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JP7501319B2 - 服薬支援装置 - Google Patents

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JP7501319B2 JP2020190568A JP2020190568A JP7501319B2 JP 7501319 B2 JP7501319 B2 JP 7501319B2 JP 2020190568 A JP2020190568 A JP 2020190568A JP 2020190568 A JP2020190568 A JP 2020190568A JP 7501319 B2 JP7501319 B2 JP 7501319B2
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Description

本発明は、服薬支援装置に関する。
薬剤が一包化された薬包(薬剤一包化パック)を収納する収納部(格納部)から吸着装置を用いてパックを取り出した後、受け皿に受渡し、本体ケーシングの開口(出口)に出没させて服用者、もしくは服用介助者に薬を渡す服薬支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の服薬支援装置では、服薬すべき薬剤一包化パックを決まった時間に服薬介助者等に渡すことはできる。
しかしながら、当該服薬支援装置の格納部の上部に開口部があり、吸着装置が薬剤一包化パックを格納部の上側から取り出しているため、格納部内に残っている薬剤一包化パックを取り出しやすくするために薬剤一包化パックを上方に持ち上げるリフターが必要であった。したがって、装置の構造が複雑化してしまう問題点があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、服薬者或いは服薬を支援する服薬支援者に対して服薬の手間を軽減する装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、薬剤が一包化された薬剤一包化パックを段積みで格納する格納手段と、特定の前記薬剤一包化パックを前記格納手段から取り出す取出し手段と、前記取出し手段により取り出した前記薬剤一包化パックを移送する移送手段と、前記移送手段により移送された前記薬剤一包化パックを配置する配薬手段と、を備え、前記取出し手段により前記格納手段から取り出される前記薬剤一包化パックの被取出し部が、前記格納手段内の下部に有する服薬支援装置であって、前記被取出し部が、前記薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有し、前記被取出し部が、前記支持部を複数有し、複数の前記支持部の少なくとも一方が、弾性部材であることにより、前記薬剤一包化パックを前記格納手段内に保持することが可能であると共に、前記薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となり、また弾性変形することにより、前記薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となる構成であり、前記取出し手段は、前記薬剤一包化パックをエア吸引により吸着する吸着部材と、前記吸着部材を前記取出し手段の上下方向に移動する吸着部上下移動部とを有し、前記被取出し部は、前記支持部の他に、前記格納手段内の前記薬剤一包化パックを取り出すためのパック取出し開口部を有し、前記取出し手段により前記格納手段から前記薬剤一包化パックを取り出すときには、前記移送手段によって前記取出し手段を前記格納手段の下側に移動した状態にしておき、前記吸着部上下移動部によって、前記取出し手段から前記吸着部材を上方向に移動し、前記吸着部材を前記パック取出し開口部から前記格納手段の前記下部に進入させ、前記支持部によって支持されている前記薬剤一包化パックを前記吸着部材で吸着し、その後、前記吸着部上下移動部によって前記薬剤一包化パックを吸着した前記吸着部材を前記パック取出し開口部から下方向に移動させて、前記吸着部材が前記取出し手段に戻ることを特徴とする服薬支援装置にある。
本発明によれば、簡易な構成で、服薬者或いは服薬を支援する服薬支援者に対して服薬の手間を軽減する装置を提供することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る服薬支援装置全体の正面図、(b)は(a)の側面図である。 (a)は単一の薬剤一包化パックの一般的な形態を示す平面図、(b)は(a)の薬剤一包化パックをA矢視方向から見た側面図、(c)はパック連続体の一般的な形態を示す図である。 配薬トレーの構成を示す外観斜視図である。 (a)は実施例1を示す格納部の下面図、(b)は(a)の格納部の縦断面図である。 (a)は実施例2を示す格納部の下面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は実施例3を示す格納部の下面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は実施例4を示す格納部の下面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は実施例5を示す格納部の下面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は実施例6を示す格納部の下面図、(b)は(a)の縦断面図である。 引出し部に設けられた格納部の着脱機構を示す要部の平断面図である。 引出し部に備えられている格納部の識別構成を説明する平面図である。 (a)は取出し部の構成を示す正面図、(b)は(a)の平面図である。 取出し部の動作推移を示す正面図である。 実施例1の格納部に格納されているパッドの吸着パッド位置を示す下面図である。 実施例1~6とは別の実施例を示す図であって、吸着パッド位置を示す下面図である。 図15の実施例において格納部からパックを吸着して取り出す際の不具合を説明する図である。 図14や図15等に示した支持部の凸形状部とは別の例について説明する下面図である。 図14や図15等に示した支持部の凸形状部とはさらに別の例について説明する下面図である。 (a)は移送部の要部構成を示す正面図、(b)は(a)の側面図である。 移送部におけるYガイド部の先端を保持する構成例を示す要部の斜視図である。 図1の服薬支援装置の主な制御構成を示す制御ブロック図である。 図1の服薬支援装置の主な全体動作フローを説明する図である。 取出し部の動作フローを説明するフローチャートである。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態を詳細に説明する。各実施形態、各実施例等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。
図1を参照して本発明の一実施形態に係る服薬支援装置全体の主要な構成を説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る服薬支援装置全体の主要な構成を模式的に示す正面図、図1(b)は図1(a)の側面構成を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る服薬支援装置200は、格納部10と、配薬トレー30と、取出し部50と、移送部90と、第1出入り口部41、第2出入り口部42、第3出入り口部43と、第4出入り口部44と、を備えている。
図1において、服薬支援装置200の左右方向ないしは横方向(幅方向でもある)をX方向と、前後方向ないしは奥行方向をY方向と、上下方向ないしは縦方向(鉛直方向でもある)をZ方向とする。
格納部10は、薬剤が一包化された薬剤一包化パック(以下、単に「パック」ともいう)を段積みで格納する格納手段として機能する。格納部10は、服薬支援装置200の装置本体としての本体フレー199内の最上部及び下部にそれぞれ複数配置されている。
ここで、「段積みで格納する」とは、パックを略水平状態ないしは平積み状態で格納することを意味する。
配薬トレー30は、移送部90により移送された特定のパックを配置する配薬手段ないしは配薬台として機能する。配薬トレー30は、図1(a)に示すように、最上部及び下部の格納部10に挟まれる状態で4個配置されている。以下、配薬トレー30の設置部位(パックが配薬トレー30に自動的に配薬されるべく受け渡される箇所を意味する)を配薬部29とする。
