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JPH0632792A - ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 - Google Patents

ホスフィニルカルボン酸エステルの製法

Info

Publication number
JPH0632792A
JPH0632792A JP12133192A JP12133192A JPH0632792A JP H0632792 A JPH0632792 A JP H0632792A JP 12133192 A JP12133192 A JP 12133192A JP 12133192 A JP12133192 A JP 12133192A JP H0632792 A JPH0632792 A JP H0632792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
formula
compound
reaction
glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12133192A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Morino
哲夫 森野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP12133192A priority Critical patent/JPH0632792A/ja
Publication of JPH0632792A publication Critical patent/JPH0632792A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応性難燃剤としてポリエステルの共重合成
分として用いた場合、ポリエステルの物性低下をきたす
ことなく、またポリエステル化触媒を還元析出させるこ
とのないホスフィニルカルボン酸エステルを得ること。 【構成】 下記式のホスフィニルカルボン酸をアルキレ
ングリコールとを50〜100℃および減圧の条件下で
反応させる、ホスフィニルカルボン酸エステルの

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性ポリエステル製造
用共重合成分として適したホスフィニルカルボン酸エス
テルの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、市場には下記式(4)で示される
ホスフィニルカルボン酸エステルを主成分とし、リン系
化合物成分が約70%のエチレングリコール溶液が知ら
れている。 この式(4)の化合物の製法については明確にはされて
いないが、米国特許第4,033,936号明細書には下
記式(5)で示される環状無水物をエチレングリコール
と反応させて製造する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし市場の前記ホス
フィニルカルボン酸エステルのエチレングリコール溶液
には不純物として下記式(6)で示されるホスフィニル
カルボン酸ジエチレングリコールエステルがリン系化合
物の3%程度含まれており、難燃剤としてポリエステル
の分子鎖中に取り込まれた場合にポリエステルの熱軟化
点を下げるなどポリエステルの物性上好ましくない影響
を与えている。 本発明はこの問題点を改善する難燃性ポリエステルの製
造に適したホスフィニルカルボン酸エステルの製法を得
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、ホスフィニルカルボン酸と
アルキレングリコールとを、特定の条件下で反応させる
ことによりジアルキレングリコールエステルの副生量を
抑えたホスフィニルカルボン酸エステルが得られること
を見いだし、本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は下記一般式(1)で示さ
れるホスフィニルカルボン酸(A)と、炭素数2〜4の
アルキレングリコール(B)とを、50〜100℃およ
び減圧の条件下で反応させ、下記一般式(2)で示され
るホスフィニルカルボン酸エステル(C)を得ることを
特徴とする製法である。 [式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。] [式中、R1は一般式(1)と同様であり、R2炭素数2
〜4のアルキレン基を表す。]
【0006】本発明において、一般式(1)で示される
ホスフィニルカルボン酸(A)は、例えば特公昭60-
21600号公報記載の方法によりジクロロフェニルホ
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸とを反応さ
せ、ついで加水分解する方法により合成できる。アクリ
ル酸を用いるとR1がHの、メタクリル酸を用いるとR1
がCH3の化合物が得られる。いずれの化合物でもポリ
エステル樹脂の難燃剤として用いることができるが、高
いリン含量を得るためには前者が好ましい。
【0007】この合成反応においてジクロロフェニルホ
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応が
不完全なまま加水分解を行うと、未反応のジクロロフェ
ニルホスフィンが加水分解され、下記式(3)で示され
るフェニル亜ホスフォン酸(D)となる。
【0008】該フェニル亜ホスフォン酸(D)は還元性
を有しており、該ホスフィニルカルボン酸(A)中に不
純物として含有される(D)の量が0.3重量%を超え
ると、本発明の方法により得られるホスフィニルカルボ
ン酸エステル(C)中にも(D)もしくはその誘導体が
