JPH06240474A - 銅または銅合金のエッチング方法および装置 - Google Patents
銅または銅合金のエッチング方法および装置Info
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- JPH06240474A JPH06240474A JP2777693A JP2777693A JPH06240474A JP H06240474 A JPH06240474 A JP H06240474A JP 2777693 A JP2777693 A JP 2777693A JP 2777693 A JP2777693 A JP 2777693A JP H06240474 A JPH06240474 A JP H06240474A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
- C23F1/00—Etching metallic material by chemical means
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 過酸化水素濃度の低下やハロゲン化物イオン
の混入による銅のエッチング速度の変動を検知し、エッ
チング速度の低下を防止できる銅または銅合金のエッチ
ング方法および装置を提供する。 【構成】 硫酸および過酸化水素を含有するエッチング
液を用い、浸漬電位検知過酸化水素補給方式による銅ま
たは銅合金のエッチング装置であって、エッチング液を
貯溜するエッチング槽1と、エッチング液中における被
エッチング材の浸漬電位測定装置2と、過酸化水素水補
給装置3とから構成されている。そして、エッチング槽
1に浸漬された銅張り積層板5の浸漬電位が参照電極6
を基準にエレクトロメータ7により測定され、この検知
された浸漬電位値を制御指標として制御装置8により補
給ポンプ9が作動され、過酸化水素水補給タンク10か
ら供給配管11を通じて過酸化水素水12がエッチング
槽1に補給される。
の混入による銅のエッチング速度の変動を検知し、エッ
チング速度の低下を防止できる銅または銅合金のエッチ
ング方法および装置を提供する。 【構成】 硫酸および過酸化水素を含有するエッチング
液を用い、浸漬電位検知過酸化水素補給方式による銅ま
たは銅合金のエッチング装置であって、エッチング液を
貯溜するエッチング槽1と、エッチング液中における被
エッチング材の浸漬電位測定装置2と、過酸化水素水補
給装置3とから構成されている。そして、エッチング槽
1に浸漬された銅張り積層板5の浸漬電位が参照電極6
を基準にエレクトロメータ7により測定され、この検知
された浸漬電位値を制御指標として制御装置8により補
給ポンプ9が作動され、過酸化水素水補給タンク10か
ら供給配管11を通じて過酸化水素水12がエッチング
槽1に補給される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫酸および過酸化水素
を主成分とする水溶液中で銅または銅合金をエッチング
する方法および装置に関し、特にプリント配線板の製造
工程において、銅を均一な速度でエッチングすることが
可能とされる銅または銅合金のエッチング方法および装
置に適用して有効な技術に関する。
を主成分とする水溶液中で銅または銅合金をエッチング
する方法および装置に関し、特にプリント配線板の製造
工程において、銅を均一な速度でエッチングすることが
可能とされる銅または銅合金のエッチング方法および装
置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、プリント配線板の製造工程に
は、基材上に積層した銅表面に回路形成パターンに応じ
たエッチングレジストを設け、回路以外の銅をエッチン
グ除去する方法が用いられている。
は、基材上に積層した銅表面に回路形成パターンに応じ
たエッチングレジストを設け、回路以外の銅をエッチン
グ除去する方法が用いられている。
【0003】たとえば、銅の湿式エッチング処理には、
銅に対する溶解能が高い溶液を用い、この溶液中に被処
理材を浸漬するかあるいは被処理材に溶液をスプレーす
ることにより銅をエッチングする。このエッチング液に
は、塩化物あるいは過酸化物を含有する種々の水溶液が
用いられている。
銅に対する溶解能が高い溶液を用い、この溶液中に被処
理材を浸漬するかあるいは被処理材に溶液をスプレーす
ることにより銅をエッチングする。このエッチング液に
は、塩化物あるいは過酸化物を含有する種々の水溶液が
用いられている。
【0004】その内、硫酸−過酸化水素系溶液は、クロ
ーズドサイクル化すればエッチング液からの銅の回収と
液中の銅濃度管理が容易であり、消費される硫酸と過酸
化水素水を適宜補給すれば廃液処理が不要であるなどの
特徴があるために、プリント配線板用のエッチング液と
して多く用いられてきている。
ーズドサイクル化すればエッチング液からの銅の回収と
液中の銅濃度管理が容易であり、消費される硫酸と過酸
化水素水を適宜補給すれば廃液処理が不要であるなどの
特徴があるために、プリント配線板用のエッチング液と
して多く用いられてきている。
【0005】しかし、硫酸−過酸化水素系エッチング液
にも液組成管理上の問題点がある。その一つには、液成
分である過酸化水素が銅の酸化溶解によって還元分解す
るばかりではなく、銅イオンなどの触媒作用によっても
自己分解するために短時間に濃度が減少し、それに伴っ
てエッチング速度が著しく低下するという問題がある。
にも液組成管理上の問題点がある。その一つには、液成
分である過酸化水素が銅の酸化溶解によって還元分解す
るばかりではなく、銅イオンなどの触媒作用によっても
自己分解するために短時間に濃度が減少し、それに伴っ
てエッチング速度が著しく低下するという問題がある。
【0006】この問題を解決する方法として、エッチン
グ液中の過酸化水素濃度を定期的に分析し、消費量を求
めて過酸化水素水を補給する方法、自己分解を抑制する
ためにりん酸塩などの安定剤をエッチング液中に添加す
る方法、あるいはパラジウムイオンや白金イオンなどの
エッチング反応を促進する触媒を添加する方法が採用さ
れている。
グ液中の過酸化水素濃度を定期的に分析し、消費量を求
めて過酸化水素水を補給する方法、自己分解を抑制する
ためにりん酸塩などの安定剤をエッチング液中に添加す
る方法、あるいはパラジウムイオンや白金イオンなどの
エッチング反応を促進する触媒を添加する方法が採用さ
れている。
【0007】さらに、硫酸−過酸化水素系エッチング液
において、銅のエッチング速度を低下させるもう一つの
重要な因子としてハロゲン化物イオンがある。特に、塩
化物イオンは、工業用水中に含有したり汚染不純物とし
てエッチング液中に混入し易く、エッチング速度を著し
く低下させる場合がある。
において、銅のエッチング速度を低下させるもう一つの
重要な因子としてハロゲン化物イオンがある。特に、塩
化物イオンは、工業用水中に含有したり汚染不純物とし
てエッチング液中に混入し易く、エッチング速度を著し
く低下させる場合がある。
【0008】この問題を解決する方法として、従来、エ
ッチング液を建浴する際の用水としてイオン交換水を用
いる方法や、銀イオンを液中に添加して塩化物イオンを
沈殿除去する方法が採られている。
ッチング液を建浴する際の用水としてイオン交換水を用
いる方法や、銀イオンを液中に添加して塩化物イオンを
沈殿除去する方法が採られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な従来採用されている液管理法にも、以下のような種々
の問題がある。
な従来採用されている液管理法にも、以下のような種々
の問題がある。
【0010】たとえば、エッチング反応を促進する触媒
を添加する方法では、触媒の濃度管理が難しく、また促
進剤である貴金属イオンがエッチング面に還元析出して
均一なエッチング面が得られないなどの問題がある。ま
た、塩化物イオンを管理制御する方法においては、用水
や洗浄水として大量のイオン交換水が必要であること
や、高価な銀イオンを添加する必要がある。このよう
に、従来の方法では、硫酸や過酸化水素などのエッチン
グ液の主成分以外の第3成分を添加した場合には多くの
問題が懸念される。
を添加する方法では、触媒の濃度管理が難しく、また促
