以下、本発明の実施形態に係るレンズホルダ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズホルダ駆動装置101の斜視図である。図2は、レンズホルダ駆動装置101が搭載されたカメラ付き携帯機器におけるカメラモジュールCMの概略図である。
図1に示すように、レンズホルダ駆動装置101は、レンズ体LSをレンズ体LSの光軸JDに沿って移動させることができるように構成されている。
なお、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。本実施形態では、光軸JDはX軸に平行に延びる。他の図においても同様である。
レンズ体LSは、光学部材の一例であり、1又は複数のレンズで構成されている。典型的には、レンズ体LSは、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸JDに沿うように構成されている。本実施形態では、レンズ体LSは、第1レンズ体LS1及び第2レンズ体LS2を含む。
レンズホルダ駆動装置101は、筐体HS内に収容された駆動機構DM(図3参照。)により、レンズ体LSを光軸方向に沿って移動させることができるように構成されている。光軸方向は、レンズ体LSの光軸JDの方向、及び、光軸JDに平行な方向を含む。具体的には、レンズホルダ駆動装置101は、両矢印AR1で示すように、第1レンズ体LS1を光軸方向に沿って移動させることができ、両矢印AR2で示すように、第2レンズ体LS2を光軸方向に沿って移動させることができる。すなわち、レンズホルダ駆動装置101は、第1レンズ体LS1及び第2レンズ体LS2のそれぞれを光軸方向に沿って別々に移動させることができる。
筐体HSは、固定側部材FMの一部であり、カバー部材1及びベースプレート2で構成されている。
レンズホルダ駆動装置101は、例えば、図2に示すように、ペリスコープ式カメラモジュール等のカメラモジュールCMで使用される。図2に示す例では、カメラモジュールCMは、主に、ミラーMR、レンズ体LS、レンズホルダ駆動装置101、及び撮像素子IS等を含む。反射体としてのミラーMRは、プリズムであってもよい。本実施形態では、ミラーMRは、平坦な反射面をもたらすように構成されている。
レンズホルダ駆動装置101は、典型的には図2に示すように、ミラーMRよりも被写体から遠い位置に配置され、ミラーMRで反射した被写体からの光LTを、レンズ体LSを通じて撮像素子ISに到達させるように構成されている。
次に、図3~図5を参照し、レンズホルダ駆動装置101の概略を説明する。図3は、レンズホルダ駆動装置101の分解斜視図であり、カバー部材1が下側部材LMから分離された状態を示す。図4及び図5は、下側部材LMの分解斜視図であり、可動側部材MBが固定側部材FMから分離された状態を示す。具体的には、図4は、Y1側から見た下側部材LMの分解斜視図であり、図5は、Y2側から見た下側部材LMの分解斜視図である。
レンズホルダ駆動装置101は、図3に示すように、固定側部材FMの一部であるカバー部材1と下側部材LMとを含む。
カバー部材1は、下側部材LMを覆うように構成されている。本実施形態では、カバー部材1は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。非磁性材料で形成されているため、カバー部材1は、電磁気力を利用する駆動機構に磁気的な悪影響を及ぼすことはない。
カバー部材1は、図3に示すように、収納部1sを定める底の無い箱状の外形を有する。そして、カバー部材1は、略矩形筒状の外壁部1Aと、外壁部1Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた略矩形環状且つ平板状の上面部1Bとを有する。上面部1Bの中央には、開口が形成されている。外壁部1Aは、第1側板部1A1~第4側板部1A4を含む。第1側板部1A1と第3側板部1A3とは互いに対向し、第2側板部1A2と第4側板部1A4とは互いに対向している。また、第2側板部1A2及び第4側板部1A4は、第1側板部1A1及び第3側板部1A3に対して垂直に延びる。すなわち、第1側板部1A1及び第3側板部1A3は、第2側板部1A2及び第4側板部1A4に対して垂直に延びる。第1側板部1A1は、ミラーMRで反射した被写体からの光LTを受け入れるための開口を有する。同様に、第3側板部1A3は、光LTを撮像素子ISに到達させるための開口を有する。また、カバー部材1は、接着剤等によってベースプレート2に接合されてベースプレート2と共に筐体HSを構成する。
下側部材LMは、図4及び図5に示すように、可動側部材MBとしてのレンズホルダ3及び駆動用磁石6と、固定側部材FMとしてのベースプレート2、コイルアセンブリ4、コイルホルダ5、及び板状部材7とを含む。
ベースプレート2は、筐体HSの一部(底部)を構成する部材である。本実施形態では、ベースプレート2は、カバー部材1と同様に、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料で形成されている。
レンズホルダ3は、レンズ体LSを保持できるように構成されている。本実施形態では、レンズホルダ3は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。また、レンズホルダ3は、第1レンズ体LS1を保持できるように構成された第1レンズホルダ3A、及び、第2レンズ体LS2を保持できるように構成された第2レンズホルダ3Bを含む。
駆動用磁石6は、駆動機構DMを構成する部材である。本実施形態では、駆動用磁石6は、第1レンズホルダ3Aに取り付けられた第1駆動用磁石6A(図4参照。)、及び、第2レンズホルダ3Bに取り付けられた第2駆動用磁石6B(図5参照。)を含む。
本実施形態では、第1駆動用磁石6A及び第2駆動用磁石6Bのそれぞれは、2極に着磁された永久磁石であり、内側(光軸JDに近い側)がN極に着磁され、外側がS極に着磁されている。また、第1駆動用磁石6Aは、図4に示すように、外側(S極)が露出するように第1レンズホルダ3Aに取り付けられている。同様に、第2駆動用磁石6Bは、図5に示すように、外側(S極)が露出するように第2レンズホルダ3Bに取り付けられている。但し、第1駆動用磁石6A及び第2駆動用磁石6Bのそれぞれは、内側(光軸JDに近い側)がS極に着磁され、外側がN極に着磁されていてもよい。
また、第1駆動用磁石6Aは、光軸JDに垂直な方向において第1コイルアセンブリ4Aに取り付けられるコイルと対向するように且つそのコイルから離間するように配置されている。同様に、第2駆動用磁石6Bは、光軸JDに垂直な方向において第2コイルアセンブリ4Bに取り付けられるコイルと対向するように且つそのコイルから離間するように配置されている。
コイルホルダ5は、可動側部材MBを移動可能に支持し、且つ、コイルアセンブリ4を移動不能に支持できるように構成されている。本実施形態では、コイルホルダ5は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。そして、コイルホルダ5は、ベースプレート2とともにベース部材BMを構成している。ベースプレート2とコイルホルダ5とは一体化されていてもよい。この場合、ベースプレート2は、コイルホルダ5と同じ合成樹脂で形成されていてもよい。
コイルアセンブリ4は、駆動機構DMを構成するコイルを保持するように構成されている。本実施形態では、コイルアセンブリ4は、第1駆動用磁石6Aに対向するように配置される第1コイルアセンブリ4A、及び、第2駆動用磁石6Bに対向するように配置される第2コイルアセンブリ4Bを含む。コイルアセンブリ4の基板41(図7参照。)は、フレキシブルプリント基板で形成されており、図4及び図5に示すように、板状部材7を介してコイルホルダ5に取り付けられる。なお、添付図面では、明瞭化のため、コイルに関しては、絶縁材料で表面を被覆された導電性の線材の詳細な巻回状態の図示が省略されている。
板状部材7は、コイルアセンブリ4を支持するように構成されている。本実施形態では、板状部材7は、磁性材料で形成され、ヨークとして機能する。そして、板状部材7は、第1コイルアセンブリ4Aを支持する第1板状部材7Aと、第2コイルアセンブリ4Bを支持する第2板状部材7Bとを含む。
次に、図6及び図7を参照し、下側部材LMを構成する固定側部材FMの詳細について説明する。図6は、下側部材LMを構成する固定側部材FMの分解斜視図である。図7は、コイルアセンブリ4の分解斜視図である。
コイルアセンブリ4は、図7に示すように、基板41、コイルセット42、磁気センサセット43、及びレンズ保持アセンブリLHを含む。
基板41は、コイルセット42及び磁気センサセット43等に電力を供給するための導電パターンが形成された部材である。本実施形態では、基板41は、フレキシブルプリント基板で形成されている。また、基板41は、レンズ保持アセンブリLHに含まれる電磁機構EM(図17参照。)に電力を供給するための導電パターンが形成された接続部CPを含む。具体的には、接続部CPは、その上面(Z1側の面)とレンズ保持アセンブリLHの下面(Z2側の面)とが接するように構成されている。本実施形態では、基板41は、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41A、及び、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bを含む。
コイルセット42は、駆動機構DMを構成する部材であり、基板41に取り付けられている。本実施形態では、コイルセット42は、巻線タイプのコイルであり、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41Aに取り付けられる第1コイルセット42Aと、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bに取り付けられる第2コイルセット42Bとを含む。
第1コイルセット42Aは、第1コイル42A1及び第2コイル42A2を含む。第1コイル42A1及び第2コイル42A2は、電流が流れる方向を別々に制御できるように構成されている。同様に、第2コイルセット42Bは、第1コイル42B1及び第2コイル42B2を含む。第1コイル42B1及び第2コイル42B2は、電流が流れる方向を別々に制御できるように構成されている。
磁気センサセット43は、磁気検出部材の一例である。本実施形態では、磁気センサセット43は、ホール素子のセットであり、レンズホルダ3に取り付けられた駆動用磁石6が発生させる磁気を検出できるように構成されている。
具体的には、磁気センサセット43は、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41Aに取り付けられる第1磁気センサセット43Aと、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bに取り付けられる第2磁気センサセット43Bとを含む。
