JPH0559035A - 異性体分離法 - Google Patents
異性体分離法Info
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- JPH0559035A JPH0559035A JP21524991A JP21524991A JPH0559035A JP H0559035 A JPH0559035 A JP H0559035A JP 21524991 A JP21524991 A JP 21524991A JP 21524991 A JP21524991 A JP 21524991A JP H0559035 A JPH0559035 A JP H0559035A
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- butyrolactone
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 β−ブチロラクトンの異性体、特に光学活性
なβ−ブチロラクトンを効率的に得る方法を提供する。 【構成】 下記式(I)で表されるβ−ブチロラクトン
の異性体の混合物を、下記式(II)で表されるトランス
−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −
ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタンを用いて分離
してβ−ブチロラクトンの異性体を得る。 【化1】
なβ−ブチロラクトンを効率的に得る方法を提供する。 【構成】 下記式(I)で表されるβ−ブチロラクトン
の異性体の混合物を、下記式(II)で表されるトランス
−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −
ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタンを用いて分離
してβ−ブチロラクトンの異性体を得る。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はβ−ブチロラクトンの異
性体の分離に関するものであり、本発明の異性体分離方
法は医薬を中心とするファインケミストリーの分野で利
用することができる。
性体の分離に関するものであり、本発明の異性体分離方
法は医薬を中心とするファインケミストリーの分野で利
用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性なβ−ブチロラクトンは、医薬や農薬をはじめ、各種
ファインケミカルのキラルシントンとして重要な化合物
であり、光学活性なβ−ブチロラクトンを選択的に得る
方法が求められていた。しかし、通常の化学合成におい
ては光学異性体の等量混合物、いわゆるラセミ体を与
え、光学活性体を得るには通常かなりの困難を伴う。例
えば、β−ブチロラクトンのラセミ体を開環し、光学活
性な分割試薬とエステルもしくは塩を形成させてジアス
テレオマーとし、その溶解度等を利用して分別晶析し、
これを分取した後、中和もしくは加水分解反応によって
光学活性なオキシ酸を得、これを再び閉環することによ
って光学活性なβ−ブチロラクトンを合成していた。し
かし、この方法は煩雑な操作を必要とし、より簡便な分
割方法が求められていた。
性なβ−ブチロラクトンは、医薬や農薬をはじめ、各種
ファインケミカルのキラルシントンとして重要な化合物
であり、光学活性なβ−ブチロラクトンを選択的に得る
方法が求められていた。しかし、通常の化学合成におい
ては光学異性体の等量混合物、いわゆるラセミ体を与
え、光学活性体を得るには通常かなりの困難を伴う。例
えば、β−ブチロラクトンのラセミ体を開環し、光学活
性な分割試薬とエステルもしくは塩を形成させてジアス
テレオマーとし、その溶解度等を利用して分別晶析し、
これを分取した後、中和もしくは加水分解反応によって
光学活性なオキシ酸を得、これを再び閉環することによ
って光学活性なβ−ブチロラクトンを合成していた。し
かし、この方法は煩雑な操作を必要とし、より簡便な分
割方法が求められていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的のために各種の光学分割法について鋭意検討を行った
結果、トランス−1,2 −二置換環状化合物とのクラスレ
ート化合物(廣川書店,化学大辞典「クラスレイト化合
物」の項参照)形成を利用した分離が有効であることを
見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、下記式
(I)で表されるβ−ブチロラクトンの異性体の混合物
を、下記式(II)で表されるトランス−4,5 −ビス(ジ
フェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル−1,3 −
ジオキサシクロペンタンを用いて分離することを特徴と
する異性体分離法を提供するものである。
的のために各種の光学分割法について鋭意検討を行った
結果、トランス−1,2 −二置換環状化合物とのクラスレ
ート化合物(廣川書店,化学大辞典「クラスレイト化合
物」の項参照)形成を利用した分離が有効であることを
見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、下記式
(I)で表されるβ−ブチロラクトンの異性体の混合物
を、下記式(II)で表されるトランス−4,5 −ビス(ジ
フェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル−1,3 −
ジオキサシクロペンタンを用いて分離することを特徴と
する異性体分離法を提供するものである。
【0004】
【化2】
【0005】本発明の方法におけるクラスレート化合物
の製造には、いかなる方法を用いても良い。最も一般的
な方法は分離対象となる化合物(β−ブチロラクトンの
異性体の混合物)と、ホスト化合物(この場合トランス
−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −
ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタン)の適当量を
溶媒に溶解し、温度変化、溶媒蒸発あるいは貧溶媒の添
加などによってクラスレート化合物を析出させる。ある
いは、分離対象となる混合物自体を溶媒として用いるこ
ともできる。さらに、両成分を無溶媒あるいは溶媒存在
下に超高圧をかけて結晶化させることもでき、このよう
な場合には常圧下とは異なった結晶構造や純度を示す場
合もあり得る。以上の方法で生成した結晶が出発物質と
は異なった物理的性状 (融点や結晶形など)を示し、両
出発物質を含むものであれば、クラスレート化合物を形
成していることがわかるが、実用上は所期の分離が行わ
れれば良く、クラスレート化合物の存在を確認する必要
はない。該クラスレート化合物から、分離対象とする化
合物を回収する方法は、いかなるものであっても良い
が、最も簡便なのは、減圧蒸留によって、沸点の低い成
分のみを別の容器に分離することである。こうした操作
によって、目的とするβ−ブチロラクトンの中の特定の
異性体の含量を高めることができる。また、純度をより
高めたい場合には、クラスレート化合物の段階で再結晶
するのが良い方法である。
の製造には、いかなる方法を用いても良い。最も一般的
な方法は分離対象となる化合物(β−ブチロラクトンの
異性体の混合物)と、ホスト化合物(この場合トランス
−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −
ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタン)の適当量を
溶媒に溶解し、温度変化、溶媒蒸発あるいは貧溶媒の添