進剤である貴金属イオンがエッチング面に還元析出して
均一なエッチング面が得られないなどの問題がある。ま
た、塩化物イオンを管理制御する方法においては、用水
や洗浄水として大量のイオン交換水が必要であること
や、高価な銀イオンを添加する必要がある。このよう
に、従来の方法では、硫酸や過酸化水素などのエッチン
グ液の主成分以外の第3成分を添加した場合には多くの
問題が懸念される。
【0011】一方、過酸化水素濃度を管理する方法にお
いては、塩化物イオンがエッチング液に混入した場合
に、過酸化水素濃度を所定の管理値に制御するだけでは
エッチング速度の低下を抑制することは困難である。以
上のことから、塩化物イオンの混入や過酸化水素濃度の
減少による銅のエッチング速度の低下を検知し、さらに
第3成分を添加することなく防止することが望ましい。
いては、塩化物イオンがエッチング液に混入した場合
に、過酸化水素濃度を所定の管理値に制御するだけでは
エッチング速度の低下を抑制することは困難である。以
上のことから、塩化物イオンの混入や過酸化水素濃度の
減少による銅のエッチング速度の低下を検知し、さらに
第3成分を添加することなく防止することが望ましい。
【0012】そこで、本発明の目的は、過酸化水素濃度
の低下や塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンの混入
による銅のエッチング速度の変動を検知するとともに、
エッチング速度の低下を防止することができる銅または
銅合金のエッチング方法および装置を提供することにあ
る。
の低下や塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンの混入
による銅のエッチング速度の変動を検知するとともに、
エッチング速度の低下を防止することができる銅または
銅合金のエッチング方法および装置を提供することにあ
る。
【0013】また、本発明の他の目的は、銀イオンなど
のハロゲン化物イオン除去剤をエッチング液に添加する
ことなく、ハロゲン化物イオンを除去することができる
銅または銅合金のエッチング方法および装置を提供する
ことである。
のハロゲン化物イオン除去剤をエッチング液に添加する
ことなく、ハロゲン化物イオンを除去することができる
銅または銅合金のエッチング方法および装置を提供する
ことである。
【0014】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0016】すなわち、本発明の第1の銅または銅合金
のエッチング方法および装置は、エッチング液として少
なくとも硫酸および過酸化水素を含有する水溶液を用い
る銅または銅合金のエッチング方法であって、被エッチ
ング材またはこの被エッチング材と同一組成材の浸漬電
位の測定装置と、過酸化水素水の補給装置とを備え、エ
ッチング液中における被エッチング材またはこの被エッ
チング材と同一組成材の浸漬電位の測定値を制御指標と
して過酸化水素水の補給量を制御するものである。
のエッチング方法および装置は、エッチング液として少
なくとも硫酸および過酸化水素を含有する水溶液を用い
る銅または銅合金のエッチング方法であって、被エッチ
ング材またはこの被エッチング材と同一組成材の浸漬電
位の測定装置と、過酸化水素水の補給装置とを備え、エ
ッチング液中における被エッチング材またはこの被エッ
チング材と同一組成材の浸漬電位の測定値を制御指標と
して過酸化水素水の補給量を制御するものである。
【0017】また、本発明の第2の銅または銅合金のエ
ッチング方法および装置は、ハロゲン化物イオン濃度の
測定装置と、過酸化水素水の補給装置とを備え、エッチ
ング液中のハロゲン化物イオン濃度を測定し、このハロ
ゲン化物イオン濃度に対応した濃度の過酸化水素水を補
給するものである。
ッチング方法および装置は、ハロゲン化物イオン濃度の
測定装置と、過酸化水素水の補給装置とを備え、エッチ
ング液中のハロゲン化物イオン濃度を測定し、このハロ
ゲン化物イオン濃度に対応した濃度の過酸化水素水を補
給するものである。
【0018】さらに、本発明の第3の銅または銅合金の
エッチング方法および装置は、被エッチング材またはこ
の被エッチング材と同一組成材の浸漬電位の測定装置
と、ハロゲン化物イオンを固定除去する機能を有したハ
ロゲン化物イオン除去装置とを備え、エッチング液中に
おける被エッチング材またはこの被エッチング材と同一
組成材の浸漬電位を制御指標として、エッチング液から
ハロゲン化物イオンを除去するものである。
エッチング方法および装置は、被エッチング材またはこ
の被エッチング材と同一組成材の浸漬電位の測定装置
と、ハロゲン化物イオンを固定除去する機能を有したハ
ロゲン化物イオン除去装置とを備え、エッチング液中に
おける被エッチング材またはこの被エッチング材と同一
組成材の浸漬電位を制御指標として、エッチング液から
ハロゲン化物イオンを除去するものである。
【0019】さらに、本発明の第4の銅または銅合金の
エッチング方法および装置は、ハロゲン化物イオン濃度
の測定装置と、ハロゲン化物イオンを固定除去する機能
を有したハロゲン化物イオン除去装置とを備え、エッチ
ング液中のハロゲン化物イオン濃度の測定値を制御指標
として、エッチング液からハロゲン化物イオンを除去す
るものである。
エッチング方法および装置は、ハロゲン化物イオン濃度
の測定装置と、ハロゲン化物イオンを固定除去する機能
を有したハロゲン化物イオン除去装置とを備え、エッチ
ング液中のハロゲン化物イオン濃度の測定値を制御指標
として、エッチング液からハロゲン化物イオンを除去す
るものである。
【0020】
【作用】前記した第1の銅または銅合金のエッチング方
法および装置によれば、エッチング液中における銅の浸
漬電位の測定によってエッチング速度の変動を検知し、
この浸漬電位を制御指標にしてエッチング速度の変動要
因となる過酸化水素水を補給することができるので、エ
ッチング速度の低下を防止して一定の高いエッチング速
度による銅または銅合金のエッチングを行うことができ
る。これにより、過酸化水素濃度の変動を抑え、エッチ
ング処理の効率の向上、被エッチング材の寸法精度のば
らつき低減およびエッチング液の長寿命化を図ることが
できる。
法および装置によれば、エッチング液中における銅の浸
漬電位の測定によってエッチング速度の変動を検知し、
この浸漬電位を制御指標にしてエッチング速度の変動要
因となる過酸化水素水を補給することができるので、エ
ッチング速度の低下を防止して一定の高いエッチング速
度による銅または銅合金のエッチングを行うことができ
る。これにより、過酸化水素濃度の変動を抑え、エッチ
ング処理の効率の向上、被エッチング材の寸法精度のば
らつき低減およびエッチング液の長寿命化を図ることが
できる。
【0021】また、前記した第2の銅または銅合金のエ
ッチング方法および装置によれば、エッチング液中のハ
ロゲン化物イオン濃度の測定によってエッチング速度の
低下を予測し、このハロゲン化物イオン濃度を制御指標
にしてエッチング速度の低下要因となる過酸化水素水を
補給することができるので、従来のように銀イオンなど
のハロゲン化物イオン除去剤をエッチング液に添加する
ことなく、上記同様に一定の高いエッチング速度による
銅または銅合金のエッチングが可能となる。
ッチング方法および装置によれば、エッチング液中のハ
ロゲン化物イオン濃度の測定によってエッチング速度の
低下を予測し、このハロゲン化物イオン濃度を制御指標
にしてエッチング速度の低下要因となる過酸化水素水を
補給することができるので、従来のように銀イオンなど
のハロゲン化物イオン除去剤をエッチング液に添加する
ことなく、上記同様に一定の高いエッチング速度による
銅または銅合金のエッチングが可能となる。
【0022】さらに、前記した第3の銅または銅合金の
エッチング方法および装置によれば、エッチング液中に
おける銅の浸漬電位を制御指標にしてハロゲン化物イオ
ンを除去することができるので、上記同様にエッチング
速度の変動を抑制して一定の高いエッチング速度による
銅または銅合金のエッチングが可能となる。
エッチング方法および装置によれば、エッチング液中に
おける銅の浸漬電位を制御指標にしてハロゲン化物イオ
ンを除去することができるので、上記同様にエッチング
速度の変動を抑制して一定の高いエッチング速度による