第1磁気センサセット43Aは、第1ホール素子43A1、第2ホール素子43A2、及び第3ホール素子43A3を含む。そして、第1ホール素子43A1は、第1コイル42A1の内側に配置され、第2ホール素子43A2は、第1コイル42A1と第2コイル42A2との間に配置され、第3ホール素子43A3は、第2コイル42A2の内側に配置されている。同様に、第2磁気センサセット43Bは、第1ホール素子43B1、第2ホール素子43B2、及び第3ホール素子43B3を含む。第1ホール素子43B1は、第1コイル42B1の内側に配置され、第2ホール素子43B2は、第1コイル42B1と第2コイル42B2との間に配置され、第3ホール素子43B3は、第2コイル42B2の内側に配置されている。
レンズ保持アセンブリLHは、レンズホルダ3を光軸方向における可動範囲の端部側の位置の一例としての移動限界位置に保持するための部材である。移動限界位置は、レンズホルダ3の可動範囲の端にレンズホルダ3が移動したときのレンズホルダ3の位置を意味する。但し、レンズ保持アセンブリLHは、光軸方向の移動限界位置の近傍でレンズホルダ3を保持してもよい。本実施形態では、レンズ保持アセンブリLHは、図14に示すように、第1レンズホルダ3Aを前側(X1側)の移動限界位置に保持するための第1レンズ保持アセンブリLH1、及び、第2レンズホルダ3Bを後側(X2側)の移動限界位置に保持するための第2レンズ保持アセンブリLH2を含む。そして、図7に示すように、第1レンズ保持アセンブリLH1は、第2コイルアセンブリ4Bにおける第2基板41Bの接続部CPに取り付けられ、第2レンズ保持アセンブリLH2は、第1コイルアセンブリ4Aにおける第1基板41Aの接続部CPに取り付けられている。
なお、第1レンズホルダ3AがX1側の移動限界位置に保持されているとき、第1レンズホルダ3Aは、コイルホルダ5等の固定側部材FMに設けられたストッパ部(図示せず。)に当接している。第2レンズホルダ3BがX2側の移動限界位置に保持されているときも同様である。
次に、図8~図11を参照し、可動側部材MBの詳細について説明する。図8は、可動側部材MBの分解斜視図である。図9は、レンズホルダ3の分解斜視図である。図10は、レンズホルダ3の上面図及び下面図である。具体的には、図10(A)は、レンズホルダ3の上面図を示し、図10(B)は、レンズホルダ3の下面図を示す。図11は、レンズホルダ駆動装置101の断面図である。具体的には、図11(A)は、図1における破線CL1を含むYZ平面におけるレンズホルダ駆動装置101の断面図である。図11(B)は、図11(A)において破線で囲まれた範囲R1の拡大図である。
可動側部材MBは、図8に示すように、レンズ体LSを保持するレンズホルダ3と係合部材10とを含む。具体的には、レンズホルダ3は、第1レンズ体LS1を保持する第1レンズホルダ3A、及び、第2レンズ体LS2を保持する第2レンズホルダ3Bを含む。係合部材10は、第1レンズホルダ3Aに取り付けられる第1係合部材10A、及び、第2レンズホルダ3Bに取り付けられる第2係合部材10Bを含む。
係合部材10は、レンズホルダ3が光軸方向の移動限界位置にあるときに、レンズ保持アセンブリLHと係合できるように構成されている。本実施形態では、係合部材10は、金属板で形成されている。そして、図14に示すように、第1係合部材10Aは、第1レンズホルダ3AがX1側の移動限界位置にあるときに、第1レンズ保持アセンブリLH1と係合できるように構成されている。同様に、第2係合部材10Bは、第2レンズホルダ3BがX2側の移動限界位置にあるときに、第2レンズ保持アセンブリLH2と係合できるように構成されている。
レンズホルダ3は、図11(A)に示すように、カバー部材1とコイルホルダ5との間で挟持されるように構成されている。具体的には、レンズホルダ3は、下側ボールセット8を介してコイルホルダ5の上面と接触し、且つ、上側ボールセット9を介してカバー部材1の天井面(上面部1B)と接触するように構成されている。
下側ボールセット8は、図8に示すように、第1レンズホルダ3Aを支持する第1下側ボールセット8Aと、第2レンズホルダ3Bを支持する第2下側ボールセット8Bとを含む。そして、第1下側ボールセット8Aは、4つのボール(第1ボール8A1~第4ボール8A4)を含む。同様に、第2下側ボールセット8Bは、4つのボール(第1ボール8B1~第4ボール8B4)を含む。
本実施形態では、下側ボールセット8を構成する8つのボールは、金属で形成されている。但し、下側ボールセット8を構成する8つのボールは、合成樹脂で形成されていてもよい。
上側ボールセット9は、図8に示すように、第1レンズホルダ3Aを支持する第1上側ボールセット9Aと、第2レンズホルダ3Bを支持する第2上側ボールセット9Bとを含む。そして、第1上側ボールセット9Aは、4つのボール(第1ボール9A1~第4ボール9A4)を含む。同様に、第2上側ボールセット9Bは、4つのボール(第1ボール9B1~第4ボール9B4)を含む。
本実施形態では、上側ボールセット9を構成する8つのボールは、金属で形成されている。但し、上側ボールセット9を構成する8つのボールは、合成樹脂で形成されていてもよい。
レンズホルダ3は、図9に示すように、レンズキャリア30、バネセット31、及びプッシュバーセット32を含む。本実施形態では、レンズキャリア30及びプッシュバーセット32は合成樹脂で形成され、バネセット31は金属で形成されている。
レンズキャリア30は、レンズ体LSを保持するための部材である。本実施形態では、レンズキャリア30は、第1レンズ体LS1を保持するための第1レンズキャリア30A、及び、第2レンズ体LS2を保持するための第2レンズキャリア30Bを含む。第1レンズ体LS1は、接着剤によって第1レンズキャリア30Aに固定され、第2レンズ体LS2は、接着剤によって第2レンズキャリア30Bに固定される。
第1レンズキャリア30Aは、第1コイルアセンブリ4A(図4参照。)に対向する側の側面(Y1側の側面)に凹部RS6を有する。凹部RS6には、第1駆動用磁石6Aが嵌め込まれて接着剤で固定されている。
同様に、第2レンズキャリア30Bは、第2コイルアセンブリ4B(図4参照。)に対向する側の側面(Y2側の側面)に凹部RS7(図9では不可視)を有する。凹部RS7には、第2駆動用磁石6Bが嵌め込まれて接着剤で固定されている。
また、第1レンズキャリア30Aは、図8に示すように、第2コイルアセンブリ4Bに対向する側の側部の上面(Y2側の上面)に凸部PR及び隆起部BLを有する。同様に、第2レンズキャリア30Bは、図8に示すように、第1コイルアセンブリ4Aに対向する側の側部の上面(Y1側の上面)に凸部PR及び隆起部BLを有する。凸部PR及び隆起部BLは、係合部材10をレンズキャリア30に取り付けるための構造である。
凸部PRは、係合部材10に形成された開口APを貫通するように構成されている。本実施形態では、第1レンズキャリア30Aには、2つの円柱状の凸部PRが形成されている。そして、2つの凸部PRのそれぞれの回りには、接着剤を受け入れる凹部が形成されている。第2レンズキャリア30Bについても同様である。
隆起部BLは、係合部材10に形成された切り欠きCUとかみ合うように構成されている。本実施形態では、第1レンズキャリア30Aには、1つの角柱状の隆起部BLが形成されている。第2レンズキャリア30Bについても同様である。
第1係合部材10Aは、2つの開口APのそれぞれに凸部PRを受け入れた状態で、且つ、切り欠きCUと第1レンズキャリア30Aの隆起部BLとをかみ合わせた状態で、接着剤によって第1レンズキャリア30Aに固定される。同様に、第2係合部材10Bは、2つの開口APのそれぞれに凸部PRを受け入れた状態で、且つ、切り欠きCUと第2レンズキャリア30Bの隆起部BLとをかみ合わせた状態で、接着剤によって第2レンズキャリア30Bに固定される。
バネセット31は、図9に示すように、プッシュバーセット32を上方(Z1方向)に付勢するように構成されている。
プッシュバーセット32は、図8に示すように、上側ボールセット9を保持し、且つ、上側ボールセット9をカバー部材1の天井面に押し付けるように構成されている。
具体的には、バネセット31は、第1レンズキャリア30Aに取り付けられる第1プッシュバーセット32Aを上方に付勢する第1バネセット31Aと、第2レンズキャリア30Bに取り付けられる第2プッシュバーセット32Bを上方に付勢する第2バネセット31Bとを含む。
第1バネセット31Aは、4つのコイルバネ(第1コイルバネ31A1~第4コイルバネ31A4)を含む。同様に、第2バネセット31Bは、4つのコイルバネ(第1コイルバネ31B1~第4コイルバネ31B4)を含む。
第1プッシュバーセット32Aは、2つのプッシュバー(第1プッシュバー32A1及び第2プッシュバー32A2)を含む。同様に、第2プッシュバーセット32Bは、2つのプッシュバー(第1プッシュバー32B1及び第2プッシュバー32B2)を含む。
本実施形態では、コイルバネは、レンズキャリア30に形成された穴HL(図9及び図10(A)参照。)に嵌め込まれ、且つ、プッシュバーセット32の下側(Z2側)に形成された円柱状の突出部AX(図9参照。)を受け入れるように構成されている。
第1レンズキャリア30Aに形成される穴HLは、第1穴HL1~第4穴HL4を含む。第1穴HL1は、第1コイルバネ31A1を受け入れ、第2穴HL2は、第2コイルバネ31A2を受け入れ、第3穴HL3は、第3コイルバネ31A3を受け入れ、第4穴HL4は、第4コイルバネ31A4を受け入れる。
同様に、第2レンズキャリア30Bに形成される穴HLは、第1穴HL1~第4穴HL4を含む。第1穴HL1は、第1コイルバネ31B1を受け入れ、第2穴HL2は、第2コイルバネ31B2を受け入れ、第3穴HL3は、第3コイルバネ31B3を受け入れ、第4穴HL4は、第4コイルバネ31B4を受け入れる。
図8に示すように、第1レンズキャリア30Aに取り付けられる第1プッシュバー32A1は、第1ボール9A1を回転可能に受け入れる第1凹部RS1と、第2ボール9A2を回転可能に受け入れる第2凹部RS2とを有し、第2プッシュバー32A2は、第3ボール9A3を回転可能に受け入れる第3凹部RS3と、第4ボール9A4を回転可能に受け入れる第4凹部RS4とを有する。
同様に、第2レンズキャリア30Bに取り付けられる第1プッシュバー32B1は、第1ボール9B1を回転可能に受け入れる第1凹部RS1と、第2ボール9B2を回転可能に受け入れる第2凹部RS2とを有し、第2プッシュバー32B2は、第3ボール9B3を回転可能に受け入れる第3凹部RS3と、第4ボール9B4を回転可能に受け入れる第4凹部RS4とを有する。
図9に示すように、第1レンズキャリア30Aに取り付けられる第1プッシュバー32A1に形成された突出部AXは、第1突出部AX1及び第2突出部AX2を有する。第1突出部AX1は、第1コイルバネ31A1の内側に嵌め込まれ、第2突出部AX2は、第2コイルバネ31A2の内側に嵌め込まれる。また、第1レンズキャリア30Aに取り付けられる第2プッシュバー32A2に形成された突出部AXは、第3突出部AX3及び第4突出部AX4を有する。第3突出部AX3は、第3コイルバネ31A3の内側に嵌め込まれ、第4突出部AX4は、第4コイルバネ31A4の内側に嵌め込まれる。
