[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0479065B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0479065B2
JPH0479065B2 JP57101967A JP10196782A JPH0479065B2 JP H0479065 B2 JPH0479065 B2 JP H0479065B2 JP 57101967 A JP57101967 A JP 57101967A JP 10196782 A JP10196782 A JP 10196782A JP H0479065 B2 JPH0479065 B2 JP H0479065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thin film
magnetic
metal thin
magnetic metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57101967A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58220244A (ja
Inventor
Yoshihiro Arai
Akira Nahara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP57101967A priority Critical patent/JPS58220244A/ja
Publication of JPS58220244A publication Critical patent/JPS58220244A/ja
Publication of JPH0479065B2 publication Critical patent/JPH0479065B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/72Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction
    • G11B5/725Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction containing a lubricant, e.g. organic compounds

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はベーパデポジシヨン法による磁性金属
薄膜を磁気記録層として備えてなる磁気記録媒体
に関するもので、特に耐久性、走行特性、耐候性
にすぐれた磁気記録媒体及びその製造法に関す
る。 従来より磁気記録媒体としては、非磁性支持体
上にr−Fe2O3、Coをドープしたr−Fe2O3
Fe3O4、CoをドープしたFe3O4、r−Fe2O3
Fe3O4のベルトライド化合物、CrO2等の磁性粉末
あるいは強磁性合金粉末等の粉末磁性材料を塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂
等の有機バインダー中に分散せしめたものを塗布
し乾燥させる塗布型のものが広く使用されてきて
いる。近年高密度記録への要求の高まりと共に真
空蒸着、スパツタリング、イオンプレーテイング
等のベーパーデポジシヨンあるいは電気メツキ、
無電解メツキ等のメツキ法により形成される強磁
性金属薄膜を磁気記録層とする、バインダーを使
用しない、いわゆる非バインダー型磁気記録媒体
が注目を浴びており実用化への努力が種々行なわ
れている。 従来の塗布型の磁気記録媒体では主として強磁
性金属より飽和磁化の小さい金属酸化物を磁性材
料として使用しているため、高密度記録に必要な
薄形化が信号出力の低下をもたらすため限界にき
ており、かつその製造工程も複雑で、溶剤回収あ
るいは公害防止のための大きな附帯設備に要する
という欠点を有している。非バインダー型の磁気
記録媒体では上記酸化物より大きな飽和磁化を有
する強磁性金属をバインダーの如き非磁性物質を
含有しない状態で薄膜として形成せしめるため、
高密度記録化のために超薄形にできるという利点
を有し、しかもその製造工程は簡単である。 高密度記録用の磁気記録媒体に要求される条件
の一つとして、高抗磁力化、薄形化が理論的にも
実験的にも提唱されており、塗布型の磁気記録媒
体よりも一桁小さい薄型化が容易で、飽和磁束密
度も大きい非バインダー型磁気記録媒体への期待
は大きい。 特にベーパーデポジシヨン法による方法はメツ
キの場合のような排液処理を必要とせず製造工程
も簡単で膜の付着速度も大きくできるため非常に
メリツトが大きい。 さらに強磁性金属薄膜から成る磁気記録媒体に
かかわる大きな問題として腐蝕及び摩耗に対する
強度、走行安定性がある。磁気記録媒体は磁気信
号の記録、再生及び消去の過程において磁気ヘツ
