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JPH0653764B2 - モノシアロガングリオシドの製造法 - Google Patents

モノシアロガングリオシドの製造法

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Publication number
JPH0653764B2
JPH0653764B2 JP60167385A JP16738585A JPH0653764B2 JP H0653764 B2 JPH0653764 B2 JP H0653764B2 JP 60167385 A JP60167385 A JP 60167385A JP 16738585 A JP16738585 A JP 16738585A JP H0653764 B2 JPH0653764 B2 JP H0653764B2
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JP
Japan
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ganglioside
acid
solution
reaction
water
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JP60167385A
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辰郎 横山
春樹 森
政信 有田
温 小島
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三井東圧化学株式会社
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/02Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures
    • C07H15/04Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures attached to an oxygen atom of the saccharide radical
    • C07H15/10Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures attached to an oxygen atom of the saccharide radical containing unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はモノシアロガングリオシドを製造する方法に関
するものである。
ガングリオシドは人及び動物の脳に多く含まれているス
フィンゴ糖脂質の一種で、次の一般式(1) (式中GalNAcはN−アセチルガラクトサミン、Galはガ
ラクトース、Glcはグルコース、NeuNAcはN−アセチ
ル、および/又はN−グリコリル−ノイラミン酸(一般
に単にシアル酸と称する)、Cerはセラミドnは0〜
3、mは1〜3の整数を示す)で表わされ、その構成成
分の一つであるシアル酸残基の結合数及び結合位置によ
つて多数の分子種があり、従つて本発明に云うガングリ
オシドとはそれ等の総称である。
ガングリオシドは1分子に結合しているシアル酸残基の
数によりモノシアロガングリオシド(略号GM)、ジシ
アロガングリオシド(略号GD)、トリシアロガングリ
オシド(略号GT)及び4個のシアル酸残基が結合した
テトラシアロガングリオシド(略号GQ)に大別され、
更にシアル酸残基の結合位置により細別しGMはGM
1(一般式のn=0、m=1)、GBはGD1a(n=1、
m=1)とGD1b(n=0、m=2)、GTはGT1b(n=
1、m=2)、GQはGQ1b(n=2、m=2)等が知ら
れている。
またGM1の数字は基本糖鎖の4つの糖がそろつているこ
とを示しており、GM1から未満のGal が離脱したものはG
M2、さらにGalNAcが脱離したものはGM3と称する。
またシアル酸が全て脱離したものはアシアロ(asialo)GM
1またはGA1と称する。
近年ガングリオシドの生体内での作用の解明が進歩して
おりGM1は中枢神経及び末梢神経の障害の修復、治療に
有効であると報告されている(例えばActa Neuropathol
ogica 62巻 46−50(1983),Agnati,L.F.
他 Acta Physiolgica Scandinavica 119巻347
−363(1983))。
イタリアではクロナシアル なるGM1を含むガングリオ
シド混合物が末梢神経疾患治療薬として上市されてお
り、これに関しては特許(特開昭52−34912)が
出願されている。
従来の技術 GM1以外のガングリオシドからGM1を生成する従来の方法
としてはガングリオシドに脱シアル酸酵素であるノイラ
ミニダーゼを作用させる方法(例えばRichard Kuhn.他C
hemische Berichte96巻866(1963))があ
る。
なお酵素を用いずにGM1を生成させた例(S.Ando、他T
he Journal of Biological Chemistry254巻 No.2
3 12224−12229(1979))も報告され
ている。即ちGQと蟻酸水溶液中pH3 80℃で30分
間維持することでGT1a、GT1b、GD1b、GD1a、GM1の混合
物が生成した、と報告されている。しかしこの報告の薄
層クロマトグラム図によればこの生成混合物中のGM1
量はきわめてわずかであり、GM1の生成については確認
しなければならない。
またガングリオシドのシアル酸残基は酸加水分解により
脱離することが知られている(例えばE.Klenk、Hoppe-S
eyler’s-Zeitschrift fur Pysiologische Chemie 2
70巻、185(1941)、及びL.Svennerholm、他The Jour
nal of Biological Chemistry 248巻740(19
73))。
これらは兎に角全てのシアル酸を脱離することを目的と
したもので、GM1の生成を目的としたものではなく、生
成物はGA1やさらに基本糖鎖の糖が1〜3個脱離した中
性糖脂質である。
解決しようとする問題点 現在産業上利用されるガングリオシドの供給源としては
牛、豚等の脳が充当されている。これらの脳から得られ
るガソグリオシドは通常GM1よりもGM1以外のガングリオ
シド分子種を多く含んでいる。本発明者らが通常の方
法、即ち牛脳をアセトンで処理して脱水し、これをスベ
ンナーホルム(Svennerholm)らの方法(Biochemica et
Biophysica Acta 617巻97〜109(198
0))によりクロロホルム、メタノール、及び水の混合
液により抽出し、フォルチの分配(J.Folch、The Journ
al of Biological Chemistry 226巻497−509
(1957))によつてガングリオシドの水溶液としこ
れをDEAE−セファデックス−A25により精製し(R.W.
