JPH0632792A - ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 - Google Patents
ホスフィニルカルボン酸エステルの製法Info
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- JPH0632792A JPH0632792A JP12133192A JP12133192A JPH0632792A JP H0632792 A JPH0632792 A JP H0632792A JP 12133192 A JP12133192 A JP 12133192A JP 12133192 A JP12133192 A JP 12133192A JP H0632792 A JPH0632792 A JP H0632792A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 反応性難燃剤としてポリエステルの共重合成
分として用いた場合、ポリエステルの物性低下をきたす
ことなく、またポリエステル化触媒を還元析出させるこ
とのないホスフィニルカルボン酸エステルを得ること。 【構成】 下記式のホスフィニルカルボン酸をアルキレ
ングリコールとを50〜100℃および減圧の条件下で
反応させる、ホスフィニルカルボン酸エステルの
分として用いた場合、ポリエステルの物性低下をきたす
ことなく、またポリエステル化触媒を還元析出させるこ
とのないホスフィニルカルボン酸エステルを得ること。 【構成】 下記式のホスフィニルカルボン酸をアルキレ
ングリコールとを50〜100℃および減圧の条件下で
反応させる、ホスフィニルカルボン酸エステルの
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性ポリエステル製造
用共重合成分として適したホスフィニルカルボン酸エス
テルの製法に関するものである。
用共重合成分として適したホスフィニルカルボン酸エス
テルの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、市場には下記式(4)で示される
ホスフィニルカルボン酸エステルを主成分とし、リン系
化合物成分が約70%のエチレングリコール溶液が知ら
れている。 この式(4)の化合物の製法については明確にはされて
いないが、米国特許第4,033,936号明細書には下
記式(5)で示される環状無水物をエチレングリコール
と反応させて製造する方法が記載されている。
ホスフィニルカルボン酸エステルを主成分とし、リン系
化合物成分が約70%のエチレングリコール溶液が知ら
れている。 この式(4)の化合物の製法については明確にはされて
いないが、米国特許第4,033,936号明細書には下
記式(5)で示される環状無水物をエチレングリコール
と反応させて製造する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし市場の前記ホス
フィニルカルボン酸エステルのエチレングリコール溶液
には不純物として下記式(6)で示されるホスフィニル
カルボン酸ジエチレングリコールエステルがリン系化合
物の3%程度含まれており、難燃剤としてポリエステル
の分子鎖中に取り込まれた場合にポリエステルの熱軟化
点を下げるなどポリエステルの物性上好ましくない影響
を与えている。 本発明はこの問題点を改善する難燃性ポリエステルの製
造に適したホスフィニルカルボン酸エステルの製法を得
ることを目的とする。
フィニルカルボン酸エステルのエチレングリコール溶液
には不純物として下記式(6)で示されるホスフィニル
カルボン酸ジエチレングリコールエステルがリン系化合
物の3%程度含まれており、難燃剤としてポリエステル
の分子鎖中に取り込まれた場合にポリエステルの熱軟化
点を下げるなどポリエステルの物性上好ましくない影響
を与えている。 本発明はこの問題点を改善する難燃性ポリエステルの製
造に適したホスフィニルカルボン酸エステルの製法を得
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、ホスフィニルカルボン酸と
アルキレングリコールとを、特定の条件下で反応させる
ことによりジアルキレングリコールエステルの副生量を
抑えたホスフィニルカルボン酸エステルが得られること
を見いだし、本発明に至った。
成すべく鋭意検討した結果、ホスフィニルカルボン酸と
アルキレングリコールとを、特定の条件下で反応させる
ことによりジアルキレングリコールエステルの副生量を
抑えたホスフィニルカルボン酸エステルが得られること
