を併用して溶媒中に溶解または分散さ
れて使用される。分散染料とは油には可溶であるが、水
に不溶または難溶で、水中に分散した系での染色に用い
られる染料を指す。
色の粉体である。染料には、直接染料、酸性染料、反応
性染料、塩基性染料、分散染料などがあり、単独で、あ
るいは、複数種類を併用して溶媒中に溶解または分散さ
れて使用される。分散染料とは油には可溶であるが、水
に不溶または難溶で、水中に分散した系での染色に用い
られる染料を指す。
【0065】これらの顔料及び分散染料は、分散剤及び
その他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に混合
して分散機により分散して用いられる。分散剤として
は、例えば界面活性剤が用いられ、この界面活性剤とし
ては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のい
ずれも用いることができる。また、インクジェットヘッ
ド用のインクには、インク液滴のメディア中への浸透を
加速するために、分散剤とは別に界面活性剤を添加する
ことが好ましい。この界面活性剤としては、インクに対
して保存安定性等に悪影響を及ぼさないものであれば特
に限定されるものではなく、例えば、分散剤として用い
られる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
その他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に混合
して分散機により分散して用いられる。分散剤として
は、例えば界面活性剤が用いられ、この界面活性剤とし
ては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のい
ずれも用いることができる。また、インクジェットヘッ
ド用のインクには、インク液滴のメディア中への浸透を
加速するために、分散剤とは別に界面活性剤を添加する
ことが好ましい。この界面活性剤としては、インクに対
して保存安定性等に悪影響を及ぼさないものであれば特
に限定されるものではなく、例えば、分散剤として用い
られる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
【0066】本発明のインクジェットヘッドに用いられ
るインクには、電気伝導度調節剤を添加することもでき
る。電気伝導度調節剤としては、例えば、塩化カリウ
ム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウムなどの無機塩やトリエタノールアミ
ンなどの水溶性アミンが用いられる。
るインクには、電気伝導度調節剤を添加することもでき
る。電気伝導度調節剤としては、例えば、塩化カリウ
ム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウムなどの無機塩やトリエタノールアミ
ンなどの水溶性アミンが用いられる。
【0067】また、本発明のインクジェットヘッドに用
いられるインクには、吐出安定性、プリントヘッドやイ
ンクカートリッジとの適合性、保存安定性、画像保存
性、その他の諸性能向上を目的として、必要に応じて、
更に、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防錆剤等を添加する
こともできる。
いられるインクには、吐出安定性、プリントヘッドやイ
ンクカートリッジとの適合性、保存安定性、画像保存
性、その他の諸性能向上を目的として、必要に応じて、
更に、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防錆剤等を添加する
こともできる。
【0068】本発明のインクジェットヘッドは、通常の
印字用のインク以外にもさまざまな化合物をそのまま、
または溶媒に溶解又は分散させて吐出することができ、
液晶用カラーフィルターの製造、有機ELディスプレイ
の製造などに応用することができる。
印字用のインク以外にもさまざまな化合物をそのまま、
または溶媒に溶解又は分散させて吐出することができ、
液晶用カラーフィルターの製造、有機ELディスプレイ
の製造などに応用することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、この発明のインクジェット
ヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に係る実施
の形態を説明するが、この発明の態様はこれに限定され
るものではない。
ヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に係る実施
の形態を説明するが、この発明の態様はこれに限定され
るものではない。
【0070】(第1の実施の形態)図1はせん断モード
型のインクジェットヘッドの斜視図であり、図2は圧電
素子の変形を示す図であり、図3は接着剤層を含めた部
分断面図である。
型のインクジェットヘッドの斜視図であり、図2は圧電
素子の変形を示す図であり、図3は接着剤層を含めた部
分断面図である。
【0071】インクジェットヘッド1は、基材2上に、
分極した圧電素子2bを取り付けて溝2aを複数形成
し、この溝2aの両隔壁となる圧電素子2bの内側に電
極3(図2、図3参照)を設け、カバー基板4(図3参
照)を取り付けて溝2aの天井を塞ぎ、さらに溝2aの
出口側をノズルプレート5で覆い、入口側をインクの流
動を制限する部材である供給プレート6で覆い、インク
を吐出させるためのエネルギーを発生させる圧力室Aと
空気室Bを交互に複数形成し、供給プレート6側にイン
ク供給部7を接続している。
分極した圧電素子2bを取り付けて溝2aを複数形成
し、この溝2aの両隔壁となる圧電素子2bの内側に電
極3(図2、図3参照)を設け、カバー基板4(図3参
照)を取り付けて溝2aの天井を塞ぎ、さらに溝2aの
出口側をノズルプレート5で覆い、入口側をインクの流
動を制限する部材である供給プレート6で覆い、インク
を吐出させるためのエネルギーを発生させる圧力室Aと
空気室Bを交互に複数形成し、供給プレート6側にイン
ク供給部7を接続している。
【0072】ノズルプレート5には、圧力室Aに対応す
る部分にノズル孔5aが形成される。このノズル孔5a
を吐出方向に細くなるように形成すると、インクの流動
抵抗が低くなり、また気泡が排出されやすいので好まし
い。供給プレート6には、圧力室Aに対応する部分にイ
ンク導入口6aが形成される。
る部分にノズル孔5aが形成される。このノズル孔5a
を吐出方向に細くなるように形成すると、インクの流動
抵抗が低くなり、また気泡が排出されやすいので好まし
い。供給プレート6には、圧力室Aに対応する部分にイ
ンク導入口6aが形成される。
【0073】インク導入口6aの大きさは、圧力室断面
と同じ大きさにすると、ここに気泡が停滞しないので好
ましいが、インク導入口6aを絞ることにより圧力室内
のインクの圧力波の振動や、ノズル孔内のインクメニス
カスの振動を抑制することができ、インク吐出後の圧力
室内やノズル孔内のインクの状態が早く初期状態に復帰
するので、高速駆動を行う場合には、たとえばインク導
入口6aの大きさをノズル孔と同じ大きさにすると駆動
が安定するので好ましい。
と同じ大きさにすると、ここに気泡が停滞しないので好
ましいが、インク導入口6aを絞ることにより圧力室内
のインクの圧力波の振動や、ノズル孔内のインクメニス
カスの振動を抑制することができ、インク吐出後の圧力
室内やノズル孔内のインクの状態が早く初期状態に復帰
するので、高速駆動を行う場合には、たとえばインク導
入口6aの大きさをノズル孔と同じ大きさにすると駆動
が安定するので好ましい。
【0074】溝2aは、長さ0.5〜10.0mm、深
さ50〜1000μm、幅10〜1000μm程度にす
るのが好ましく、印刷密度の倍の密度で設ける。例え
ば、180DPIで印刷したければ、25400/36
0=70μmおきに設ける。空気室Bの溝幅は、圧力室
Aの溝幅より狭い方が、ノズル密度を高めることができ
るので好ましい。しかし、必要に応じて空気室の溝幅を
適宜選択することが好ましい。
さ50〜1000μm、幅10〜1000μm程度にす
るのが好ましく、印刷密度の倍の密度で設ける。例え
ば、180DPIで印刷したければ、25400/36
0=70μmおきに設ける。空気室Bの溝幅は、圧力室
Aの溝幅より狭い方が、ノズル密度を高めることができ
るので好ましい。しかし、必要に応じて空気室の溝幅を
適宜選択することが好ましい。
【0075】このように、基材2、分極した圧電素子2
b、カバー基板4、ノズルプレート5及び供給プレート
6によりヘッド本体が構成され、ヘッド本体に圧力室A
と空気室Bを圧電素子2bからなる隔壁で区画して交互
に複数形成されている。ヘッド本体は、圧力室Aの出口
側にインクを吐出するノズル孔5aを有するとともに、
圧力室Aの入口側にノズル孔5aと対向する位置にイン
ク導入口6aを有し、このインク導入口6aからノズル
孔5aへインクを供給する圧力室A兼インク流路が形成
されている。
b、カバー基板4、ノズルプレート5及び供給プレート
6によりヘッド本体が構成され、ヘッド本体に圧力室A
と空気室Bを圧電素子2bからなる隔壁で区画して交互
に複数形成されている。ヘッド本体は、圧力室Aの出口
側にインクを吐出するノズル孔5aを有するとともに、
圧力室Aの入口側にノズル孔5aと対向する位置にイン
ク導入口6aを有し、このインク導入口6aからノズル
孔5aへインクを供給する圧力室A兼インク流路が形成
されている。
【0076】インクジェットヘッドの電極3の形成は、
例えば、基材2に圧電素子2aを取り付け、その頭頂部
に保護膜を設けた後、溝隔壁の延長面と一定の角度をな
す面内にある蒸発源から、電極となる金属を蒸発させて
圧電素子全面に金属を蒸着し、この金属の蒸着後に保護
膜を除去して電極3を形成する。このようにすることに
より、簡単に溝隔壁に電極3を形成することができる。
電極となる金属には、例えば、金、銀、アルミニウム、
パラジウム、ニッケル、クロム、タンタル、チタン等を
用いることができる。特に、電気的特性、耐蝕性、加工
性の点から、金、アルミニウム、ニッケルクロム合金が
好ましい。また、無電解メッキにより、金、銀、銅、ニ
ッケルの電極を形成してもよい。
例えば、基材2に圧電素子2aを取り付け、その頭頂部
に保護膜を設けた後、溝隔壁の延長面と一定の角度をな
す面内にある蒸発源から、電極となる金属を蒸発させて
圧電素子全面に金属を蒸着し、この金属の蒸着後に保護