同様に、第2レンズキャリア30Bに取り付けられる第1プッシュバー32B1に形成された突出部AXは、第1突出部AX1及び第2突出部AX2を有する。第1突出部AX1は、第1コイルバネ31B1の内側に嵌め込まれ、第2突出部AX2は、第2コイルバネ31B2の内側に嵌め込まれる。また、第2レンズキャリア30Bに取り付けられる第2プッシュバー32B2に形成された突出部AXは、第3突出部AX3及び第4突出部AX4を有する。第3突出部AX3は、第3コイルバネ31B3の内側に嵌め込まれ、第4突出部AX4は、第4コイルバネ31B4の内側に嵌め込まれる。
図10(B)に示すように、第1レンズキャリア30Aの下面(Z2側の面)には、第1下側ボールセット8Aを構成する第1ボール8A1~第4ボール8A4のそれぞれを受け入れる第1凹部RS1~第4凹部RS4が形成されている。同様に、第2レンズキャリア30Bの下面(Z2側の面)には、第2下側ボールセット8Bを構成する第1ボール8B1~第4ボール8B4のそれぞれを受け入れる第1凹部RS1~第4凹部RS4が形成されている。
レンズホルダ3は、コイルホルダ5の上面に形成された溝5G(図4及び図5参照。)内に配置された下側ボールセット8を介し、光軸方向に摺動可能にコイルホルダ5によって支持されている。
溝5Gは、第2コイルアセンブリ4Bに近い側(Y2側)に配置される第1溝5G1(図4参照。)と、第1コイルアセンブリ4Aに近い側(Y1側)に配置される第2溝5G2を含む。
第1溝5G1は、第1下側ボールセット8Aを構成する第1ボール8A1及び第2ボール8A2と、第2下側ボールセット8Bを構成する第1ボール8B1及び第2ボール8B2とを受け入れるように構成されている。
第2溝5G2は、第1下側ボールセット8Aを構成する第3ボール8A3及び第4ボール8A4と、第2下側ボールセット8Bを構成する第3ボール8B3及び第4ボール8B4とを受け入れるように構成されている。
上述のような構成により、レンズホルダ3は、カバー部材1とコイルホルダ5との間で挟持され、且つ、光軸方向に沿って移動できるように構成されている。具体的には、図11に示すように、第1レンズホルダ3Aは、コイルホルダ5の第1溝5G1に受け入れられた第1下側ボールセット8Aを構成する第1ボール8A1(図11では不可視)及び第2ボール8A2と、コイルホルダ5の第2溝5G2に受け入れられた第1下側ボールセット8Aを構成する第3ボール8A3(図11では不可視)及び第4ボール8A4とによって光軸方向に摺動可能に支持されている。
また、第1レンズホルダ3Aは、第1バネセット31Aを構成する第1コイルバネ31A1(図11では不可視)及び第2コイルバネ31A2によって第1プッシュバー32A1を上方に付勢し、且つ、第1バネセット31Aを構成する第3コイルバネ31A3(図11では不可視)及び第4コイルバネ31A4によって第2プッシュバー32A2を上方に付勢するように構成されている。そして、第1レンズホルダ3Aは、第1プッシュバー32A1によって支持された第1上側ボールセット9Aを構成する第1ボール9A1(図11では不可視)及び第2ボール9A2をカバー部材1の天井面に押し付け、且つ、第2プッシュバー32A2によって支持された第1上側ボールセット9Aを構成する第3ボール9A3(図11では不可視)及び第4ボール9A4をカバー部材1の天井面に押し付けるように構成されている。本実施形態では、カバー部材1の天井面には、上側ボールセット9の動きをガイドする、溝5Gのような構造は形成されていない。但し、カバー部材1の天井面にも溝5Gのような構造が形成されていてもよい。
この構成により、第1レンズホルダ3Aは、カバー部材1とコイルホルダ5との間で、ガタツキが生じないように、且つ、光軸方向に滑らかに移動できるように挟持される。
第1溝5G1は、図11(B)に示すように、外側(光軸JDから遠い側)の斜面SL2の水平面に対する傾斜が、中心側(光軸JDに近い側)の斜面SL1の水平面に対する傾斜よりも大きくなるように構成されている。そして、第1溝G1の形状と第2溝G2の形状とは、光軸JDを含むXZ平面について面対称となっている。
この構成は、第1レンズホルダ3Aのセンタリングを実現できる。すなわち、この構成により、コイルホルダ5の上面に形成された溝5G内に配置された下側ボールセット8を構成するボールは、光軸方向(X軸に平行な方向)ばかりでなく、光軸に垂直な方向(Y軸に平行な方向)にも僅かに移動可能である。そのため、第1レンズホルダ3Aがカバー部材1とコイルホルダ5との間で挟持されたときには、第2ボール8A2と第4ボール8A4との間の中点を含むXZ平面は、第1溝5G1と第2溝5G2との間の中点を含むXZ平面と一致するように自動的に調整され、第1レンズホルダ3Aのセンタリングは、適切に実現される。第2レンズホルダ3Bについても同様である。
次に、図12及び図13を参照し、駆動機構DMについて説明する。図12及び図13は、駆動機構DMを構成する部材の上面図である。駆動機構DMは、駆動用磁石6及びコイルセット42によって構成されている。図12及び図13では、明瞭化のため、レンズ体LS、保持用磁石12、コイルアセンブリ4の基板41、及び磁気センサセット43を除き、駆動機構DMを構成する部材以外の部材の図示が省略されている。また、コイルセット42は、磁気センサセット43の位置が分かるように透明化されている。また、駆動用磁石6及び保持用磁石12のそれぞれのN極には斜線ハッチングが付されている。
具体的には、図12(A)は、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)及び第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が何れも移動限界位置から離れ、且つ、両者が互いに離間した状態にあるときの様子を示している。また、図12(B)は、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)及び第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が何れも移動限界位置にあるときの様子を示している。また、図13(A)は、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)が移動限界位置から離れ、第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が移動限界位置にあり、且つ、両者が接しているときの様子を示している。また、図13(B)は、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)が移動限界位置にあり、第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が移動限界位置から離れ、且つ、両者が接しているときの様子を示している。
駆動機構DMは、レンズホルダ3を光軸方向に移動させることができるように構成されている。本実施形態では、駆動機構DMは、コイルセット42に流れる電流と駆動用磁石6が発生させる磁界とによって駆動力を発生させ、レンズホルダ3を光軸JDに沿って移動させることができるように構成されている。
具体的には、駆動機構DMは、第1レンズホルダ3Aを光軸方向に移動させる第1駆動機構DM1と、第2レンズホルダ3Bを光軸方向に移動させる第2駆動機構DM2とを含む。
第1駆動機構DM1は、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41Aに取り付けられる第1コイルセット42Aと、第1レンズキャリア30Aに取り付けられる第1駆動用磁石6Aとを含む。
第2駆動機構DM2は、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bに取り付けられる第2コイルセット42Bと、第2レンズキャリア30Bに取り付けられる第2駆動用磁石6Bとを含む。
保持用磁石12は、移動限界位置にあるレンズホルダ3を磁力によって保持できるように構成されている。本実施形態では、保持用磁石12は、移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aを磁気的に保持する第1保持用磁石12Aと、移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bを磁気的に保持する第2保持用磁石12Bとを含む。
本実施形態では、第1保持用磁石12A及び第2保持用磁石12Bのそれぞれは、2極に着磁された永久磁石であり、内側(光軸JDに近い側)がN極に着磁され、外側がS極に着磁されている。また、保持用磁石12は、図6に示すように、レンズホルダ3(駆動用磁石6)と直接的に対向しないように、すなわち、コイルホルダ5の一部を挟んで駆動用磁石6と間接的に対向するようにコイルホルダ5に取り付けられている。但し、駆動用磁石6の磁極に合わせて第1保持用磁石12A及び第2保持用磁石12Bのそれぞれは、内側(光軸JDに近い側)がS極に着磁され、外側がN極に着磁されていてもよい。
第1保持用磁石12Aは、X1側の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aを保持する前側磁石12A1と、X2側の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aを保持する後側磁石12A2とを含む。
同様に、第2保持用磁石12Bは、X1側の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bを保持する前側磁石12B1と、X2側の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bを保持する後側磁石12B2とを含む。
そして、第1保持用磁石12Aは、図6に示すように、コイルホルダ5の凹部RS5に嵌め込まれて接着剤で固定される。第2保持用磁石12Bについても同様である。
具体的には、第1保持用磁石12Aの前側磁石12A1は、図12(B)に示すように、X1側の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aに取り付けられた第1駆動用磁石6Aとの間に作用する吸引力によって第1駆動用磁石6Aを引き付けるように配置されている。
また、第1保持用磁石12Aの後側磁石12A2は、図13(A)に示すように、X2側の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aに取り付けられた第1駆動用磁石6Aとの間に作用する吸引力によって第1駆動用磁石6Aを引き付けるように配置されている。
同様に、第2保持用磁石12Bの前側磁石12B1は、図13(B)に示すように、X1側の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bに取り付けられた第2駆動用磁石6Bとの間に作用する吸引力によって第2駆動用磁石6Bを引き付けるように配置されている。
また、第2保持用磁石12Bの後側磁石12B2は、図12(B)に示すように、X2側の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bに取り付けられた第2駆動用磁石6Bとの間に作用する吸引力によって第2駆動用磁石6Bを引き付けるように配置されている。
次に、X1側の移動限界位置にある第1レンズホルダ3AをX2側の移動限界位置まで移動させる際の、第1駆動用磁石6Aの磁極と第1コイルセット42Aの磁極との関係について説明する。
