JP2002302591A - インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッドの製造方法Info
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- JP2002302591A JP2002302591A JP2001105209A JP2001105209A JP2002302591A JP 2002302591 A JP2002302591 A JP 2002302591A JP 2001105209 A JP2001105209 A JP 2001105209A JP 2001105209 A JP2001105209 A JP 2001105209A JP 2002302591 A JP2002302591 A JP 2002302591A
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Abstract
部の構成部材を接着する接着剤として用いられ、耐イン
ク性、特に耐アルカリ性を有し、長期浸漬後の部材間の
密着性を改善でき、剥離強度が高く、作業性良好なイン
クジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物、及びその
エポキシ樹脂組成物を使用したインクジェットヘッド製
造方法の提供。 【解決手段】 (1)固形エポキシ樹脂及び液状エポキ
シ樹脂を含有し、硬化剤が液状硬化剤であり、かつ無溶
媒であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用
エポキシ樹脂組成物。 (2) 請求項1〜8の何れかに記載の接着剤を使用
し、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートとヘッド本体と
を接着することを特徴とするインクジェットヘッドの製
造方法。
Description
ド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド
の製造方法に関するものである。
録材を直接記録紙上に記録することができる点、プロセ
スが非常にシンプルである点など、多くの特徴を有し、
更に、カラー記録方式としても非常に注目されている。
これまでインクジェット記録方式として各種の方式が提
案されてきたが、急速に商品化が進んでいるのは、Dr
op On Demand(DOD)方式である。この
DOD方式は、記録信号が入力された時のみインクを吐
出する方法であり、最も構成がシンプルであって、バブ
ルジェット(登録商標)方式とピエゾアクチュエータ方
式の二つの方式がある。バブルジェット(登録商標)方
式の提案は、特公昭61−59913号公報などでなさ
れている。この方式は、熱エネルギーにより発生するバ
ブルを利用するものであり、アクチュエータに相当する
ヒーターがインク流路の中に設置される。即ち、インク
を直接瞬間加熱することによりヒーター表面にバブルを
発生させ、このときの流路内のインク圧力上昇により滴
化インクを飛翔させる方式である。
昭60−8953号公報等でなされている。この方式
は、前記のバブルジェット(登録商標)方式の構成に対
し、アクチュエータであるピエゾ素子がインク流路の外
に設けられる点に特徴がある。このピエゾ素子方式の動
作概要は、加圧液室の壁面の一部が変形可能な構造を有
し、該壁面の外側に設けたピエゾ素子が印加電圧によっ
て変位することにより加圧液室内のインクに圧力を与
え、ノズルを通して該インクを噴射するものである。こ
の時の圧力上昇は、パルス的な上昇によって行なわれ、
インク噴射後は、ピエゾ素子の変位を元の位置に戻すこ
とで、インクタンク側から前記加圧室内にインクが補給
される。この方式の特徴は、ピエゾ素子が直接インクに
接しないため、該ピエゾ素子の部材選定に対インク適性
の制約を受けず、また、ピエゾ素子の効率的な設計を実
施することにより、該ピエゾ素子の発熱を抑えることが
でき、使用するインクについても耐熱性の制約が無い等
の利点を有することである。
された微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源
として静電気力を利用したものが知られている。例えば
静電気力を利用してインク液滴の吐出を行う静電方式イ
ンクジェットヘッドが特開平5−50601号公報、同
6−71882号公報に開示されている。この方式のイ
ンクジェットヘッドは、ノズルに連通しているインク流
路の底面が弾性変形可能な振動板として形成され、前記
振動板には、一定の間隔で基板が対向配置され、これら
振動板及び基板にそれぞれ対向電極が配置された構成と
なっている。対向電極の間に電圧を印加すると、それら
の間に発生する静電気力によって、振動板は基板の側に
静電吸引されて振動し、この振動により発生するインク
流路の内圧変動によって、ノズルからインク液滴が吐出
される。
るインクジェットヘッドにおいて、前記バブルジェット
(登録商標)方式、ピエゾアクチュエータ方式、静電方
式を問わず、インクの通る流路部や液室部は、常に弱ア
ルカリ性であるインクに浸漬された状態になるため、こ
れらを構成する材料同士、材料自体の部材間及び該材料
と基板との接合における信頼性が極めて重要である。従
って、このような流路部と液室部を接着する材料には、
まず耐インク性が要求され、更に接着強度、作業性など
も要求される。これまで、これらの部材を接着する方法
としては、各々のインクジェットヘッドに対応した方法
が種々検討されてきており、例えば、ドライフィルムや
感光性接着剤などの熱可塑性樹脂によって熱圧着したり
(特開平7−314675号公報等)、溶媒希釈型接着
剤を塗布後、溶媒を揮発させて高粘度接着剤とすること
により接着したり(特開平7−314697号公報
等)、主剤と硬化剤からなる2液性接着剤を別々に部材
(被着体)に塗布し、張り合わせ硬化後、溶剤洗浄した
り(特開平10−235875号公報)、エポキシ樹脂
接着剤を使用したり(特開平7−285223号公報、
特開平7−314671号公報、特開平8−16910
8号公報、特開平8−336975号公報等)、紫外光
を含む光により硬化する接着剤を使用する(特開平6−
143568号公報、特開平5−155017号公報、
特開平10−217489号公報等)など、種々の接着
工法が検討されてきた。
は対応できていないのが現状である。例えば、これま
で、前記流路部や液室部に使用する材料には、金属や樹
脂プレート、Si基板、感光性樹脂などが使用されてき
たが、これらの材料の中で、感光性樹脂は、フォトリソ
グラフィープロセスにより、所望の形状のインク流路を
容易に得ることができるため、前記流路部や液室部の材
料として広く使用されている。このような感光性樹脂と
しては、印刷板、プリント配線等におけるパターン形成
用として用いられてきたもの、或いはガラス、金属、セ
ラミックス等に対する光硬化型の塗料や接着剤として知
られているものがあるが、作業能率などの面からドライ
フィルムタイプの感光性樹脂フィルム(DFR)が主に
利用されてきた。しかしながら、このようなDFRの主
成分がアクリル樹脂であるために、長期に亘りインクに
浸漬すると、耐インク性、特に耐アルカリ性や基板への
密着性が低下するという問題が生じている。というの
は、染料の溶解度を向上させるためにインク自身が弱ア
ルカリ性になっており、これにより架橋度の比較的低い
アクリル樹脂が膨潤したり、残留未反応成分が溶解した
りすることに起因している。
元々粘度の高い接着剤組成であり、溶媒を揮発させた後
に均一に塗布膜を形成するのは困難であってムラになる
可能性が高く、接着が不均一になるという問題や揮発の
際に塗膜中にボイドを発生するという問題を抱えてい
る。また、2液型接着剤を用いて主剤と硬化剤をそれぞ
れの被着体面に塗布する場合は、ポットライフは長いが
作業性が悪いという問題がある。また、UV(紫外線)
硬化型接着剤においては、UV光が照射されない部分で
硬化不十分の部分が出来易く、そのままでは接着剤とし
て使用できず、熱硬化性接着剤との併用により改善を試
みているが、未反応モノマーが多量に硬化物中に残って
しまう可能性があり、耐インク性にも問題があり、接着
強度が低下する可能性もある。また、接着性を高めるた
めに弾性シリコーン接着剤を使用している例もあるが、
