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JPH07116189A - フィステル形成装置 - Google Patents

フィステル形成装置

Info

Publication number
JPH07116189A
JPH07116189A JP26753293A JP26753293A JPH07116189A JP H07116189 A JPH07116189 A JP H07116189A JP 26753293 A JP26753293 A JP 26753293A JP 26753293 A JP26753293 A JP 26753293A JP H07116189 A JPH07116189 A JP H07116189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patient
ring portion
sheath
fistula
fistula forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26753293A
Other languages
English (en)
Inventor
William Glay Michael
マイケル、ウィリアム、グレイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP26753293A priority Critical patent/JPH07116189A/ja
Publication of JPH07116189A publication Critical patent/JPH07116189A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フィステル形成リングを患者の体の外側へ固
定するフィステル形成用のアプライアンスを提供する。 【構成】 リング部14は第1の面、第2の面、及びこ
れら第1面と第2面のほぼ中心を貫く孔を有する。また
リング部20,22は、孔から半径方向外側へ延びたフ
ランジ28も具備する。収集ポーチ30を、リング部1
4の第1面へ取り外し可能に取り付けることができる。
ほぼ円筒状のシース部12は、その一端がリング部14
の第2面に固定されている。シース部12は、リング部
14の孔へ至るまで体内通路を受け入れるように構成さ
れたチャンネルを具備する。シース部12は非吸収性
で、非腐食性のメッシュ材料からなり、患者の体内で自
然に発生する傷跡治癒過程によってシース部12を体内
通路へ結合組織で取り付け、これによりリング20,2
2を患者の体表面上のほぼ永久的な位置へ患者の体内か
ら固定可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にフィステル(人工
肛門などのろう管)形成術用の医療具に関し、特に回腸
切開、結腸切開、その他同様の手術を受けた患者に使わ
れる埋め込み用フィステル形成リングに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】患者に対して、回腸、結腸、その他同様
の腸フィステル形成術を施す必要のある状況が多く存在
する。一般に、腸フィステル形成術では、十二指腸、空
腸、回腸、結腸、尿管などの体内導管が外に引き出され
る。すなわち通常行われている腸フィステル形成術で
は、外に引き出すべき特定の導管を切断した後、導管の
壁を体の表面に形成された開口に縫合する。患者の体か
ら延出した導管は医学上一般に、「ろう口またはフィス
テル」と呼ばれている。通常開口は、患者の腹部に形成
される。
【0003】通常の腸フィステル形成後、患者にはアプ
ライアンスが取り付けられる。一般的なアプライアンス
は人工肛門バッグまたは収集ポーチ(小袋)、接続リン
グ、及びろう口周囲の皮膚に接着されるフェースプレー
ト(面板)からなる。このアプライアンスは、外に引き
出された導管から排出される廃物を収集する役割を果た
す。医学辞書によれば、アプライアンスとは体に固定さ
れるか埋め込まれ、失われた体の一部の代わりとなるか
あるいはその機能を果たすように設計された装置であ
る。患者に取り付けられるアプラインスは、体の一部を
機能装置と交換するものであることが多い。アプライア
ンスには2つの種類がある:永久型と一時型である。一
時型のアプライアンスは使い捨てのポーチやカシェ剤
(ウェハ)で、手術後ろう口が充分に治癒するまで、ま
た永久型アプライアンスが選ばれるまで使われる。一般
に、永久型アプライアンスは洗浄及び再使用が可能なも
のである。永久型フェースプレートは、一時型または永
久型ポーチを備えることもある。患者の解剖学的多様
性、つまり新生児、小児、標準体型及び特大体型に適応
するため、アプライアンスは各種サイズで製造されてい
る。
【0004】過去20年にわたり、フィステル形成術用
のアプライアンスに多くのエネルギーが注がれ、数多く
の改良が行われてきた。しかしまだ現在の所、フィステ
ル形成術を施した患者に使われる各種の器具は、当該分
野に特別の興味を持つわずかな専門家以外の人にとって
馴染みのないものである。ごくわずかな例外を除き、フ
ィステル形成術を施した患者は現在、ろう口周囲の皮膚
に密着されたフラットなフェースプレートから実質上な
る接着性アプライアンスを用いており、このフェースプ
レートの中心を貫いてろう口が排泄物を収集するポーチ
内へと突き出ている。
【0005】フィステル形成手術を受けた患者は、腸や
その他の導管を通りろう口へと至る身体からの排泄固状
物、液体または気体の通過を自力で処理できない。従来
は、パッドや接着固定される受け口やフェースプレート
が、フィステル形成用バッグなどの収集容器と一緒に用
いられ、ろう口に対してテープまたは接着剤で固定され
たり、あるいはろう口を覆うように体の周囲に巻いたベ
ルトによってろう口に取り付けられ、これによって身体