取出し部50は、特定のパックを格納部10から取り出す取出し手段として機能する。
移送部90は、取出し部50により格納部10から取り出したパックを移送する移送手段として機能する。
第1出入り口部41及び第4出入り口部44は、格納部10を本体フレーム199の内外に出入りさせる格納手段用出入口手段として機能する。本体フレーム199内に格納部10を挿入しセットするときは、第1出入り口部41、第4出入り口部44からそれぞれ行う。第1出入り口部41、第4出入り口部44の開閉ドアを開き、格納部10がセットされている引出し部21を手前に引出し、格納部10を着脱する。
第2出入り口部42及び第3出入り口部43は、配薬トレー30を本体フレーム199の内外に出入りさせる配薬手段用出入口手段として機能する。第2出入り口部42、第3出入り口部43は、パックを配薬トレー30に配置(以下、「セット」ないしは「挿入」ともいう)した直後に取り出せるように設けられている。
服薬支援装置200では、図1(a)に示すように配薬トレー30を4個配置しており、例えば、朝、昼、夕方、寝る前などの服薬タイミング毎の配薬トレーを設けている。
配薬トレー用の第2出入り口部42、第3出入り口部43も配薬トレー毎に設けているため、他の配薬トレーに配薬動作を行っているときでも別な配薬トレーを取り出すことも可能である。
なお、図1に示した格納部10の引出し部21は、4個の配薬トレー30を挟んで上下2段の2箇所に設けているが、これに限らず、上側もしくは下側にまとめて設けてもよい。また、介護施設の人数によっては格納部10の配置を3段の構成とすることで同様の効果を得られるようにしてもよい。
図2を参照して本発明の対象とする単一の薬剤一包化パックの概要を説明する。図2(a)は単一の薬剤一包化パックの一般的な形態を示す平面図、図2(b)は図2(a)の薬剤一包化パックをA矢視方向から見た側面図、図2(c)はパック連続体の一般的な形態を示す図である。なお、図2(b)では、薬剤の図示を省略して薬剤一包化パックを模式的に示す。
図2(a)に示すように、1つの薬剤一包化パック2は、例えば樹脂フィルムで形成されていて、カプセルや錠剤などの薬剤3が小分けにされて袋詰めにされている。薬剤一包化パック2は、薬剤3を覆う袋部2aと、ハッチングを施して示す3辺が圧着ないしは溶着された圧着部4とをそれぞれ有する。袋部2a側の辺は通常2つ折りにされていて、その間に薬剤3が挟み込まれており、圧着部4は薬剤3が袋部2aから漏れるのを防止する漏れ防止部を形成する。1つの薬剤一包化パック2は、通常、服薬者に対する1回ごとの服薬単位となっている。
図2(c)に示すように、薬剤一包化パック2は、薬局等に設置された薬剤分包機によって作成(分包)される。分包に使用される分包紙(分包シート)は、ロール状の長尺シートで、折り目が入って重なった状態でロールされており、シートの間に服用する薬剤3が挟み込まれる。薬剤3の周囲の折り目以外の3辺は、圧着部4によって複数回の服用分が順次封止・小分けにされ、所要の回数分の連続シート状にされている。この連続シート状の薬剤一包化パックを「パック連続体」と称する。図2(c)に示すパック連続体1は、複数(同図に示す例では3回服用分)の薬剤一包化パック2が帯状に連なった状態のものである。パック連続体1は、通常、薬局等で使用者(実際に薬剤一包化パック内の薬剤を服用する者や、その服用を介助・支援する介助・支援者を含む他、種々の介護施設や医療施設等のスタッフ等(薬剤師、看護師や介護士、あるいは服薬支援者を含む概念である)に対して提供・販売されている一般的な形態である。説明の簡明化を図る観点から、以下の説明では1つのパックに同じ形態(カプセルや錠剤等)の薬剤を封入されているものを図示しているが、使用者の用途及び目的等に応じて1つのパックに封入されている薬剤が異なるものが用いられることがあることは無論である。
薬剤一包化パック2は、図2に示す例では平面視で矩形状をなし、この例のように3辺を圧着して封止する包装方式は、一般には3方包装と呼ばれており、上市されている薬剤分包機の殆どがこの方式でパックされている。
圧着部4は、大よそ10~15mm程度の帯状の幅を有しており、薬剤3が視認できる透明ないしは半透明のフィルム状の袋部2a部分と比べて剛性が高くなっている。パック連続体1を構成している複数の薬剤一包化パック2が隣り合う薬剤一包化パック2の圧着部4の中央部には、ミシン目5が施された境界部2bが形成されている。手に不自由がない服薬者等では、ミシン目5で手で千切ったり、あるいはハサミや専用のカッターなどでミシン目5付近で切断したりすることにより、1つの薬剤一包化パック2を得る。
図3を参照して配薬トレーについて説明する。図3は配薬トレーの構成を示す外観斜視図である。
図3に示すように、配薬トレー30は、特定のパックを配置するための複数の仕切りとしての仕切り部材である仕切り壁31を有し、それぞれ4つの立設した仕切り壁31によって仕切られている。配薬トレー30は、同図の例では複数の仕切り壁31によって区分けされた計20箇所の区画33を備えている。即ち、配薬トレー30は、複数の仕切りによって仕切られた所定の位置としての所定(特定)の区画33に特定のパックを配置するものである。
配薬トレー30の20箇所の区画33は、縦方向(行送り方向)にA、B、C、D、Eの5列、横方向(文字送り方向)に1、2、3、4の4行からなる行列の成分として表現できる。これにより、配薬トレー30の20箇所の各区画33は、5列4行の行列の成分(以下、番地ともいう)で一義的に位置付けることができる。更に配薬トレー30は、配置されたパック(図示せず)を載置する底壁32を有する。このように、配薬トレー30は、複数(4つ)の仕切り壁31及び共通の底壁32によって、特定の区画33に配置された特定のパック(図示せず)が他の区画33内のパック(図示せず)と混じり合ったり、底壁32から脱落したりしないように特定の区画33に確実に配置されるように構成されている。
配薬トレー30は、複数の仕切り壁31によって区分けされた計20箇所の区画33を備えており、服用するパックによって服薬者毎にセットないしは挿入位置が決まっている。換言すれば、配薬トレー30内の複数の区画33は、同じ服薬タイミングにおいて複数の服薬者毎に割り振られていてもよい。また、特定の服薬者が特定の服薬タイミングで服薬しない場合には、特定の服薬タイミングで特定の服薬者にパックが配置されないようにしておくことも可能である。
図3に示した配薬トレー30によれば、各区画を服薬者で決めることにより、配薬トレー30において服薬介助等を行う介護施設などのスタッフ等が毎回取る区画(番地)が同じになるため誤薬防止につながる。即ち、各日にちでバラバラにならないため、介護施設や福祉施設などのスタッフ等の業務低減を図ることができる。
上記配薬トレー30に限らず、配薬トレー30の複数の区画33が各服薬者の服薬タイミング毎に割り振られる例であってもよい。具体的には、複数の区画33が、朝、昼、夕、寝る前に服用するパック2の服薬タイミング毎に、かつ服薬者毎に割り振られていてもよい。このような例の配薬トレー30では、フロアや、複数の服薬者が居住する部屋単位で配薬トレー30を管理し、その日(もしくは数日)分のパック2を配薬トレー30に予め配薬することが可能となる。
上記例によれば、各区画を、例えば朝、昼、夕、寝る前などの服薬タイミング毎に割り振ることにより、服薬者毎の服薬するタイミングを間違えないようにできる。上述した配薬トレー30の構成例に限らず、服薬者と服薬するタイミングとの組み合わせで種々の例が考えられるが、本発明の開示範囲を超えるため上記説明に留める。
(実施例1)
図4を参照して格納部に係る実施例1について説明する。図4(a)は実施例1を示す格納部の下面図、図4(b)は図4(a)の格納部の縦断面図である。なお、図4(b)の縦断面図では、図面の簡明化を図るため、格納部10内に格納されているパック2の圧着部4の部分の図示を故意に省略してパック2を模式的に拡大誇張して示す(以下説明する実施例の縦断面図でも同じ)。また、同様の趣旨から支持部(支持部左12、支持部右13等)の断面ハッチング表示も省略する。
格納部10は、ケース部11と、フタ部14と、パック取出し開口部17と、可動板16と、パック姿勢保持部15と、支持部としての支持部左12及び支持部右13とから主に構成されている。