銅または銅合金のエッチングが可能となる。
【0023】さらに、前記した第4の銅または銅合金の
エッチング方法および装置によれば、エッチング液中の
ハロゲン化物イオン濃度を制御指標にしてハロゲン化物
イオンを除去することができるので、上記同様にエッチ
ング速度の低下を抑制して一定の高いエッチング速度に
よる銅または銅合金のエッチングが可能となる。
エッチング方法および装置によれば、エッチング液中の
ハロゲン化物イオン濃度を制御指標にしてハロゲン化物
イオンを除去することができるので、上記同様にエッチ
ング速度の低下を抑制して一定の高いエッチング速度に
よる銅または銅合金のエッチングが可能となる。
【0024】すなわち、硫酸−過酸化水素系エッチング
液では、銅は(1)式の反応式により溶解する。この硫
酸と過酸化水素は、エッチングの進行とともに消費され
て濃度が低下する。
液では、銅は(1)式の反応式により溶解する。この硫
酸と過酸化水素は、エッチングの進行とともに消費され
て濃度が低下する。
【0025】 Cu+H2 SO4 +H2 O2 →CuSO4 +2H2 O (1) また、過酸化水素は、(1)式のほかに銅イオンなどの
触媒作用によって(2)式のように自己分解する。この
銅のエッチング速度は、図5に示すエッチング速度と過
酸化水素濃度との関係特性図のように、過酸化水素濃度
の低下とともに減少する。
触媒作用によって(2)式のように自己分解する。この
銅のエッチング速度は、図5に示すエッチング速度と過
酸化水素濃度との関係特性図のように、過酸化水素濃度
の低下とともに減少する。
【0026】 2H2 O2 →2H2 O+O2 (2) そこで、通常のエッチング装置では、エッチング速度を
一定に保つために硫酸と過酸化水素の濃度を測定し補給
する機構を備えている。また、通常のエッチング液に
は、過酸化水素の自己分解を防止するためにりん酸など
の安定剤が予め添加されている。さらに、過酸化水素の
自己分解反応を促進する銅イオンを除去するために、エ
ッチング液を冷却して銅イオンを硫酸銅結晶として回収
除去する機構を備えたエッチング装置もある。
一定に保つために硫酸と過酸化水素の濃度を測定し補給
する機構を備えている。また、通常のエッチング液に
は、過酸化水素の自己分解を防止するためにりん酸など
の安定剤が予め添加されている。さらに、過酸化水素の
自己分解反応を促進する銅イオンを除去するために、エ
ッチング液を冷却して銅イオンを硫酸銅結晶として回収
除去する機構を備えたエッチング装置もある。
【0027】以上のような特性を備えたエッチング液と
エッチング装置を用いれば、銅のエッチング速度を一定
に保つことができ、また過酸化水素水と硫酸を補給する
だけで廃液処理も不要であるので、稼動コストを低く抑
えることができる。
エッチング装置を用いれば、銅のエッチング速度を一定
に保つことができ、また過酸化水素水と硫酸を補給する
だけで廃液処理も不要であるので、稼動コストを低く抑
えることができる。
【0028】しかしながら、図6のエッチング速度と塩
化物イオン濃度との関係特性図からわかるように、エッ
チング液中に塩化物イオンが微量でも混入すると、銅の
エッチング速度が著しく低下する。
化物イオン濃度との関係特性図からわかるように、エッ
チング液中に塩化物イオンが微量でも混入すると、銅の
エッチング速度が著しく低下する。
【0029】これは、(3)式のように銅の表面に塩化
第一銅皮膜が生成し、この皮膜が銅表面で起こる過酸化
水素の接触分解反応を抑制するためである。従って、過
酸化水素や硫酸の濃度を測定し、所定値に補給制御する
だけでは塩化物イオンの混入によるエッチング速度の低
下を防止することはできない。
第一銅皮膜が生成し、この皮膜が銅表面で起こる過酸化
水素の接触分解反応を抑制するためである。従って、過
酸化水素や硫酸の濃度を測定し、所定値に補給制御する
だけでは塩化物イオンの混入によるエッチング速度の低
下を防止することはできない。
【0030】 2Cu+2Cl- +H2 O2 +2H+ →2CuCl+2H2 O (3) さらに、塩化物イオンの混入を防止するためには、エッ
チング液を建浴する用水に脱イオン水を用い、またエッ
チングする前処理として脱イオン水で被処理材を洗浄す
る必要がある。
チング液を建浴する用水に脱イオン水を用い、またエッ
チングする前処理として脱イオン水で被処理材を洗浄す
る必要がある。
【0031】しかしながら、作業環境中の塩酸ミストや
ポリ塩化ビニルなどの装置構成材からのエッチング液へ
の塩化物イオンの混入は、実際上防ぐことは困難であ
る。従って、たとえエッチング液中に塩化物イオンが混
入しても、エッチング速度の低下を防止する対策が必要
である。
ポリ塩化ビニルなどの装置構成材からのエッチング液へ
の塩化物イオンの混入は、実際上防ぐことは困難であ
る。従って、たとえエッチング液中に塩化物イオンが混
入しても、エッチング速度の低下を防止する対策が必要
である。
【0032】そこで、塩化物イオンの混入によるエッチ
ング速度の低下を防止する方法には、白金イオンなどの
触媒を添加するか過酸化水素濃度を増加させてエッチン
グ反応を促進する方法、混入した塩化物イオンを直接除
去してエッチング速度の低下を防ぐ方法が考えられる。
ング速度の低下を防止する方法には、白金イオンなどの
触媒を添加するか過酸化水素濃度を増加させてエッチン
グ反応を促進する方法、混入した塩化物イオンを直接除
去してエッチング速度の低下を防ぐ方法が考えられる。
【0033】たとえば、エッチング反応触媒を添加する
方法では、触媒の濃度管理が難しく、また触媒である貴
金属イオンがエッチング面に還元析出して均一なエッチ
ング面が得られないなどの問題がある。
方法では、触媒の濃度管理が難しく、また触媒である貴
金属イオンがエッチング面に還元析出して均一なエッチ
ング面が得られないなどの問題がある。
【0034】また、過酸化水素濃度を増加させる方法
は、図5に示すように塩化物イオンの混入によって低下
したエッチング速度の減少に見合った量の過酸化水素濃
度を増加させれば良く、エッチング速度を比較的容易に
制御できる点で優れている。
は、図5に示すように塩化物イオンの混入によって低下
したエッチング速度の減少に見合った量の過酸化水素濃
度を増加させれば良く、エッチング速度を比較的容易に
制御できる点で優れている。
【0035】このエッチング速度の変動を抑えながら効
率良く過酸化水素濃度を調整する方法には、銅のエッチ
ング速度を検知し、この検知信号を制御指標にして過酸
化水素水を補給する方法、塩化物イオン濃度を測定し、
図5のような特性図を利用して必要な過酸化水素量を求
めて補給する方法がある。
率良く過酸化水素濃度を調整する方法には、銅のエッチ
ング速度を検知し、この検知信号を制御指標にして過酸
化水素水を補給する方法、塩化物イオン濃度を測定し、
図5のような特性図を利用して必要な過酸化水素量を求
めて補給する方法がある。
【0036】前者の方法では、銅のエッチング速度の変
化を、直接あるいは間接的に検知して制御信号に変換で
きることが必要条件であり、また後者の方法では、従来
から液管理法として行われている過酸化水素濃度の測定
と並行して塩化物イオン濃度を測定する必要がある。
化を、直接あるいは間接的に検知して制御信号に変換で
きることが必要条件であり、また後者の方法では、従来
から液管理法として行われている過酸化水素濃度の測定
と並行して塩化物イオン濃度を測定する必要がある。
【0037】さらに、銅のエッチング速度を求める方法
には、エッチングによる銅材の重量減少量あるいはエッ
チング液に溶解した銅イオン量を測定して直接エッチン
グ量を求める方法、エッチング液における銅材の分極抵
抗や浸漬電位などの電気化学的信号を測定して間接的に
エッチング速度を求める方法がある。
には、エッチングによる銅材の重量減少量あるいはエッ
チング液に溶解した銅イオン量を測定して直接エッチン
グ量を求める方法、エッチング液における銅材の分極抵
抗や浸漬電位などの電気化学的信号を測定して間接的に
エッチング速度を求める方法がある。
【0038】この内、重量減少量を測定する方法は、手
作業を要するために自動制御には不向きである。また、
銅イオン濃度を分析する方法は、銅イオンセンサや分光
分析器を用いれば連続測定と自動制御が可能であるが、