ドと高速相対運動のもとにおかれるが、その際走
行がスムーズにしかも安定に行なわれねばならぬ
し、同時にヘツドとの接触による摩耗もしくは破
壊が起つてはならない。又磁気記録媒体の保存中
に錆等による経時変化によつて記録された信号の
減少あるいは消失があつてはならないことも要求
される。耐久性、耐候性を向上させる方法として
保護層を設けることが検討されてはいるが、ヘツ
ドと磁性層間のスペーシング損失のために保護層
の厚みを大きくできないという制約もあるため磁
性膜そのものにも耐久性、耐候性を備えさせるこ
とが必要である。 前記保護層、ロジウム、クロムのような硬質金
属、あるいはWC、TiO2、CaF2のような硬質無
機物、あるいは潤滑剤、高分子剤から成つてい
た。 しかしながら、これらの保護層を設けただけで
は走行特性、耐久性ともに充分満足のいく磁気記
録媒体が得られなかつた。その主な原因は前記硬
質金属または硬質無機物の剥離した小片が記録媒
体へのスリキズ発生ももたらすことにあり、ま
た、高分子または潤滑剤の保護層であつても、金
属磁性薄膜と保護層との界面の結合が弱く、経時
により走行特性、耐摩耗特性の著しい劣化がみら
れたためであつた。また、特開昭50−33806号公
報において、窒素中直流グロー放電によつて磁性
層表面付近を窒化せしめる方法が開示されている
が、磁性層表面を窒化しただけでは走行特性は改
善されないとともに、表面窒化層によつて保護効
果を生じせしめる為には、10分〜2時間もの長時
間のグロー放電処理を施して、窒化金属層を充分
形成する必要があつた。 また、磁性層の酸化処理により保護酸化層を形
成する方法としては強磁性金属薄膜を適当な温
度、湿度のもとに置いて、その表面を酸化させる
方法(特公昭42−20025号公報参照)、合金磁性薄
膜を硝酸と接触せしめた後熱処理して表面に酸化
層を形成させ、しかる後潤滑剤をしみこませる方
法(英国特許第1265175号明細書参照)、合金磁性
薄膜表面を無機酸化剤及び有機キレート剤の水溶
液で処理した後酸素雰囲気中熱処理にて形成する
方法が知られていた。これらの処理方法は薄層均
一な酸化層の作製が困難であるとともに水溶液等
を用いる為に金属薄膜形成後真空を破る必要があ
り、連続工程が不可能であり、また、処理時間も
長く、かつ複雑であつた。 本発明者等は、前述した従来技述の欠点を解消
し、耐久性、走行性、耐候性にすぐれた非バイン
ダー型磁気記録媒体を開発すべく、鋭意努力を重
ねた結果、本発明に至つた。 即ち、本発明者等は、磁性金属薄膜層上に有機
保護潤滑層を形成し、保護潤滑効果を付与する方
式において、有機保護潤滑層を形成する前に、磁
性金属薄膜層の表面を、珪酸エステルガスを含む
真空雰囲気下で生じせしめたグロー放電プラズマ
に曝して珪素化合物層を形成することにより耐久
性、走行性、耐候性が著しく向上することを見出
し、本発明に至つた。 本発明は、前述した従来技術の欠点を解消し、
耐久性、走行性、耐候性にすぐれた非バインダー
型磁気記録媒体及びその製造方法を提供すること
を目的とするものである。 本発明のかかる目的は、非磁性媒体上に磁性金
属薄膜層と、珪素化合物層と、高級脂肪酸、脂肪
酸エステル又はこれらを組合せた保護潤滑層を
夫々積層して成ることを特徴とする磁気記録媒体
及び非磁性基体上にベーパーデポジシヨン法によ
り磁性金属薄膜層を形成した後、前記磁性金属薄
膜層の表面を珪酸エステルガスを含む真空雰囲気
下で発生せしめたグロー放電プラズマに曝すこと
により前記磁性金属薄膜層の表面に珪素化合物層
を形成し、次いで真空雰囲気下で前記珪素化合物
層上に高級脂肪酸及び脂肪酸エステルの少くとも
1種を蒸着させ保護潤滑層を形成することを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法によつて達成され
る。 以下、本発明の実施態様について説明する。 第1図は本発明方法を実施するための装置の1
態様を示すもので、磁気記録媒体製造装置は、
基体送出室兼巻取室、グロー放電前処理室
磁性金属薄膜層蒸着室、珪酸エステルグロー放
電処理室、及び保護潤滑層蒸着室を夫々僅少
の開口域に制限された基体通過用のスリツト9を
介して、順次連通して成つている。なお、前記各
は、夫々独立した排気系7a7eに導
管8a〜8を介して連通し、夫々自示の真空度
(通常、10-1〜10-6Torr)が維持可能になつてい
る。 前記送出兼巻取室2内において、回転自在に軸
支された非磁性及び可撓性帯状基体Wから成るロ
ール10近傍に配設した引出しローラー11を駆
動して、前記ロール10から前記基体Wを連続的
に前記グロー放電前処理室内に繰り出すと、
Arガス導入管12を通して供給されたArガス
が、交流高電圧(例えば、約1kV程度)を印加さ
れた電極13によつて、約10-2Torr程度の真空
雰囲気下でグロー放電を生じ、前記基体Wの表面
をクリーニングし、活性化し、次工程における磁
性金属薄膜層との付着力の向上が図られる。 前記グロー放電前処理室を通過した前記基体