Ledeen他Journal of Neurochemistry 21巻 829
(1973))、更に珪酸カラムに付して精製したガン
グリオシドの組成はおよそGM1 14%、GD1a 45%、GD1b
10%、GT1b 22%、GQ1b 2%であつた。
なお前記のガングリオシド製剤、クロナシアル のGM1
の含量は当該製剤の説明書によれば21%である。 ガ
ングリオシド混合物中のGM1以外のガングリオシド分子
種をGM1に変換することが出来ればそれだけ有効成分を
より多く取得することができる。ガングリオシドにノイ
ラミニダーゼを作用させてGM1を生成させることが出来
るが、この酵素は高価なものであり、経済的にあまり有
利な方法とは云えない。
課題を解決するための手段 本発明者らは各種ガングリオシド分子種及びガングリオ
シド混合物の加水分解性を比較検討したところ、その分
子種により加水分解の受け易さに差があることを知つ
た。
即ち GD1aからGM1へと、GM1からGA1へとの反応速度
は、両反応ともその分子から1個のシアル酸が脱離する
反応であることは同じであるがその反応速度には差があ
り、GD1aからGM1の反応速度は速く、GM1からGA1の反応
速度は遅いことを見い出した。
また他のガングリオシド分子種GT1bについても同様の結
果であつた。
本発明者らは更に詳細に加水分解条件を検討した結果GM
1以外のガングリオシドは加水分解をうけGM1に変換され
かつGM1は比較的安定に存在するような加水分解条件を
見い出し本発明を完成した。
即ちガングリオシドの溶液を、必要があれば酸を加えpH
3.5乃至7の範囲で適当な温度に加熱すると高い生成
率でGM1が生成することを見い出し、本発明を完成し
た。
次にその方法について詳しく説明する。
GM1製造の原料として好適に利用できるガングリオシド
はガングリオテトラオース系のガングリオシドであつ
て、それ以外のガングリオシドは原料としては必ずしも
適しているとは云えないがそれらが混入していてもさし
つかえない。
ガングリオテトラオース1分子に結合しているシアル酸
残基が2個以上のガングリオシド分子種それらのガング
リオシドの混合物、この混合物においてGM1が混入して
いるガングリオシド混合物、及びこれらのガングリオシ
ドの含量の少ない粗製ガングリオシド等が原料として利
用することができる。
先ずこれらのガングリオシドを溶媒に溶解する。溶媒と
しては水が最適であるが、有機溶媒を含む水でもかまわ
ない。この場合の有機溶媒としては、メタノール、また
はエタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホオキサイドまたはクロロホルムなど
であり、これらは単一でもまたは数種の混合でもかまわ
ない。通常は水溶媒を用いるのが好ましいが原料ガング
リオシドが粗製品で水に溶解し難い場合には適宜有機溶
媒を併用すると好い結果が得られることもある。
次にこのガングリオシド溶液を、必要があれば酸を加え
て、pHを3.5乃至7に調節する。用いる酸としては蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、等の有機酸及び塩酸、硫酸、
燐酸等の鉱酸であつてよい。
粗製ガングリオシドのナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属塩あるいはカルシウム、バリウム等のアルカリ土
類金属塩を原料として用いた場合は酸を加えて所定のpH
に調整する。
しかしガングリオシドを陰イオン交換樹脂に吸着して酢
酸アンモニウムで溶出することにより精製したガングリ
オシドや、また陽イオン交換樹脂(NH4 +型)で処理して
得られるアンモニウム塩型のガングリオシドを原料とし
て用いた場合その溶液のpHはほとんど中性でpH6〜7を
示し酸を加える必要がない。
低いpHで反応させる場合は低い温度で、高めのpHで反応
させる場合は高い温度で行なうことが好ましいが、少く
とも50℃乃至は当該溶液の沸点に加熱する。
反応が進行するに従つて反応液のpHは低下するがpHを低
めに調節した場合は低下する巾は小さい。反応中にpHが
低下してもpHは3.5を下まわらないのが好ましく、必
要があればアルカリを加えpHが低下し過ぎるのを抑える
方がよい。加熱時間は30分乃至高々30時間で、通常
は1時間乃至15時間である。
反応の進行程度、反応生成物の物理は次の方法によつて
行なう。
反応液及び標準純ガングリオシド分子種の一定量を薄層
クロマトグラフで展開しレゾルシノール試薬で発色後こ
れを2波長クロマトスキャナーで測定し定量する(生体
膜実験法、上、(蛋白核酸酵素別冊)、共立出版、P20
5(1974))。
加水分解条件を適切に選ぶとGM1以外のガングリオシド
の約65%はGM1に変換される。
加水分解が終了した反応液は、アンモニア水で中和し既
知の方法(例えばMomoi 他Biochimicaet Biohysica Act
a441巻 488−497(1976))でGM1を分画
精製する。即ち中和した反応液をDEAE−セファデックス
A25(CH3COO-型)のカラムに通し、0.05N酢酸
アンモニウム/メタノールで溶出し、GM1画分を透析脱
塩した後さらに珪酸(イヤトロビーズ)のカラムで精製
してGM1を得る。収量は計算量の50〜54%に達す
る。
発明の効果 本発明の方法によればガングリオシドの溶液のpHを調節