この種の接着剤はアルカリや溶媒に弱く、膨潤してしま
うという欠点がある。
ットヘッドのインク流路部と液室部の構成部材を接着す
る接着剤として用いられ、耐インク性、特に耐アルカリ
性を有し、長期浸漬後の部材間の密着性を改善でき、剥
離強度が高く、作業性良好なインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物、及びそのエポキシ樹脂組成物を
使用したインクジェットヘッド製造方法の提供を目的と
する。
を解決するために鋭意検討した結果、固形エポキシ樹
脂、液状エポキシ樹脂、及び液状硬化剤を含有させ、無
溶媒とすることにより、均一接着させ、硬化性を高め、
耐インク性を向上させ、部材間の密着性を高め、特に剥
離強度を向上させる作業性良好なインクジェットヘッド
製造用エポキシ樹脂組成物を見出し、本発明に至った。
即ち、上記課題は、次の1)〜9)の発明によって解決
される。 1) 固形エポキシ樹脂及び液状エポキシ樹脂を含有
し、硬化剤が液状硬化剤であり、かつ無溶媒であること
を特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂
組成物。 2) 固形エポキシ樹脂が常温で半固形或いは固形であ
り、そのエポキシ当量が230以上であることを特徴と
する1)記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
脂組成物。 3) 固形エポキシ樹脂及び液状エポキシ樹脂が共にビ
スフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする
1)又は2)記載のインクジェットヘッド製造用エポキ
シ樹脂組成物。 4) 固形エポキシ樹脂及び/又は液状エポキシ樹脂が
可撓性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする1)〜
3)の何れかに記載のインクジェットヘッド製造用エポ
キシ樹脂組成物。 5) 液状硬化剤として硬化物に可撓性を付与する硬化
剤を使用することを特徴とする1)〜4)の何れかに記
載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。 6) 更に反応性希釈剤を含有することを特徴とする
1)〜5)の何れかに記載のインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物。 7) 更に硬化促進剤を含有することを特徴とする1)
〜6)の何れかに記載のインクジェットヘッド製造用エ
ポキシ樹脂組成物。 8) 更に充填剤として無機充填剤及び/又は高分子粒
子を含有することを特徴とする1)〜7)の何れかに記
載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。 9) 1)〜8)の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物
を使用し、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートとヘッド
本体とを接着することを特徴とするインクジェットヘッ
ドの製造方法。
る。エポキシ樹脂は、他の接着剤用主剤に比べて硬化収
縮率が小さく、微細接着に有効である。本発明で用いる
固形エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水
添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限
定されるわけではない。これらは単独で用いても混合し
て用いても良い。本発明で用いる液状エポキシ樹脂とし
ては、常温で液状のものであれば良く、例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、アルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン変性
エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム
変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール型エポキ
シ樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけ
ではない。これらは単独で用いても混合して用いても良
い。固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂の混合は、例
えば、加熱した液状エポキシ樹脂中に粉砕した固形エポ
キシ樹脂を投入し、溶解した後、放冷すればよく、場合
によっては、放冷過程で反応性希釈剤などを混合しても
よい。固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂の混合比は
特に限定されない。
媒が不要となるので、塗膜中にボイドが発生せず、また
低粘度となるので均一接着に有効である。特に、固形エ
ポキシ樹脂として常温で半固形又は固形であってエポキ
シ当量が230以上のものを用いると、架橋点間が長く
なるので硬化物に可撓性が付与され、接着強度も高くな
るので好ましいが、エポキシ当量が230未満の半固形
又は固形エポキシ樹脂を用いた場合には、硬化物が脆く
なり、接着強度が低下するため好ましくない。また、固
形エポキシ樹脂及び液状エポキシ樹脂として、共にビス
フェノール系エポキシ樹脂を用いると、混合性/相溶性
が良い上に反応性も高いので硬化性が良く、硬化物の耐
インク性が向上し接着強度も良好となる。特にビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ
樹脂は、硬化性や耐インク性が良く、接着強度も良好で
ある。
は、液状エポキシ樹脂として、ウレタン変性エポキシ樹
脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキ
シ樹脂(例えばCTBN=末端にカルボキシル基を持つ
ブタジエン−アクリロニトリル共重合液状ゴム、ATB
N=末端にアミノ基を持つ同様のゴム、等による変
性)、ポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂、エー
テルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ
樹脂等が挙げられ、また、固形エポキシ樹脂としてはダ
イマー酸変性エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。これらは単独で用いても混合し
て用いても良い。組成物中に、これら可撓性エポキシ樹
脂を混合すると、硬化物に可撓性が付与されるので接着
強度が高くなる。また、ポリスルフィド変性エポキシ樹
脂やポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂は、ビス
フェノール型エポキシ樹脂に比べて硬化性がやや劣るも
のの、ポットライフを長くすることが出来るので作業性
が向上する。また、可撓性エポキシ樹脂の中でも特にエ
ーテルエラストマー又は液状ウレタン樹脂を添加したビ
スフェノールA型エポキシ樹脂は、非常に剥離強度が大
きく、かつ硬化性が高く、耐インク性も良好であるから
インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物の材料
として好適である。
れば良く、例えば、芳香族アミン系硬化剤、脂肪族アミ
ン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤、エポキシ変性アダ
クトアミン系硬化剤、ポリオキシアルキレンアミン系硬
化剤、複素環式アミン系硬化剤、3官能チオール系硬化
剤、イミダゾール系硬化剤などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。これらは単独で用いても混
合して用いても良い。本発明の硬化物に可撓性を付与す
る液状硬化剤としては、ポリアミドアミン系硬化剤、ポ
リオキシアルキレンアミン系硬化剤、複素環式アミン系
硬化剤、3官能チオール系硬化剤(THEIC−BMP
A等)、脂肪族アミン(例えばメチルペンタンジアミ
ン)などが挙げられるが、硬化物に可撓性を付与するこ