第1レンズホルダ3AがX1側の移動限界位置にある場合、第1駆動用磁石6Aは、図13(B)に示すように、第1コイルセット42Aの第1コイル42A1と対向する位置にある。但し、第1駆動用磁石6Aの光軸方向における中心位置にある中心軸M1は、第1コイル42A1の光軸方向における中心位置にある中心軸L1とは一致していない。中心軸M1と中心軸L1とが一致していると、第1コイル42A1が励磁されたときに、第1駆動用磁石6Aを斥力(反発力)で遠ざけることができないおそれがあるためである。なお、中心軸M1は、第1駆動用磁石6Aの中心点を通るY軸に平行な直線であり、中心軸L1は、第1コイル42A1の中心点を通るY軸に平行な直線である。後述の中心軸L2、L3、L4、及びM2についても同様である。
第1コイル42A1が励磁されていない場合、第1駆動用磁石6AのS極は、第1保持用磁石12Aの前側磁石12A1のN極に引き付けられ、第1駆動用磁石6A(第1レンズホルダ3A)は、X1側の移動限界位置に保持されている。
第1コイル42A1の第1駆動用磁石6Aに対向する側(Y2側)がS極となるように、すなわち、第1駆動用磁石6Aと第1コイル42A1とが互いに反発しあうように第1コイル42A1が励磁されると、第1駆動用磁石6Aは、図12(A)に示すように、光軸方向に沿ってX2側に移動する。
そして、第1コイルセット42Aの第2コイル42A2の第1駆動用磁石6Aに対向する側(Y2側)がN極となるように、すなわち、第1駆動用磁石6Aと第2コイル42A2とが互いに引き合うように第2コイル42A2が励磁されると、第1駆動用磁石6Aは、図13(A)に示すように、光軸方向に沿って更にX2側に移動する。
第1レンズホルダ3AがX2側の移動限界位置にある場合、第1駆動用磁石6Aは、図13(A)に示すように、第2コイル42A2と対向する位置にある。但し、第1駆動用磁石6Aの中心軸M1は、上述の理由により、第2コイル42A2の光軸方向における中心位置にある中心軸L2とは一致していない。
第1レンズホルダ3AがX2側の移動限界位置にある場合において、第2コイル42A2が励磁されていない場合、第1駆動用磁石6AのS極は、第1保持用磁石12Aの後側磁石12A2のN極に引き付けられ、第1駆動用磁石6A(第1レンズホルダ3A)は、X2側の移動限界位置に保持されている。
同様に、第2レンズホルダ3BがX1側の移動限界位置にある場合、第2駆動用磁石6Bは、図13(B)に示すように、第2コイルセット42Bの第1コイル42B1と対向する位置にある。但し、第2駆動用磁石6Bの光軸方向における中心位置にある中心軸M2は、上述の理由により、第1コイル42B1の光軸方向における中心位置にある中心軸L3とは一致していない。
第1コイル42B1が励磁されていない場合、第2駆動用磁石6BのS極は、第2保持用磁石12Bの前側磁石12B1のN極に引き付けられ、第2駆動用磁石6B(第2レンズホルダ3B)は、X1側の移動限界位置に保持されている。
第1コイル42B1の第2駆動用磁石6Bに対向する側(Y1側)がS極となるように、すなわち、第2駆動用磁石6Bと第1コイル42B1とが互いに反発しあうように第1コイル42B1が励磁されると、第2駆動用磁石6Bは、図12(A)に示すように、光軸方向に沿ってX2側に移動する。
そして、第2コイルセット42Bの第2コイル42B2の第2駆動用磁石6Bに対向する側(Y1側)がN極となるように、すなわち、第2駆動用磁石6Bと第2コイル42B2とが互いに引き合うように第2コイル42B2が励磁されると、第2駆動用磁石6Bは、図13(A)に示すように、光軸方向に沿って更にX2側に移動する。
第2レンズホルダ3BがX2側の移動限界位置にある場合、第2駆動用磁石6Bは、図13(A)に示すように、第2コイル42B2と対向する位置にある。但し、第2駆動用磁石6Bの中心軸M2は、上述の理由により、第2コイル42B2の光軸方向における中心位置にある中心軸L4とは一致していない。
第2レンズホルダ3BがX2側の移動限界位置にある場合において、第2コイル42B2が励磁されていない場合、第2駆動用磁石6BのS極は、第2保持用磁石12Bの後側磁石12B2のN極に引き付けられ、第2駆動用磁石6B(第2レンズホルダ3B)は、X2側の移動限界位置に保持されている。
次に、レンズ体LS、駆動用磁石6、及びコイルセット42のサイズについて説明する。本実施形態では、図13(B)に示すように、第1レンズ体LS1の光軸方向における寸法である幅W1は、第2レンズ体LS2の光軸方向における寸法である幅W2より大きい。そのため、図4及び図5に示すように、第1レンズ体LS1を保持する第1レンズホルダ3Aの幅W3は、第2レンズ体LS2を保持する第2レンズホルダ3Bの幅W4よりも大きい。
また、図13(A)に示すように、第1駆動用磁石6Aの幅W5は、第2駆動用磁石6Bの幅W6よりも大きい。なお、本実施形態では、第1駆動用磁石6Aの高さは、第2駆動用磁石6Bの高さと同じである。
また、第1コイルセット42Aを構成している第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれの幅W7は、第2コイルセット42Bを構成している第1コイル42B1及び第2コイル42B2の幅W8よりも大きい。なお、本実施形態では、図7に示すように、第1コイルセット42Aを構成している第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれの高さH1は、第2コイルセット42Bを構成している第1コイル42B1及び第2コイル42B2の高さH2と同じである。
また、図13(B)に示すように、第1コイルセット42Aの配置領域の幅W9は、光軸方向において、第2コイルセット42Bの配置領域の幅W10と部分的に重なっている。重なっている部分は、幅W11を有する。
第1コイルセット42Aの配置領域は、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41Aにおける、コイルを配置可能な領域を意味する。本実施形態では、第1コイル42A1は、配置領域の右端(X1側の端)に配置され、第2コイル42A2は、配置領域の左端(X2側の端)に配置されている。そのため、第1コイル42A1の右端と第2コイル42A2の左端との間の幅が配置領域の幅W9となる。第2コイルセット42Bの配置領域についても同様である。
また、図13(A)に示すように、第1コイルセット42Aを構成している第1コイル42A1と第2コイル42A2との間の間隔である幅W12は、第2コイルセット42Bを構成している第1コイル42B1と第2コイル42B2との間の間隔である幅W13よりも大きい。第1駆動用磁石6Aの幅W5が、第2駆動用磁石6Bの幅W6よりも大きいためである。
次に、図14~図18を参照し、移動限界位置においてレンズホルダ3を機械的に保持する保持機構HMについて説明する。図14は、下側部材LMの斜視図であり、レンズホルダ3が保持機構HMによって移動限界位置で機械的に保持されている状態を示す。図15は、保持機構HMの斜視図及び正面図(X1側から見た側面図)である。図16は、固定側部材FM(カバー部材1を除く。)の分解斜視図である。図17は、レンズ保持アセンブリLHの分解斜視図である。図18は、レンズ保持アセンブリLHの断面図である。具体的には、図18は、図16における破線CL2を含むYZ平面における第1レンズ保持アセンブリLH1の断面図である。なお、図18では、上側保持用磁石22、プランジャ25、及び下側保持用磁石26は、N極にハッチングが付されているため、断面であることを表すハッチングが省略されている。
保持機構HMは、レンズ保持アセンブリLH及び係合部材10を含む。本実施形態では、図14に示すように、保持機構HMは、前側(X1側)の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aを機械的に保持する第1保持機構HM1、及び、後側(X2側)の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bを機械的に保持する第2保持機構HM2を含む。
第1保持機構HM1は、第1レンズ保持アセンブリLH1及び第1係合部材10Aを含む。第2保持機構HM2は、第2レンズ保持アセンブリLH2及び第2係合部材10Bを含む。
第1レンズ保持アセンブリLH1は、図15に示すように、係止部25eをZ軸に平行な方向に進退(上下動)させることができるように構成されている。図15は、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bに固定された第1レンズ保持アセンブリLH1と、第1レンズホルダ3Aの第1レンズキャリア30Aに固定された第1係合部材10Aとの関係を示す。具体的には、図15(A1)及び図15(A2)は、係止部25eが上方に押し出されたときの様子を示し、図15(B1)及び図15(B2)は、係止部25eが下方に引き込まれたときの様子を示す。
本実施形態では、第1レンズ保持アセンブリLH1は、その内部にある電磁機構EM(図17参照。)によって係止部25eを上下動させることができるように構成されている。第2レンズ保持アセンブリLH2についても同様である。
また、第1レンズ保持アセンブリLH1内にある電磁機構EMは、第1レンズホルダ3Aにおける、第1駆動用磁石6Aが設けられる側(Y1側)の側部SB1とは反対にある側(Y2側)の側部SB2と対向するように配置されている。すなわち、第1レンズ保持アセンブリLH1内にある電磁機構EMは、第1駆動用磁石6Aから離して配置されている。第1駆動用磁石6Aが発生させる磁気と電磁機構EMが発生させる磁気との間の干渉を防止するためである。第2レンズ保持アセンブリLH2内にある電磁機構EMと第2駆動用磁石6Bとの位置関係についても同様である。
係止部25eは、図15(A2)に示すように、上方に押し出されると、その端面が係合部材10の上面よりも上方に位置するように構成されている。すなわち、係止部25eは、上方に押し出されたときに、係合部材10に形成された切り欠きCT(図8参照。)とかみ合うように構成されている。以下では、このような状態を「係合状態」と称する。また、係止部25eは、図15(B2)に示すように、下方に引き込まれると、その端面が係合部材10の下面よりも下方に位置するように構成されている。すなわち、係止部25eは、下方に引き込まれたときに、係合部材10に形成された切り欠きCT(図8参照。)とかみ合わないように構成されている。以下では、このような状態を「非係合状態」と称する。なお、切り欠きCTは、係合部の一例であり、係止部25eの形状に適合する貫通部(開口(貫通孔))として形成されていてもよい。また、係合部及び係止部25eのそれぞれは、互いにかみ合うことができるのであれば、すなわち、係合状態と非係合状態とを選択的に実現できるのであれば、どのような構造を有していてもよい。
また、第1レンズ保持アセンブリLH1は、図16に示すように、第2コイルアセンブリ4Bの第2基板41Bに取り付けられた状態で、コイルホルダ5に形成されている凹部RS8に嵌め込まれて固定される。同様に、第2レンズ保持アセンブリLH2は、第1コイルアセンブリ4Aの第1基板41Aに取り付けられた状態で、コイルホルダ5に形成されている凹部RS9に嵌め込まれて固定される。