からの排泄固状物、液体または気体を収集している。し
かし、現在使われている既知のフィステル形成装置は効
率が悪く、効果的でなく、しばしば厄介な状況を引き起
こしている。
【0006】ポーチは通例開口または口状部を有し、こ
れが皮膚に接着固定されるか、あるいはフィステル形成
用リングをフェースプレートを介してろう口の周囲に接
合される。身体からの排泄物が内部に収集された都度、
ポーチは周期的に取り外し空にしなければならない。悪
臭の散逸や身体排泄物の漏れを防ぐため、バッグ及びフ
ェースプレートの開口とろう口周囲の皮膚との間の接着
シールを気密に保つことが重要である。現在使われてい
るアプライアンスでは、接着シールと皮膚との間の領域
が破れ身体排泄物と接触して、患者が痛みを伴う刺激・
炎症や深刻な感染を蒙ることが余りに多い。
【0007】通常の受け口またはフェースプレートで
は、使用者がプレートの下側をろう口周囲の皮膚に接着
する必要がある。フェースプレートはさまざまスタイル
及び材料で作られているが、ろう口周囲に完全に密で漏
れのないシールを保証することはできない。また、フィ
ステル形成手術を受けた患者は、ポーチを取り付けたり
または付け直しをする際、連結要素を着脱するのに通例
かなりの力を加える必要があるため、痛みや大きな不快
感を蒙るのが普通である。さらにフィステル形成手術を
受けた患者は通例、3日から5日毎にフェースプレート
を取り外し、その領域を洗浄する必要がある。フェース
プレートを取り外してまた取り付けるのにかかる手順は
時間が掛かるばかりでなく、重い皮膚炎症を生じ、ひい
ては重大な感染を引き起こす可能性がある。
【0008】現在使われているフィステル形成術用のア
プライアンスは、コスト高なばかりか、フィステル形成
手術を受けた患者の寿命にも影響を及ぼすことのある多
数の付属品を含んでいる。これらの付属品には次のもの
が含まれる:ストマヘッシブ(Stomahesive) 、リライア
シール (reliaseal)、ガスケットとして使われるカラヤ
(karaya) ディスク。カラヤゴム製のパウダーまたはペ
ーストは保護を基本として使われ、皮膚の治癒を可能と
する。カラヤゴム製のワッシャを延ばしたり切断して、
ろう口の周囲にぴったり嵌合することもある。フェース
プレートとアプライアンスを皮膚へ接着するのに、接合
剤の代わりに、非常に薄い両面接着ディスクが用いられ
ることが多い。接合剤や接着剤を溶かすのに溶剤が必要
なこともあり、アプライアンスを取り外すのにも溶剤が
必要である。非苛性油系の溶剤を、弱い皮膚との接着・
接合に使うことができる。皮膚が炎症を起こしたとき
は、テルファ(Telfa :登録商標)を使える。テルファ
は無菌の非接着性包帯で、すりむけた皮膚がそれ以上悪
化せず治癒するのを可能とする。紙テープであるマイク
ロポア(Micropore ) は、接着テープが使えない人用
の非アレルギー性テープである。またオムツ用の布また
は綿ネル製のろう口当てがプラスチック製ポーチの下側
に当てられ、発汗を吸収すると共に、アプライアンスを
皮膚に接触しないようにする。被覆弾性糸からなるO−
リングをわずかに広げ、ディスクの周囲に嵌合してポー
チを固定することもある。ゴム製リングやプラスチック
製弁が、ポーチ用ファスナーとして使われることもあ
る。
【0009】現在フィステル形成手術を受けた患者は、
全ての付属品の使い方を学び、フィステル形成用バッグ
などアプラインスを身に付けたことによる不便さや不快
な状況に対処しなければならないだけでなく、絶えず、
ほとんど異常なまでに、アプライアンスの洗浄、交換及
び管理を処置しなければならない。さらに、現在利用可
能なフェースプレートは交換または取り外し時に皮膚に
刺激・炎症を引き起こすばかりか、日常の行動中にフェ
ースプレートが皮膚から緩むと、汚物が炎症を起こして
いる皮膚と接触したりその上に溜り、重大な感染を生じ
更なる不快を患者にもたらすこともある。皮膚の炎症や
感染が起きると、多くの場合患者はそれに対処するため
に余計な時間とお金を費やす必要があり、また高価な抗
生物質や入院さえ必要になることもある。
【0010】このように接着剤で固定されるフェースプ
レートの使用は、フィステル形成手術を受けた患者に対
し大きな不快、さらには危険な感染さえ引き起こすこと
がある。つまり、患者はフィステル形成用の装置を維持
するためのストレスに耐えねばならないばかりか、ろう
口とフェースプレートとの間からの排泄物の厄介で害も
ある漏れに気を付けなければならない。また通常、フェ
ースプレートが有効に機能する時間には限りがある。使
用者が繰り返しポーチをフェースプレートへ取り付けた
りそこから取り外していると、フェースプレートが皮膚
から離れ始め、排泄物が漏れ出す。漏れを防ごうとして
患者にできることは、ダクトテープ、危険な接着液、あ
るいはその他フェースプレートと患者の皮膚との間から
の漏れ問題を解決するのにそれほど充分でない方法を用
いることしかない。このような家庭での自分の手による
治療は一時的な解決に過ぎず、より大きな感染や不快に
つながることも多い。
【0011】フィステル形成手術を受けたどの患者にと
っても、皮膚炎症の可能性は常に存在する。フィステル
形成手術を受けた患者における皮膚問題の最も一般的な
原因は、アプライアンスのフェースプレート下側からの
漏れである。排泄物が皮膚と直接接触すると、必ず刺激
・炎症が生じ、すぐにすりむけ及び強度の炎症が併発す
る。皮膚の損傷は、アプライアンスの頻繁すぎる交換、
接着剤除去剤の過剰使用、あるいは周囲領域の強すぎる
こすりや乾燥によっても起きることがある。モリニア症
(感染腸炎)がフェースプレートの下側で起きることも
あり、これは別の形の皮膚炎症と区別するのが難しい。
【0012】漏れを防ぎ且つ保守を必要とせず長期間使
用できるフィステル形成用の装置を提供する試みも、い
くつか成されてきた。しかしこうした医療用装置の一部
は、フィステル形成リングを患者の体内へ装着するの