銅イオンを常時回収除去運転している場合には適用する
ことができない。
作業を要するために自動制御には不向きである。また、
銅イオン濃度を分析する方法は、銅イオンセンサや分光
分析器を用いれば連続測定と自動制御が可能であるが、
銅イオンを常時回収除去運転している場合には適用する
ことができない。
【0039】一方、電気化学的信号を検知する方法は、
被処理材を電極にすればエッチング状態を連続モニタリ
ングすることができるので、応答性に優れた液管理がで
きる点で他の方法に比べ有利である。この電気化学的に
エッチング状態をモニタリングする方法には、分極抵抗
法および浸漬電位測定法がある。
被処理材を電極にすればエッチング状態を連続モニタリ
ングすることができるので、応答性に優れた液管理がで
きる点で他の方法に比べ有利である。この電気化学的に
エッチング状態をモニタリングする方法には、分極抵抗
法および浸漬電位測定法がある。
【0040】たとえば、分極抵抗法は2枚の被処理材を
電極にし、電極間に微小の電圧あるいは電流を印加して
電極に流れる電流あるいは電位変化を測定することによ
り分極抵抗を求める方法である。この分極抵抗は、エッ
チング速度に反比例する値であるので、分極抵抗の変化
からエッチング速度の変動を検知することができる。
電極にし、電極間に微小の電圧あるいは電流を印加して
電極に流れる電流あるいは電位変化を測定することによ
り分極抵抗を求める方法である。この分極抵抗は、エッ
チング速度に反比例する値であるので、分極抵抗の変化
からエッチング速度の変動を検知することができる。
【0041】しかし、エッチング液中における被エッチ
ング材の分極抵抗は極めて小さいので、測定のために微
小な電圧や電流を与えると過剰な電流が流れたり、電位
が大きく変動してエッチング状態が測定前後で著しく変
化してしまう可能性がある。
ング材の分極抵抗は極めて小さいので、測定のために微
小な電圧や電流を与えると過剰な電流が流れたり、電位
が大きく変動してエッチング状態が測定前後で著しく変
化してしまう可能性がある。
【0042】一方、浸漬電位法は、エッチング反応に関
与する過酸化水素などの反応化学種の濃度変化、あるい
はエッチング面の表面状態によって被エッチング材の電
位が変動することを利用してエッチング状態をモニタリ
ングする方法である。
与する過酸化水素などの反応化学種の濃度変化、あるい
はエッチング面の表面状態によって被エッチング材の電
位が変動することを利用してエッチング状態をモニタリ
ングする方法である。
【0043】たとえば、この浸漬電位法は、エッチング
液中に甘汞電極や銀−塩化銀電極のような参照電極を被
エッチング材と近接して浸漬し、参照電極と被エッチン
グ材の間の電位差を測定することにより被エッチング材
の電位を求める測定法である。
液中に甘汞電極や銀−塩化銀電極のような参照電極を被
エッチング材と近接して浸漬し、参照電極と被エッチン
グ材の間の電位差を測定することにより被エッチング材
の電位を求める測定法である。
【0044】この電位差測定には、入力インピーダンス
の極めて大きなエレクトロメータを利用すれば電極間に
は事実上電流は流れないので、測定時にエッチング状態
の変動がなく、エッチング状態のモニタリング法として
は分極抵抗法に比べて優れている。
の極めて大きなエレクトロメータを利用すれば電極間に
は事実上電流は流れないので、測定時にエッチング状態
の変動がなく、エッチング状態のモニタリング法として
は分極抵抗法に比べて優れている。
【0045】また、スプレーエッチングのようにエッチ
ング時に被エッチング材の浸漬電位を直接測定すること
が難しい場合には、エッチング装置内にエッチング液を
満たした測定セルを設けて被エッチング材と同一組成の
電極を用い、この電極の浸漬電位を測定することにより
エッチング液の状態をモニタリングすれば良い。
ング時に被エッチング材の浸漬電位を直接測定すること
が難しい場合には、エッチング装置内にエッチング液を
満たした測定セルを設けて被エッチング材と同一組成の
電極を用い、この電極の浸漬電位を測定することにより
エッチング液の状態をモニタリングすれば良い。
【0046】この場合に、図7および図8に示すよう
に、銅の浸漬電位は過酸化水素濃度の低下と塩化物イオ
ン濃度の増加により卑方向に低下する。さらに、図5お
よび図6のエッチング速度と、過酸化水素または塩化物
イオン濃度との関係特性図と併せて解析すると、図9に
示すようにエッチング速度の低下とともに浸漬電位が低
下する関係がある。
に、銅の浸漬電位は過酸化水素濃度の低下と塩化物イオ
ン濃度の増加により卑方向に低下する。さらに、図5お
よび図6のエッチング速度と、過酸化水素または塩化物
イオン濃度との関係特性図と併せて解析すると、図9に
示すようにエッチング速度の低下とともに浸漬電位が低
下する関係がある。
【0047】これは、過酸化水素濃度の低下と塩化物イ
オン濃度の増加がいずれもカソード反応である過酸化水
素の分解反応の反応速度を減少させるために、浸漬電位
がカソード方向すなわち卑な電位方向にシフトするため
である。
オン濃度の増加がいずれもカソード反応である過酸化水
素の分解反応の反応速度を減少させるために、浸漬電位
がカソード方向すなわち卑な電位方向にシフトするため
である。
【0048】そこで、図9のような特性関係図を予め求
めておけば銅の浸漬電位からエッチング速度を求めるこ
とができ、浸漬電位を制御指標として過酸化水素水の補
給や塩化物イオンの除去運転などの液管理を自動制御す
ることができる。
めておけば銅の浸漬電位からエッチング速度を求めるこ
とができ、浸漬電位を制御指標として過酸化水素水の補
給や塩化物イオンの除去運転などの液管理を自動制御す
ることができる。
【0049】すなわち、過酸化水素濃度の低下や塩化物
イオンの混入による銅のエッチング速度の低下に伴って
浸漬電位が低下した場合には、浸漬電位が正常値に復帰
するまで過酸化水素水を補給するかあるいは塩化物イオ
ンを除去する機構が作動するようにすれば、銅のエッチ
ング速度を低下させずに一定に制御することができる。
イオンの混入による銅のエッチング速度の低下に伴って
浸漬電位が低下した場合には、浸漬電位が正常値に復帰
するまで過酸化水素水を補給するかあるいは塩化物イオ
ンを除去する機構が作動するようにすれば、銅のエッチ
ング速度を低下させずに一定に制御することができる。
【0050】この浸漬電位を制御する際には、図9の特
性線図から設定するエッチング速度に対応した電位に制
御すれば良いが、0.5μm/min以上のエッチング速
度が得られる0.3V(標準水素電極対照)以上になるよ
うに制御することが生産性上好ましい。
性線図から設定するエッチング速度に対応した電位に制
御すれば良いが、0.5μm/min以上のエッチング速
度が得られる0.3V(標準水素電極対照)以上になるよ
うに制御することが生産性上好ましい。
【0051】さらに、上記の浸漬電位を制御指標としエ
ッチング速度を制御する方法以外に、塩化物イオン濃度
を直接測定し、塩化物イオンの混入によるエッチング速
度の低下に見合った量の過酸化水素水を補給する方法も
エッチング速度を制御する方法として優れている。この
塩化物イオン濃度を測定する方法には種々あるが、イオ
ン選択性電極あるいはイオンクロマト法が濃度を連続自
動モニタリングするのに適している。
ッチング速度を制御する方法以外に、塩化物イオン濃度
を直接測定し、塩化物イオンの混入によるエッチング速
度の低下に見合った量の過酸化水素水を補給する方法も
エッチング速度を制御する方法として優れている。この
塩化物イオン濃度を測定する方法には種々あるが、イオ
ン選択性電極あるいはイオンクロマト法が濃度を連続自
動モニタリングするのに適している。
【0052】また、測定した塩化物イオン濃度を制御指
標にして塩化物イオンを除去する機構を作動するように
すれば、過酸化水素濃度を増加させることなく銅のエッ
チング速度を一定に制御することができる。この場合、
塩化物イオン濃度はエッチング速度の低減量が小さな0.
01mmol/l以下にすることが好ましい。
標にして塩化物イオンを除去する機構を作動するように
すれば、過酸化水素濃度を増加させることなく銅のエッ
チング速度を一定に制御することができる。この場合、
塩化物イオン濃度はエッチング速度の低減量が小さな0.