膜を除去して電極3を形成する。このようにすることに
より、簡単に溝隔壁に電極3を形成することができる。
電極となる金属には、例えば、金、銀、アルミニウム、
パラジウム、ニッケル、クロム、タンタル、チタン等を
用いることができる。特に、電気的特性、耐蝕性、加工
性の点から、金、アルミニウム、ニッケルクロム合金が
好ましい。また、無電解メッキにより、金、銀、銅、ニ
ッケルの電極を形成してもよい。
【0077】圧力室A及び空気室Bの左右隔壁(圧電素
子)に別々に形成した電極3を互に繋ぐ接続電極の形成
には、例えば、圧電素子2bにカバー基板4を接合した
後にインク供給側端面とカバー基板4の上面を感光性樹
脂層でマスクし、基材2の溝底壁部の一端を蒸着して各
溝内部の両隔壁に設けた電極3と連通する接続電極を形
成することにより、簡単に各溝内部の両隔壁に設置され
た電極3,3と連通する接続電極を形成することができ
る。
子)に別々に形成した電極3を互に繋ぐ接続電極の形成
には、例えば、圧電素子2bにカバー基板4を接合した
後にインク供給側端面とカバー基板4の上面を感光性樹
脂層でマスクし、基材2の溝底壁部の一端を蒸着して各
溝内部の両隔壁に設けた電極3と連通する接続電極を形
成することにより、簡単に各溝内部の両隔壁に設置され
た電極3,3と連通する接続電極を形成することができ
る。
【0078】そして、各溝内部の両隔壁に設けられた電
極3,3と接続電極を含む面にポリパラキシリレン被膜
(以下、パリレン膜という)を被着して、電極3,3及
び接続電極を絶縁することができる。これは、圧力室A
の電極に電圧を掛け、導電性のインクを使用する場合
に、短絡して、吐出できなくなったり、インクを電気分
解して、気泡を発生させたり、電極を腐蝕させたりする
ことを防止するためである。この絶縁膜としては、パリ
レン膜を用いることが好ましい。このパリレン膜は、固
体のジパラキシリレンダイマーを蒸着源とするCVD
(chemicalvapour Depositio
n)法により形成する。即ち、ジパラキシリレンダイマ
ーが気化、熱分解して発生したジラジカルパラキシリレ
ンが、ヘッド基体上に吸着し重合反応して被膜を形成す
るものである。
極3,3と接続電極を含む面にポリパラキシリレン被膜
(以下、パリレン膜という)を被着して、電極3,3及
び接続電極を絶縁することができる。これは、圧力室A
の電極に電圧を掛け、導電性のインクを使用する場合
に、短絡して、吐出できなくなったり、インクを電気分
解して、気泡を発生させたり、電極を腐蝕させたりする
ことを防止するためである。この絶縁膜としては、パリ
レン膜を用いることが好ましい。このパリレン膜は、固
体のジパラキシリレンダイマーを蒸着源とするCVD
(chemicalvapour Depositio
n)法により形成する。即ち、ジパラキシリレンダイマ
ーが気化、熱分解して発生したジラジカルパラキシリレ
ンが、ヘッド基体上に吸着し重合反応して被膜を形成す
るものである。
【0079】パリレン膜を設けた圧力室に気泡が混入す
ると、パリレン膜面に付着してこびりつき、抜けにく
い。このためパリレン膜の表面を酸素プラズマ処理し
て、親水化することが好ましい。
ると、パリレン膜面に付着してこびりつき、抜けにく
い。このためパリレン膜の表面を酸素プラズマ処理し
て、親水化することが好ましい。
【0080】本実施の形態では、ヘッド本体に圧力室A
と空気室Bを隔壁で区画して交互に複数形成されてお
り、圧電素子2aの変形の影響が、空気室Bで遮断さ
れ、他の圧力室Aに及ばないので、全圧力室Aから同時
に吐出でき、高い周波数で駆動できるようになってい
る。しかし、空気室Bを設けずに隣り合う圧力室Aを同
時に吐出しないように位相をずらして駆動することも可
能である。更に、圧力室Aにインク導入口6aからノズ
ル孔5aへインクを供給するストレートなインク流路を
形成することにより、インク流路に屈曲部を持たないの
で、ここに、気泡が停滞しないようにしているが、カバ
ー基板や基材にインク導入口を設ける構成も可能であ
る。
と空気室Bを隔壁で区画して交互に複数形成されてお
り、圧電素子2aの変形の影響が、空気室Bで遮断さ
れ、他の圧力室Aに及ばないので、全圧力室Aから同時
に吐出でき、高い周波数で駆動できるようになってい
る。しかし、空気室Bを設けずに隣り合う圧力室Aを同
時に吐出しないように位相をずらして駆動することも可
能である。更に、圧力室Aにインク導入口6aからノズ
ル孔5aへインクを供給するストレートなインク流路を
形成することにより、インク流路に屈曲部を持たないの
で、ここに、気泡が停滞しないようにしているが、カバ
ー基板や基材にインク導入口を設ける構成も可能であ
る。
【0081】本実施の形態のインクジェットヘッド1に
使用する圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(商品名P
ZT)が、充填密度が大きく、圧電定数が大きく、加工
性が良いので好ましい。PZTは、焼成後、温度を下げ
ると、急に結晶構造が変化して、原子がズレ、片側がプ
ラス、反対側がマイナスという双極子の形の細かい結晶
の集まりになる。こうした自発分極は方向がランダム
で、極性を互いに打ち消しあっているので、更に分極処
理が必要となる。
使用する圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(商品名P
ZT)が、充填密度が大きく、圧電定数が大きく、加工
性が良いので好ましい。PZTは、焼成後、温度を下げ
ると、急に結晶構造が変化して、原子がズレ、片側がプ
ラス、反対側がマイナスという双極子の形の細かい結晶
の集まりになる。こうした自発分極は方向がランダム
で、極性を互いに打ち消しあっているので、更に分極処
理が必要となる。
【0082】分極処理は、PZTの薄板を電極で挟み、
シリコン油中に漬けて、10〜35kv/cm程度の高
電界を掛けて分極する。分極したPZTに、図3に示す
ように分極方向に直角に電圧を掛けると、圧電素子(P
ZT)の隔壁が圧電滑り効果により、斜め方向にくの字
形に剪断変形して、圧力室Aの容積が膨張して、インク
供給部7からインクが圧力室Aに供給される。この時、
圧力室内に負の圧力波が発生して、インク中を伝わり、
時間L/v(L:圧力室の長さ、vインク中の音速)経
過すると、圧力波が圧力室末端に到達して反射され、位
相が反転して正の圧力波になる。この時、電極に印加し
た電圧をグランドに落とすと、圧電素子の隔壁の変形が
無くなり、圧力室Aの容積が縮小してインクに圧力が掛
かる。反転した正の圧力波と、壁からの圧力が加え合わ
さって、高い圧力がインクに掛かり、ノズル孔5aから
インクが吐出される。圧電素子の変形量が大きい程、イ
ンクに掛かる力が大きくなり、インク滴の吐出速度が早
くなり、吐出の直進性が高くなり、画像の解像度が向上
する。
シリコン油中に漬けて、10〜35kv/cm程度の高
電界を掛けて分極する。分極したPZTに、図3に示す
ように分極方向に直角に電圧を掛けると、圧電素子(P
ZT)の隔壁が圧電滑り効果により、斜め方向にくの字
形に剪断変形して、圧力室Aの容積が膨張して、インク
供給部7からインクが圧力室Aに供給される。この時、
圧力室内に負の圧力波が発生して、インク中を伝わり、
時間L/v(L:圧力室の長さ、vインク中の音速)経
過すると、圧力波が圧力室末端に到達して反射され、位
相が反転して正の圧力波になる。この時、電極に印加し
た電圧をグランドに落とすと、圧電素子の隔壁の変形が
無くなり、圧力室Aの容積が縮小してインクに圧力が掛
かる。反転した正の圧力波と、壁からの圧力が加え合わ
さって、高い圧力がインクに掛かり、ノズル孔5aから
インクが吐出される。圧電素子の変形量が大きい程、イ
ンクに掛かる力が大きくなり、インク滴の吐出速度が早
くなり、吐出の直進性が高くなり、画像の解像度が向上
する。
【0083】圧電素子の変形を大きくするためには、1
枚のPZTを使用して、図2(a)に示すように、その
上半分に電極を設けて、上半分を変形させるよりも、図
2(b)に示すように2枚のPZTを、分極方向が反対
になるように接合して、全面に電極を設け、2枚のPZ
Tに電圧を掛けて使用することが好ましい。これはシェ
ブロン型として特公平6−61936号公報、特公平6
−6375号公報に開示されている。2枚のPZTを分
極方向が反対になるように接合して使用すると、1枚の
PZTの場合よりせん断変形量が倍になるので、同じ変
形量を得るには、駆動電圧が1/2ですむ。反対方向に
分極した2枚のPZTを接合し、それを基材に接合して
隔壁を形成し、圧力室の電極に電圧を掛ける場合には、
隔壁の全面に電極を設け、溝の底部には設けないように
することが好ましい。
枚のPZTを使用して、図2(a)に示すように、その
上半分に電極を設けて、上半分を変形させるよりも、図
2(b)に示すように2枚のPZTを、分極方向が反対
になるように接合して、全面に電極を設け、2枚のPZ
Tに電圧を掛けて使用することが好ましい。これはシェ
ブロン型として特公平6−61936号公報、特公平6
−6375号公報に開示されている。2枚のPZTを分
極方向が反対になるように接合して使用すると、1枚の
PZTの場合よりせん断変形量が倍になるので、同じ変
形量を得るには、駆動電圧が1/2ですむ。反対方向に
分極した2枚のPZTを接合し、それを基材に接合して
隔壁を形成し、圧力室の電極に電圧を掛ける場合には、
隔壁の全面に電極を設け、溝の底部には設けないように
することが好ましい。
【0084】本実施の形態では、図3に示すように、こ
の分極した2枚の圧電素子を接着剤80で接合した圧電
素子2bを用い、それを基材2に接着剤8で接合するこ
とによって、隔壁により区切られるインク流路を備えた
ヘッド本体を形成し、隔壁の側面に金属を蒸着させて電
極を形成した後、このヘッド本体にカバー基板4を接着
剤8で接合して覆っている。
の分極した2枚の圧電素子を接着剤80で接合した圧電
素子2bを用い、それを基材2に接着剤8で接合するこ
とによって、隔壁により区切られるインク流路を備えた
ヘッド本体を形成し、隔壁の側面に金属を蒸着させて電
極を形成した後、このヘッド本体にカバー基板4を接着
剤8で接合して覆っている。
【0085】圧電素子と圧電素子間の接着剤80による
接合では、接着剤層の硬化後の厚みを10〜15μm以
下にすることが好ましく、これにより2枚の圧電素子間
の接着の信頼性が十分となり、インクもれを起こし難
く、電極の接続が阻害される虞を少なくできる。また、
基材と圧電素子間の接着剤8による接合、及びカバー基
板とヘッド本体間の接着剤8による接合では、接着剤層