を見いだし、本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は下記一般式(1)で示さ
れるホスフィニルカルボン酸(A)と、炭素数2〜4の
アルキレングリコール(B)とを、50〜100℃およ
び減圧の条件下で反応させ、下記一般式(2)で示され
るホスフィニルカルボン酸エステル(C)を得ることを
特徴とする製法である。 [式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。] [式中、R1は一般式(1)と同様であり、R2炭素数2
〜4のアルキレン基を表す。]
れるホスフィニルカルボン酸(A)と、炭素数2〜4の
アルキレングリコール(B)とを、50〜100℃およ
び減圧の条件下で反応させ、下記一般式(2)で示され
るホスフィニルカルボン酸エステル(C)を得ることを
特徴とする製法である。 [式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。] [式中、R1は一般式(1)と同様であり、R2炭素数2
〜4のアルキレン基を表す。]
【0006】本発明において、一般式(1)で示される
ホスフィニルカルボン酸(A)は、例えば特公昭60-
21600号公報記載の方法によりジクロロフェニルホ
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸とを反応さ
せ、ついで加水分解する方法により合成できる。アクリ
ル酸を用いるとR1がHの、メタクリル酸を用いるとR1
がCH3の化合物が得られる。いずれの化合物でもポリ
エステル樹脂の難燃剤として用いることができるが、高
いリン含量を得るためには前者が好ましい。
ホスフィニルカルボン酸(A)は、例えば特公昭60-
21600号公報記載の方法によりジクロロフェニルホ
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸とを反応さ
せ、ついで加水分解する方法により合成できる。アクリ
ル酸を用いるとR1がHの、メタクリル酸を用いるとR1
がCH3の化合物が得られる。いずれの化合物でもポリ
エステル樹脂の難燃剤として用いることができるが、高
いリン含量を得るためには前者が好ましい。
【0007】この合成反応においてジクロロフェニルホ
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応が
不完全なまま加水分解を行うと、未反応のジクロロフェ
ニルホスフィンが加水分解され、下記式(3)で示され
るフェニル亜ホスフォン酸(D)となる。
スフィンとアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応が
不完全なまま加水分解を行うと、未反応のジクロロフェ
ニルホスフィンが加水分解され、下記式(3)で示され
るフェニル亜ホスフォン酸(D)となる。
【0008】該フェニル亜ホスフォン酸(D)は還元性
を有しており、該ホスフィニルカルボン酸(A)中に不
純物として含有される(D)の量が0.3重量%を超え
ると、本発明の方法により得られるホスフィニルカルボ
ン酸エステル(C)中にも(D)もしくはその誘導体が
不純物として混入するため、(C)を用いてポリエステ
ル化する際、エステル化触媒である金属酸化物、例えば
三酸化アンチモンを還元させる原因となる。その結果ポ
リエステル中に金属が析出し、触媒の消失によりエステ
ル化を遅らせ、ポリエステルの外観を損なわせ、また紡
糸の際にノズルを詰まらせる原因となり好ましくない。
を有しており、該ホスフィニルカルボン酸(A)中に不
純物として含有される(D)の量が0.3重量%を超え
ると、本発明の方法により得られるホスフィニルカルボ
ン酸エステル(C)中にも(D)もしくはその誘導体が
不純物として混入するため、(C)を用いてポリエステ
ル化する際、エステル化触媒である金属酸化物、例えば
三酸化アンチモンを還元させる原因となる。その結果ポ
リエステル中に金属が析出し、触媒の消失によりエステ
ル化を遅らせ、ポリエステルの外観を損なわせ、また紡
糸の際にノズルを詰まらせる原因となり好ましくない。
【0009】該ホスフィニルカルボン酸(A)中の不純
物の量を低減するためにはジクロロフェニルホスフィン
とアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応をより完全
に進めるか、あるいは得られた(A)を精製することに
より達成できる。精製は再結晶により行える。(A)中
の該フェニル亜ホスフォン酸(D)の量はH-NMRに
より測定できる。すなわちP-Hのプロトンは6.6と
8.4ppm付近とに二本のシグナルを与えるので、
(A)のP-CH2-のシグナル(2.0〜2.3ppm)