01mmol/l以下にすることが好ましい。
【0053】この塩化物イオンを除去するのに、従来銀
イオンをエッチング液に添加することにより沈殿分離し
ていた。しかし、この方法では高価な銀を消費し、また
未反応の銀イオンが銅表面に還元析出してエッチング面
が不均一になるなどの問題がある。
イオンをエッチング液に添加することにより沈殿分離し
ていた。しかし、この方法では高価な銀を消費し、また
未反応の銀イオンが銅表面に還元析出してエッチング面
が不均一になるなどの問題がある。
【0054】また、沈殿法以外の塩化物イオン除去法と
しては、イオン交換樹脂カラムを用いたイオンクロマト
法による選択的イオン分離法、銀や鉛などの難溶性塩化
物を形成する金属に塩化物イオンを析出固定させる方法
が考えられる。
しては、イオン交換樹脂カラムを用いたイオンクロマト
法による選択的イオン分離法、銀や鉛などの難溶性塩化
物を形成する金属に塩化物イオンを析出固定させる方法
が考えられる。
【0055】前者の方法は、エッチング液を陰イオン選
択性のイオン交換樹脂を充填したカラム内に導入し、分
離流出してくる塩化物イオン濃縮液を分離除去する方法
である。しかし、この方法は大量の液を処理するには適
していない。一方、後者の難溶性塩化物として固定回収
する方法は、原理的には沈殿法に類似しているがエッチ
ング液中に未反応イオンが残留することなく、大量の液
を処理できる点でイオンクロマト法に比べ有利である。
択性のイオン交換樹脂を充填したカラム内に導入し、分
離流出してくる塩化物イオン濃縮液を分離除去する方法
である。しかし、この方法は大量の液を処理するには適
していない。一方、後者の難溶性塩化物として固定回収
する方法は、原理的には沈殿法に類似しているがエッチ
ング液中に未反応イオンが残留することなく、大量の液
を処理できる点でイオンクロマト法に比べ有利である。
【0056】この場合に、塩化物イオンが混入したエッ
チング液と銀などの難溶性塩化物を生成する金属を接触
させると、(4)式のように過酸化水素の酸化作用によ
って銀表面がイオン化すると同時に、塩化物イオンと反
応して難溶性塩化物膜が析出する。
チング液と銀などの難溶性塩化物を生成する金属を接触
させると、(4)式のように過酸化水素の酸化作用によ
って銀表面がイオン化すると同時に、塩化物イオンと反
応して難溶性塩化物膜が析出する。
【0057】 2Ag+2Cl- +H2 O2 +2H+ →2AgCl+2H2 O (4) この難溶性塩化物を生成する金属には、銀、鉛、水銀、
銅があるが、エッチング液に対する耐食性や安全性を考
慮すると銀が最適である。しかし、難溶性塩化物の膜厚
が厚くなると回収効率が低下し、また密着性の低い塩化
物膜が剥離する問題もある。
銅があるが、エッチング液に対する耐食性や安全性を考
慮すると銀が最適である。しかし、難溶性塩化物の膜厚
が厚くなると回収効率が低下し、また密着性の低い塩化
物膜が剥離する問題もある。
【0058】そこで、回収効率と析出膜の密着性を改善
する手段として、エッチング液中で銀を陽電極として電
解電流を流し、(5)式の電解反応により陽電極表面に
塩化物膜を電析する方法がある。
する手段として、エッチング液中で銀を陽電極として電
解電流を流し、(5)式の電解反応により陽電極表面に
塩化物膜を電析する方法がある。
【0059】 Ag+Cl- →AgCl+e- (5) この電析によって生成した膜は、密着性が高く、また電
解電流を外部から流しているので析出膜が厚くなっても
回収効率は低下しない利点がある。しかし、電解時に陰
極では(6)式のように過酸化水素が分解消費される。
解電流を外部から流しているので析出膜が厚くなっても
回収効率は低下しない利点がある。しかし、電解時に陰
極では(6)式のように過酸化水素が分解消費される。
【0060】 H2 O2 +2H+ +2e- →2H2 O (6) 従って、電解による過酸化水素濃度の低下を抑制するた
めには、エッチング液への塩化物の混入による塩化物イ
オン濃度の増加あるいはエッチング速度が低下した場合
に電解電流の印加を開始し、正常値に回復したら印加を
停止する必要がある。
めには、エッチング液への塩化物の混入による塩化物イ
オン濃度の増加あるいはエッチング速度が低下した場合
に電解電流の印加を開始し、正常値に回復したら印加を
停止する必要がある。
【0061】すなわち、浸漬電位あるいは塩化物イオン
濃度を測定し、この値を制御指標として電解操作を自動
制御するのが望ましい。なお、電解する際の対極である
陰極材料には非電解時の除去作用も考慮すると銀が適し
ている。
濃度を測定し、この値を制御指標として電解操作を自動
制御するのが望ましい。なお、電解する際の対極である
陰極材料には非電解時の除去作用も考慮すると銀が適し
ている。
【0062】以上のように、浸漬電位あるいは塩化物イ
オンを制御指標として過酸化水素の補給あるいは塩化物
イオンの除去を行えば、第3成分をエッチング液中に添
加することなく、一定の速度で速やかに銅をエッチング
することができる。
オンを制御指標として過酸化水素の補給あるいは塩化物
イオンの除去を行えば、第3成分をエッチング液中に添
加することなく、一定の速度で速やかに銅をエッチング
することができる。
【0063】
【実施例1】図1は本発明の一実施例である銅または銅
合金のエッチング装置を示す構成図、図2は本実施例の
エッチング装置における変形例を示す構成図である。
合金のエッチング装置を示す構成図、図2は本実施例の
エッチング装置における変形例を示す構成図である。
【0064】まず、図1により本実施例のエッチング装
置の構成を説明する。
置の構成を説明する。
【0065】本実施例のエッチング装置は、たとえば少
なくとも硫酸および過酸化水素を含有するエッチング液
を用い、浸漬電位検知過酸化水素補給方式による銅また
は銅合金のエッチング装置とされ、エッチング液を貯溜
するエッチング槽1と、エッチング液中における被エッ
チング材の浸漬電位測定装置2と、過酸化水素水補給装
置3とから構成されている。
なくとも硫酸および過酸化水素を含有するエッチング液
を用い、浸漬電位検知過酸化水素補給方式による銅また
は銅合金のエッチング装置とされ、エッチング液を貯溜
するエッチング槽1と、エッチング液中における被エッ
チング材の浸漬電位測定装置2と、過酸化水素水補給装
置3とから構成されている。
【0066】エッチング槽1には、たとえば硫酸−過酸
化水素混合による水溶液がエッチング液4として満たさ
れ、たとえばエッチングレジストパターンを設けた銅張
り積層板5(被エッチング材)が浸漬され、この銅張り
積層板5のエッチングレジストが被覆されていない銅箔
部がエッチングされる。
化水素混合による水溶液がエッチング液4として満たさ
れ、たとえばエッチングレジストパターンを設けた銅張
り積層板5(被エッチング材)が浸漬され、この銅張り
積層板5のエッチングレジストが被覆されていない銅箔
部がエッチングされる。
【0067】浸漬電位測定装置2では、エッチング槽1
に浸漬された銅張り積層板5の浸漬電位が、たとえば銀
−塩化銀電極や甘汞電極による参照電極6を基準にエレ
クトロメータ7により測定される。
に浸漬された銅張り積層板5の浸漬電位が、たとえば銀
−塩化銀電極や甘汞電極による参照電極6を基準にエレ
クトロメータ7により測定される。
【0068】過酸化水素水補給装置3は、浸漬電位測定
装置2により検知された電位値を制御指標として、制御
装置8により補給ポンプ9を作動させ、過酸化水素水補
給タンク10から供給配管11を通じて過酸化水素水1
2がエッチング槽1に補給され、エッチング速度が低下
しないように液管理される構成となっている。
装置2により検知された電位値を制御指標として、制御
装置8により補給ポンプ9を作動させ、過酸化水素水補
給タンク10から供給配管11を通じて過酸化水素水1
2がエッチング槽1に補給され、エッチング速度が低下
しないように液管理される構成となっている。
【0069】次に、本実施例の作用について、表1によ
り説明する。
り説明する。
【0070】
【表1】
【0071】この表1は、各方式により液管理した硫酸
−過酸化水素混合によるエッチング液4(液温40℃)
に、銅膜厚さ35μmの銅張り積層板5を浸漬してエッ
チング試験した結果である。
−過酸化水素混合によるエッチング液4(液温40℃)
に、銅膜厚さ35μmの銅張り積層板5を浸漬してエッ
チング試験した結果である。
【0072】たとえば、従来のエッチング装置に相当す
る従来例1,3のように、硫酸濃度1.5mol/l、過
酸化水素濃度1.0または0.5mol/lに対して、塩化
物イオンを含まない液(塩化物イオン濃度=0mmol
/l)では、それぞれ3.7〜4.2または2.0〜2.6μm
/minの高いエッチング速度を示す結果が得られた。
る従来例1,3のように、硫酸濃度1.5mol/l、過
酸化水素濃度1.0または0.5mol/lに対して、塩化
物イオンを含まない液(塩化物イオン濃度=0mmol
/l)では、それぞれ3.7〜4.2または2.0〜2.6μm
/minの高いエッチング速度を示す結果が得られた。
【0073】ところが、従来の過酸化水素濃度を測定し
て補給する方式で液管理した場合(従来例2,4)、過
酸化水素濃度1.0または0.5mol/lに対して、それ
ぞれ0.01または0.1mmol/l濃度の塩化物イオン
が混入した液では、エッチング速度がそれぞれ1.8〜2.