に、広い範囲の切開や別の手術手順を必要としている。
また、現在周知で入手可能な埋め込み型のフィステル形
成リングでは、結腸などの導管を人工通路を介して引き
出し、皮膚のほぼ表面近くに終端させる必要がある。人
工通路を導管内へ導き、収集ポーチを取り付けるための
外部口を与える技術は、導管と通路チューブとの間での
刺激・炎症及び血流中へ進入し毒性の腐敗(敗血)症を
生じる恐れのある排泄物の内部漏れにより、出血やその
他敗血症など重大な感染を引き起こすことがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の点から、フィス
テル形成術を施すための現在実施されている方法に容易
に適用可能なフィステル形成用のアプライアンスが要望
されている。また、フィステル形成手術時に患者の体内
へ容易に埋め込めると共に、患者の皮膚に対する刺激・
炎症あるいはフィステル形成用アプライアンスからの有
害且つ不快な漏れを生じることなく、収集バッグを繰り
返し着脱可能な使いやすくしかもほぼ永久的なポートつ
まりフィステル形成リングを与えるフィステル形成用の
アプライアンスも要望されている。さらに、接着剤や外
側に装着されるフェースプレートを必要とせず、患者自
身に自然に備わっている結合組織作用(傷跡治癒形成)
を利用してフィステル形成リングを患者の体にしっかり
取り付ける内部固定または固着方式を用いた、保守の手
間があまりかからないフィステル形成用のアプライアン
スが要望されている。
【0014】従って本発明の目的は、フィステル形成手
術を受けた患者の体内へ部分的に埋め込まれ、患者自身
の内部で自然発生する結合組織によって体に固着され、
これによってフィステル形成リングを患者の体の外側へ
固定するフィステル形成用のアプライアンスを提供する
ことにある。
【0015】本発明の別の目的は、追加の手術手順や患
者の体の別途切開を必要とせず、現在実施されている腸
フィステル形成手術に簡単に組み込めるフィステル形成
用のアプライアンスを提供することにある。
【0016】本発明の更に別の目的は、患者の体内に埋
め込まれ、漏れを排除し、感染のリスクを最小限とし、
患者にとって必要な維持保守の量を有効に減少できるフ
ィステル形成固定リングを与えるフィステル形成用のア
プライアンスを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、上記の全ての目的及びここには明記しなかったそれ
以外の目的は、排泄物の収集バッグを取り外し可能に受
け入れるように構成された第1面と第2面とを有するフ
ェースプレートまたはリング部を具備した本発明の埋め
込み用フィステル形成リングによって達成される。フェ
ースプレートは、体外に引き出された導管が通される孔
と、リング部を裏当て支持するフランジとを具備する。
【0018】非吸収性の合成メッシュから形成されるシ
ースはチャンネルを具備し、このチャンネルを通し導管
が前記孔を介して導かれ、患者の腹部から外へ引き出さ
れる。シースはフェースプレートの第2面と一体状か、
あるいはそこに固定される。シースは患者の体内導管と
シースとの間を流体が通過可能なように構成されると共
に、患者の体内で自然に発生する傷跡治癒過程によって
フェースプレートを患者の体内から結合組織で固定可能
とする。シースはリング部の第2面つまり下面から延
び、広い範囲の患者及び導管の種類に適応可能な充分な
長さを有する。シースは、シース材料に織り込まれ、リ
ング部の下面と一体状にされるかあるいは一体状でなく
ともよい補強単繊維を含むこともできる。
【0019】本発明の各目的は、それを達成するための
上記以外の特徴及びそれから得られる利点を合わせ、添
付の図面を参照した本発明の以下の説明から明かとなろ
う。
【0020】
【実施例】まず図1を参照すれば、埋め込み用フィステ
ル形成リングが全体を10で示してあり、シース部12
とリング部14とを含む。リング部14は、フィステル
形成用アプライアンスのフェースプレート(面板)とし
ても知られている。また図1には、一般的なフィステル
形成用バッグ16も示してある。図中に示したアルファ
ベットSは患者の皮膚を表し、FとMは脂肪と筋肉の層
をそれぞれ示し、Gは筋膜の各層を示し、Pは腹膜腔を
示す。Tは、患者の腹壁から延出した引き出し導管Vの
ろう口を示す。導管Vつまり体内通路は一般に、患者の
大または小腸である。但し、ここに記述する本発明の原
理は、体外に引き出されるその他の体内通路もしくは腸
フィステル形成手術全般に適用可能であることが理解さ
れるべきである。
【0021】フェースプレートつまりリング部14は、
第1つまり外側の表面20、第2つまり内側の表面2
2、及びこれら両表面20と22を貫いて延びたほぼ円
形の孔24を含む。外表面20はほぼ平らな表面で、そ
こから一体状のリップ26が外側へ延び、リング部14
をフィステル形成用バッグ16またはその他の収集装置
へ接続するのに使われる。この外側へ延びた一体状リッ
プ26は、一般的に入手可能なネジ形取付具(図5に示
す)など、その他周知の接続装置としても構成できる。
しかし使用上の容易さから、フィステル形成用バッグ1
6はリップ26によってリング部14にスナップ嵌合さ
れるのが好ましい。
【0022】一方、内表面22は突起、くぼみあるいは
変形部を有さずほぼ平らである。患者の腹部の皮膚とほ
ぼ面一にリング部が位置するように、内表面22は平ら
であるのが好ましい。但し、場合によってはリング部1
4と患者の皮膚表面との間の距離をさらに減らすため、
わずかに凹状の表面など、内表面12を平面以外の形状
とすることも考えられる。
【0023】外表面20と内表面22は実質上フランジ
28を形成しており、このフランジ28が一体状リップ
26またはその他の接続装置がそこに形成される支持表
面を与える。フランジ28はリップ26またはその他の
止め装置に対して、リングを患者の腹部上へ装着するの