の硬化後の厚みを2μm以下にすることが好ましく、こ
れにより圧電素子隔壁の変形を吸収してしまう虞を少な
くできる。
接合では、接着剤層の硬化後の厚みを10〜15μm以
下にすることが好ましく、これにより2枚の圧電素子間
の接着の信頼性が十分となり、インクもれを起こし難
く、電極の接続が阻害される虞を少なくできる。また、
基材と圧電素子間の接着剤8による接合、及びカバー基
板とヘッド本体間の接着剤8による接合では、接着剤層
の硬化後の厚みを2μm以下にすることが好ましく、こ
れにより圧電素子隔壁の変形を吸収してしまう虞を少な
くできる。
【0086】このようにして、2枚の圧電素子を分極方
向が反対になるように接着剤で接合した圧電素子2b
を、基材2に接着剤で接合して溝2aを形成して、溝2
aの両隔壁に電極3を設けてから、溝2aの天井をカバ
ー基板4で塞ぐように接着剤で接合し、溝2aの入口、
出口を、インク導入口を持つ供給プレート6とノズル孔
を持つノズルプレート5で塞ぐようにそれぞれ接着剤で
接合する。
向が反対になるように接着剤で接合した圧電素子2b
を、基材2に接着剤で接合して溝2aを形成して、溝2
aの両隔壁に電極3を設けてから、溝2aの天井をカバ
ー基板4で塞ぐように接着剤で接合し、溝2aの入口、
出口を、インク導入口を持つ供給プレート6とノズル孔
を持つノズルプレート5で塞ぐようにそれぞれ接着剤で
接合する。
【0087】基材2及びカバー基板4には、例えば、脱
分極したPZT、フォルステライト(2MgO・SiO
2)、ホトベール(住金ホトンセラミックス社製のホウ
ケ酸ガラスを主成分にフッ素金雲母及びジルコニアを含
む特殊セラミック)、MgO−TiO2−CaOの3成
分系セラミック、BaTiO3、焼結アルミナ、石英ガ
ラス類、焼結コーデュライト、焼結ムライトのいずれ
か、またはジルコニア、安定化ジルコニア、部分安定化
ジルコニア、ジルコニア強化セラミックス、正方晶ジル
コニア多結晶体等を使用することが好ましい。
分極したPZT、フォルステライト(2MgO・SiO
2)、ホトベール(住金ホトンセラミックス社製のホウ
ケ酸ガラスを主成分にフッ素金雲母及びジルコニアを含
む特殊セラミック)、MgO−TiO2−CaOの3成
分系セラミック、BaTiO3、焼結アルミナ、石英ガ
ラス類、焼結コーデュライト、焼結ムライトのいずれ
か、またはジルコニア、安定化ジルコニア、部分安定化
ジルコニア、ジルコニア強化セラミックス、正方晶ジル
コニア多結晶体等を使用することが好ましい。
【0088】また、ノズルプレート5及び供給プレート
6は、例えば、ステンレス、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリリエーテルサルホンなどの金属や樹脂が使用さ
れる。ノズルプレート5および供給プレート6は接着前
にレーザー穿孔、機械穿孔によりノズル孔またはインク
導入口を形成してもよいし、接着後にレーザー穿孔によ
りノズル孔またはインク導入口を形成してもよい。また
ノズルプレート5の吐出側の面は撥インク処理されるこ
とが多いが、接着前の接着面に撥インク処理させると接
着剤による十分な接合が行われなくなる可能性があるの
で、接着前に撥インク処理を行う場合は、接着面が撥イ
ンク処理されないようにすることが好ましい。
6は、例えば、ステンレス、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリリエーテルサルホンなどの金属や樹脂が使用さ
れる。ノズルプレート5および供給プレート6は接着前
にレーザー穿孔、機械穿孔によりノズル孔またはインク
導入口を形成してもよいし、接着後にレーザー穿孔によ
りノズル孔またはインク導入口を形成してもよい。また
ノズルプレート5の吐出側の面は撥インク処理されるこ
とが多いが、接着前の接着面に撥インク処理させると接
着剤による十分な接合が行われなくなる可能性があるの
で、接着前に撥インク処理を行う場合は、接着面が撥イ
ンク処理されないようにすることが好ましい。
【0089】いずれの場合においても、接着剤による接
合を行う際には、接着剤の塗設面は親水化処理をして濡
れ性を増しておくことが好ましい。濡れ性を増す処理と
しては界面活性剤や、酸又はアルカリによる洗浄や、オ
ゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。
合を行う際には、接着剤の塗設面は親水化処理をして濡
れ性を増しておくことが好ましい。濡れ性を増す処理と
しては界面活性剤や、酸又はアルカリによる洗浄や、オ
ゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。
【0090】本実施の形態では、基材と圧電素子間の接
合、及びカバー基板とヘッド本体間の接合を行う接着剤
8、および圧電素子と圧電素子間の接合を行う接着剤8
0に、ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着
剤を用いるとともに、ノズルプレート5の接合、および
供給プレート6の接合を行う接着剤にもポリシロキサン
変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いて、インクジ
ェットヘッドを製造した。基材とカバー基板には脱分極
したPZT、ノズルプレート5にはポリイミドを用い
た。このポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接
着剤の処方の具体例を次に説明する。
合、及びカバー基板とヘッド本体間の接合を行う接着剤
8、および圧電素子と圧電素子間の接合を行う接着剤8
0に、ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着
剤を用いるとともに、ノズルプレート5の接合、および
供給プレート6の接合を行う接着剤にもポリシロキサン
変性エポキシ樹脂を含有する接着剤を用いて、インクジ
ェットヘッドを製造した。基材とカバー基板には脱分極
したPZT、ノズルプレート5にはポリイミドを用い
た。このポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接
着剤の処方の具体例を次に説明する。
【0091】構造式1(n=1、m=10〜30を主と
した混合物)の主剤にジシアンジアミドを硬化剤として
当量の80%、ジエチレントリアミンのフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂のアダクトを反応促進剤として4
重量%加えたものを接着剤Aとし、構造式1(n=2、
m=10〜30を主とした混合物)と未変性のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(n=1)を1:1の割合で混
合した主剤にジシアンジアミドを硬化剤として当量の8
0%、ジエチレントリアミンのフェノールノボラック型
エポキシ樹脂のアダクトを反応促進剤として4重量%加
えたものを接着剤B、として用意した。接着剤Aの粘度
は25℃で30000センチポイズ、接着剤Bの粘度は
25℃で50000センチポイズであった。
した混合物)の主剤にジシアンジアミドを硬化剤として
当量の80%、ジエチレントリアミンのフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂のアダクトを反応促進剤として4
重量%加えたものを接着剤Aとし、構造式1(n=2、
m=10〜30を主とした混合物)と未変性のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(n=1)を1:1の割合で混
合した主剤にジシアンジアミドを硬化剤として当量の8
0%、ジエチレントリアミンのフェノールノボラック型
エポキシ樹脂のアダクトを反応促進剤として4重量%加
えたものを接着剤B、として用意した。接着剤Aの粘度
は25℃で30000センチポイズ、接着剤Bの粘度は
25℃で50000センチポイズであった。
【0092】各接着剤A、Bを接合する一方の部材にス
クリーン印刷法で塗設し、2℃/分の昇温速度で80℃
に昇温した後に30分間この温度を維持して硬化してB
ステージ化させた。その後室温に冷却した後に、もう一
方の部材と重ね合わせ、1kg/cm2の圧力をかけな
がら1℃/分の昇温速度で100℃に昇温した後に30
分間この温度を維持して硬化させた。硬化後に冷却し、
寸法を測定すると、それぞれの部材の室温での寸法を維
持したまま接合され、そりやずれがなかった。また接着
剤のはみ出しも見られなかった。接着剤の変形による圧
力損失が小さく、吐出効率が高いインクジェットヘッド
を得ることができた。
クリーン印刷法で塗設し、2℃/分の昇温速度で80℃
に昇温した後に30分間この温度を維持して硬化してB
ステージ化させた。その後室温に冷却した後に、もう一
方の部材と重ね合わせ、1kg/cm2の圧力をかけな
がら1℃/分の昇温速度で100℃に昇温した後に30
分間この温度を維持して硬化させた。硬化後に冷却し、
寸法を測定すると、それぞれの部材の室温での寸法を維
持したまま接合され、そりやずれがなかった。また接着
剤のはみ出しも見られなかった。接着剤の変形による圧
力損失が小さく、吐出効率が高いインクジェットヘッド
を得ることができた。
【0093】こうして製造したインクジェットヘッドの
耐インク性を調べるために、インクに長時間浸漬し、イ
ンクにその一部が接する接着剤である接着剤A、Bが、
インク中の溶媒で膨潤することによる重量変化を測定し
たときのその変化率から各接着剤の耐インク性を評価し
た。各種の溶媒に60℃で1週間(168時間)浸漬す
る加速試験をおこなった結果、重量変化が4%以下であ
れば特に長期に渡り充分実用に耐え得るものであった。
耐インク性を調べるために、インクに長時間浸漬し、イ
ンクにその一部が接する接着剤である接着剤A、Bが、
インク中の溶媒で膨潤することによる重量変化を測定し
たときのその変化率から各接着剤の耐インク性を評価し
た。各種の溶媒に60℃で1週間(168時間)浸漬す
る加速試験をおこなった結果、重量変化が4%以下であ
れば特に長期に渡り充分実用に耐え得るものであった。
【0094】また、ヘッドを実際に駆動し、耐久試験を
行った。108ショット以上射出できれば実用に耐え得
るものであり、1010ショット以上射出できればヘッド
の交換がほとんど不要となり好ましいものである。
行った。108ショット以上射出できれば実用に耐え得
るものであり、1010ショット以上射出できればヘッド
の交換がほとんど不要となり好ましいものである。