不純物として混入するため、(C)を用いてポリエステ
ル化する際、エステル化触媒である金属酸化物、例えば
三酸化アンチモンを還元させる原因となる。その結果ポ
リエステル中に金属が析出し、触媒の消失によりエステ
ル化を遅らせ、ポリエステルの外観を損なわせ、また紡
糸の際にノズルを詰まらせる原因となり好ましくない。
【0009】該ホスフィニルカルボン酸(A)中の不純
物の量を低減するためにはジクロロフェニルホスフィン
とアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応をより完全
に進めるか、あるいは得られた(A)を精製することに
より達成できる。精製は再結晶により行える。(A)中
の該フェニル亜ホスフォン酸(D)の量はH-NMRに
より測定できる。すなわちP-Hのプロトンは6.6と
8.4ppm付近とに二本のシグナルを与えるので、
(A)のP-CH2-のシグナル(2.0〜2.3ppm)
との面積比から算出できる。
【0010】さらに三酸化アンチモンを還元し、ポリエ
ステル中に金属アンチモンを析出させる現象の確認は、
例えば2gの該ホスフィニルカルボン酸(A)に4gの
該アルキレングリコール(B)と6mgの三酸化アンチ
モンとを加え、窒素気流中で150〜160℃で攪拌加
熱し黒色異物の析出を目視で判定することにより行うこ
とができる。
【0011】本発明において、アルキレングリコール
(B)としては例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4-ブチレングリコールなどがあげられ
る。実際に用いるものはポリエステルへの物性の影響の
点から、ポリエステル中のグリコール成分にあわせるの
が好ましい。すなわちポリエチレンテレフタレート用の
難燃剤として用いられる場合にはエチレングリコール
が、ポリブチレンテレフタレートの難燃剤として用いら
れる場合には1,4-ブチレングリコールが好ましい。
【0012】反応を行う際の該ホスフィニルカルボン酸
(A)と該アルキレングリコール(B)との配合比は、
通常重量比で20:80〜80:20、好ましくは4
0:60〜75:25である。(A)の重量比が20未
満では、溶液中の有効成分含量が低いことを意味し、経
済的ではない。また80を越えると、(A)と(B)と
のポリエステルが生成するので好ましくない。
【0013】該ホスフィニルカルボン酸(A)と該アル
キレングリコール(B)との反応は減圧下で50〜10
0℃、好ましくは80〜100℃で行うことができる。
反応によって水が生成するが、ホスフィニルカルボン酸
エステル(C)中に水が存在すると腐食をきたす原因と
なるため除去する必要がある。反応温度が50℃より低
いとエステル化の進行に時間がかかることおよびこの水
の除去が困難なことから好ましくない。また100℃を
越えると、(A)のジアルキレングリコールエステルの
生成をきたすので好ましくない。100℃以下で水を除
去するためには減圧が必要となる。減圧度はこの温度範
囲で水が除去できるものであればよく、反応設備にも依
存し、特に限定するものではない。
【0014】この反応は触媒を用いても進行するが、ポ
リエステルへの不純物の混入を極力避けたいことから、
用いないのが好ましい。
【0015】また反応は最初から減圧下で行うこともで
きるが、最初に常圧で反応を行い、次いで系を減圧とし
水を除去することもできる。後者の場合は系の水分含量
を測定することにより反応の進行および終了をチェック
できるので好ましい。
【0016】主反応生成物がホスフィニルカルボン酸エ
ステル(C)であることは、酸価およびケン化価の測
定、H-NMR、13C-NMR、ガスクロマトグラフィー
(GC)、およびガスクロマトグラフィー/マススペク
トロメトリー(GC/MS)により確認できる。GCに
よる分析は、反応液をトリメチルシリル化した試料を用
いることにより行える。
【0017】また副生するジアルキレングリコールエス
テルの量もガスクロマトグラムのピーク面積比から求め
られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】実施例1 特公昭60-21600号公報記載の方法により合成
し、ついで水から再結晶し、融点160℃のヒドロキシ
フェニルホスフィニルプロピオン酸[R1がHの化合物
(a)]を得た。このもののフェニル亜ホスフォン酸含
量は本文に記載した1H-NMRによる方法で0.06%
であった。ちなみに再結晶する前の該含量は0.6%で
あった。攪拌機、温度計および留出管を備えた5リット
ルコルベンに、該ホスフィニルカルボン酸1300gお
よびエチレングリコール1800gを仕込み、留出管を
閉じた状態で攪拌下に昇温を開始した。内容液の温度が
80℃に達する頃透明な溶液となった。さらに1時間8
0〜85℃に攪拌加熱を続けた。反応液の水分含量は
3.2%となり、この時点でエステル化の反応はほぼ完
全に進んだものと判断した。ついで留出管を開とし82
〜88℃で10〜15mmHgの減圧に保ち生成した水
を留出除去した。1.5時間後に反応液の水分は0.7%
となり反応終了とし、生成物3120gを得た。反応生
成物をトリメチルシリル化した試料を、シリコン GE
SE-30(液相量:5%、メーカー:信和化工株式会
社製)を充填した1mのカラムに280℃でインジェク
トし、100℃から20℃/分の昇温速度で280℃ま
で昇温することにより図1に示したガスクロマトグラム
を得た。
【0020】このピーク1はエチレングリコールのトリ
メチルシリル化物によるものである。酸価およびケン化
価の値、H-NMRでの各シグナルの面積比、ピーク2
につきGC/MSで求めた分子量から主成分は(a)が
1モルのエチレングリコールと反応したものであり、電
滴による酸価の変曲点および13C-NMRで59ppm