に充分な構造と支持を与えるように寸法決めされるべき
である。この際フランジ28は、バッグ16をリング部
14へ着脱するためのコネクタを安定化させると共に、
リング部14が患者の体から引き抜かれるリスクを最小
限とするように構成されるべきである。尚、リング部1
4と患者の皮膚表面との間に水分やバクテリア、ゴミが
溜るのを最小限とし、また患者がフランジ28の下側領
域を洗浄あるいは乾燥しようとするとき、リング部14
の取り外しに伴うリスクを最小限とするため、フランジ
28は比較的小径とするのが好ましい。
【0024】リング部14は、毒性及び腐食性がなく、
軽量で、好ましくは安価な任意の適切な材料で形成でき
る。リング部14と患者の皮膚との間で起こり得る好ま
しくない反応や発疹のリスクを抑えるため、リング部1
4の製造にはプラスチックあるいは非腐食性、非侵食性
で軽量の金属物質を用いるのが好ましい。どの材料を選
ぶかで、本発明の範囲は限定されない。
【0025】リング部14は、体外に引き出された導管
のろう口(図2及び図6)へフィステル形成用バッグ1
6を接続するためのポートとして機能するように設計さ
れる。従って、前記孔24は患者の腹壁から延出したろ
う口を導管壁に不要な刺激を与えることなく受け入れる
のに充分な大きさとしなければならない。本発明の埋め
込み用フィステル形成リングが患者の体内に固定された
状態で、リング部14の内表面22は患者の皮膚とほぼ
面一に位置すべきである。図6に示すように、体外に引
き出された導管のろう口は、患者の体から充分に延出し
て患者の排泄物が適切にフィステル形成用バッグ16内
へ排出されるように、腹壁と孔24を貫いて延びてい
る。このため、孔24の形状は患者から引き出されてい
る導管に依存する。患者の体からの漏れを防いだり、異
物が患者の体内へ進入するのを防ぐため、孔24は体外
に引き出された導管の直径とほぼ一致する直径を有す
る、ほぼ円形状であるのが好ましい。従って、体外に引
き出された患者の特定導管と適切に合致するように、本
発明の埋め込み用フィステル形成リング10は限定のな
い多数の孔形状で構成可能である。
【0026】図4及び図5を参照すれば、図示したバッ
グ16などのフィステル形成用バッグは一般に、患者の
体から排出された排泄物を収集するのに使われる。フィ
ステル形成用バッグ16は通常、開口32を備えた入口
板31を有するバッグ部つまり収集ポーチ30を含み、
この開口32を介して腸フィステル形成手術を受けた患
者からの排泄物が排出される。また、フィステル形成用
バッグ16は通常開口32の周囲に沿って、リング部1
4に設けられたリップ26などのコネクタと噛み合い係
合するように構成されたコネクタ36も含む。尚フィス
テル形成用バッグ16は、形状がリング部14に設けら
れたコネクタと相補的な関係にある限り、さまざまな異
なる形状のコネクタ(溝、スロット、ネジ、突起など)
を備えて構成可能である。図1に示すように、好ましい
コネクタ36は、リング部14に設けられたリップ26
をしっかりと受け入れ、患者がバッグ16をリング部1
4から引き抜くまで確実な取付状態を維持する受け入れ
チャンネルとして構成されている。図3に最も明瞭に見
られるごとく、フィステル形成用バッグ16はそのリン
グ部14からの取り外しを容易とし、通常コネクタ36
をリップ26から簡単に引き剥せるように、少なくとも
1つの把持形状部38を備えることもできる。
【0027】図4を参照すれば、埋め込み用フィステル
形成リング10は、リング部14の内表面22から延び
たシース部12を含む。シース部12は第1端40と第
2端42を有する。シース部12は別個に製造してリン
グ部14の内表面22に接続してもよく、あるいはリン
グ部14と一体状に形成することもできる。また、シー
ス部12は一体構造であるのが好ましい。但し本発明で
は、埋め込み用フィステル形成リング10を用いる手術
医の注文に合わせて、シース部12を半分あるいはそれ
以外の部分で分割することも考えられる。
【0028】図2及び4に示すように、シース部12は
ほぼ筒状で、その第1端40から第2端42へと延びた
チャンネル44を具備する。シース部12のチャンネル
44は、リング部14の孔24とほぼ一致している。シ
ース部12は軽量で、多孔性の生物適合材料であるのが
好ましい。全図面を通じて見られるように、シース部1
2はメッシュ状形成物46を有する。使用する材料は、
患者の体がその材料を拒絶せず、劣化させず、あるいは
吸収しないものでなければならない。また使用材料は、
体から排出される劣化物質に充分耐えられる強度である
他、患者の導管と適応するよう充分に可撓性でなければ
ならない。シース部12の長さとチャンネル44の幅
は、体外に引き出される導管の特定サイズ及び患者個々
人の脂肪及び筋肉層の寸法と合うように、手術医によっ
て選択可能である。従って、シース部12は実用上、本
発明による埋め込み用フィステル形成リング10を広い
範囲の導管及び患者に対して使えるように、充分な大き
い寸法を有する長さと幅で製造することも考えられる。
このため、本発明による埋め込み用フィステル形成リン
グ10は広い範囲の用途に適合し、手術医が特定の患者
に合ったシース部12が得られるように製造可能なこと
も理解されるべきである。
【0029】手術医は長さを減じたり及び/又は切断あ
るいは折り込むことによってシース部12を寸法決め
し、特定の患者に必要な寸法を得ることができる。メッ
シュ状形成物46によって生じる弾性のため、シース部
12は本発明による埋め込み用フィステル形成リング1
0の対象物である導管を損傷させることなく患者個々人
のニーズと合うように、折り込んだり、引き延ばした
り、あるいはその他の方法により操作可能である。シー
ス部12は筒状で示してあるが、リング部14の内表面
に接続されたシース部12をその長さに沿って開いたま
まの状態で、本発明による埋め込み用フィステル形成リ
ング10を手術医に引き渡すことも考えられる。このよ