【0095】インク浸漬試験と耐久試験の結果を比較例
ともに以下の表1に示す。全く実用に耐え得ないものを
×、一応実用に耐え得るものは△、充分実用に耐え好ま
しいものを○、また充分実用に耐え、1010ショットの
耐久試験後に分解して検査したところほとんど初期の状
態を維持していて劣化がなかったより好ましいものを◎
とした。
ともに以下の表1に示す。全く実用に耐え得ないものを
×、一応実用に耐え得るものは△、充分実用に耐え好ま
しいものを○、また充分実用に耐え、1010ショットの
耐久試験後に分解して検査したところほとんど初期の状
態を維持していて劣化がなかったより好ましいものを◎
とした。
【0096】
【表1】
【0097】本実施の形態では、導電性インクを使用
し、インクに触れる電極に駆動電圧を印可する場合は電
極保護膜が必要となるために、パリレン膜などの絶縁膜
を形成することがある。接着剤による接合後に、パリレ
ン膜を気相合成法(CVD法)によって、電極保護と同
時にインクに接する接着剤部分の全体を被覆すれば、そ
の接着剤部分もパリレン膜により保護されるために、接
着剤自体での耐インク性は必ずしも必要なくなる。しか
し、パリレン膜を気相合成法で形成するためには開口部
が必要であり、吐出のための圧力を発生させる圧力室を
完成させるために、少なくとも最後に接合される部材の
接着剤は、パリレン膜を気相合成法で形成して保護する
ことができない。圧力室の製造ではノズルプレートまた
は供給プレートを最後に接合することが多い。
し、インクに触れる電極に駆動電圧を印可する場合は電
極保護膜が必要となるために、パリレン膜などの絶縁膜
を形成することがある。接着剤による接合後に、パリレ
ン膜を気相合成法(CVD法)によって、電極保護と同
時にインクに接する接着剤部分の全体を被覆すれば、そ
の接着剤部分もパリレン膜により保護されるために、接
着剤自体での耐インク性は必ずしも必要なくなる。しか
し、パリレン膜を気相合成法で形成するためには開口部
が必要であり、吐出のための圧力を発生させる圧力室を
完成させるために、少なくとも最後に接合される部材の
接着剤は、パリレン膜を気相合成法で形成して保護する
ことができない。圧力室の製造ではノズルプレートまた
は供給プレートを最後に接合することが多い。
【0098】一方、非導電性のインクを吐出させる場合
や圧力室内の電極を常に接地電位として駆動させる場合
は、必ずしも圧力室内に保護膜を設ける必要はない。
や圧力室内の電極を常に接地電位として駆動させる場合
は、必ずしも圧力室内に保護膜を設ける必要はない。
【0099】本実施例においては、ノズルプレートの接
合前にパリレン膜で他のインクに接する接着剤部分に被
覆をした場合と、被覆をせずに圧力室内の電極を常に接
地電位として駆動させた場合の両方の試験を行ったが、
ノズルプレート部分の接着部分のみがインクに触れる場
合と、他の接着部分もインクに触れる場合で差は見られ
なかった。
合前にパリレン膜で他のインクに接する接着剤部分に被
覆をした場合と、被覆をせずに圧力室内の電極を常に接
地電位として駆動させた場合の両方の試験を行ったが、
ノズルプレート部分の接着部分のみがインクに触れる場
合と、他の接着部分もインクに触れる場合で差は見られ
なかった。
【0100】ノズルプレートのノズル孔の径5〜50μ
m程度であり、接着剤がノズル孔内に付着すると吐出し
なくなったり、吐出されるインク滴が小さくなったりし
て性能に重大な影響を及ぼす。また、ノズルプレートに
は複数の圧力室に対応して複数のノズル孔が開けられて
いる。したがって、ノズルプレートの接着剤による接合
に要求される位置精度は、ノズル孔の径、ノズルプレー
トを接合する面のインク流路または圧力室の大きさなど
によって異なるが、通常のインクジェットヘッドではノ
ズル径以下の精度であることが好ましい。ノズル孔の間
隔は10〜1000μmで、64〜1024程度のノズ
ル孔が開けられているものが多いが、更にノズルの数は
多くなる傾向にある。プリントしようとする紙幅全体を
一度にプリントする方式のものでは、例えば7000ノ
ズル、全幅が30cmのものが知られており、この場合
30cmの範囲で10μm程度の位置精度であることが
好ましく、これは33ppmに相当する。
m程度であり、接着剤がノズル孔内に付着すると吐出し
なくなったり、吐出されるインク滴が小さくなったりし
て性能に重大な影響を及ぼす。また、ノズルプレートに
は複数の圧力室に対応して複数のノズル孔が開けられて
いる。したがって、ノズルプレートの接着剤による接合
に要求される位置精度は、ノズル孔の径、ノズルプレー
トを接合する面のインク流路または圧力室の大きさなど
によって異なるが、通常のインクジェットヘッドではノ
ズル径以下の精度であることが好ましい。ノズル孔の間
隔は10〜1000μmで、64〜1024程度のノズ
ル孔が開けられているものが多いが、更にノズルの数は
多くなる傾向にある。プリントしようとする紙幅全体を
一度にプリントする方式のものでは、例えば7000ノ
ズル、全幅が30cmのものが知られており、この場合
30cmの範囲で10μm程度の位置精度であることが
好ましく、これは33ppmに相当する。
【0101】また更に、ノズルプレートに使用されるス
テンレスなどの熱膨張率は、小さいものでも1℃あたり
10ppm程度以上であることを考慮すると、熱膨張率
が異なる部材間の接合では、接着時の加熱で、いかに接
着の位置精度を維持することが難しいかがわかる。そこ
で、本実施の形態では、ポリシロキサン変性エポキシ樹
脂を含有する接着剤を用いてBステージ化工程を経て接
合を行っている。一方の部材に接着剤を塗設し、加熱し
て半硬化させてBステージ化することで、接着剤の流動
性が失われ、また粘着性のある状態となる。これを室温
まで冷却し、もう一方の部材と重ねるとBステージ化し
た接着剤の粘着力により二つの部材の相対的な位置が固
定されるため、熱膨張率の差による接着時の位置ずれが
ない。このとき、Bステージ化した接着剤は流動性がな
いのではみ出したり、流れ出したりすることがない。そ
の後、重ね合わせた2つの部材を加圧しながら加熱する
ことにより接着剤を硬化させて接合を完了している。
テンレスなどの熱膨張率は、小さいものでも1℃あたり
10ppm程度以上であることを考慮すると、熱膨張率
が異なる部材間の接合では、接着時の加熱で、いかに接
着の位置精度を維持することが難しいかがわかる。そこ
で、本実施の形態では、ポリシロキサン変性エポキシ樹
脂を含有する接着剤を用いてBステージ化工程を経て接
合を行っている。一方の部材に接着剤を塗設し、加熱し
て半硬化させてBステージ化することで、接着剤の流動
性が失われ、また粘着性のある状態となる。これを室温
まで冷却し、もう一方の部材と重ねるとBステージ化し
た接着剤の粘着力により二つの部材の相対的な位置が固
定されるため、熱膨張率の差による接着時の位置ずれが
ない。このとき、Bステージ化した接着剤は流動性がな
いのではみ出したり、流れ出したりすることがない。そ
の後、重ね合わせた2つの部材を加圧しながら加熱する
ことにより接着剤を硬化させて接合を完了している。
【0102】本実施の形態では、接合する圧電素子の温
度が上がると、圧電素子の圧電効果が失われるために、
硬化温度を一定の温度より高い温度にすることは好まし
くない。圧電効果が失われる温度は圧電素子の種類、成
分や製造方法によっても異なるが、一般的に圧電効果の
効率の高い圧電素子ほどこの温度が低い。本実施の形態
のインクジェットヘッドに好ましいインク吐出効率が得
られる圧電素子では120℃を超えると圧電効果の効率
が低下するので、接着剤のBステージ化、硬化は120
℃以下で行うことが好ましく、本実施の形態のポリシロ
キサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、このよう
な低温でのBステージ化および硬化を実現できるもので
ある。
度が上がると、圧電素子の圧電効果が失われるために、
硬化温度を一定の温度より高い温度にすることは好まし
くない。圧電効果が失われる温度は圧電素子の種類、成
分や製造方法によっても異なるが、一般的に圧電効果の
効率の高い圧電素子ほどこの温度が低い。本実施の形態
のインクジェットヘッドに好ましいインク吐出効率が得
られる圧電素子では120℃を超えると圧電効果の効率
が低下するので、接着剤のBステージ化、硬化は120
℃以下で行うことが好ましく、本実施の形態のポリシロ
キサン変性エポキシ樹脂を含有する接着剤は、このよう
な低温でのBステージ化および硬化を実現できるもので
ある。
【0103】また、圧力室は圧電素子によって発生させ
る圧力でインクを吐出させるものなので、圧力室がその
圧力で変形してしまうとインクを吐出させる圧力が逃げ
てしまい、効率よくインクを吐出させることができな
い。圧力室を構成する複数の部材の接合に使用する接着
剤の弾性率が低いと、圧力室が変形し、インクジェット
ヘッドの効率が低下する。従って圧力室を構成する部材
の接合に使用する接着剤は、硬化後の弾性率が高いこと
が好ましく、100kg/cm2以上であることが好ま
しい。本実施の形態のポリシロキサン変性エポキシ樹脂
を含有する接着剤は、この弾性率をも満たすものであ
る。
る圧力でインクを吐出させるものなので、圧力室がその
圧力で変形してしまうとインクを吐出させる圧力が逃げ
てしまい、効率よくインクを吐出させることができな
い。圧力室を構成する複数の部材の接合に使用する接着
剤の弾性率が低いと、圧力室が変形し、インクジェット
ヘッドの効率が低下する。従って圧力室を構成する部材
の接合に使用する接着剤は、硬化後の弾性率が高いこと
が好ましく、100kg/cm2以上であることが好ま
しい。本実施の形態のポリシロキサン変性エポキシ樹脂
を含有する接着剤は、この弾性率をも満たすものであ
る。
【0104】なお、本実施の形態では、基材2と圧電素
子2bを別部材で構成し、両者を接着剤で接合した例を
示したが、例えば、分極した2枚のPZT基板を貼り合
わせた圧電素子のヘッド基板を用意し、ダイヤモンド砥
石等により溝2aを形成する構成を採用することもでき
る。この場合にはヘッド構造が単純になる。
子2bを別部材で構成し、両者を接着剤で接合した例を
示したが、例えば、分極した2枚のPZT基板を貼り合
わせた圧電素子のヘッド基板を用意し、ダイヤモンド砥
石等により溝2aを形成する構成を採用することもでき
る。この場合にはヘッド構造が単純になる。
【0105】(第2の実施の形態)図4は圧力室壁に設
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せるタイプのインクジェットヘッドの概略断面図であ