との面積比から算出できる。
物の量を低減するためにはジクロロフェニルホスフィン
とアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応をより完全
に進めるか、あるいは得られた(A)を精製することに
より達成できる。精製は再結晶により行える。(A)中
の該フェニル亜ホスフォン酸(D)の量はH-NMRに
より測定できる。すなわちP-Hのプロトンは6.6と
8.4ppm付近とに二本のシグナルを与えるので、
(A)のP-CH2-のシグナル(2.0〜2.3ppm)
との面積比から算出できる。
【0010】さらに三酸化アンチモンを還元し、ポリエ
ステル中に金属アンチモンを析出させる現象の確認は、
例えば2gの該ホスフィニルカルボン酸(A)に4gの
該アルキレングリコール(B)と6mgの三酸化アンチ
モンとを加え、窒素気流中で150〜160℃で攪拌加
熱し黒色異物の析出を目視で判定することにより行うこ
とができる。
ステル中に金属アンチモンを析出させる現象の確認は、
例えば2gの該ホスフィニルカルボン酸(A)に4gの
該アルキレングリコール(B)と6mgの三酸化アンチ
モンとを加え、窒素気流中で150〜160℃で攪拌加
熱し黒色異物の析出を目視で判定することにより行うこ
とができる。
【0011】本発明において、アルキレングリコール
(B)としては例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4-ブチレングリコールなどがあげられ
る。実際に用いるものはポリエステルへの物性の影響の
点から、ポリエステル中のグリコール成分にあわせるの
が好ましい。すなわちポリエチレンテレフタレート用の
難燃剤として用いられる場合にはエチレングリコール
が、ポリブチレンテレフタレートの難燃剤として用いら
れる場合には1,4-ブチレングリコールが好ましい。
(B)としては例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4-ブチレングリコールなどがあげられ
る。実際に用いるものはポリエステルへの物性の影響の
点から、ポリエステル中のグリコール成分にあわせるの
が好ましい。すなわちポリエチレンテレフタレート用の
難燃剤として用いられる場合にはエチレングリコール
が、ポリブチレンテレフタレートの難燃剤として用いら
れる場合には1,4-ブチレングリコールが好ましい。
【0012】反応を行う際の該ホスフィニルカルボン酸
(A)と該アルキレングリコール(B)との配合比は、
通常重量比で20:80〜80:20、好ましくは4
0:60〜75:25である。(A)の重量比が20未
満では、溶液中の有効成分含量が低いことを意味し、経
済的ではない。また80を越えると、(A)と(B)と
のポリエステルが生成するので好ましくない。
(A)と該アルキレングリコール(B)との配合比は、
通常重量比で20:80〜80:20、好ましくは4
0:60〜75:25である。(A)の重量比が20未
満では、溶液中の有効成分含量が低いことを意味し、経
済的ではない。また80を越えると、(A)と(B)と
のポリエステルが生成するので好ましくない。
【0013】該ホスフィニルカルボン酸(A)と該アル
キレングリコール(B)との反応は減圧下で50〜10
0℃、好ましくは80〜100℃で行うことができる。
反応によって水が生成するが、ホスフィニルカルボン酸
エステル(C)中に水が存在すると腐食をきたす原因と
なるため除去する必要がある。反応温度が50℃より低
いとエステル化の進行に時間がかかることおよびこの水
の除去が困難なことから好ましくない。また100℃を
越えると、(A)のジアルキレングリコールエステルの
生成をきたすので好ましくない。100℃以下で水を除
去するためには減圧が必要となる。減圧度はこの温度範
囲で水が除去できるものであればよく、反応設備にも依
存し、特に限定するものではない。
キレングリコール(B)との反応は減圧下で50〜10
0℃、好ましくは80〜100℃で行うことができる。
反応によって水が生成するが、ホスフィニルカルボン酸
エステル(C)中に水が存在すると腐食をきたす原因と
なるため除去する必要がある。反応温度が50℃より低
いとエステル化の進行に時間がかかることおよびこの水
の除去が困難なことから好ましくない。また100℃を
越えると、(A)のジアルキレングリコールエステルの
生成をきたすので好ましくない。100℃以下で水を除
去するためには減圧が必要となる。減圧度はこの温度範
囲で水が除去できるものであればよく、反応設備にも依
存し、特に限定するものではない。
【0014】この反応は触媒を用いても進行するが、ポ
リエステルへの不純物の混入を極力避けたいことから、