具体的には、第1レンズ保持アセンブリLH1は、図17に示すように、上側カバー20、ヨーク21、上側保持用磁石22、ボビン23、コイル24、プランジャ25、下側保持用磁石26、コイルバネ27、及び下側カバー28等で構成されている。
また、上側保持用磁石22、ボビン23、プランジャ25、下側保持用磁石26、及びコイルバネ27は、ロック機構LKを構成し、ヨーク21、上側保持用磁石22、ボビン23、コイル24、プランジャ25、及び下側保持用磁石26は、電磁機構EMを構成している。第2レンズ保持アセンブリLH2についても同様である。
上側カバー20は、第1レンズ保持アセンブリLH1の上面を形成する略矩形の板状部材である。本実施形態では、上側カバー20は、磁性材料で形成され、ヨークとして機能するように構成されている。また、上側カバー20は、プランジャ25の上端に形成された係止部25eが貫通する開口20kを中央に有する。また、上側カバー20は、ボビン23の上端に形成された6つの凸部23pが貫通する6つの開口20hを有する。なお、図17では、6つの凸部23pのうちの1つのみが符号で指し示され、且つ、6つの開口20hのうちの1つのみが符号で指し示されている。また、6つの開口20hのうちの1つは、外側に向かって開く切り欠きとして形成されている。
ヨーク21は、上側保持用磁石22、コイル24、及び下側保持用磁石26のそれぞれが発生させる磁界を効率的に作用させるための部材である。本実施形態では、ヨーク21は、磁性材料で形成され、上側カバー20及び下側カバー28と協働し、上側保持用磁石22、ボビン23、コイル24、プランジャ25、下側保持用磁石26、及びコイルバネ27を取り囲むように構成されている。
上側保持用磁石22は、プランジャ25の係止部25eと係合部材10との間の係合状態を磁気的に維持するための部材である。具体的には、上側保持用磁石22は、磁性材料で形成されたプランジャ25を上方(Z1方向)に引き寄せることができるように配置されている。本実施形態では、上側保持用磁石22は、第1磁石22A及び第2磁石22Bを含む。第1磁石22A及び第2磁石22Bは何れも、2極に着磁された永久磁石であり、図18に示すように、下側(Z2側)がN極に着磁され、上側(Z1側)がS極に着磁されている。また、第1磁石22Aは、ボビン23に形成された凹部RS10に嵌め込まれて接着剤で固定される。同様に、第2磁石22Bは、ボビン23に形成された凹部RS11に嵌め込まれて接着剤で固定される。
なお、図18(A)は、係止部25eが下方に引き込まれたときの様子を示し、図18(B)は、係止部25eが上方に押し出されたときの様子を示す。また、図18は、係止部25eが上方に押し出されたときの係止部25eの端面と、係止部25eが下方に引き込まれたときの係止部25eの端面との間の距離であるストローク量が値SKであることを示す。
第1磁石22A及び第2磁石22Bのそれぞれは、図18に示すように、S極が上方(Z1方向)を向くようにボビン23に取り付けられている。但し、第1磁石22A及び第2磁石22Bのそれぞれは、N極が上方(Z1方向)を向くようにボビン23に取り付けられていてもよい。
ボビン23は、上側カバー20、ヨーク21、上側保持用磁石22、コイル24、プランジャ25、下側保持用磁石26、コイルバネ27、及び下側カバー28を支持できるように構成されている。本実施形態では、ボビン23は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。
具体的には、ボビン23は、図17に示すように、くびれ部23nの周囲にコイル24が配置されるように構成されている。
また、ボビン23は、図18に示すように、内部に形成されたキャビティCV内に、プランジャ25、下側保持用磁石26、及びコイルバネ27を受け入れるように構成されている。プランジャ25は、キャビティCV内を上下方向(Z軸方向)に摺動できるようにキャビティCV内に配置されている。コイルバネ27は、プランジャ25を上方(Z1方向)に付勢できるように、プランジャ25と下側カバー28との間に圧縮された状態で配置されている。
コイル24は、磁性材料で形成されたプランジャ25を励磁できるように構成されている。本実施形態では、コイル24は、プランジャ25のくびれ部23nに巻き付けられている。具体的には、コイル24は、コイル24を構成している線材の第1方向に電流が流れると、図18(A)に示すように、プランジャ25の上側(Z1側)の部分をN極に励磁し、且つ、プランジャ25の下側(Z2側)の部分をS極に励磁する。反対に、コイル24は、コイル24を構成している線材の第2方向(第1方向の反対方向)に電流が流れると、図18(B)に示すように、プランジャ25の上側(Z1側)の部分をS極に励磁し、且つ、プランジャ25の下側(Z2側)の部分をN極に励磁する。
プランジャ25は、ボビン23のキャビティCV内を上下方向(Z軸方向)に摺動できるように、且つ、一部を係合部材10とかみ合わせることができるように構成されている。本実施形態では、プランジャ25は、コイルバネ27によって上方(Z1方向)に付勢された状態で、キャビティCV内に配置されている。また、プランジャ25は、コイル24によって励磁されるよう、磁性材料で形成されている。具体的には、プランジャ25は、略直方体の本体部25mと、本体部25mから上方に突出する角柱状の係止部25eとを有する。
下側保持用磁石26は、プランジャ25の係止部25eと係合部材10との間の非係合状態を磁気的に維持するための部材である。具体的には、下側保持用磁石26は、磁性材料で形成されたプランジャ25を下方(Z2方向)に引き寄せることができるように配置されている。本実施形態では、下側保持用磁石26は、第1磁石26A及び第2磁石26Bを含む。第1磁石26A及び第2磁石26Bは何れも、2極に着磁された永久磁石であり、図18に示すように、上側(Z1側)がN極に着磁され、下側(Z2側)がS極に着磁されている。すなわち、上側保持用磁石22を構成する第1磁石22A及び第2磁石22Bのそれぞれの下側(Z2側)がN極に着時されている場合に、下側保持用磁石26を構成する第1磁石26A及び第2磁石26Bのそれぞれは、上側(Z1側)がN極となるように配置されている。
また、第1磁石26Aは、ボビン23のキャビティCV内に形成された段部SP1に接触した状態で接着剤により固定される。同様に、第2磁石26Bは、ボビン23のキャビティCV内に形成された段部SP2に接触した状態で接着剤により固定される。
コイルバネ27は、付勢部材の一例であり、ボビン23のキャビティCV内でプランジャ25を上方(Z1方向)に付勢できるように構成されている。本実施形態では、コイルバネ27は、プランジャ25とともにキャビティCV内に配置されている。具体的には、コイルバネ27は、一端が、プランジャ25の本体部25mの下側(Z2側)の端面と接し、他端が、ボビン23に取り付けられた下側カバー28の上面(Z1側の面)と接するようにキャビティCV内に圧縮された状態で配置されている。
下側カバー28は、第1レンズ保持アセンブリLH1の下面を形成する略矩形の板状部材である。本実施形態では、下側カバー28は、磁性材料で形成され、ヨークとして機能するように構成されている。また、下側カバー28は、ボビン23の下端に形成された6つの凸部23qが貫通する6つの開口28hを有する。なお、図17では、6つの凸部23qのうちの1つのみが符号で指し示され、且つ、6つの開口28hのうちの1つのみが符号で指し示されている。また、6つの開口28hのうちの1つは、外側に向かって開く切り欠きとして形成されている。
また、本実施形態では、上側カバー20と下側カバー28とは、同じ形状を有するように構成されている。部品点数を削減するためである。
電磁機構EMは、ボビン23のキャビティCV内でプランジャ25を電磁気力によって上下動させるための機構である。本実施形態では、電磁機構EMは、主に、上側保持用磁石22、ボビン23、コイル24、プランジャ25、及び下側保持用磁石26で構成されている。
コイル24を構成している線材の第1方向に電流が流れると、図18(A)に示すように、プランジャ25は、上側部分がN極に励磁され、且つ、下側部分がS極に励磁される。そのため、プランジャ25は、上側保持用磁石22のN極とプランジャ25の上側部分のN極との間の斥力(反発力)、及び、下側保持用磁石26のN極とプランジャ25の下側部分のS極との間の吸引力により、矢印AR3で示す方向に移動する。このとき、プランジャ25は、コイルバネ27を圧縮しながら、プランジャ25と下側保持用磁石26との間の間隔が値GP1となるまで下方に移動する。そして、プランジャ25と下側保持用磁石26との間の間隔が値GP1となった状態、すなわち、図18(A)に示す状態は、コイル24に対する電流の供給が停止された場合であっても、下側保持用磁石26のN極と励磁されていないプランジャ25との間の吸引力により維持される。なお、本実施形態では、プランジャ25と下側保持用磁石26とは接触しないように構成されている。プランジャ25と下側保持用磁石26とが接触すると、両者を引き離すために比較的大きな力が必要となるためである。
コイル24を構成している線材の第2方向に電流が流れると、図18(B)に示すように、プランジャ25は、上側部分がS極に励磁され、且つ、下側部分がN極に励磁される。そのため、プランジャ25は、上側保持用磁石22のN極とプランジャ25の上側部分のS極との間の吸引力、下側保持用磁石26のN極とプランジャ25の下側部分のN極との間の斥力(反発力)、及びコイルバネ27の復元力により、矢印AR4で示す方向に移動する。このとき、プランジャ25は、プランジャ25と上側保持用磁石22との間の間隔が値GP2となるまで、すなわち、プランジャ25の肩部25s(図18(A)参照。)とボビン23のキャビティCV内に形成されたストッパ部としての段部SP3(図18(A)参照。)とが接するまで上方に移動する。なお、本実施形態では、プランジャ25と上側保持用磁石22とは接触しないように構成されている。プランジャ25と上側保持用磁石22とが接触すると、両者を引き離すために比較的大きな力が必要となるためである。
この構成により、電磁機構EMは、ボビン23のキャビティCV内でプランジャ25を所定のストローク量(値SK)で上下動させることができる。
ロック機構LKは、プランジャ25の係止部25eと係合部材10の切り欠きCT(図8参照。)とがかみ合った状態でプランジャ25の動きを機械的に固定するための機構である。本実施形態では、ロック機構LKは、主に、上側保持用磁石22、ボビン23、プランジャ25、及びコイルバネ27で構成されている。
プランジャ25の肩部25sとボビン23のキャビティCV内に形成された段部SP3とが接している状態、すなわち、図18(B)に示す状態は、コイル24に対する電流の供給が停止された場合であっても、上側保持用磁石22のN極とプランジャ25の上側部分との間の吸引力により維持される。
この構成により、ロック機構LKは、コイル24に対する電流の供給を停止した場合であっても、図15(A1)及び図15(A2)に示すような状態、すなわち、係止部25eと切り欠きCTとがかみ合うことで、レンズキャリア30が移動限界位置で保持された状態をもたらすことができる。