ケース部11は、複数のパック2を格納する機能を有する。ケース部11は、例えば樹脂を用いて一体的もしくは別体的に形成されている。
フタ部14は、パック2の出し入れを可能にする機能を有する。
パック取出し開口部17は、取出し部50(図1等参照、詳細構成及び動作は後述する)により格納部10から取出されるパック2を通過させる機能を有する。
可動板16は、パック2の倒れの防止、及びケース部11に格納可能な最大数のパック2のうちの1パック目が取り出された後に最下部のパック2をパック取出し開口部17付近に移動させる機能を有する。
パック姿勢保持部15は、パック2の姿勢を保持する機能を有する。
支持部左12及び支持部右13は、ケース部11内のパック2を支持ないしは保持する機能を有する。
本発明の最大の特徴は、取出し部50(図1等参照)により格納部10から取出されるパック2の被取出し部20が、格納部10内の下部ないしは底部に有することにある。即ち、被取出し部20は、格納部10内の下部に設けられ、格納部10から取り出されるパック2を複数個所で支持する支持部としての支持部左12及び支持部右13と、パック取出し開口部17とを有して構成されている。
本実施例では、支持部左12が可動するフラップ機構となっており、取出し部50により取出されるパック2の取り出しをスムーズに行えるようになっている。支持部左12は、ケース部11の底壁に開口したパック取出し開口部17の左底壁端部に開閉可能に設けられている。支持部左12は、パック取出し開口部17の左底壁端部に設けられた回転軸12aを中心として揺動することで開閉可能に設けられている。
支持部左12及び支持部右13は、例えば樹脂又は金属等で形成されている。
即ち、取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部左12はパック2の通過を許容するように構成されている。一方、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に複数のパック2を格納保持しておくように支持部左12はパック2の通過を規制するように構成されている。
具体的には、支持部左12の回転軸12aと左底壁端部との間には所定範囲の付勢力を持つねじりコイルバネが装着されている。この付勢力は、取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部左12がパック2の通過を許容するように、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に格納される最大個数のパック2及び可動板16を格納保持しておくように設定されている。
支持部右13は、パック取出し開口部17の右底壁端部に不動に設けられている。支持部右13は、ケース部11と一体的に形成してもよい。
支持部左12のY方向の略中央部には、平面視で見てパック2と重なる凸形状をなす凸形状部12bが形成されている。支持部左12は、その一部形成領域である凸形状部12bでのみパック2を支持している。これについては、取出し部50の詳細構成及び動作に係る吸着パッド位置との関係で後述する。
パック姿勢保持部15は、適度な弾性を持つスポンジゴムで形成されている。可動板16は、例えば樹脂又は金属等で形成されている。パック姿勢保持部15及び可動板16は、ケース部11内に格納された複数のパック2の姿勢を正常に保持(図4(b)に明示したように、パック2の姿勢をZ方向に沿って整然と略水平状態に保持)するものでもある。
可動板16は、上記機能を発揮すべく、自らの自重によってケース部11内をZ方向下向きに移動することで、ケース部11内に残された少なくとも1つのパック2をパック取出し開口部17付近に確実に移動させるように設定されている。
図4(b)に示すように、ケース部11の側壁には、X方向に所定の幅でZ方向に延びた長溝11aが形成されている。可動板16の一側端部には、フランジ付きの軸16aが長溝11aから突出して設けられている。可動板16は、軸16aが長溝11aに沿ってZ方向に案内されることで、パック2の姿勢をZ方向の下向きに沿って整然と略水平状態に保持することができる。
ケース部11内へのパック2のセットは、支持部左12、支持部右13側のパック取出し開口部17から上に向かって順番に格納する。
格納部10内へパック2を補充するタイミングは、例えば介護施設などの服薬者(入居者)の診察タイミング(通常2週間)や格納部10内のパック2が無くなったタイミングでよい。補充するときにパック2が格納部10内に残っている場合は、残っているパック2の後ろから続けて補充する。
上述した格納部10内へのパック2のセットやパック2の補充は、介護施設などのスタッフ等が行うものであるが、格納部がカートリッジ化されて自動で行うような構成ではこの限りではない。
フタ部14は、格納部10内に格納されているパック2の出し入れを介護施設などのスタッフ等が可能とすべく行うものであり、図4(b)に示すように、ケース部11のZ方向に渡り長くかつ所定の開口幅をもって形成されている。
図4(b)に示すように、格納部10の内部には複数のパック2が格納されているが、このパック2の種類としては、例えばAさんの朝飲む薬の14日分といったように飲むタイミング毎に分けている。したがってAさんが朝以外にも昼や夕方、寝る前に服薬する場合には、格納部は合計4個必要となる。
上記例に限らず、例えば服薬者(人)毎に設定された単一の格納部10でもよく、格納部10のパック取出し方向となるパック取出し開口部17から上に向かって順に1日目の朝→昼→夕方→寝る前→2日目の朝→昼→夕方・・・のようにしてもよい。
上述した実施例1では、支持部左12が可動(揺動・開閉)するフラップ機構において、ねじりコイルバネの付勢力を利用した簡素な構成であったが、用途や目的によっては板バネや電動モータを利用したものであってもよい。
(実施例2)
図5を参照して格納部に係る実施例2について説明する。図5(a)は実施例2を示す格納部の下面図、図5(b)は図5(a)の縦断面図である。
図5に示す実施例2の格納部10は、図4に示した実施例1の格納部10と比較して、支持部左12と同様に支持部右13をフラップ機構にすることで、取出し部50により取り出されるパック2の取り出しをスムーズに行えるようにしたことのみ相違する。支持部右13は、ケース部11の底壁に開口したパック取出し開口部17の右底壁端部に開閉可能に設けられている。支持部右13は、パック取出し開口部17の右底壁端部に設けられた回転軸13aを中心として揺動することで開閉可能に設けられている。
即ち、取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部右13は支持部左12と同様に、パック2の通過を許容するように構成されている。一方、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に複数のパック2を格納保持しておくように支持部右13はパック2の通過を規制するように構成されている。
具体的には、支持部右13の回転軸13aと右底壁端部との間には所定範囲の付勢力を持つねじりコイルバネが装着されている。この付勢力は、取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部右13が支持部左12との協働作用によって、パック2の通過を許容するように、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に格納される最大個数のパック2及び可動板16を格納保持しておくように設定されている。
実施例1及び2によれば、第1に、格納部の被取出し部が、薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有することにより、薬剤一包化パックを格納部内に保持することが可能であると共に、薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となる。
第2に、単一の格納部に支持部を複数有し、それら支持部の少なくとも一方が、可動することにより、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となる。
(実施例3)
図6を参照して格納部に係る実施例3について説明する。図6(a)は実施例3を示す格納部の下面図、図6(b)は図6(a)の縦断面図である。