Wは、前記磁性金属薄膜蒸着室内で複数個のガ
イドローラー14を介して、回転自在に軸支され
たクーリングキヤン15の下方外周面によりその
走行方向が反転された後、前記珪酸エステルグロ
ー放電処理室内に送り込まれる。 なお、前記磁性金属薄膜蒸着室は、可成り高
真空度(例えば、10-5Torr)に保たれた雰囲気
下で、電子銃と電源から成る電子ビーム式加熱手
段16によりハース17内の磁性体蒸発源18
(例えば、Co材、Ni材、Fe材、等)を加熱、蒸
発させ、前記クリーリングキヤン15上の基体に
対しその蒸気流Vを通常、約40゜〜90゜の入射角を
もつて蒸着を行い、磁性金属薄膜(第2図のA)
を形成するところである。 前記入射角は前記ハース17とマスク19の配
設位置によつて適宜設定される。又、本実施態様
は磁性金属薄膜層の形成方法として、蒸着方式を
示したが、勿論スパツター等の方式を用いてもよ
い。 前記珪酸エステルグロー放電処理室5は珪酸エ
ステルガスを含む真空雰囲気下でグロー放電プラ
ズマを発生せしめ、前記磁性金属薄膜の表面に珪
素化合物層を形成するために設けられている。 珪酸エステルガスは所望のガス分圧又は流量と
なるように、ガス導入管20を通じて導入され
る。なお珪酸エステルガスの分圧が所望の蒸気圧
より低い場合には、該ガス導入管20及び珪酸エ
ステルガス溜め容器を適宜に加熱する等の工夫を
すればよい。又、珪酸エステルガスの他に反応性
ガスを混合するため反応性ガス導入管21が設け
られている。なお、珪酸エステルガスを含む真空
雰囲気下でのグロー放電プラズマの発生は、高周
波電源22からマツチングボツクス23を通して
コイル24に高周波電力(例えば、13.56MHz、
150Watt)が印加されることにより行われる。コ
イル24は前記磁性金属薄膜層で被覆された基体
の近傍に設置されている。 前記珪酸エステルグロー放電処理室に送り込
まれた前記磁性金属薄膜層で被覆された基体は、
前記の珪酸エステルガスを含む雰囲気下で発生せ
しめたグロー放電プラズマにさらされて移動する
と、前記磁性金属薄膜層の表面に珪素化合物層
(第3図のB)が形成される。 次に、前記保護潤滑層蒸着室において7×
10-4Torr程度の真空度で高級脂肪酸、脂肪酸エ
ステル又はこれらを組合せた蒸発源25を抵抗加
熱手段26により加熱、蒸発せしめて得られた蒸
気流を、移動する前記磁性金属薄膜層及び珪素化
合物層で被覆された基体に対し蒸着して、所望す
る厚さの保護潤滑層(第4図のC)を前記珪素化
合物層B上に積層する。 しかる後、前記基体磁性金属薄膜層、珪素化合
物層及び保護潤滑層で被覆された、再度、前記送
出兼巻取室2に戻されて、エキスパンダーローラ
ー27により適正にシワの矯正がなされた後、ロ
ール状28に巻き取られて一連の薄膜形成工程が
完了する。 なお、前記保護潤滑層蒸着室内を走行する前
記基体は、前記磁性金属薄膜層蒸着室と同じよ
うにクーリングキヤンのような手段を用いても良
いし、又その表面に前記蒸気流を斜方入射せしめ
ても良い。 なお、本実施態様は1例であつて、本発明は本
実施態様にとらわれるものではない。 本発明に用いられる磁性金属材料としては、
Fe、Co、Ni等の金属、あるいはFe−Co、Fe−
Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Rh、Fe−Cu、
Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co−Pr、
Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−
Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni
−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr、Fe−Co−Ni
−Cr等を主成分とする強磁性合金である。特に
好ましいのはCoあるいはCoを75重量%含有する
ような合金である。 更に添加物として、W、Mo、Ta、Mg、Si、
Al等を少量含んでもよい。又、C、B、O、N、
P等の非金属成分を少量含んでもよい。これら
は、薄膜形成用の母材に含めてもよいし、また、
薄膜形成時のガス雰囲気の成分として加えてもよ
い。 例えば、前記磁性金属薄膜層を前記磁性金属薄
膜層蒸着室4で形成する際に若干の酸素ガスを導
入した酸素雰囲気下で行なつてもよい。 磁性金属薄膜層の膜厚は、磁気記録媒体として
充分な出力を与え得る厚さおよび高密度記録の充
分行える薄さを必要とすることから一般には約
0.02μmから20000Å、好ましくは0.05μmから
10000Åである。 また磁性金属薄膜層は単層でも良いし、2層以
上の多層膜から構成されていてもよい。また多層
構成の場合、層間に非磁性の中間層を設けてもよ
い。非磁性基体と磁性金属薄膜層の間に非磁性の
下地層を設けてもよい。また、非磁性基体の両面