用いないのが好ましい。
リエステルへの不純物の混入を極力避けたいことから、
用いないのが好ましい。
【0015】また反応は最初から減圧下で行うこともで
きるが、最初に常圧で反応を行い、次いで系を減圧とし
水を除去することもできる。後者の場合は系の水分含量
を測定することにより反応の進行および終了をチェック
できるので好ましい。
きるが、最初に常圧で反応を行い、次いで系を減圧とし
水を除去することもできる。後者の場合は系の水分含量
を測定することにより反応の進行および終了をチェック
できるので好ましい。
【0016】主反応生成物がホスフィニルカルボン酸エ
ステル(C)であることは、酸価およびケン化価の測
定、H-NMR、13C-NMR、ガスクロマトグラフィー
(GC)、およびガスクロマトグラフィー/マススペク
トロメトリー(GC/MS)により確認できる。GCに
よる分析は、反応液をトリメチルシリル化した試料を用
いることにより行える。
ステル(C)であることは、酸価およびケン化価の測
定、H-NMR、13C-NMR、ガスクロマトグラフィー
(GC)、およびガスクロマトグラフィー/マススペク
トロメトリー(GC/MS)により確認できる。GCに
よる分析は、反応液をトリメチルシリル化した試料を用
いることにより行える。
【0017】また副生するジアルキレングリコールエス
テルの量もガスクロマトグラムのピーク面積比から求め
られる。
テルの量もガスクロマトグラムのピーク面積比から求め
られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】実施例1 特公昭60-21600号公報記載の方法により合成
し、ついで水から再結晶し、融点160℃のヒドロキシ
フェニルホスフィニルプロピオン酸[R1がHの化合物
(a)]を得た。このもののフェニル亜ホスフォン酸含
量は本文に記載した1H-NMRによる方法で0.06%
であった。ちなみに再結晶する前の該含量は0.6%で
あった。攪拌機、温度計および留出管を備えた5リット
ルコルベンに、該ホスフィニルカルボン酸1300gお
よびエチレングリコール1800gを仕込み、留出管を
閉じた状態で攪拌下に昇温を開始した。内容液の温度が
80℃に達する頃透明な溶液となった。さらに1時間8
0〜85℃に攪拌加熱を続けた。反応液の水分含量は
3.2%となり、この時点でエステル化の反応はほぼ完
全に進んだものと判断した。ついで留出管を開とし82
〜88℃で10〜15mmHgの減圧に保ち生成した水
を留出除去した。1.5時間後に反応液の水分は0.7%
となり反応終了とし、生成物3120gを得た。反応生
成物をトリメチルシリル化した試料を、シリコン GE
SE-30(液相量:5%、メーカー:信和化工株式会
社製)を充填した1mのカラムに280℃でインジェク
トし、100℃から20℃/分の昇温速度で280℃ま
で昇温することにより図1に示したガスクロマトグラム
を得た。
し、ついで水から再結晶し、融点160℃のヒドロキシ
フェニルホスフィニルプロピオン酸[R1がHの化合物
(a)]を得た。このもののフェニル亜ホスフォン酸含
量は本文に記載した1H-NMRによる方法で0.06%
であった。ちなみに再結晶する前の該含量は0.6%で
あった。攪拌機、温度計および留出管を備えた5リット
ルコルベンに、該ホスフィニルカルボン酸1300gお
よびエチレングリコール1800gを仕込み、留出管を
閉じた状態で攪拌下に昇温を開始した。内容液の温度が
80℃に達する頃透明な溶液となった。さらに1時間8
0〜85℃に攪拌加熱を続けた。反応液の水分含量は
3.2%となり、この時点でエステル化の反応はほぼ完
全に進んだものと判断した。ついで留出管を開とし82
〜88℃で10〜15mmHgの減圧に保ち生成した水
を留出除去した。1.5時間後に反応液の水分は0.7%
となり反応終了とし、生成物3120gを得た。反応生
成物をトリメチルシリル化した試料を、シリコン GE
SE-30(液相量:5%、メーカー:信和化工株式会
社製)を充填した1mのカラムに280℃でインジェク
トし、100℃から20℃/分の昇温速度で280℃ま
で昇温することにより図1に示したガスクロマトグラム
を得た。
【0020】このピーク1はエチレングリコールのトリ
メチルシリル化物によるものである。酸価およびケン化
価の値、H-NMRでの各シグナルの面積比、ピーク2
につきGC/MSで求めた分子量から主成分は(a)が
1モルのエチレングリコールと反応したものであり、電
滴による酸価の変曲点および13C-NMRで59ppm
および66ppm付近に現れるシグナルがリン原子とカ
ップリングしていないことからエステル化されているの
はホスフィン酸でなく、カルボン酸であることを確認し