図6に示す実施例3の格納部10は、図4に示した実施例1の格納部10と比較して、フラップ機構で可動する支持部左12に代えて、弾性変形可能な弾性部材で形成された支持部左12Aを有することのみ相違する。
弾性部材としては、例えば弾性変形可能な樹脂板材や、弾性変形可能なステンレススチールやアルミニウムなどの金属板材などが用いられる。
実施例3によれば、第1に、格納部の被取出し部が、薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有することにより、薬剤一包化パックを格納部内に保持することが可能であると共に、薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となる。
第2に、フラップ機構で可動する支持部左を用いなくても、支持部左が弾性変形することにより、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となるので、構造の簡略化が可能となる。
(実施例4)
図7を参照して格納部に係る実施例4について説明する。図7(a)は実施例4を示す格納部の下面図、図7(b)は図7(a)の縦断面図である。
図7に示す実施例4の格納部10は、図4に示した実施例1の格納部10と比較して、不動部材である支持部右13に代えて、弾性変形可能な弾性部材で形成された支持部右13Aを有することのみ相違する。
弾性部材としては、実施例3と同様の弾性変形可能な樹脂や金属などの板材が用いられる。
実施例4によれば、第1に、格納部の被取出し部が、薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有することにより、薬剤一包化パックを格納部内に保持することが可能であると共に、薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となる。
第2に、支持部右が弾性変形することにより、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となるので、構造の簡略化が可能となる。
上記した実施例1~4以外にも、複数の支持部である支持部左及び支持部右がともに弾性部材からなる実施例であってもよい。
ここまでの実施例1~4では、格納部の支持部として複数ある形態を示してきたが、以下に説明する実施例5及び6のように単一の支持部であってもよい。
(実施例5)
図8を参照して格納部に係る実施例5について説明する。図8(a)は実施例5を示す格納部の下面図、図8(b)は図8(a)の縦断面図である。
図8に示す実施例5の格納部10は、図4に示した実施例1の格納部10と比較して、支持部左12及び支持部右13に代えて、単一の支持部18を有することのみ相違する。
単一の支持部18としては、パック2の取り出しをスムーズにするために弾性部材を用いるのがよい。
取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部18が弾性変形してパック2の通過を許容するように構成されている。一方、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に複数のパック2を格納保持しておくように支持部18が弾性復帰してパック2の通過を規制するように構成されている。支持部18の弾性力の範囲及び具体的な材質等は、上記した点を考慮して具体的に設定される。
実施例5によれば、第1に、格納部の被取出し部が、薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有することにより、薬剤一包化パックを格納部内に保持することが可能であると共に、薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となる。
第2に、支持部が弾性変形することにより、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となるので、構造の簡略化が可能となる。
(実施例6)
図9を参照して格納部に係る実施例6について説明する。図9(a)は実施例6を示す格納部の下面図、図9(b)は図9(a)の縦断面図である。
図9に示す実施例6の格納部10は、図4に示した実施例1の格納部10と比較して、複数の支持部左12及び支持部右13に代えて、フラップ機構で可動する単一の支持部19を有することのみ相違する。
支持部19は、図5に示した実施例2と同様に、パック取出し開口部17の右底壁端部に設けられた回転軸19aを中心として揺動することで開閉可能に設けられている。
取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部19はパック2の通過を許容するように構成されている。一方、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に複数のパック2を格納保持しておくように支持部19はパック2の通過を規制するように構成されている。
具体的には、支持部19の回転軸19aと右底壁端部との間には所定範囲の付勢力を持つねじりコイルバネが装着されている。この付勢力は、取出し部50で格納部10からパック2を取り出しするときには、支持部19がパック2の通過を許容するように、格納部10からパック2を取り出ししないときには、ケース部11内に格納される最大個数のパック2及び可動板16を格納保持しておくように設定されている。
実施例6によれば、第1に、格納部の被取出し部が、薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有することにより、薬剤一包化パックを格納部内に保持することが可能であると共に、薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となる。
第2に、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となる。
図10、図11を参照して引出し部に設けられた格納部の着脱機構及び動作について説明する。図10は引出し部に設けられた格納部の着脱機構を示す要部の平断面図、図11は引出し部に備えられている格納部の識別構成を説明する模式的な平面図である。
図10に一例を示すように、引出し部21は、複数の格納部10を着脱可能に構成している。このように着脱可能に構成された格納部10は、一般的に「カートリッジ」とも呼ばれる。引出し部21のケース部22の左右外側壁面には、スライドレール24がそれぞれ備わっており、各スライドレール24は本体フレーム199(図1参照)側に配設されている本体レール28と摺動可能になっている。これにより、引出し部21は、スライドレール24と本体レール28との係合を介して、本体フレーム199(図1参照)内から引き出して着脱を行うことができる。
また、図10に示すように、引出し部21に対する格納部10の着脱は、引出し部21のケース部22の内壁面に内側に向かって突出形成された一対の凸部23と、格納部10のケース部11の外壁部に形成された一対の凹部11cとの係合・離脱、及びケース部22の内壁面とケース部11の外壁部に形成された4箇所の半球状突起11dとの係合・離脱を介して行われる。引出し部21の上記着脱構成により、複数の格納部10の着脱動作を簡単かつ操作性よく行うことができる。
上述の例では、凹凸部の嵌め合いないしは係合を介して着脱可能にしているが、これに限らず、ケース部22の内壁面とケース部11の外壁面との隙間に弾性材を設けておくことや、磁力を用いた構成や、スナップフィット構造でも上記と同様の効果を得ることができる。
引出し部21は、図11に一例を示すように、着脱操作する際に手で把持する取っ手26の近傍に、複数の格納部10の設置個所が分かるようなLED(発光ダイオード)25a~25hなどの案内表示部を備えている。これにより、対象とする格納部10が引出し部21内のどこにあるかを一見して把握することができる。同図において、LED25aは引出し部21のA1(縦の列と横の行で一義的に決定される部位ないしは区画を表す)に対応して着脱される格納部10の有無を検出するものである。同様に、LED25bは引出し部21のA2の部位に対応して、LED25cは引出し部21のA3の部位に対応して、LED25dは引出し部21のA4の部位に対応して、LED25eは引出し部21のB1の部位に対応して、LED25fは引出し部21のB2の部位に対応して、LED25gは引出し部21のB3の部位に対応して、LED25hは引出し部21のB4の部位に対応して、それぞれ着脱される格納部10の有無を検出するものである。