とが出来、硬化物の架橋密度を低下させることが出来る
ものであれば、これらに限定されるものではない。これ
らは単独で用いても混合して用いても良く、他のアミン
系硬化剤、例えば芳香族アミン、脂環族アミンなどと混
合して用いても良い。可撓性を付与する液状硬化剤を使
用した場合、エポキシ樹脂としては上記の何れでも良い
が、好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂(固形及
び液状)又は可撓性エポキシ樹脂を用いると更に接着強
度が向上する。特に、エーテルエラストマー添加ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、液状ウレタン樹脂添加ビス
フェノールA型エポキシ樹脂と組み合わせると、接着強
度や耐インク性が良好となる。
て架橋密度の低い硬化物が得られるので、接着強度が良
好となる。可撓性を付与する液状硬化剤として、例え
ば、ポリアミドアミン系硬化剤(富士化成:トーマイ
ド、ヘンケルジャパン:バーサミド等)、ポリオキシア
ルキレンアミン系硬化剤(HUNTSMAN:ジェファ
ーミン等)、又は複素環式アミン系硬化剤(油化シェル
エポキシ:エポメート等)を用いると、特に硬化性が良
好となり、剥離強度が向上し、耐インク性も良好とな
る。また、ポリオキシアルキレンアミン系のポリオキシ
プロピレンジアミン及びポリオキシプロピレントリアミ
ンはメチル基を有し、立体障害により反応性を抑制する
のでポットライフを長くすることが出来、混合や塗布の
際の作業性を改善することが出来る。なお、上記の硬化
剤により硬化性を向上させるには、使用する樹脂のエポ
キシ当量よりも過剰に添加することが好ましく、逆に可
撓性を付与するには、エポキシ樹脂を硬化剤当量よりも
過剰に配合すれば良い。
粘度なエポキシ反応性希釈剤であれば使用することがで
き、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグ
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テル、o−グリシジルグリシジルエーテル、スチレンオ
キサイド、フェニルグリシジルエーテル、p−sec−
ブチルフェニルグリシジルエーテル、、グリシジルメタ
クリレート、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジ
グリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシ
ジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジ
ルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグ
リコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテルなどが挙げられるがこれらに
限定されるものではない。特に反応性基が2官能以上で
あることが好ましく、例えば、ジグリシジルエーテル、
ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルア
ニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、
シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ア
ルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げ
られる。上記反応性希釈剤は単独で用いても混合して用
いても良い。
シ樹脂、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキ
センモノオキサイド等を用いると硬化性を向上させるこ
とが出来る。また、反応性希釈剤を添加することによ
り、エポキシ樹脂組成物の粘度調整が容易にでき、種々
の塗布工程への対応が可能となる。特に本発明のように
固形エポキシ樹脂を混合する場合は粘度調整が必要なた
め有効である。また、2官能以上であれば、硬化反応に
より硬化物の架橋密度を向上させ、耐インク性を向上さ
せることが出来るので、より好ましい。また、理由は不
明であるが、これら反応性希釈剤を添加した場合、ポッ
トライフが長くなる傾向にあり、作業性を向上させるこ
とが出来る。反応性希釈剤の添加量は、固形エポキシ樹
脂と液状エポキシ樹脂の混合物100重量部に対して1
00重量部以下が好ましい。この量が100重量部を超
えると、希釈効果はあるものの、ベースとなるエポキシ
樹脂組成物の硬化物そのものの特性が変化し、接着強度
や耐インク性が低下する。
は、液状であることが望ましく、例えばイミダゾール化
合物や3級アミン系化合物、アルコール類、フェノール
類などが挙げられるが、特にこれらに限定されるもので
はない。イミダゾール化合物及び3級アミン化合物の具
体例としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエ
チル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−シア
ノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、N,
N′−ジメチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、
2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙
げれられる。アルコール類、フェノール類の具体例とし
ては、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ノ
ニルフェノールなどが挙げられる。特に耐インク性を考
慮した場合、硬化促進剤自体も反応して硬化物の構成員
となる3級アミン系化合物が好ましい。硬化促進剤を用
いると、硬化性が向上し、接着強度が良好となるので好
ましく、特に本発明のように固形エポキシ樹脂と液状エ
ポキシ樹脂を混合する場合は、反応性が液状エポキシ樹
脂単独の場合よりもやや劣るため、硬化促進剤の添加は
効果的である。また、硬化促進剤の使用は硬化温度低下
をもたらし、低温硬化による歪みを抑えることも出来る
ので、インクジェットヘッド作製工程の簡素化(セル作
製時における省エネ)やコストダウンにも寄与する。硬
化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て10重量部以下が好ましい。10重量部を超えると、
硬化性はよいものの、3級アミン系化合物の場合は硬化
物の架橋密度が高くなり過ぎ、硬い硬化物を与えるた
め、接着強度の低下を招く。
カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩;酸化鉄、酸化チ
タン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物;カオリ
ン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、種々の点から酸化チタンやシリカを一種
又は二種以上併用することが好ましい。また、これら無
機充填剤の粒径は小さい方が好ましく、特に1μ以下、
1次粒子が30nm以下程度のものであることが好まし
い。粒径が1μ以上であると、微細塗布接着が困難とな
り、更に硬化接着時における染み出しの防止効果が少な
くなる。無機充填剤を混合すると、エポキシ樹脂組成物
の粘度調整が容易に出来るので、種々の塗布粘度に対応
できると共に、硬化物の耐インク性を向上させることが
可能となる。これら充填剤の添加量は、エポキシ樹脂組
成物や充填剤の種類により大きく変化するが、硬化物の
耐インク性などの面からもエポキシ樹脂100重量部に
対して100重量部以内とすることが望ましい。100
重量部を超えると、粘度上昇によりエポキシ樹脂組成物
の塗布性が損なわれるし、接着性が劣化する傾向にある
ので好ましくない。充填剤の混合に際しては、均一分散
するために三本ロール等で混練し、微細化して使用する
ことが望ましい。
リング剤やチタンカップリング剤などを使用することが
望ましい。シランカップリング剤の具体例としては、例
えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレ
イドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカッ
プリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤;ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン等のビニルシランカップリング剤;γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプ
トシランカップリング剤;γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン等のアクリルシランカップリ
ング剤;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ト
リフルオロメチルトリメトキシシラン等の一般式 RS
i(OR′)3〔式中、Rはハロゲン原子が置換してい
てもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキ
ル基を示し、R′は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖
状のアルキル基を示す。〕で表されるアルキルトリアル
コキシシラン等を挙げることができる。
例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリス−イソデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス−n−デシルベンゼ
ンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオク
チルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピ
ル−ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テト
ラオクチル−ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネ
ート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブ
チル)−ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネー
ト、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテ
ートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)
エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチ
タネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタ
ネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテー
トチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート
等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるも
のではない。これらのカップリング剤の添加量は、本発
明のエポキシ樹脂組成物の種類により大きく変化する
が、無機充填剤を添加したエポキシ樹脂組成物の合計を
100重量部とした場合に、5重量部以下とするのが好
ましく、5重量部を超えると樹脂の凝集力が低下し、結
果として接着力や信頼性が低下する。
は、例えば、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、
架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン
粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、
メラミン−グアナミン樹脂粒子、ポリウレタン粒子、フ
ェノール樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。高分子粒子を
用いることにより、硬化接着時の染み出しを防止したり
硬化物に可撓性を与えることができるので接着強度が向
上する。特に、架橋ポリアクリレート系粒子は、エポキ
シ樹脂の硬化の際に流動性の増したエポキシ樹脂をゲル
化して染み出し防止に寄与するだけでなく、硬化物に柔
軟性を付与することもでき、接着強度を増加させる効果
もある。エポキシ樹脂組成物の粘度もその混合量により
任意に調整可能であり、塗布工程などの作業性を良好に
することが出来る。また、理由は不明であるが、架橋ポ
リアクリレート系粒子を添加するとエポキシ樹脂の硬化
を促進する効果もあり、混合しない場合に比べて、より
低温での硬化接着が可能となる。これらの高分子粒子の
粒径は小さい方が好ましく、特に1μm以下が好まし
い。粒径が1μmを超えると、微細塗布接着が困難にな
ると共に、硬化接着時における染み出し防止効果が少な
くなり、接着強度も低下する。
の点からエポキシ樹脂100重量部に対して40重量部
以下が好ましい。40重量部を超えると粘度上昇により
エポキシ樹脂組成物の塗布性が損なわれる上に、耐イン
ク性が劣化する傾向にある。また、前記無機充填剤と高
分子粒子を併用することによって、特に染み出しに効果
があり、更に剥離性が向上する。固形エポキシ樹脂と液
状エポキシ樹脂を混合して用いた場合、硬化反応がマイ
ルドになり易く、加熱による染み出しが起り易くなる
が、無機フィラー及び高分子粒子を混合するこにより染
み出しを防止することが出来、かつ固形分が多くなるの
で耐インク性が更に向上する。本発明のエポキシ樹脂組
成物は、バブルジェット(登録商標)方式,ピエゾアク
チュエータ方式、静電方式の何れの方式に対しても使用
可能であり、インクジェットヘッド製造における各部材
の接着に使用できる。特にインクに接する部材の接着に
おいて効果を発揮する。
るインクジェットヘッド製造法について説明する。ここ
では、エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジ
ェットヘッド製造法を説明するが、この方式に限定され
るものではない。まずSi基板を用意し、その上に電極
部及びギャップ部を形成する。次に別のSi基板を用意
し、これと前記電極部及びギャップ部を形成したSi基
板とを直接接合により接合した後、100nmの厚さに
なるまで研磨するが、その際、Si/Si直接接合以外
に、本発明によるエポキシ樹脂組成物を使用して硬化接
着する場合もある。次に電極基板及びSi基板にエッチ
ングマスクとなる窒化膜をデポジション(付着)させ、
裏面流路部と液室部をウェットエッチングにより形成す
る。次にダイシングによりウエハ(Wafer)から各
チップに切断する。次いで、ドライエッチングにより電
極取り出し部を作成(開口)する。次いで、露出した個
別電極とFPCケーブルを異方性導電膜によって電気的
に接続する。ケーブルにはドライバICがワイヤーボン
ドによって搭載されている。次にノズルプレートとアク
チュエータを接着するために、シリコン液室の上面にエ
ポキシ樹脂組成物を塗布する。また、振動板のギャップ
(振動室の入り口)を封止するために、エポキシ樹脂組
成物を塗布する。次いで、Ni電鋳により形成されたノ
ズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布された静電
アクチュエータを位置合わせし、加圧を行い加熱硬化さ
せ、静電方式インクジェットヘッドを作製する。
ェットヘッドを製造するが、その際の接着方法につい
て、更に詳しく説明する。まず、エポキシ樹脂組成物の
硬化接着温度については、エポキシ樹脂組成物が硬化す
る温度であれば良く、硬化物の耐インク性、接着強度が
良好であるような硬化条件を満たしていれば良い。硬化
条件としては、常温〜130℃で30分〜7日間であ
り、好ましくは室温〜120℃で60分〜2日間の範囲
である。なお、硬化条件はステップキュアを行っても良
い。例えば、60℃で圧着仮硬化し、120℃で本硬化
するなどの多段階硬化接着も行うことも可能である。ま
