JPH06294484A - 冷媒輸送用ホース - Google Patents
冷媒輸送用ホースInfo
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- JPH06294484A JPH06294484A JP10498793A JP10498793A JPH06294484A JP H06294484 A JPH06294484 A JP H06294484A JP 10498793 A JP10498793 A JP 10498793A JP 10498793 A JP10498793 A JP 10498793A JP H06294484 A JPH06294484 A JP H06294484A
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Abstract
と、イソブチレンと分子中の水素原子の一部がハロゲン
化されたパラメチルスチレンとの共重合体を含む島相と
の海島構造を有する樹脂層から形成されたことを特徴と
する冷媒輸送用ホース。 【効果】 上記冷媒輸送用ホースは、柔軟性が良好で作
業性が良く、かつ耐熱老化性に優れてエンジンルーム内
の高温条件に耐え得る上、耐ガス透過性に優れてフロン
R−134aガスバリヤー性が高く、しかも耐熱PAG
油性にも優れている。従って、上記ホースは、自動車の
カークーラーやエアコン等の冷媒輸送配管用のホースと
して好適である。
Description
やエアコン等の冷媒輸送配管用のホースとして好適な冷
媒輸送用ホースに関する。
冷媒輸送用ホースとしては、冷媒となるフロンのガス漏
れを防ぐ目的で、樹脂層からなるガスバリヤー層を内管
ゴムの内側に配置した複合ホースが提案されている。
(a)フロンR−134aガスバリヤー性、(b)ホー
スとして使用できる程度の柔軟性、(c)配管内を流れ
る高温の冷凍機油に強いこと(耐熱油性)、(d)エン
ジンルーム内の高温条件に耐え得ること(耐熱性)、と
いう性能が求められる。
記のような処理がなされた樹脂を樹脂層に利用すること
が提案されている。 (1)ナイロン樹脂にアイオノマー等のオレフィン系樹
脂をブレンドする。 (2)ナイロン樹脂にナイロン中のアミド基やカルボキ
シル基との反応性を有する酸変性エチレン−プロピレン
ゴム(EPR)やアクリルエラストマーをブレンドす
る。
に柔軟性を付与することはできるものの、樹脂の実使用
温度域である100℃付近でアイオノマーが融解してし
まうため、得られる樹脂が耐熱性に劣るという欠点があ
る上、アイオノマーはフロンR−134a用冷凍機油で
あるポリアルキレングリコール(PAG)油に侵され易
いため、多量に配合されると樹脂の耐熱PAG油性に問
題が生じる。
く全てのエラストマーのフロンR−134aガスに対す
る拡散係数及び溶解度が実使用温度域である100℃以
上では非常に大きいため、このようなエラストマーを多
量に混ぜると樹脂のガスバリヤー性が悪くなるという欠
点を有する。更に、EPRは、耐熱PAG性は良好であ
るものの耐熱性に劣り、アクリルエラストマーは、耐熱
性は良好であるものの高温化でPAGに膨潤してしま
い、耐熱PAG性に劣るもので、それぞれ一長一短を有
する。
層を形成しても十分満足できる性能を有する冷媒輸送用
ホースを得ることはできない。
フロンR−134aガスバリヤー性、柔軟性、耐熱油性
及び耐熱性に優れた冷媒輸送用ホースを提供することを
目的とする。
するため、最内層が、ナイロン樹脂を主体とする海相
と、イソブチレンと分子中の水素原子の一部がハロゲン
化されたパラメチルスチレンとの共重合体(以下、ハロ
ゲン化IB−PMS共重合体と略す。)を含む島相との
海島構造を有する樹脂層から形成されたことを特徴とす
る冷媒輸送用ホースを提供する。
層が特定の海島構造を有する樹脂層から形成されたこと
により、下記の作用を有する。
MS共重合体は、その側鎖のハロゲン基がナイロン樹脂
中のアミド基と反応するため、従来のアイオノマーや酸
変性エラストマー並の相溶性を有すると共に、主鎖に二
重結合を持たないので耐熱性に優れている。このため、
本発明ホースは、150℃程度の高温で使用しても内層
樹脂にクラックが入らず、後掲の耐熱老化性テスト後で
も内層樹脂の破断の伸びが100%以上を保持し得るも
ので、エンジンルーム内の高温条件に耐えることができ
る。
体は、ブチルゴムと類似の構造を持つという分子構造に
起因して、従来の酸変性エラストマー以上の柔軟性を付
与し得る上、実使用温度域の100℃付近でのR−13
4aガス透過係数が従来のオレフィン系樹脂又はエラス
トマー対比で1/5〜1/10と小さい。
れ、後掲のホース柔軟性テストにおいて反力が2.2k
g・f以下となるもので、ホースと配管を取りつける作
業性が高い。
0〜60kg/cm2 、外被ゴムの100%モジュラス