なお、LED25a~25hなどの案内表示部では格納部10の着脱を行う作業者であるスタッフ等が間違える可能性があるため、例えばセンサやスイッチなどで電子的に格納部10の有無を識別する方法でもよい。
また、個々の格納部を識別できるように、番号やバーコード、QRコード(登録商標)、又は非接触ICタグなどを格納部に備えておき、誰の薬がどの格納部に入っているかをシステム側で記憶させておくとよい。そして、次に格納部を装着した引出し部を装置本体にセットした後に、装置本体側が個々の格納部を識別する。これにより、対象のパックを間違えずに装置がピックすることができる。
図12、図13を参照して取出し部の構成及び動作について説明する。図12(a)は取出し部の構成を示す正面図、図12(b)は図12(a)の平面図、図13は取出し部の動作推移を示す正面図である。
図12に示すように、取出し部50は、格納部10からパック2を取り出し保持する吸着部51を備えている。吸着部51は、エア式の吸引ポンプ48(後述する図21のブロック図にのみ示す)を有し、吸引ポンプ48により負圧状態にしてパック2を吸着する。
吸引ポンプ48は、取出し部50に配設されていてもよいし、装置内の他の部位に配設されていても構わない。前記吸引ポンプが装置内に配設されている場合は、エアチューブなどの連通部材を介して前記吸引ポンプに接続する。
吸着部51は、前記吸引ポンプに連通しパック2を吸着する吸着手段ないしは吸着部材としての吸着パッド52と、吸着パッド52に接続された吸着ダクト53と、吸着パッド52及び吸着ダクト53の姿勢を変更できるよう連結された回動ベース部材54及び固定部材57と、固定部材57をZ方向に移動する吸着部上下移動部とを有する。
吸着パッド52の一端である図12(a)における上端は、上記したようにパック2を吸着すべく配設されている。吸着パッド52の他端である図12(a)における下端は、吸着ダクト53の一端である図12(a)における上端に取り付け固定されている。吸着ダクト53の他端である図12(a)における下端は、回動ベース部材54に取り付け固定されている。吸着パッド52及び吸着ダクト53は、Y方向に一対設けられている。
回動ベース部材54は、回転軸55を介して固定部材57に連結されている。回動ベース部材54は、回動ベース部材54に固定された回転軸55の回りに所定角度の範囲で回動可能(即ち揺動可能)に設けられていてもよいし、固定部材57に固定された回転軸55の回りに揺動可能に設けられていてもよい。つまり、図12において、回転軸55の中心と後述するガイドロッド58の中心とをX方向に結ぶ距離は、固定部材57がガイドロッド58に沿って上下方向Zに移動する際に常に一定に保たれように設定されている。
前記吸着部上下移動部は、固定部材57をZ方向に案内する、Y方向に一対設けられたガイドロッド58と、駆動プーリ60と従動プーリ61とに巻き掛けられた無端状のベルト62と、ギアやベルトなどの駆動伝達部材を介して駆動プーリ60に連結された吸着部上下移動モータ63とを有する。
固定部材57は、固定部材57の右端部に固設されたベルト掴み部62aでベルト62に結合され固定されている。
ガイドロッド58は、Z方向に延びてY方向に一対設けられ、それらの下端部は取出し部50に設けられた取出しフレーム50aの底フレーム50bに固設されている。
固定部材57の右端部側には、ガイドロッド58に挿入される被ガイド穴57aが形成されている。
駆動プーリ60と従動プーリ61とは、それぞれ図示を省略したプーリ軸が取出しフレーム50a側の不動部材に回動可能に支持されている。吸着部上下移動モータ63は、取出し部50の取出しフレーム50a側の不動部材に固設されている。吸着部上下移動モータ63は、前記吸着部上下移動部の制御対象駆動部材である(後述の図21参照)。
吸着部上下移動モータ63の作動による固定部材57の上下移動時には、固定部材57が各ガイドロッド58に沿ってZ方向に移動するため、固定部材57のXY平面の姿勢を略水平状態に一定にすることが可能となる。
なお、前記吸着部上下移動部は、上記したベルト駆動による上下往復運動機構に限らず、ラックアンドピニオンなどを用いた往復直線運動機構等であってもよい。
吸着パッド52の姿勢変更関連部材としては、回転軸55を介して固定部材57に連結された回動ベース部材54と、特有形状のガイド溝59aが形成されたガイド部材59と、ガイド部材59のガイド溝59aに常に嵌入して回動ベース部材54を案内するガイド軸56とを挙げることができる。
ガイド部材59は、吸着部51のY方向の両側に回動ベース部材54を挟んで一対設けられ、その下端部が底フレーム50bに固設されている。
ガイド軸56は、回動ベース部材54のY方向の両端部に突出して設けられ、ガイド部材59のガイド溝59aに常に嵌入して回動ベース部材54を案内するよう設けられている。ガイド軸56は、図12(a)に示すように、回動ベース部材54の回転軸55のZ方向の下側に、回転軸55と一定の距離を持って設けられている。
吸着部上下移動モータ63の作動による固定部材57のZ方向への移動時には、固定部材57のXY平面の姿勢を略水平状態に一定に保ちつつ、かつ、回動ベース部材54のガイド軸56が特有形状のガイド溝59aに沿ってZ方向に移動するため、吸着パッド52の姿勢を略90度回転することが可能となる(図12(a)には、吸着部51が略90度回転したときの様子を太い破線で示す)。
特有形状のガイド溝59aは、ガイド軸56の案内によって、略水平状態の回動ベース部材54を介して図12(a)に実線で示すように吸着パッド52の姿勢を上向きに保持するように、Z方向に比較的長く延びて形成された第1のガイド溝部分と、この第1のガイド溝部分に連通し接続し、下側に行くに従い徐々に右側に緩く円弧を描くように形成され、回動ベース部材54及び吸着パッド52の姿勢を略90度回転させる第2のガイド溝部分とからなる。
図13を参照して取出し部50の動作を説明する。なお、ここでは説明の簡明化を図って理解し易くするために、図1の移送部90による動作によって取出し部50が、図1における本体フレーム199の最上部に配置されている引出し部21の格納部10と、その直下に配置されている配薬トレー30との間に位置する状態にあるものとする。また、格納部10としては、図7に示した実施例4(支持部がフラップ機構の支持部左12及び弾性部材で形成された支持部右13A)が用いられているものとする。
図13(a)に示すように、図1の移送部90による動作によって取出し部50が格納部10の下側に移動して移動停止状態にある。この際、前記吸着部上下移動部の吸着部上下移動モータ63が停止されていて、吸着パッド52が取出し部上面位置(筐体状をなす取出し部50の取出しフレーム50aの上面位置を意味する)よりも下に位置している。その後、図13(b)に示すように、吸着部上下移動モータ63の作動により、吸着パッド52が上方向に移動し、フラップ機構の支持部左12と弾性部材の支持部右13Aとの間のパック取出し開口部17から進入して格納部10の最下部に位置するパック2に接触すると同時にパック2を吸着する。その際には予め前記吸引ポンプが駆動されていて吸着動作が可能な状態にある。
次いで、図13(c)に示すように、吸着部上下移動モータ63の逆転作動により、吸着パッド52にてパック2を吸着しながら吸着パッド52が下方向に移動し、格納部10内からパック2の先端側(吸着パッド52にて吸着している側を意味する。以下同じ)を引き出す。ちなみに、格納部10のパック取出し開口部17の図において右側の支持部左12は上述した通り図示しないねじりコイルバネの所定範囲の付勢力によるフラップ状となっているため、吸着パッド52の引出し動作によって開閉する。また、支持部右13Aは所定範囲の適度の弾性力を持つ弾性部材で形成されているため、パック2の後端側(吸着パッド52にて吸着していない側を意味する。以下同じ)は吸着パッド52の引出し動作によって弾性変形しながら開閉する。
図13(a)~図13(c)に示したように、パック2を格納手段10から取り出す際には、取出し部50を当該格納部10の下側に配置させることで行われる。