る。
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せるタイプのインクジェットヘッドの概略断面図であ
る。
【0106】具体的には、例えば、複数のノズル孔15
aが設けられた金属製のノズルプレート15と、圧力室
Aのインク導入側に設けられてインクの流動を制限する
部材である、複数のインク導入口16aが設けられた金
属製の供給プレート16とを、流路プレート12aを挟
んで積層、接合することにより、前記ノズル孔15aに
インクを導くインク流路と、前記インク導入口16aに
インクを導くインク供給流路とを、それぞれ内部に形成
せしめ、これに金属や合成樹脂製のプレート12b,1
2c,12dの積層体にて形成された、前記各ノズル孔
15aおよびインク導入口16aに対応する複数の開口
を有する部材を重ね合わせて接着一体化することによ
り、前記ノズル孔15aおよびインク導入口16aの背
後に、それぞれ、圧力室Aを形成すると共に、圧力室A
の壁部に圧電素子13を固着することによって形成され
る。
aが設けられた金属製のノズルプレート15と、圧力室
Aのインク導入側に設けられてインクの流動を制限する
部材である、複数のインク導入口16aが設けられた金
属製の供給プレート16とを、流路プレート12aを挟
んで積層、接合することにより、前記ノズル孔15aに
インクを導くインク流路と、前記インク導入口16aに
インクを導くインク供給流路とを、それぞれ内部に形成
せしめ、これに金属や合成樹脂製のプレート12b,1
2c,12dの積層体にて形成された、前記各ノズル孔
15aおよびインク導入口16aに対応する複数の開口
を有する部材を重ね合わせて接着一体化することによ
り、前記ノズル孔15aおよびインク導入口16aの背
後に、それぞれ、圧力室Aを形成すると共に、圧力室A
の壁部に圧電素子13を固着することによって形成され
る。
【0107】インクジェットヘッド10は、圧力室Aに
供給されたインクが、ノズルプレート15に設けられた
ノズル孔15aを通じて、吐出されるようになってい
る。より詳細には、ノズルプレート15と、圧力室のイ
ンク導入側に開口を有しインクの流動を制限する部材で
ある供給プレート16が、それらの間に流路プレート1
2aを挟んで重ね合わされ、接着剤によって一体的に接
合されてなる構造とされている。
供給されたインクが、ノズルプレート15に設けられた
ノズル孔15aを通じて、吐出されるようになってい
る。より詳細には、ノズルプレート15と、圧力室のイ
ンク導入側に開口を有しインクの流動を制限する部材で
ある供給プレート16が、それらの間に流路プレート1
2aを挟んで重ね合わされ、接着剤によって一体的に接
合されてなる構造とされている。
【0108】また、ノズルプレート15には、インク吐
出用のノズル孔15aが、複数個(図示せず)、形成さ
れていると共に、供給プレート16および流路プレート
12aには、各ノズル孔15aに対応する位置におい
て、板厚方向に貫通する通孔が、該ノズル孔15aより
も所定寸法大きな内径をもって形成されている。
出用のノズル孔15aが、複数個(図示せず)、形成さ
れていると共に、供給プレート16および流路プレート
12aには、各ノズル孔15aに対応する位置におい
て、板厚方向に貫通する通孔が、該ノズル孔15aより
も所定寸法大きな内径をもって形成されている。
【0109】さらに、供給プレート16には、インク導
入口16a(オリフィス孔)が、複数個(図示せず)、
形成されていると共に、流路プレート12aに設けられ
た窓部が、ノズルプレート15および供給プレート16
にて、両側から覆蓋されることにより、それらノズルプ
レート15と供給プレート16との間に、各インク導入
口16aに連通せしめられたインク供給流路が形成され
ている。また、供給プレート16には、インク供給流路
に対して、インクタンクから導かれるインクを供給する
供給口が設けられている。
入口16a(オリフィス孔)が、複数個(図示せず)、
形成されていると共に、流路プレート12aに設けられ
た窓部が、ノズルプレート15および供給プレート16
にて、両側から覆蓋されることにより、それらノズルプ
レート15と供給プレート16との間に、各インク導入
口16aに連通せしめられたインク供給流路が形成され
ている。また、供給プレート16には、インク供給流路
に対して、インクタンクから導かれるインクを供給する
供給口が設けられている。
【0110】なお、各プレート15,16,12aは、
ノズル孔15aおよびインク導入口16aを高い寸法精
度で形成するうえで、一般にプラスチックや、ニッケル
乃至ステンレスといった金属を使用することが好まし
い。また、インク導入口16aは図示されているよう
に、インク流通方向に向って小径化するテーパ形状をも
って、形成することが望ましい。
ノズル孔15aおよびインク導入口16aを高い寸法精
度で形成するうえで、一般にプラスチックや、ニッケル
乃至ステンレスといった金属を使用することが好まし
い。また、インク導入口16aは図示されているよう
に、インク流通方向に向って小径化するテーパ形状をも
って、形成することが望ましい。
【0111】一方、供給プレート16の反対側には、閉
塞プレート12dと接続プレート12bが、スペーサプ
レート12cを挟んで重ね合わされてなる構造をもっ
て、一体的に形成されている。
塞プレート12dと接続プレート12bが、スペーサプ
レート12cを挟んで重ね合わされてなる構造をもっ
て、一体的に形成されている。
【0112】接続プレート12bには、供給プレート1
6に形成された通孔およびインク導入口16aに対応す
る位置に、連通用開口部がそれぞれ形成されている。
6に形成された通孔およびインク導入口16aに対応す
る位置に、連通用開口部がそれぞれ形成されている。
【0113】また、スペーサプレート12cには、長手
矩形状の窓部が、複数個形成される。そして、それら各
窓部に対して、接続プレート12bに設けられた各連通
用開口部が開口するように、スペーサプレート12c
が、接続プレート12bに対して重ね合わされている。
矩形状の窓部が、複数個形成される。そして、それら各
窓部に対して、接続プレート12bに設けられた各連通
用開口部が開口するように、スペーサプレート12c
が、接続プレート12bに対して重ね合わされている。
【0114】このスペーサプレート12cの、接続プレ
ート12bが重ね合わされた側とは反対側の面には、閉
塞プレート12dが重ね合わされていて、この閉塞プレ
ート12dで、窓部の開口が覆蓋されている。それによ
って、各連通用開口部を通じて外部に連通されたインク
の圧力室Aが形成されている。
ート12bが重ね合わされた側とは反対側の面には、閉
塞プレート12dが重ね合わされていて、この閉塞プレ
ート12dで、窓部の開口が覆蓋されている。それによ
って、各連通用開口部を通じて外部に連通されたインク
の圧力室Aが形成されている。
【0115】閉塞プレート12d、スペーサプレート1
2cおよび接続プレート12bは、セラミックスで構成
されることが好ましい。このセラミックスの材質は、成
形性等の点から、アルミナ、ジルコニア等を使用するこ
とが好ましい。閉塞プレート12dの板厚は好ましくは
50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度、接続
プレート12bの板厚は好ましくは10μm以上、より
好ましくは50μm以上、スペーサプレート12cの板
厚は好ましくは50μm以上、より好ましくは100μ
m以上である。
2cおよび接続プレート12bは、セラミックスで構成
されることが好ましい。このセラミックスの材質は、成
形性等の点から、アルミナ、ジルコニア等を使用するこ
とが好ましい。閉塞プレート12dの板厚は好ましくは
50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度、接続
プレート12bの板厚は好ましくは10μm以上、より
好ましくは50μm以上、スペーサプレート12cの板
厚は好ましくは50μm以上、より好ましくは100μ
m以上である。
【0116】このようにして形成された圧力室Aは、セ
ラミックスの一体焼成品として形成することもできる
が、各プレートを接着剤で接着して用いてもよい。
ラミックスの一体焼成品として形成することもできる
が、各プレートを接着剤で接着して用いてもよい。
【0117】閉塞プレート12dの外面上の、各インク
の圧力室Aに対応する部位に、それぞれ、圧電素子13
が設けられている。この圧電素子13は、閉塞プレート
12d上に、下部電極13a,圧電素子膜13bおよび
上部電極13aからなる圧電作動部を、膜形成法によっ
て形成することによって形成されたものである。
の圧力室Aに対応する部位に、それぞれ、圧電素子13
が設けられている。この圧電素子13は、閉塞プレート
12d上に、下部電極13a,圧電素子膜13bおよび
上部電極13aからなる圧電作動部を、膜形成法によっ
て形成することによって形成されたものである。
【0118】この場合には閉塞プレート12dとして、
酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック基板を使用
することが好ましい。
酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック基板を使用
することが好ましい。
【0119】酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムのうちの一つの化合物を単
体で若しくは組み合わせて添加、含有することにより、
酸化ジルコニウムは部分的に或いは完全に安定化され
る。それぞれの化合物の添加含有量は、酸化イットリウ
ムは2モル%〜7モル%、酸化セリウムは6モル%〜1
5モル%、酸化マグネシウム、酸化カルシウムは5モル
%〜12モル%とすることが好ましいが、その中でも、
特に酸化イットリウムを部分安定化剤として用いること
が好ましく、その場合は2モル%〜7モル%、更に好ま
しくは2モル%〜4モル%とすることが望ましい。その
ような範囲で酸化イットリウムを添加・含有した酸化ジ
ルコニウムは、その主たる結晶相が正方晶若しくは主と
して立方晶と正方晶からなる混晶において部分安定化さ
れ、優れた基板特性を与えることとなる。
グネシウム、酸化カルシウムのうちの一つの化合物を単
体で若しくは組み合わせて添加、含有することにより、
酸化ジルコニウムは部分的に或いは完全に安定化され
る。それぞれの化合物の添加含有量は、酸化イットリウ