して加熱する簡単な方法によりGM1以外のガングリオシ
ドの過半数を医薬として利用価値の高いGM1に変換する
ことができ、GM1の製造法として有効な方法である。
本発明をさらに具体的に説明するために実施例を示す。
実施例−1 牛脳より調製したGM1を14%含むガングリオシド混合
物のナトリウム塩6.0gを水188 mlに溶解し0.1N
酢酸12mlを加えた。この溶液のpHは4.81であつ
た。
この溶液を80℃で6時間加熱し冷却した。pHは4.3
1であつた。反応液を分析した結果GM1の量は反応前と
比べ3.7倍に増していた。
反応液を0.1Nアンモニアで中和しDEAE−セファデッ
クスA−25(CH3COO-)600mlのカラムに通し、水1
、メタノール1.5、クロロホルム−メタノール
(1:1)0.7、メタノール1の順にカラムに流
して洗滌した。
次に0.05N酢酸アンモニウム/メタノール溶液2
で溶出した。溶出液の500〜1750 mlにGM1が溶出した。
このGM1区を濃縮乾固して水150mlに溶解してこれを透析
脱塩後濃縮乾固した。乾固重量は3.2gであつた。
これをクロロホルム−メタノール−水(55:45:
2)150mlに溶解し、同溶媒で平衡化した600mlの珪酸
(イヤトロビーズ)カラムに流した。クロロホルム−メ
タノール−水(55:45:2)1と同(10:9
0:2)1.25の溶媒でグラジエント溶出をして得
たGM1画分を濃縮乾固した。
残査を少量のクロロホルム−メタノール(2:1)に溶
かしアセトン300mlを加え、氷冷し、析出物を遠沈し
て上澄液を除去したのち乾燥してGM1 2.65gを得
た。
実施例−2 GD1aのアンモニウム塩(純度99%以上)800mgを水4
00mlに溶かした。溶液のpHは6.17であつた。この
溶液を100℃で5時間加熱した。反応液を分析した結
果計算量の66%のGM1が生成していた。実施例−1と
同様の方法で反応液を処理して分離精製し360mg(収
率54%)のGM1を得た。
実施例−3 GM1を14%含有するガングリオシド混合物のナトリウ
ム塩1gを水100mlに溶解しイオン交換樹脂アンバー
リスト15(NH4 +)10mlのカラムに2時間を要して流
し、樹脂を水200mlで洗つた。通過液、洗液を合わせ
て500mlに希釈してガングリオシドのアンモニウム塩
水溶液を調製した。この溶液はpH6.66を示した。
これを80℃で8時間加熱し、反応液を分析した結果GM
1の量は反応前と比べ3.6倍に増加していた。この液
のpHは4.46を示した。反応液は実施例−1と同様の
方法で分離精製し432mgのGM1を得た。
実施例−4 GM1を14%含有するガングリオシド混合物のナトリウ
ム塩1gを400mlに溶解し、希塩酸を加えてほゞpH
6.5に調節し、水を加え500mlの水にした。pH6.4
7を示すこの溶液を100℃で2時間加熱した。反応液を
分析した結果、GM1の量は反応前と比べ4.0倍に増加
していた。pHは5.61であつた。反応液を実施例−1
と同様の方法で処理し、450mgのGM1を得た。
実施例−5 塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸を用いて実施例−4と同様に反
応し、反応液を分析して得た試験結果を表−1に示す。
実施例−6 GD1aのアンモニウム塩200mgを含水率0.2%のメタ
ノール100mlに加えオートクレーブ中100℃で8時
間反応した。反応液を分析した結果計算量の70%のGM1
が生成していた。
実施例−7 GD1aのアンモニウム塩200mgを10-4モルの酢酸を含
む、含水率0.2%のメタノール100mlに加えオートク
レーブ中100℃で反応した。経時的に反応液をサンプ
リングしGM1生成率を分析した。各時間毎の分析結果を
表−2に示した。
実施例−8 GM1を14%含有するガングリオシドのナトリウム塩2
00mgを酢酸10-5モルを含むクロロホルム−メタノー
ル−水(6:4:1)の混合液に加えオートクレーブ中
100で8時間反応した。反応液を分析した結果GM1
量は反応前と比べ4.6倍に増加していた。
比較例 GD1aのアンモニウム塩200mgを0.01Nの蟻酸10
0mlに溶解した。pH3.13のこの溶液を100℃で8
0分間加熱した。反応液を分析した結果原料GD1aの残量
は痕跡程度で、GM1の生成量は計算量の7%であつた。
反応液の薄層クロマトグラムをオルシノール試薬で発色
すると、多数のスポットが観察されたが主な生成物はシ
アル酸が全部脱離したGA1等の中性糖脂質であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 The Joarnal of Bio logical Chemistry v ol.254,No.23,12224−12229 (1979)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガングリオシドを水を含有するpH3.5
    乃至7の液状媒体中で50℃より高い温度に加熱してモ
    ノシアロガングリオシドを製造する方法。
  2. 【請求項2】媒体がアルコールまたはクロロホルムを含
    むことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
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