次いで、図13(d)に示すように、移送部90(図1参照)の動作によって取出し部50をX方向に移動してパック2の後端側を格納部10から取り出しないしは引き出す。その後、図13(e)~図13(f)に示すように吸着部上下移動モータ63の動作により、吸着パッド52によって略水平状態に吸着保持されているパック2の姿勢を略90度回転させる。このときの回転運動は、回動ベース部材54に設けられた回転軸55がガイド部材59のガイド溝59aに沿って可動して移動するため、パック2の姿勢を略水平状態から垂直状態に変更することができる。この際の駆動源は単一の吸着部上下移動モータ63の一連の動作によって行うことができる。
図13(c)に示したように、支持部左12及び支持部右13Aは吸着パッド52の引出し動作によって開閉するため、別途開閉用の駆動源を用意する必要はなく、格納部10からパック2を確実に取出すことができると共に、装置の簡素化、省電力化が可能となる。
図14~図16を参照して吸着パッドがパッドを吸着する際の吸着パッド位置について説明する。図14は実施例1の格納部に格納されているパッドの吸着パッド位置を明示した下面図、図15は図4~図9に示した実施例1~6とは別の実施例を示す図であって、吸着パッド位置を明示した格納部の下面図である。図16(a)は図13(b)の取出し部の動作推移状態に対応した、図15の実施例におけるパッド吸着状態を示す図、図16(b)は図13(c)の取出し部の動作推移状態に対応した、図15の実施例におけるパッド吸着状態を示す図である。
上記したように、図14は図4に示した実施例1の格納部10において、当該格納部10に格納されているパック2を吸着パッド52が吸着する位置(以下、「吸着パッド位置」ともいう)を円形状の破線で示している。以下、説明の簡明化のため、吸着パッド位置を吸着パッド52の符号を付すことで代用することとする。
図14に示すように、格納部10内のパック2がパック取出し開口部17から落下しないよう、フラップ機構の支持部左12と支持部右13とで格納部10内のパック2を支持している。図4を参照して実施例1の格納部10を説明した通り、特に支持部左12については、中央部が凸形状部12bとなっており、この凸形状部12bにてパック2を支持している。
そして、格納部10内の最下部のパック2を吸着パッド52にて吸着しながら取出す際、凸形状部12bを挟んだY方向の2箇所の吸着パッド位置において吸着パッド52にてパック2を吸着する位置関係となっている。換言すれば、格納部10から最下部のパック2を吸着パッド52にて取り出す際、2つの吸着パッド52が支持部左12の凸形状部12bの両端近傍を通過してパック2を吸着し保持することとなる。
図14に示す実施例では、支持部左12の凸形状部12bのY方向の両端付近2箇所に吸着パッド位置を配置することにより、後述する図16のような不具合発生の恐れも未然に回避して、パック2の変形を最小限にして取り出すことが可能となる。この際、凸形状部12bのY方向の両側のパック2が吸着パッド52で吸着されているため、パック2のフィルムは突っ張った形となり変形に耐えることができる。これにより、格納部内の薬剤一包化パックの確実な支持ないしは保持と、薬剤一包化パックのスムーズな取り出しやすさとを両立させることが可能となる。
図15に示す実施例の格納部10では、パック2を支持するフラップ機構の支持部左12’と支持部右13とで格納部10内の最下部のパック2を支持し、パック2を落下しないようにしている。支持部左12’は、図14に示した実施例と比較して、凸形状部を有していない点で相違し、支持部左12’のY方向の両端側2箇所を吸着パッド位置にしている点は同様である。
図15に示すように、凸形状部の無い支持部左12’のY方向の両端側2箇所を吸着パッド位置にして、格納部10内の最下部のパック2を吸着パッド52にて吸着して取り出す際、上述したようにパック2はフィルム素材で形成されていて変形しやすいため、図16(a)~図16(b)に示すような不具合が発生しやすい。即ち、図16(a)、図16(b)において紙面手前側及び図において前後方向Yの紙面奥側の2箇所の吸着パッド52によって吸着されているパック2が支持部左12’を押して回転させるときに、パック2の先端部がめくれ、吸着パッド52とパック2との間に隙間ができ(6(b)の破線〇で示した箇所)、吸引する空気がリークして吸着パッド52による吸着が解除してしまう恐れがある。
そこで、図15に示す実施例においては、例えば、吸着パッド52に吸引力を発生させる吸引ポンプの吸引力を、図16(b)に示す不具合が発生しないような強い吸引ポンプを使用することで格納部10から取出すように構成してもよい。この場合、支持部左12’のY方向の両端2箇所に、パック2を吸着する吸着パッド位置を配置し、かつ、強い吸引ポンプの吸引力によって支持部左12’のY方向の両側のパック2が吸着されるようになるため、パック2のフィルムは突っ張った形となり変形に耐えることができる。これにより、図16(b)に示すようなパック2の取り出し不能となる不具合が発生しないようにできる。
図17、図18を参照して支持部の凸形状部の別の例について説明する。図17は図14に示した支持部の凸形状部とは別の例を示す格納部の下面図、図18は図14、図17に示した支持部の凸形状部とはさらに別の例を示す格納部の下面図である。
図14では、支持部左12の凸形状部12bとして四角形状としているが、これに限らず、図17に示すような三角形や、図18に示すような半円の形状でもよく、図14で説明したと同様の効果を得ることができる。つまり、支持部の凸形状は、薬剤一包化パックの一部に引っかかっている形状、換言すれば薬剤一包化パックの一部に重なる形状であればよい。
なお、上記した支持部の凸形状部の別の例は、図4~図7に示した実施例1~実施例4等にも適用できることは無論である。
図19を参照して移送部90の構成及び動作について説明する。図19(a)は移送部の要部構成を示す正面図、図19(b)は図19(a)の側面図である。
図1の服薬支援装置200の構成のように、各格納部10は配薬トレー30を挟んでZ方向の上下部の平面上に並んでおり、また、配薬トレー30は最下部の格納部10の上部にあるため、取出し部50はX方向、Y方向、Z方向の3方向に動くようにしている。このように、移送部90は、取出し部50によって格納部10から取出したパック2を配薬トレー30に受け渡すべく移送するために、取出し部50をX方向、Y方向及びZ方向に移動させる構成を有する。
取出し部50をX方向に移動させる構成はX方向移送部91、取出し部50をY方向に移動させる構成はY方向移送部101、取出し部50をZ方向に移動させる構成はZ方向移送部111であり、それぞれ類似の構成を有する。
X方向移送部91は、取出し部50に取付けられたXアダプタ96と、Xアダプタ96を介して取出し部50をX方向に案内するXガイド部材97と、駆動プーリ92と従動プーリ93との間に巻き掛けられた無端ベルト94と、駆動プーリ92にギアやベルト等の駆動力伝達部材を介して連結されたX方向移送モータ95とを有する。
Xアダプタ96には、3個のローラ98(3個のうち2個は取出し部50に隠れていて見えない)がXガイド部材97を挟み付ける状態で転動可能に取付けられている。また、Xアダプタ96は、ベルト掴み部(図示せず)を介して無端ベルト94に結合され固定されている。
X方向移送部91の上記構成により、X方向移送モータ95が駆動すると、前記駆動力伝達部材及び駆動プーリ92を介して無端ベルト94へと駆動力が伝達されて無端ベルト94が回転走行し、取出し部50はXアダプタ96と共にXガイド部材97に沿ってX方向に移動する。
Y方向移送部101は、取出し部50に取付けられたYアダプタ106と、Yアダプタ106を介して取出し部50をY方向に案内するYガイド部材107と、駆動プーリ102と従動プーリ103との間に巻き掛けられた無端ベルト104と、駆動プーリ102にギアやベルト等の駆動力伝達部材を介して連結されたY方向移送モータ105とを有する。
Yアダプタ106には、3個のローラ108がYガイド部材107を挟み付ける状態で転動可能に取付けられている。また、Yアダプタ106は、ベルト掴み部104aを介して無端ベルト104に結合され固定されている。
Y方向移送部101の上記構成により、Y方向移送モータ105が駆動すると、前記駆動力伝達部材及び駆動プーリ102を介して無端ベルト104へと駆動力が伝達されて無端ベルト104が回転走行し、取出し部50はYアダプタ106と共にYガイド部材107に沿ってY方向に移動する。