うにすれば、手術医は簡単に、所望の幅を有するシース
部12のチャンネル44などの導管を形成した後、シー
ス部12の開放部を閉じ、筒状あるいはその他必要な形
状にすることができる。
【0030】本発明による埋め込み用フィステル形成リ
ング10のコストを最小とするため、シース部12に用
いる材料は安価で、容易に入手可能なものであるのが好
ましい。また使用材料は、それを貫いて流体が通過可能
なように充分な多孔性を有するのが好ましい。現在入手
可能で使用可能な生物適合材料としては、タンタルメッ
シュ、ステンレス鋼メッシュ、ポリエステル布(ダクロ
ン(Dacron):登録商標)、ポリエステルシート(マイラ
ー (Mylar):登録商標)、ナイロンメッシュ、ダクロン
メッシュ(マーシレン (Mersilene):登録商標)、アク
リル系布(オルロン(Orlon) : 登録商標)、テフロン
(Teflon:登録商標)のメッシュ及び布であるポリテト
ラフルオロエチレン、ポリプロピレンメッシュ(マルレ
ックス(Marlex)及びプロレン (Prolene):登録商標)が
ある。これらのうち、メッシュサイズと入手可能性から
マルレックスが好ましい。但し上記の例は、利用可能な
材料をすべて網羅したものでなく、また本発明の埋め込
み用フィステル形成リング10によるシース部12を構
成するのに使用可能な材料の種類を示したものでもな
い。
【0031】どの材料を選ぶかにかかわりなく、好まし
い材料は非吸収性で、充分に大きいメッシュ状形成物4
6を有し、シース12の周囲及びそれ自体を貫いて患者
自身の体が自ら傷跡治癒組織を形成するのを(自然発生
の結合組織反応が進行するのを)可能とするものである
ことが理解されねばならない。シース部12全体を多孔
性またはメッシュ状にしないことも考えられるが、患者
の体がシース部12の全長にわたって密着し、患者の体
内によりしっかり取り付けられるように、シース部12
全体が多孔性であるのが好ましい。少なくとも10ミク
ロンのメッシュサイズを有する利用可能なほとんどの生
物適合材料が、リング部14を患者へ取り付けるのに使
えると考えられる。それ以外の寸法のメッシュ状形成物
46でも充分に機能するが、メッシュ材料は750ミク
ロンから600ミクロンの範囲、あるいは少なくとも6
00ミクロンと750ミクロンの間であるのが好まし
い。また、シース部12を測定可能な多孔を持たないつ
まり10ミクロン以下の多孔を有する材料で形成し、シ
ース部材料は貫かず、材料の外側及び内側両表面でだけ
別々に結合組織による接合が起きるようにすることも考
えられる。
【0032】現在入手可能な埋め込み用フィステル形成
アプライアンスは管状構造を有し、その周囲に沿って導
管が引き延ばされる。これに対し本発明による埋め込み
用フィステル形成リング10では、図2に最も明瞭に示
すように、導管をチャンネル44内に通すことによっ
て、リング部14を腹壁へ有効に固定する。手術医は導
管を分離して体外へ引き出すのに必要な全ての手術手順
を完了した後、導管をシース部12のチャンネル44に
通す。導管がチャンネル44に通された後、縫合48な
どの手術作業により、シース部12が導管及び周囲の脂
肪、筋肉、筋膜、腹膜の各層に固定される。
【0033】図1及び図3に最も明瞭に示すように、シ
ース部12を固定する好ましい方法では、縫目つまり縫
合48がメッシュ状形成物46を介し、体外に引き出さ
れた導管内へ及びそれを貫いてさらに患者の腹壁の各層
を貫いて施される。図1に示すように、一組の縫合48
が最上端(図示左側端)において皮膚を貫いて施され、
別の一組が患者の身体内のほぼ中間近くで筋肉と筋膜を
貫いて施され、第3の一組が患者の身体内の腹腔のすぐ
上の下方部で腹膜と筋肉を貫いて施されている。これら
の縫合48は吸収性であるのが好ましいが、リング部1
4を患者の体へよりしっかり取り付けるため、非吸収性
の縫合材料を用いてもよい。
【0034】再び図2を参照すれば、埋め込み用フィス
テル形成リング10の断面が示してあり、導管がどのよ
うに患者の体の脂肪、筋肉、筋膜、腹膜の各層を貫き、
腹壁から延出しているかを示している。すなわち、ろう
口と呼ばれる導管の体外に引き出された部分はリング部
14を越えてバッグ16内へと延び、排泄物の収集ポー
チ30内への適切な排出を促す。図示のごとく、リング
部14のリップ26はフィステル形成用バッグ16のコ
ネクタ36と噛み合い係合している。この接続は、排泄
物から発生する不快な悪臭が散逸するの防ぎ、また排泄
物が漏れて患者の体や皮膚に有害且つ障害のある結果を
もたらすのを防ぐため、気密にすべきである。図2に示
すように、シース部12は導管を包むと共に、リング部
14の内表面22のすぐ下の地点から、前記の各層を貫
き腹腔内へと延びている。必ずしも必要でないが、患者
の腹部表面に対するリング部14の取り付けをより強固
とするため、シース部12は導管を包み、少なくともわ
ずかな部分腹腔内へと延びているのが好ましい。
【0035】縫合糸48が体内に吸収された後は、メッ
シュ状形成物46が体に備わっている自然の傷跡治癒過
程を利用し、導管が結合組織的に自らをシース部12へ
固定するのを可能とする。またメッシュ状形成物46
は、導管とシース部12との間から流体が逃れるのを可
能とし、シース部12の周囲及びそれを貫く切開部分の
回復及び傷跡治癒を促す。従って、シース部12のメッ
シュ状形成物46の内部及びそれを貫いて体の結合組織
つまり傷跡治癒が作用した後、本発明による埋め込み用
フィステル形成リング10は患者の体のほぼ永久的な固
定物となる。さらに、導管はシール部12のチャンネル
44を通って延び、皮膚の表面に至るまでシース部12
に取り付けられているので、体からの流体や排泄物がろ
う口とリング部14の内表面22との間あるいはそれら
の周囲から漏れる可能性はない。つまりワッシャや接着
剤を用いることなく、患者の体自身がろう口とリング部
14との間のギャップを実質上密封する。また、患者の