ムは2モル%〜7モル%、酸化セリウムは6モル%〜1
5モル%、酸化マグネシウム、酸化カルシウムは5モル
%〜12モル%とすることが好ましいが、その中でも、
特に酸化イットリウムを部分安定化剤として用いること
が好ましく、その場合は2モル%〜7モル%、更に好ま
しくは2モル%〜4モル%とすることが望ましい。その
ような範囲で酸化イットリウムを添加・含有した酸化ジ
ルコニウムは、その主たる結晶相が正方晶若しくは主と
して立方晶と正方晶からなる混晶において部分安定化さ
れ、優れた基板特性を与えることとなる。
【0120】圧電作動部を構成する電極膜13a,13
aの材料としては、熱処理温度並びに焼成温度程度の高
温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に規制され
るものではなく、例えば金属単体であっても、合金であ
っても良く、また絶縁性セラミックスやガラス等と、金
属や合金との混合物であっても、更には導電性セラミッ
クスであってもよい。好ましくは、白金、パラジウム、
ロジウム等の高融点貴金属類、或いは銀―パラジウム、
銀―白金、白金―パラジウム等の合金を主成分とする電
極材料が用いられる。
aの材料としては、熱処理温度並びに焼成温度程度の高
温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に規制され
るものではなく、例えば金属単体であっても、合金であ
っても良く、また絶縁性セラミックスやガラス等と、金
属や合金との混合物であっても、更には導電性セラミッ
クスであってもよい。好ましくは、白金、パラジウム、
ロジウム等の高融点貴金属類、或いは銀―パラジウム、
銀―白金、白金―パラジウム等の合金を主成分とする電
極材料が用いられる。
【0121】圧電作動部を構成する圧電素子膜13bの
材料として好ましくは、PZTが用いられる。
材料として好ましくは、PZTが用いられる。
【0122】圧電素子13が一体的に設けられた、閉塞
プレート12d、スペーサプレート12cおよび接続プ
レート12bは、その接続プレート12bが、図5に示
されているように、供給プレート16に対して重ね合わ
され、接着剤を用いて一体化されている。圧電素子13
の作動により、インク供給流路を通じて導かれたインク
が、インク導入口16aより圧力室Aに供給され通孔を
通じ、ノズル孔15aより吐出されるインクジェットヘ
ッド10が形成される。
プレート12d、スペーサプレート12cおよび接続プ
レート12bは、その接続プレート12bが、図5に示
されているように、供給プレート16に対して重ね合わ
され、接着剤を用いて一体化されている。圧電素子13
の作動により、インク供給流路を通じて導かれたインク
が、インク導入口16aより圧力室Aに供給され通孔を
通じ、ノズル孔15aより吐出されるインクジェットヘ
ッド10が形成される。
【0123】本実施の形態では、ノズルプレート15の
流路プレート12aへの接合、供給プレート16の流路
プレート12aへの接合、及び供給プレート16の接続
プレート12bへの接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
流路プレート12aへの接合、供給プレート16の流路
プレート12aへの接合、及び供給プレート16の接続
プレート12bへの接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
【0124】本実施の形態では、圧力室内に電極がない
ので、第1の実施の形態のようにパリレン膜等の保護膜
を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤に
よる接合には、寧ろ耐インク性が高い接着剤を用いるこ
とが好ましく、本実施の形態はこれを実現したものであ
る。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させる
圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしまう
ことがなく、効率よくインクを吐出させることができ
た。また、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで
圧力室をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化する
と、インクの流れが変化したりインクにかかる圧力が変
化してインクの吐出に影響を与えることもなかった。
ので、第1の実施の形態のようにパリレン膜等の保護膜
を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤に
よる接合には、寧ろ耐インク性が高い接着剤を用いるこ
とが好ましく、本実施の形態はこれを実現したものであ
る。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させる
圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしまう
ことがなく、効率よくインクを吐出させることができ
た。また、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで
圧力室をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化する
と、インクの流れが変化したりインクにかかる圧力が変
化してインクの吐出に影響を与えることもなかった。
【0125】更に、接着時の温度による圧電素子への影
響もなく、圧電素子の圧電効果を失わせることもなかっ
た。ここで、圧電素子を施した閉塞プレート12dを、
同じくポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着
剤を用いて、スペーサプレート12cに接合し、接続プ
レート12bに接合した場合でも、同様な結果を得るこ
とができた。
響もなく、圧電素子の圧電効果を失わせることもなかっ
た。ここで、圧電素子を施した閉塞プレート12dを、
同じくポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する接着
剤を用いて、スペーサプレート12cに接合し、接続プ
レート12bに接合した場合でも、同様な結果を得るこ
とができた。
【0126】(第3の実施の形態)図5は圧力室壁に設
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せる第2の実施の形態と同様のタイプで、構造が異なる
インクジェットヘッドの概略断面図である。
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せる第2の実施の形態と同様のタイプで、構造が異なる
インクジェットヘッドの概略断面図である。
【0127】基台21bは一端部、図では下方に後述す
る圧電素子23を固定するための側方に、突出した突部
が形成されており、上端面には圧力室Aと圧電素子23
とを隔離する振動板24が固定される。振動板24は、
圧電素子23と当接する近傍に凹部を形成して圧電素子
23の振動に応答しやすく形成される。振動板24の表
面には流路形成部材及びインク導入口26aを有する供
給板を兼ねたスペーサ部材22が固定されており、圧電
素子23に対向する領域は振動板24と協同して圧力室
を形成するよう構成され、またインク供給側のインク導
入口26aは、図示しないがインクの流動を制限するよ
う圧力室Aの方向に流路が狭くなる形状とされる。スペ
ーサ部材22の表面にはノズルプレート25が固定され
ており、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に
積層した圧電素子23の配列形態に合せて複数のノズル
孔25aが設けられている。また、インク供給側も、ノ
ズルプレート25のノズル孔25aが設けられていない
部分より開口部が封止されてインク供給部27が形成さ
れている。
る圧電素子23を固定するための側方に、突出した突部
が形成されており、上端面には圧力室Aと圧電素子23
とを隔離する振動板24が固定される。振動板24は、
圧電素子23と当接する近傍に凹部を形成して圧電素子
23の振動に応答しやすく形成される。振動板24の表
面には流路形成部材及びインク導入口26aを有する供
給板を兼ねたスペーサ部材22が固定されており、圧電
素子23に対向する領域は振動板24と協同して圧力室
を形成するよう構成され、またインク供給側のインク導
入口26aは、図示しないがインクの流動を制限するよ
う圧力室Aの方向に流路が狭くなる形状とされる。スペ
ーサ部材22の表面にはノズルプレート25が固定され
ており、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に
積層した圧電素子23の配列形態に合せて複数のノズル
孔25aが設けられている。また、インク供給側も、ノ
ズルプレート25のノズル孔25aが設けられていない
部分より開口部が封止されてインク供給部27が形成さ
れている。
【0128】圧電素子23は、一端を振動板24に固定
され、また他端の側方を基台21bの突部に固定され
る。基台21bは、その下端を固定部材21aに固定さ
れている。固定部材21aは、振動板24、スペーサ部
材22、及びノズルプレート25を支持し、また基台2
1bを介して圧電素子23の自由端(図中、上端)を振
動板24に当接させている。そして図から明らかなよう
に、基台21bは、一端が、圧電素子23の自由端側の
端面とほぼ一致し、また他端が圧電素子23の固定端側
よりも突出する大きさに構成される。このような構造を
したインクジェットヘッド20は、圧電素子23に設け
た電極に電圧を印加すると圧電素子23が軸方向に伸張
し、圧電素子23の先端に固定された振動板24が伸張
しノズルプレート25の方向に変位して圧力室Aを圧縮
する。この圧力室Aの容積減少により圧力を受けたイン
クは、ノズル孔25aからからインク滴となって飛翔す
る。
され、また他端の側方を基台21bの突部に固定され
る。基台21bは、その下端を固定部材21aに固定さ
れている。固定部材21aは、振動板24、スペーサ部
材22、及びノズルプレート25を支持し、また基台2
1bを介して圧電素子23の自由端(図中、上端)を振
動板24に当接させている。そして図から明らかなよう
に、基台21bは、一端が、圧電素子23の自由端側の
端面とほぼ一致し、また他端が圧電素子23の固定端側