なお、上述の実施形態では、保持機構HMは、図14に示すように、前側(X1側)の移動限界位置にある第1レンズホルダ3Aを保持する第1保持機構HM1、及び、後側(X2側)の移動限界位置にある第2レンズホルダ3Bを保持する第2保持機構HM2を含むように構成されている。すなわち、保持機構HMは、前側の移動限界位置で第1レンズホルダ3Aを保持し、後側の移動限界位置で第2レンズホルダ3Bを保持するように構成されている。但し、保持機構HMは、前側及び後側の何れか一方の移動限界位置で、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bをまとめて保持するように構成されていてもよい。
例えば、保持機構HMは、図13(A)に示すように、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bのそれぞれが後側(X2側)の移動限界位置にある場合に、第2レンズホルダ3Bよりも前側(X1側)に位置する第1レンズホルダ3AのY1側の端部に取り付けられた係合部材の切り欠きCTと、第1基板41Aの後端に取り付けられた第2レンズ保持アセンブリLH2を構成するプランジャ25の係止部25eとをかみ合わせることにより、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bの双方をまとめて保持するように構成されていてもよい。この場合、第1係合部材10A、第2係合部材10B、及び、第1レンズ保持アセンブリLH1は省略されてもよい。
或いは、保持機構HMは、例えば図13(B)に示すように、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bのそれぞれが前側(X1側)の移動限界位置にある場合に、第1レンズホルダ3Aよりも後側(X2側)に位置する第2レンズホルダ3BのY2側の端部に取り付けられた係合部材の切り欠きCTと、第2基板41Bの前端に取り付けられた第1レンズ保持アセンブリLH1を構成するプランジャ25の係止部25eとをかみ合わせることにより、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bの双方をまとめて保持するように構成されていてもよい。この場合、第1係合部材10A、第2係合部材10B、及び、第2レンズ保持アセンブリLH2は省略されてもよい。
このように、保持機構HMは、1つの係合部材と1つのレンズ保持アセンブリとによって第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bの双方をまとめて保持するように構成されていてもよい。
次に、図19を参照し、カメラ付き携帯機器に搭載されたレンズホルダ駆動装置101の制御について説明する。図19は、レンズホルダ駆動装置101を制御する制御システムSYSの構成例を示すブロック図である。
制御システムSYSは、主に、レンズホルダ駆動装置101内に配置されている、第1磁気センサセット43Aにおける第1ホール素子43A1、第2ホール素子43A2、及び第3ホール素子43A3と、第2磁気センサセット43Bにおける第1ホール素子43B1、第2ホール素子43B2、及び第3ホール素子43B3と、第1コイルセット42Aにおける第1コイル42A1及び第2コイル42A2と、第2コイルセット42Bにおける第1コイル42B1及び第2コイル42B2と、第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24と、第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24と、を構成要素として含む。
また、制御システムSYSは、レンズホルダ駆動装置101の外部に配置されている、入力装置ID、制御装置CTR、及び電源CSを構成要素として含む。
入力装置IDは、制御装置CTRに対する入力を受け付けるための装置である。図19に示す例では、入力装置IDは、カメラ付き携帯機器に設置されているタッチパネルである。
制御装置CTRは、レンズホルダ駆動装置101に電流を供給可能な電源CSを制御できるように構成されている。図19に示す例では、制御装置CTRは、入力装置ID、第1磁気センサセット43Aにおける第1ホール素子43A1、第2ホール素子43A2、及び第3ホール素子43A3、並びに、第2磁気センサセット43Bにおける第1ホール素子43B1、第2ホール素子43B2、及び第3ホール素子43B3等からの情報に基づいて電源CSを制御するように構成されている。
電源CSは、第1コイルセット42Aにおける第1コイル42A1及び第2コイル42A2、第2コイルセット42Bにおける第1コイル42B1及び第2コイル42B2、第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24、並びに、第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24のそれぞれに対して個別に電流を供給できるように構成されている。
図19に示す例では、制御装置CTRは、PWM制御方式を利用して電源CSを制御することにより、各構成要素に対して適切なタイミングで適切な量の電流を供給できる。
具体的には、制御装置CTRは、入力装置IDからカメラ起動信号を受信したときに、電源CSをPWM制御することにより、第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24、及び、第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24のそれぞれに電流を供給する。
カメラ起動信号は、カメラ付き携帯機器に搭載されたカメラを起動させるための信号である。図19に示す例では、カメラ起動信号は、カメラ付き携帯機器に搭載されているタッチパネル式ディスプレイに表示されているカメラアイコンがタッチ操作されたときに、入力装置IDとしてのタッチパネルによって出力される。
第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24は、電源CSから電流の供給を受けると、図18(A)に示すように、プランジャ25を下方(Z2方向)に移動させる。すなわち、コイル24は、図15(A2)に示すように第1係合部材10Aの上面よりも高い位置にあったプランジャ25の係止部25eの端面を、図15(B2)に示すように、第1係合部材10Aの下面よりも低い位置に引っ込める。第1係合部材10Aと係止部25eとのかみ合いを解除するためである。この解除により、第1レンズホルダ3Aは、光軸方向に自由に移動できるようになる。第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24による、第2係合部材10Bと係止部25eとのかみ合いの解除についても同様である。
その後、制御装置CTRは、電源CSをPWM制御することにより、第1コイルセット42Aにおける第1コイル42A1、及び、第2コイルセット42Bにおける第2コイル42B2に電流を供給する。
第1コイル42A1は、電源CSから電流の供給を受けると、第1コイル42A1が発生させる磁力により第1駆動用磁石6Aを遠ざけ、図13(B)に示すX1側の移動限界位置にある第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)を、図12(A)に示す位置に移動させることができる。
また、第2コイル42A2は、電源CSから電流の供給を受けると、第2コイル42A2が発生させる磁力により第1駆動用磁石6Aを引き寄せ、図12(A)に示す位置にある第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)を、図13(A)に示すX2側の移動限界位置に移動させることができる。
また、第2コイル42A2は、電源CSから逆向きの電流の供給を受けると、第2コイル42A2が発生させる磁力により第1駆動用磁石6Aを遠ざけ、図13(A)に示すX2側の移動限界位置にある第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)を、図12(A)に示す位置に移動させることができる。
また、第1コイル42A1は、電源CSから逆向きの電流の供給を受けると、第1コイル42A1が発生させる磁力により第1駆動用磁石6Aを引き寄せ、図12(A)に示す位置にある第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)を、図13(B)に示すX1側の移動限界位置に移動させることができる。
同様に、第2コイル42B2は、電源CSから電流の供給を受けると、第2コイル42B2が発生させる磁力により第2駆動用磁石6Bを遠ざけ、図12(B)に示すX2側の移動限界位置にある第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)を、図12(A)に示す位置に移動させることができる。
また、第1コイル42B1は、電源CSから電流の供給を受けると、第1コイル42B1が発生させる磁力により第2駆動用磁石6Bを引き寄せ、図12(A)に示す位置にある第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)を、図13(B)に示すX1側の移動限界位置に移動させることができる。
また、第1コイル42B1は、電源CSから逆向きの電流の供給を受けると、第1コイル42B1が発生させる磁力により第2駆動用磁石6Bを遠ざけ、図13(B)に示すX1側の移動限界位置にある第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)を、図12(A)に示す位置に移動させることができる。
また、第2コイル42B2は、電源CSから逆向きの電流の供給を受けると、第2コイル42B2が発生させる磁力により第2駆動用磁石6Bを引き寄せ、図12(A)に示す位置にある第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)を、図12(B)に示すX2側の移動限界位置に移動させることができる。
なお、制御装置CTRは、第1磁気センサセット43Aを構成する第1ホール素子43A1~第3ホール素子43A3のそれぞれの出力に基づき、第1駆動用磁石6A(第1レンズホルダ3A)の位置を特定できる。そのため、制御装置CTRは、第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)を光軸方向に移動させる際に、第1ホール素子43A1~第3ホール素子43A3のそれぞれの出力に基づき、第1コイルセット42Aを構成する第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれに供給される電流の向き及び大きさをフィードバック制御できる。
同様に、制御装置CTRは、第2磁気センサセット43Bを構成する第1ホール素子43B1~第3ホール素子43B3のそれぞれの出力に基づき、第2駆動用磁石6B(第2レンズホルダ3B)の位置を特定できる。そのため、制御装置CTRは、第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)を光軸方向に移動させる際に、第1ホール素子43B1~第3ホール素子43B3のそれぞれの出力に基づき、第2コイルセット42Bを構成する第1コイル42B1及び第2コイル42B2のそれぞれに供給される電流の向き及び大きさをフィードバック制御できる。