傷跡治癒過程がリング部14と患者の体との間のギャッ
プを密封するので、異物や排泄物が患者の体に接触し、
重大な感染や疾病を引き起こすリスクが少ない。
【0036】すなわち図2には、シース部12がどのよ
うに患者の皮膚表面のすぐ下の地点から下方へ、腹壁の
各層を貫き、さらに腹腔の一部内へと、体外に引き出さ
れている導管を包み込んで延びているかが示されてい
る。図2に示すごとく、導管はシース部12のチャンネ
ル44を通って延び、患者の腹壁から延出している。患
者の体が治癒するのに必要な時間が経過すれば、本発明
による埋め込み用フィステル形成リング10はフィステ
ル形成手術を受けた患者に対し、実質上漏れと感染の可
能性がない環境を与える。さらに、シース部12は患者
の体自身の作用によってリング部14を患者の体へ永久
的に取り付けるので、リング部14をろう口の周囲へ固
定密封するのに接着剤やペーストを使う必要はない。ま
た図2において、リング部14の内表面22は患者の腹
部の皮膚表面とほぼ面一状態でそこに位置するように示
してある。リング部14の内表面22またはフランジ2
8と腹部の皮膚表面との間にゴミや汗が溜るのを最小限
とするため、リング部14は患者の皮膚とほぼ面一状態
に位置するのが好ましい。
【0037】次に図3を参照すれば、シース部12は導
管の外側へ固定されると共に、脂肪、筋肉及び筋膜の各
層を貫き、腹腔内へと延びている。縫合48が施され、
患者の体自身の傷跡治癒過程によって導管がシース部1
2に取り付けられるまで、埋め込み用フィステル形成リ
ング10を患者の体内へ一時的に取り付けている。尚、
埋め込み用フィステル形成リング10を患者の体内へ最
初に取り付ける際、手術医が別個の切開を行ったり、現
在行われているフィステル形成手術を複雑化するような
追加の手順を必要としないことが理解されるべきであ
る。すなわち、本発明は現在行われている手術にそのま
ま包含できる。このことは、縫合や治癒を必要とする追
加の切開が存在しないので回復時間が短縮し、また感染
のリスクが経るので、患者にとっても有利である。
【0038】次に図5を参照すれば、本発明による埋め
込み用フィステル形成リング10の上記に代わる各特徴
が示してある。シース部12に対して補強構造を与える
ため、少なくとも1本の非吸収性補強単繊維をメッシュ
状形成物46に組み込んだり、織り込んだりすることが
できる。より詳しく言えば、補強単繊維50はシース部
12の第1端40からシース部12の第2端42までほ
ぼ全体に延びるのが好ましい。また、補強単繊維50は
リング部14と一体に形成され、シース部12を下って
延びるように、リング部14と同じ材料で作られるのが
好ましい。
【0039】図5に示すごとく、補強単繊維50はシー
ス部12の長さ方向に螺旋状に延びている。但し、シー
ス部12が補強され、同時にシース部12がリング部1
4から分離しないように、補強単繊維50を前記以外の
長さとし、また前記以外のさまざまな方法でシース部1
2内に織り込むことも考えられる。シース部12を確実
にリング部14に取り付け、本発明による埋め込み用フ
ィステル形成リング10の長期に及ぶ使用中、シース部
12がリング部14から分離しないようにすることが重
要である。この目的のため、補強単繊維50を用いた
り、あるいはシース部12をリング部14へ永久的に固
定したりまたは一体形成することも考えられる。
【0040】図5に示し上述したように、収集ポーチ3
0は相補関係にあるネジ山52と54など、各種の接続
構成を用いてリング部14に取り付けできる。また、こ
れ以外の適応する接続構成も、本発明の範囲を逸脱する
ことなく利用可能なことが理解されるべきである。尚接
続構成は、漏れがなく気密であると同時に、容易に取り
外しでき、シース部12がリング部14から時期尚早に
分離したり、あるいはリング部が皮膚表面から剥されて
痛みを生じないようにするのが好ましい。
【0041】図6には、埋め込み用フィステル形成リン
グ10が患者の体内に固定され、導管が収集ポーチ内へ
引き出されている状態が示してある。図6から分かるよ
うに、体外に引き出された導管は通常患者の腹壁から、
収集ポーチ30内へと直接延びている。シース部12が
患者の体へ密封取り付けされていることと合わせ、ろう
口の体外への延出により、漏れと感染の可能性は一層最
小限化される。
【0042】使用時、本発明の埋め込み用フィステル形
成リング10によれば、フィステル形成手術を受けた患
者に対し、患者自身の傷跡治癒過程を利用してリング部
14を腹壁へ結合組織的に取り付ける固着リング部14
が与えられる。これにより、患者はもはやフェースプレ
ートを洗浄したり、接着したりあるいは定期的に交換し
たりなど、フィステル形成用のアプライアンスを処理維
持する必要がなくなる。また、本発明の埋め込み用フィ
ステル形成リング10によれば、手術医は追加の切開や
手術手順を伴わずに、通常の腸フィステル形成手術を行
いながらリング部14を患者の体に固定可能である。す
なわち、腸フィステル形成手術を行う手術医は、現在行
われてる手術手順を複雑にすることなく、埋め込み用フ
ィステル形成リング10の取り付けを現行の手術手順へ
容易に含めることができる。
【0043】埋め込み用フィステル形成リング10を患
者の体内へ一旦埋め込んでしまえば、その後患者はフィ
ステル形成用のアプライアンスを処理維持する負担な
く、毎日の社会生活を送れる。ポーチを周期的に洗浄ま
たは交換し、ろう口の周囲を通常通り身体消毒する点を
除き、それ以外の保守は必要ない。従って、本発明によ
る埋め込み用フィステル形成リング10はフィステル形
成手術及びそのためのアプライアンスを受け入れようと
する患者の意欲を増すと共に、漏れや感染の切実な恐れ
を伴うことなくきわめて正常に機能する。本発明による
埋め込み用フィステル形成リング10を用いた患者はも
はや、フィステル形成用のアプライアンスの保守に絶え
ず気を使う必要がなく、その結果毎日の社会生活を送る