を15〜60kg/cm2とする条件下、ホースと配管
を取りつける作業性が向上することを目標にすると、後
掲の試験方法で測定される反力の目標値はホースサイズ
別に下記の通りとなる。
き 2.2kg・f以下 内径14mm 外径22mmのホースのとき 3.4k
g・f以下 内径15mm 外径23mmのホースのとき 3.5k
g・f以下 内径19mm 外径27mmのホースのとき 6.4k
g・f以下
a冷媒漏れ量が少なく、後掲の耐ガス透過性テストにお
いてもガス透過量が4g/m/72Hr以下であるもの
で、フロンR−134aガスバリヤー性に優れ、メンテ
ナンスフリーが達成できる。
体は、上述した分子構造に起因して、PAG油との極性
差が大きいため高温でもPAGに対して殆んど膨潤せ
ず、耐熱PAG性に優れている。このため、本発明ホー
スは、配管内を流れるPAG冷凍機油に強く、内層樹脂
にクラックが入ることがないもので、後掲の耐熱PAG
油性テスト後でも内層樹脂の破断伸びが100%以上を
保持し得る。
て説明する。図1は本発明の一実施例に係る冷媒輸送用
ホースを示すもので、このホースは、樹脂層1及び内管
ゴム層2からなる内管層3が、補強糸を含む中間ゴム層
4を介して外被ゴム5で被覆されたものである。なお、
このホースには、必要に応じて樹脂層1と内管ゴム層2
との間に接着剤層を設けることができる。
る樹脂層は、海相がナイロン6やナイロン66等のナイ
ロン樹脂で構成され、かつ島相がハロゲン化IB−PM
S共重合体単独又はこの共重合体とナイロン12等のナ
イロン樹脂との混合物で構成される海島構造を有する樹
脂で形成される。
は、イソブチレンと分子中の水素原子の一部が臭素原
子、塩素原子等のハロゲン原子で置換されたパラメチル
スチレンとの共重合体であり、特に臭素化IB−PMS
共重合体が好適である。ハロゲン化の割合は別に制限さ
れないが、パラメチルスチレン分子中のハロゲン含有率
が10〜80%(重量%、以下同様)、特に20〜70
%の範囲となることが好ましい。含有率が10%に満た
ないとナイロンとの相溶性が悪くなる場合があり、80
%を超えると耐熱性が悪くなる場合がある。
の重合割合はパラメチルスチレンが2〜20%(重量
%、以下同じ)、特に5〜10%とすることが好まし
い。パラメチルスチレンの重合割合が20%を超えると
Tg(ガラス転移点)が高くなり、ゴムの特性が失われ
る場合があり、また、2%未満では架橋効率が悪くなる
場合がある。
PMS共重合体の配合割合は、ナイロン樹脂(上記海相
のナイロン樹脂及び島相にナイロン12等のナイロン樹
脂を配合した場合はこのナイロン樹脂との合計量)及び
該共重合体との総量に対し15〜40%とすることが望
ましい。配合割合が15%に満たないと十分な柔軟性が
付与されない場合があり、40%を超えるとハロゲンR
−134aガス透過性が多くなり、これにより冷房能力
が劣って冷媒を何度が補充する必要が生じてしまう場合
がある。
合、ナイロン12の配合割合は全ナイロン樹脂とハロゲ
ン化IB−PMS共重合体との全量に対して5〜20%
とすることが好ましい。
化IB−PMS共重合体以外に必要に応じて海相や島相
に耐熱剤、老化防止剤、加工助剤等の添加剤を本発明の
効果を妨げない範囲で加えることができる。
ば下記方法により製造することができる。。 (1)ナイロン6とハロゲン化IB−PMS共重合体又
はハロゲン化IB−PMS共重合体及びナイロン12と
を所定の配合比で混練してマスターバッチを作った後、
このマスターバッチとナイロン6を混練する。 (2)ナイロン6、ハロゲン化IB−PMS共重合体、
必要によりナイロン12をブレンドし、このブレンド物
を2軸押出混練機等で混練りする。
については特に制限はなく、通常の冷媒輸送用ホースの
構成を採用することができる。例えば図1に示す冷媒輸
送用ホースにおいて、内管ゴム層2を構成するゴムとし
ては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エ
チレン−プロピレン−ジエン3元共重合体(EPD
M)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(C
R)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、水素添加N
BR(H−NBR)、ハロゲン化IB−PMS共重合体
や、これらゴムを少なくとも2種類以上ブレンドしたゴ
ムを用いることができる。
て、補強糸としては、ビニロン、ポリエステル、ナイロ
ン、アラミド等の材質よりなる繊維を用いることがで
き、これらのスパイラル又はブレード構造で被覆するこ
とができる。中間ゴム層は、ブチルゴム等の層とするこ
とができる。なお、補強糸は、該ゴム層を省略して補強
糸のみを積重することもできる。
R、H−NMR、ハロゲン化IB−PMS共重合体、I
IR、CL−IIR等のゴム層により形成することがで