その後、制御装置CTRは、入力装置IDからカメラ停止信号を受信したときに、電源CSをPWM制御することにより、第1レンズ体LS1(第1レンズホルダ3A)をX1側の移動限界位置に移動させ、且つ、第2レンズ体LS2(第2レンズホルダ3B)をX2側の移動限界位置に移動させる。
カメラ停止信号は、カメラ付き携帯機器に搭載されたカメラの機能を停止させるための信号である。図19に示す例では、カメラ停止信号は、カメラ付き携帯機器に搭載されているタッチパネル式ディスプレイに表示されているカメラの機能を停止させるためのソフトウェアボタンがタッチ操作されたときに、入力装置IDとしてのタッチパネルによって出力される。
第1レンズホルダ3AをX1側の移動限界位置に移動させ、且つ、第2レンズホルダ3BをX2側の移動限界位置に移動させた後で、制御装置CTRは、第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24、及び、第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24のそれぞれに、カメラ起動信号を受信したときとは逆向きの電流を供給する。
なお、制御装置CTRは、第1ホール素子43A1の出力に基づき、第1レンズホルダ3A(第1駆動用磁石6A)がX1側の移動限界位置に達したか否かを判定でき、且つ、第3ホール素子43B3の出力に基づき、第2レンズホルダ3B(第2駆動用磁石6B)がX2側の移動限界位置に達したか否かを判定できる。
第1レンズ保持アセンブリLH1におけるコイル24は、電源CSから逆向きの電流の供給を受けると、図18(B)に示すように、プランジャ25を上方(Z1方向)に移動させる。すなわち、コイル24は、図15(B2)に示すように第1係合部材10Aの下面よりも低い位置にあったプランジャ25の係止部25eの端面を、図15(A2)に示すように、第1係合部材10Aの上面よりも高い位置に押し出す。第1係合部材10Aと係止部25eとをかみ合わせるためである。このかみ合いにより、第1レンズホルダ3Aは、光軸方向における移動が禁止される。第2レンズ保持アセンブリLH2におけるコイル24による、第2係合部材10Bと係止部25eとのかみ合いについても同様である。
上述のように、本発明の一実施形態に係るレンズホルダ駆動装置101は、固定側部材FMと、レンズ体LSを保持可能なレンズホルダ3と、レンズホルダ3を光軸方向へ移動させる駆動機構DMと、レンズホルダ3を光軸方向における可動範囲の端部側の位置である移動限界位置に保持する保持機構HMと、を備えている。そして、保持機構HMは、固定側部材FMに設けられ、光軸方向と交差する方向へ進退する係止部25eを含む移動体としてのプランジャ25、及び、プランジャ25を進退させる電磁機構EMと、レンズホルダ3を含む可動側部材MBに設けられ、係止部25eが係合可能な係合部としての切り欠きCTを有する係合部材10と、光軸方向におけるレンズホルダ3の移動端部の位置である移動限界位置において、係止部25eと切り欠きCTとが係合した状態でプランジャ25を保持するロック機構LKと、を備えている。
この構成では、レンズホルダ駆動装置101は、プランジャ25の係止部25eと係合部材10の切り欠きCTとの係合を実現することにより、レンズホルダ3を移動限界位置で保持し、この係合を解除することにより、光軸方向におけるレンズホルダ3の移動を可能にすることができる。このため、レンズホルダ駆動装置101は、移動限界位置におけるレンズホルダ3の保持を確実なものとすることができる。また、レンズホルダ駆動装置101は、固定側部材の一部と可動側部材の一部とを摩擦接触させたときに発生する摩擦力を利用することなく、レンズホルダ3を移動限界位置で保持できる。そのため、この構成は、係合が解除されているときのレンズホルダ3の動きに悪影響を及ぼすこともなく、移動限界位置でレンズホルダ3を保持する力が経時的に変化することもない。
プランジャ25は、磁性部材を含むように構成されていてもよい。本実施形態では、プランジャ25は、磁性材料で形成されている。そして、ロック機構LKは、図18(B)に示すように、磁性部材又はプランジャ25自体を吸引してプランジャ25をロック位置に保持する第1保持用磁石としての上側保持用磁石22を有していてもよい。なお、ロック位置は、プランジャ25の係止部25eと係合部材10の切り欠きCTとがかみ合っているときのプランジャ25の位置を意味する。また、プランジャ25がロック位置にある状態は、「ロック状態」と称される。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、プランジャ25をロック位置に保持するために、電磁機構EMを駆動し続ける必要はない。すなわち、レンズホルダ駆動装置101は、レンズ保持アセンブリLH内のコイル24に対する電流の供給が停止された場合であっても、プランジャ25をロック位置に保持し続けることができる。そのため、この構成は、レンズホルダ駆動装置101の消費電力を抑制できる。但し、レンズホルダ駆動装置101は、レンズ保持アセンブリLH内のコイル24に電流を供給し続けることにより、ロック状態を維持してもよい。
また、ロック機構LKは、図18(A)に示すように、磁性部材を吸引してプランジャ25を非ロック位置に保持する第2保持用磁石としての下側保持用磁石26を有していてもよい。なお、非ロック位置は、プランジャ25の係止部25eと係合部材10の切り欠きCTとのかみ合いが解除されているときのプランジャ25の位置を意味する。また、プランジャ25が非ロック位置にある状態を含む、ロック状態以外の状態は、「非ロック状態」と称される。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、プランジャ25を非ロック位置に保持するために、電磁機構EMを駆動し続ける必要はない。すなわち、レンズホルダ駆動装置101は、レンズ保持アセンブリLH内のコイル24に対する電流の供給が停止された場合であっても、プランジャ25を非ロック位置に保持し続けることができる。そのため、この構成は、レンズホルダ駆動装置101の消費電力を抑制できる。但し、レンズホルダ駆動装置101は、レンズ保持アセンブリLH内のコイル24に電流を供給し続けることにより、非ロック状態を維持してもよい。
上側保持用磁石22と下側保持用磁石26とは、図18に示すように、磁性部材としてのプランジャ25を挟んで対向配置されていてもよい。この構成は、レンズ保持アセンブリLHの大型化を抑制できる。
移動体としてのプランジャ25は、鉄心であってもよい。この場合、図18に示すように、電磁機構EMは、鉄心としてのプランジャ25と、プランジャ25の外周側に配置されたボビン23と、ボビン23の外周に保持されたコイル24とを含んで構成されていてもよい。この構成は、レンズ保持アセンブリLHの低コスト化を実現できる。
ロック機構LKは、移動体としてのプランジャ25をロック位置側へ付勢するコイルバネ27を有し、プランジャ25は、図18(A)に示すように、非ロック位置において、コイルバネ27を圧縮するように構成されていてもよい。この構成は、プランジャ25と下側保持用磁石26とが接触するのを確実に防止できる。また、この構成は、非ロック位置からロック位置へのプランジャ25の移動を促進できる。非ロック位置では、プランジャ25は、コイルバネ27によって常に上方に付勢されているためである。また、この構成は、レンズホルダ駆動装置101を搭載しているカメラ付き携帯機器が落下等による衝撃を受けた場合に、ロック状態が誤って解除されて非ロック位置となってしまうのを抑制できる。図18(B)に示す例では、プランジャ25は、ロック位置においても、コイルバネ27によって常に上方に付勢されているためである。具体的には、図18(B)に示す状態において、コイルバネ27は、下側保持用磁石26がプランジャ25を下方に引き付ける吸引力よりも大きい復元力でプランジャ25を上方に付勢しているためである。
ボビン23は、ロック位置において、鉄心としてのプランジャ25に接触するストッパ部(段差SP3)を有して構成されていてもよい。この構成は、プランジャ25と上側保持用磁石22とが接触するのを確実に防止できる。
コイル24の外側には、電磁機構EMを構成するヨーク21が配置されていてもよい。この構成は、電磁機構EMが発生する磁界(磁束)の漏れを抑制することができる。
駆動機構DMは、レンズホルダ3の一方の側部に設けられた駆動用磁石6と、駆動用磁石6に対向する駆動用のコイル(コイルセット42を構成するコイル)とで構成されていてもよい。そして、電磁機構EMは、レンズホルダ3の他方の側部と対向するように配置されていてもよい。すなわち、電磁機構EMは、駆動用磁石6から離して配置されていてもよい。
例えば、図12(A)に示すように、第1駆動機構DM1は、第1レンズ体LS1を保持可能な第1レンズホルダ3AのY1側の側部SB1(図15(A1)参照。)に設けられた第1駆動用磁石6Aと、第1駆動用磁石6Aに対向する第1コイル42A1及び第2コイル42A2とで構成されていてもよい。この場合、第1レンズ保持アセンブリLH1における電磁機構EMは、図15(A1)に示すように、第1レンズホルダ3AのY2側の側部SB2と対向するように配置されていてもよい。
また、図12(A)に示すように、第2駆動機構DM2は、第2レンズ体LS2を保持可能な第2レンズホルダ3BのY2側の側部に設けられた第2駆動用磁石6B(図5参照。)と、第2駆動用磁石6Bに対向する第1コイル42B1及び第2コイル42B2とで構成されていてもよい。この場合、第2レンズ保持アセンブリLH2における電磁機構EMは、第2レンズホルダ3BのY1側の側部と対向するように配置されていてもよい。
この構成は、駆動用磁石6が発生させる磁気と電磁機構EMが発生させる磁気との間の干渉を防止できる。駆動用磁石6と電磁機構EMとが過度に接近しないように構成されているためである。
また、本発明の一実施形態に係るレンズホルダ駆動装置101は、例えば図3及び図4に示すように、固定側部材FMと、第1レンズ体LS1を保持可能な第1レンズホルダ3A、及び、第1レンズ体LS1と同じ光軸JDを有するように配置される第2レンズ体LS2を保持可能な第2レンズホルダ3Bを含む可動側部材MBと、第1レンズホルダ3Aを光軸方向へ移動させる第1駆動機構DM1と、第2レンズホルダ3Bを光軸方向へ移動させる第2駆動機構DM2と、を備えている。
そして、固定側部材FMは、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bを挟んで互いに対向するように設けられた第1面としての第1コイルアセンブリ4A(第1基板41A)と第2面としての第2コイルアセンブリ4B(第2基板41B)とを有する。第1コイルアセンブリ4Aには、図7に示すように、第1コイルセット42Aが設けられ、第2コイルアセンブリ4Bには第2コイルセット42Bが設けられている。また、図4に示すように、第1コイルアセンブリ4A(第1コイルセット42A)に対向する第1駆動用磁石6Aは、第1レンズホルダ3Aに固定されている。また、図5に示すように、第2コイルアセンブリ4B(第2コイルセット42B)に対向する第2駆動用磁石6Bは、第2レンズホルダ3Bに固定されている。そして、第1駆動用磁石6Aと第1コイルセット42Aとが第1駆動機構DM1を構成し、第2駆動用磁石6Bと第2コイルセット42Bとが第2駆動機構DM2を構成している。