に磁性金属薄膜層を設けてもよい。 本発明におけるベーパーデポジシヨン法とは、
上記米国特許第3342632号の明細書等に述べられ
ている通常の真空蒸着の他、電界、磁界あるいは
電子ビーム照射等により蒸気流のイオン化、加速
化等を行つて蒸発分子の平均自由行程の大きい雰
囲気にて支持基体上に薄膜を形成させる方法をも
含むものであつて、例えば当出願人による特開昭
51−149008号明細書に示されているような電界蒸
着法、特公昭43−11525号、特公昭46−20484号、
特公昭47−26579号、特公昭49−45439号、特開昭
49−33890号、特開昭49−34483号、特開昭49−
54235号公報に示されているようなイオン化蒸着
法も本発明に用いられ、その他スパツター法、プ
ラズマ重合法も適用できる。 又、本発明に用いられる基体としてはポリエチ
レンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、
ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンナフタレートのようなプラ
スチツクベースが好ましい。更にAl、Cu、SUS
等の非磁性金属、又はガラス、セラミクス等の無
機質の基体も使用出来る。特に本発明においては
表面粗さ(ra)が0.012μm以下であるような上記
可撓性プラスチツクベースが好ましい。 高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン
酸等である。 脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸メチ
ル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸モノグリ
セリド等がある。 前述した保護潤滑層は、複数個のクーリングキ
ヤンを並設して各種素材を順次蒸着することも可
能である。何れの蒸着方法においても、前記保護
潤滑層の全厚さは20〜500Å、更には20〜300Åの
範囲が好ましい。 本発明における珪素化合物層とは、磁性金属薄
膜層の表面を珪酸エステルガスを含む真空雰囲気
下で発生せしめたグロー放電プラズマに曝すこと
により前記磁性金属薄膜の表面に堆積された珪素
化合物層であり、SiO2等の珪素酸化物から成る。
本発明における珪素化合物層の膜厚は100Å以下
が望ましい。特に好ましくは10Å以下である。 本発明における珪素化合物層は必ずしも一様な
連続膜を形成していなくても良い。このため厳密
な意味で膜厚を規定することが困難であるため、
本明細書における膜厚は、付着物を膜厚に換算し
た平均膜厚を意味する。 本発明における珪素化合物層は極く薄いため被
覆状態について明確に定義することは困難である
が、例えば、通常の市販されているオージエ電子
分析装置で、表面分析を行なつた場合、少くとも
磁性金属薄膜層を構成している主成分である磁性
元素と、珪素元素及び酸素元素が同時に検出され
る程度の被覆状態が好ましい。即ち、オージエ電
子分析的に見て、磁性金属薄膜層を構成している
主成分である磁性元素と珪素元素、及び酸素元素
が混在した表面状態が形成されていることが望ま
しい。 本発明における珪素化合物層の役割は必ずしも
解明されてはいないが、珪素化合物層の形成に続
いて形成される有機保護潤滑層を磁性金属薄膜層
上に保持しておく機能を増進させるものである。 特に本発明における方法で表面処理した磁性金
属薄膜層は表面の凹凸、柱状組織間の間隙等に
も、一様に珪素化合物が析出するため、前述の保
護潤滑層の保持機能が一段と向上出来る。 また本発明における珪素化合物層は極めて微量
でも、耐久性、走行特性、耐候性等の磁気記録媒
体としての実用上の諸特性を大巾に向上させるた
め、スペーシングロスが少なく、電磁変換特性の
優れた磁気記録媒体が得られ、その実用的価値は
大なるものである。 本発明における珪酸エステルガスを含む真空雰
囲気下でのグロー放電処理とは珪酸エステルガス
と反応ガスとを適当量混合し、5×10-5〜5×
10-1Torrの真空度に保ち、グロー放電形成用電
力を放電用電極に印下することにより生ぜせしめ
たグロー放電プラズマに磁性金属薄膜層を曝し、
表面に珪素化合物を形成するものである。 珪酸エステルガスとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、テトラフエノキシシラン、テトラベンジル
オキシシラン等が好ましい。特に好ましくは、テ
トラエトキシシランが好ましい。 反応ガスとしては、グロー放電を安定にすると
ともに、珪酸エステルの分解を助ける働きをする
ものが望ましく、例えば、酸素、水蒸気等が好ま
しい。 グロー放電を発生させるためには、高周波電
力、直流電力、交流電力、マイクロ波電力等が必
要であるが、取扱い易さを考えると約13.56MHz
の高周波電力又は直流電力が特に好ましい。高周