よりも突出する大きさに構成される。このような構造を
したインクジェットヘッド20は、圧電素子23に設け
た電極に電圧を印加すると圧電素子23が軸方向に伸張
し、圧電素子23の先端に固定された振動板24が伸張
しノズルプレート25の方向に変位して圧力室Aを圧縮
する。この圧力室Aの容積減少により圧力を受けたイン
クは、ノズル孔25aからからインク滴となって飛翔す
る。
【0129】本実施の形態では、ノズルプレート25
と、インク導入口を設けたインクの流動を規制する部材
を兼用したスペーサ22との接合、及びそのスペーサ2
2と振動板24との接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
と、インク導入口を設けたインクの流動を規制する部材
を兼用したスペーサ22との接合、及びそのスペーサ2
2と振動板24との接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
【0130】本実施の形態では、第2の実施の形態と同
様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等の保護
膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤
による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いたもので
ある。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させ
る圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしま
うことがなく、効率よくインクを吐出させることがで
き、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室
をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化して、イン
クの流れが変化したりインクにかかる圧力が変化してイ
ンクの吐出に影響を与えることもなかった。
様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等の保護
膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤
による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いたもので
ある。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させ
る圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしま
うことがなく、効率よくインクを吐出させることがで
き、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室
をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化して、イン
クの流れが変化したりインクにかかる圧力が変化してイ
ンクの吐出に影響を与えることもなかった。
【0131】また、本実施の形態では、圧電材料と導電
材料とをそれぞれ層状に交互に積層した圧電素子23を
用いているので、エネルギー効率が極めて高く、更に、
圧電素子23が基台21bに固着されているため、基台
21bの強度により圧電素子23に大きな強度を必要と
することがなく、また振動板24と基台21bとを固定
部材21aを介して固定したので、基台21bを固定部
材21aに相対的に位置調整することにより圧電素子2
3を振動板24に高い位置精度で当接可能となり、イン
クに接する接着剤にポリシロキサン変性エポキシ樹脂を
含有する接着剤を用いたことと共に、インクジェットヘ
ッドの性能向上と、コスト削減を図ることができるもの
である。
材料とをそれぞれ層状に交互に積層した圧電素子23を
用いているので、エネルギー効率が極めて高く、更に、
圧電素子23が基台21bに固着されているため、基台
21bの強度により圧電素子23に大きな強度を必要と
することがなく、また振動板24と基台21bとを固定
部材21aを介して固定したので、基台21bを固定部
材21aに相対的に位置調整することにより圧電素子2
3を振動板24に高い位置精度で当接可能となり、イン
クに接する接着剤にポリシロキサン変性エポキシ樹脂を
含有する接着剤を用いたことと共に、インクジェットヘ
ッドの性能向上と、コスト削減を図ることができるもの
である。
【0132】(第4の実施の形態)図6はサーマルタイ
プのインクジェットヘッドの概略斜視図である。
プのインクジェットヘッドの概略斜視図である。
【0133】本実施の形態のインクジェットヘッドは、
例えば、インク供給部47を形成する部分と圧力室を形
成する溝42aと設けた天板44に、インク導入口46
aを有する供給プレート46を接合し、吐出ヒータ49
を設けたヒータボード42と、供給プレート46を接合
された天板44とを接合してインク供給部47及び圧力
室Aを形成し、その後、圧力室Aのインク供給部47の
側と反対側の開口を塞ぐように、ノズル孔45aを有す
るノズルプレート45を接合して、インクジェットヘッ
ド40を構成する。このような構成を有するインクジェ
ットヘッド40は、発熱体である吐出ヒータ49に通電
して発熱体を急激に発熱させることにより、インクを気
化させ或いは気泡を発生させてノズル孔45aからイン
クを吐出させるものであり、熱エネルギーを利用してイ
ンク滴を飛翔させるものである。
例えば、インク供給部47を形成する部分と圧力室を形
成する溝42aと設けた天板44に、インク導入口46
aを有する供給プレート46を接合し、吐出ヒータ49
を設けたヒータボード42と、供給プレート46を接合
された天板44とを接合してインク供給部47及び圧力
室Aを形成し、その後、圧力室Aのインク供給部47の
側と反対側の開口を塞ぐように、ノズル孔45aを有す
るノズルプレート45を接合して、インクジェットヘッ
ド40を構成する。このような構成を有するインクジェ
ットヘッド40は、発熱体である吐出ヒータ49に通電
して発熱体を急激に発熱させることにより、インクを気
化させ或いは気泡を発生させてノズル孔45aからイン
クを吐出させるものであり、熱エネルギーを利用してイ
ンク滴を飛翔させるものである。
【0134】本実施の形態では、供給プレート46の天
板44への接合、天板44とヒータボード42との接
合、及びそれら天板44およびヒータボード42へのノ
ズルプレート45の接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
板44への接合、天板44とヒータボード42との接
合、及びそれら天板44およびヒータボード42へのノ
ズルプレート45の接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含有する
接着剤を用い、第1の実施の形態と同様にしてインクジ
ェットヘッドを製造した。こうして製造されたインクジ
ェットヘッドは、それぞれの部材の室温での寸法を維持
したまま接合され、そりやずれの発生もなかった。また
接着剤のはみ出しも見られなかった。更に、耐インク性
の評価結果も第1の実施の形態と同様であった。
【0135】本実施の形態では、第2、第3の実施の形
態と同様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等
の保護膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の
接着剤による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いた
ものである。これにより、圧力室の変形もなく、安定し
たインクの吐出を長期に渡り実現でき、また、接着剤が
圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室をふさいだ
り、狭隘化させたり、体積が変化して、インクの流れが
変化したりしてインクの吐出に悪影響を与えることもな
かった。更に、Bステージ化により接着位置精度も簡易
に高精度にでき、位置決め工程や組み立て工程を簡略化
できて製造コストの低減が可能である。以上のように、
本実施の形態では、吐出のための発生圧力が高く、安価
で製造の容易なインクジェットヘッドが得られた。
態と同様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等
の保護膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の
接着剤による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いた
ものである。これにより、圧力室の変形もなく、安定し
たインクの吐出を長期に渡り実現でき、また、接着剤が
圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室をふさいだ
り、狭隘化させたり、体積が変化して、インクの流れが
変化したりしてインクの吐出に悪影響を与えることもな
かった。更に、Bステージ化により接着位置精度も簡易
に高精度にでき、位置決め工程や組み立て工程を簡略化
できて製造コストの低減が可能である。以上のように、
本実施の形態では、吐出のための発生圧力が高く、安価
で製造の容易なインクジェットヘッドが得られた。
【0136】なお、第1乃至第3の実施の形態では、圧
力室内に配置したヒータの加熱で微細な泡を発生させる
タイプのものに比べて、原理的に消費電力が低いという
効果を奏するものである。
力室内に配置したヒータの加熱で微細な泡を発生させる
タイプのものに比べて、原理的に消費電力が低いという
効果を奏するものである。
【0137】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、他の特
性を犠牲にすることなく、さまざまなインクに対して耐
性をもつインクジェットヘッドを提供することができ
る。
性を犠牲にすることなく、さまざまなインクに対して耐
性をもつインクジェットヘッドを提供することができ
る。
【0138】請求項2に記載の発明によると、常温で硬
化反応がおこらず、あらかじめ主剤と硬化剤を混合した
状態で保存できる一液型の接着剤として使用できるため
に作業性に優れ、接着剤をBステージ化させてから接着
して、接着剤のはみ出しが少なく、接着位置精度の高い