た、特に異種部材接着の場合、例えばノズルプレートが
Ni電鋳により形成されたものの場合、Si基板との加
熱接着の際に各部材の線膨張係数が異なるため硬化温度
を高くすると反りが発生してしまい、内部応力によりア
クチュエータを破壊してしまう可能性があるので、硬化
接着温度は低い方が好ましく、特に常温硬化接着が好ま
しい。なお、硬化時間は硬化温度とエポキシ樹脂組成物
の種類により変化するため、それぞれの硬化条件に従っ
て決定される。
ら、主剤と硬化剤を混合した後、1時間以上であること
が好ましい。また、混合後、素早く凍結し硬化反応を止
めて保存すれば、更にポットライフを伸ばすこともでき
る。1次硬化でも十分であるが、常温硬化や低温硬化
(1次硬化)後に、アフターキュアすることで、硬化
性、架橋密度が向上し、耐インク性や接着性を向上させ
ることができる。アフターキュア温度は通常のエポキシ
樹脂組成物の硬化温度域であれば良い。なお、1次硬化
接着を常温又は低温で行っているため、線膨張係数の異
なる異種部材接着であってアフターキュア温度が高温の
場合でも、反りの発生が抑制されるので問題はない。ア
フターキュア時間は硬化温度とエポキシ樹脂組成物の種
類により変化するが、その組成物の標準硬化温度及び時
間であることが好ましい。このようなアフターキュアを
することで、水分や被着有機物をエージングし、インク
注入前の前処理になるという効果もある。硬化接着の際
の各部材の接着圧は、エポキシ樹脂組成物の粘度によっ
て変動はあるが、0.5〜10kgf/cm2であるこ
とが好ましい。0.5kgf/cm2より小さい圧力で
加圧接着すると、接着層厚を制御することが困難とな
り、接着ムラを引き起こし、接着強度の低下につなが
る。また、10kgf/cm2を超えると、エポキシ樹
脂組成物が加熱硬化接着の際に流動し、接着面より流れ
出てしまい、各部材間にエポキシ樹脂組成物が殆ど残ら
ないため接着強度が低下し、インク流路に接している部
位ではインクの滲み出しが起こる可能性もあり好ましく
ない。
法について述べると、各部位又は部材によって異なる
が、一般に使用される均一塗布方法であれば良く、例え
ばスクリーン印刷法、スピンコート法、転写法などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。更にエ
ポキシ樹脂組成物塗布膜の厚みは、各部材の接着及びイ
ンクジェットヘッドの性能に影響を及ぼさない範囲であ
れば良く、例えば静電方式インクジェットヘッドのノズ
ルプレートと液室の接着の場合には、エポキシ樹脂組成
物の染み出しが噴射特性に影響を与えるため、塗布膜厚
を1μm前後にする必要がある。しかし、液室上面に塗
布する場合は、転写法により塗布膜厚をコントロールす
る必要があるので、ドクターブレードでローラー上にエ
ポキシ樹脂組成物を薄膜状に塗布し、転写パッドにより
ローラーからエポキシ樹脂組成物を転写し、更に転写パ
ッドから液室上面にエポキシ樹脂組成物を転写する方法
を採用する。また、ノズルプレートがNi電鋳やSUS
で形成されたものである場合、加熱硬化接着すると、線
膨張係数の違いにより反りを発生し、内部応力によりア
クチュエータを破壊してしまう可能性がある。例えば、
ノズルプレートの線膨張係数を同等とした部材を使用す
れば、反りの発生を押さえ、更に硬化温度をフレキシブ
ルにすることが出来、つまり硬化温度を上昇させること
が可能となり、更に耐インク性や接着強度を向上させる
ことも可能となる。具体例としてはNi−鉄合金を使用
すればよく、特にSi基板と線膨張係数を同等にするN
i含有率は30〜50%であり、特に好ましくは32〜
40%である。この範囲以外では線膨張係数がNi単独
の場合と同等であり、Ni−鉄合金を使用する意味がな
い。硬化剤としては、2液型だけでなく、潜在性硬化剤
を選択することも可能で、ポットライフの向上、作業性
向上、コストダウン等に寄与することができる。
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及
び製造例により限定されるものではない。また、実施
例、比較例及び下記「(iii)耐インク性」の項のイン
ク組成物中、「部」とあるのは「重量部」である。な
お、得られたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂
組成物は以下のような試験により評価した。 ≪エポキシ樹脂組成物評価方法≫ (i)接着性:剥離強度試験、引っ張り強度試験 ・剥離強度試験: 厚さ50μmのNi/Siウエハを
エポキシ樹脂組成物により接着し、20mm/minの
速度で剥離強度を測定した。評価基準は次のとおりであ
る。 ○:200gf/cm2以上 △:100−200gf/cm2 ×:100gf/cm2以下 ・引っ張り強度試験: Ni/Siウエハを接着(接着
面積:1cm2)後、SUSブロック(10mm*10
mm*30mm)に接合し、50mm/minの速度で
引っ張り強度を測定した。評価基準は次のとおりであ
る。 ○:50kgf/cm2以上 △:10−50kgfcm2 ×:10kgf/cm2 (ii)接着信頼性:剥離強度試験、引っ張り強度試験 硬化接着後、サンプルの耐インク試験(インク浸漬、5
0℃40時間超音波)を行い、次いで剥離強度試験及び
引っ張り強度試験を行った。評価基準は、剥離強度試験
100gf/cm2以上、且つ、引っ張り強度試験10
kgf/cm2以上のものを○とし、それ以外のものを
×とした。 (iii)耐インク性 エポキシ樹脂組成物の硬化物を、以下の各インクに浸漬
し(50℃、40時間、超音波)、膨潤率を測定した。
評価基準は次のとおりである。 ○:膨潤率5%以下 ×:膨潤率が5%を超えるもの 〈ブラックインクの組成〉 ・C.I.Direct Black 168(ゼネカ染料) 4% ・ジエチレングリコール 15% ・グリセリン 5% ・ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1% ・プロキセルXL(I.C.I製) 0.4% ・イオン交換水 74.6% 〈イエローインクの組成〉 ・Pro−jet Fast Yellow 2(ゼネカ染料) 1.5% ・C.I.Direct Yellow 142(ダイワ化成染料)0.5% ・ジエチレングリコール 15% ・グリセリン 5% ・ECTD−3NEX(日光ケミカルズ) 1% ・サンアイバックAP(三愛石油社製) 0.4% ・イオン交換水 76.6% 上記組成で処方した各インク組成物を、室温中で撹拌溶
解し、水酸化リチウムによりpHを10.5に調整した
後、0.22μmのテフロン(登録商標)フィルタ−で
濾過し、更に30分程度の脱気を行ったインクを使用し
た。 (iv)塗布性:連続塗布が可能で、塗布膜が均一である
ものを○とし、そうでないものを×とした。 (v)染み出し:硬化接着後、染み出しのないものを○
とし、染み出しのあるものを×とした。 (vi)硬化温度:130℃以下のものを○とし、130
℃を超えたものを×とした。 (vii)ポットライフ:エポキシ樹脂組成物を調整(エ
ポキシ樹脂と硬化剤を混合)後、室温で1時間以上のポ
ットライフがあるものを○とし、1時間未満のものを×
とした。
は、エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジェ
ットヘッド製造方法について説明するが、この方式に限
定されるものではない。図1および図2は静電方式イン
クジェットヘッドの製造工程を示す平面図である。ま
ず、図1(a)に示すように、P型(100)Si基板
201を用意し、その上に電極部202及びギャップ部
203を形成する。次に、図1(b)に示すように、ボ
ロンを注入した(110)Si基板204を用意し、前
記電極部及びギャップ部を形成したP型(100)Si
基板とボロンを注入した(110)Si基板204を直
接接合により接合し、100nmの厚さになるまで研磨
を行う。次に、電極基板201及びSi基板にエッチン
グマスクとなる窒化膜をデポジション(付着)させ、図
1(c)に示すように裏面流路部205、液室部206
をウェットエッチングにより形成する。次に、ダイシン
グによりウエハ(Wafer)から各チップに切断す
る。次に、図2(a)に示すように電極取り出し部20
9をドライエッチングにより形成(開口)する。次に、
図2(b)に示すように、露出した個別電極210とF