波電力を用いた場合、5×10-5〜6×10-2Torr
の真空度でグロー放電を起させることが可能であ
る。又直流電力を用いた場合は、0.02〜0.5Torr
程度の真空度でグロー放電が生ずる。 放電用電極としては、コイル状、棒状、網状等
の形状をした電極を真空槽内に設ければ良い。ま
た真空槽外に電極を設けるいわゆる無電極放電で
も良い。 以下、実施例に基づいて本発明の新規な効果に
ついて明確にする。 実施例 1 第1図に示したような磁気記録媒体製造装置1
を用い、25μ厚のポリエチレンテレフタレートフ
イルム基体を蒸発源に対して60゜の傾きになるよ
うに真空蒸着装置内に配置して、1×10-5Torr
の真空度で99.99%のコバルト金属を電子ビーム
加熱法により200Å/secの速度で2000Å蒸着し
た。 続いて、テトラエトキシシランガスと酸素ガス
を導入し、ほぼ1対1の分圧Clに保ち6×
10-4Torrの雰囲気下で200Wattの高周波電力で発
生せしめたグロー放電プラズマにコバルト蒸着層
の表面を約1分間さらし約8Å相当のSiO2膜を
形成した。その後、ベヘン酸を1×10-4Torrの
真空度で抵抗加熱法により20Å/secの速度で150
Å蒸着した。しかる後1/2インチ幅のテープ状に
スリツトし、VHS方式小型VTRのカセツトに組
み込み磁気テープとしての評価を行なつた。 このようにして作製した記録媒体は耐久性、走
行性、及び耐候性の評価を行なつた。耐久性の評
価は、VHS方式小型V−T−R装置においてテ
ープ走行を止めその時の再生出力信号が半減する
までの時間、即ちスチル耐久時間を測定した。走
行特性の評価はVHS方式小型VTR装置において
100回繰り返し走行させたのちテープ巾方向に肉
眼で観察可能なキズの数を数えることにより行な
つた。なお、スチル耐久時間、スリキズの評価と
も松下電産製のNV−8200型VTR装置を用いた。 耐候性の評価は、60℃90%RHのサーモ装置内
に2週間保持した後の磁化量の減少(減磁)の割
合で比較した。表1にスチル耐久時間、スリキズ
の数、及び減磁を示した。 表−1には比較の為、未処理で保護潤滑層のな
い場合(a)、未処理で保護潤滑層を有する場合(b)を
合せて示した。(b)の場合の保護潤滑層の構成はベ
ヘン酸を同一膜厚設けたものである。ここで未処
理とは、前記珪素化合物層を設けてないことを示
す。本発明による(c)では他のものと比較して著し
いスチル耐久特性、耐スリキズ特性及び耐候性の
向上がみられた。
【表】 このように、本発明によれば、耐久性、走行性
及び耐候性に優れた磁気記録媒体が得られ、その
実用上の効果は極めて大である。 なお、実施例1においてはグロー放電プラズマ
を高周波電力の印加により行なわせたが、直流電
圧の印加によつても同様の効果が確かめられた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる磁気記録媒体製造装置
の1例の要部を切断して示した側面図、第2図〜
第4図は本発明による磁気記録媒体の断面略図で
ある。 図中、2は基体送出兼巻取室、3はグロー放電
前処理室、4は磁性金属薄膜層蒸着室、5は珪酸
エステルグロー放電処理室、6は保護潤滑層蒸着
室、Wは基体である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 非磁性基体上に磁性金属薄膜層と、珪素化合
    物層と、高級脂肪酸、脂肪酸エステル又はこれら
    を組み合せた保護潤滑層を夫々積層して成ること
    を特徴とする磁気記録媒体。 2 非磁性基体上にベーパーデポジシヨン法によ
    り、磁性金属薄膜層を形成した後、前記磁性金属
    薄膜層の表面を珪酸エステルガスを含む真空雰囲
    気下で発生せしめたグロー放電プラズマに曝すこ
    とにより、前記磁性金属薄膜層の表面に珪素化合
    物層を形成し、次いで真空雰囲気下で、前記珪素
    化合物層上に高級脂肪酸及び脂肪酸エステルの少
    くとも1種を蒸着させ保護潤滑層を形成すること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP57101967A 1982-06-16 1982-06-16 磁気記録媒体及びその製造方法 Granted JPS58220244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57101967A JPS58220244A (ja) 1982-06-16 1982-06-16 磁気記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57101967A JPS58220244A (ja) 1982-06-16 1982-06-16 磁気記録媒体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58220244A JPS58220244A (ja) 1983-12-21