際の患者の能力及び信頼が促進される。本発明による埋
め込み用フィステル形成リング10は頻繁な交換、洗浄
及び接着剤の塗布を必要としないので、フィステル形成
用のアプライアンスは事実上気づかないものとなり、ま
た実際上隠れた固定具となる。
【0044】以上本発明の各種実施例を図示し説明した
が、さまざまな代替、代用及び等価物の使用が可能であ
り、また本発明は特許請求の範囲及びそれと等価の内容
によってのみ制限されることが理解されるべきである。
【0045】尚、本発明の各種特徴は特許請求の範囲に
記載されている。
【0046】
【発明の効果】本発明による埋め込み用フィステル形成
リング10は製造が安価なばかりでなく、それを身に付
け維持する患者にとっても負担がかからない。つまり本
発明によれば、接着剤の使用に伴う費用及びフィステル
形成用のアプライアンスを洗浄し維持する厄介な必要が
取り除かれるので、患者にとって維持の負担が少なくな
る。接着剤を使わないので、接着剤、接着剤除去剤、及
びその他の物質の使用に伴う刺激・炎症及び感染の問題
が回避される。フェースプレートつまりリング部14は
患者の腹部上に単に載っているだけで、シース部12を
介して患者の体に対し密封されているので、フィステル
形成手術を受けた患者にとって、現在使われているアプ
ライアンスでは起こり得るしわ、ひだ、あるいはフェー
スプレートの分離による漏れを心配しなくてもよくな
る。本発明の埋め込み用フィステル形成リング10をフ
ィステル形成手術を受けた患者が身につけても、不慣れ
で複雑な付属品による負担はかからない。代わりに本発
明のリング10は、フィステル形成用のアプライアンス
を外見及び患者の意識両方において実質上隠れたものと
する。本発明のリングは軽量で、使用が簡単で、ほとん
ど保守を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】患者に取り付けられた本発明の埋め込み用フィ
ステル形成リングの断面図と、リングから外された状態
のフィステル形成用バッグとを示す。
【図2】フィステル形成用バッグがリングに取り付けら
れた状態の、本発明の埋め込み用フィステル形成リング
の断面図を示す。
【図3】患者の体内に取り付けられた本発明の埋め込み
用フィステル形成リングの側方斜視図を示す。
【図4】患者の体から外され且つフィステル形成用バッ
グからも外された本発明の埋め込み用フィステル形成リ
ングの側方斜視図を示す。
【図5】本発明の埋め込み用フィステル形成リングの代
替構成を示す。
【図6】患者に完全に取り付けられた本発明の埋め込み
用フィステル形成リングとフィステル形成用バッグとを
示す。
【符号の説明】
10 フィステル形成リング 12 埋め込み手段(シース(部)、カバー) 14 リング部(フェースプレート) 20、22 リング部の第1(外側)面及び第2(内
側)面 24 リング部の孔 26、36 固定手段(26;リップ形成物、36;コ
ネクタ) 28 フランジ 30 収集ポーチ(バッグ部) 31 収集ポーチの入口板 32 収集ポーチの開口 40、42 シースの第1及び第2端 44 シースのチャンネル 46 シースのメッシュ形成物 50 補強単繊維 52、54 固定手段(ネジ山) S 患者の皮膚 T ろう口 V 体内通路(導管)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィステル形成手術を受けた患者に
    使用されるフィステル形成装置において、 第1の外側面、第2の内側面と、これら第1と第2の面
    を貫いて延びた孔であって患者の排泄物を処理するため
    体内通路の開口を与える穴とを有したリング部と、 前記リング部の前記第1面に設けられ、前記排泄物を収
    集する収集ポーチを少なくとも前記孔の周囲へ取り外し
    可能に固定する第1の固定手段と、 前記収集ポーチに設けられ、前記リング部の前記第1の
    固定手段と相補関係にあって収集ポーチを前記リング部
    へ取り外し可能に取り付ける第2の固定手段を備えた入
    口板と、 前記収集ポーチが前記リング部に固定された際に、前記
    リング部の前記孔とほぼ一致するよう前記入口板を貫
    く、前記収集ポーチに形成された開口部と、 前記リング部の前記第2面に接続固定され、患者の体内
    から引き出された体内通路を覆うよう患者の体内に埋め
    込まれた際に、前記リング部の前記第2面を患者の体表
    面上に位置させ該リング部を固定する埋め込み手段とを
    備えたフィステル形成装置。
  2. 【請求項2】 前記リング部は、ほぼ円状形成物
    で、前記リング部の前記第1及び第2面が、前記リング
    部の前記第1の固定手段を支持するのに充分な大きさの
    表面積を有するフランジを形成している請求項1記載の
    フィステル形成装置。
  3. 【請求項3】 前記リング部の前記第1の固定手段
    は、前記リング部の前記第1面から突き出た環状のリッ
    プ形成物からなり、該リップ形成物が前記孔のほぼ周囲
    に沿って形成され、前記収集ポーチの前記第2の固定手
    段が、収集ポーチの前記入口板に形成され、前記リップ
    形成物と噛み合い係合する環状溝である請求項1記載の
    フィステル形成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の固定手段と前記第2の固
    定手段は、噛み合い協働して前記収集ポーチを前記リン
    グ部へ取り外し可能に取り付ける相補関係にある一組の
    溝、スロット、ネジまたは突起からなる請求項1記載の
    フィステル形成装置。
  5. 【請求項5】 前記埋め込み手段は、第1端と第2
    端とを有するほぼ円筒形状のシースであり、前記第1端
    が前記孔のほぼ周囲に沿って前記リング部の前記第2面
    に固定され、前記シースの第2端が前記リング部の前記