PCケーブルを異方性導電膜によって電気的に接続す
る。ケーブルにはドライバICがワイヤーボンドによっ
て搭載されている。次に、ノズルプレートとアクチュエ
ータを接合する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹
脂組成物を塗布する。また、振動板のギャップ(振動室
の入り口)を封止する為に、エポキシ樹脂組成物を塗布
する。最後に、図2(c)に示すように、Ni電鋳によ
り形成されたノズルプレート212と、エポキシ樹脂組
成物が塗布された静電アクチュエータを位置合わせし加
圧を行い加熱硬化させる。
断面図である。また、図4は静電方式インクジェットヘ
ッドの斜視図を示している。図3(a)に示すように、
P型(100)Si基板301(厚さ625nm)を用
意し、2nmの厚さの酸化膜302をウェット酸化によ
り形成した。酸化条件は1050℃、18.5時間であ
る。次に、図3(b)に示すように、グラデーションマ
スクを用いてレジストのパターンニングを行い、ドライ
エッチング及びウェットエッチングにより酸化膜のパタ
ーンニングを行った。グラデーションマスクを用いて電
極形状を形成することにより非平行のギャップを形成す
ることができ、低電圧化に有利な電極形状とすることが
可能となる。次に図3(c)に示すように、電極となる
TiN303を200nmの厚さにスパッタ法で形成し
た。次に、TiNを個別電極用とするためにエッチング
により分離し、次いで電極保護膜としてシリコン酸化膜
304を150nmの厚さに形成した。次に、電極部以
外の前記シリコン酸化膜及びTiNを各々ドライエッチ
ング、ウェットエッチングにより除去した。次に、図3
(d)に示すようにボロンを注入した厚さ400nmの
(110)Si基板305を900〜1000℃で直接
接合により接合し、次いで100nmの厚さになるまで
研磨した。次に電極基板301及びSi基板305に窒
化膜を積層後、パターンニングをして図3(e)に示す
ように、ウェットエッチングにより電極基板301に裏
面流路306を形成した。次に、図3(f)に示すよう
に液室部307をウェットエッチングにより形成した。
次に、ボロン注入Si及びシリコン酸化膜をエッチング
して裏面流路の開口を行った。続いて、メタルマスクを
介してアルミをデポジション(付着)させることにより
液室の共通電極部を形成した。ここでダイシングにより
チップ単位に切断し、次いで、図3(g)に示すよう
に、極取り出し部308をドライエッチングにより形成
(開口)した。更に電極取り出し領域のTiN上のシリ
コン酸化膜をドライエッチングにより除去した。以上の
ようにして静電方式インクジェットヘッドのアクチュエ
ータ部の作製を行った。
ュエータ401とFPCケーブル402を異方性導電膜
によって電気的に接続した。FPCケーブルにはドライ
バIC403がワイヤーボンドによって搭載されてい
る。そして、ノズルプレート404とアクチュエータを
接着する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成
物を塗布した。なお、静電方式インクジェットヘッドの
場合、シリコン液室とノズルプレートをエポキシ樹脂組
成物により接着する際に、エポキシ樹脂組成物の染み出
しが噴射特性に影響を与えるため、塗布膜厚を1μm前
後にする必要がある。そこで、シリコン液室上面に接着
剤を塗布する方法として転写法を採用し、塗布膜厚をコ
ントロールすることにした。即ち、ドクターブレードを
用いてローラー上にエポキシ樹脂組成物を薄膜状に塗布
し、転写パッドによりローラーからエポキシ樹脂組成物
を転写し、更に転写パッドからシリコン液室上面にエポ
キシ樹脂組成物を転写する方法により行った。また、振
動板のギャップ(振動室の入り口)を封止する為に、エ
ポキシ樹脂組成物を塗布した。なお、振動室内部に湿気
が入り込むと振動板が変位しなくなってしまうが、エポ
キシ樹脂組成物を使用すれば、耐湿性も良好となる。
置決めをする為に、ディスペンサーを用いてシリコン液
室のエポキシ樹脂組成物塗布領域405にエポキシ樹脂
組成物を塗布した。そして、Ni電鋳により形成された
ノズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布された静
電アクチュエータを位置合わせし、エポキシ樹脂組成物
を一次加圧加熱硬化させた。また、インク供給タンク又
はインクカートリッジからインクを供給する為のジョイ
ント部406と、フィルター407が熱溶着されたフレ
ーム408を接着した。フレームにアクチュエータとノ
ズルプレートを接着する為のエポキシ樹脂組成物を塗布
し、アクチュエータの位置合わせをして接着を行った。
上記静電方式インクジェットでは、個別電極にパルス電
圧を印加する事により、振動板が静電気力によって電極
側に変形し、インクが共通液室から流体抵抗部を通って
圧力発生室に流入し、圧力発生室の体積が増加する。そ
して、パルス電圧が解除されると静電気力が無くなり、
振動板が元の状態に戻るので、振動板の弾性力によって
圧力発生室の圧力が上昇し、ノズル孔からインクが噴射
される。
合は、固形エポキシ樹脂を粉砕・細粒化したものを融点
程度の温度に加温した液状エポキシ樹脂に徐々に添加
し、溶解攪拌しながら混合することにより行う。この場
合、液状エポキシ樹脂の揮発を抑えるために出来るだけ
溶解する温度を低く設定する(軟化点以下でも溶解混合
出来る温度とする)。更に反応性希釈剤を混合する場合
には、反応性希釈剤は揮発しやすいので、固形エポキシ
樹脂と液状エポキシ樹脂を混合した後、常温に戻してか
ら添加するか、放冷時になるべく低い温度で(30〜4
0℃付近で)混合する。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験用サ
ンプルを作製した。このサンプルに対し、前記評価方法
に従って評価した結果を表1に示した。また、このエポ
キシ樹脂組成物を使用すると、硬化物に可撓性が付与さ
れ、特に剥離強度が向上した。
樹脂を100部のみとし、液状硬化剤の代りに、固形硬
化剤ポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハー
ドナーEH−4070S)26部を使用し、溶媒として
メチルカルビトールを40部使用する点以外は実施例1
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製し、この組成物
を塗布後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発させ、実施例1
と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサン
プルに対して、前記評価方法に従い評価した結果を表1
に示した。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験用サ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。また、このエポ
キシ樹脂組成物を使用すると、特に引っ張り強度が向上
した。
樹脂(東都化成YDCN−704/軟化点:85〜95
℃/エポキシ当量:195−220)を100部のみと
し、液状硬化剤の代りに、硬化剤として固形硬化剤ポリ
アミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナーE
H−3731S)60部を使用し、溶媒としてメチルカ
ルビトールを40部使用する点以外は実施例2と同様に
してエポキシ樹脂組成物を作製し、この組成物を塗布
後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発させ、実施例2と同様
の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに
対して、前記評価方法に従い評価した結果を表1に示し
た。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧1.5kgf
/cm2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験
用サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評