JPH0479065B2 true JPH0479065B2 (ja) 1992-12-14

Family

ID=14314634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57101967A Granted JPS58220244A (ja) 1982-06-16 1982-06-16 磁気記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58220244A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58222438A (ja) * 1982-06-18 1983-12-24 Tdk Corp 磁気記録媒体
JPH0618080B2 (ja) * 1984-10-19 1994-03-09 日本電気株式会社 磁気記憶体
JPH0612568B2 (ja) * 1984-11-12 1994-02-16 株式会社東芝 磁気記録媒体
JPS63255362A (ja) * 1987-04-10 1988-10-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 金属薄膜の製造装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5737737A (en) * 1980-08-15 1982-03-02 Fuji Photo Film Co Ltd Magnetic recording medium

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5737737A (en) * 1980-08-15 1982-03-02 Fuji Photo Film Co Ltd Magnetic recording medium

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58220244A (ja) 1983-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4495242A (en) Magnetic recording medium
US4521482A (en) Magnetic recording medium
US4673610A (en) Magnetic recording medium having iron nitride recording layer
JPH0445888B2 (ja)
JPH0479065B2 (ja)
JPH0328735B2 (ja)
JPH01223632A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JPH1049853A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH0546013B2 (ja)
JPS58222439A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH10251851A (ja) 成膜方法及び成膜装置
JPH0685216B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US5750209A (en) Method for producing magnetic recording medium and apparatus therefor
JP2629847B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0454289B2 (ja)
JPS58222432A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH01243234A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0451888B2 (ja)
JPH0676281A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法、製造装置
JP2946748B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2843236B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JPS62102414A (ja) 磁気記録媒体
JPH02240831A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10302258A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JPH0528487A (ja) 磁気記録媒体の製造方法