第1レンズホルダ3Aと第2レンズホルダ3Bとを別々に動かすことができるこの構成は、2つの回転式電動モータを備える構成に比べ、レンズホルダ駆動装置101の小型化を促進できる。また、この構成は、第1駆動機構DM1と第2駆動機構DM2とが互いに磁気的に干渉し合うのを抑制できる。第1駆動機構DM1と第2駆動機構DM2とが、第1レンズホルダ3A及び第2レンズホルダ3Bを挟むように配置されているためである。すなわち、第1駆動機構DM1と第2駆動機構DM2とが互いに十分な間隔を空けて配置されているためである。
第1コイルセット42Aは、1又は複数のコイルで構成され、第2コイルセット42Bは、1又は複数のコイルで構成される。
本実施形態では、図7に示すように、第1コイルセット42Aは、第1コイル42A1及び第2コイル42A2を含み、第2コイルセット42Bは、第1コイル42B1及び第2コイル42B2を含む。そして、図13(A)に示すように、光軸方向における第1駆動用磁石6Aの寸法である幅W5は、光軸方向における第1コイルセット42Aを構成する第1コイル42A1の寸法である幅W7と異なる。第1コイル42A1の幅W7は、第2コイル42A2の幅と同じである。
また、図13(B)に示すように、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)が可動側部材MBの可動範囲の一端であるX1側の端に位置するときに、第1駆動用磁石6Aの光軸方向における中心位置である中心軸M1は、第1コイルセット42Aを構成する第1コイル42A1の光軸方向における中心位置である中心軸L1から離れた位置にある。すなわち、第1駆動用磁石6Aの中心軸M1と第1コイル42A1の中心軸L1とは一致していない。
また、図13(A)に示すように、光軸方向における第2駆動用磁石6Bの寸法である幅W6は、光軸方向における第2コイルセット42Bを構成する第1コイル42B1の寸法である幅W8と異なる。第1コイル42B1の幅W8は、第2コイル42B2の幅と同じである。
また、図13(A)に示すように、第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が可動側部材MBの可動範囲の他端であるX2側の端に位置するときに、第2駆動用磁石6Bの光軸方向における中心位置である中心軸M2は、第2コイルセット42Bを構成する第2コイル42B2の光軸方向における中心位置である中心軸L4から離れた位置にある。すなわち、第2駆動用磁石6Bの中心軸M2と第2コイル42B2の中心軸L4とは一致していない。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、例えば図13(B)に示すように、第1レンズホルダ3Aが可動範囲の前端(X1側の端)に位置する場合であっても、第1コイル42A1に電流が供給されたときに、第1レンズホルダ3Aを確実に後方(X2方向)に移動させることができる。第1駆動用磁石6Aの中心軸L1と第1コイル42A1の中心軸M1とが一致している場合には、第1駆動用磁石6Aを前方(X1方向)に動かそうとする反発力と、第1駆動用磁石6Aを後方(X2方向)に動かそうとする反発力とがつり合ってしまうおそれがあるが、この構成は、中心軸L1と中心軸M1とが一致しないように、具体的には、中心軸L1が中心軸M1よりも前側に位置するように構成されているため、第1駆動用磁石6Aを前方側へ動かそうとする力と後方側へ動かそうとする力がつり合うことを防ぐことができる。
また、図4及び図5に示すように、光軸方向における第1レンズホルダ3Aの寸法である幅W3は、光軸方向における第2レンズホルダ3Bの寸法である幅W4よりも大きい。また、図13(A)に示すように、光軸方向における第1駆動用磁石6Aの寸法である幅W5は、光軸方向における第2駆動用磁石6Bの寸法である幅W6よりも大きい。なお、図13に示す例では、第1駆動用磁石6Aの高さは、第2駆動用磁石6Bの高さと同じである。
この構成により、第1駆動機構DM1は、第1レンズホルダ3Aが第2レンズホルダ3Bより大きくても、第1駆動用磁石6Aが第2駆動用磁石6Bよりも大きいため、第1レンズホルダ3Aを移動させるのに十分な推力を発生させることができる。
また、図13(A)に示すように、光軸方向における第1コイルセット42Aを構成する第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれの寸法である幅W7は、光軸方向における第2コイルセット42Bを構成する第1コイル42B1及び第2コイル42B2のそれぞれの寸法である幅W8よりも大きい。なお、図13に示す例では、第1コイルセット42Aを構成している第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれの高さH1は、第2コイルセット42Bを構成している第1コイル42B1及び第2コイル42B2の高さH2と同じである。
この構成により、第1駆動機構DM1は、第1レンズホルダ3Aが第2レンズホルダ3Bより大きくても、第1コイル42A1及び第2コイル42A2のそれぞれが第1コイル42B1及び第2コイル42B2のそれぞれよりも大きいため、第1レンズホルダ3Aを移動させるのに十分な推力を発生させることができる。
基本的に、駆動用磁石6の幅が大きいほど、光軸方向において隣接する2つのコイルの間の間隔を大きくすることができ、ひいては、レンズホルダ3の所望の移動量を実現するために必要なコイルの数を少なくすることができる。そして、コイルの数を少なくすることは、レンズホルダ駆動装置101の消費電力の低減をもたらす。
一方、レンズホルダ3の所望の移動量を実現するために必要なコイルの数が多くなる場合には、個々のコイルを小さくし、個々のコイルの消費電力を低減させることにより、レンズホルダ駆動装置101の消費電力の低減を図ることができる。
また、図13(B)に示すように、光軸に垂直な方向であるY軸方向において、第1コイルセット42Aを構成する第2コイル42A2と第2コイルセット42Bを構成する第2コイル42B2とは部分的に重なっている。
具体的には、図13(B)に示す例では、第1コイルセット42Aの配置領域は、幅W9を有し、第2コイルセット42Bの配置領域は、幅W10を有している。そして、光軸に垂直な方向であるY軸方向において、第1コイルセット42Aの配置領域と第2コイルセット42Bの配置領域とは部分的に重なっている。重なり幅は、幅W11で示されている。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、第1レンズホルダ3Aの可動範囲と第2レンズホルダ3Bの可動範囲とを部分的に重複させることができる。
望ましくは、図7に示すように、第1面としての第1コイルアセンブリ4Aには、複数のコイル(第1コイル42A1及び第2コイル42A2)が設けられ、第2面としての第2コイルアセンブリ4Bにも、複数のコイル(第1コイル42B1及び第2コイル42B2)が設けられている。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、第1コイルアセンブリ4Aに1つのコイルが設けられる場合に比べ、第1レンズホルダ3Aの移動量を大きくすることができる。同様に、レンズホルダ駆動装置101は、第2コイルアセンブリ4Bに1つのコイルが設けられる場合に比べ、第2レンズホルダ3Bの移動量を大きくすることができる。
また、図13(B)に示すように、第1レンズホルダ3A(第1レンズ体LS1)が可動側部材MBの可動範囲の一端であるX1側の端に位置するときに第1駆動用磁石6Aを引き付ける第1保持用磁石12A(前側磁石12A1)は、固定側部材FMとしてのコイルホルダ5(図6参照。)に設けられていてもよい。
また、図13(A)に示すように、第2レンズホルダ3B(第2レンズ体LS2)が可動側部材MBの可動範囲の他端であるX2側の端に位置するときに第2駆動用磁石6Bを引き付ける第2保持用磁石12B(後側磁石12B2)は、固定側部材FMとしてのコイルホルダ5(図6参照。)に設けられていてもよい。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、磁気力によって、レンズホルダ3を可動範囲の端に引き付けることができ、且つ、レンズホルダ3を可動範囲の端に保持できる。
図4及び図5に示すように、レンズホルダ駆動装置101は、光軸方向における可動側部材MBの移動を案内する2つの溝5G(第1溝5G1及び第2溝5G2)を備えていてもよい。なお、レンズホルダ駆動装置101は、2つの溝5Gの代わりに、1つ又は3つ以上の溝を備えていてもよく、1又は複数の案内レールを備えていてもよく、1又は複数のガイドシャフトを備えていてもよい。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、光軸方向におけるレンズホルダ3の移動を滑らかにすることができる。
固定側部材FMは、溝5Gを有するベース部材BMとしてのコイルホルダ5と、ベース部材BMに固定されるカバー部材1とを有していてもよい。そして、可動側部材MBは、上側及び下側にボールを保持し、可動側部材MBの上側に保持されたボールは、カバー部材1の天井面に対して付勢されていてもよい。
例えば、図11(A)に示すように、可動側部材MBを構成する第1レンズホルダ3Aの第1レンズキャリア30Aは、下側に下側ボールセット8を保持し、且つ、上側に上側ボールセット9を保持するように構成されていてもよい。そして、上側ボールセット9は、第1バネセット31Aにより、カバー部材1の天井面に対して押し付けられていてもよい。
この構成により、レンズホルダ駆動装置101は、レンズホルダ3の移動時の摩擦抵抗を抑制できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、第1レンズ保持アセンブリLH1は、図18に示すように、光軸方向と直交する方向の1つであるZ軸に平行な方向に係止部25eを進退させるように構成されている。しかしながら、第1レンズ保持アセンブリLH1は、Y軸に平行な方向に係止部25eを進退させるように構成されていてもよい。この場合、第1レンズ保持アセンブリLH1内のコイル24の中心軸は、Y軸に平行となるように配置されてもよい。或いは、第1レンズ保持アセンブリLH1は、光軸方向と直交しない方向、例えば、光軸方向に対して傾斜する方向、又は、光軸方向に平行な方向に係止部25eを進退させるように構成されていてもよい。この場合、第1係合部材10Aの係合部は、係止部25eと適切にかみ合うように形成される。第2レンズ保持アセンブリLH2についても同様である。
また、上述の実施形態では、第1コイルセット42Aを構成する第1コイル42A1及び第2コイル42A2は、コイルの巻回中心であるコイル軸がY軸に平行となるものであるが、光軸JDと平行なコイル軸を有するコイルであってもよい。第2コイルセット42Bについても同様である。