価方法に従い評価した結果を表1に示した。また、この
エポキシ樹脂組成物を使用すると、エポキシ樹脂の相溶
性が良く、特に塗布性が良好で、剥離強度も向上した。
樹脂/o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都
化成YDCN−702/軟化点:70〜80℃/エポキ
シ当量:195〜220)を100部のみとし、液状硬
化剤の代りに、硬化剤として固形硬化剤ポリアミン変性
アダクト(旭電化社製:アデカハードナーEH−407
0S)60部を使用し、溶媒としてメチルカルビトール
を40部使用する点以外は実施例3と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を作製し、この組成物を塗布後、溶媒を温
風送風乾燥して蒸発させ、実施例3と同様の硬化条件で
硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記
評価方法に従い評価した結果を表1に示した。
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験用サ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。また、このエポ
キシ樹脂組成物を使用すると、特に耐インク性に対し
て、より信頼性の高い硬化物が得られた。
脂は混合せず、固形エポキシ樹脂を100部のみとし、
液状硬化剤の代りに、固形硬化剤ポリアミン変性アダク
ト(旭電化社製:アデカハードナーEH−3615S)
11部を使用し、溶媒としてメチルカルビトールを40
部使用する点以外は実施例4と同様にしてエポキシ樹脂
組成物を作製し、この組成物を塗布後、溶媒を温風送風
乾燥して蒸発させ、実施例4と同様の硬化条件で硬化サ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験用サ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。また、このエポ
キシ樹脂組成物を使用すると、硬化物に可撓性が付与さ
れ、特に剥離強度が向上した。
樹脂を100部のみとし、液状硬化剤/可撓性付与硬化
剤の代りに、固形硬化剤ジシアンジアミド(旭電化社
製:アデカハードナーEH−3636AS)8部を使用
し、溶媒としてメチルカルビトールを40部使用する点
以外は実施例5と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製
し、この組成物を塗布後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発
させ、実施例5と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製
した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い評価
した結果を表1に示した。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性試験用サ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。また、このエポ
キシ樹脂組成物を使用すると、反応性希釈剤が粘度調整
に効果を発揮し、塗布性を向上させることが出来、作業
性が良好となった。
を100部のみとし、液状硬化剤/可撓性付与硬化剤の
代りに、固形硬化剤ジシアンジアミド(旭電化社製:ア
デカハードナーEH−3636AS)5部を使用し、溶
媒としてメチルカルビトールを40部使用する点以外は
実施例6と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製し、こ
の組成物を塗布後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発させ、
実施例6と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。
このサンプルに対して、前記評価方法に従い評価した結
果を表1に示した。
得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエハを重ね
合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧2kgf/c
m2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サン
プルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法
に従い評価した結果を表1に示した。また、このエポキ
シ樹脂組成物を使用すると、特に硬化性・反応性が向上
し、引っ張り強度及び剥離強度が向上した。
00部のみとし、液状硬化剤/可撓性付与硬化剤の代り
に、固形硬化剤ポリアミン変性アダクト(旭電化社製:
アデカハードナーEH−4070S)6部を使用し、溶
媒としてメチルカルビトールを40部使用する点以外は
実施例7と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製し、組
成物を塗布後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発させ、実施
例7と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。この
サンプルに対して、前記評価方法に従い評価した結果を
表1に示した。
し、更に3本ロールミルにより混練し、主剤組成物を得
た。次いで、硬化剤を加えて攪拌混合し、エポキシ樹脂
組成物を得た。この組成物を用いて、Ni板とSiウエ
ハを重ね合わせ、硬化条件:60℃、8時間、加圧3k
gf/cm2で接着強度試験用サンプル及び耐インク性
試験用サンプルを作製した。このサンプルに対して、前
記評価方法に従い評価した結果を表1に示した。また、
このエポキシ樹脂組成物を使用すると、特に無機充填
剤、高分子粒子により硬化時の染み出しが防止でき、更
に高分子粒子併用で硬化物に可撓性が付与され、剥離強
度が向上した。
ポキシ樹脂100部のみとし、液状硬化剤/可撓性付与
硬化剤の代りに、固形硬化剤尿素アダクト変性(富士化
成社製:フジキュア−FXE−1000)12部を使用
し、溶媒としてメチルカルビトールを40部使用する点
以外は実施例8と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製
し、組成物を塗布後、溶媒を温風送風乾燥して蒸発さ
せ、実施例7と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製し
た。このサンプルに対して、前記評価方法に従い評価し
た結果を表1に示した。
温)で48時間に変えた点以外は実施例1と同様にして
サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価
方法に従い評価した結果を表1に示した。また、インク
ジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッド
を作製したところ、ノズル孔からインクが噴射され、イ
ンクジェットヘッドの歪みがないものが得られた。更に
室温硬化・長時間硬化で内部応力が緩和され、歪みのな
いインクジェットヘッドが得られた。硬化物は室温硬化
で内部応力が緩和されているため、剥離強度が更に向上
した。
間硬化する点以外は実施例1と同様にしてサンプルを作
製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い評
価した結果を表1に示した。また、インクジェットヘッ
ド製造例に従ってインクジェットヘッドを作製したとこ
ろ、インクジェットヘッドに歪みが確認された。
ュア硬化) 実施例6のエポキシ樹脂組成物を用い、常温(室温)で
48時間1次硬化接着した後、100℃で2時間アフタ
ーキュアする点以外は実施例6と同様にしてサンプルを
作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従
い、評価した結果を表1に示した。また、インクジェッ
トヘッド製造例に従って、インクジェットヘッドを作製