た。
メチルシリル化物によるものである。酸価およびケン化
価の値、H-NMRでの各シグナルの面積比、ピーク2
につきGC/MSで求めた分子量から主成分は(a)が
1モルのエチレングリコールと反応したものであり、電
滴による酸価の変曲点および13C-NMRで59ppm
および66ppm付近に現れるシグナルがリン原子とカ
ップリングしていないことからエステル化されているの
はホスフィン酸でなく、カルボン酸であることを確認し
た。
【0021】ピーク3およびピーク4の化合物はいずれ
も反応原料として用いたホスフィニルカルボン酸が2モ
ルのエチレングリコールと反応した分子量を有している
が、ピーク4は別ルートにより合成したエチレングリコ
ールのジエステル(ホスフィン酸部分とカルボン酸部分
が各々1モルのエチレングリコールと反応したもの)と
保持時間が一致したことから、ピーク3を与える化合物
がジエチレングリコールのエステルと判断した。ジエチ
レングリコールエステルのホスフィニルカルボン酸エス
テルに対する比率はピーク2の面積に対するピーク3の
面積比から求めた。その値は1.0%であった。また三
酸化アンチモンを還元させないことの確認は、本文に記
載した方法で三酸化アンチモンおよびエチレングリコー
ルと加熱して黒色異物の析出を目視で判定することによ
り行った。その結果180分経過しても黒色異物は析出
しなかった。
も反応原料として用いたホスフィニルカルボン酸が2モ
ルのエチレングリコールと反応した分子量を有している
が、ピーク4は別ルートにより合成したエチレングリコ
ールのジエステル(ホスフィン酸部分とカルボン酸部分
が各々1モルのエチレングリコールと反応したもの)と
保持時間が一致したことから、ピーク3を与える化合物
がジエチレングリコールのエステルと判断した。ジエチ
レングリコールエステルのホスフィニルカルボン酸エス
テルに対する比率はピーク2の面積に対するピーク3の
面積比から求めた。その値は1.0%であった。また三
酸化アンチモンを還元させないことの確認は、本文に記
載した方法で三酸化アンチモンおよびエチレングリコー
ルと加熱して黒色異物の析出を目視で判定することによ
り行った。その結果180分経過しても黒色異物は析出
しなかった。
【0022】実施例2 エステル化ならびに脱水を95〜98℃で行った以外は
実施例1と同様に反応を行い、生成物3100gを得
た。得られた生成物のジエステル含有量は1.5%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
実施例1と同様に反応を行い、生成物3100gを得
た。得られた生成物のジエステル含有量は1.5%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
【0023】実施例3 ヒドロキシフェニルホスフィニルプロピオン酸2100
gおよびエチレングリコール900gを用いた以外は実
施例1と同様に反応を行い、生成物2880gを得た。
得られた反応生成物のジエステル含有量は1.1%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
gおよびエチレングリコール900gを用いた以外は実
施例1と同様に反応を行い、生成物2880gを得た。
得られた反応生成物のジエステル含有量は1.1%であ
り、また三酸化アンチモンを用いた析出テストで180
分間後も黒色異物の析出は認められなかった。
【0024】比較例1 エステル化ならびに脱水を110〜120℃で行った以
外は実施例1と同様に反応を行い、生成物3040gを
得た。生成物は三酸化アンチモンを用いた析出テストで
同様に黒色異物の析出をきたさなかったが、ジエステル
含有量は3.0%であった。
外は実施例1と同様に反応を行い、生成物3040gを
得た。生成物は三酸化アンチモンを用いた析出テストで
同様に黒色異物の析出をきたさなかったが、ジエステル
含有量は3.0%であった。
【0025】比較例2 フェニル亜ホスフォン酸含量が0.6%のヒドロキシフ
ェニルホスフィニルプロピオン酸を用いた以外は実施例
1と同様に反応を行い、3100gの反応生成物を得
た。このもののジエステル含有量は1.2%であった
が、三酸化アンチモンを用いた析出テストで20分後に
黒色異物の析出をきたした。
ェニルホスフィニルプロピオン酸を用いた以外は実施例
1と同様に反応を行い、3100gの反応生成物を得
た。このもののジエステル含有量は1.2%であった
が、三酸化アンチモンを用いた析出テストで20分後に
黒色異物の析出をきたした。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法により得られるホスフィニ