および66ppm付近に現れるシグナルがリン原子とカ
ップリングしていないことからエステル化されているの
はホスフィン酸でなく、カルボン酸であることを確認し
た。
【0021】ピーク3およびピーク4の化合物はいずれ
も反応原料として用いたホスフィニルカルボン酸が2モ
ルのエチレングリコールと反応した分子量を有している
が、ピーク4は別ルートにより合成したエチレングリコ
ールのジエステル(ホスフィン酸部分とカルボン酸部分
が各々1モルのエチレングリコールと反応したもの)と
保持時間が一致したことから、ピーク3を与える化合物
がジエチレングリコールのエステルと判断した。ジエチ
レングリコールエステルのホスフィニルカルボン酸エス
テルに対する比率はピーク2の面積に対するピーク3の
面積比から求めた。その値は1.0%であった。また三
酸化アンチモンを還元させないことの確認は、本文に記
載した方法で三酸化アンチモンおよびエチレングリコー
ルと加熱して黒色異物の析出を目視で判定することによ
り行った。その結果180分経過しても黒色異物は析出
しなかった。
【0022】実施例2 エステル化ならびに脱水を95〜98℃で行った以外は
実施例1と同様に反応を行い、生成物3100gを得
た。得られた生成物のジエステル含有量は1.5%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
【0023】実施例3 ヒドロキシフェニルホスフィニルプロピオン酸2100
gおよびエチレングリコール900gを用いた以外は実
施例1と同様に反応を行い、生成物2880gを得た。
得られた反応生成物のジエステル含有量は1.1%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
【0024】比較例1 エステル化ならびに脱水を110〜120℃で行った以
外は実施例1と同様に反応を行い、生成物3040gを
得た。生成物は三酸化アンチモンを用いた析出テストで
同様に黒色異物の析出をきたさなかったが、ジエステル
含有量は3.0%であった。
【0025】比較例2 フェニル亜ホスフォン酸含量が0.6%のヒドロキシフ
ェニルホスフィニルプロピオン酸を用いた以外は実施例
1と同様に反応を行い、3100gの反応生成物を得
た。このもののジエステル含有量は1.2%であった
が、三酸化アンチモンを用いた析出テストで20分後に
黒色異物の析出をきたした。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法により得られるホスフィニ
ルカルボン酸エステルはポリエステルの共重合成分とし
て用いた場合、ポリエステル化の工程で異物の析出をき
たすことはなく、また副生するジアルキレングリコール
の量が少ないのでポリエステルの物性を低下させること
が少ない。従来の製法で得られるホスフィニルカルボン
酸を原料とした場合はポリエステルの物性低下が避けら
れなかった点を改善する製法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた反応生成物のガスクロマ
トグラムである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるホスフィニ
    ルカルボン酸(A)と、炭素数2〜4のアルキレングリ
    コール(B)とを、50〜100℃および減圧の条件下
    で反応させ、下記一般式(2)で示されるホスフィニル
    カルボン酸エステル(C)を得ることを特徴とする製
    法。 [式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。] [式中、R1は一般式(1)と同様であり、R2は炭素数
    2〜4のアルキレン基を表す。]
  2. 【請求項2】 該ホスフィニルカルボン酸(A)中に不
    純物として含有される下記式(3) で示されるフェニル亜ホスフォン酸(D)が0.3重量
    %以下である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 該ホスフィニルカルボン酸(A)と、該
    アルキレングリコール(B)とを重量比20:80〜8
    0:20で反応させる請求項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】 該ホスフィニルカルボン酸(A)のジア
    ルキレングリコールエステルの副生量が該ホスフィニル
    カルボン酸エステル(C)の重量に対し、2%以下であ
    る請求項1〜3のいずれか記載の製法。
JP12133192A 1992-04-14 1992-04-14 ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 Pending JPH0632792A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100616185B1 (ko) * 2004-04-27 2006-08-25 주식회사 코오롱 난연성이 우수한 가발모용 폴리에스테르 수지 조성물
KR100836635B1 (ko) * 2007-09-20 2008-06-10 김주영 소수성 고분자 표면에 수용성 난연제 조성물을 도포하는방법
KR100867195B1 (ko) * 2007-04-05 2008-11-06 웅진케미칼 주식회사 3-(하이드록시페닐포스피닐)-프로파노익 글리콜 에스테르의제조방법
CN102766227A (zh) * 2012-08-09 2012-11-07 华东理工大学 聚甲基丙烯酸缩水甘油酯2-羧乙基苯基次膦酸酯阻燃剂

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