接着をすることができる。
化反応がおこらず、あらかじめ主剤と硬化剤を混合した
状態で保存できる一液型の接着剤として使用できるため
に作業性に優れ、接着剤をBステージ化させてから接着
して、接着剤のはみ出しが少なく、接着位置精度の高い
接着をすることができる。
【0139】請求項3に記載の発明によると、接着剤を
塗設する部材への塗れ性を良好にすることができる。ま
た、接着時の硬化温度を低くして、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化等をおこさずに接着強度をあげることがで
きる。
塗設する部材への塗れ性を良好にすることができる。ま
た、接着時の硬化温度を低くして、熱膨張による接着位
置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発生させる圧
電素子の劣化等をおこさずに接着強度をあげることがで
きる。
【0140】請求項4に記載の発明によると、ノズルプ
レートの接着位置が高精度で、ノズル孔、インク流路、
圧力室への接着剤のはみ出しがなく、飛翔するインク滴
の液滴量、速度、射出角度の安定したインクジェットヘ
ッドを提供することができる。
レートの接着位置が高精度で、ノズル孔、インク流路、
圧力室への接着剤のはみ出しがなく、飛翔するインク滴
の液滴量、速度、射出角度の安定したインクジェットヘ
ッドを提供することができる。
【0141】請求項5に記載の発明によると、ノズルや
圧力室内のインクの挙動を制御して、安定に高速の駆動
の可能なインクジェットヘッドを提供することができ
る。
圧力室内のインクの挙動を制御して、安定に高速の駆動
の可能なインクジェットヘッドを提供することができ
る。
【0142】請求項6に記載の発明によると、圧力室を
構成するよう接合された部材間の接着剤の弾性率が高く
なることにより圧力の損失を少なくして、効率の高いイ
ンクジェットヘッドを提供することができる。
構成するよう接合された部材間の接着剤の弾性率が高く
なることにより圧力の損失を少なくして、効率の高いイ
ンクジェットヘッドを提供することができる。
【0143】請求項7に記載の発明によると、圧電素子
の効率の高い変形モードにより圧力を発生させて、吐出
のための発生圧力の高いインクジェットヘッドを提供す
ることができる。
の効率の高い変形モードにより圧力を発生させて、吐出
のための発生圧力の高いインクジェットヘッドを提供す
ることができる。
【0144】請求項8に記載の発明によると、吐出のた
めの発生圧力が高く、安価で製造の容易なインクジェッ
トヘッドを提供することができる。
めの発生圧力が高く、安価で製造の容易なインクジェッ
トヘッドを提供することができる。
【0145】請求項9に記載の発明によると、圧電素子
に溝を切ることで圧力室を形成して、高速駆動が可能で
製造の容易なインクジェットヘッドを提供することがで
きる。
に溝を切ることで圧力室を形成して、高速駆動が可能で
製造の容易なインクジェットヘッドを提供することがで
きる。
【0146】請求項10に記載の発明によると、圧電素
子の変形を大きくして、効率の高いインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
子の変形を大きくして、効率の高いインクジェットヘッ
ドを提供することができる。
【0147】請求項11に記載の発明によると、耐イン
ク性が高く、接着剤のはみ出しや流れ出しがなく、高い
位置精度のインクジェットヘッドを効率よく製造する方
法を提供することができる。
ク性が高く、接着剤のはみ出しや流れ出しがなく、高い
位置精度のインクジェットヘッドを効率よく製造する方
法を提供することができる。
【図1】せん断モード型インクジェットヘッドの斜視図
である。
である。
【図2】せん断モード型インクジェットヘッドの圧電素
子の変形を示す図である。
子の変形を示す図である。
【図3】せん断モード型インクジェットヘッドの接着剤
層を示す部分断面図である。
層を示す部分断面図である。
【図4】圧力室壁に設けた圧電素子の伸縮変形によって
圧力室の体積を変化させるタイプのインクジェットヘッ
ドの概略断面図である。
圧力室の体積を変化させるタイプのインクジェットヘッ
ドの概略断面図である。
【図5】圧力室壁に設けた圧電素子の伸縮変形によって
圧力室の体積を変化させる他のインクジェットヘッドの
概略断面図である。
圧力室の体積を変化させる他のインクジェットヘッドの
概略断面図である。
【図6】サーマルタイプのインクジェットヘッドの概略
斜視図である。
斜視図である。
1、10、20、40 インクジェットヘッド 2 基材 2a、42a 溝 2b、13、23 圧電素子 3、13a 電極 4 カバー基板 5、15、25、45 ノズルプレート 5a、15a、25a、45a ノズル孔 6、16、46 供給プレート 6a、16a、26a、46a インク導入口 7、27、47 インク供給部 8、80 接着剤 21a 固定部材 21b 基台 22 スペーサ部材 24 振動板 42 ヒータボード 44 天板 49 吐出ヒータ A 圧力室 B 空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 163/00 B41J 3/04 103H 183/04 (72)発明者 竹内 寛 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2C057 AF65 AF93 AG45 AG46 AG47 AP25 BA03 BA13 BA14 4J040 EC461 EK111 HC02 HC06 HC12 HC16 JB02 KA16 KA17 LA07 MA01 MA02 MA04 NA21 PA30 PA33
Claims (11)
- 【請求項1】少なくとも2つの部材を接着剤で接合した
インクジェットヘッドにおいて、インクに接する接合部
分の接着剤の少なくとも一部に、ポリシロキサン変性エ
ポキシ樹脂を含有する接着剤を用いたことを特徴とする
インクジェットヘッド。 - 【請求項2】前記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含
有する接着剤は、ジシアンジアミドまたはジシアンジア
ミドの誘導体を硬化剤として含有していることを特徴と
する請求項1に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項3】前記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含
有する接着剤は、脂肪族アミンエポキシアダクトを反応
促進剤として含有していることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項4】インクを吐出するノズルを形成したノズル
プレートとインクを吐出させるためのエネルギーを発生
させる圧力室とを備え、前記ノズルプレートと他の部材
との接合部分に、前記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂
を含有する接着剤を用いたことを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項5】インクを吐出させるためのエネルギーを発
生させる圧力室を備え、前記圧力室のインク導入側に設
けられてインクの流動を制限する部材と、他の部材との
接合部分に、前記ポリシロキサン変性エポキシ樹脂を含
有する接着剤を用いたことを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項6】インクを吐出させるためのエネルギーを発
生させる圧力室を備え、前記圧力室が複数の部材から構
成されており、前記複数の部材のうち少なくとも2つの
部材間の接合部分に、前記ポリシロキサン変性エポキシ
樹脂を含有する接着剤を用いたことを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項7】前記圧力室の外側に形成された圧電素子に
電圧を印可し、前記圧電素子を伸縮して変形させること
により、前記圧力室を変形してインクを吐出させるため
のエネルギーを発生させることを特徴とする請求項1〜
6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項8】前記圧力室内に発熱体を設け、前記発熱体
に通電することによりインクを気化させてインクを吐出
させるためのエネルギーを発生させることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェトヘッド。 - 【請求項9】前記圧力室を構成する部材の全部または一
部を圧電素子で形成し、前記圧電素子に電圧を印可して
剪断変形をさせることによりインクを吐出させるための
エネルギーを発生させることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項10】前記圧電素子は、互いに異なる方向に分
極された2つの圧電素子が前記ポリシロキサン変性エポ
キシ樹脂を含有する接着剤で接合されていることを特徴
とする請求項9に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項11】インクジェットヘッドを構成する少なく
とも2つの部材を接着剤で接合するインクジェットヘッ
ドの製造方法において、2つの部材を接合するために少
なくとも一方の部材にポリシロキサン変性エポキシ樹脂
を含有する接着剤を塗設する工程と、前記塗設した接着
剤を加熱してBステージ化させる工程と、前記2つの部
材を加圧しつつ前記接着剤を加熱し硬化させて前記2つ
の部材を接合する工程とを有することを特徴とするイン
クジェットヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001006863A JP2002210964A (ja) | 2001-01-15 | 2001-01-15 | インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 |
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- 2001-01-15 JP JP2001006863A patent/JP2002210964A/ja active Pending
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