ルカルボン酸エステルはポリエステルの共重合成分とし
て用いた場合、ポリエステル化の工程で異物の析出をき
たすことはなく、また副生するジアルキレングリコール
の量が少ないのでポリエステルの物性を低下させること
が少ない。従来の製法で得られるホスフィニルカルボン
酸を原料とした場合はポリエステルの物性低下が避けら
れなかった点を改善する製法である。
ルカルボン酸エステルはポリエステルの共重合成分とし
て用いた場合、ポリエステル化の工程で異物の析出をき
たすことはなく、また副生するジアルキレングリコール
の量が少ないのでポリエステルの物性を低下させること
が少ない。従来の製法で得られるホスフィニルカルボン
酸を原料とした場合はポリエステルの物性低下が避けら
れなかった点を改善する製法である。
【図1】 実施例1で得られた反応生成物のガスクロマ
トグラムである。
トグラムである。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるホスフィニ
ルカルボン酸(A)と、炭素数2〜4のアルキレングリ
コール(B)とを、50〜100℃および減圧の条件下
で反応させ、下記一般式(2)で示されるホスフィニル
カルボン酸エステル(C)を得ることを特徴とする製
法。 [式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。] [式中、R1は一般式(1)と同様であり、R2は炭素数
2〜4のアルキレン基を表す。] - 【請求項2】 該ホスフィニルカルボン酸(A)中に不
純物として含有される下記式(3) で示されるフェニル亜ホスフォン酸(D)が0.3重量
%以下である請求項1記載の製法。 - 【請求項3】 該ホスフィニルカルボン酸(A)と、該
アルキレングリコール(B)とを重量比20:80〜8
0:20で反応させる請求項1または2記載の製法。 - 【請求項4】 該ホスフィニルカルボン酸(A)のジア
ルキレングリコールエステルの副生量が該ホスフィニル
カルボン酸エステル(C)の重量に対し、2%以下であ
る請求項1〜3のいずれか記載の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12133192A JPH0632792A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12133192A JPH0632792A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632792A true JPH0632792A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=14808619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12133192A Pending JPH0632792A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ホスフィニルカルボン酸エステルの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0632792A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100616185B1 (ko) * | 2004-04-27 | 2006-08-25 | 주식회사 코오롱 | 난연성이 우수한 가발모용 폴리에스테르 수지 조성물 |
KR100836635B1 (ko) * | 2007-09-20 | 2008-06-10 | 김주영 | 소수성 고분자 표면에 수용성 난연제 조성물을 도포하는방법 |
KR100867195B1 (ko) * | 2007-04-05 | 2008-11-06 | 웅진케미칼 주식회사 | 3-(하이드록시페닐포스피닐)-프로파노익 글리콜 에스테르의제조방법 |
CN102766227A (zh) * | 2012-08-09 | 2012-11-07 | 华东理工大学 | 聚甲基丙烯酸缩水甘油酯2-羧乙基苯基次膦酸酯阻燃剂 |
-
1992
- 1992-04-14 JP JP12133192A patent/JPH0632792A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100616185B1 (ko) * | 2004-04-27 | 2006-08-25 | 주식회사 코오롱 | 난연성이 우수한 가발모용 폴리에스테르 수지 조성물 |
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