加などによってクラスレート化合物を析出させる。ある
いは、分離対象となる混合物自体を溶媒として用いるこ
ともできる。さらに、両成分を無溶媒あるいは溶媒存在
下に超高圧をかけて結晶化させることもでき、このよう
な場合には常圧下とは異なった結晶構造や純度を示す場
合もあり得る。以上の方法で生成した結晶が出発物質と
は異なった物理的性状 (融点や結晶形など)を示し、両
出発物質を含むものであれば、クラスレート化合物を形
成していることがわかるが、実用上は所期の分離が行わ
れれば良く、クラスレート化合物の存在を確認する必要
はない。該クラスレート化合物から、分離対象とする化
合物を回収する方法は、いかなるものであっても良い
が、最も簡便なのは、減圧蒸留によって、沸点の低い成
分のみを別の容器に分離することである。こうした操作
によって、目的とするβ−ブチロラクトンの中の特定の
異性体の含量を高めることができる。また、純度をより
高めたい場合には、クラスレート化合物の段階で再結晶
するのが良い方法である。
【0006】
【作用】本発明の方法が、β−ブチロラクトンの異性体
の分離に適している理由は明らかではないが、ホスト化
合物であるトランス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキ
シメチル)−2,2 −ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペ
ンタンがβ−ブチロラクトンと相互作用しやすい大きさ
と極性を持っており、クラスレート化合物を形成し易い
ものと考えられる。
の分離に適している理由は明らかではないが、ホスト化
合物であるトランス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキ
シメチル)−2,2 −ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペ
ンタンがβ−ブチロラクトンと相互作用しやすい大きさ
と極性を持っており、クラスレート化合物を形成し易い
ものと考えられる。
【0007】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 ラセミ体のβ−ブチロラクトン 1.1gと(−)−トラン
ス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2
−ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタン3.0gをエ
ーテル10mlに溶解し、ヘキサン5mlを加えて室温で12時
間放置した。生成した結晶についてエーテルから再結晶
を3回行って(−)−β−ブチロラクトンと(−)−ト
ランス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−
2,2 −ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタンの1:
1クラスレート化合物の結晶3.0 gを得た。この結晶を
減圧下150 ℃に加熱することにより、(−)−β−ブチ
ロラクトン0.31gを得た。このようにして得られた化合
物の旋光度は、〔α〕D =−15.1゜(C 0.42 、MeOH) を
示し、光学純度は54.1%eeに相当した。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 ラセミ体のβ−ブチロラクトン 1.1gと(−)−トラン
ス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2
−ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタン3.0gをエ
ーテル10mlに溶解し、ヘキサン5mlを加えて室温で12時
間放置した。生成した結晶についてエーテルから再結晶
を3回行って(−)−β−ブチロラクトンと(−)−ト
ランス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−
2,2 −ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタンの1:
1クラスレート化合物の結晶3.0 gを得た。この結晶を
減圧下150 ℃に加熱することにより、(−)−β−ブチ
ロラクトン0.31gを得た。このようにして得られた化合
物の旋光度は、〔α〕D =−15.1゜(C 0.42 、MeOH) を
示し、光学純度は54.1%eeに相当した。
【0008】
【発明の効果】本発明の方法に用いるトランス−4,5 −
ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル
−1,3 −ジオキサシクロペンタンは、例えば酒石酸など
から簡単に導くことができ、また繰り返し利用すること
ができる。従って本発明は工業的に有用なβ−ブチロラ
クトンを高い純度で多量に供給することを可能にするも
のである。
ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,2 −ジメチル
−1,3 −ジオキサシクロペンタンは、例えば酒石酸など
から簡単に導くことができ、また繰り返し利用すること
ができる。従って本発明は工業的に有用なβ−ブチロラ
クトンを高い純度で多量に供給することを可能にするも
のである。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式(I)で表されるβ−ブチロラク
トンの異性体の混合物を、下記式(II)で表されるトラ
ンス−4,5 −ビス(ジフェニルヒドロキシメチル)−2,
2 −ジメチル−1,3 −ジオキサシクロペンタンを用いて
分離することを特徴とする異性体分離法。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3215249A JP3012370B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 異性体分離法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3215249A JP3012370B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 異性体分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559035A true JPH0559035A (ja) | 1993-03-09 |
JP3012370B2 JP3012370B2 (ja) | 2000-02-21 |
Family
ID=16669190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3215249A Expired - Fee Related JP3012370B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 異性体分離法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3012370B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP3215249A patent/JP3012370B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3012370B2 (ja) | 2000-02-21 |
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Legal Events
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