2、0.17〜0.25μm/minと著しく低下する。
て補給する方式で液管理した場合(従来例2,4)、過
酸化水素濃度1.0または0.5mol/lに対して、それ
ぞれ0.01または0.1mmol/l濃度の塩化物イオン
が混入した液では、エッチング速度がそれぞれ1.8〜2.
2、0.17〜0.25μm/minと著しく低下する。
【0074】これに対し、本発明の銅張り積層板5の浸
漬電位を検知して過酸化水素水12を補給する方式で
は、塩化物イオンの混入によって低下した浸漬電位を、
本発明例1では電位を0.35V(標準水素電極対照)に
なるように過酸化水素濃度を1.0mol/lから3.0m
ol/lに増加させると、塩化物イオンが混入していな
い場合と同程度の3.5〜4.3μm/minのエッチング
速度を維持することができる。
漬電位を検知して過酸化水素水12を補給する方式で
は、塩化物イオンの混入によって低下した浸漬電位を、
本発明例1では電位を0.35V(標準水素電極対照)に
なるように過酸化水素濃度を1.0mol/lから3.0m
ol/lに増加させると、塩化物イオンが混入していな
い場合と同程度の3.5〜4.3μm/minのエッチング
速度を維持することができる。
【0075】従って、本実施例のエッチング装置によれ
ば、参照電極6およびエレクトロメータ7による浸漬電
位測定装置2と、制御装置8、補給ポンプ9および過酸
化水素水補給タンク10などによる過酸化水素水補給装
置3などから構成されることにより、エッチング液4中
における銅張り積層板5の浸漬電位をエレクトロメータ
7で測定し、この浸漬電位が0.3V以上になるように過
酸化水素水12の補給量を制御装置8を通じて制御する
ことによってエッチング速度の低下を抑え、一定の高い
エッチング速度に維持してエッチングを行うことができ
る。
ば、参照電極6およびエレクトロメータ7による浸漬電
位測定装置2と、制御装置8、補給ポンプ9および過酸
化水素水補給タンク10などによる過酸化水素水補給装
置3などから構成されることにより、エッチング液4中
における銅張り積層板5の浸漬電位をエレクトロメータ
7で測定し、この浸漬電位が0.3V以上になるように過
酸化水素水12の補給量を制御装置8を通じて制御する
ことによってエッチング速度の低下を抑え、一定の高い
エッチング速度に維持してエッチングを行うことができ
る。
【0076】なお、図2に示すように、銅張り積層板5
に変えて銅電極13の浸漬電位を参照電極6を基準に測
定する場合にも、表1の本発明例2のように、塩化物イ
オンの混入によって低下した浸漬電位が0.3V以上にな
るように過酸化水素濃度を増加させることにより、塩化
物イオンが混入していない場合と同程度のエッチング速
度を維持することができる。
に変えて銅電極13の浸漬電位を参照電極6を基準に測
定する場合にも、表1の本発明例2のように、塩化物イ
オンの混入によって低下した浸漬電位が0.3V以上にな
るように過酸化水素濃度を増加させることにより、塩化
物イオンが混入していない場合と同程度のエッチング速
度を維持することができる。
【0077】
【実施例2】図3は本発明の他の実施例である銅または
銅合金のエッチング装置を示す構成図である。
銅合金のエッチング装置を示す構成図である。
【0078】本実施例のエッチング装置は、たとえば塩
化物イオン検知過酸化水素補給方式による銅または銅合
金のエッチング装置とされ、銅張り積層板5(被エッチ
ング材)が浸漬されるエッチング液4を貯溜するエッチ
ング槽1と、エッチング液4中のハロゲン化物イオン濃
度測定装置14と、制御装置8、補給ポンプ9、過酸化
水素水補給タンク10および供給配管11などによる過
酸化水素水補給装置3とから構成され、実施例1との相
違点は、浸漬電位検知に変えて塩化物イオン検知により
過酸化水素水12を補給する点である。
化物イオン検知過酸化水素補給方式による銅または銅合
金のエッチング装置とされ、銅張り積層板5(被エッチ
ング材)が浸漬されるエッチング液4を貯溜するエッチ
ング槽1と、エッチング液4中のハロゲン化物イオン濃
度測定装置14と、制御装置8、補給ポンプ9、過酸化
水素水補給タンク10および供給配管11などによる過
酸化水素水補給装置3とから構成され、実施例1との相
違点は、浸漬電位検知に変えて塩化物イオン検知により
過酸化水素水12を補給する点である。
【0079】すなわち、ハロゲン化物イオン濃度測定装
置14は、図3に示すように塩化物イオン選択性電極1
5およびイオンメータ16から構成され、塩化物イオン
選択性電極15を用いてエッチング液4中の塩化物イオ
ン濃度がイオンメータ16により測定され、塩化物イオ
ン濃度の低下に見合った過酸化水素水12が補給される
構成となっている。
置14は、図3に示すように塩化物イオン選択性電極1
5およびイオンメータ16から構成され、塩化物イオン
選択性電極15を用いてエッチング液4中の塩化物イオ
ン濃度がイオンメータ16により測定され、塩化物イオ
ン濃度の低下に見合った過酸化水素水12が補給される
構成となっている。
【0080】従って、本実施例のエッチング装置によれ
ば、塩化物イオン選択性電極15およびイオンメータ1
6によるハロゲン化物イオン濃度測定装置14が備えら
れることにより、塩化物イオン濃度を測定し、エッチン
グ速度の低下に見合った過酸化水素濃度を、実施例1の
表1(本発明例3)のように0.5mol/lから8.0m
ol/lに増加させることによって実施例1と同様にエ
ッチング速度の低下を防止し、一定の高いエッチング速
度を維持することができる。
ば、塩化物イオン選択性電極15およびイオンメータ1
6によるハロゲン化物イオン濃度測定装置14が備えら
れることにより、塩化物イオン濃度を測定し、エッチン
グ速度の低下に見合った過酸化水素濃度を、実施例1の
表1(本発明例3)のように0.5mol/lから8.0m
ol/lに増加させることによって実施例1と同様にエ
ッチング速度の低下を防止し、一定の高いエッチング速
度を維持することができる。
【0081】
【実施例3】図4は本発明のさらに他の実施例である銅
または銅合金のエッチング装置を示す構成図である。
または銅合金のエッチング装置を示す構成図である。
【0082】本実施例のエッチング装置は、たとえば浸
漬電位検知塩化物イオン除去方式による銅または銅合金
のエッチング装置とされ、銅張り積層板5(被エッチン
グ材)が浸漬されるエッチング液4を貯溜するエッチン
グ槽1と、参照電極6およびエレクトロメータ7による
エッチング液4中における銅電極13の浸漬電位測定装
置2と、エッチング液4からハロゲン化物イオンを固定
除去する機能を有したハロゲン化物イオン除去装置17
とから構成され、実施例1および2との相違点は、過酸
化水素水12を補給することなく、浸漬電位を制御指標
として塩化物イオンを除去する点である。
漬電位検知塩化物イオン除去方式による銅または銅合金
のエッチング装置とされ、銅張り積層板5(被エッチン
グ材)が浸漬されるエッチング液4を貯溜するエッチン
グ槽1と、参照電極6およびエレクトロメータ7による
エッチング液4中における銅電極13の浸漬電位測定装
置2と、エッチング液4からハロゲン化物イオンを固定
除去する機能を有したハロゲン化物イオン除去装置17
とから構成され、実施例1および2との相違点は、過酸
化水素水12を補給することなく、浸漬電位を制御指標
として塩化物イオンを除去する点である。
【0083】すなわち、ハロゲン化物イオン除去装置1
7は、エッチング液4中に浸漬された2枚の電極板間に
電解電流を印加し、陽極板にハロゲン化物イオンを難溶
性ハロゲン化物として電析除去する機能を有し、図4に
示すように循環ポンプ18、除去槽19、電解装置2
0、銀電極板21および循環配管22から構成されてい
る。
7は、エッチング液4中に浸漬された2枚の電極板間に
電解電流を印加し、陽極板にハロゲン化物イオンを難溶
性ハロゲン化物として電析除去する機能を有し、図4に
示すように循環ポンプ18、除去槽19、電解装置2
0、銀電極板21および循環配管22から構成されてい
る。
【0084】そして、エッチング液4は循環ポンプ18
により除去槽19に導入され、測定された浸漬電位を制
御指標にして電解装置20が作動され、銀電極板21の
表面に液中の塩化物イオンが塩化銀として固定して除去
された後、循環配管22を通じてエッチング槽1に戻さ
れるようになっている。
により除去槽19に導入され、測定された浸漬電位を制
御指標にして電解装置20が作動され、銀電極板21の
表面に液中の塩化物イオンが塩化銀として固定して除去
された後、循環配管22を通じてエッチング槽1に戻さ
れるようになっている。
【0085】従って、本実施例のエッチング装置によれ
ば、循環ポンプ18、除去槽19、電解装置20および
銀電極板21などによるハロゲン化物イオン除去装置1
7が備えられることにより、浸漬電位を検知し、過酸化
水素濃度を増加させずに銀電極板21に塩化物イオンを
電析除去し、実施例1の表1(本発明例4)のように塩
化物イオン濃度を0.01mmol/lから0.001mm
ol/lに減少させることによって実施例1および2と
同様にエッチング速度の低下を防止し、一定の高いエッ
チング速度を維持することができる。
ば、循環ポンプ18、除去槽19、電解装置20および
銀電極板21などによるハロゲン化物イオン除去装置1
7が備えられることにより、浸漬電位を検知し、過酸化
水素濃度を増加させずに銀電極板21に塩化物イオンを
電析除去し、実施例1の表1(本発明例4)のように塩
化物イオン濃度を0.01mmol/lから0.001mm
ol/lに減少させることによって実施例1および2と
同様にエッチング速度の低下を防止し、一定の高いエッ
チング速度を維持することができる。