Z方向移送部111は、Xガイド部材97のX方向の両端部に取付けられた一対のZアダプタ116と、Xガイド部材97及び一対のZアダプタ116を介して取出し部50をZ方向に案内する一対のZガイド部材117と、駆動プーリ112と従動プーリ113との間に巻き掛けられた無端ベルト114と、駆動プーリ112にギアやベルト等の駆動力伝達部材を介して連結されたZ方向移送モータ115とを有する。
Z方向移送部111では、駆動プーリ112、従動プーリ113及び無端ベルト114がX方向の両側にそれぞれ設けられているが、Z方向移送モータ115は一方の駆動プーリ112にのみ設けられている。
各Zアダプタ116には、3個のローラ118がZガイド部材117を挟み付ける状態で転動可能にそれぞれ取付けられている。また、各Zアダプタ116は、各ベルト掴み部114aを介して各無端ベルト114に結合され固定されている。
Z方向移送部111の上記構成により、Z方向移送モータ115が駆動すると、前記駆動力伝達部材及び駆動プーリ112を介して無端ベルト114へと駆動力が伝達されて無端ベルト114が回転走行し、取出し部50はXガイド部材97及びZアダプタ116と共にZガイド部材117に沿ってZ方向に移動する。
図19ではX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に取出し部50が移動するようにしているが、例えば取出し部50を挟んで上側に格納部10、下側に配薬トレー30を配置している構成の場合には、取出し部50はX方向、Y方向のみの移動でよいため、移動軸を1つ少なくすることができる。
図19の移送部90の構成では、Y方向のYガイド部材107の先端が保持されていない。そこで、図20に示すように、Yガイド部材107の先端部107aの保持として、Yガイド部材107の先端部107aを取付け支持しているブラケット部材125の先端部にローラ126を設けると共に、本体フレーム199側に設けた受け部122上にローラ126を転動可能に配設してもよい。
上記構成により、Yガイド部材107の先端部107a側が自重により撓むことを防止することができる。これにより、取出し部50と格納部10との、又は配薬トレー30との各配置距離のばらつきが少なくなるため、安定したパック2の取り出しや配薬トレー30へのパック2の挿入ないしは差込みが可能となる。
図21を参照して本発明に係る服薬支援装置200の制御構成を説明する。図21に示すように、服薬支援装置200は、服薬支援装置200の各部等の動作制御を行う、制御手段としての制御部150として機能するCPU(中央処理装置)を備えている。CPUには、記憶部及びタイマー部等が内蔵されている。CPUは、後述する各種の入力をもとにプログラムに沿ったタイミングでスタッフ等への報知や装置の動作のための指示を出す。
CPUは、演算及び制御機能を備えている他、タイマー(計時)機能を備えていてもよい。記憶部152は、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(随時読み書き可能なメモリ)や外部メモリ等が含まれる。ROMには、上記CPUが読み出し可能なプログラム(例えば後述する制御フローチャートなどのプログラム)や各種データ等が予め記憶されている。上記データとしては、例えば服薬者毎に割り振られた配薬トレー30の区画33とパック2との関係データ、服薬タイミング毎に割り振られた配薬トレー30の区画33とパック2との関係データ、服薬の順番毎に割り振られた配薬トレー30の区画33とパック2との関係データ等が挙げられる。
CPUの入出力ポートには、ユーザインターフェースとしてタッチパネル151が電気的に接続されている。タッチパネル151は、これに限らず、例えば入力部と表示部が別体でキーボードとLED表示部といった組合せでも構わない。
CPUの入力ポートには、装置内に収納されている配薬トレー30の種類や、配薬トレー30の有無を検出する配薬トレー検出センサ153、格納部10の有無を検出する格納部検出センサ157が電気的に接続されている。
CPUの入力ポートにはまた、取出し部50におけるX方向移送部91のホームポジション(以下、「HP」と略記する)を検出する移送部HPセンサ99、取出し部50におけるY方向移送部101のHPを検出する移送部HPセンサ109、取出し部50におけるZ方向移送部111のHPを検出する移送部HPセンサ119が電気的に接続されている。
CPUの入力ポートにはまた、取出し部50における吸着部51(特には吸着パッド52)のHPを検出する吸着部HPセンサ158が電気的に接続されている。
CPUの出力ポートには、引出し部21のLED25a~25h、吸引ポンプ48、吸着部上下移動モータ63、X方向移送部91のX方向移送モータ95、Y方向移送部101のY方向移送モータ105、Z方向移送部の111のZ方向移送モータ115が電気的に接続されている。
CPUの出力ポートに報知部を電気的に接続してもよい。この報知部は、LED等の光、音声を含む音や振動によって、上記装置・各部がどのような状態にあるのかを報知したりするものである。スタッフ等が装置から離れていても服薬タイミングなどを知らせるためのスピーカやライト等を備えている。
タッチパネル151からの入力情報、各種センサからの各種信号がCPUに入力されると、CPUからは、次の指令信号が出力される。即ち、CPUからは、タッチパネル151の表示装置(上記報知部を含む)の音声装置や光装置、LED25a~25h、吸引ポンプ48、吸着部上下移動モータ63、X方向移送モータ95、Y方向移送モータ105、Z方向移送モータ115を制御するための指示である指令信号が出力される。
CPUは、後述する説明や制御フローチャートに示されている制御動作を実行させる機能を有する。
図22を参照して服薬支援装置の主な全体動作フローを説明する。この動作は制御部150のCPUの制御指令の下に実行される。
図22(a1)~図22(a6)に示すように、図13(a)~図13(f)を参照して説明した通りの詳細動作が行われる。図22(a6)に示す動作状態は、格納部10から取り出したパック2を吸着し保持している吸着パッド52の姿勢を略90度回転させた状態を示している。図22(b)に示すように、図22(a6)と同様の姿勢状態で取出し部50の吸着パッド52に保持される。
そして、図22(b)に示すように、パック2を保持した状態の吸着パッド52を備える取出し部50が移送部90によって、配薬トレー30が設置されている配薬部29まで太い破線で示すルート上を移送される。取出し部50が配薬部29の配薬トレー30の略真上に運ばれると、吸引ポンプ48の駆動が停止される。これにより、吸着パッド52によるパック2の吸着保持が解除され、パック2が配薬トレー30の所定の位置である所定の区画33に差し込まれる。
上記動作を複数回行い、必要なパック2を配薬トレー30の所定の区画33に差し込んだ後に、図22(c)に示すように、配薬トレー30が例えば第2出入り口部42から装置外に排出され、介護施設などのスタッフ等や服薬支援者が受け取る。
図23を参照して図22の全体動作フローにおける取出し部の動作フローを補足する。図23は取出し部の動作フローを示すフローチャートである。
図23のステップS10において、配薬すべきパック2を格納している対象の格納部10のNoを確認すると共に、パック2が受け渡される対象の配薬トレー30の位置を確認しておく。
次いで、対象の格納部10まで取出し部50を移送部90の移送動作によって移動する(ステップS11)。次いで、吸引ポンプ48を駆動しながら、吸着部上下移動モータ63を駆動することによって吸着部51を上方向に移動する(ステップS12~ステップS13)。吸着パッド52によって格納部10内の最下部のパック2が吸着保持される一定時間後に、吸着部上下移動モータ63を逆転駆動することによって吸着部51を下方向に移動する(ステップS14)。この後、取出し部50をX方向に移動させて、格納部10からパック2を完全に取り出し、吸着部上下移動モータ63をさらに逆転駆動させて吸着部51を下方向に移動させ、パック2を吸着保持している吸着パッド52の姿勢を略90度の略垂直状態にする(ステップS15~ステップS16)。
次いで、移送部90の移送動作によって対象の配薬トレー30の位置まで取出し部50を移動する。取出し部50が対象の配薬トレー30の位置まで移動したとき、吸引ポンプ48を停止し、吸着パッド52からパック2を離間する(ステップS17~ステップS18)。そして、配薬するパック2が他にないか否かがチェックされ、配薬するパック2が他にないときには一連の動作フローを終了する(ステップS19)。