きる。
透過性及び柔軟性の兼ね合いから0.05〜0.3mm
程度とするのが好ましい。内管ゴム層2は、耐水分透過
性と柔軟性との兼ね合いから1〜4mmとするのが好ま
しい。更に、補強糸を含む中間ゴム層4の厚さは1.4
〜2.6mm、外被ゴム5の厚さは1〜2mmとするの
が好ましい。
説明する。なお、用いた内管ゴム、中間ゴム、外被ゴム
の成分配合はそれぞれ表1乃至3に示す通りである。但
し、表中の記号は下記のものを示す。 IIR=ブチルゴム EPDM=エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体 DM=ノクセラーDM(大内新興化学社製) TT=ノクセラーTT(大内新興化学社製) M =ノクセラーM (大内新興化学社製) バルノックR=モルフォリンジスルヒド
同様のホースを下記方法で製造した。即ち、まず、表4
乃至7に示す配合となるように、ナイロン6、ナイロン
12、臭素化IB−PMS共重合体等を混練してマスタ
ーバッチを作った後、このマスターバッチとナイロン6
を混練してペレット化し、次いで、押し出し機を用いて
マンドル上にチューブ状に厚み約100μで押し出し、
樹脂層1とした。なお、ここで用いたナイロン6及びナ
イロン12は、それぞれ宇部興産(株)製グレード10
30B及びグレード3035Bである。また、臭素化I
B−PMS共重合体はエクソン化学社製のXP−50
グレード89−1である。
し、更に表1に示す配合の内管ゴム層2(厚み1.5m
m,内径11.0mm)を押し出し、続いて補強糸(ビ
ニロン)及び表2に示す配合の中間ゴム層4を配し、更
にその上に表3に示す配合の外被ゴム5(厚み1.1m
m,外径19.0mm)を押し出し、ホースを製造し
た。なお、加硫条件は140〜170℃で30〜120
分で行った。こうして製造されたホースを用いて、各試
験を下記方法により行った。結果を表4乃至7に示す。 (a)熱老化試験 樹脂層をDINダンベルで打ち抜き、150℃,504
時間熱老化後、10mm幅の標線を付け、25℃条件
下、引張り速度100mm/minで破断伸びEb
(%)を測定した。破断伸び100%以上を○、100
%未満を×とした。 (b)耐熱PAG油性試験 (a)と同様のサンプルをPAG油(出光石油化学社
製)を入れて密閉された容器内で150℃に加温し、1
000時間浸漬した後、(a)と同様の測定を行った。
破断伸び100%以上を○、100%未満を×とした。 (c)耐ガス透過性 JRA(日本冷凍空調工業会規格)に準ずるホースを5
00mmに切断し、内容積60%のフロンを封入して両
端を密封した。温度100℃で96時間放置し、24時
間後と96時間後の間のガス透過量を測定し、g/m/
72Hrで数値を換算した。4g/m/72Hr以下を
○、4g/m/72Hrより大きい値を×とした。 (d)柔軟性試験 図2に示すようにローラー6を200mmスパンに配置
し、その上に上述のホース7を置いた。ローラー間距離
の中央部を押してホースがキンクするまでたわみを与
え、そのときに発生する最大圧力(kg・f)を測定し
た。2.2kg・f以下は○、2.2kg・fより大き
い値は×とした。
用ホースは、耐熱老化性、耐熱PAG油性、耐ガス透過
性、柔軟性に優れていることが確認された。
良好で作業性が良く、かつ耐熱老化性に優れてエンジン
ルーム内の高温条件に耐え得る上、耐ガス透過性に優れ
てフロンR−134aガスバリヤー性が高く、しかも耐
熱PAG油性にも優れている。従って、本発明ホース
は、自動車のカークーラーやエアコン等の冷媒輸送配管
用のホースとして好適である。
略図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 最内層が、ナイロン樹脂を主体とする海
相と、イソブチレンと分子中の水素原子の一部がハロゲ
ン化されたパラメチルスチレンとの共重合体を含む島相
との海島構造を有する樹脂層から形成されたことを特徴
とする冷媒輸送用ホース。 - 【請求項2】 上記共重合体の含有割合が全ナイロン樹
脂と該共重合体との全量に対して15〜40重量%であ
る請求項1記載のホース。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10498793A JP3208920B2 (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 冷媒輸送用ホース |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-04-07 JP JP10498793A patent/JP3208920B2/ja not_active Expired - Lifetime
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