【0086】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は前記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
施例1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は前記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0087】たとえば、前記実施例のエッチング装置に
ついては、エッチングレジストパターンを設けた銅張り
積層板5の銅箔部をエッチングする場合について説明し
たが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
銅合金などが張り付けられた積層板またはこれと同一組
成材による他の被エッチング材についても広く適用可能
である。
ついては、エッチングレジストパターンを設けた銅張り
積層板5の銅箔部をエッチングする場合について説明し
たが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
銅合金などが張り付けられた積層板またはこれと同一組
成材による他の被エッチング材についても広く適用可能
である。
【0088】さらに、実施例2においては、特にエッチ
ング液4中の塩化物イオン濃度の低下に見合った過酸化
水素水12を補給する場合について説明したが、他のハ
ロゲン化物イオンについても同様に適用可能であること
はいうまでもない。
ング液4中の塩化物イオン濃度の低下に見合った過酸化
水素水12を補給する場合について説明したが、他のハ
ロゲン化物イオンについても同様に適用可能であること
はいうまでもない。
【0089】また、実施例3については、浸漬電位測定
装置2に変えて、実施例2と同様のハロゲン化物イオン
濃度測定装置14を備えたハロゲン化物イオン検知ハロ
ゲン化物イオン除去方式とし、ハロゲン化物イオン濃度
を制御指標にして、たとえば0.01mmol/l以下に
なるようにハロゲン化物イオンを除去することにより、
同様にエッチング速度の低下を抑制することができる。
装置2に変えて、実施例2と同様のハロゲン化物イオン
濃度測定装置14を備えたハロゲン化物イオン検知ハロ
ゲン化物イオン除去方式とし、ハロゲン化物イオン濃度
を制御指標にして、たとえば0.01mmol/l以下に
なるようにハロゲン化物イオンを除去することにより、
同様にエッチング速度の低下を抑制することができる。
【0090】さらに、ハロゲン化物イオンを除去する方
法には、難溶性ハロゲン化物を形成する銀などの金属と
エッチング液とを接触させて、ハロゲン化物イオンを金
属表面に固定させて除去することも可能である。
法には、難溶性ハロゲン化物を形成する銀などの金属と
エッチング液とを接触させて、ハロゲン化物イオンを金
属表面に固定させて除去することも可能である。
【0091】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその利用分野であるプリント配線板の
製造工程に用いられるエッチング装置に適用した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、他
の銅または銅合金による被エッチング材のエッチング装
置についても広く適用可能である。
てなされた発明をその利用分野であるプリント配線板の
製造工程に用いられるエッチング装置に適用した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、他
の銅または銅合金による被エッチング材のエッチング装
置についても広く適用可能である。
【0092】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0093】(1).エッチング液中における銅の浸漬電位
を測定することによりエッチング速度の変動を検知する
か、またはエッチング液中のハロゲン化物イオン濃度を
測定してエッチング速度の低下を予測し、この浸漬電位
またはハロゲン化物イオン濃度を制御指標にして過酸化
水素水の補給、またはハロゲン化物イオンの除去を行う
ことにより、一定の高いエッチング速度による銅または
銅合金のエッチングを行うことができるので、エッチン
グの処理効率の向上および被エッチング材の寸法精度の
ばらつきを低減することが可能となる。
を測定することによりエッチング速度の変動を検知する
か、またはエッチング液中のハロゲン化物イオン濃度を
測定してエッチング速度の低下を予測し、この浸漬電位
またはハロゲン化物イオン濃度を制御指標にして過酸化
水素水の補給、またはハロゲン化物イオンの除去を行う
ことにより、一定の高いエッチング速度による銅または
銅合金のエッチングを行うことができるので、エッチン
グの処理効率の向上および被エッチング材の寸法精度の
ばらつきを低減することが可能となる。
【0094】(2).前記(1) により、過酸化水素濃度の低
下やハロゲン化物イオンの混入によるエッチング速度の
変動を検知することができるので、エッチング液の長寿
命化が可能とされる銅または銅合金のエッチング方法お
よび装置を得ることができる。
下やハロゲン化物イオンの混入によるエッチング速度の
変動を検知することができるので、エッチング液の長寿
命化が可能とされる銅または銅合金のエッチング方法お
よび装置を得ることができる。
【0095】(3).前記(1) により、従来のようにハロゲ
ン化物イオン除去剤をエッチング液に添加することな
く、ハロゲン化物イオンの除去が可能とされる銅または
銅合金のエッチング方法および装置を得ることができ
る。
ン化物イオン除去剤をエッチング液に添加することな
く、ハロゲン化物イオンの除去が可能とされる銅または
銅合金のエッチング方法および装置を得ることができ
る。
【0096】(4).前記(1) 〜(3) により、特にプリント
配線板の製造工程において、エッチング速度の変動を検
知して品質性および経済性に優れ、銅を均一な速度でエ
ッチングすることが可能とされる銅または銅合金のエッ
チング方法および装置を得ることができる。
配線板の製造工程において、エッチング速度の変動を検
知して品質性および経済性に優れ、銅を均一な速度でエ
ッチングすることが可能とされる銅または銅合金のエッ
チング方法および装置を得ることができる。
【図1】本発明の実施例1である銅または銅合金のエッ
チング装置を示す構成図である。
チング装置を示す構成図である。
【図2】実施例1のエッチング装置における変形例を示
す構成図である。
す構成図である。
【図3】本発明の実施例2である銅または銅合金のエッ
チング装置を示す構成図である。
チング装置を示す構成図である。
【図4】本発明の実施例3である銅または銅合金のエッ
チング装置を示す構成図である。
チング装置を示す構成図である。
【図5】銅のエッチング速度に及ぼす過酸化水素濃度の
影響を示す説明図である。
影響を示す説明図である。
【図6】銅のエッチング速度に及ぼす塩化物イオン濃度
の影響を示す説明図である。
の影響を示す説明図である。
【図7】銅の浸漬電位に及ぼす過酸化水素濃度の影響を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図8】銅の浸漬電位に及ぼす塩化物イオン濃度の影響
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図9】銅のエッチング速度と浸漬電位との関係を示す
説明図である。
説明図である。
1 エッチング槽 2 浸漬電位測定装置 3 過酸化水素水補給装置 4 エッチング液 5 銅張り積層板(被エッチング材) 6 参照電極 7 エレクトロメータ 8 制御装置 9 補給ポンプ 10 過酸化水素水補給タンク 11 供給配管 12 過酸化水素水 13 銅電極 14 ハロゲン化物イオン濃度測定装置 15 塩化物イオン選択性電極 16 イオンメータ 17 ハロゲン化物イオン除去装置 18 循環ポンプ 19 除去槽 20 電解装置 21 銀電極板 22 循環配管
Claims (17)
- 【請求項1】 エッチング液として少なくとも硫酸およ
び過酸化水素を含有する水溶液を用いる銅または銅合金
のエッチング方法であって、前記銅または銅合金のエッ
チング速度の変動を検知し、該エッチング速度を一定の
速度に制御することを特徴とする銅または銅合金のエッ
チング方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の銅または銅合金のエッチ
ング方法において、前記エッチング速度を一定に制御す
る場合に、前記エッチング液中における被エッチング材
または該被エッチング材と同一組成材の浸漬電位の測定
値を制御指標として、過酸化水素水の補給量を制御する
ことを特徴とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の銅または銅合金のエッチ
ング方法において、前記エッチング速度を一定に制御す
る場合に、前記エッチング液中のハロゲン化物イオン濃
度の測定値を制御指標として、該ハロゲン化物イオン濃
度に対応した濃度の過酸化水素水を補給することを特徴
とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の銅または銅合金のエッチ
ング方法において、前記エッチング速度を一定に制御す
る場合に、前記エッチング液中における被エッチング材
または該被エッチング材と同一組成材の浸漬電位を制御
指標として、ハロゲン化物イオンを除去することを特徴
とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の銅または銅合金のエッチ