一方、ステップS19において、配薬するパック2が他にあるときにはステップS10に戻って、上記同様の動作が繰り返される。
上記実施形態、上記実施例等には、実質的に以下の態様及び効果が記載されていたと言える。
即ち、第1の態様は、薬剤3などの薬剤が一包化されたパック2などの薬剤一包化パックを格納する格納部10などの格納手段と、特定の前記薬剤一包化パックを前記格納手段から取り出す取出し部50などの取出し手段と、前記取出し手段により取り出した前記薬剤一包化パックを移送する移送部90などの移送手段と、前記移送手段により移送された前記薬剤一包化パックを配置する配薬トレー30などの配薬手段と、を備え、前記取出し手段により前記格納手段から取り出される前記薬剤一包化パックの被取出し部20などの被取出し部が、前記格納手段内の下部に有する服薬支援装置200などの服薬支援装置である。
かかる構成により、第1の態様によれば、簡易な構成で、服薬者或いは服薬を支援する服薬支援者に対して服薬の手間を軽減する服薬支援装置を提供することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記被取出し部が、前記薬剤一包化パックを複数個所で支持する、支持部左12、12A、支持部右13、13A、支持部18又は支持部19などの支持部を有することを特徴とする。
かかる構成により、第2の態様によれば、薬剤一包化パックを格納手段内に支持し保持することが可能となると共に、格納手段内からの薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさとを両立することが可能となる。
第3の態様は、第2の態様において、前記被取出し部が、支持部左12、12A又は支持部右13、13Aなどの前記支持部を複数有することを特徴とする。
第4の態様は、第3の態様において、支持部左12や支持部右13などの前記支持部の少なくとも一方が、可動することを特徴とする。
かかる構成により、第4の態様によれば、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となる。
第5の態様は、第3の態様又は第4の態様において、支持部左12Aや支持部右13Aなどの前記支持部の少なくとも一方が、弾性部材であることを特徴とする。
かかる構成により、第5の態様によれば、薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となると共に、機構の簡略化が可能となる。
第6の態様は、第3の態様~第5の態様の何れか1つにおいて、前記支持部の少なくとも一方が、平面視で見て前記薬剤一包化パックと重なる凸形状部12bなどの凸形状をなすことを特徴とする。
かかる構成により、第6の態様によれば、取出し手段の吸着部51(吸着パッド52)などの逃げを確保することが容易になり、凸形状により支持されている薬剤一包化パックの両側の部分の外形寸法が近くなることで、薬剤一包化パックの取り出し吸着時に薬剤一包化パックが変形しにくくなる。
第7の態様は、第6の態様において、前記取出し手段が、前記支持部の前記凸形状の両端を通過することを特徴とする。
かかる構成により、第7の態様によれば、支持部の凸形状の両端側において実質的に2つの取出し手段で取り出すことになるので、薬剤一包化パックの取り出しをさらにスムーズに行うことが可能となる。
第8の態様は、第3の態様~第6の態様の何れか1つにおいて、前記取出し手段が通過する側の前記支持部が、可動することを特徴とする。
かかる構成により、第8の態様によれば、取出し手段が通過する側の支持部が開閉することでさらにスムーズな薬剤一包化パックの取り出しが可能となる。
背景技術を補足説明する。本発明に類似するものとして、特開2017-153646号公報に開示されている装置が挙げられる。この装置は、薬剤包装収納部の下部に開口部があり、そこから薬剤包装(薬剤一包化パック)を取り出す構造であるが、薬剤包装が水平方向に格納されているため排出機構が必要である。このため、構造が複雑化し、コストアップとなるという問題がある。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例、或いは変形例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 薬剤一包化パック
3 薬剤
5 ミシン目
10 格納部
12、12A、12’ 支持部左(支持部の一例)
12a 回転軸
12b 凸形状部(凸形状の一例)
13、13A 支持部右(支持部の一例)
13a 回転軸
13b 凸形状部(凸形状の一例)
17 パック取出し開口部
18 単一の支持部(支持部の一例)
19 単一の支持部(支持部の一例)
20 被取出し部
21 引出し部
29 配薬部
30 配薬トレー(配薬手段、配薬台の一例)
31 仕切り壁(仕切り一例)
33 区画(所定の位置の一例)
50 取出し部(取出し手段の一例)
51 吸着部
52 吸着パッド(吸着手段、吸着部材)
90 移送部(移送手段の一例)
150 制御部
200 服薬支援装置
特開2017-192455号公報

Claims (4)

  1. 薬剤が一包化された薬剤一包化パックを段積みで格納する格納手段と、
    特定の前記薬剤一包化パックを前記格納手段から取り出す取出し手段と、
    前記取出し手段により取り出した前記薬剤一包化パックを移送する移送手段と、
    前記移送手段により移送された前記薬剤一包化パックを配置する配薬手段と、
    を備え、
    前記取出し手段により前記格納手段から取り出される前記薬剤一包化パックの被取出し部が、前記格納手段内の下部に有する服薬支援装置であって、
    前記被取出し部が、前記薬剤一包化パックを複数個所で支持する支持部を有し、
    前記被取出し部が、前記支持部を複数有し、
    複数の前記支持部の少なくとも一方が、弾性部材であることにより、前記薬剤一包化パックを前記格納手段内に保持することが可能であると共に、前記薬剤一包化パックの取り出しやすさと落ちにくさを両立することが可能となり、また弾性変形することにより、前記薬剤一包化パックの取り出しをスムーズに行うことが可能となる構成であり、
    前記取出し手段は、前記薬剤一包化パックをエア吸引により吸着する吸着部材と、前記吸着部材を前記取出し手段の上下方向に移動する吸着部上下移動部とを有し、
    前記被取出し部は、前記支持部の他に、前記格納手段内の前記薬剤一包化パックを取り出すためのパック取出し開口部を有し、
    前記取出し手段により前記格納手段から前記薬剤一包化パックを取り出すときには、前記移送手段によって前記取出し手段を前記格納手段の下側に移動した状態にしておき、前記吸着部上下移動部によって、前記取出し手段から前記吸着部材を上方向に移動し、前記吸着部材を前記パック取出し開口部から前記格納手段の前記下部に進入させ、前記支持部によって支持されている前記薬剤一包化パックを前記吸着部材で吸着し、その後、前記吸着部上下移動部によって前記薬剤一包化パックを吸着した前記吸着部材を前記パック取出し開口部から下方向に移動させて、前記吸着部材が前記取出し手段に戻ることを特徴とする服薬支援装置。
  2. 複数の前記支持部の少なくとも一方が、可動することにより、前記取出し手段で前記格納手段から前記薬剤一包化パックを取り出しするときには、前記薬剤一包化パックの通過を許容するように構成され、前記格納手段から前記薬剤一包化パックを取り出ししないときには、前記格納手段内に前記薬剤一包化パックを格納保持しておくように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の服薬支援装置。
  3. 複数の前記支持部の少なくとも一方が、平面視で見て前記薬剤一包化パックと重なる凸形状をなし、
    前記取出し手段は、互いに隣合って設けられた2つの前記吸着部材を有し、
    前記取出し手段により前記格納手段から前記薬剤一包化パックを取り出すときに、2つの前記吸着部材は前記支持部の前記凸形状の各端を通過し、2つの前記吸着部材が前記支持部の前記凸形状の各端に跨る状態で前記薬剤一包化パックを吸着することを特徴とする請求項記載の服薬支援装置。
  4. 前記2つの前記吸着部材が通過する側の前記支持部が、可動することを特徴とする請求項に記載の服薬支援装置。
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