したところ、ノズル孔からインクが噴射され、インクジ
ェットヘッドの歪みがないものが得られた。更に、アフ
ターキュア硬化する製造方法を採用することで、諸特性
に変化なく、特に一段階接着よりも低温で仮接着するこ
とが出来るので、硬化温度を低くすることが出来、イン
クジェットヘッドの歪みを低減できた。
間1次硬化接着する点以外は実施例10と同様にしてサ
ンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い評価した結果を表1に示した。また、インクジ
ェットヘッド製造例に従ってインクジェットヘッドを作
製したところ、インクジェットヘッドに歪みが確認され
た。
接着) Ni−鉄合金ノズルプレート(Ni含有率38%)を使
用し、実施例4のエポキシ樹脂組成物を使用し、150
℃で2時間硬化接着を行った。このサンプルに対して、
前記評価方法に従い評価した結果を表1に示した。ま
た、インクジェットヘッド製造例に従って、インクジェ
ットヘッドを作製したところ、ノズル孔からインクが噴
射され、インクジェットヘッドの歪みがないものが得ら
れた。更に、Ni−Fe合金ノズルプレートを使用する
ことで、線膨張係数がSi基板と同等であるため、加熱
硬化型接着剤の選択の巾(硬化温度上昇、硬化時間短
縮)が広がった。
用する代わりに、Niノズルプレートを使用し、実施例
4のエポキシ樹脂組成物を使用し、150℃で2時間硬
化接着を行った。また、インクジェットヘッド製造例に
従って、インクジェットヘッドを作製したところ、イン
クジェットヘッドに歪みが確認された。
のインク流路部と液室部を構成する部材を接着する接着
剤として用いられる、耐インク性、特に耐アルカリ性を
有し、長期浸漬後の部材間の密着性を改善することがで
き、剥離強度が高く、作業性良好なインクジェットヘッ
ド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することが出来、更
にその樹脂組成物を使用した本発明の製造方法により優
れたインクジェットヘッドを提供することが出来る。本
発明1によれば、均一接着でき、硬化性を高め、耐イン
ク性を向上させ、部材間の密着性を高め、特に引っ張り
強度を向上させることが可能な作業性良好なインクジェ
ットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することが
出来る。本発明2によれば、耐インク性を向上させ、部
材間の密着性を高め、特に剥離強度を向上させることが
可能なインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物
を提供することが出来る。本発明3によれば、耐インク
性を向上させ、部材間の密着性を高めることが可能なイ
ンクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供す
ることが出来る。本発明4によれば、耐インク性が良好
で、剥離強度を増加させることが可能なインクジェット
ヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することが出来
る。本発明5によれば、剥離強度を向上させることが可
能なインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を
提供することが出来る。本発明6によれば、粘度調整が
出来、作業性が良好なインクジェットヘッド製造用エポ
キシ樹脂組成物を提供することが出来る。本発明7によ
れば、硬化性や耐インク性を向上させ、剥離強度を向上
させることが可能なインクジェットヘッド製造用エポキ
シ樹脂組成物を提供することが出来る。本発明8によれ
ば、粘度調整が出来、作業性が良好で、硬化接着する際
の染み出しを防止でき、その上、高分子粒子の併用によ
り、更なる可撓性を付与でき、剥離強度が良好となるイ
ンクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供す
ることが出来る。本発明9によれば、インクジェットヘ
ッドの歪みが小さく、インクジェットヘッド本体にかか
る応力を小さく出来る耐インク性の良好なインクジェッ
トヘッド製造方法を提供することが出来る。
す平面図。 (a) P型(100)Si基板201の上に、電極部
202及びギャップ部203を形成する工程。 (b) 電極部及びギャップ部を形成したP型(10
0)Si基板201とボロンを注入した(100)Si
基板204を接合する工程。 (c) 裏面流路部205及び液室部206をウェット
エッチングにより形成する工程。
す平面図(図1の続き)。 (a) 電極取り出し部209を形成(開口)する工
程。 (b) 露出した個別電極210とFPCケーブルを異
方性導電膜によって電気的に接続する工程。 (c) ノズルプレート212と、静電アクチュエータ
を位置合わせし加圧を行い加熱硬化させる工程。
を形成する工程。 (b) 非平行のギャップを形成する工程。 (c) 電極となるTiN303を形成する工程、及び
TiNを分離し、次いでシリコン酸化膜304を形成す
る工程、及び電極部以外の前記シリコン酸化膜及びTi
Nを除去する工程。 (d) ボロンを注入した(110)Si基板305を
接合し、次いで研磨する工程。 (e) 電極基板301に裏面流路306を形成する工
程。 (f) 液室部307を形成し、裏面流路の開口を行
い、続いて、液室の共通電極部を形成し、ダイシングに
よりチップ単位に切断する工程。 (g) 電極取り出し部308を形成(開口)し、電極
取り出し領域のTiN上のシリコン酸化膜を除去する工
程。
ジョイント部 407 フィルター 408 フレーム
Claims (9)
- 【請求項1】 固形エポキシ樹脂及び液状エポキシ樹脂
を含有し、硬化剤が液状硬化剤であり、かつ無溶媒であ
ることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキ
シ樹脂組成物。 - 【請求項2】 固形エポキシ樹脂が常温で半固形或いは
固形であり、そのエポキシ当量が230以上であること
を特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 固形エポキシ樹脂及び液状エポキシ樹脂
が共にビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴
とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 固形エポキシ樹脂及び/又は液状エポキ
シ樹脂が可撓性エポキシ樹脂を含有することを特徴とす
る請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド
製造用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 液状硬化剤として硬化物に可撓性を付与
する硬化剤を使用することを特徴とする請求項1〜4の
何れかに記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項6】 更に反応性希釈剤を含有することを特徴
とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェットヘ
ッド製造用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 更に硬化促進剤を含有することを特徴と
する請求項1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッ
ド製造用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項8】 更に充填剤として無機充填剤及び/又は
高分子粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7の
何れかに記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載のエポキシ
樹脂組成物を使用し、Ni−鉄系合金使用ノズルプレー
トとヘッド本体とを接着することを特徴とするインクジ
ェットヘッドの製造方法。
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