ング方法において、前記エッチング速度を一定に制御す
る場合に、前記エッチング液中のハロゲン化物イオン濃
度の測定値を制御指標として、該ハロゲン化物イオン濃
度に対応したハロゲン化物イオンを除去することを特徴
とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項6】 請求項2または4記載の銅または銅合金
のエッチング方法において、前記制御指標である浸漬電
位を標準水素電極対照で約0.3V以上とすることを特徴
とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項7】 請求項3または5記載の銅または銅合金
のエッチング方法において、前記制御指標であるハロゲ
ン化物イオン濃度を約0.01mmol/l以下とするこ
とを特徴とする銅または銅合金のエッチング方法。 - 【請求項8】 エッチング液として少なくとも硫酸およ
び過酸化水素を含有する水溶液を用いる銅または銅合金
のエッチング装置であって、少なくとも前記銅または銅
合金のエッチング速度の変動を検知し、該エッチング速
度を一定の速度に制御する検知・制御装置を備えること
を特徴とする銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項9】 請求項8記載の銅または銅合金のエッチ
ング装置において、前記検知・制御装置として、少なく
とも前記エッチング液中における被エッチング材または
該被エッチング材と同一組成材の浸漬電位の測定装置
と、過酸化水素水の補給装置とを備えることを特徴とす
る銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項10】 請求項8記載の銅または銅合金のエッ
チング装置において、前記検知・制御装置として、少な
くとも前記エッチング液中のハロゲン化物イオン濃度の
測定装置と、過酸化水素水の補給装置とを備えることを
特徴とする銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項11】 請求項8記載の銅または銅合金のエッ
チング装置において、前記検知・制御装置として、少な
くとも前記エッチング液からハロゲン化物イオンを固定
除去する機能を有するハロゲン化物イオン除去装置を備
えることを特徴とする銅または銅合金のエッチング装
置。 - 【請求項12】 請求項8記載の銅または銅合金のエッ
チング装置において、前記検知・制御装置として、少な
くとも前記エッチング液中における被エッチング材また
は該被エッチング材と同一組成材の浸漬電位の測定装置
と、前記エッチング液からハロゲン化物イオンを除去す
るハロゲン化物イオン除去装置とを備えることを特徴と
する銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項13】 請求項8記載の銅または銅合金のエッ
チング装置において、前記検知・制御装置として、少な
くとも前記エッチング液中のハロゲン化物イオン濃度の
測定装置と、前記エッチング液からハロゲン化物イオン
を除去するハロゲン化物イオン除去装置とを備えること
を特徴とする銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項14】 請求項11、12または13記載の銅
または銅合金のエッチング装置において、前記ハロゲン
化物イオン除去装置として、難溶性ハロゲン化物を形成
する金属とエッチング液とを接触させ、ハロゲン化物イ
オンを前記金属表面に固定除去する機能を有するハロゲ
ン化物イオン除去装置を用いることを特徴とする銅また
は銅合金のエッチング装置。 - 【請求項15】 請求項14記載の銅または銅合金のエ
ッチング装置において、前記ハロゲン化物イオンを固定
する金属として銀または銀合金を用いることを特徴とす
る銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項16】 請求項11、12または13記載の銅
または銅合金のエッチング装置において、前記ハロゲン
化物イオン除去装置として、前記エッチング液中に浸漬
した2枚の電極板間に電解電流を印加し、陽極板にハロ
ゲン化物イオンを難溶性ハロゲン化物として電析除去す
る機能を有するハロゲン化物イオン除去装置を用いるこ
とを特徴とする銅または銅合金のエッチング装置。 - 【請求項17】 請求項16記載の銅または銅合金のエ
ッチング装置において、前記ハロゲン化物イオン除去装
置を構成する電極板の材料として銀または銀合金を用い
ることを特徴とする銅または銅合金のエッチング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2777693A JPH06240474A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 銅または銅合金のエッチング方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2777693A JPH06240474A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 銅または銅合金のエッチング方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06240474A true JPH06240474A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12230383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2777693A Pending JPH06240474A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 銅または銅合金のエッチング方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06240474A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003003283A (ja) * | 2001-06-25 | 2003-01-08 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 銅および銅合金の表面処理剤 |
JP2004002946A (ja) * | 2001-07-23 | 2004-01-08 | Sony Corp | エッチング方法及びエッチング液 |
JP2004003020A (ja) * | 2000-12-27 | 2004-01-08 | Ebara Udylite Kk | 銅および銅合金用のマイクロエッチング剤並びにこれを用いる銅または銅合金の微細粗化方法 |
JP2010232407A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toppan Printing Co Ltd | 印刷配線板およびその製造方法 |
JP2010243200A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Adeka Corp | 過酸化水素含有水溶液中の過酸化水素濃度の測定方法 |
JP2011256449A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Fujitsu Ltd | 回路基板の製造方法およびウェットエッチング装置 |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP2777693A patent/JPH06240474A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004003020A (ja) * | 2000-12-27 | 2004-01-08 | Ebara Udylite Kk | 銅および銅合金用のマイクロエッチング剤並びにこれを用いる銅または銅合金の微細粗化方法 |
JP2003003283A (ja) * | 2001-06-25 | 2003-01-08 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 銅および銅合金の表面処理剤 |
JP4687852B2 (ja) * | 2001-06-25 | 2011-05-25 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 銅および銅合金の表面処理剤 |
JP2004002946A (ja) * | 2001-07-23 | 2004-01-08 | Sony Corp | エッチング方法及びエッチング液 |
JP2010232407A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toppan Printing Co Ltd | 印刷配線板およびその製造方法 |
JP2010243200A (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Adeka Corp | 過酸化水素含有水溶液中の過酸化水素濃度の測定方法 |
JP2011256449A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Fujitsu Ltd | 回路基板の製造方法およびウェットエッチング装置 |
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