    孔を介して患者の体内通路を受け入れるように構成され
    ている請求項1記載のフィステル形成装置。
  6. 【請求項6】 前記シース部は、患者の体内で自然
    に発生する傷跡治癒過程によって前記シースを患者の体
    内通路へ結合組織で取り付け、これにより患者の体表面
    のほぼ永久的な位置へ前記リング部を固定せしめる、全
    体的に多孔性の材料からなる請求項5記載のフィステル
    形成装置。
  7. 【請求項7】 前記シースは、メッシュ材料からな
    る請求項6記載のフィステル形成装置。
  8. 【請求項8】 前記シースは、メッシュ状形成物を
    有する非吸収性の多孔性材料からなり、前記メッシュ状
    形成物は、患者の体内通路と前記シースとの間を流体が
    通過可能なように寸法決めされると共に、前記メッシュ
    状形成物は、患者の体内で自然に発生する傷跡治癒過程
    によって前記シースを患者の体内通路へ結合組織で取り
    付け可能とし、これにより患者の体表面のほぼ永久的な
    位置へ前記リング部を固定せしめる請求項5記載のフィ
    ステル形成装置。
  9. 【請求項9】 前記メッシュ状形成物のメッシュが
    600と750ミクロンの間の幅範囲である請求項8記
    載のフィステル形成装置。
  10. 【請求項10】 前記シースは、シースの前記第1
    端から第2端までほぼ延びた少なくとも1本の非吸収性
    で、非腐食性の弾性単繊維で補強されている請求項5記
    載のフィステル形成装置。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも1本の補強単繊維
    は、前記リング部から下方へ延び且つ前記リング部と一
    体形成されている請求項10記載のフィステル形成装
    置。
  12. 【請求項12】 患者の体内通路のろう口からの体
    外排出流体を収集するためのフィステル形成装置におい
    て、 第1の面、第2の面、及びこれら第1と第2の面を貫い
    て延びたほぼ中心の孔を有し、前記孔から半径方向に延
    び且つ当該フェースプレートに対する弾性支持構造を与
    えるフランジが前記第1及び第2の面に画成されている
    フェースプレートと、 前記フェースプレートの前記第2端に固定して取り付け
    された全体的に多孔性のカバーであって、該カバーは前
    記孔を介して導出される患者の体内通路が通される内管
    を与えるように構成されており、前記フェースプレート
    を患者の体表面上に患者の体内から固着するカバーとを
    備えたフィステル形成装置。
  13. 【請求項13】 前記カバーは、メッシュ状形成物
    を有する非吸収性の材料からなり、前記メッシュ状形成
    物は、患者の体内通路と前記カバーとの間を流体が通過
    可能なように構成されると共に、患者の体内で自然に発
    生する傷跡治癒過程によって前記シースを患者の体内通
    路へ結合組織で取り付け可能とし、これにより患者の体
    表面上のほぼ永久的な位置へ前記フェースプレートを患
    者の体内から固定せしめる請求項12記載のフィステル
    形成装置。
  14. 【請求項14】 前記カバーは、該カバーをほぼ通
    じて延びた少なくとも1本の非吸収性で、非腐食性の弾
    性単繊維で補強されている請求項12記載のフィステル
    形成装置。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも1本の補強単繊維
    は、前記フェースプレートから下方へ延び且つ前記フェ
    ースプレートと一体形成されている請求項12記載のフ
    ィステル形成装置。
  16. 【請求項16】 頑丈で吸収性の材料が前記カバー
    を貫いて縫い込まれ、前記内管が患者の体内へ結合組織
    で固定されるまで、前記カバーを一時的に補強する請求
    項10記載のフィステル形成装置。
  17. 【請求項17】 前記カバーがほぼ円筒状で、患者
    の体内通路を全体的に包み込む請求項12記載のフィス
    テル形成装置。
  18. 【請求項18】 フィステル形成術用リング及び収
    集ポーチの組合せにおいて、 第1の面、第2の面、及びこれら第1の面と第2の面の
    ほぼ中心を貫いた孔を有し、前記孔から半径方向外側へ
    延びたフランジを有するリング部と、 患者の体内通路からの排泄物を収集する収集手段と、 前記リング部に固定取り付けされた第1端と第2端とを
    有するほぼ円筒状の一体構造のシースとを有しており、 前記収集手段は、固定手段によって前記収集手段が前記
    リング部へ固定された際に、前記孔に連通する開口部が
    形成されており、 前記シースは、該シースが前記孔を通して患者の体内通
    路を受け入れるように構成されたチャンネルを有し、前
    記シースが非吸収性で非腐食性のメッシュ材料からな
    り、患者の体内で自然に発生する傷跡治癒過程によって
    前記シースを患者の体内通路へ結合組織で取り付け可能
    とし、これにより患者の体表面のほぼ永久的な位置へ前
    記リング部を患者の体内から固定せしめるようにした、 フィステル形成装置。
  19. 【請求項19】 前記シースは、該シースの前記第
    1端から第2端までほぼ延びた少なくとも1本の非吸収
    性で、非腐食性の弾性単繊維で補強されている請求項1
    8記載のフィステル形成装置。
  20. 【請求項20】 前記少なくとも1本の補強単繊維
    は、前記リング部から下方へ延び且つ前記リング部と一
    体形成されている請求項19記載のフィステル形成装
    置。
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